JP2007314728A - 接着テープ、およびその粘着力制御方法、位置決め方法ならびにその使用方法。 - Google Patents
接着テープ、およびその粘着力制御方法、位置決め方法ならびにその使用方法。 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】容易に位置決めを実施することができ、取扱いを容易にする。
【解決手段】被着体Aに接着する接着テープ1において、加圧されることにより接着剤層21の接着剤が多孔膜31の孔Hから被着体Aへ移動し、その被着体Aに接着するように構成する。
【選択図】図1
【解決手段】被着体Aに接着する接着テープ1において、加圧されることにより接着剤層21の接着剤が多孔膜31の孔Hから被着体Aへ移動し、その被着体Aに接着するように構成する。
【選択図】図1
Description
本発明は、接着テープ、およびその粘着力制御方法、位置決め方法ならびにその使用方法に関する。
接着テープは、被着体に接着し固定する材料として、さまざまな分野において利用されている。
たとえば、半導体装置を製造する際のダイシング工程においては、回路パターンが形成された半導体ウエハとウエハ支持台とに接着テープが接着し、半導体ウエハをウエハ支持台に固定する。その後、その接着テープにより固定された半導体ウエハをダイシングし、個々の半導体チップに分離する。
このような用途において、接着テープは、ダイシングを実施する際には、半導体ウエハから剥離しないように大きな接着力が必要となるのに対し、そのダイシングの実施終了後においては、その接着テープを容易に剥離できることが好ましい。このため、さまざまな接着テープが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
しかしながら、上記のように接着テープを使用する場合において、接着テープを被着体に接着させる位置を決める際には、大きな接着力を有する接着剤が接着面の全面に露出しているために、その位置に接着テープを合わせることが容易ではなく、取扱いが容易ではない場合があった。
また、接着テープは、その用途に応じて様々な接着力が要求される。そのため、用途に応じた接着力を有する接着剤を用いて接着テープが製造されているが、要求される接着力ごとに異なる接着剤を用いると製造が高コストになるという問題があった。
また、接着テープは、その用途に応じて様々な接着力が要求される。そのため、用途に応じた接着力を有する接着剤を用いて接着テープが製造されているが、要求される接着力ごとに異なる接着剤を用いると製造が高コストになるという問題があった。
したがって、本発明の目的は、位置決めが容易に実施可能であって、取扱いが容易であり、さらに容易に接着力が制御可能な接着テープ、およびその粘着力制御方法、位置決め方法ならびにその使用方法を実現することにある。
上記課題を解決するために、本発明の接着テープは、被着体に接着する接着テープであって、接着剤と、複数の孔が形成されている多孔膜とを有し、加圧されることにより前記接着剤が前記多孔膜の前記複数の孔から前記被着体へ移動し、前記被着体に接着する。
上記課題を解決するために、本発明の接着テープの使用方法は、接着剤と、複数の孔が形成されている多孔膜とを有し、熱または光を加えることにより硬化する硬化性材料によって前記接着剤が形成されている接着テープの使用方法であって、加圧により前記接着剤が前記多孔膜の前記孔から被着体へ移動することによって前記被着体に接着された前記接着テープを剥離する剥離ステップを有し、前記剥離ステップにおいては、前記被着体に接着された前記接着テープに熱または光を加えて前記接着剤を硬化させることによって前記被着体から前記接着テープを剥離する。
本発明によれば、位置決めが容易に実施可能であって、取扱いが容易であり、さらに容易に接着力が制御可能な接着テープおよび、およびその粘着力制御方法、位置決め方法ならびにその使用方法を実現することにある。
<実施形態1>
本発明にかかる実施形態1について説明する。
本発明にかかる実施形態1について説明する。
(構成)
図1は、本発明にかかる実施形態1における接着テープ1を示す断面図である。
図1は、本発明にかかる実施形態1における接着テープ1を示す断面図である。
図1に示すように、本実施形態の接着テープ1は、基材11と、接着剤層21と、多孔膜31とを有する。各部について順次説明する。
まず、基材11について説明する。
基材11は、図1に示すように、フィルム状に形成されており、接着剤層21と、多孔膜31とを支持している。基材11は、たとえば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、エチレン−プロピレン共重合体、ポリブテン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、アイオノマー、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリウレタン、スチレン−エチレン−ブテン共重合体等の樹脂によって構成されるフィルムであり、これらを複数選択して混合したフィルムや、複数種類のフィルムを重ね合わせて複層化されたものであってもよい。また、基材11は、厚みが50〜200μmの範囲であることが好ましい。
つぎに、接着剤層21について説明する。
接着剤層21は、図1に示すように、基材11の一方の面に層状に形成されている。この接着剤層21は、基材11の一方の面に接着剤が塗布されることによって形成される。そして、接着剤層21は、基材11側の面と反対側の面に多孔膜31が形成されている。本実施形態においては、接着剤層21は、熱または光を加えることによって硬化する硬化性の接着材料によって形成されている。たとえば、接着剤層21は、接着剤と、光重合性化合物と、光重合開始剤との混合液を基材11に塗布し、乾燥することによって形成される。そして、熱または光が加えられることによって、硬化収縮し、接着力が低減する。
ここで、接着剤としては、たとえば、エポキシ樹脂や、アクリル樹脂が好適である。たとえば、アクリル酸エステルとして、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸グリシジル、アクリル酸2−ヒドロキシエチルなどを、モノマーとして形成されたアクリル樹脂が好適である。また、接着性や凝集力を制御する目的で、アクリル酸、メタクリル酸、アクリロニトリル、酢酸ビニルなどのモノマーを共重合させたものを用いてもよい。
また、光重合性化合物としては、たとえば、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートあるいは1,4−ブチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレートなどを用いることが好適である。
また、光重合開始剤としては、たとえば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジルジフェニルサルファイド、テトラメチルチウラムモノサルファイド、アゾビスイソブチロニトリル、ジベンジル、ジアセチル、β−クロールアンスラキノンなどを用いることが好適である。この光重合開始剤は、光重合性化合物に対して、0.1〜10重量%の割合で含有される。
つぎに、多孔膜31について説明する。
多孔膜31は、有機ポリマーを含み、図1に示すように、複数の孔Hが形成されている。そして、この多孔膜31においては、その孔Hから、接着剤層21の接着剤が被着体へ移動する。本実施形態においては、多孔膜31は、図1に示すように、被着体に接着する側の一方の面から他方の面へ貫通するように孔Hが形成されている。また、多孔膜31は、その他方の面の側においては、接着剤層21と基材11とが順次配置されている。
この多孔膜31を構成する有機ポリマーとしては、たとえば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−4−メチルペンテン−1、シクロポリオレフィン等のオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンなどの塩素系樹脂、ポリアルキレンオキサイド、ポリビニルアルコール、エチレンビニルアルコール共重合樹脂等のアルコール系樹脂、ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂等のスチレン系樹脂、ポリメタクリル酸エステル、ポリアクリル酸エステル等のアクリル系樹脂、ポリアミド6、ポリアミド46、ポリアミド66等のポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等の熱可塑性ポリエステル、ポリアセタール、ポリカーボネート、変性ポリフェニレンエーテルなどの有機高分子材料が好適である。その他に、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリ酢酸ビニル、セルロース系プラスチック、熱可塑性エラストマーなどの熱可塑性樹脂、ポリフェニレンスルフィド、ポリスルフォン、非晶ポリアリレート、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルフォン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、液晶ポリエステル、ポリアミドイミド、ポリイミド等も使用可能である。ここでは、これらのうちの1種を用いることの他、複数種を選択して用いてもよい。特に、上記の有機ポリマーにおいて、コストを低くする目的を達成するためには、ポリスチレン、アクリル系樹脂を用いることが好ましく、透明性を向上させるためには、ポリカーボネート、シクロポリオレフィン、フッ素系樹脂を用いることが好ましい。また、耐熱性を向上させるためには、ポリアミド、ポリイミドを用いることが好ましい。また、ポリスチレン、ポリカーボネート、シクロポリオレフィンについては、クロロホルムなどの有機溶媒に溶けやすく、膜状の多孔質構造体を容易に得ることができるため、好適である。
この多孔膜31は、たとえば、逆ミセル法により形成される。詳細な製造工程については後述するが、逆ミセル法においては、上記のような有機ポリマーを疎水性の有機溶媒に溶解させると共に、その有機溶媒中に水が逆ミセル化されて分散するように塗布液を調合した後に、その塗布液を塗布し乾燥させることによって、多孔膜31を形成する。
この多孔膜31においては、平均開口率が20%以上であって70%以下になるように形成されていることが好ましい。この範囲より小さい場合には、接着剤と被着体との接触面積が著しく小さくなるため、接着テープとしての十分な接着性が得られない場合がある。また、この範囲より大きい場合には、被着体と多孔膜との接触部分が小さくなるため、多孔膜の孔部の上にある被着体がたわみ、加圧により接着剤が多孔膜の孔から被着体へ移動する過程の前に、被着体と接着剤が接触し、位置決めが困難になることがあるためである。特に、被着体が柔軟性を有する物質である場合には、このような不具合が顕在化する場合がある。なお、この平均開口率は、以下のようにして測定される。まず、走査型電子顕微鏡により多孔膜表面を観察し、膜表面上のある部分50μm×50μmにおける、孔部面積が膜表面積に占める割合を開口率とする。そして、多孔膜内の無作為に抽出した5つの部分について開口率を測定し、その平均値を平均開口率とする。
また、この多孔膜31においては、平均孔径が0.1μm以上であって100μm以下となるように形成されていることが好ましい。この範囲より小さい場合には、接着テープ1を基板11の側から加圧しても、孔Hから接着剤層21の接着剤が被着体へ移動せず、接着テープとしての十分な接着性が得られない場合がある。また、この範囲より大きい場合には、被着体の大きさが孔径より小さくなることがあり、加圧により接着剤が多孔膜の孔から被着体へ移動する過程の前に、被着体と接着剤が接触し、位置決めが困難になることがある。なお、この平均孔径は、走査型電子顕微鏡により多孔膜表面を観察し、膜表面上の孔20点を無作為に抽出して孔径を測定し、その平均値を求めることによって算出される。
ここで、前記被着体に接着する側の一方の面から他方の面へ貫通するように複数の孔Hが形成されている多孔膜31と、前記多孔膜31の前記他方の面の側に層状に形成されている接着剤層21とを有し、加圧されることにより前記接着剤21が前記多孔膜31の前記孔から前記被着体へ移動する前記被着体に接着する接着テープの粘着力を、前記多孔膜31の平均孔径を0.1μm以上、100μm以下とし、さらに平均開口率が20%以上であって70%以下とすることにより制御し、接着テープの位置合せ(位置決め)が可能になる。
さらに、前記被着体に接着する側の一方の面が開口すると共に他方の面が連続するように、前記複数の孔Hが形成されている多孔膜31と、前記多孔膜31の複数の孔Hに収容されている接着剤21とを有し、加圧されることにより前記接着剤21が前記多孔膜31の前記孔から前記被着体へ移動し、前記被着体に接着する接着テープの粘着力を、前記多孔膜31の平均孔径を0.1μm以上、100μm以下とし、さらに平均開口率が20%以上であって70%以下とすることにより制御し、接着テープの位置合せが可能になる。
(製造方法)
以下より、上記した本実施形態の接着テープ1を製造する方法について説明する。
以下より、上記した本実施形態の接着テープ1を製造する方法について説明する。
図2は、本発明にかかる実施形態1において、接着テープ1を製造する際の各工程における断面図である。図2においては、図2(a),図2(b),図2(c)の順に、その各工程での断面図を示している。
まず、図2(a)に示すように、剥離フィルム101に多孔膜31を形成する。
ここでは、逆ミセル法によって剥離フィルム101上に多孔膜31を形成する。つまり、有機ポリマーを疎水性の有機溶媒に溶解させると共に、その有機溶媒中に水を逆ミセル化させて分散させて、塗布液を調合した後に、その塗布液を塗布し乾燥させることによって、多孔膜31を形成する。
この多孔膜31を形成する工程について、詳細に説明する。
図3は、本発明にかかる実施形態1において、多孔膜31を形成する工程を示すフロー図である。
多孔膜31を形成する際においては、図3に示すように、まず、有機ポリマーを疎水性の有機溶媒に溶解させると共に、その有機溶媒中に内部に水を有する逆ミセルを分散させることによって、塗布液を調製する(S111)。
本工程においては、疎水性の有機ポリマーと両親媒性物質と水とを、疎水性の有機溶媒に投入した後に混合撹拌し、その有機溶媒中に逆ミセルを形成する。
具体的には、まず、これらの成分を容器に投入する。ここでは、両親媒性物質、有機ポリマー、水及び有機溶媒の配合順序は任意である。そして、マグネチックスターラー、回転翼、超音波などによって、その混合液を容器中で撹拌する。特に、超音波を利用して撹拌することによって、微細であって均一な逆ミセルを形成できる。
ここでは、有機ポリマーとしては、上述したように、任意の樹脂を用いることができる。
また、両親媒性物質としては、以下に示すように、任意のものを使用できる。たとえば、イオン性両親媒性物質において、親水基を構成する陰イオンとして、−COO−、−SO3 −等を含むものや、陽イオンとして、ジメチルアンモニウムイオン、トリメチルアンモニウムイオン、ピリジニウムイオンなどを含むものが使用できる。また、非イオン性両親媒性物質において、親水基として、水酸基、エーテル結合などを含むものが使用できる。具体的には、下記の化学式1に示すビス(2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム)の他、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ジイソブチルスルホコハク酸ナトリウム、ジシクロヘキシルスルホコハク酸ナトリウム、ジヘキシルスルホコハク酸ナトリウムを使用することができる。また、その他に、下記の化学式2で示すジヘキサデシルジメチルアンモニウムとポリスチレンスルホン酸のポリイオンコンプレックスの他、エチレングリコールとプロピレングリコールから得られるブロックコポリマー、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドから得られるブロックコポリマーを用いることができる。なお、これらを複数種、組み合わせて使用してもよい。
また、有機溶媒としては、高い疎水性を有すると共に、疎水性の有機ポリマーを溶解するものを用いることができる。特に、有機溶媒としては、蒸気圧が水よりも高いものが好ましいため、沸点が水より低い有機溶媒が好ましい。有機溶媒を、その有機溶媒中に逆ミセルとして含まれる水より早く蒸発させた方が、多孔質の孔Hを高精度に形成できるからである。しかしながら、水より沸点の高い有機溶媒を用いた場合においても、塗布液において有機溶媒が蒸発する過程において、逆ミセルを維持可能な程度まで塗布液の液粘度が上昇することで、多孔質の孔Hを高精度に形成することができる。このような場合においては、トルエンやキシレンなどのように、水より高い沸点である有機溶媒を使用できる。なお、親水性が高い有機溶媒は、逆ミセルを形成することが困難であるため、好適ではない場合がある。
この有機溶媒の比重については、有機ポリマーが溶解された状態において、逆ミセル形成部より大きくなるものが好ましい。塗布後において逆ミセル形成部が上方に分布させることによって容易に水を蒸発させることができるためである。ここでは、逆ミセル形成部のみの比重を測定することは困難な場合が多いため、有機ポリマーが溶解した有機溶媒の比重が、水の比重よりも大きいものを選択する。ポリエチレンとポリプロピレン等の一部のポリオレフィンを除いて、一般に比重は有機ポリマーが水よりも大きいため、水より軽い有機溶媒を選択してもよい。なお、比重が水よりも小さい有機ポリマーと有機溶媒とを組合せて使用し、有機溶媒溶液において逆ミセルが下方に多く分布する場合においては、次工程において塗布する基材を多孔質材料にすることによって、その基材の下部方向から水を蒸発させることができる。
有機溶媒の具体例としては、比重が水よりも大きいものとして、ジクロルメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロルエタン、1,1,2,2−テトラクロルエタン、1,2ジクロルエチレン、トリクロルエチレン等の塩素系溶媒や二硫化炭素を適宜使用することができる。また、比重が水よりも軽い有機溶媒として、n−ペンタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等を適宜使用することができる。これらの有機溶媒は、単独で用いても、複数種を混合して使用してもよい。
また、親水性物質としては、水を使用することが好適である。しかし、塗布液において有機溶媒との相溶性が小さければ、これに限定されない。
本工程にて塗布液を調製する際においては、両親媒性物質に対する水の重量比Rw(水の重量/両親媒性物質の重量)が、0.5以上であって、15以下であることが好ましい。このRwが0.5以上になるように塗布液を調製した場合には、塗布液中に逆ミセルを容易に形成できる。一方で、Rwが15以下になるように調製した場合には、塗布液中において形成される逆ミセルが不可逆的に凝集することを防止できる。また、塗布液を調整する際においては、このRwを大きくすることで逆ミセルの径を大きくすることができ、一方で、このRwを小さくすることで逆ミセルの径を小さくすることができる。
また、有機ポリマーを有機溶媒に対して0.01以上,10質量%以下含有するように溶解させることが好ましく、特に、0.05以上,5質量%以下で含有することが好ましい。このような範囲で有機ポリマーを有機溶媒に溶解させることにより、多孔膜31のそれぞれの孔Hの孔径を均一化すると共に、それぞれの孔Hを規則的に配列することができる。
そして、有機ポリマーと両親媒性物質とを合計した総重量において有機ポリマーの重量が占める割合Rp(有機ポリマー/{有機ポリマー+両親媒性物質})が0.1以上であって、0.6以下であることが好ましい。このように、塗布液において、Rpを上記範囲の割合に調製することによって、逆ミセルを容易に形成できる。
また、水と有機ポリマーと両親媒性物質の相対的濃度を調整することで、多孔質膜31において単位表面積あたりに孔Hが占める割合(開口率)が所望の値になるように形成することができる。たとえば、水と有機ポリマーと両親媒性物質とを合計した溶質全体の重量に対して水の重量が占める割合(水/(水+有機ポリマー+両親媒性物質))を大きくすることによって、開口率を相対的に大きくすることができる。ここでは、有機ポリマーと両親媒性物質との濃度を一定にすることによって孔径を大きくさせながら孔Hの中心間距離を小さく、すなわち開口率を大きくすることができ、一方、水の濃度とともに両親媒性物質の濃度も大きくし、Rwを一定にすることによって、孔径を一定のまま孔Hの中心間距離を小さく、すなわち開口率を大きくすることができる。
また、Rwによる孔径制御、有機ポリマーの濃度と基板上にキャストする溶液の厚みを調整することで多孔膜31の膜厚が制御できるため、多孔質膜31の孔Hを、貫通孔もしくは非貫通孔として形成できる。具体的には、膜厚を孔径以下とすることで貫通孔となり、膜厚を孔径以上とすることで非貫通孔となる。
また、Rwによる孔径制御、有機ポリマーの濃度と基板上にキャストする溶液の厚みを調整することで多孔膜31の膜厚が制御できるため、多孔質膜31の孔Hを、貫通孔もしくは非貫通孔として形成できる。具体的には、膜厚を孔径以下とすることで貫通孔となり、膜厚を孔径以上とすることで非貫通孔となる。
本実施形態においては、図1に示すように、多孔膜31の孔Hが貫通孔になるように、有機ポリマー、両親媒性物質、有機溶媒、水を、所定の割合で配合し混合撹拌して、逆ミセルが形成された塗布液を調整する。
具体的には、貫通孔として多孔膜31の孔Hを形成するように、以下に示すような条件に従って、塗布液を調整する。
貫通孔を作製するには、孔径を膜厚より大きくする必要がある。そのため、Rw=0.5〜15の範囲で凝集を防止して孔径を制御し、また、塗布液の塗布厚により膜厚を調整する。例えば、塗布液中の固形分が20%の場合、塗布液の塗布厚のおよそ20%の厚みの膜を形成できる。このようにして、孔径が膜厚より大きくなるような条件に調整する。
つぎに、図3に示すように、塗布液を剥離フィルム101に塗布する(S121)。
ここでは、ブレードコーターなどの塗布機を用いて塗布液を剥離フィルム101に塗布する。たとえば、塗布液の厚みが、0.01mm以上であって5mm以下になるように塗布する。特に、0.05mm以上であって1mm以下の厚さになるように塗布液を塗布することが好ましい。この厚みの範囲になるように塗布液を塗布することによって、有機溶媒を短時間で蒸発させると共に、その蒸発によって得られる多孔膜31に十分な機械的強度を付与できる。また、多孔膜31において形成される孔Hの密度と孔Hの配列を制御できる。
なお、剥離フィルム101としては、たとえば、シリコンによって離型処理が施されたPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムを用いる。また、この他に、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエーテルケトン、ポリフッ化エチレン等の樹脂フィルムや、ガラス、金属、シリコン酸化物等の基板を使用してもよい。たとえば、紫外線などの光の照射により硬化する硬化性材料によって形成されている接着テープ1を使用する場合には、剥離フィルムは、照射光に対し透過性を有している必要がある。
つぎに、図3に示すように、剥離フィルム101に塗布された塗布液を乾燥し、多孔膜31を形成する(S131)。
ここでは、剥離フィルム101に塗布されている塗布液へ送風することによって、有機溶媒と水とを蒸発させて、多孔膜31を形成する。つまり、この蒸発によって、逆ミセルは、それぞれにおけるファンデルワールス力,静電気力や、逆ミセルと基板との摩擦力、毛細管力などの作用により、自己組織的に規則配列する。このため、その逆ミセルが鋳型となり、孔Hが規則的に配列される。
本工程においては、周囲の温度と圧力を調整することで、孔Hを規則的に配列することができる。具体的には、温度を低下させて溶媒の蒸発速度を下げることによって、逆ミセルが自己組織的に配列するに費やされる時間が長くなるため、より規則正しく孔Hを配列させることができる。また、同様に、圧力を上げて溶媒の蒸発を抑制することによって、より規則正しく孔Hを配列させることができる。また、超音波を与えることによっても、同様な効果を得ることができる。
また、乾燥方法については、乾燥空気又は乾燥不活性ガスを、塗布液へ送風する方法が好ましい。この時、塗布液表面への結露の影響を防ぐために、たとえば、相対湿度が70%以下であることが好ましく、特に、相対湿度が30%以下にすることが、より好ましい。なお、乾燥は、減圧下、常圧下、及び加圧下のいずれでも行うことができる。
以上のようにして多孔膜31を形成する。
つぎに、図2(b)に示すように、基材11に接着剤層21を形成する。
ここでは、接着剤を有機溶媒に溶解させて接着剤液を調整した後に、その接着剤液を基板11に塗布する。その後、その基板11に塗布された接着剤液を乾燥させて、接着剤層21を形成する。
つぎに、図2(c)に示すように、接着剤層21と多孔膜31とを対面させる。
ここでは、剥離フィルム101と基板11とのそれぞれにおいて、多孔膜31と接着剤層21とのそれぞれが形成された面を互いに対面させて重ね合わせる。そして、ロールラミネータを用いて貼り合わせる。
つぎに、図2(d)に示すように、接着剤層21の上に多孔膜31を形成する。
ここでは、互いに貼り合わされた接着剤層21と多孔膜31とから剥離フィルム101を剥離することによって、接着剤層21の上に多孔膜31を形成する。
(使用方法)
以下より、本実施形態の接着テープ1の使用方法について説明する。ここでは、接着剤層21と、複数の孔Hが形成されている多孔膜31とを有し、その接着剤層21が、紫外線などの光の照射により硬化する硬化性材料によって形成されている接着テープ1を、使用する場合について説明する。
以下より、本実施形態の接着テープ1の使用方法について説明する。ここでは、接着剤層21と、複数の孔Hが形成されている多孔膜31とを有し、その接着剤層21が、紫外線などの光の照射により硬化する硬化性材料によって形成されている接着テープ1を、使用する場合について説明する。
図4は、本発明にかかる実施形態1において、接着テープ1を使用する際の各ステップにおける断面図である。ここでは、図4(a),図4(b),図4(c)の順で各ステップが進行する。
まず、図4(a)に示すように、接着テープ1を被着体Aにおいて接着する位置に位置合わせする。
ここでは、接着テープ1において多孔膜31が形成されている面を、被着体Aの側に向けて、位置合わせを行なう。多孔膜31の表面には、接着剤31が存在しないため、位置合わせを容易にすることができる。
つぎに、図4(b)に示すように、接着テープ1において多孔膜31が形成されている面を被着体Aに接着する。
ここでは、接着テープ1を基板11の側から加圧し、接着剤層31の接着剤を多孔膜31の孔Hから被着体Aへ移動させることによって、その接着テープ1を被着体Aに接着する。この際、接着剤は孔H部分を通してのみ被着体Aに接着されるため、単位表面積あたりに孔Hが占める割合(開口率)を制御することにより接着テープの被着体に対する接着力が制御される。
そして、接着テープ1を被着体Aから剥離する場合には、図4(c)に示すように実施する。
ここでは、被着体Aに接着された接着テープ1に紫外線などの光を照射することによって、接着剤層31を硬化させて収縮させる。これにより、接着力が低下するために、接着テープ1が自己剥離する。
以上のように、本実施形態の接着テープ1は、加圧されることにより接着層21の接着剤が多孔膜31の孔Hから被着体Aへ移動し、被着体Aに接着する。ここでは、多孔膜31は、被着体Hに接着する側の一方の面から他方の面へ貫通するように、その孔が形成されている。そして、接着剤層21は、接着剤によって多孔膜31の他方の面の側に層状に形成されている。よって、接着面の表面に多孔膜31が形成され、接着剤が露出していない。このため、容易に接着テープ1を位置決めすることができる。
また、本実施形態の接着テープ1を使用する際においては、接着層21の接着剤を多孔膜31の孔Hから被着体Aへ移動させて被着体Aに接着テープ1を接着させる。その後、その接着テープ1を被着体Aから剥離する際には、その被着体Aに接着された接着テープ1に紫外線などの光を加えて接着剤31を硬化させ収縮させる。これによって、接着剤31の接着力が低下するために、被着体Aから接着テープが自己剥離する。よって、本実施形態は、接着テープ1を容易に剥離することができる。
したがって、本実施形態は、容易に位置決めを実施することができ、取扱いを容易にでき、さらに容易に接着力制御可能となる。
<実施形態2>
本発明にかかる実施形態2について説明する。
本発明にかかる実施形態2について説明する。
(構成)
図5は、本発明にかかる実施形態2において、接着テープ1bを示す断面図である。
図5は、本発明にかかる実施形態2において、接着テープ1bを示す断面図である。
本実施形態の接着テープ1bは、図5に示すように、実施形態1と異なり、接着剤層21が無く、多孔膜31の形状が異なる。そして、接着剤32を有する。この点を除き、実施形態1と同様である。このため、本実施形態において、実施形態1と重複する個所については、記載を省略する。
多孔膜31は、図5に示すように、被着体Aに接着する側の一方の面が開口すると共に、その他方の面が連続するように、孔Hが形成されている。つまり、本実施形態においては、多孔膜31の孔Hは、非貫通孔として形成されている。
接着剤32は、図5に示すように、その多孔膜31の孔Hに収容されている。ここでは、接着剤32は、多孔膜31の孔Hの開口から露出しないように形成されている。
(製造方法)
以下より、上記した本実施形態の接着テープ1bを製造する方法について説明する。
以下より、上記した本実施形態の接着テープ1bを製造する方法について説明する。
図6は、本発明にかかる実施形態2において、接着テープ1を製造する際の各工程における断面図である。図6においては、図6(a),図6(b)の順に、その各工程での断面図を示している。
まず、図6(a)に示すように、基材11に多孔膜31を形成する(S311)。
ここでは、逆ミセル法によって基材11に多孔膜31を形成する。本実施形態においては、図5に示すように、多孔膜31の孔Hを非貫通孔として形成するように、有機ポリマー、両親媒性物質、有機溶媒、水を所定の割合で配合した後に、混合撹拌し、逆ミセルが形成された塗布液を調整する。
具体的には、以下に示すような条件に従って、非貫通孔として多孔膜31の孔Hを形成するように、塗布液を調整する。その後、その塗布液を塗布し乾燥させることによって、多孔膜31を形成する。
ここでは、クロロホルムのように水よりも比重の大きい溶媒を用いることにより、ミセルが液面に浮いて存在するため、非貫通孔が形成される。さらに、非貫通孔を作製するには、孔径を膜厚より小さくする必要がある。そのため、Rw=0.5〜15の範囲で凝集を防止して孔径を制御し、また、塗布液の塗布厚により膜厚を調整する。例えば、塗布液中の固形分が20%の場合、塗布液の塗布厚のおよそ20%の厚みの膜を形成できる。このようにして、孔径が膜厚より小さくなるような条件に調整する。
つぎに、図6(b)に示すように、多孔層31の孔Hに接着剤32を収容する(S321)。
ここでは、実施形態1と同様に、接着剤を有機溶媒に溶解させて接着剤液を調整する。その後、その接着剤液を多孔層31に塗布する。そして、その基材11に塗布された接着剤液を乾燥させる。具体的には、接着剤液を多孔層31に塗布した後、多孔層31の表面部分に付着した接着剤液を、金属ブレードなどでワイプし除去する。これにより、接着剤を多孔層の孔部のみに収容することができる。
このようにして、本実施形態の接着テープ1bを製造する。
以上のように、本実施形態の接着テープ1bは、実施形態1と同様に、多孔膜31の孔Hから接着剤が被着体Aへ移動することによって被着体Aに接着する。そして、本実施形態の接着テープ1bを使用する際においては、実施形態1と同様に、接着および剥離を実施する。したがって、本実施形態は、容易に位置決めを実施することができ、取扱いを容易できる。
また、本実施形態の接着テープ1bは、実施形態1と異なり、多孔膜31は、被着体Aに接着する側の一方の面が開口すると共に他方の面が連続するように、孔Hが形成されており、接着剤32は、その多孔膜31の孔Hに収容されている。したがって、本実施形態は、実施形態1と異なり、接着剤32がそれぞれ独立した孔内に一定量ずつ存在しているため、面内の場所による接着力のばらつきを小さくすることができる。
<実施形態3>
本発明にかかる実施形態3について説明する。
本発明にかかる実施形態3について説明する。
図7は、本発明にかかる実施形態3において、接着テープ1cを示す断面図である。
本実施形態の接着テープ1cは、図7に示すように、実施形態2と異なり、基材11が配置されていない。この点を除き、実施形態2と同様である。このため、本実施形態において、実施形態2と重複する個所については、記載を省略する。
(製造方法)
以下より、上記した本実施形態の接着テープ1cを製造する方法について説明する。
以下より、上記した本実施形態の接着テープ1cを製造する方法について説明する。
図8は、本発明にかかる実施形態3において、接着テープ1cを製造する際の各工程における断面図である。図8においては、図8(a),図8(b),図8(c)の順に、各工程での断面図を示している。
まず、図8(a)に示すように、剥離フィルム101に多孔膜31を形成する。
ここでは、逆ミセル法によって剥離フィルム101に多孔膜31を形成する。本実施形態においては、実施形態2と同様に、非貫通孔として多孔膜31の孔Hを形成するように、有機ポリマー、両親媒性物質、有機溶媒、水を所定の割合で配合して混合撹拌し、逆ミセルが形成された塗布液を調整する。その後、その塗布液を塗布し乾燥させることによって、多孔膜31を形成する。
つぎに、図8(b)に示すように、多孔層31の孔Hに接着剤32を収容する。
ここでは、実施形態2と同様に、接着剤を有機溶媒に溶解させて接着剤液を調整した後に、その接着剤液を多孔層31に塗布する。その後、その多孔層31に塗布された接着剤液を乾燥させる。
つぎに、図8(c)に示すように、剥離フィルム101を剥離する。
このようにして、本実施形態の接着テープ1cを製造する。
以上のように、本実施形態の接着テープ1cは、実施形態1と実施形態2とのそれぞれと同様に、多孔膜31の孔Hから接着剤が被着体Aへ移動することによって被着体に接着する。そして、本実施形態の接着テープ1cを使用する際においては、実施形態1および実施形態2と同様に、接着および剥離を実施する。したがって、本実施形態は、基材11が配置されていないが、実施形態1および実施形態2と同様に、容易に位置決めを実施することができ、取扱いを容易にできる。
<実施例>
以下より、本発明にかかる実施例について説明する。
以下より、本発明にかかる実施例について説明する。
[実施例1]
本実施例においては、図1にて実施形態1として示した接着テープ1のように、貫通孔として多孔膜31の孔Hを形成するために、以下のように、有機ポリマー、両親媒性物質、有機溶媒、水を配合し、3分間、超音波で撹拌することによって、逆ミセルが形成された塗布液を調整した。
本実施例においては、図1にて実施形態1として示した接着テープ1のように、貫通孔として多孔膜31の孔Hを形成するために、以下のように、有機ポリマー、両親媒性物質、有機溶媒、水を配合し、3分間、超音波で撹拌することによって、逆ミセルが形成された塗布液を調整した。
(塗布液)
有機ポリマー:ポリウレタン樹脂 1.0g
両親媒性物質:ビス(2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム) 0.6g
有機溶媒:トルエン 20ml
水 3.0ml
有機ポリマー:ポリウレタン樹脂 1.0g
両親媒性物質:ビス(2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム) 0.6g
有機溶媒:トルエン 20ml
水 3.0ml
そして、ブレードコータを用いて、この塗布液を剥離フィルム101に塗布した後に、乾燥空気(温度25℃,相対湿度17%)を流速3L/min.で送風して乾燥させた。これによって、剥離フィルム101上に厚さが4.8μmの多孔膜31を形成した。
つぎに、以下のように接着剤液を調整した。その後、ブレードコータを用いて、その接着剤液を基板11に塗布し、乾燥させた。
これによって、基材11に15μmの接着剤層21を形成した。
(接着剤液)
接着剤:エポキシ樹脂 100重量部
光重合性化合物:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 150重量部
光重合開始剤:ベンゾインイソプロピルエーテル 3重量部
硬化剤:ポリイソシアネート化合物 4重量部
有機溶媒:酢酸エチルを加え固形分が35重量%となるよう混合。
接着剤:エポキシ樹脂 100重量部
光重合性化合物:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 150重量部
光重合開始剤:ベンゾインイソプロピルエーテル 3重量部
硬化剤:ポリイソシアネート化合物 4重量部
有機溶媒:酢酸エチルを加え固形分が35重量%となるよう混合。
つぎに、剥離フィルム101と基板11とのそれぞれにおいて、多孔膜31と接着剤層21とのそれぞれが形成された面を互いに対面させて重ね合わせた。そして、ロールラミネータを用いて貼り合わせた。たとえば、3kg/cmの圧力を加えてラミネートした。そして、互いに貼り合わされた接着剤層21と多孔膜31とから、剥離フィルム101を剥離することによって、接着剤層21の上に多孔膜31を形成し、実施例1の接着テープ1を完成させた。
[実施例2]
本実施例においては、実施例1と異なり、以下のように塗布液を調整した。そして、実施例1と同様に、この塗布液を塗布することによって、厚さが6.4μmの多孔膜31を形成した。この点を除き、本実施例は実施例1と同様である。
本実施例においては、実施例1と異なり、以下のように塗布液を調整した。そして、実施例1と同様に、この塗布液を塗布することによって、厚さが6.4μmの多孔膜31を形成した。この点を除き、本実施例は実施例1と同様である。
(塗布液)
有機ポリマー:ポリウレタン樹脂 1.0g
両親媒性物質:ビス(2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム) 0.6g
有機溶媒:トルエン 20ml
水 1.5ml
有機ポリマー:ポリウレタン樹脂 1.0g
両親媒性物質:ビス(2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム) 0.6g
有機溶媒:トルエン 20ml
水 1.5ml
[実施例3]
本実施例においては、実施例1と異なり、以下のように塗布液を調整した。そして、実施例1と同様に、この塗布液を塗布することによって、厚さが5.1μmの多孔膜31を形成した。この点を除き、本実施例は実施例1と同様である。
本実施例においては、実施例1と異なり、以下のように塗布液を調整した。そして、実施例1と同様に、この塗布液を塗布することによって、厚さが5.1μmの多孔膜31を形成した。この点を除き、本実施例は実施例1と同様である。
(塗布液)
有機ポリマー:ポリウレタン樹脂 1.0g
両親媒性物質:ビス(2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム) 0.6g
有機溶媒:トルエン 20ml
水 0.5ml
有機ポリマー:ポリウレタン樹脂 1.0g
両親媒性物質:ビス(2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム) 0.6g
有機溶媒:トルエン 20ml
水 0.5ml
[実施例4]
本実施例においては、図5にて実施形態2として示した接着テープ1bのように、非貫通孔として多孔膜31の孔Hを形成するために、以下のように、有機ポリマー、両親媒性物質、有機溶媒、水を配合し、3分間、超音波で撹拌することによって、逆ミセルが形成された塗布液を調整した。
本実施例においては、図5にて実施形態2として示した接着テープ1bのように、非貫通孔として多孔膜31の孔Hを形成するために、以下のように、有機ポリマー、両親媒性物質、有機溶媒、水を配合し、3分間、超音波で撹拌することによって、逆ミセルが形成された塗布液を調整した。
(塗布液)
有機ポリマー:ポリウレタン樹脂 1.0g
両親媒性物質:ビス(2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム) 0.6g
有機溶媒:クロロホルム 20ml
水 0.5ml
有機ポリマー:ポリウレタン樹脂 1.0g
両親媒性物質:ビス(2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム) 0.6g
有機溶媒:クロロホルム 20ml
水 0.5ml
つぎに、ブレードコータを用いて、この塗布液を基材11に塗布した後に、乾燥空気(温度25℃,相対湿度17%)を、流速3L/min.で送風することで、乾燥させた。これによって、基材11上に厚さが6.1μmの多孔膜31を形成した。
つぎに、実施例1と同様に接着剤液を調整した後、その接着剤液を基板11上に形成された多孔膜31に塗布した。そして、その塗布した塗布液を乾燥させることによって、多孔膜31の孔Hに接着剤21を収容させて、実施例2の接着テープ1bを完成させた。
[実施例5]
本実施例においては、図7にて実施形態3として示した接着テープ1cに示すように、非貫通孔として多孔膜31の孔Hを形成するために、実施例2と同様に、塗布液を調整した。
本実施例においては、図7にて実施形態3として示した接着テープ1cに示すように、非貫通孔として多孔膜31の孔Hを形成するために、実施例2と同様に、塗布液を調整した。
そして、実施例2と同様にして、この塗布液を剥離フィルム101に塗布後、乾燥させた。
つぎに、実施例2と同様にして、接着剤液を調整後、その接着剤液を、剥離フィルム101に形成された多孔膜31に塗布し乾燥させた。
つぎに、剥離フィルム101を剥離して、本実施例の接着フィルム1cを完成させた。
[実施例6]
本実施例においては、実施例1と異なり、以下のように塗布液を調整した。そして、実施例1と同様に、この塗布液を塗布することによって、厚さが5.8μmの多孔膜31を形成した。この点を除き、本実施例は実施例1と同様である。
本実施例においては、実施例1と異なり、以下のように塗布液を調整した。そして、実施例1と同様に、この塗布液を塗布することによって、厚さが5.8μmの多孔膜31を形成した。この点を除き、本実施例は実施例1と同様である。
(塗布液)
有機ポリマー:ポリウレタン樹脂 1.0g
両親媒性物質:ビス(2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム) 0.6g
有機溶媒:トルエン 20ml
水 5.0ml
有機ポリマー:ポリウレタン樹脂 1.0g
両親媒性物質:ビス(2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム) 0.6g
有機溶媒:トルエン 20ml
水 5.0ml
[実施例7]
本実施例においては、実施例1と異なり、以下のように塗布液を調整した。そして、実施例1と同様に、この塗布液を塗布することによって、厚さが6.1μmの多孔膜31を形成した。この点を除き、本実施例は実施例1と同様である。
本実施例においては、実施例1と異なり、以下のように塗布液を調整した。そして、実施例1と同様に、この塗布液を塗布することによって、厚さが6.1μmの多孔膜31を形成した。この点を除き、本実施例は実施例1と同様である。
(塗布液)
有機ポリマー:ポリウレタン樹脂 1.0g
両親媒性物質:ビス(2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム) 0.6g
有機溶媒:トルエン 20ml
水 0.2ml
有機ポリマー:ポリウレタン樹脂 1.0g
両親媒性物質:ビス(2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム) 0.6g
有機溶媒:トルエン 20ml
水 0.2ml
[比較例1]
実施例1と同様に接着剤液を調整した後、この接着剤液を剥離フィルム101に塗布後、乾燥させ、接着フィルムを完成させた。
実施例1と同様に接着剤液を調整した後、この接着剤液を剥離フィルム101に塗布後、乾燥させ、接着フィルムを完成させた。
実施例1〜7における、平均孔径と平均開口率、紫外線照射前と照射後の粘着力、位置決め性について、以下の表1に示す。なお、ここでは、各特性を以下のように測定した。
粘着力:JIS Z−0237に準じ、紫外線照射前後の粘着力を測定した(90゜剥離、剥離速度300mm/min)。紫外線照射は高圧水銀ランプを用いて、1000mJ/cm2の照射量で照射した。
位置決め性:被着体として予めトルエンにて洗浄したステンレス板(SUS304)を用い、接着テープを被着体上に配置した後、接着テープと被着体を圧着する前に被着体もしくは接着テープを容易に自由に動かして位置合わせすることが可能であったものを○、この動作が可能であったものを△、この動作が不可能であったものを×とした。
表1に示すように、実施例1から実施例7の各実施例は比較例に比べ、位置決め性に優れ、一応実用範囲の特性を示している。
平均開口率が20%以上、70%以下の実施例1から実施例5は、位置決め性と粘着力の両特性がともに優れている。これに対して、平均開口率が81%の実施例6は、実施例1から実施例5に比べて、位置決め性に劣る。また平均開口率が12%の実施例7は、実施例1から実施例5に比べて、粘着力がやや低い。以上のように、実施例6または実施例7は、実施例1から実施例5に比べて、位置決め性か粘着力のいずれかの特性が劣っている。
平均開口率が20%以上、70%以下の実施例1から実施例5は、位置決め性と粘着力の両特性がともに優れている。これに対して、平均開口率が81%の実施例6は、実施例1から実施例5に比べて、位置決め性に劣る。また平均開口率が12%の実施例7は、実施例1から実施例5に比べて、粘着力がやや低い。以上のように、実施例6または実施例7は、実施例1から実施例5に比べて、位置決め性か粘着力のいずれかの特性が劣っている。
なお、上記の実施形態において、接着テープ1,1b,1cは、本発明の接着テープに相当する。また、上記の実施形態において、基材11は、本発明の基材に相当する。また、上記の実施形態において、接着剤層21,接着剤32は、本発明の接着剤に相当する。また、上記の実施形態において、多孔膜31は、本発明の多孔膜に相当する。
また、本発明の実施に際しては、上記の実施形態に限定されるものではなく、種々の変形形態を採用することができる。
たとえば、上記の実施形態においては、紫外線硬化性樹脂を接着剤として用いた場合について説明したが、これに限定されない。たとえば、熱硬化性樹脂を接着剤として用いてもよい。また、接着剤を硬化させて自己剥離させない場合においては、硬化性材料を用いずに、可塑性を有する接着剤を用いればよい。
また、上記の実施形態においては、多孔膜を逆ミセル法によって形成する場合について説明したが、これに限定されない。
1,1b,1c…接着テープ、
11…基材、
21…接着剤層、
31…多孔膜、
32…接着剤
11…基材、
21…接着剤層、
31…多孔膜、
32…接着剤
Claims (12)
- 被着体に接着する接着テープであって、
接着剤と、
複数の孔が形成されている多孔膜と
を有し、
加圧されることにより前記接着剤が前記多孔膜の前記孔から前記被着体へ移動し、前記被着体に接着する
接着テープ。 - 前記多孔膜は、前記被着体に接着する側の一方の面から他方の面へ貫通するように前記孔が形成されており、
前記接着剤は、前記多孔膜の前記他方の面の側に層状に形成されている
請求項1に記載の接着テープ。 - 前記多孔膜は、前記被着体に接着する側の一方の面が開口すると共に他方の面が連続するように、複数の孔が形成されており、
前記接着剤は、前記多孔膜の前記複数の孔に収容されている
請求項1に記載の接着テープ。 - 前記多孔膜を支持する基板
を有し、
前記基板が、前記多孔膜の前記他方の面の側に配置されている
請求項2または3に記載の接着テープ。 - 前記多孔膜は、平均開口率が20%以上であって70%以下である
請求項1から4のいずれかに記載の接着テープ。 - 前記多孔膜は、平均孔径が0.1μm以上,100μm以下である
請求項1から5のいずれかに記載の接着テープ。 - 前記多孔膜は、内部に水を有する、両親媒性物質からなる逆ミセルが分散していると共に疎水性有機ポリマーが溶解されている有機溶媒溶液を塗布した後に、当該塗布された有機溶媒溶液を乾燥させることによって形成されている
請求項1から6までのいずれかに記載の接着テープ。 - 前記接着剤は、熱または光を加えることによって硬化する硬化性材料によって形成されている請求項1から7までのいずれかに記載の接着テープ。
- 接着剤と、複数の孔が形成されている多孔膜とを有し、熱または光を加えることにより硬化する硬化性材料によって前記接着剤が形成されている接着テープの使用方法であって、
加圧により前記接着剤が前記多孔膜の前記孔から被着体へ移動することによって前記被着体に接着された前記接着テープを剥離する剥離ステップ
を有し、
前記剥離ステップにおいては、前記被着体に接着された前記接着テープに熱または光を加えて前記接着剤を硬化させることによって前記被着体から前記接着テープを剥離する、
接着テープの使用方法。 - 前記被着体に接着する側の一方の面から他方の面へ貫通するように複数の孔が形成されている多孔膜と、前記多孔膜の前記他方の面の側に層状に形成されている接着剤層とを有し、加圧されることにより前記接着剤が前記多孔膜の前記孔から前記被着体へ移動し、前記被着体に接着する接着テープの粘着力制御方法であって、
前記多孔膜の平均孔径と平均開口率を制御することによる接着テープの粘着力制御方法。 - 前記被着体に接着する側の一方の面が開口すると共に他方の面が連続するように、前記複数の孔が形成されている多孔膜と、前記多孔膜の複数の孔に収容されている接着剤とを有し、加圧されることにより前記接着剤が前記多孔膜の前記孔から前記被着体へ移動し、前記被着体に接着する接着テープの粘着力制御方法であって、
前記多孔膜の平均孔径と平均開口率を制御することによる接着テープの粘着力制御方法。 - 請求項10、請求項11に記載の接着テープの粘着力制御方法を用いて、接着テープを被着体に接着した後、接着テープと被着体を圧着する前に、被着体又は接着テープを動かして位置合せする接着テープの位置合せ方法。
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010037456A (ja) * | 2008-08-06 | 2010-02-18 | Kyocera Chemical Corp | 接着性樹脂組成物及び接着層の形成方法 |
KR20180042893A (ko) * | 2016-10-18 | 2018-04-27 | 한국기계연구원 | 소자 전사방법 및 소자 전사방법을 이용한 전자제품 제조방법 |
-
2006
- 2006-05-29 JP JP2006148639A patent/JP2007314728A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR20180042893A (ko) * | 2016-10-18 | 2018-04-27 | 한국기계연구원 | 소자 전사방법 및 소자 전사방법을 이용한 전자제품 제조방법 |
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US11152256B2 (en) | 2016-10-18 | 2021-10-19 | Korea Institute Of Machinery & Materials | Carrier film, element transfer method using same, and electronic product manufacturing method using element transfer method |
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