JP2007314640A - 断熱塗料組成物及びそれを塗膜形成した構築物 - Google Patents

断熱塗料組成物及びそれを塗膜形成した構築物 Download PDF

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敏明 皆川
Yukio Kobayashi
幸男 小林
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雄一郎 坂本
Michitaka Umehara
道隆 梅原
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Abstract

【課題】高い断熱性能を有し、かつ、水系、溶剤系いずれの塗料も上塗りすることが可能であり、屋根構造材等の温度変化等による伸縮、撓みによる形状変動に追従する可撓性を持ち、厚塗り可能な断熱塗料組成物を提供する。
【解決手段】水系ウレタン変性エポキシ樹脂エマルション、可塑剤及び中空球状の低熱伝導体を含有した断熱塗料組成物、及びこの断熱塗料組成物を用いて形成した塗膜を有する屋根、屋上又若しくは外壁に塗膜形成した建築構造物、貯蔵タンク、プラント機器、鉄道車両、自動車又は発熱設備機器類外装等である構築物。
【選択図】なし

Description

本発明は、断熱性を有し、太陽光などの熱エネルギーを伝達し難くする事によって、建築構造物内への熱エネルギーの侵入を防ぎ、あるいは室内の空調設備等による熱エネルギーを室外に放出することを減少し、また室内外温度差による結露の防止を行う断熱塗料組成物及びそれらを塗膜形成した構築物に関するものである。
従来より建築物、倉庫、プラント類等の室温上昇の抑止、また冷暖房を使用する際の外気温との差による熱流出と熱流入によるエネルギー放出の抑止、結露の抑止などの目的で断熱塗装が施されてきた。これらの塗料は昨今の環境対応への配慮と、温度変化等で伸縮する鋼板等の屋根構造材への追従性を持たせるために、可塑性に富む塗膜を形成する水系アクリル樹脂、水系アクリルシリコン樹脂等のエマルションが用いられている(例えば、特許文献1を参照。)。
このような樹脂を用いた塗料を施工した上から、塗り替え、補修等の目的で溶剤を含む塗料を上塗りした場合、溶剤に既設の塗膜を侵されベタツキ、表面溶出、膨潤を起こしたり、長期的な密着に問題を起こしたりする可能性があった。また、一般にエポキシ樹脂による塗膜は耐溶剤性が高く、その上に溶剤を含む塗料を上塗りしても、溶剤に塗膜を侵されることも少なく強固であり密着力に優れるという特性がある。しかし一方で、硬く割れやすいという性質があり、断熱性を持たせるために中空バルーン等の骨材を添加するとさらに割れやすくなるため、特に温度変化等により伸縮、撓みの大きい鉄製折板構造材等の屋根に用いるには不適当であった。
特開2004−204017号公報
本発明の目的は、水系ウレタン変性エポキシ樹脂エマルションを本発明になる断熱塗料組成物の主要樹脂成分として用いることにより、高い断熱性能を有し、かつ、水系、溶剤系いずれの塗料も上塗りすることが可能であり、屋根構造材等の温度変化等による伸縮、撓みによる形状変動に追従する可撓性を持ち、厚塗り可能な断熱塗料組成物を提供する。また、この性質をもって屋根塗装のみならず、プラント設備や機器類の保温等の用途に用いることを可能とするものである。
本発明者らは、水系ウレタン変性エポキシ樹脂エマルション、可塑剤及び中空球状の低熱伝導体からなる断熱塗料組成物により、上塗りの塗料を選ばず自由に使用でき断熱性能、可撓性、密着性の高い断熱塗膜を得ることができることを見出した。
すなわち、本発明は次の物に関する。
(1)水系ウレタン変性エポキシ樹脂エマルション、可塑剤及び中空球状の低熱伝導体を含有することを特徴とする断熱塗料組成物。
(2)水系ウレタン変性エポキシ樹脂エマルション中のウレタン変性エポキシ樹脂と反応硬化する官能基を有する水系硬化剤を更に含有することを特徴とする(1)に記載の断熱塗料組成物。
(3)可塑剤を断熱塗料組成物中の固形分に対し0.1〜60重量%含有していることを特徴とする(1)又は(2)に記載の断熱塗料組成物。
(4)中空球状の低熱伝導体の粒子径が0.1〜400μmであり、中空球状の低熱伝導体を水系ウレタン変性エポキシ樹脂エマルションの固形分及び水系硬化剤の固形分の合計量に対し0.1〜150重量%含有していることを特徴とする(1)、(2)又は(3)に記載の断熱塗料組成物。
(5)上記の(1)、(2)、(3)又は(4)に記載の断熱塗料組成物を用いて形成した塗膜を有することを特徴とする構築物。
(6)塗膜形成した構築物が、塗膜形成した屋根、屋上又若しくは外壁に塗膜形成した建築構造物、貯蔵タンク、プラント機器、鉄道車両、自動車又は発熱設備機器類外装であることを特徴とする(5)に記載の構築物。
前述のような問題点を解決するために本発明では以下のような手段によって断熱塗料組成物およびそれらを塗膜形成した構築物を得た。
本発明になる断熱塗料組成物の主要樹脂成分は水系ウレタン変性エポキシ樹脂エマルションである。一般的に、エポキシ樹脂エマルションにはビスフェノールA型液状エポキシ樹脂エマルション、側鎖型エポキシ樹脂エマルション、ダイマー酸変性エポキシ樹脂エマルション等各種存在するが、本発明の特徴である断熱性能と可撓性の良好な断熱塗料を満足するには、水系ウレタン変性エポキシ樹脂エマルションでなければならない。また、この水系ウレタン変性水系エポキシ樹脂エマルションに他の水系樹脂を用い、2種以上を併用してもよい。他の水系樹脂を併用する場合、その使用量は、エポキシ樹脂成分の固形分総量に対して40重量%未満とすることが好ましく、20重量%未満とすることがより好ましい。他の水系樹脂の量が40重量%を超えると、可撓性等の特性が劣るので好ましくない。これらの水系エポキシ樹脂エマルション(他の水系樹脂を併用する場合、それら樹脂との合計量)の断熱塗料組成物中の割合は、樹脂の固形分で5重量%〜70重量%が好ましく、8重量%〜50重量%がより好ましい。樹脂の固形分で5重量%未満では塗膜組成に問題が発生する可能性があり、70重量%を超えた場合、他の材料を添加、分散しにくい等の問題がある。
なお、ここで、水系樹脂とは、水に溶解又は安定に分散する樹脂を意味する。
また、本発明においては、樹脂成分として水系ウレタン変性エポキシ樹脂エマルションに加えて、他の水系樹脂を併用してもよい。これらの樹脂としては特に制限はないが、水系エポキシ樹脂が好ましく、例えば、ジャパンエポキシレジン株式会社製YL7027、YL7101(商品名)、吉村油化学工業株式会社製ユカレジンNE−002、KE−017(商品名)、旭電化工業株式会社製EM2660(商品名)等が挙げられる。
本発明の断熱塗料組成物は、通常、水系硬化剤を含有するが、水系硬化剤は予め配合されていてもよいし、塗料組成物を2液型として使用時に配合して使用してもよい。なお、ここで、水系硬化剤とは、水に溶解又は安定に分散する硬化剤を意味する。本発明に使用される水系硬化剤は、水系ウレタン変性エポキシ樹脂エマルション中のウレタン変性エポキシ樹脂及び必要に応じて用いられるその他の水系樹脂と反応硬化するものであれば特に制限はなく、例えば脂肪族アミン、脂環式アミン、芳香族アミン等のアミン系各種硬化剤、脂肪族酸無水物、脂環式酸無水物、芳香族酸無水物、ハロゲン系酸無水物、ケチミン系硬化剤、ポリメルカプタン系硬化剤等が挙げられる。
本発明に使用される水系硬化剤の具体例としては、ジャパンエポキシレジン株式会社製の脂肪族アミンであるエピキュア8060(商品名)、変性アミンアダクトであるエピキュア8537WY60(商品名)、旭電化工業株式会社製の水分散型脂肪族ポリアミンであるアデカハードナーEH−4272X(商品名)、変性脂肪族ポリアミンであるEH−050W−2(商品名)等が挙げられる。
また、状況により三級アミンに代表される各種促進剤を使用してもよい。中でもポットライフに優れる変性脂肪族ポリアミンが好ましい。具体例としては、旭電化工業株式会社製EH201B、EH−451K、EHC−30(商品名)等が挙げられる。
水系硬化剤の配合比率は、ウレタン変性エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂のエポキシ当量数と水系硬化剤の活性水素量から算出して決められるべきである。硬化の確実性を向上させるため、算出されたエポキシ樹脂のエポキシ当量数に対し、水系硬化剤の活性水素数が0.9〜1.2倍までの範囲が好ましく、1.01〜1.05倍の範囲がさらに好ましい。硬化剤量が0.9倍未満では硬化の不良、塗膜特性に問題が出る可能性があり、1.2倍を超えると塗膜硬度等の塗膜特性に悪影響を及ぼすことがある。
本発明に使用される可塑剤としては、DOP等のフタル酸エステル、ポリブタジエン、フェノール変性石油樹脂、キシレン樹脂、各種エラストマー等及びそれらのエマルションがあげられる。効果は添加量に依存するが、可塑性の向上ということではポリブタジエン、キシレン樹脂、エラストマー、及びそれらのエマルションが好ましく、密着性、硬化乾燥性の阻害に重大な影響を及ぼしにくいことから特にポリブタジエン、キシレン樹脂及びそれらのエマルションが好ましい。添加量は断熱性塗料組成物の固形分に対し0.1〜60重量%が好ましく、5〜40重量%がより好ましい。断熱性塗料組成物の固形分に対し0.1重量%未満では可塑剤の効果が出難くなる可能性があり、60重量%を超えて用いると密着性、硬化乾燥性等の特性に悪影響を及ぼすことがある。
本発明に使用される中空球状の低熱伝導体の材質は種々のものが挙げられ、無機系材では火山灰(シラス)、フライアッシュ、セラミック質アルミナシリケート、及びガラスが挙げられ、その他に有機系樹脂材等が挙げられる。これらを2種以上併用してもよい。配合量は樹脂及び硬化剤の固形分に対し0.1〜150重量%が好ましく、5〜100重量%がさらに好ましい。樹脂及び硬化剤の固形分に対し0.1重量%未満では断熱効果の発現が弱すぎる可能性があり、150重量%を超えて用いると塗膜の可撓性、強度、上塗り密着性等に悪影響を及ぼすことがある。粒子径は粒子分布の範囲で0.1〜400μmが好ましく、0.5〜300μmがより好ましい。粒子径が、0.1μm未満では低熱伝導体が分散中に破壊するといった可能性があり、400μmを超え大径となると、断熱性能が低めになる問題がある。
本発明で使用される断熱塗料組成物は、一般に上記成分と共にその他の成分を分散して製造される。このような成分としては、顔料、分散剤、消泡剤、レベリング剤、揺変度調整剤、粘度調整剤等がある。分散剤は対無機顔料0.1〜12.0重量%、対有機顔料0.1〜75.0重量%が望ましい。消泡剤は断熱塗料組成物に対して0.01〜3.0重量%が好ましい。特にシリコン成分を含有する分散剤や消泡剤といった添加剤は過剰に添加すると分散、消泡性は良好であるが、密着性や塗膜表面に悪影響を及ぼす。密着性の状況によりシリコンを含有しない鉱油系統の消泡剤やレベリング剤を用いるとよい。
揺変度調整剤、粘度調整剤は、中空球状体の比重が軽く塗料状態での長期保管で表面に浮き上がり、塊となることがあるのでこれを抑止する意味で、また厚塗りをするために塗装性の調整という観点からも必要である。ポリエーテル系粘弾性調整剤、アルカリ膨潤型増粘剤、セピオライト、ベントナイト等、多種が存在するので、塗料、塗膜特性に合わせて選択し添加量を決定するべきである。揺変度調整剤を使用する場合、その使用量は塗料組成物に対して0.1〜30重量%が好ましい。粘度調整剤を使用する場合、その使用量は塗料組成物に対して0.1〜30重量%が好ましく、0.5〜20重量%がより好ましい。
顔料としては体質顔料、着色顔料に大別できる。上塗りを用いる場合にはその発色から白色もしくは淡色であることが望ましい。白色顔料として二酸化チタン、亜鉛華、リトポン、鉛白等があげられる。また、上塗りの色相にあわせた同系の配色をしておくことも可能である。さらに、樹脂側、硬化剤側の混合具合を目視で確認しやすいように、各々の色相を変える場合もある。体質顔料としては沈降防止および粘度調整にタルク、炭酸カルシウム等が用いられる。塗料、塗膜特性に合わせて選択し添加量を決定するべきである。顔料を使用する場合、その使用量は、塗料組成物に対して0.1〜80重量%が好ましく、1〜50重量%がより好ましい。
本発明の断熱塗料組成物に用いられる水系ウレタン変性エポキシ樹脂エマルション等のエマルションは、その固形分濃度は特に制限はないが、それぞれ、固形分濃度が30〜70重量%であることが好ましく、40〜60重量%であることがより好ましい。
本発明の断熱塗料組成物の製造方法は、一般的な回転式のデゾルバーやビーズミルを用いて分散する。必要に応じて、水等の水系分散媒を更に添加してもよい。特にビーズミルを用いる場合は中空球状の低熱伝導体の破壊を避けるため、ビーズミルでの分散終了後にこれを添加するべきである。
次にこのようにして得られた断熱塗料組成物の塗布方法としては、ハケ塗布、スプレー塗布、ローラー塗布が好ましい。高粘度である場合のスプレーはエアレスタイプが好ましい。スプレーの詰まりの観点からノズル口径の小さいものは避け、直系2mm以上が好ましい。また、粘度が高く塗装しにくい場合は溶媒により希釈してもよい。ただし希釈は、大きく塗料粘度を下げる場合があるので、確認しながら徐々に行うべきである。
硬化時間は、実質的な作業進行を考慮すると、人間による軽歩行が可能になるまでに2時間〜20時間が好ましく、3時間〜16時間がさらに好ましい。
このとき硬化時間は硬化環境の温度に依存する。この加減のために塗装後、自然乾燥のほかに、加温による硬化促進等の方法を用いることができる。加温は使用する樹脂や低熱伝導体の種類にもよるが、水系エマルションは50℃程度で破壊する可能性があるので20℃〜45℃が好ましく、さらに25℃〜35℃が好ましい。
また、低温側では水系であることから0℃付近で凍結しエマルションが破壊する可能性があるため、保管や作業の温度環境は5℃〜30℃が好ましく、15℃〜25℃がさらに好ましい。
本発明の断熱塗料組成物を塗布する代表的な対象例として、屋根、屋上、外壁、貯蔵タンクや配管等のプラント機器、鉄道車両、自動車、発熱設備機器類外装等がある。それらを構築するアルミ板、亜鉛メッキ鋼板、鋼板、ブリキ板、スレート板、コンクリート等やそれらに何らかの処理をした基材に下地処理、例えばプライマー等の塗布をしてから塗装するのが好ましい。例えばエポキシ系等のプライマーを10〜100μmの厚さで塗装した後、断熱塗料組成物を塗装する方法がある。
以上の方法により本発明の断熱塗料組成物及びそれらを塗膜形成した構築物が得られる。
こうして得た塗膜形成した構築物に、着色、黄変防止、表面仕上がり向上、汚染防止等の目的で上塗りを行う場合、水系塗料、溶剤系塗料を用いることが可能である。塗装厚みは上塗りの目的により決定すべきである。屋外等で黄変防止を目的に含む場合は、塗膜形成した構築物を隠蔽する上塗り膜厚が必要である。
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明は実施例に何ら制限されるものではない。なお実施例中、特にことわりのないかぎり、「%」は「重量%」、「部」は「重量部」を示す。表記載の成分を、下記に示す。
E: BPAエポキシ樹脂を非イオン乳化剤で強制乳化させたエマルション
K: アルミのシリケート系フィラー
L: ムライト(珪酸アルミニウム)
M: 発泡剤を内包する共重合体
O: 多官能ポリマーのアルキロールアミン塩、その他の混合物
P: ポリオルガノシロキサン
重量平均分子量
C: 2500(GPC)
D: 3000(GPC)
E: 380(GPC)
[比較例1〜9]
Figure 2007314640
[実施例1〜10]
Figure 2007314640
表1〜3各々に示すA〜Tの成分をデゾルバーで混合し塗料組成物を作製した。
[比較例1]
樹脂に水系アクリル樹脂エマルションを用いた塗料組成物。
[比較例2]
樹脂に水系アクリルシリコン樹脂エマルションを用いた塗料組成物。
[比較例3]
樹脂に水系固形エポキシ樹脂エマルションを用いた塗料組成物。
[比較例4]
樹脂に水系液状エポキシ樹脂エマルションを用いた塗料組成物。
[比較例5]
樹脂に水系ダイマー酸変性エポキシ樹脂エマルションを用いた塗料組成物。
[比較例6]
可塑剤を含まない水系ウレタン変性エポキシ樹脂エマルションによる塗料組成物。
[比較例7]
中空球状の低熱伝導体を含まない水系ウレタン変性エポキシ樹脂エマルション塗料による塗料組成物。
[実施例1]
樹脂に水系ウレタン変性エポキシ樹脂エマルション、水系液状エポキシ樹脂エマルションの2種を混合、併用による塗料組成物。
[実施例2]
フェノール変性樹脂系の可塑剤を含む水系ウレタン変性エポキシ樹脂エマルションによる塗料組成物。
[実施例3]
スチレン系エラストマーエマルションの可塑剤を含む水系ウレタン変性エポキシ樹脂エマルションによる塗料組成物。
[実施例4]
ポリブタジエン系エマルションの可塑剤を含む水系ウレタン変性エポキシ樹脂エマルションによる塗料組成物。
[実施例5]
キシレン樹脂系の可塑剤を塗料組成物の固形分に対し5.7重量%含む水系ウレタン変性エポキシ樹脂エマルションによる塗料組成物。
[実施例6]
キシレン樹脂系の可塑剤を塗料組成物の固形分に対し36.2重量%含む水系ウレタン変性エポキシ樹脂エマルションによる塗料組成物。
[実施例7]
粒度分布が100〜140μmである中空球状の有機系低熱伝導体を用いた水系ウレタン変性エポキシ樹脂エマルションによる塗料組成物。
[実施例8]
粒度分布が5〜300μmである中空球状の無機系低熱伝導体と、粒度分布が20〜125μmである中空球状の無機系低熱伝導体を併用した水系ウレタン変性エポキシ樹脂エマルションによる塗料組成物。
[実施例9]
粒度分布が20〜125μmである中空球状の無機系低熱伝導体を樹脂及び硬化剤の固形分に対し9重量%含有した塗料組成物。
[実施例10]
粒度分布が20〜125μmである中空球状の無機系低熱伝導体を樹脂及び硬化剤の固形分に対し144重量%含有した塗料組成物。
[溶剤を含む塗料による上塗り試験板の作製]
ガラス板に、250μmアプリケーターを用いて、比較例、実施例の各々の塗料組成物を塗布後、7日間常温乾燥する。
[トルエンラビング試験]
溶剤を含む塗料による上塗り試験板に、トルエンを含ませた布を約1Kg荷重で塗膜表面を10往復させ塗膜を観察する。
[トルエン散布試験]
溶剤を含む塗料による上塗り試験板に、トルエンを霧吹きで塗膜表面に吹きつけ、塗膜を観察する。
[溶剤を含む塗料による上塗り試験]
溶剤を含む塗料による上塗り試験板に、溶剤系アクリルウレタン塗料(日立化成工材(株)製 ハイスターT250(溶剤系アクリルウレタン樹脂塗料))を含ませたハケを約0.5Kg荷重で直径2cm円軌道にて50回転させ塗りつける。
[断熱性試験板の作製]
[比較例1〜10、実施例1〜10]の塗料組成物を厚さ0.8mmの鉄板にハケを用いて乾燥後の塗膜厚みが1000±100μmになるように塗装した。表面上塗りにはいずれにも日立化成工材(株)製屋根用一般塗料ハイスターアスコートII(溶剤系アクリル樹脂塗料、アクリル樹脂30〜40%、顔料35〜55%、溶剤他)を用いて表面色を同色とした。
[断熱性試験]
上記の方法で作製した試験板を常温で3日間乾燥後、20cmの距離から250Wの赤外線電球(東芝ライテック(株)製、型番 IR110V250WRH)を16分間照射して、塗膜表面温度及び裏面温度の差を計測した。
[可撓性試験]
上記の方法で作製した試験板を常温で3日間乾燥後、JIS K5600−5−1に準じマンドレル折り曲げ試験器にて、23℃ φ10mmマンドレルの条件にて90度折り曲げ試験を行った。
[上塗り密着試験]
上記の方法で作製した試験板を常温で3日間乾燥後、日立化成工材(株)製溶剤系塗料 ハイスターT250、及び水系塗料 ハイスター遮太郎(水系アクリルエマルション樹脂塗料)で塗装し、50℃乾燥50h後JIS K5600−5−1に準じて碁盤目試験(2mm升目)にて切れ目をいれセロハンテープによるハガレ試験にて密着を確認した。採点は100点法を用い100点をハガレ無きを満点とし、90点以上を合格とする。
[表面状態試験]
目視、指触による。
[塗膜試験結果]
Figure 2007314640
[塗膜試験結果]
Figure 2007314640
[実施例11]
[実施例8]の塗料組成物を使用して、日立化成工材(株)内倉庫の折板金属屋根に塗装した。
日中6時間の倉庫室内温度を測定し、日立化成工材(株)製一般塗料を塗装した倉庫と比較した。
[塗装試験結果]
Figure 2007314640
屋根面積10m2、日立化成工材(株)製一般塗料:ハイスターアスコートII
表3、4のトルエンラビング、トルエン散布、溶剤を含む塗料による上塗り試験結果から、[比較例1〜2]の水系アクリル樹脂エマルション、水系アクリルシリコン樹脂エマルションによる塗料組成物が、溶剤を含む塗料による上塗りに耐性がないことは明らかであり、[比較例3〜7][実施例1〜10]の各種水系エポキシ樹脂エマルションによる塗料組成物が、溶剤を含む塗料による上塗りに耐性を持つことがわかった。
表3、4の可撓性試験結果から、[比較例3〜5]の各種水系エポキシ樹脂エマルションによる塗料組成物はワレを発生したが、[実施例1〜10]の水系ウレタン変性エポキシ樹脂エマルションによる塗料組成物はワレを発生せず、[実施例1]にて別系統の樹脂と併用した場合でもワレを発生していなかった。水系ウレタン変性エポキシ樹脂エマルションを用いた塗料組成物が可撓性に優れることが確認できた。
[比較例6]は可塑剤を添加しないため、ワレが発生した。
[比較例7]の低熱伝導体を含有しない塗料組成物は他の低熱伝導体を含む塗料組成物と比較すると、表裏の温度差が明らかに少なかった。
[実施例1]で2種の水性ウレタン変性エポキシ樹脂エマルションに他の水系液状エポキシ樹脂エマルションを併用した場合、[実施例2〜4]の各種可塑剤を添加した場合、[実施例5]のキシレン樹脂系の可塑剤を塗料組成物の固形分に対し5.7重量%添加した場合、[実施例6]のキシレン樹脂系の可塑剤を塗料組成物の固形分に対し36.2重量%添加した場合、[実施例7]の有機系低熱伝導体を添加した場合、[実施例8]の無機系低熱伝導体を2種類併用した場合、[実施例9]の無機系低熱伝導体を樹脂及び硬化剤の固形分に対し9重量%添加した場合、及び[実施例10]の無機系低熱伝導体を樹脂及び硬化剤の固形分に対し144重量%添加した場合、は、いずれも性能は良好であった。
[実施例11]により、建築構造物への効果を調べた。その結果、本発明の[実施例8]で作製した塗料組成物を倉庫の屋根に塗った場合、一般塗料を塗った場合に比べて、倉庫内で日中、約3〜4℃の温度差(断熱性能)があることを確認した。
このように水系ウレタン変性エポキシ樹脂エマルション、可塑剤及び中空球状の低熱伝導体を含有した断熱塗料組成物は断熱性能に優れ、塗膜の可塑性を併せ持つことを確認した。

Claims (6)

  1. 水系ウレタン変性エポキシ樹脂エマルション、可塑剤及び中空球状の低熱伝導体を含有することを特徴とする断熱塗料組成物。
  2. 水系ウレタン変性エポキシ樹脂エマルション中のウレタン変性エポキシ樹脂と反応硬化する官能基を有する水系硬化剤を更に含有することを特徴とする請求項1記載の断熱塗料組成物。
  3. 可塑剤を断熱塗料組成物中の固形分に対し0.1〜60重量%含有していることを特徴とする請求項1又は2記載の断熱塗料組成物。
  4. 中空球状の低熱伝導体の粒子径が0.1〜400μmであり、中空球状の低熱伝導体を水系ウレタン変性エポキシ樹脂エマルションの固形分及び水系硬化剤の固形分の合計量に対し0.1〜150重量%含有していることを特徴とする請求項1、2又は3記載の断熱塗料組成物。
  5. 請求項1、2、3又は4記載の断熱塗料組成物を用いて形成した塗膜を有することを特徴とする構築物。
  6. 塗膜形成した構築物が、塗膜形成した屋根、屋上又若しくは外壁に塗膜形成した建築構造物、貯蔵タンク、プラント機器、鉄道車両、自動車又は発熱設備機器類外装であることを特徴とする請求項5記載の構築物。
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