JP2007312489A - スイッチギヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】耐久性の求められる樹脂材料の宿命である環境負荷要因を低減させたスイッチギヤを提供すること。
【解決手段】空気絶縁スイッチギヤ、高圧ガス絶縁スイッチギヤ、固体絶縁スイッチギヤなどのSF6ガスを使用しないものであって、少なくとも課電部を固体絶縁物によって絶縁するようにしたスイッチギヤにおいて、前記固体絶縁物に木質素材、木質素材抽出物の少なくとも一方を導入したスイッチギヤ。
【選択図】 図1

Description

本発明は、例えば真空バルブを含む空気絶縁スイッチギヤ、高圧ガス絶縁スイッチギヤ、固体絶縁スイッチギヤなどのSF6ガスを使用しない、いわゆる環境調和型スイッチギヤ(グリーンスイッチギヤ:環境考慮型開閉装置)等のスイッチギヤに関する。
従来、スイッチギヤとして空気絶縁スイッチギヤ(気中絶縁スイッチギヤ)、高圧ガス絶縁スイッチギヤ、固体絶縁スイッチギヤがある。
空気絶縁スイッチギヤは、据付環境による絶縁低下を防止し、十分な絶縁距離を確保するために、スイッチギヤ全体が大形になると言う問題があり、しかも塵埃等を除去するために、主回路部を定期的に清掃する必要がある。
高圧ガス絶縁スイッチギヤは、絶縁ガス例えば、乾燥空気、窒素、二酸化炭素、SF6ガスを気密容器内に封入することにより小形化を図ったものである。このうちのSF6ガスは高価であり、またSF6ガスを封入する気密容器の製作に多大な時間と熟練した技能が必要であるばかりでなく、SF6ガスは絶縁性能としてはきわめて優れている反面、
地球温暖化の面を考えると、好ましくない。
このようにSF6ガスは、環境に対する配慮から、前述した真空絶縁や、乾燥空気、窒素、二酸化炭素などの高圧ガス絶縁方式や、前述したエポキシ注型樹脂による固体絶縁を用いる新たなスイッチギヤが開発されている(特許文献1参照)。
特開2003−333715
SF6ガス削減に対する環境調和型指向が進む中で、スイッチギヤの縮小化や信頼性の設計のため、エポキシ樹脂や不飽和ポリエステル樹脂などの石油化学材料を多用する傾向がある。
エポキシ樹脂を代表とする熱硬化性樹脂は優れた耐久性能を有するため、長年の使用に耐えた後も性能は不変であり、社会基盤を支える材料として重要なものであるが、処分する段階では再利用や分解が難しく、廃棄の処理方法自体の考え方が社会的な課題となってくる。
また現在の社会的な動向では、特に地球環境との協調の面で石油に依存してきた社会から脱却し、極力石油に依存しないという新しい機能が求められており、これはスイッチギヤを構成し、少なくとも課電部を絶縁する固体絶縁物としての絶縁構造材料に対しても同様である。
そこで本発明は、耐久性の求められる樹脂材料の宿命である環境負荷要因を低減させたスイッチギヤを提供することを目的とする。
前記目的を達成するため、請求項1に対応する発明は、空気絶縁スイッチギヤ、高圧ガス絶縁スイッチギヤ、固体絶縁スイッチギヤなどのSF6ガスを使用しないものであって、少なくとも課電部を固体絶縁物によって絶縁するようにしたスイッチギヤにおいて、
前記固体絶縁物に木質素材、木質素材抽出物の少なくとも一方を導入したことを特徴とするスイッチギヤである。
請求項1に対応する発明によれば、構成する固体絶縁物に木質素材や木質素材抽出物を導入することにより、スイッチギヤの基本絶縁構成にカーボンニュートラル素材が導入される。
前記目的を達成するため、請求項2〜8に対応する発明は、次のようにしたものである。すなわち、請求項2に対応する発明は、前記木質素材として、リグノセルロース、ヘミセルロースもしくはその水解生成物であるキシロオリゴ糖類、セルロース(結晶・非結晶)もしくはその水解生成物であるセロオリゴ糖類、リグニンのいずれかを使用したものである請求項1に記載のスイッチギヤ。
請求項2に対応する発明によれば、絶縁物を構成する木質素材にリグノセルロース、ヘミセルロースもしくはその水解生成物であるキシロオリゴ糖類、セルロース(結晶・非結晶)もしくはその水解生成物であるセロオリゴ糖類、リグニンの利用により、絶縁物の耐熱性、電気特性を低下させることなくカーボンニュートラル素材が導入される。
請求項3に対応する発明は、前記固体絶縁物に木質素材と、有機材料を導入したものであって、前記有機材料としてエポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂などの熱硬化性樹脂や、ポリカーボネートなどのエンジニアリングプラスチック、変成ポリエチレンなどの高耐熱性の熱可塑性樹脂のいずれかである請求項1に記載のスイッチギヤである。
請求項3に対応する発明によれば、木質素材とともに絶縁物を構成する有機材料にエポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂などの熱硬化性樹脂やポリカーボネートなどのエンジニアリングプラスチック、変成ポリエチレンなどの高耐熱性の熱可塑性樹脂の使用により、絶縁物の耐熱性、機械特性を低下させることなく、また成形や注型など絶縁物の製法を変えることなくカーボンニュートラル素材が導入される。
請求項4に対応する発明は、前記固体絶縁物に木質素材と、有機材料と、無機材料を導入したものであって、前記無機材料としてガラス繊維、水和アルミナ、結晶シリカ、溶融シリカ、炭酸カルシウムなどである請求項1に記載のスイッチギヤである。
請求項4に対応する発明によれば、有機材料とともに絶縁物を構成する材料にガラス繊維、水和アルミナ、結晶シリカ、溶融シリカ、炭酸カルシウムなどの無機材料の利用により、絶縁物の線膨張係数、弾性率などの熱機械特性を低下させることなく、カーボンニュートラル素材が導入される。
請求項5に対応する発明は、前記固体絶縁物に木質素材と、有機材料を導入したものであって、前記有機材料として、麻、木綿、ケナフ等の天然セルロース繊維である請求項1に記載のスイッチギヤである。
請求項5に対応する発明によれば、木質素材とともに絶縁物を構成する有機材料に、麻、木綿、ケナフ等の天然セルロース繊維を利用することのより、カーボンニュートラル素材が導入率を向上する。
請求項6に対応する発明は 前記木質素材として木質資源に強酸を作用させて中和精製することにより生成されたリグノセルロース、ヘミセルロースもしくはその水解生成物であるキシロオリゴ糖類、セルロース(結晶・非結晶)もしくはその水解生成物であるセロオリゴ糖類、リグニンである請求項1に記載のスイッチギヤである。
請求項6に対応する発明によれば、絶縁物を構成する木質素材に、木質資源に強酸を作用させて中和精製することにより生成されたリグノセルロース、ヘミセルロースもしくはその水解生成物であるキシロオリゴ糖類、セルロース(結晶・非結晶)もしくはその水解生成物であるセロオリゴ糖類、リグニンを利用することにより、パルプ工業などの化学プラントプロセスをそのまま流用できて、安価なカーボンニュートラル素材の導入が可能になる。
請求項7に対応する発明は、前記木質素材として木質資源に高圧水熱反応を作用させることにより生成されたリグノセルロース、ヘミセルロースもしくはその水解生成物であるキシロオリゴ糖類、セルロース(結晶・非結晶)もしくはその水解生成物であるセロオリゴ糖類、リグニンである請求項1に記載のスイッチギヤである。
請求項7に対応する発明によれば、絶縁物を構成する木質素材に、木質資源に高圧水熱反応を作用させることにより生成されたリグノセルロース、ヘミセルロースもしくはその水解生成物であるキシロオリゴ糖類、セルロース(結晶・非結晶)もしくはその水解生成物であるセロオリゴ糖類、リグニンを利用することにより、安価なカーボンニュートラル素材の導入が可能になる。
請求項8に対応する発明は、前記木質素材として、木質資源に酵素セルラーゼを作用させることにより生成されたリグノセルロース、ヘミセルロースもしくはその水解生成物であるキシロオリゴ糖類、セルロース(結晶・非結晶)もしくはその水解生成物であるセロオリゴ糖類、リグニンである請求項1に記載のスイッチギヤである。
請求項8に対応する発明によれば、絶縁物を構成する木質素材に、木質資源に酵素セルラーゼを作用させることにより生成されたリグノセルロース、ヘミセルロースもしくはその水解生成物であるキシロオリゴ糖類、セルロース(結晶・非結晶)もしくはその水解生成物であるセロオリゴ糖類、リグニンを利用することにより、成分の安定した信頼性の高いカーボンニュートラル素材の導入が可能になる。
本発明によれば、耐久性の求められる樹脂材料の宿命である環境負荷要因を低減させたスイッチギヤを提供することができる。
(実施形態の構成)
以下本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
本発明は、後述するスイッチギヤに使用される固体絶縁物に、木質素材又は木質素材抽出物の少なくとも一つ、木質素材と有機材料、木質素材と有機材料と無機材料のいずれか一つを導入するものであって、これらの具体的な材料について次に説明する。
図1は、木質素材の一例を示すセルロースの構造式1である。このセルロースは、出発原料として、強酸水解法、高圧水熱反応法、酵素法分解精製したセルロースはブドウ糖をユニットとして(1→4)−β−グルコシド結合2したものである。
セルロース直鎖中にはブドウ糖骨格由来の水酸基が多量にあり、隣接するセルロース鎖間で水素結合を発生し結晶状態で存在する場合が多い。図2にはセルロース結晶3の構造を示した。このセルロース結晶中の残留水酸基は熱硬化性マトリックス4と反応するため、この性質を利用した実施形態として反応性有機フィラーとして、スイッチギヤを構成する絶縁構造材料の樹脂成分に対して5〜200重量%導入した構成をとる。
本実施形態では、出発原料の木質素材にエノキタケ栽培に利用済みのコーンコブを選択し、180℃1.48MPaの水熱処理を与えて分離したリグノセルロースとキシロオリゴ糖を含むヘミセルロース、およびリグノセルロース成分に担子菌Irpex lacteus 由来の協和発酵社製酵素製剤ドリセラーゼで処理したセロオリゴ糖を含む結晶セルロースを木質素材(セルロース誘導体)とした。リグノセルロースはリグニンとセルロースが結合した植物細胞壁由来の素材で、またヘミセルロースは、セルロースの構造式1のブドウ糖ユニットがD−キシロースとなる木質素材(ヘミセルロース誘導体)である。
一方、有機材料の一例として図3に示す熱硬化性マトリックスがあるが、これの構造式は、ビスフェーノールA型エポキシ樹脂と、図4に示すメチルテトラヒドロ無水フタル酸を使用した。エポキシ樹脂の構造末端にはエポキシ基5があり、アミンなどの適当な触媒存在下で加熱するとメチルテトラヒドロ無水フタル酸との間で開環重合を開始する。ビスフェーノールA型エポキシ樹脂中に存在する水酸基(−OH)は樹脂の架橋構造に影響を与える。同様にセルロース誘導体の糖骨格中の水酸基(−OH)も樹脂の硬化反応に介在することができる。
本実施形態では、ビスフェーノールA型エポキシ樹脂100重量部、メチルテトラヒドロ無水フタル酸80重量部の熱硬化性マトリクスに対して、50重量部のリグノセルロース、セルロース誘導体、ヘミセルロース誘導体をそれぞれ1ミクロン以下の微粉状にして添加し、ここに70重量%の含有量になるようシリカ粉を加え、液状注型材料を調整し、通常スイッチギヤの絶縁物を製造する方法と同様の真空中で金属導体を配置した金型に材料を真空注型して100℃・3時間の加熱硬化の後で離型した絶縁物を130℃・15時間で完全硬化させた。
ここで、本発明の適用される対象の一例である、固体絶縁スイッチギヤについて、図6を参照して説明する。本構成は、概略、母線接続導体10とケーブル11との間に、電気的に直列接続され、真空バルブからなる断路部12と、真空バルブからなる遮断部13と、
遮断部13とケーブル11を電気的に接続する主回路接続導体19と、ケーブル11に流れる電流を検出する変流器14並びに断路部12及び遮断部13をそれぞれ開閉するため操作ロッド17、18を介して連結された操作機構15、16を備えたものであって、これらの課電部すなわち主回路部を、前述した固体絶縁物により絶縁被覆し、具体的にはバルブモールド部VM、バルブ可動側モールド部VMM、母線接続モールド部BM、主回路接続モールド部CMを備えている。
なお、前述した操作機構15、16は、操作機構箱47内に収納され、操作機構箱47の上面には前述したスイッチギヤ本体のバルブ可動側モールド部VMMが載置固定されている。操作機構箱47の背面側に、操作機構15、16、断路部12、遮断部13を制御するための図示しない制御回路等を収納する制御箱46が連結されている。
バルブモールド部VMは、断路部12及び遮断部13をそれぞれ固体絶縁部31で被覆したものあり、断路部12及び遮断部13の上部にはそれぞれ凹状の接合部32a、32aを備え、かつ断路部12及び遮断部13の下部にはそれぞれ凸状の接合部32b、32bを備えている。
バルブ可動側モールド部VMMは、断路部12及び遮断部13の可動側導体20、21の周囲を包囲するように形成された円筒状の固体絶縁部33を備え、この上部に、組み立て完了時にバルブモールド部VMの凸状の接合部32b、32bとそれぞれ嵌合する凹状の接合部34a、34aを備えている。
母線接続モールド部BMは、母線接続導体10の周囲を包囲するように形成された固体絶縁部35を備え、この下部に組み立て完了時にバルブモールド部VMの断路部12側の凹状の接合部32aと接合される凸状の接合部36aを備えている。
主回路接続モールド部CMは、ケーブル11の先端部に有する主回路外部引込ケーブル用接合部48と、主回路接続導体19の端部が接合され、その接合部48を除く主回路接続導体19周囲を包囲するように、ほぼL字状に形成された固体絶縁部37を備え、この一方の端部に組み立て完了時にバルブモールド部VMの遮断部13側の凹状の接合部32aと接合される凸状の接合部38aを備えている。
バルブモールド部VMの固体絶縁部31の外周面であって接合部32a、32bの除く外周面、バルブ可動側モールド部VMMの固体絶縁部33の外周面であって操作ロッド17,18が配設される空間の内周面及び接合部34aを除く外周面、母線接続モールド部BMの固体絶縁部35の外周面の接合部36a を除く外周面、主回路接続モールド部CMの固体絶縁部37の外周面であって接合部38a及び接合部48を除く外周面には、それぞれ接地層39,40、41、42が形成されている。
これ以外に、ケーブル11の一端部と遮断部13の固定側間を電気的に接続する主回路接続導体19と、主回路接続導体19の他端部と遮断部13の固定側を連結する連結部22と、断路部12の固定側と母線接続導体10の端部を連結する連結部23とを備えている。断路部12の可動側導体24及び遮断部13の可動側導体25を電気的に接続すると共に、接合部34a、34aを接合し、かつ摺動通電部43a、43bを具備した導体44を備えている。
また、母線接続導体10は、棒状導体10aと、この棒状導体10aのほぼ中央に一端部が接続されるL字状導体10bからなっている。
なお、絶縁部33は、の底面は、孔(開口部)45の形成された凹面である。接地層40は、絶縁部33の表面に施されているが、孔45の内面と接合部32bには施されていない。バルブ可動側モールド部2の孔45は密閉される。密閉された孔45の中には例えば空気等の気体の絶縁媒体が封入される。
(実施形態の作用)
調整された液状注型材料は、木質素材の導入により若干の粘度上昇が見られたが、作業性を損なうことなく真空中注型が可能で図5に示す材料硬化物組成が得られた。硬化完了後の材料のガラス転移温度は108℃と、木質素材導入前とは変わらず、機械強度についても80MPaの機械強度が得られた。また平板、球ギャップによる絶縁破壊特性は従来材料と同等の20kV/mmであった。この材料特性が得られたことから、絶縁バリアや注型部品を製作し、これを前述した図6に示す固体絶縁スイッチギヤの固体絶縁物に使用した。
(実施形態の効果)
一般にセルロースおよびその誘導体はガラス転移温度が200℃を越え、スイッチギヤ用絶縁物のガラス移転点90〜150℃を大きく越えることから耐熱性を損なうことがない。また学問上の理想的なセルロースの引っ張り強度は160MPaレベルにあり、最も高い液状注型樹脂の強度100MPaを越えるため、天然素材導入により発生する、強度低下を抑えることができる。
カーボンニュートラルという考えは、地球上の植物のCO(二酸化炭素)循環を製品利用する発想で、化石材料ではないバイオマス資源から変換される炭素素材を長年にわたり製品利用することで、本来自然分解して二酸化炭素に変換される炭素を固定し、仮に燃焼廃棄処理をしても、地球温暖化に関与し難くなるというものである。社会のエネルギー供給に必要な受配電機器を構成するスイッチギヤでは、材料性能が社会基盤で果たす役割が大きく、品質性能の観点からポリ乳酸などのカーボンニュートラル素材を利用することが困難であった。しかし本実施形態では、リグノセルロース、セルロース誘導体、ヘミセルロース誘導体を使用することにより、スイッチギヤにカーボンニュートラル素材の導入が可能になった。
本実施形態の場合、熱硬化性樹脂成分の約30%をカーボンニュートラル素材に転換したことになり、樹脂100kgの使用に対し、30kgがカーボンニュートラル素材で、素材(C6H12O5)nの構造から72/158×100 = 45% の13.5kgが天然素材由来の炭素量で、これをCO固定量に換算すると、約50kgの炭素を固定したしたことになる。熱硬化性樹脂との組み合わせは耐久性が高く、簡単に自然分解しない長期にわたる炭素固定が可能となる。
またセルロースが250℃超えると熱硬化性樹脂より熱分解し易い性質を用いると、本実施形態のスイッチギヤ用絶縁物を熱処理すると、樹脂が崩壊しやすくなり、今まで経済的にあわない程多大なエネルギーを使わないと困難であった絶縁物中の金属導体の分離が容易となり、リサイクル応用展開が可能となる。
前述した液状注型材料で製造した固体絶縁物では、スイッチギヤ特有の曲折や偏肉した形状において、要求される耐熱性、絶縁破壊強度、機械的強度の全てを満足でき、また、固体絶縁物を破壊する場合、導体と固体絶縁物の容易分離によるリサイクル、炭素固定をすることができる。これらは、複雑な形状、異種材料を埋め込む真空バルブからなる断路部12や遮断部13に適するものとなる。
(他の実施形態)
不飽和ポリエステル樹脂を熱硬化性樹脂として、リグノセルロース、セルロース誘導体、ヘミセルロース誘導体をそれぞれ1ミクロン以下の微粉状にして添加し、ガラス繊維を充填素材として成形材料を調整した。これについても、成形性、熱機械特性の低下なしに、成形が可能で、空気絶縁スイッチギヤの絶縁バリアに適用することができる。また充填素材に麻、ケナフ繊維を導入するとさらに木質素材の含有量を増大させることができる。
以上 述べた実施形態によれば、次のような作用効果が得られる。すなわち、熱的、機械的、電気的性能を損なうことなく長年の使用に耐えられ、製品の使用期間中にCOを固定することで、結果的にCOの削減に寄与する。使用後は、地中埋設されても炭素を固定硬化が得られ、非常に長期的なスパンでは、微生物利用される機能も有する。また、使用後に仮に絶縁物の燃焼廃棄を行ってもカーボンニュートラル素材の性質により、従来のスイッチギヤと異なり、環境に負荷を与える化石材料由来のCOの排出量が大幅に低減される。このように、熱硬化性樹脂材料の宿命である環境負荷要因を低減し、特に地球環境との協調の面で石油依存度を減少した新しい機能を持つスイッチギヤを供給することができる。
(変形例)
前述した実施形態では、本発明の対象として、固体絶縁スイッチギヤを例にあげたが、これに限らず空気スイッチギヤ、高圧ガス絶縁スイッチギヤであっても、同様に課電部(主回路部)に適用可能であって、少なくとも真空バルブの周囲に配設されている固体絶縁物に前述と同様の木質素材、木質素材抽出物、有機材料、無機材料を導入することで、前述の実施形態と同様な効果が得られる。
本発明の固体絶縁物のセルロース誘導体の構造式を示す図。 本発明の固体絶縁物の材料構成を表す図。 本発明の実施形態を示す熱硬化性樹脂エポキシの構造式を示す図。 本発明の実施形態を示す熱硬化性樹脂変成酸無水物の構造式を示す図。 本発明の実施形態を示す絶縁材料構成を表す図。 本発明の実施形態を示す固体絶縁スイッチギヤの断面図。
符号の説明
1…セルロース構造式、2…βグルコシド結合、3…セルロース結晶、4…熱硬化性樹脂マトリックス、5…エポキシ基、6…シリカ、7…木質素材、8…注型部品絶縁物。
VM…バルブモールド部、VMM…バルブ可動側モールド部、BM…母線接続モールド部、CM…主回路接続モールド部、31、33、35、37…固体絶縁部。

Claims (8)

  1. 空気絶縁スイッチギヤ、高圧ガス絶縁スイッチギヤ、固体絶縁スイッチギヤなどのSF6ガスを使用しないものであって、少なくとも課電部を固体絶縁物によって絶縁するようにしたスイッチギヤにおいて、
    前記固体絶縁物に木質素材、木質素材抽出物の少なくとも一方を導入したことを特徴とするスイッチギヤ。
  2. 前記木質素材は、リグノセルロース、ヘミセルロースもしくはその水解生成物であるキシロオリゴ糖類、セルロース(結晶・非結晶)もしくはその水解生成物であるセロオリゴ糖類、リグニンのいずれかであることを特徴とする、請求項1に記載のスイッチギヤ。
  3. 前記固体絶縁物に木質素材と、有機材料を導入したものであって、前記有機材料はエポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂などの熱硬化性樹脂や、ポリカーボネートなどのエンジニアリングプラスチック、変成ポリエチレンなどの高耐熱性の熱可塑性樹脂であることを特徴とする請求項1に記載のスイッチギヤ。
  4. 前記固体絶縁物に木質素材と、有機材料と、無機材料を導入したものであって、前記無機材料はガラス繊維、水和アルミナ、結晶シリカ、溶融シリカ、炭酸カルシウムなどであることを特徴とする請求項1に記載のスイッチギヤ。
  5. 前記固体絶縁物に木質素材と、有機材料を導入したものであって、前記有機材料は、麻、木綿、ケナフ等の天然セルロース繊維であることを特徴とする請求項1に記載のスイッチギヤ。
  6. 前記木質素材は、木質資源に強酸を作用させて中和精製することにより生成されたリグノセルロース、ヘミセルロースもしくはその水解生成物であるキシロオリゴ糖類、セルロース(結晶・非結晶)もしくはその水解生成物であるセロオリゴ糖類、リグニンであることを特徴とする請求項1に記載のスイッチギヤ。
  7. 前記木質素材は、木質資源に高圧水熱反応を作用させることにより生成されたリグノセルロース、ヘミセルロースもしくはその水解生成物であるキシロオリゴ糖類、セルロース(結晶・非結晶)もしくはその水解生成物であるセロオリゴ糖類、リグニンであることを特徴とする請求項1に記載のスイッチギヤ。
  8. 前記木質素材は、木質資源に酵素セルラーゼを作用させることにより生成されたリグノセルロース、ヘミセルロースもしくはその水解生成物であるキシロオリゴ糖類、セルロース(結晶・非結晶)もしくはその水解生成物であるセロオリゴ糖類、リグニンであることを特徴とする請求項1に記載のスイッチギヤ。
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