JP2007311534A - 基板搬送ロボット用ハンド及びそれを用いた基板搬送ロボット - Google Patents

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Abstract

【課題】
自重による基板の撓みがあっても基板収納カセットの基板の収納可能枚数を減少させる必要がないと共に、簡単な構造で低コストで製造できる基板搬送ロボット用ハンドを提供する。
【解決手段】
基板収納カセット中に所定間隔で配置された複数枚の基板Sを取り出したり収納したりする基板搬送ロボット10に使用されるハンド20で、ハンド20の前記カセットへの挿入方向に直交する方向に湾曲または屈曲せしめられた板状部材21と、板状部材21をその基端部でロボット10のアーム13に装着するための固定部材14及び15とを備える。板状部材21の湾曲・屈曲の向きは、前記カセット中に配置された基板Sの撓みの向きと一致し、その湾曲・屈曲の度合いは基板Sの自重による撓みにほぼ等しいか、基板Sの自重による撓みよりも大きく且つ板状部材21の全厚が前記カセットの基板Sの配置ピッチを越えないように設定される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、基板搬送ロボット用ハンド及びそれを用いた基板搬送ロボットに関し、さらに言えば、半導体装置に使用される半導体基板(ウェーハ)や、液晶表示装置等のフラットパネル・ディスプレイ(Flat Panel Display,FPD)に使用されるガラス基板等の各種基板を搬送するために使用される基板搬送ロボット用ハンドと、それを用いた基板搬送ロボットに関する。
半導体装置やFPDの製造工程では、複数枚の半導体基板(ウェーハ)やガラス基板等の各種基板(以下、基板という)をカセットに収納した状態で、種々の処理装置の間を搬送している。例えば、半導体装置の製造工程で言えば、配線等が形成された半導体基板(ウェーハ)は、基板収納カセット内に収納され、オペレータまたはAGV(Automatic Guided Vehicle,無人搬送車)によって検査装置のカセットポートまで搬送され、セットされる。その後、基板搬送ロボットが、このカセットポートにセットされた基板収納カセットから半導体基板を一枚ずつ取り出して、当該検査装置の検査ステージ上に載せる。当該半導体基板の検査が終了すると、前記基板搬送ロボットが、当該半導体基板を前記検査ステージから取り出して、前記基板収納カセットに収納する。以後、これと同じ工程を基板収納カセット内の他の半導体基板に対して順に実行する。基板収納カセット内の全半導体基板の検査が終了すると、当該基板収納カセットは、オペレータまたはAGVによって他の所定の搬送箇所まで搬送される。以後、他の基板収納カセットに対して同様の工程が繰り返される。
FPDの製造工程において、複数枚のガラス基板をカセットに収納した状態で搬送する場合にも、基板搬送ロボットは上記と同様の作業を行う。
なお、基板搬送ロボットの行う作業は、これらの製造工程で使用される装置間での基板の搬送作業に限定されるものではなく、他の種々の作業にも使用される。例えば、複数枚の半導体基板やガラス基板を一つの基板収納カセットから他の基板収納カセットに移し換える、という作業にも使用される。
図8は、略円形の半導体基板(ウェーハ)Sの搬送に使用される従来の基板搬送ロボットの一例の概略構成を示す斜視図である。
図8に示すように、従来の基板搬送ロボット110は、略円筒形の本体111と、本体111の上部に第1関節111aを介して取り付けられた第1アーム112と、第1アーム112の上部に第2関節112aを介して取り付けられた第2アーム113と、第2アーム113の上部に第3関節113aを介して取り付けられたハンド120とを備えている。本体111(すなわち基板搬送ロボット110)は、必要に応じて、所定箇所に固定され、またはレール等に沿って移動可能とされる。
第1アーム112は、第1関節111aによって本体111の上部に接続されており、水平面内での回転と垂直方法への昇降が可能である。第2アーム113は、第2関節112aによって第1アーム112の先端に接続されており、水平面内で回転可能である。ハンド120は、第3関節113aによって第2アーム113の先端に接続されており、水平面内で回転可能である。第1関節111aにはモータ(図示せず)が設けられており、そのモータの回転軸の回転がタイミングベルトとプーリ(いずれも図示せず)を介して第1アーム112、第2アーム113及びハンド120に伝達されて、ハンド120が図8の挿入方向に沿って伸縮するようになっている。
ハンド120は、その基端部において、固定部材114と、第2アーム113の先端に固着された固定部材115とで挟持され、図8に示すような状態で第2アーム113の先端に接続されている。ハンド120は、常にほぼ水平状態に保持される。
ハンド120は、一枚の半導体基板Sを保持しうる剛性を持つ軽量の板材から形成されており、軽量化のために先端部が略矩形に切り欠かれている。これは、ハンド120の自重によって生じるハンド120の先端部の撓みをできるだけ小さくするためである。図8の例では、矩形の平板の一部を切り欠いて先端部を略U字形(フォーク形)に形成しており、図8に示すように、ハンド120の先端部が開いている。ハンド120に使用される板材の厚さは、その材料によって異なるが、例えば、3mm〜5mm程度である。
半導体基板(ウェーハ)Sは、図8に示すように、ハンド120上に一枚ずつ載置される。この時、ハンド120は、片持ち梁の形で半導体基板Sを支持することになるから、半導体基板Sの重量によってハンド120の先端部は下向きに撓む(垂れ下がる)傾向がある。そこで、ハンド120に所定の剛性を付与して、その撓み量が過大にならないようにする。ハンド120の先端部の撓み量が過大であると、搬送先の処理装置の所定箇所に半導体基板Sを載置する作業に支障が生じたり、搬送中に落下したりする恐れがあるからである。
ハンド120の上面には、4箇所にパッド121が突出して設けられていて、半導体基板Sはそれらパッド121によって図8のように支持され、ハンド120には接触しない(つまり、浮いた状態でハンド120に載置される)ようになっている。これは、半導体基板Sがハンド120に接触すると、半導体基板Sがパーティクルによって汚染される恐れがあるからである。パッド121は、ハンド120上での半導体基板Sの位置ずれを防止する作用をも果たす。
図9は、複数枚の半導体基板Sを収納する基板収納カセット(ウェーハカセット)の概略構成を示す正面図である。この基板収納カセット150は、前面のみが開口された箱形であり、左右両側の内側面に水平方向に延在する複数の突条(リブ)151が形成されている。これらの突条151は、所定のピッチ(間隔)Pで上下方向に配置されている。半導体基板Sは、その周縁部を左右両側の突条151に係止せしめられ、水平状態で収納される。この場合、半導体基板Sは、その両端部で左右両側の突条151により支持される。
基板収納カセット150の構造、寸法、収納可能枚数等は、SEMI(Semiconductor Equipment and Materials International)規格で決められている。収納可能枚数は25枚で、突条(リブ)151は10mmピッチで上下方向に配置されるものが多い。この場合、基板収納カセット150の内部には、25枚の半導体基板Sが水平状態で10mmピッチで上下方向に重ねて配置され、収納される。図9では、図を簡単化するため、10枚の半導体基板Sを収納可能なものとして描いている。
基板収納カセット150の中では、複数枚の半導体基板Sは、図9に示すように、水平状態で所定ピッチPで上下方向に重ねて保持されるが、この時、各半導体基板Sは自重によってその中央部が垂れ下がり、図9に示すように、撓みBが生じる。半導体基板Sの自重による撓みBは、半導体基板Sのサイズ(直径)が大きくなればなるほど、また半導体基板Sの厚さが小さくなればなるほど、大きくなる。近年、半導体基板Sは、その直径が12インチ(300mm)のものが主流になっているため、半導体基板Sの厚さの減少傾向と相俟って、その自重による撓みBが搬送作業に悪影響を及ぼすことが多くなっている。
例えば、12インチの半導体基板Sでは、自重による撓みB(図9において各半導体基板Sの周端と最下端との差)と、その曲率半径はおよそ次のようになる。
半導体基板Sの厚さ 撓みB(曲率半径)
0.7mm 約0.7mm(15000mm)
0.5mm 約1.4mm(7500mm)
0.3mm 約3.5mm(3000mm)
0.2mm 約8.0mm(1300mm)
このように、一般的な厚さ0.7mmでは撓みBは小さいが、現状では最小と言える厚さ0.2mmになると、撓みBはその10倍以上に増大することが分かる。したがって、直径12インチで厚さ0.2mmの場合、ピッチP=10mmの基板収納カセット150に収納すると、半導体基板Sは図9のような状態で保持され、半導体基板Sの間の隙間も略円弧状に撓んでしまう。
基板収納カセット150の中に収納された半導体基板Sを取り出す際には、ハンド120は、図9に示すようにその先端部から隣接する半導体基板Sの間の隙間に水平に挿入される。そして、その真上にある半導体基板Sに向かって少し上昇せしめられ、その半導体基板Sがハンド120上にパッド121を介して載せられる。その後、ハンド120は、半導体基板Sを載せたままで基板収納カセット150から水平に引き出され、所定の搬送先まで移動せしめられる。半導体基板Sは、こうして所定の搬送先まで搬送される。基板収納カセット150の中に半導体基板Sを収納する際には、この動作の逆を行う。
FPD用のガラス基板の場合も、上記と同様の搬送作業が行われるが、近年はガラス基板のサイズの増加が著しいことから、自重による撓みの影響は半導体基板の場合に比べてより顕著である。
本発明に関連する他の先行技術としては、特許文献1(特開2003−51525号公報)に開示された基板搬送装置がある。この基板搬送装置は、搬送カセット内に撓みある状態で狭ピッチに収納された基板(液晶パネル用基板)を扱うことができて、装置の大型化が回避されるようにしたものであり、基板の両端部をそれぞれ支持する第1及び第2のハンドアームと、前記第1のハンドアームをその長手方向な回転軸に対し回転させる第1の回転機構と、前記第2のハンドアームをその長手方向な回転軸に対し回転させる第2の回転機構とを有している。前記第1及び第2のハンドアームは、いずれも細長い板状であると共に、相互に間隔を空けた状態でハンドアーム駆動機構部から水平に突出していて、基板はそれら二つのハンドアーム上に載置される。
特許文献1の基板搬送装置によれば、搬送カセット内に収納された基板の撓みの状態に応じて、前記第1及び第2のハンドアームの角度を調整することにより、搬送カセットから基板を撓んだ状態のまま取り出すことができる。また、この基板搬送装置は、前記第1のハンドアームと前記第2のハンドアームの間に配置された第3のハンドアームと、前記第3のハンドアームを垂直方向に移動させる垂直スライド機構とをさらに有することができる、とされている。この場合、基板をより安全に保持することができる利点がある、とされている(要約書、請求項1、段落0011、0012、図1〜図9を参照。)
特開2003−51525号公報
図8及び図9を参照して説明した上記従来の基板搬送ロボットでは、基板収納カセット150内で各半導体基板Sが自重により撓んだ状態で保持されるから、半導体基板Sの間の隙間も同様に撓んだ状態となる。そこで、いずれかの半導体基板Sを取り出すためにその半導体基板Sの直下の隙間に平板状のハンド120を挿入する場合、半導体基板SのたわみBが大きい場合(例えば、直径が12インチ、厚さが0.2mmの場合)には、ハンド120が半導体基板Sに接触してしまい、ハンド120の挿入ができないという事態が生じる。また、半導体基板SのたわみBがあまり大きくない場合でも、基板間の隙間は狭まっているから、半導体基板Sがハンド120に接触して傷が入り、半導体基板Sを使用できなくなる恐れが大である。
このような事態を避けるためには、例えば、図9に示すように、半導体基板Sを突条151に一つおきに係止して収納し、半導体基板Sの配置ピッチ(積層間隔)が突条151のピッチPの2倍になるようにすればよい。しかし、そうすると、基板収納カセット150の半導体基板Sの収納可能枚数が半減してしまう、という問題がある。
他方、自重による撓みがほとんどない場合と同じ枚数の半導体基板Sを収納できるように、基板収納カセット150の嵩を高くする(ピッチPを大きくする)ことが考えられるが、基板収納カセット150の構造、寸法等はSEMIで規格化されているため、それは容易ではない。仮に基板収納カセット150の嵩を高くできたとしても、基板収納カセット150が大型化するという問題が生じる。基板収納カセット150の大型化は、それ自体の製造コストの上昇につながるだけでなく、関連する装置もそれに合わせて大型化する必要が生じるから、避けるべきである。
上述した特許文献1に開示された基板搬送装置では、第1及び第2のハンドアームの角度を調整することにより、搬送カセット(基板収納カセット)から基板を撓んだ状態のまま取り出すことができる。このため、搬送カセットでの基板の配置ピッチを、第1及び第2のハンドアームの厚さ分よりも若干大きくする程度でよくなり、したがって、図9に示した従来の基板搬送ロボットの持つ上記の問題をほぼ解消することが可能である。しかし、この基板搬送装置は、第1及び第2のハンドアームをそれらの長軸の周りに回転可能に構成する必要があるから、構造が極めて複雑となり、製造コストが高くなる、という問題がある。また、第1及び第2のハンドアームと第1及び第2の回転機構とを含むため、ハンドの自重が増加し、ハンドの軽量化という要請に反する、という問題も生じる。
本発明は、上述したような事情を考慮してなされたもので、その目的とするところは、自重による基板の撓みがあっても基板収納カセットの基板の収納可能枚数を減少させる必要がないと共に、そのような撓みがない場合と同じ枚数の基板を収納するために基板収納カセットを大型化したりする必要もなく、しかも、簡単な構造であって低コストで製造できる基板搬送ロボット用ハンドと、そのハンドを用いた基板搬送ロボットを提供することにある。
本発明の他の目的は、自重を減少させて先端部の撓みを小さくすることができる基板搬送ロボット用ハンドと、そのハンドを用いた基板搬送ロボットを提供することにある。
ここに明記しない本発明の他の目的は、以下の説明及び添付図面から明らかであろう。
(1) 本発明の第1の観点による基板搬送ロボット用ハンドは、
基板収納カセット中に所定間隔で配置された複数枚の基板を所定枚数毎に取り出し、あるいは前記基板を所定枚数毎に前記基板収納カセット中に収納するための基板搬送ロボットに使用されるハンドであって、
当該ハンドの前記基板収納カセットへの挿入方向に直交する方向に湾曲または屈曲せしめられた板状部材と、
前記板状部材をその基端部において前記基板搬送ロボットのアームに装着するための固定部材とを備え、
前記板状部材の湾曲または屈曲の向きは、前記基板収納カセット中に配置された前記基板の自重による撓みの向きと一致していると共に、その湾曲または屈曲の度合いは、前記基板の自重による撓みにほぼ等しく設定されているか、前記基板の自重による撓みよりも大きく且つ前記板状部材の全厚が前記基板収納カセットの前記基板の配置ピッチを越えないように設定されていることを特徴とするものである。
本発明の第1の観点による基板搬送ロボット用ハンドは、上述したような構成の板状部材を備えているので、その板状部材の湾曲または屈曲の度合いを、前記基板収納カセット中に配置された前記基板の自重による撓みに応じて調整することにより、前記基板収納カセット中に配置された自重による撓みを持つ前記基板に接触せずに、それら基板の間の隙間に挿入することが可能である。このため、前記基板収納カセット中で前記基板の配置ピッチの増加を避けることができる。
よって、前記基板の自重による撓みがあっても前記基板収納カセットの前記基板の収納可能枚数を減少させる必要がないと共に、そのような撓みがない場合と同じ枚数の基板を収納するために基板収納カセットを大型化する必要もない。
また、本発明の第1の観点による基板搬送ロボット用ハンドは、上述したように湾曲または屈曲せしめられた板状部材と、当該板状部材を前記アームに装着するための固定部材とを用いて構成されているので、簡単な構造であり、また低コストで製造することができる。
さらに、本発明の第1の観点による基板搬送ロボット用ハンドは、上述したように湾曲または屈曲せしめられた板状部材をその基端部において前記固定部材で前記ロボットのアームに装着しているので、当該板状部材を軽量の薄板材を用いて形成することができる。よって、当該ハンドの自重を減少させてその先端部の撓みを小さくすることができる。他方、前記板状部材をこのような薄板材で形成すると、剛性が不足して前記基板を支持することができなくなる恐れが生じるが、当該板状部材は上述したように湾曲または屈曲せしめられているので、前記基板を支持するのに十分な剛性を持つことができる。
なお、前記板状部材の湾曲または屈曲の度合いが、前記基板収納カセット中に収納された前記基板の自重による撓みよりも大きく且つ前記板状部材の全厚が前記基板収納カセットの前記基板の配置ピッチを越えないように設定されているのは、前記基板収納カセット中に収納された前記基板の自重による撓みよりも大きくなりすぎて、前記基板収納カセットの前記基板の配置ピッチを越えると、当該ハンドを前記基板の間の隙間に挿入することができなくなるからである。
(2) 本発明の第1の観点による基板搬送ロボット用ハンドの好ましい例では、前記板状部材の全体が、当該ハンドの前記基板収納カセットへの挿入方向に直交する方向にほぼ一様に湾曲せしめられる。
本発明の第1の観点による基板搬送ロボット用ハンドの他の好ましい例では、前記板状部材が、中央部と、当該中央部の両側に形成された一対または複数対の側部を有しており、前記一対または複数対の側部が前記中央部に対して、当該ハンドの前記基板収納カセットへの挿入方向に直交する方向に屈曲せしめられる。
本発明の第1の観点による基板搬送ロボット用ハンドのさらに他の好ましい例では、前記板状部材の湾曲または屈曲の度合いが、前記基板収納カセット中に配置された前記基板の自重による撓みに一致せしめられる。この例では、前記ハンドの湾曲または屈曲の程度を調整することなく、前記基板収納カセット中の前記基板に接触せずにそれら基板の間の隙間に挿入することが可能となる、という利点がある。
本発明の第1の観点による基板搬送ロボット用ハンドのさらに他の好ましい例では、前記板状部材が複数個、所定間隔をあけて重ね合わせられて前記アームに装着される。この例では、前記基板収納カセット中に配置されている複数枚の前記基板を一括して取り出して搬送し、また、それら基板を他の基板収納カセット中に一括して収納することができる、という利点がある。
この例では、重ね合わせられた前記板状部材の前記所定間隔が、前記基板収納カセット中の前記基板の配置ピッチに等しく設定されるのが好ましい。
(3) 本発明の第2の観点による基板搬送ロボットは、
本体に変位可能に取り付けられたアームと、
前記アームに装着された本発明の第1の観点による基板搬送ロボット用ハンドと
を備えたことを特徴とするものである。
本発明の第2の観点による基板搬送ロボットは、本発明の第1の観点による基板搬送ロボット用ハンドが前記アームに装着されているので、本発明の第1の観点による基板搬送ロボット用ハンドと同じ効果が得られることが明らかである。
(4) 本発明において、「基板」とは、半導体装置に使用される半導体基板(ウェーハ)や、液晶表示装置等のFPDに使用されるガラス基板等の各種基板であって、自重によって下向きの撓みが生じるものを意味する。
「基板収納カセット」とは、内部に「基板」を所定間隔(ピッチ)で配置して収納するカセット(箱、容器)を意味する。「基板」は通常、上下方向に重ねて配置される。
「基板搬送ロボット」とは、「基板収納カセット」中に所定間隔で配置された複数の「基板」を所定枚数毎に取り出し、あるいは「基板」を「基板収納カセット」中に収納するために使用されるロボットを意味し、その構成の如何は問わない。
「基板搬送ロボット」の「アーム」についても、その構成の如何は問わない。
「基板搬送ロボット」の「ハンド」は、その上に「基板」を載せて搬送することができるものであれば、その構成の如何は問わない。
「板状部材」は、上記(1)において述べた条件を満たす板状の部材であれば足り、その形状や厚さ、材質等は任意である。通常は矩形とされるが、矩形に限定されるわけではない。また、その材質は、所望の剛性が得られるものであればよく、金属、プラスチック等の任意の材料を使用できる。
「固定部材」は、「板状部材」をその基端部において「基板搬送ロボット」のアームに装着できる部材であれば足り、その形状や厚さ、材質は任意である。
本発明の第1の観点による基板搬送ロボット用ハンド及び本発明の第2の観点による基板搬送ロボットによれば、(a)自重による基板の撓みがあっても基板収納カセットの基板の収納可能枚数が減少させる必要がない、(b)そのような撓みがない場合と同じ枚数の基板を収納するために基板収納カセットを大型化する必要がない、(c)簡単な構造で低コストで製造できる、(d)自重を減少させて先端部の撓みを小さくすることができる、という効果が得られる。
以下、本発明の好適な実施の形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係るハンドを用いた基板搬送ロボットの概略構成を示す斜視図、図2(a)はそのハンドの背面図、図2(b)はそのハンドの側面図である。ここでは、このロボットは、略円形の半導体基板(ウェーハ)の搬送に使用されるものとして説明するが、本発明はこれに限定されず、FPD用の矩形のガラス基板やその他の基板の搬送にも使用可能であることは言うまでもない。
図1の基板搬送ロボット10は、略円筒形の本体11と、本体11の上部に第1関節11aを介して取り付けられた第1アーム12と、第1アーム12の上部に第2関節12aを介して取り付けられた第2アーム13と、第2アーム13の上部に第3関節13aを介して取り付けられたハンド20とを備えている。本体11(すなわち基板搬送ロボット10)は、必要に応じて、所定箇所に固定され、またはレール等に沿って移動可能とされる。
第1アーム12は、第1関節11aによって本体11の上部に接続されており、水平面内での回転と垂直方法への昇降が可能である。第2アーム13は、第2関節12aによって第1アーム12の先端に接続されており、水平面内で回転可能である。ハンド20は、第3関節13aによって第2アーム13の先端に接続されており、水平面内で回転可能である。第1関節11aにはモータ(図示せず)が設けられており、そのモータの回転軸の回転がタイミングベルトとプーリ(いずれも図示せず)を介して第1アーム12、第2アーム13及びハンド20に伝達されて、ハンド20が図1の挿入方向に沿って伸縮するようになっている。
基板搬送ロボット10のこれらの構成及び機能は、図8に示した従来の基板搬送ロボット110のものと同じである。
本発明の第1実施形態に係るハンド20は、一枚の半導体基板Sを片持ち支持しうる剛性を持つ矩形の薄板状で、その基端部を固定部材14と、第2アーム13の先端に固着された固定部材15とで挟持され、図1に示すような状態で第2アーム13の先端部に接続されている。ハンド20は、常にほぼ水平状態に保持される。
ハンド20は、図1から明らかなように、矩形の薄い板状部材21を用いて形成されている。この板状部材21は、図2(a)及び(b)に明瞭に示すように、ハンド20の基板収納カセット50(図3を参照)への挿入方向(図1の矢印)に直交する方向に湾曲せしめられており、板状部材21の前記挿入方向と平行な中心軸に対して線対称の断面形状を持っている。板状部材21の湾曲の向きは、図2(a)に示すように、上向きであり、図3に示した基板収納カセット50中に収納された半導体基板Sの自重による撓みの向きと同じである。板状部材21には、上述した従来のハンド120(図8を参照)のような切り欠き部は存在していない。これは、板状部材21(すなわちハンド20)が十分軽量であるため、切り欠きが不要であるからである。
板状部材21の厚さは、全面にわたって均一である。また、図4に示すように、板状部材21(の上面)の曲率半径Rは、全面にわたって同一である。しかし、板状部材21の厚さ及び曲率半径Rは、これに限定されるものではなく、場所によって変化してもよい。
板状部材21の大きさは、半導体基板Sを載置して搬送できる大きさであれば足りる。例えば、12インチ基板(重量は約250g)搬送用の場合であれば、約200mm×約350〜370mmの矩形状とされる。この場合、板状部材21の基端部に配置される固定部材14及び15は、例えば、板状部材21の基端部から50mm〜70mm程度の幅の範囲を占めるように設定される。こうすれば、図1に示したような状態で半導体基板Sを保持することが可能となる。
板状部材21の厚さと曲率半径Rは、一枚の半導体基板Sを片持ち梁の形で支持できる剛性が得られる範囲で、軽量化を考慮して決められる。板状部材21の厚さが小さくなれば、それだけ剛性が低下するから、それを補うべく曲率半径Rを小さく(湾曲の度合いを大きく)する必要がある。逆に、板状部材21の厚さが大きくなれば、それだけ剛性が増加するから、それだけ曲率半径Rを大きくする(湾曲の度合いを小さくして平板に近くする)ことが可能となる。しかし、可能な曲率半径Rは、搬送する半導体基板Sの直径と厚さ(当該半導体基板Sの自重による撓み量)に応じてほぼ決まってくる。そこで、搬送する半導体基板Sの自重による撓み量を前提とし、そのような半導体基板Sを保持する剛性が得られる範囲内で、できるだけ軽量となるように、曲率半径Rと厚さをバランスさせればよい。例えば、12インチ基板搬送用の場合であれば、板状部材21の厚さを約0.5mm〜約4.0mmの範囲から選び、その曲率半径Rを約1000〜約2000mmの範囲から選ぶようにするのが好ましい。
具体例を挙げれば、約200mm×約360mm、厚さ0.5mmの薄い矩形の鋼板(例えばSUS304)を用い、これを曲率半径R=1000mmとなるように湾曲させることによって、12インチ基板搬送用の板状部材21を形成することができる。
12インチ以下の基板搬送用の場合も、12インチ基板搬送用の場合に準じて決定すればよい。
板状部材21の湾曲の度合い(曲率半径)は、(a)基板収納カセット50中に収納された半導体基板Sの自重による撓みにほぼ等しく設定されるか、あるいは、(b)基板収納カセット50中に収納された半導体基板Sの自重による撓みよりも大きく、且つ板状部材21の全厚T(図4参照)が基板収納カセット50の半導体基板Sの配置ピッチPを越えないように設定される。板状部材21の湾曲の度合いが、半導体基板Sの配置ピッチPを越えて大きくなると、基板収納カセット50中で半導体基板Sの間の隙間に挿入できなくなるからである。
板状部材21の上面には、4箇所に基板支持用パッド22が取り付けられている(図1参照)。これらのパッド22は、板状部材21の前端の二つの角部の近傍と、左右の側縁21c及び21dの略中央部の近傍とにそれぞれ配置されている。これは、ハンド20上に載せた半導体基板Sが板状部材21(ハンド20)には接触しないようにして、半導体基板Sがパーティクルによって汚染されるのを防止するためであり、また、搬送中に半導体基板Sがハンド20上で位置ずれを起こさないようにするためである。各パッド22は、半導体基板Sの最外周縁に相当する円周上に位置している。
各パッド22は、図2(b)に示すように、円板形のパッド本体22aと、パッド本体22aより小径の円形の突起22bとから形成されており、パッド本体22aの裏面が板状部材21(ハンド20)の上面に接合されている。パッド22の寸法は、例えば、パッド本体22aの直径及び高さがそれぞれ10mm、1mmとされ、突起22bの直径及び高さがそれぞれ2〜3mm、1mmとされる。
搬送時には、半導体基板Sは4個のパッド22で保持されてハンド10から浮いた状態になる必要がある。このため、図2(b)に示すように、半導体基板Sの周辺部がパッド本体22aの上に載せられると共に、突起22bに当接して所定位置に位置決めされる。また、図1に示すように、ハンド10の前方及び左右両側において半導体基板Sの周辺部がハンド10から水平方向に突出した状態で、搬送される。
次に、固定部材14及び15の構成を、図1と図2(a)及び(b)を参照しながら説明する。
図1と図2(a)及び(b)に示すように、上位にある固定部材14は、矩形ブロック状で、その下向きの接触面14aは凸状に湾曲している。他方、固定部材14と対向して下位にある固定部材15も、矩形ブロック状で、その上向きの接触面15aは凹状に湾曲している。両接触面14a及び15aの曲率は、それぞれ、板状部材21の上面(凹状面)及び下面(凸状面)の曲率に等しい。板状部材21の下面の曲率半径は、その上面の曲率半径Rに板状部材21の厚さを加えたものに等しい。板状部材21は、その基端部において、その上下両面が接触面14a及び15aにそれぞれ接触していて、それによって固定部材14及び15によって挟持されている。板状部材21の所定の湾曲状態がその全長にわたって保持されている。
固定部材14及び15とそれらの間に挟まれた板状部材21には、上方から6本のボルト16が貫通せしめられており、各ボルト16の先端にはナット17が締め付けられている。板状部材21(すなわちハンド20)は、このようにして、ボルト16及びナット17によって第2アーム13の先端部に装着されている。
ハンド20は、このように湾曲せしめられた軽量で薄い板状部材21を用いて形成されているため、ハンド20の自重によって生じるハンド20(つまり板状部材21)の先端部の撓みは十分小さく、無視できる程度に抑えることができる。また、この板状部材21は、上述したように、ハンド20の挿入方向に直交する方向に上向きに湾曲せしめられていると共に、その基端部において湾曲状態を保持するように固定部材14及び15で挟持されているため、一枚の半導体基板Sを片持ち支持するのに必要な剛性を有している。つまり、板状部材21は、図2(a)及び図4に示したように、上面を開口した樋と同じような構成になっており、そのような構成の板状部材21の基端部(これはハンド20の挿入方向の後端にある)を固定部材14及び15で挟持しているため、十分な剛性を持つのである。この場合、板状部材21の前縁21aと後縁21bは、上向きに湾曲した円弧状となり(図2(a)及び図4を参照)、ハンド20の左右の側縁21c及び21dは直線状となる(図2(b)を参照)。
半導体基板Sは、図1に示すように、ハンド20上に一枚ずつ載置される。この時、ハンド20は、片持ち梁の形で半導体基板Sを支持することになるから、半導体基板Sの重量によってハンド20の先端部が下向きに撓む。本第1実施形態では、上述したように、湾曲した板状部材21を用いることによってハンド20に所定の剛性を付与しており、それによって、ハンド20の自重を減少させながらその先端部の撓み量が過大にならないようにしている。この撓み量が過大であると、搬送先の処理装置の所定箇所に半導体基板Sを載置する作業に支障が生じたり、搬送中に半導体基板Sが落下したりする恐れがあるからである。
なお、本第1実施形態では、ハンド20(板状部材21)をその上下から固定部材14及び15で挟持しているが、必ずしもこのような構成にする必要はない。ハンド20(板状部材21)の湾曲状態が保持できる構成であれば、他の任意の構成も採用可能である。例えば、固定部材14を省略し、固定部材15だけを用いてもよい。この場合、各ボルト16の頭部はハンド20(板状部材21)の上面に接触することになる。
図3は、複数枚の半導体基板Sを収納する基板収納カセットの概略構成を示す正面図である。この基板収納カセット50は、前面のみが開口された箱形であり、左右両側の内側面に水平方向に延在する複数の突条(リブ)51が形成されている。これらの突条51は、所定のピッチ(間隔)Pで上下方向に配置されている。半導体基板Sは、その周縁部を左右両側の突条151に係止せしめられ、水平状態で収納される。この場合、半導体基板Sは、その両端部で左右内側面の突条51により支持される。この基板収納カセット50は、図9に示したものと同じ構成である。
なお、基板収納カセット50には、必要に応じて、後壁の内面にも同様の突条(リブ)が形成される。この場合、半導体基板Sは、左右の突条51と後部の突条とで支持されることになる。
基板収納カセット50の中では、複数枚の半導体基板Sは、図3に示すように、水平状態で所定間隔で上下方向に重ねて保持されるので、各半導体基板Sは自重によってその中央部が垂れ下がり、撓みが生じている。ハンド20の板状部材21の湾曲の度合いは、この時の各半導体基板Sの自重による撓みの度合いとほぼ同一であるか、それよりも大きく且つ板状部材21の全厚Tが基板収納カセット50の半導体基板Sの配置ピッチPを越えないように設定されている。また、半導体基板Sは、パッド22によってハンド20上に浮いた状態で載置される。このため、半導体基板Sをハンド20上に載置した際に、撓んだ状態にある半導体基板Sの最下端(略中央部)がハンド20に接触して汚染される可能性は極めて低い。
しかも、半導体基板Sは、基板収納カセット50の中ではその両端において支持されているのに対し、ハンド20のパッド22の位置が半導体基板Sの両端よりも内側に少し寄っているため、ハンド20上では半導体基板Sを支持する位置が内側にずれる。その結果、ハンド20上では半導体基板Sの自重による撓みが減少する。このために、半導体基板Sの最下端(略中央部)がハンド20に接触して汚染されるのを確実に防止することができる。
基板収納カセット50の中に収納された半導体基板Sを取り出す際には、ハンド20は、図3に示すようにその先端部から隣接する半導体基板Sの間の隙間に挿入される。そして、その真上にある半導体基板Sに向かって少し上昇せしめられ、その半導体基板Sがハンド20上に載せられる。その後、ハンド20は、半導体基板Sを載せたままで基板収納カセット50から引き出され、所定の搬送先まで搬送される。
逆に、半導体基板Sを基板収納カセット50の中に収納する際には、図1に示す状態で半導体基板Sを載置したハンド20は、先に収納されている半導体基板Sの間の隙間に挿入される。その後、少し下降せしめられ、ハンド20上の半導体基板Sを基板収納カセット50の突条51に係止させる。その後、ハンド20だけが基板収納カセット50から引き出される。
本発明の第1実施形態に係る基板搬送ロボット用ハンド20は、上述したように、当該ハンド20の基板収納カセット50への挿入方向に直交する方向に湾曲せしめられた板状部材21を備えており、その板状部材21の湾曲の向きが基板収納カセット50中に配置された半導体基板Sの自重による撓みの向きと一致していると共に、その板状部材21の湾曲の度合いが基板収納カセット50中に配置された半導体基板Sの自重による撓みとほぼ同一であるか、それよりも大きく且つ板状部材21の全厚Tが基板収納カセット50の半導体基板Sの配置ピッチPを越えないように設定されているので、図3に示すように、半導体基板Sと接触することなく、隣接する半導体基板Sの間の隙間に挿入することが可能である。このため、基板収納カセット50中で半導体基板Sの配置ピッチの増加を避けることができる。図3の例で言えば、突条51の配置ピッチPのとおりに半導体基板Sを密に重ねて収納することができる。したがって、半導体基板Sの自重による撓みがあっても基板収納カセット50の半導体基板Sの収納可能枚数が減少することがないと共に、そのような撓みがない場合と同じ枚数の半導体基板Sを収納するために基板収納カセット50を大型化する必要がない。
また、この基板搬送ロボット用ハンド20は、上述したように湾曲せしめられた板状部材21と、当該板状部材21を第2アーム13に固定する固定部材14及び15とを用いて構成されているので、簡単な構造であり、低コストで製造することができる。
さらに、この基板搬送ロボット用ハンド20は、上述したように湾曲せしめられた板状部材21をその基端部において固定部材14及び15で第2アーム13に装着しているので、当該板状部材21を軽くて薄い板材を用いて形成することができる。よって、ハンド20の自重を減少させて当該ハンド20の先端部の撓みを小さくすることができる。
なお、板状部材21をこのように軽くて薄い板材で形成すると、剛性が不足して半導体基板Sを片持ち支持することができなくなる恐れが生じるが、板状部材21はこの点を考慮して上述したように湾曲せしめられているので、半導体基板Sを支持するのに十分な剛性を付与することができる。
(第2実施形態)
図5は、本発明の第2実施形態に係る基板搬送ロボット用ハンドの概略構成を示す断面図である。
図5に示すように、第2実施形態に係る基板搬送ロボット用ハンド20Aは、全面にわたって厚さが均一で湾曲した板状部材21に代えて、ハンド20Aの前記挿入方向と平行な二本の屈曲部23Ab及び23Acで上方に屈曲せしめられた、矩形の薄い板状部材21Aを有している点を除いて、上述した第1実施形態の基板搬送ロボット用ハンド20と同一である。
第2実施形態のハンド20Aの板状部材21Aは、矩形の平板上に、前記挿入方向と平行な二本の直線状の屈曲部23Ab及び23Acを設定し、それら屈曲部23Ab及び23Acにおいて、それらの外側の部分(側部21Aq及び21Ar)をそれらの内側の部分(中央部21Ap)に対して角度αだけ上方に屈曲させて形成されている。すなわち、板状部材21Aは、矩形の中央部21Apの左右に、それぞれ、上方に屈曲せしめられた帯状の側部21Aq及び21Arが配置された形状を持つ。ハンド20Aも、ハンド20と同様に、上面に4個のパッド22を有している。
屈曲角度αは、第1実施形態の曲率半径Rと同様の考えに基づいて決定される。すなわち、板状部材21の厚さと屈曲角度αは、一枚の半導体基板Sを片持ち梁の形で支持できる剛性が得られる範囲で、軽量化を考慮して決められる。板状部材21の厚さが小さくなれば、それだけ剛性が低下するから、それを補うべく屈曲角度αを大きく(屈曲の度合いを大きく)する必要がある。逆に、板状部材21の厚さが大きくなれば、それだけ剛性が増加するから、それだけ屈曲角度αを小さくする(屈曲の度合いを小さくして平板に近くする)ことが可能となる。しかし、可能な屈曲角度αは、搬送する半導体基板Sの直径と厚さ(当該半導体基板Sの自重による撓み量)に応じてほぼ決まってくる。そこで、搬送する半導体基板Sの自重による撓み量を前提とし、そのような半導体基板Sを保持する剛性が得られる範囲内で、できるだけ軽量となるように、屈曲角度αと厚さをバランスさせればよい。例えば、12インチ基板搬送用の場合であれば、板状部材21の厚さを約0.5mm〜約4.0mmの範囲から選び、その屈曲角度αを約5゜〜約15゜の範囲から選ぶようにするのが好ましい。
12インチ以下の基板搬送用の場合も、12インチ基板搬送用の場合に準じて決定すればよい。
板状部材21Aの屈曲の度合い(屈曲角度α)は、(a)基板収納カセット50中に収納された半導体基板Sの自重による撓みにほぼ等しく設定されるか、あるいは、(b)基板収納カセット50中に収納された半導体基板Sの自重による撓みよりも大きく、且つ板状部材21Aの全厚T(図5参照)が基板収納カセット50中の半導体基板Sの配置ピッチPを越えないように設定される。板状部材21の屈曲の度合いが、半導体基板Sの配置ピッチPを越えて大きくなると、基板収納カセット50中で半導体基板Sの間の隙間に挿入できなくなるからである。
第2実施形態のハンド20Aは、このような構成を持つ板状部材21Aを有しており、その板状部材21Aの基端を固定部材14及び15で挟持することにより、第2アーム13に取り付けられる。上位にある固定部材14の接触面14aは、凸状に屈曲しており、その屈曲状態は、板状部材21Aの上面(凹状面)の屈曲状態に等しい。固定部材14と対向して下位にある固定部材15の上向きの接触面15aは、凹状に屈曲しており、その屈曲状態は、板状部材21Aの下面(凸状面)の屈曲状態に等しい。板状部材21Aは、その基端部において、その上下両面が接触面14a及び15aにそれぞれ接触していて、それによって固定部材14及び15によって挟持されている。板状部材21Aの所定の屈曲状態がその全長にわたって保持されている。
ハンド20Aは、このように、屈曲せしめられた軽量で薄い板状部材21Aを用いて形成されているため、ハンド20Aの自重によって生じるハンド20A(つまり板状部材21A)の先端部の撓みは十分小さく、無視できる程度に抑えることができる。また、この板状部材21Aは、上述したように、ハンド20Aの挿入方向に直交する方向に上向きに屈曲せしめられていると共に、その基端部において屈曲状態を保持するように固定部材14及び15で挟持されているため、一枚の半導体基板Sを片持ち支持するのに必要な剛性を有している。つまり、板状部材21は、図5に示したように、上面を開口した樋と同じような構成になっており、そのような構成の板状部材21Aの基端部(これはハンド20Aの挿入方向の後端にある)を固定部材14及び15で挟持しているため、十分な剛性を持つのである。この場合、板状部材21Aの前縁と後縁は、上向きに屈曲した浅い略U字状となり、ハンド20Aの左右の側縁21Ac及び21Adは直線状となる(図5を参照)。
本発明の第2実施形態に係る基板搬送ロボット用ハンド20Aは、上述したように、当該ハンド20Aの基板収納カセット50への挿入方向に直交する方向に屈曲せしめられた板状部材21Aを備えており、その板状部材21Aの屈曲の向きが基板収納カセット50中に配置された半導体基板Sの自重による撓みの向きと一致していると共に、その板状部材21の屈曲の度合いが基板収納カセット50中に配置された半導体基板Sの自重による撓みとほぼ同一であるか、それよりも大きく且つ板状部材21Aの全厚Tが基板収納カセット50の半導体基板Sの配置ピッチPを越えないように設定されているので、図3に示すように、半導体基板Sと接触することなく、隣接する半導体基板Sの間の隙間に挿入することが可能である。したがって、第2実施形態のハンド20Aによれば、第1実施形態のハンド20と同じ効果が得られる。
(第3実施形態)
図6は、本発明の第3実施形態に係るハンドを用いた基板搬送ロボットの概略構成を示す斜視図、図7(a)はそのハンドの背面図、図7(b)はそのハンドの側面図である。
図6に示すように、第3実施形態に係る基板搬送ロボット10Aは、第1実施形態に係るハンド20で使用された板状部材21を10枚、所定間隔で重ねて束にして形成されたハンド20Cを、第2アーム13に取り付けている点を除いて、上述した第1実施形態の基板搬送ロボット10と同じ構成である。よって、構成が同一の部分については、同一要素に同一符号を付してその説明を省略する。
図7(a)及び(b)に明瞭に示すように、ハンド20Cの板状部材21の束25は、湾曲したブロック状の固定部材18を間に介在させると共に、その上端に固定部材14を、下端に固定部材15をそれぞれ配置し、それらに対して上方から6本のボルト16を貫通させている。各ボルト16の下端には、ナット17が締め付けられている。10枚の板状部材21は、こうして所定間隔で相互に固定されて束25となっていると共に、第2アーム13の先端部に取り付けられている。隣接する板状部材21の間に配置された固定部材18により、隣接する板状部材21の間には隙間24がそれぞれ形成されている。
隣接する板状部材21の間隔(ピッチ)は、基板収納カセット50の中に水平状態で上下方向に重ねて収納されている半導体基板Sの間隔(ピッチ)Pと同じである。このため、例えば、基板収納カセット50の中に10枚の半導体基板Sが収納されている場合、第3実施形態に係るハンド20Cを使用すれば、図3に示す基板収納カセット50内に収納された10枚の半導体基板Sを一括して取り出したり、逆に、10枚の半導体基板Sを基板収納カセット50内に一括して収納させたりすることができる、という効果がある。したがって、第3実施形態に係る基板搬送ロボット10Aは、複数の半導体基板Sを一つの基板収納カセットから他の基板収納カセットに移し替える際にいっそう便利に使用できる、という利点がある。
また、第3実施形態に係る基板搬送ロボット10Aは、ハンド20C以外については、上述した第1実施形態に係る基板搬送ロボット10と同じ構成であるから、第1実施形態に係る基板搬送ロボット10と同じ効果が得られることは言うまでもない。
なお、第3実施形態では、第1実施形態に係るハンド20で使用された板状部材21を10枚、所定間隔で重ねて束25にしているが、束ねる枚数は必要に応じて任意に変更が可能である。また、第1実施形態に係る板状部材21に代えて、第2実施形態に係るハンド20Aで使用された板状部材21A(図5参照)を使用してもよいことは言うまでもない。
(変形例)
上述した第1〜第3の実施形態は本発明を具体化した例を示すものである。したがって、本発明はこれら実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を外れることなく種々の変形が可能であることは言うまでもない。
例えば、上述した実施形態では、半導体基板(ウェーハ)を搬送する場合について説明したが、本発明はFPD用のガラス基板や他の基板の場合にも、適用が可能である。
また、上記第1及び第2の実施形態では、板状部材が一様に湾曲または屈曲されているが、本発明はこれに限定されるものではない。湾曲または屈曲の程度が場所によって変化していてもよい。さらに、上記第2実施形態では、前記挿入方向と平行な直線状の屈曲部23Ab及び23Acを2本設けているが、本発明はこれに限定されるものではない。屈曲部の数は3本あるいはそれ以上でもよい。
本発明の第1実施形態に係るハンドを用いた基板搬送ロボットの概略構成を示す斜視図である。 (a)は本発明の第1実施形態に係る基板搬送ロボット用ハンドの背面図、(b)はそのハンドの側面図である。 複数枚の半導体基板を収納する基板収納カセットの概略構成を示す正面図で、本発明の第1実施形態に係る基板搬送ロボット用ハンドが挿入された状態を併せて示している。 本発明の第1実施形態に係る基板搬送ロボット用ハンドの概略構成を示す断面図である。 本発明の第2実施形態に係る基板搬送ロボット用ハンドの概略構成を示す断面図である。 本発明の第3実施形態に係るハンドを用いた基板搬送ロボットの概略構成を示す斜視図である。 (a)は本発明の第3実施形態に係る基板搬送ロボット用ハンドの背面図、(b)はそのハンドの側面図である。 半導体基板の搬送に使用される従来の基板搬送ロボットの概略構成を示す斜視図である。 複数枚の半導体基板を収納する基板収納カセットの概略構成を示す正面図で、従来の基板搬送ロボット用ハンドが挿入された状態を併せて示している。
符号の説明
10,10A 基板搬送ロボット
11 本体
12 第1アーム
13 第2アーム
14 固定部材
14a 固定部材の接触面
15 固定部材
15a 固定部材の接触面
16 ボルト
17 ナット
18 固定部材
20、20A、20B、20C ハンド
21、21A、21B ハンドの板状部材
21a 板状部材の前縁
21b 板状部材の後縁
21c、21d、21Ac、21Ad、21Bc、21Bd 板状部材の側縁
21Ap 板状部材の中央部
21Aq、21Ar 板状部材の側部
22 パッド
22a パッド本体
22b 突起
23Ab、23Ac 板状部材の屈曲部
24 ハンド間の隙間
25 ハンドの束
50 基板収納カセット
51 突条
S 半導体基板
B 半導体基板の自重による撓み
P 基板収納カセットの突条のピッチ
T 板状部材の全厚

Claims (8)

  1. 基板収納カセット中に所定間隔で配置された複数枚の基板を所定枚数毎に取り出し、あるいは前記基板を所定枚数毎に前記基板収納カセット中に収納するための基板搬送ロボットに使用されるハンドであって、
    当該ハンドの前記基板収納カセットへの挿入方向に直交する方向に湾曲または屈曲せしめられた板状部材と、
    前記板状部材をその基端部において前記基板搬送ロボットのアームに装着するための固定部材とを備え、
    前記板状部材の湾曲または屈曲の向きは、前記基板収納カセット中に配置された前記基板の自重による撓みの向きと一致していると共に、その湾曲または屈曲の度合いは、前記基板の自重による撓みにほぼ等しく設定されているか、前記基板の自重による撓みよりも大きく且つ前記板状部材の全厚が前記基板収納カセットの前記基板の配置ピッチを越えないように設定されていることを特徴とする基板搬送ロボット用ハンド。
  2. 前記板状部材の全体が、当該ハンドの前記基板収納カセットへの挿入方向に直交する方向にほぼ一様に湾曲せしめられている請求項1に記載の基板搬送ロボット用ハンド。
  3. 前記板状部材が、中央部と、当該中央部の両側に形成された一対または複数対の側部を有しており、前記一対または複数対の側部が前記中央部に対して、当該ハンドの前記基板収納カセットへの挿入方向に直交する方向に屈曲せしめられている請求項1に記載の基板搬送ロボット用ハンド。
  4. 前記板状部材の湾曲または屈曲の度合いが、前記基板収納カセット中に配置された前記基板の自重による撓みに一致せしめられている請求項1〜3のいずれか1項に記載の基板搬送ロボット用ハンド。
  5. 前記板状部材が複数個、所定間隔をあけて重ね合わせられて前記アームに装着されている請求項1〜4のいずれか1項に記載の基板搬送ロボット用ハンド。
  6. 重ね合わせられた前記板状部材の前記所定間隔が、前記基板収納カセット中の前記基板の配置ピッチに等しく設定されている請求項5に記載の基板搬送ロボット用ハンド。
  7. 前記基板が半導体基板である請求項1〜6のいずれか1項に記載の基板搬送ロボット用ハンド。
  8. 本体に変位可能に取り付けられたアームと、
    前記アームに装着された請求項1〜7のいずれか1項に記載の基板搬送ロボット用ハンドとを備えたことを特徴とする基板搬送ロボット。
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