JP2007309801A - 疲労センサおよび疲労損傷度推定方法 - Google Patents
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Abstract
構造物、特に橋梁について、非熟練者であってもその耐用期間を正確に推定して、この推定に基づいて的確な保全を実施できる疲労寿命診断方法を提供する。
【解決手段】 中央部を横断して端部より薄く形成された疲労検出部3を有しこの疲労検出部に先端が亀裂の始点となるスリット5を設けた破断片1と、この破断片の両端部を固定する箔状の基板2を備えて、被検体表面に貼付して破断あるいは亀裂進展度を検知する疲労センサにおいて、疲労検出部3が亀裂進展度合いに従って選択された厚さを持ち、スリット5の先端形状が亀裂発生期間に従って選択された曲率を有するようにした。
【選択図】 図1
Description
この方法は、変換器など精密な計測装置を用いなければならないので、一度に多数の部位について計測することは難しいため、大型の構造物等における強度や寿命を的確に把握することが難しい。また、部材の損傷度を直接的に計測するものでなく、対象物に発生する応力の経時変化から部材の損傷度を推定するため、実地の疲労状況を正確に把握することは難しい。
事前に構造部材と犠牲試験片のS−N線図を求めておいて、部材に設置した犠牲試験片に損傷が生じたときの荷重繰返し数を求めてS−N線図に当て嵌めるとその時の応力振幅、もしくは分布のある応力振幅を1つの応力振幅値で代表した代表応力振幅が求まるので、これを構造部材のS−N線図に代入すると、溶接部端部などのホットスポット部における寿命が推定できる。
しかし、特許文献1に記載された犠牲試験片は、形状が比較的大きく溶接ビードの縁端に近接して貼付することができず、スリットにおける応力集中度が比較的小さいため、正確な測定が難しい。また、樹脂製薄膜を介して犠牲試験片に応力を伝達するので、歪みの一部が樹脂製薄膜に吸収されることからも、正確な測定が難しい。
特許文献2に開示された疲労センサは、小型で感度が高いため、対象部材の極めて近傍に貼付して貼付部分における繰返し応力により疲労センサの疲労損傷度を測定して対象部位の疲労損傷度を推定したり実寿命を推定することができる。
しかし、構造物や輸送機械など測定対象には各種の部材が溶接ばかりでなく機械加工、押出し成型、鋳造など様々な形態で使用されており、これらの部材についてそれぞれ疲労損傷度や寿命を推定しようとすると、測定対象部材によって応力集中率が異なるので、溶接部の測定に適した疲労センサをそのまま使用しても十分正しい結果を得ることができない。
特に、溶接部に限らず各種形状の部材や機械加工面、押出し成型面、鋳造面などの金属加工面についても疲労評価ができる疲労センサ及びその使用方法を提供することである。
一方、疲労センサは被検体より早く破断するべきものあるから、そのS−N曲線は被検体の色々な条件におけるS−N曲線より左に表されるように選ばれる。
本発明の疲労センサは、疲労検出部の厚さとスリット先端の曲率によりS−N曲線を調整することができるので、測定対象とする部材のS−N曲線と同じ傾きを持つようにして、被検体の寿命や余寿命を求められるようにすることができる。
疲労センサに作用する繰返し応力が一定であれば、疲労検出部に亀裂が発生した後の亀裂進展長は、繰返し回数に比例する。また、亀裂進展速度は繰返し応力が大きいほど早くなる。
さらに、複数回に亘り亀裂進展長を測定することにより、亀裂進展速度と亀裂発生時期を求めて、対象部材の寿命を推定することができる。
このような自動検出機構を利用することにより、所定の亀裂進展長に達する時期を確実に捉えることができる。
また、目視による監視を容易にするため、疲労検出部の亀裂の進展方向に適当な目盛りあるいは進展長の目安となる目印を印しておいてもよい。
構造物の母材部での疲労特性は応力範囲の疲労限界でおよそ決定され、評価部位で発生している応力が疲労限界より上か下かにより評価部位における疲労損傷発生の有無を判定することができる。
すなわち、疲労限界以下の応力では疲労損傷を生じないことから、評価対象部材の疲労限界とほぼ同じ疲労限界を持つように調整した疲労センサに疲労損傷が生じれば、疲労限界以上の応力が印加されているので、評価対象部材はその供用条件下でいずれ疲労障害が生ずることが予想される。また、疲労センサが疲労損傷を生じない場合は、観察期間が短すぎない限り、評価対象部材は疲労損傷を起こさないと推定することができる。
この方法によれば、対象部位における応力状態を計測器を使わずに観測して疲労亀裂発生の有無を推定するので、簡便かつ安価に適切な保全管理を行うことができる。
応力集中部では平滑部の応力に対して応力集中度倍の応力を生じるから、疲労センサが平滑部において受ける応力が応力集中部位における疲労限界を応力集中度で割った値を超えれば、対象部位は疲労損傷を発生することになる。したがって、疲労センサの疲労限界は応力集中部位における疲労限界を部材の応力集中度で割った値にするのである。
いずれかの疲労センサで疲労損傷が観測されれば、対象部位はやがて疲労損傷を現わすことが予測される。
Fs=Fm×αp/αm
という関係を持たせることである。
すると、いずれかの疲労センサに亀裂や破断が観察されるならば、部材の応力集中部に疲労限界を超える応力が作用することになり、やがて疲労損傷が生ずると判定することができる。
この方法は複数のセンサで検知するので、見落としが減って信頼性が高まる。
なお、この場合、応力集中部から近い方のセンサが破断したのに遠い方のセンサが正常のままであるときには、応力集中度が予想より大きいことが伺われ、応力集中部の疲労損傷が早いことが予想できる。
複数型疲労センサは、複数の疲労センサが1枚の基板上に形成されているため、1回で全てのセンサを貼付できるので、センサ貼付位置を注意深く決定して貼付する作業が1回で済む上、貼付位置のずれが小さく精度の高い計測ができる。
したがって、複合型疲労センサと亀裂進展型疲労センサを一緒に使えば、亀裂進展長の差から破断検出部の亀裂発生時期、亀裂進展長から亀裂進展速度を得るので、1度の計測で亀裂発生時期と亀裂進展速度の両方の情報を得ることができる。
図1は本発明の1実施例に係る疲労センサの斜視図、図2は側面図、図3は平面図を表す。また、図4は本実施例の別態様に係る疲労センサの側面図である。
本実施例の疲労センサは、中央部を薄く形成した破断片1を基板2の上に固定したもので、破断片1の中央部が破断片を横断する方向に凹部をもって薄く形成された疲労検出部3を構成し、破断片1の両端の固着部4で基板2に固着されている。
なお、図4は、図1,2,3に示した疲労センサと異なり、破断片1の基板2に向かい合う面に疲労検出部3の凹部を形成した疲労センサを示す側面図である。図4に示した疲労センサも図1,2,3に示したものと全く同じ機能を有することはいうまでもない。
本実施例の疲労センサは、対象部材の表面に貼付して所定期間経過した後に亀裂の発生状況を観察することにより、その部位に印加される繰返し応力を推定するために使用される。
すなわち、図5に示すように横断方向にスリット5がある破断片1に長手方向の力Pが働く場合、応力集中率αは破断片1の幅wに対するスリット5の深さtの割合とスリットの深さtに対する最奥部曲率半径ρの割合の関数となる。
また、S−N曲線右端部の水平線で示される疲労限界も調整により変化し、一般にはS−N曲線の傾きが大きい方が低くなる。
図8は、応力振幅をパラメータとして亀裂の進展長を模式的に示したグラフである。亀裂の進展期間におけるグラフの傾きda/dN(またはda/dt)は一定になる。なお、発生期間Tcは実時間ではなく、繰返し回数Nに基づいて決まる期間である。
疲労センサを貼付した装置等を供用に付すると、疲労センサはその評価対象部位における応力を受けて疲労する。疲労センサの感度が高いため、評価対象部位が疲労の影響を現わすよりずっと短い期間で亀裂や破断など疲労損傷が生起する。
この方法では、評価対象とする部材の疲労限界とほぼ同じ疲労限界を持つ疲労センサを選択する。疲労センサの疲労限界は、疲労検出部におけるスリット先端形状、疲労検出部の厚さ、破断片の材質などにより、応力集中度、強度などを調整することにより色々な水準にすることができる。
図10に示された例では、評価対象と同じ疲労限界を有する応力集中度α2の疲労センサを選択すればよい。
なお、評価対象部材のS−N曲線の傾きに合うような亀裂長を算定して目標亀裂進展長aiとすることによって、疲労センサのS−N曲線が評価対象部材に適合する傾きを持つようにすることも可能である。
図11は、本方法の最も基本的な態様を表わす説明図である。
繰返し荷重を受ける金属製構造物41の応力集中部位42の表面位置43に、疲労限界を当該部位の疲労限界とほぼ同じ値に調整した疲労センサを貼付し、適当な期間経過したところで疲労センサを観察する。その結果、疲労センサに破断や亀裂発生などの疲労損傷が存在すれば、対象部位に生ずる応力はその疲労限界を超えているから、やがて対象部位に亀裂や破断といった疲労損傷が発生するはずである。
なお、疲労センサは極めて高感度に設計されているから、疲労限界以上の荷重が印加されている状態では適当な期間が経過すればほぼ確実に疲労損傷が観察できる。したがって、疲労センサに疲労損傷が見られない場合は、対象部位の応力はその疲労限界より低く将来に亘って疲労損傷が発生しないと判断してもよい。
図12(a)に示した構造物の部材41について有限要素法などを用いて解析すると、たとえば図12(b)のように、応力集中の状態を定量的に求めることができる。ここから平滑部45における公称応力に対する推定対象部位42の応力集中率αと対象部位42の疲労限界値Fmを求める。そして、疲労限界が対象部位42の疲労限界Fmを応力集中率αで割った値Fsになるように設計された疲労センサを準備し、この疲労センサを平滑部の適当な部位44に貼付して構造体を供用状態において、適当な期間経過後に疲労センサに現れた疲労損傷を観察する。この結果、疲労損傷が発生していれば、測定目的である応力集中部位43における応力がその疲労限界Fmより大きいと推定できるので、対象の応力集中部にはやがて何らかの疲労損傷が現れると予測ができる。
この場合、疲労センサの疲労限界は、応力集中部43に貼付するものが応力集中部における疲労限界値、平坦部44に貼付するものが応力集中部42における疲労限界値を応力集中度で割った値とする。
いずれかの疲労センサで疲労損傷が観測されれば、対象部位はやがて疲労損傷を現わすことが予測される。
評価しようとする応力集中部位42の近傍で、応力集中部位42からの距離に差がある点46,47に疲労センサを貼付する。疲労センサは、貼付位置46,47における応力集中率を勘案した疲労限界Fsを有するように調整する。すなわち、評価部位における応力集中度をαm、貼付位置における応力集中度をαp、応力集中部における疲労限界をFm、疲労センサの疲労限界をFsとして、
Fs=Fm×αp/αm
という関係を持たせる。
このように、応力集中部に直接疲労センサを貼付しないでも、複数のセンサを利用して推定の信頼性を向上させることができる。この方法は複数のセンサで検知するので、見落としが減って信頼性が高まる。
図15に示した複数型疲労センサ15は、図14により説明した複数の疲労センサを1枚の基板上に一緒に形成したものに当る。複数型疲労センサ15は、それぞれ対象とする応力集中部について貼付される位置の応力集中度に応じた疲労限界を有するように形成された検出素子16,17,18が隣接して並んだもので、部材41における評価対象応力集中部42から予め決められた距離だけ離れた位置48に応力勾配に沿って素子が並ぶように貼付して観察する。
複数型疲労センサ15は、複数の疲労センサ16,17,18が1枚の基板19上に形成されているため、1回で全てのセンサを貼付できるので、センサ貼付位置を注意深く決定して貼付する作業が1回で済む上、貼付位置のずれが小さく精度の高い計測ができる。なお、複数型疲労センサ15に搭載する疲労センサの数は任意であって3個に限らないことはいうまでもない。
図17は、破断時期を表わす疲労センサのS−N曲線と評価対象のS−N曲線を表わした概念図である。疲労センサのS−N曲線は応力集中度により傾きが異なる。そこで、評価対象のS−N曲線の傾きと同じ傾きを有する応力集中度αiのときの疲労センサを選択する。
Tm=kTs
となり、疲労センサの破断期間Tsに基づいて、同じ振幅の応力が繰返し作用し続けた場合における評価対象の寿命Tmを推定することができる。
すなわち、
Tr=Tm−Th
である。
そして、その状況が継続するものならば、対象部材の寿命がTm=kTsで求められることに変わりはない。
図18は、スリット先端曲率を変化させるなどして応力集中係数を調整した異なる疲労センサS1,S2において、ある長さai,biの亀裂進展長に到達する期間を表わす疲労センサのS−N曲線を評価対象のS−N曲線と一緒に表わした概念図である。
そこで、評価対象のS−N曲線の傾きと同じ傾きを有するS−N曲線を持つような疲労センサSiの亀裂進展長aiまたはbi(以下、aiで代表する。)を選択する。図の例では、疲労センサS1を使って亀裂進展長a1になるまでの期間を検知する場合のS−N曲線が評価対象のS−N曲線と同じ傾きを持つ。
疲労センサで亀裂長aiにかかるS−N曲線と評価対象部材のS−N曲線は対数対数目盛り上で平行になっているから、評価対象部材の破断時期Tmは、応力振幅の値にかかわらず、両S−N曲線の距離に従って決まる倍数kiを使って、
Tm=kiTi
として求められる。
このように、疲労センサSiの亀裂進展長aiに到達する期間Tiが求まれば、同じ振幅の応力が繰返し作用し続けた場合における評価対象の寿命Tm及び余寿命Trを推定することができる。
疲労センサの亀裂進展特性は、図8により説明したように、亀裂発生期間Tcが経過して亀裂が生じた後の亀裂進展長は繰返し応力に変化がない限り繰返し回数に比例する。すなわち亀裂進展速度da/dtは変わらない。
すなわち、
Ti=Tc+ai/(da/dt)
と表現できるから、亀裂発生期間Tcと亀裂進展速度da/dtを求めることにより、亀裂長aiに到達する期間Tiを算定することができる。
これらの亀裂進展長ai到達期間Tiの算定方法を用いれば、容易に、評価対象部材の寿命及び余寿命を推定することができる。
基板2に両端で接合された破断片1の疲労検出部3の表面に、絶縁体13を堆積させた上に細い薄膜導体11を形成し、その両端部に電極部12を形成する。電極部12には図外の電流検出装置に接続する導線14が接続される。
薄膜導体11は、疲労検出部3に設けられたスリットの最奥部6から距離aiの位置で、破断片1を横断する方向に進展する亀裂aの進展方向を横断するように形成される。
図22は亀裂進展部と破断部を直列に結合した複合型疲労センサを示し、図23は図22に示した亀裂進展部のみを備える亀裂進展型疲労センサを示す。
一方、亀裂進展型疲労センサ30に発生した亀裂は経時に従って進展する。
すると、Δ=b−aが破断部24に亀裂が発生した後の亀裂進展長であり、破断部24に亀裂が発生した期間Tcは試験期間Ttをbとaで比例配分した
Tc=Tt×a/b
で求められる。
また、亀裂進展部23,33における亀裂進展速度da/dtは、
da/dt=Δ/Tt
となる。
このように、本実施例の複合型疲労センサと亀裂進展型疲労センサを組み合わせて使用することにより、1回の測定で亀裂発生期間と亀裂進展速度を知ることができる。
この方法によるときは、S−N曲線の傾きの異なる2つの疲労センサS1,S2を一緒に同じ評価対象部位に貼付して、一定の計測期間Tt後に両者の亀裂長さai,biを測定する。そして、図24に示すように、それぞれの疲労センサS1,S2のそれぞれの亀裂長さai,biに対応するS−N曲線を描く。このままでは、評価対象部位にどのような応力が働いているかが分からないため、計測結果がS−N曲線上のどこに対応するか判明しない。
Tm=Tt×NL/NR
で求められることになる。
この方法も、ただ1回の測定行為により目的の評価が可能なので、極めて効率的な寿命推定を行うことができる。
2 基板
3 疲労検出部
4 固着部
5 スリット
6 最奥部
10 疲労センサ
11 薄膜導体
12 電極
13 絶縁体
14 導線
15 複数型疲労センサ
16,17,18 破断片
19 基板
20 複合型疲労センサ
21 破断部
22 基板
23 亀裂進展部
24 破断部
25 スリット
26 スリット
27 接合部
30 亀裂進展型疲労センサ
31 破断部
32 基板
33 亀裂進展部
34 スリット
41 推定対象部材
42 推定対象部位(応力集中部)
43,44,46,47 疲労センサ貼付位置
45 公称応力部(平滑部)
48 複数型疲労センサ貼付位置
Claims (9)
- 中央部を横断して端部より薄く形成された疲労検出部を有し該疲労検出部に先端が亀裂の始点となるスリットを設けた破断片と、該破断片の両端部を固定する箔状の基板を備えて、被検体表面に貼付して破断あるいは亀裂進展度を検知する疲労センサにおいて、前記疲労検出部が亀裂進展度合いに従って選択された厚さを持ち、前記スリットの先端形状が亀裂発生期間に従って選択された曲率を有することを特徴とする疲労センサ。
- 前記疲労検出部の所定の亀裂進展長位置に亀裂進展方向を横切るように導体を配置して、該導体の両端に電極を設けたことを特徴とする請求項1記載の疲労センサ。
- 前記スリットにおける応力集中度を調整して評価対象部材の疲労限界と同等の疲労限界を持つようにしたことを特徴とする請求項1記載の疲労センサ。
- 前記スリットにおける応力集中度を調整して評価対象部材の疲労限界に対して該疲労センサを貼付する部位と該評価対象部材の応力集中度の差に伴う補正を施した値と同等の疲労限界を持つようにしたことを特徴とする請求項1記載の疲労センサ。
- 請求項4記載の疲労センサにおける前記破断片を1枚の基板上に直列に複数並べたことを特徴とする複数型疲労センサ。
- 請求項1または2記載の疲労センサを評価対象部材に貼付して、所定期間経過後に前記疲労検出部に生じる亀裂の長さに基づいて、該評価対象部位における疲労損傷度を推定することを特徴とする疲労損傷度推定方法。
- 請求項3から5のいずれかに記載の疲労センサを該評価対象部材に貼付して、所定期間経過後に前記疲労検出部に亀裂が生じる場合に、該評価対象部材が疲労損傷を生じると推定することを特徴とする疲労損傷度推定方法。
- 亀裂発生期間が短くなるようにされた亀裂進展部と亀裂発生により直ぐに破断に至る破断検出部を直列に設けた破断片と、該破断片の両端部を固定する箔状の基板を備えて、被検体表面に貼付して破断時における亀裂進展度を検知する疲労センサにおいて、前記破断検出部が横断方向両側からスリットが設けられ、該スリットの先端形状が亀裂発生期間に従った曲率を有することを特徴とする複合型疲労センサ。
- 請求項8記載の複合型疲労センサにおける前記亀裂進展部と同じ亀裂進展特性を有する亀裂進展部を備えた破断片の両端部を箔状の基板に固定した亀裂進展型疲労センサを、請求項8記載の複合型疲労センサと並べて貼付して、該複合型疲労センサから破断時における亀裂進展度を読み取り、該複合型疲労センサから読み取った該破断時における亀裂進展度と前記亀裂進展型疲労センサの亀裂長測定値との割合に基づいて亀裂発生期間と亀裂進展速度を算出することを特徴とする疲労損傷度推定方法。
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