JP2007309750A - 黒体炉 - Google Patents

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Abstract

【課題】小型で運搬性が良く、精密な温度を安定して維持することができ、耳用赤外線体温計等の赤外線温度計の校正・維持管理に用いる黒体炉を提供する。
【解決手段】熱媒体14を所定量充填した容器10と、この容器10外に開口する黒体空洞13と、熱媒体14を加熱する加熱部15と、熱媒体14を冷却する冷却部18と、回転駆動する攪拌翼40と、熱媒体14を攪拌翼40の回転駆動によって容器10内で一定方向に循環させるための案内部材20とを備え、案内部材20は、該部材20と容器10における前壁の内槽面11a、後壁の内槽面17a、底部の内槽面19a、熱媒体14の液面14aとの各距離がそれぞれ略同一距離になるように配置して熱媒体14が容器10内を一定方向に循環するための熱媒体流路を形成している。
【選択図】図1

Description

本発明は、測定対象の表面温度を、非接触で、且つ、高速に測定する放射温度計の校正・評価に用いる小型で持ち運びに便利な黒体炉に関する。
従来より、物体から放射される赤外線を検出することにより温度を測定する放射温度計は、高速で比較的正確に測定できるため広く用いられている。この放射温度計は、測定対象である物体が発する赤外線(可視光線領域より波長の長い約0.77〜1000μmの範囲の電磁波)を測定して対象物の表面温度を非接触で測定できる温度計であり、特に食品の管理や工業部門で直接触れることの困難な個所の温度管理に使用されている。
そして、近年、このような放射温度計の性能を利用して、耳孔内の皮膚表面から放射される赤外線を検出して体温測定を行う耳用赤外線体温計が開発されている。耳用赤外線体温計は、非接触で、且つ、1〜2秒程度の短時間で体温測定が可能であり、従来の水銀体温計や電子式体温計よりも高速で測定できるため、乳幼児の体温測定などを中心に一般家庭及び医療機関に普及し、また近年問題となっているSARS感染者の拡大を防止するため空港内で発見する際に使用されるなど、耳用赤外線体温計の需要は急速に拡大している。
しかしながら、従来から用いられている水銀体温計や電子式体温計の精度管理は、国際法定計量機関の勧告や国内計量法による検定精度の適用により行われているが、赤外線式体温計については、測定原理を含めて、新しい測定機器であるため従来の校正・評価技術の適用が不可能であり、新たな標準技術の開発が世界的な課題となっていた。
そこで、本件出願人は、平成10年より国内体温計メーカー等との協力のもと、赤外線式体温計に対する高精度の校正・評価技術の研究を行い、世界最高精度の標準設備を開発するとともに、平成13年度より、体温計メーカー等に対する標準供給を実施している。本件出願人の開発した標準黒体炉システムは、国際温度目盛に準拠した高精度の赤外線放射輝度を実現し、その不確かさは、0.03℃以下であり、世界的にも最高水準の標準設備となっている。そして、このような体温などの低温域を測定する赤外線温度計の校正に用いられる黒体炉としては、例えば図8に開示されるようなものが知られている。
図8に示すように、黒体炉100は、ステンレス鋼製の外槽110aと内槽110bとの間に断熱材110cを介在して設けられる容器110の所定部分を貫通するように、孔111が形成されている。また、この孔111に、例えば炭素、銅、ステンレスなど熱伝導率の良好な素材からなり後端部が略円錐形状に形成された空洞形黒体112が図示のように設けられている。すなわち、孔111と空洞形黒体112の開口部112aとが対応するように設けられている。
さらに、容器110内には例えばオイルや水などの熱媒体113が空洞形黒体112を浸漬するように所定量充填されており、この熱媒体113を加熱するためのヒータ114及びモータ115によって回転駆動する攪拌翼116も熱媒体113に浸漬されるように設けられている。そして、容器110内の熱媒体113をヒータ114で加熱して空洞形黒体112内の温度を設定した温度に制御して、空洞形黒体112内の温度を一定に維持している。なお、熱媒体113の温度は、温度計117で測定している。
一方、赤外線式体温計の校正・評価技術に関しては、赤外線式体温計の普及が進んでいる日本、ドイツなどの先進国の標準研究機関では先導的な研究が行われているが、アジア諸国などの発展途上国においては、未だ赤外線式体温計の普及率が低く、校正・評価技術・設備の開発導入が遅れている状況である。それに対して、近年のSARS対策を含め、赤外線式体温計の導入がそのような国々で求められており、赤外線式体温計の維持管理に必要な校正・評価設備の技術協力の要請が本件出願人等に強く寄せられている。
なお、鼓膜から発生する赤外線を測定して体温を測定する耳用赤外線体温計において、より正確に温度を測定するため耳型黒体炉を用いる技術は下記特許文献1に記載され、また、黒体炉の温度を維持するオイルを攪拌しながら、さらに外部から不活性ガスを導入して攪拌する技術は下記特許文献2に記載され、所定温度の液体を供給する装置において攪拌はねを用いる技術は下記特許文献3に記載され、また、恒温槽内の液体温度を一定にするために攪拌子を用いる技術は下記特許文献4に記載されている。
特開2001−70254号公報 特開2001−147162号公報 特開2004−281250号公報 特開平5−10914号公報
上述したように、近年急速に普及している赤外線式体温計の製造及び維持管理に必要な校正・評価設備において、その中心となるのは黒体炉であり、例えば上述したような0.03℃程度の不確かさを実現するには、黒体炉についても少なくともそれ以上の不確かさで温度を維持しなければならない。
しかしながら、現在開発されている赤外線式体温計の維持管理に必要な黒体炉に関しては、温度安定性を保つため、黒体空洞を温度制御する際に熱媒体の容量を大きくすることによって対応している。そのため、現在用いられている黒体炉の構造で小型化を行った場合は、熱媒体の容量が小さくなるため、所定温度を維持することが困難である。また、黒体空洞周辺の温度分布も小型化することで悪くなるという問題もある。
そのため、現在校正用として用いられている黒体炉では、これを国内外の他の場所で利用するために運搬する際には、大がかりな設備が必要となり、製造コストや運搬費用等のコストが嵩むという問題があった。このようなことから、より小型で温度安定性の良い黒体炉の開発が望まれていた。
そこで、本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、小型で運搬性が良く、精密な温度を安定して維持することができ、特に耳用赤外線体温計の校正等の、赤外線温度計の校正・維持管理に適切に用いることができる黒体炉を得ることを主たる目的とするものである。
上記課題を解決するため、請求項1記載の黒体炉は、熱媒体を所定量充填した容器と、 前記容器外に開口する黒体空洞と、
前記熱媒体を加熱する加熱部と、
前記熱媒体を冷却する冷却部と、
回転駆動する攪拌翼と、
前記熱媒体を前記攪拌翼の回転駆動によって前記容器内で一定方向に循環させるための案内部材とを備え、
該案内部材と前記容器における前壁の内槽面,後壁の内槽面,底部の内槽面,前記熱媒体の液面との各距離がそれぞれ略同一距離になるように配置して前記熱媒体が前記容器内を一定方向に循環するための熱媒体流路を形成していることを特徴とする。
また、請求項2記載の黒体炉は、請求項1記載の黒体炉において、前記黒体空洞は、前記案内部材によって形成された前記熱媒体流路内で、且つ、前記熱媒体が前方から後端部に向かって流れてくる位置に配置されていることを特徴とする。
また、請求項3記載の黒体炉は、請求項1または2記載の黒体炉において、前記冷却部は、ペルチェ効果により容器の内壁の一部を冷却するものであることを特徴とする。
また、請求項4記載の黒体炉は、請求項1〜3の何れかに記載の黒体炉において、さらに、前記冷却部を前記加熱部の直下に配置するとともに、前記攪拌翼を前記冷却部の前面に配置したことを特徴とする。
また、請求項5記載の黒体炉は、請求項1〜4の何れかに記載の黒体炉において、前記熱媒体の温度を測定する熱媒体用温度計の検知部が前記攪拌翼の下方に位置して配設され、前記検知部で測定した熱媒体温度と設定温度とを比較し、この比較結果に基づいて前記加熱部と前記冷却部とをそれぞれ駆動制御することを特徴とする。
また、請求項6記載の黒体炉は、請求項1〜5の何れかに記載の黒体炉において、耳用赤外線体温計のプローブを前記黒体空洞の開口部に設置もしくは近接して該耳用赤外線体温計の校正に用いることを特徴とする。
本発明の黒体炉は、容器内の中央位置に、前壁の内槽面,後壁の内槽面,底部の内槽面,熱媒体の液面との距離が略同一になるように案内部材を設け、容器内にほぼ充填した熱媒体を加熱部と冷却部とをPIDフィードバック制御しながら攪拌翼を回転駆動させ、容器内の熱媒体を一定方向で循環させることで黒体空洞内の温度制御を行っているため、温度安定性を保つために液体媒体の容量を大きくする必要がなく、黒体炉自体の容積を小型化することができる。
従って、運搬性が良く、且つ、精密な温度を安定して維持することができ、赤外線温度計の校正・維持管理、特に耳用赤外線体温計の校正等に適切に用いることのできる黒体炉を提供することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、添付する図面を参照しながら詳細に説明する。図1は本発明に係る黒体炉の構造を説明するための側断面図であり、図2は同黒体炉の概略構造を説明するための正面図であり、図3は同黒体炉の制御部の概略構成を説明するための機能ブロック図である。図4(a)〜(c)は同黒体炉の35℃,37℃,40℃の各温度条件時における温度安定性の試験結果を示すグラフであり、図5は同黒体炉における設定温度35℃のときの温度分布特性を示すグラフ図である。図6は同黒体炉における設定温度37℃のときの温度分布特性を示すグラフ図であり、図7は同黒体炉における設定温度40℃のときの温度分布特性を示すグラフ図である。
本発明の黒体炉は、小型で運搬性が良く、精密な温度を安定して維持することができる黒体炉を得るという目的を、内部に液体状の熱媒体をほぼ充填した容器の内部に、容器外方向に開口する黒体空洞と、加熱部と、冷却部と、外部から回転駆動される熱媒体の攪拌翼と、黒体空洞の外周温度を測定する基準温度計と、熱媒体の温度を測定する熱媒体用温度計とを備え、攪拌翼によって攪拌される熱媒体を容器内で所定方向に均一に循環させることにより実現した。
まず、本発明の黒体炉の構成について説明する。図1及び図2に示すように、本発明の黒体炉1は、例えばステンレスなどの金属製の外槽10aと内槽10bの間に発泡スチロールなどの断熱材10cを介在してなる容器10の前壁11に開口する窓部12に対向して、開口13aを向けて黒体空洞13が配置し固定されている。容器10内には、水等の熱媒体14がほぼ充填されており、内部には例えばヒータなどの熱媒体14を加熱するための加熱部15が設けられている。
また、容器10の上面部の開口部分には、容器10内の熱媒体14を断熱し、且つ、容易に熱媒体14を容器10内に注ぎ入れを行うため、断熱効果を有する例えばテフロン(登録商標)などで形成された着脱可能な容器蓋16が上面部の開口部分を全て塞ぐように配置されている。さらに、図1の容器10の後壁17には、加熱部15によって加熱された熱媒体14をペルチェ効果を利用して冷却するための冷却部18が所定位置に設けられている。
また、黒体空洞13の周囲に均一な熱媒体流路が形成されるように、容器10の中央位置(容器10における前壁の内槽面11a、後壁の内槽面17a、底部の内槽面19a、熱媒体14の液面14aとの間がそれぞれ略同距離になる位置)に直方体形状で内部が中空状の案内部材20が設けられており、容器10内の熱媒体が一定方向に流れるようにするための熱媒体流路を形成している。さらに、容器10の上部に設けられた例えばモータなどで構成された駆動部30の制御によって回転駆動される攪拌翼40が、加熱部15の下部で冷却部18の内壁部分に近接して設けられている。
攪拌翼40が、駆動部30の駆動により回転すると、熱媒体14は図中下方の矢印方向に沿って流動し、加熱部15の周囲の熱媒体14は冷却部18の内壁部分を通り、案内部材20の下方における容器10内の底部19に沿って流動する。その後、容器10の前壁11に沿って案内部材20との間を上昇し、黒体空洞13の下方から上方に流れつつ、案内部材20と液面との間を図中上方の矢印に沿って流動しながら黒体空洞13の周囲を通り、再度加熱部15の周囲に至り、同様の循環を繰り返す。
また、黒体空洞13の外周温度を正確に測定するため、黒体空洞13の外周温度となっている熱媒体14の温度を測定する標準白金抵抗温度計またはサーミスタ温度計からなる基準温度計21が、黒体空洞13の後端部13bに近接するように設けられている。さらに、図2に示すように、熱媒体14の温度を測定する検知部が攪拌翼40の下方に位置して配設される標準白金抵抗温度計などの接触式温度計からなる熱媒体用温度計を備えている。
そして、上述した加熱部15、冷却部18、熱媒体用温度計22は、それぞれ図2に示す制御部50によって各種制御される。この制御部50は、図3に示すように温度比較手段51と、温度制御手段52と、駆動制御手段53とで構成される。
温度比較手段51は、熱媒体用温度計22によって測定された熱媒体14の温度データと設定温度とを比較し、この比較結果に基づく温度調節データを温度制御手段52に出力する。
温度制御手段52は、温度比較手段51から出力された温度調節データに基づき、加熱部15及び冷却部18のPIDフィードバック制御をして熱媒体14の温度を設定温度に調節するための温度制御信号を駆動制御手段53に出力する。
駆動制御手段53は、熱媒体用温度計22の温度測定、温度制御手段52から出力された温度制御信号に基づく加熱部15,冷却部18の各種駆動など、熱媒体14の温度を設定温度に制御するための各種制御を行う。
次に、本例の黒体炉1における温度制御の駆動例として、黒体空洞13の設定温度を35℃に設定した例について説明する。
まず、黒体空洞13の設定温度を35℃にするため、不図示の設定手段で熱媒体14の温度を35℃に設定する。そして、熱媒体14の温度と設定温度とを比較し、熱媒体用温度計22によって測定した熱媒体14の温度が設定温度より低いときには、加熱部15を駆動して熱媒体14を加熱し、熱媒体14の温度が設定温度より高いときには冷却部18を駆動して熱媒体14を冷却しながら、熱媒体14の温度を設定温度に温度制御するようPIDフィードバック制御する。
また、これと同時に、攪拌翼40を回転駆動して容器10内の熱媒体14を所定方向に循環させ、熱媒体14の温度が設定温度と同一温度になると、加熱部15,冷却部18をそれぞれ駆動制御しながら設定温度の維持を図る。
なお、上記動作例では、予め35℃に設定した後、所望の設定温度と同一になるよう温度制御したが、温度制御中で設定温度を変更させた場合は、その都度設定した温度になるよう加熱部15、冷却部18を自動的に駆動制御して所望の温度制御をすることができる。
次に、上述した黒体炉1を用いて基準温度計21の温度を測定した実験結果を、図4(a)〜(c)に示す。これらの実験結果の内、図中縦方向は時間経過を示している。
図4(a)は、黒体空洞13の設定温度を35℃になるように制御を行った結果を示しており、35℃に到達してほぼ安定した制御が行われるようになった後、1時間を検査時間とし、基準温度計21の温度を測定した結果、図示するように最低温度と最高温度との差(℃p−p)は0.005℃p−pの範囲、即ち±0.0025℃に温度が制御されていることが実証された。
図4(b)は、35℃と同様に37℃になるように制御を行った結果を示しており、この場合も最低温度と最高温度との差は0.005℃p−pの範囲、即ち±0.0025℃に温度が制御されている。さらに図4(c)に示すように、40℃になるように制御を行った場合も35℃、37℃と同様の実験結果が得られた。これらのことから、本発明の黒体炉1は、黒体空洞13の設定温度を正確に温度制御を行うことができることが証明された。
さらに、上記のような構造からなる本発明の黒体炉1における黒体空洞13について、熱媒体14の加熱と冷却による温度制御と、熱媒体14の一定循環によって黒体空洞13の各部がどのような温度分布になっているか、すなわち、特定の部位で温度上昇、或いは温度低下を生じないかを確かめるために実験を行った結果を図5〜図7に示す。
図5は、設定温度を35℃に設定し、前記のような熱媒体14の温度制御を行った結果、同図の上方に示されるような黒体空洞13の周囲上部、両側面の15点と黒体空洞後端部13bの各部において、どのような温度分布を生じるかを基準点である黒体空洞後端部13bとの温度差で表したものが同図の下方に示すグラフである。このグラフから明らかなように、黒体空洞後端部13bを基準に全ての箇所において±0.001℃の範囲内で均一であることが確認できた。
図6は、設定温度を37℃に設定し、図5と同一点について温度分布の測定を行った結果を示す。このグラフから明らかなように、特にこの35℃の結果と同様に、黒体空洞後端部13bを基準に全ての箇所において、±0.001℃の範囲内で均一であることが確認できた。また、図7は設定温度を40℃として温度分布の測定を行ったものであり、この温度においても黒体空洞後端部13bを基準に全ての箇所において±0.001℃の範囲内で均一であることが確認できた。
上記実験結果により、本発明による黒体炉1が均一な温度分布を実現し、安定した温度制御がなされていることがわかる。特にこの黒体炉1の重要な用途としての耳用赤外線体温計の校正に際しては、その通常の使用範囲である35℃〜40℃において、正確な校正を行うことができる。
このように、上述した黒体炉1は、容器10内に熱媒体14をほぼ充填し、この容器10の中央付近に案内部材20を設けて、該部材20と前壁の内槽面11a、後壁の内槽面17a、底部の内槽面19a、熱媒体14の液面14aとの間の距離を略同一にする。そして、容器10内にほぼ充填された熱媒体14を加熱部15,冷却部18をPIDフィードバック制御するとともに、攪拌翼40を回転駆動させて容器10内の熱媒体14を熱媒体流路に沿って、黒体空洞13の下方から黒体空洞13の全周を一方向に循環させる。
従って、加熱部,冷却部を駆動制御して設定温度に温度制御された熱媒体14を一定方向に均一に循環することで黒体空洞13周辺の温度をほぼ均等に維持することができるので、黒体空洞13の外周温度を効果的、且つ、安定して温度制御することができる。
また、このような黒体炉1内の熱媒体14を温度制御することよって、従来の黒体炉1の容量が50L位であるのに対し、本例の黒体炉1では容量が15L程度の大きさにすることが可能となる。これにより、黒体炉1の可搬性が向上し、国内外を問わず容易に運搬することができるとともに、人体の体温を高速で測定することのできる赤外線式体温計を正確に校正でき、耳用赤外線体温計の普及に役立たせることができる。
本発明は、特に人体の体温を測定する耳用赤外線体温計の校正に適切に用いることができるが、それ以外の例えば赤外線式皮膚温度計や赤外線サーモグラフィ(熱画像装置)など低温域を測定する赤外線温度計校正用の黒体炉としても広く利用することができる。
以上、本願発明における最良の形態について説明したが、この形態による記述及び図面により本発明が限定されることはない。すなわち、この形態に基づいて当業者等によりなされる他の形態、実施例及び運用技術等はすべて本発明の範疇に含まれることは勿論である。
本発明に係る黒体炉の概略構造を説明するための側断面図である。 同黒体炉の概略構造を説明するための正面図である。 同黒体炉における制御部の概略構成を説明するための機能ブロック図である。 (a) 同黒体炉における35℃のときの温度安定性の試験結果を示すグラフである。 (b) 同黒体炉において37℃のときの温度安定性の試験結果を示すグラフである。 (c) 同黒体炉における40℃のときの温度安定性の試験結果を示すグラフである。 同黒体炉における設定温度35℃のときの温度分布特性を示すグラフ図である。 同黒体炉における設定温度37℃のときの温度分布特性を示すグラフ図である。 同黒体炉における設定温度40℃のときの温度分布特性を示すグラフ図である。 一般的な低温域を測定する放射温度計の校正に用いられる黒体炉の概略構造を示す説明図である。
符号の説明
黒体炉…1
容器…10
前壁…11
窓部…12
黒体空洞…13
熱媒体…14
加熱部…15
容器蓋…16
後壁…17
冷却部…18
底部…19
案内部材…20
基準温度計…21
熱媒体用温度計…22
駆動部…30
攪拌翼…40
制御部…50
温度比較手段…51
温度制御手段…52
駆動制御手段…53

Claims (6)

  1. 熱媒体を所定量充填した容器と、
    前記容器外に開口する黒体空洞と、
    前記熱媒体を加熱する加熱部と、
    前記熱媒体を冷却する冷却部と、
    回転駆動する攪拌翼と、
    前記熱媒体を前記攪拌翼の回転駆動によって前記容器内で一定方向に循環させるための案内部材とを備え、
    該案内部材と前記容器における前壁の内槽面,後壁の内槽面,底部の内槽面,前記熱媒体の液面との各距離がそれぞれ略同一距離になるように配置して前記熱媒体が前記容器内を一定方向に循環するための熱媒体流路を形成していることを特徴とする黒体炉。
  2. 前記黒体空洞は、前記案内部材によって形成された前記熱媒体流路内で、且つ、前記熱媒体が前方から後端部に向かって流れてくる位置に配置されていることを特徴とする請求項1記載の黒体炉。
  3. 前記冷却部は、ペルチェ効果により容器の内壁の一部を冷却するものであることを特徴とする請求項1または2記載の黒体炉。
  4. さらに、前記冷却部を前記加熱部の直下に配置するとともに、前記攪拌翼を前記冷却部の前面に配置したことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の黒体炉。
  5. 前記熱媒体の温度を測定する熱媒体用温度計の検知部が前記攪拌翼の下方に位置して配設され、前記検知部で測定した熱媒体温度と設定温度とを比較し、この比較結果に基づいて前記加熱部と前記冷却部とをそれぞれ駆動制御することを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の黒体炉。
  6. 耳用赤外線体温計のプローブを前記黒体空洞の開口部に設置もしくは近接して該耳用赤外線体温計の校正に用いることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の黒体炉。
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