JP2007309200A - ガソリン代替燃料噴射システムの制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ガソリン代替燃料噴射システムを構築する場合に、既設の制御装置に特別な改造作業を加えることなく既設の制御装置と増設した制御装置双方に関連する故障情報を容易に把握できるようにする。
【解決手段】制御に関連する故障を検知して故障情報を生成し故障情報表示手段に出力するガソリン噴射制御用の電子制御ユニット1が配設されたエンジン既設のガソリン噴射制御システムに、制御に関連する部品の故障検知機能を備えた非ガソリン燃料噴射制御用の電子制御ユニット3が追加されてなるガソリン代替燃料噴射システムの制御装置において、電子制御ユニット1が出力する故障情報が、一端電子制御ユニット3に入力され電子制御ユニット3が生成する故障情報を論理和に相当する方法で付加・統合され、電子制御ユニット3から故障情報表示手段としての故障ランプ6に出力されて故障を表示させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、既設のガソリン噴射システムを利用して非ガソリン燃料を使用できるように改造してなるガソリン代替燃料噴射システムに配設される制御装置に関し、殊に、制御装置に関連する故障情報を運転者等に知らせる機能を備えたガソリン代替燃料噴射システムの制御装置に関するものである。
組成・気化性等の特性がガソリンとは異なるLPG等の非ガソリン燃料を火花点火エンジンの燃料に使用することは広く知られているが、これらガソリンとは特性の異なる非ガソリン燃料をインジェクタから吸気管路に噴射する噴射システムをエンジンに搭載するにあたり、新規のエンジンに対してはエンジン運転状態に応じて最適の燃料供給量を与える噴射量を設定する電子制御装置を使用してインジェクタを制御するように最初からシステムを設計・構築すればよい。
しかし、ガソリン噴射システムを搭載している既存のエンジンに対しては、エンジンの運転状態に応じて最適の燃料供給量を与える噴射量としてガソリン噴射システムを構成する電子制御装置に設定されているので、例えば特開2004―108148号公報に記載されているように、ガソリン噴射量に基いてこれと同等の混合気を与える燃料噴射量を種々のデータを用いて所定の計算式で算出する、というきわめて簡単な機能をもたせた非ガソリン燃料用の電子制御装置を増設し、且つ、燃料の種類ごとに噴射に適した弁口径・ダイナミックレンジをもつインジェクタを使用することにより、既存のガソリン噴射システムをそのまま利用して非ガソリン燃料を用いるガソリン代替燃料噴射システムを構築することができる。
ところで、燃料噴射システムの制御装置には、制御に関連する故障情報を検知してこれを運転者や修理業者などに提供する故障表示機能が付設されている場合が多い。例えば、図5の制御装置の機能ブロック図に示すもののように、ガソリン代替燃料噴射システムの制御装置にこのような故障表示機能が付設されたものが知られている。
このガソリン代替燃料噴射システムの制御装置は、エンジン既設のガソリン噴射制御用の電子制御ユニット1に、ガソリンとは異なる燃料の供給を制御する非ガソリン燃料噴射制御用の電子制御ユニット2を通信ケーブル8で接続し、互いに情報を共有するように構成されている。そして、電子制御ユニット1の制御に関連するセンサ14aやアクチュエータ14b等の部品が故障した場合、電子制御ユニット1内の故障診断手段15がその故障を検知して故障情報を生成し、その故障情報が故障診断を統制する故障診断統制手段11によって処理された後、装置外部まで延出された配線4を介して、運転席に配置した故障ランプ6を点灯または消灯させて運転者等に故障が発生していることを表示する。また、通信ケーブル5を介して該当する故障コード等の故障診断情報をデータリンクコネクタ7経由で外付け用の故障診断ツールに出力するようになっている。
一方、追加された非ガソリン燃料用の電子制御ユニット2の制御に関連する部品24a〜24d等が故障した場合、電子制御ユニット2内の故障診断手段25により故障が検知され、その情報が通信ケーブル8を介してベースとなる電子制御ユニット1に送信される。そして、送られた情報が非ガソリン燃料用の電子制御ユニット2の故障情報として故障診断統制手段11に入力され、その後、上記と同様の処理により故障情報を外部に出力するようになっている。
しかしながら、このような従来のガソリン代替燃料噴射システムの制御装置においては、既設のガソリン用電子制御ユニット1内に、非ガソリン燃料用の電子制御ユニット2からの故障情報を取込む手段を追加することに加え、故障情報を統制する故障情報統制手段11を構成するためのプログラムを変更する必要が生じ、既設の電子制御ユニット1のハードウエアおよびソフトウエアの改造を実施するという面倒を要する。
特開2004―108148号公報
本発明は、上記のような問題点を解決しようとするものであり、エンジン既設のガソリン噴射システムを利用してガソリン代替燃料噴射システムを構築する場合に、既設の制御装置に特別な改造作業を加えることなく、既設の制御装置および増設した制御装置の両方に関連する故障情報を容易に把握できるようにすることを課題とする。
そこで、本発明は、制御に関連する部品の故障を検知して故障情報を生成し所定の故障情報表示手段に出力する故障表示機能を備えたガソリン噴射制御装置が配設されたエンジン既設のガソリン噴射制御システムに、入力された所定のデータを基に非ガソリン燃料の噴射量を算出して燃料噴射信号を出力するとともに制御に関連する部品の故障検知機能を備えた非ガソリン噴射制御装置が追加されてなるガソリン代替燃料噴射システムの制御装置において、ガソリン噴射制御装置が出力する故障情報が、一端非ガソリン燃料噴射制御装置に入力され、この非ガソリン燃料噴射制御装置が生成する故障情報を論理和に相当する方法で付加・統合され、非ガソリン燃料噴射制御装置から故障情報表示手段に出力されて故障を表示させる。
このように、ガソリン噴射制御装置から故障情報を送信する配線を、非ガソリン噴射制御装置に接続してから故障情報表示手段に接続し、両制御装置に関連する故障情報を付加・統合して出力するようにしたことで、エンジン既設の制御装置側に特別な改造を要することなく、ガソリン代替燃料噴射システムの制御装置に関連する故障情報を表示するための故障表示機能を容易に設けることができる。
また、このガソリン噴射制御装置から、故障診断ツールと接続して故障診断情報を外部に提供するデータリンクコネクタが末端に設けられた通信ケーブルが延出され、その中途に非ガソリン燃料噴射制御装置から延出され故障診断情報を送信する通信ケーブルが並列的に接続されたものとし、且つ、非ガソリン燃料噴射制御装置にはガソリン噴射制御装置とは異なるIDが割り当てられたものとすれば、エンジン既設のガソリン噴射制御装置のハードウエアやソフトウエアを改造する手間を要することなく、且つ、両制御装置について混同することなく外部診断ツールを用いた故障診断を容易に行えるようになる。
この場合において、非ガソリン燃料噴射制御装置は、ガソリン噴射制御装置と通信ケーブルで接続されたものとし、且つ、自己のIDをガソリン噴射制御装置に割り当てられたIDに一時的に切換えることで、ガソリン噴射制御装置から必要とするデータを入手可能な状態となるものとすれば、より高度な故障診断と燃料噴射制御を実現することができ、さらに、そのID情報の切換えは、両制御装置に関連する故障が非ガソリン噴射制御装置に検知されていないことを前提として行われるものとすれば、制御における誤動作を回避しやすいものとなる。
ガソリン噴射制御装置が出力した故障情報を、非ガソリン燃料噴射制御装置に一端入力して非ガソリン燃料噴射制御装置に関連する故障情報を付加・統合して故障情報表示手段に出力するものとした本発明により、エンジン既設の制御装置に特別の改造作業を要することなく、ガソリン代替燃料噴射システムの制御装置において既設の制御装置および増設した制御装置の両方に関連する故障情報を容易に把握できるものである。
以下に、図面を参照しながら本発明における最良の実施の形態を説明する。
図1は、電子制御ユニット1を備えたガソリン噴射システムを非ガソリン燃料噴射システム改造したものにおける制御装置の機能ブロック図を示している。ガソリン用噴射制御装置としての電子制御ユニット1は、例えばスロットル開度センサ、MAPセンサ、O2センサ、水温センサ、クランク角センサ等により検出したエンジン運転状態に基いて算出したガソリン噴射信号を出力し、改造前において図示しないガソリン用インジェクタをこの駆動信号に応じたデューティサイクルで開閉動作させ、エンジン要求流量のガソリンを噴射してエンジンに供給し、点火栓を所定のタイミングで点火させるものであり、改造後においては図5に示す従来のガソリン代替燃料噴射装置のガソリン用噴射制御装置1と同じものであり、ハード的、ソフト的に何ら変更を加えたものではない。
従って、この電子制御ユニット1は図5の従来例と同様に故障表示機能を有しており、故障を検知することで故障表示手段としての故障ランプ6を点灯させ、データリンクコネクタ7を介して故障診断情報を外部に提供するようになっている。しかし、本実施の形態においては、故障ランプ6に至る配線が途中で切断されて新たな配線4aで非ガソリン燃料噴射制御装置としての電子制御ユニット3に接続され、これから延出された配線4bを経由して故障ランプ6に接続されている点を特徴としている。また、データリンクコネクタ7に至る通信ケーブル5の中途で電子制御ユニット3から延出された通信ケーブル5aが並列に接続している点も特徴となっている。
尚、電子制御ユニット1,3は、図示しないCPU,ROM,RAM,入出力インターフェース等を備えハードウエア的には汎用のものであるが、そのROMに以下に述べる各手順を実行し各機能を発揮させるための種々のプログラムがそれぞれ記憶されて、以下に述べる各手段を機能的に実現するものである。
電子制御ユニット3内部では、その制御に関連する部品の故障を故障診断手段35が検知し、故障情報を生成して故障診断統制手段36に送るようになっているが、この生成された故障情報が配線4aを介して入力された電子制御ユニット1からの故障情報に、付加手段37で論理和に相当する方法で付加処理され、この付加・統合された故障情報が、電子制御ユニット3から延出され故障ランプ6まで接続された配線4bを介して故障ランプ6を点灯させるようになっている。これにより、両制御装置1,3のうち、いずれか一方の故障を検知すると運転席側で故障が生じたことを認識できるものである。
また、故障診断情報については、電子制御ユニット1から通信ケーブル5でデータリンクコネクタ7に接続されて送信されるようになっており、また、電子制御ユニット3内の故障診断統制手段36から延出された通信ケーブル5aが通信ケーブル5の中途で並列に接続されているが、電子制御ユニット1等の本システムにおける他の既設の装置に付与されたIDとは異なるIDが電子制御ユニット3に付与されている。これにより、故障ランプ6が点灯したとき、既存の故障診断ツールか新たに加えた電子制御ユニット3用の故障診断ツールかのいずれかを接続することで、故障診断情報としての故障コードを確認して故障箇所を認識することができるようになっている。
また、このように通信ケーブル5,5aで両電子制御ユニット1,3は互いに接続されて通信可能な状態とされていることから、例えば電子制御ユニット3から電子制御ユニット1内の各種データを入手することも可能である。この場合、電子制御ユニット3は、自己のIDを一時的に変更し既存の故障診断ツールと同様の動作をできるようにして電子制御ユニット1にアクセスするものとすれば、制御や故障診断に有用な情報を、障害なく入手できるようになる。
このような構成としたことで、両電子制御ユニット1,3間で互いに必要な情報を共有することができ、より高度な故障診断と燃料噴射制御を実行できるものとなっている。尚、この場合、装置の誤動作を回避するために、電子制御ユニット3は電子制御ユニット1からの故障情報を確認してからIDの変更を行うようになっている。
以下に、図2乃至図4の機能ブロック図を用いて、本実施の形態による制御装置の動作を説明する。尚、信号が送信されている配線・通信コードは太線で表示して説明するものとする。
先ず、図2を参照して、非ガソリン燃料噴射制御装置である電子制御ユニット3に関連する故障が発生した場合を説明すると、故障を検知したとき、故障診断統制手段36から故障情報としての「点灯要求」信号が出力され(A1)、付加手段37で論理和に相当する処理が行われ、配線4bを介して出力して故障ランプ6を点灯させる(A2)。
このとき、データリンクコネクタ7に、新たに追加した電子制御ユニット3に対応した故障診断ツール200を接続すると、通信ケーブル5a,5を介して故障診断情報が送信され(A3)、故障診断ツール200に故障コードを表示させる。尚、通信ケーブル5より先は電子制御ユニット1,3の両方が共有しているため、新たに追加した電子制御ユニット3は、既存の電子制御ユニット1のID(100)とは異なる別のID(200)が付与されており、異なるID情報を送信するようになっている。従って、既存のガソリン噴射システム用の故障診断ツールを接続しても故障コードは表示されず、診断の間違いが生じないようになっている。
次に、図3を参照して、既存のガソリン噴射制御装置である電子制御ユニット1に関連する故障が発生した場合について説明すると、電子制御ユニット1が故障を検知して、故障ランプ6の「点灯請求」信号を出力すると(B1)、この出力信号は配線4aを介して電子制御ユニット3内の付加手段37に入力され、論理和に相当する処理を経て、配線4bを介して出力されて故障ランプ6を点灯させる(B2)。また、データリンクコネクタ7を介して既存のガソリン噴射制御装置に対応した故障診断ツール300で故障コードにアクセスする場合も、上記のように両電子制御ユニット1,3のIDが異なるため、問題無く使用することができ故障診断情報を確認することができる(B3)。
一方、図4を参照して、特別動作モードとして両電子制御ユニット1,3間で情報通信を行う場合を説明すると、この場合は、先ず両電子制御ユニット1,3に関連する故障が発生していないことを確認することを前提としている。そして、電子制御ユニット3が故障がないことを確認できたら、電子制御ユニット3内の故障診断統制手段36が送信するID情報(200)を電子制御ユニット1のID情報(100)に一時的に切換え(C1)、故障診断ツール300が実行するのと同様の通信方法を用いて通信ケーブル5a,5を介して電子制御ユニット1の内部情報にアクセスして、この情報を電子制御ユニット3内に取込む(C2)。このようにすることで、より高精度な故障診断および燃料噴射制御を容易に実現できるようになる。
本発明における実施の形態であるガソリン代替燃料噴射システムに配設される制御装置の機能ブロック図。 図1の制御装置の動作を説明するための機能ブロック図。 図1の制御装置の動作を説明するための機能ブロック図。 図1の制御装置の動作を説明するための機能ブロック図。 従来例のガソリン代替燃料噴射システムに配設される制御装置の機能ブロック図。
符号の説明
1,3 電子制御ユニット、4,4a,4b 配線、5,5a 通信ケーブル、6 故障ランプ、7 データリンクコネクタ、35 故障診断手段、36 故障診断統制手段、37 付加手段、200,300 故障診断ツール

Claims (4)

  1. 制御に関連する部品の故障を検知して故障情報を生成し所定の故障情報表示手段に出力する故障表示機能を備えたガソリン噴射制御装置が配設されたエンジン既設のガソリン噴射制御システムに、入力された所定のデータを基に非ガソリン燃料の噴射量を算出して燃料噴射信号を出力するとともに制御に関連する部品の故障検知機能を備えた非ガソリン噴射制御装置が追加されたガソリン代替燃料噴射システムの制御装置において、前記ガソリン噴射制御装置が出力する故障情報は、一旦前記非ガソリン燃料噴射制御装置に入力され、該非ガソリン燃料噴射制御装置が生成する故障情報を論理和に相当する方法で付加・統合されて、前記非ガソリン燃料噴射制御装置から前記故障情報表示手段に出力されてることにより故障を表示させることを特徴とするガソリン代替燃料噴射システムの制御装置。
  2. 前記ガソリン噴射制御装置から、故障診断ツールと接続して故障診断情報を外部に提供するデータリンクコネクタが末端に設けられた通信ケーブルが延出され、該通信ケーブルの中途に前記非ガソリン燃料噴射制御装置から延出された故障診断情報を送信する通信ケーブルが並列的に接続されており、且つ、前記非ガソリン燃料噴射制御装置には前記ガソリン噴射制御装置とは異なるIDが割り当てられていることを特徴とする請求項1に記載したガソリン代替燃料噴射システムの制御装置。
  3. 請求項2に記載したガソリン代替燃料噴射システムの制御装置において、前記非ガソリン燃料噴射制御装置は、前記ガソリン噴射制御装置と通信ケーブルで接続されており、且つ、前記自己のIDを前記ガソリン噴射制御装置に割り当てられたIDに一時的に切換えることで、前記ガソリン噴射制御装置から必要とするデータを入手可能な状態となることを特徴とするガソリン代替燃料噴射システムの制御装置。
  4. 請求項3に記載したガソリン代替燃料噴射システムの制御装置において、前記IDの切換えは、前記両制御装置に関連する故障が前記非ガソリン燃料噴射制御装置に検知されていないことを前提として行われることを特徴とするガソリン代替燃料噴射システムの制御装置。
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