JP2007307627A - 表面被膜形成面の機械加工方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】円筒形状、例えば軸受の表面に形成された被膜表面のバリを、効率良く確実に、しかも低コストで除去する。
【解決手段】ラッピング機等の汎用の回転工作機に軸受外輪をその円筒形状のTiN被膜面(転動面)の軸心周りに回転可能となるように固定する。その回転する外輪の被膜面に対して、研磨材を手で補助治具を介して加圧押付して、被膜1上のバリ2を除去する(図1(a)および(b))。加圧力、加工速度等の加工条件の制御のために、補助治具に歪みゲージ等の圧力センサーを必要に応じて取り付ける。研磨材は、レール上でモーター駆動するスライダー等に固定し、測定した加圧力をモーターの出力にフィードバックすることで、前記加工条件をより厳密に制御したりすることもできる。
【選択図】図1
【解決手段】ラッピング機等の汎用の回転工作機に軸受外輪をその円筒形状のTiN被膜面(転動面)の軸心周りに回転可能となるように固定する。その回転する外輪の被膜面に対して、研磨材を手で補助治具を介して加圧押付して、被膜1上のバリ2を除去する(図1(a)および(b))。加圧力、加工速度等の加工条件の制御のために、補助治具に歪みゲージ等の圧力センサーを必要に応じて取り付ける。研磨材は、レール上でモーター駆動するスライダー等に固定し、測定した加圧力をモーターの出力にフィードバックすることで、前記加工条件をより厳密に制御したりすることもできる。
【選択図】図1
Description
この発明は、円筒形状、例えば、軸受の内外周面に施した表面被膜形成面のバリを除去する機械加工方法に関する。
例えば、切削工具の刃先、軸受の摺動面(転動面)等への表面被膜材として、チタンナイトライド(以下、TiNと称す)等が幅広く用いられている。
これらの表面被膜形成には、一般的に、化学蒸着法、スパッター法、真空蒸着法、イオンプレーティング法等が採用されており、前記工具等の表面上に、数十ナノメートルから数十マイクロメートル程度の厚さに被膜を形成するのが一般的である。これらの表面被膜は、いずれも耐摩耗性、耐食性に優れ、高硬度を有し、物理的および化学的安定性に優れているため、前記工具等を長期間に亘り、保護することができる。そのため、前記工具等の寿命は飛躍的に向上する。
この表面被膜の形成において、その処理条件、例えば、原料ガスの流量、チャンバーの真空度、基板表面温度の均一性等によっては、表面被膜の厚さに部分的にばらつきが生じる。このばらつきが著しくなると、表面被膜面内に、部分的に数マイクロメートル程度の非常に微細な突起、所謂、バリが形成される。このバリは非常に硬質であるため、そのまま使用すると相手転動(摺動)部品の表面を磨耗させる。又は折損したバリの混入により軸受機能面に圧痕を付ける等軸受の運転に悪影響を及ぼす。
そのため、一般的には、ホーニング処理等の機械加工で、それらのバリは除去する。そのホーニング処理において専用機を用いると、加工対象物が定型である大量生産品については、非常に効率良くバリ除去ができるメリットがある。例えば、エンジンのシリンダーライナにおける水蒸気処理による酸化鉄被膜などの被膜形成表面処理の仕上げ工程として、その専用機によるホーニング処理が一般的に実施されている(特許文献1参照)。更に最近は、汎用の機械部品のみならず、宇宙・航空機用に使用される転がり軸受等の特殊用途に至るまで、ホーニング処理が広く行われている(特許文献2参照)。そのホーニング処理にも専用機が使用されている。
多品種少ロットの製品や試作品においては、バリ除去を行う面の形状、例えば、軸受の場合、内輪または外輪のサイズや、バリ除去を行う面の幅等は多種多様に亘る。そのため、ホーニング処理工程においては、各製品の形状に応じて、適切な形状の加工治具をそれぞれ予め用意し、適宜、選択使用する必要がある。この選択使用において、製品毎に加工治具の交換時間も必要となり、工数が増大する原因となる。
製品の形状によっては、加工治具の交換のみでは、治具先端部がバリ除去を行う面に届かない、という事態も生じる。その場合は、その製品形状に適応したホーニング処理専用機等を複数台揃える必要が生じるが、一般的にホーニング機は高価であるため、コスト面でのデメリットが非常に多大となる。
以上のことから、特許文献1および特許文献2に示したホーニング処理専用機の使用は、多品種少ロットの製品や試作品に対しては不向きである。
この発明は、このような現状に鑑み、高価なホーニング処理専用機等を使用しなくとも、汎用の回転工作機を用いることで、確実、簡便、かつ安価に、被膜表面のバリの除去を行うことを課題としている。
上記の課題を解決するため、この発明では、円筒形状の表面被膜を有する加工物、例えば、軸受の内輪又は外輪の転動面等のその円筒形状表面被膜のバリ除去を、汎用の回転工作機を用いてその加工物を回転するとともに、研磨材を手で加工物の円筒形状面に加圧押付したり、レール上でモーター駆動するスライダーに研磨材を固定し、そのスライダーの駆動により加工物の円筒形状面に研磨材を加圧押付したりして行う構成としたのである。
加工物はその円筒形状の表面被膜の軸心周りに回転可能となる配置で、回転工作機、例えばラッピング機やフライス盤等に固定する。研磨材は、ダイヤモンドペーストまたは研磨砥粒を塗布した磨き布、あるいは弾性砥石等を採用する。
この発明によると、汎用の回転工作機で加工物を保持回転させ、その加工物に手で保持した等の研磨材を加圧押付する構成としたので、汎用の機械の使用などにより、簡便かつ安価に、被膜表面のバリを除去することができる。
この発明の実施形態としては、円筒形状、例えば軸受の内外周面(転動面)に施した表面被膜形成面に存在する、高さ数マイクロメートル程度のバリを除去する際に、汎用の回転工作機、例えば、ラッピング機を用いる。このラッピング機に加工物をその円筒形状の表面被膜の軸心周りに回転可能となるよう固定し、それを回転させる。次に、研磨材を回転する加工物に対して加圧押付することによりバリを除去する。
この研磨材としては、ダイヤモンドペーストまたは研磨砥粒を塗布した磨き布、あるいは弾性砥石を用いるのが好ましい。加工物表面が均一に研磨できるのであれば、研磨材に塗布する砥粒の材質、粒度および粒度分布、および弾性砥石の粒度等は特に限定されない。
加圧押付は手で直接行うのが通常であるが、研磨材を補助治具に固定し、その治具を手で保持して行っても良い。その加圧押付は、例えば、レール上でモーター駆動するスライダー等に研磨材を固定し、そのスライダーの駆動により行うことで、研磨材の位置を厳密に制御することもできる。
上記加圧押付の際に、加圧力等の加工条件を制御するため、補助治具又はスライダーの研磨材取り付け部に加圧力測定用のセンサー、例えば、歪みゲージ等を取り付けることができる。前記歪みゲージ等を取り付けることで、手で保持した治具の加圧力をモニターしたり、スライダーを使用する際に、前記歪みゲージ等での測定値から前記モーターの出力をフィードバック制御したりできるため、加圧力を一定に維持した状態で加工をすることができる。
上記スライダーを用いて、円柱形状の外周、例えば、軸受の内輪転動面を加工する場合、内輪の回転軸に対して垂直に上記レールを設置すれば、内輪表面に対して垂直に研磨材を加圧することができる。このとき、研磨材はそのレールから内輪転動面側に突出した態様とする。
一方、円柱形状の内周、例えば、軸受の外輪転動面を加工する場合、上記回転軸に対して、ある一定角度(0度から90度の間の適切な角度)で上記レールを設置すれば、外輪転動面に対して前記一定角度で研磨材を加圧することができる。
転動面表面にTiNのバリが存在する軸受の内輪をその円柱形状転動面の軸心周りに回転可能となるようにラッピング機に固定して研磨した。研磨には粒径が12マイクロメートルのダイヤモンドペースト、および粒度の異なる砥粒を含有する、2種類の研磨油を各々塗布した磨き布を用いた。この磨き布を補助治具に固定して、固定した磨き布を軸受内輪転動面に手で加圧押付した。その結果を表1に示す。
補助治具としては、例えば、図3に示す木製の棒を使用することができる。この棒は、その先端部に切り欠き11が形成されており、その切り欠き11に磨き布13を巻き付けて、保持部12を手で持って用いる。この切り欠き11の形状は数種類、予め用意されており、研磨する軸受の内輪等の形状によって、それらを適宜使い分ける。
この表1に示すように、いずれの研磨材を使用したときも、表面粗さが改善できた。また、この処理において寸法精度および真円度は劣化しなかった。
このTiNのバリは、非常に硬質である一方で非常に脆いという特性を有している。そのため、研磨時に研磨材がバリに側方から当たると、その衝撃でバリが根元から折れるように除去される。
図1に、この加工前後のバリ2の有無の測定結果を示す、この図によると、加工前(図1(a))はバリ2が多数存在していたのに対して、加工後(図1(b))はそれが大幅に減少しており、加工によりTiN被膜1の表面が滑らかになっていることが分かる。
比較のために、一般的に用いられているホーニング処理専用機(スーパー加工機)で軸受内輪転動面を研磨した。その結果を表2に示し、この研磨前後における表面粗さ、寸法、真円度の変化の結果から、寸法精度および真円度をほとんど劣化させることなく、表面粗さを改善できることが確認できた。
また、図2には、上記ホーニング処理専用機での加工(従来法)前後のバリ2の有無の測定結果を示し、この図によると、加工前(図2(a))はTiNのバリ2が多数存在していたのに対して、加工後(図2(b))はそれが大幅に減少しており、加工により加工物表面のバリ2はほとんど無くなっていることが分かる。
図1および図2の結果から、この発明の加工方法は、一般的に用いられているホーニング処理専用機と同等に、表面被膜を形成した軸受等に存在するTiNのバリ2を確実にかつ簡便に研磨除去できることがわかる。このため、この発明の加工方法は、高価なホーニング加工専用機等を用いなくとも、汎用の回転工作機でできるため、加工に要するコストを大幅に削減できる。
この加工方法は、軸受の内外輪に限らず、表面被膜形成処理された円筒形状面を有するものであれば、採用できることは勿論である。
1 チタンナイトライド被膜
2 チタンナイトライドのバリ
11 切り欠き
12 保持部
13 磨き布
2 チタンナイトライドのバリ
11 切り欠き
12 保持部
13 磨き布
Claims (7)
- 表面被膜形成処理された円筒形状面のその表面被膜のバリを除去する機械加工方法であって、
上記円筒形状面を有する加工物をその円筒形状面の軸心周りに回転可能に回転工作機に固定し、その加工物を回転させて上記円筒形状面に研磨材を手により加圧押付して上記バリを除去することを特徴とする表面被膜形成面の機械加工方法。 - 上記研磨材は、手で保持した補助治具に固定して上記加工物に加圧押付することを特徴とする請求項1又は2記載の表面被膜形成面の機械加工方法。
- 表面被膜形成処理された円筒形状面のその表面被膜のバリを除去する機械加工方法であって、
上記円筒形状面を有する加工物をその円筒形状面の軸心周りに回転可能に回転工作機に固定するとともに、レール上でモーター駆動するスライダーに研磨材を固定し、前記加工物を回転させて前記スライダーの駆動により前記加工物の円筒形状面に前記研磨材を加圧押付して上記バリを除去することを特徴とする表面被膜形成面の機械加工方法。 - 上記補助治具又はスライダーに加圧力測定用のセンサーを設けたことを特徴とする請求項2又は3に記載の表面被膜形成面の機械加工方法。
- 上記研磨材は、ダイヤモンドペースト又は砥粒を塗布した磨き布、又は弾性砥石であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の表面被膜形成面の機械加工方法。
- 上記表面被膜が、チタンナイトライド被膜であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の表面被膜形成面の機械加工方法。
- 上記加工物が軸受の内輪又は外輪であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の表面被膜形成面の機械加工方法。
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JP2006136330A JP2007307627A (ja) | 2006-05-16 | 2006-05-16 | 表面被膜形成面の機械加工方法 |
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- 2006-05-16 JP JP2006136330A patent/JP2007307627A/ja not_active Withdrawn
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