JP2007307540A - 白色蛍光灯の照射により高活性を示す光触媒 - Google Patents

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Abstract

【課題】屋内や車内の白色蛍光灯の照射下において顕著な光触媒作用を発現し、また、野菜、果物などの農産物および切花の鮮度保持に大きな効果およぼす高い光触媒活性を有する光触媒を提供すること。
【解決手段】 二酸化チタンに特定のチオ硫酸塩、ペルオキソ硫酸塩の単体や種々に組み合わせた混合物の水溶液を含浸、吸着、若しくは共沈殿させるか、さらに、それらにリン酸アンモニウム化合物の水溶液を加えて、含浸、吸着、若しくは共沈殿させ、その後、乾燥、焼成することにより二酸化チタン複合体を生成する。

Description

本発明は高活性光触媒に関し、特殊な紫外線光源を必要とせず、一般に使用されている白色蛍光灯の照射下で高い光触媒活性を示す高活性光触媒に関する。
なお、本発明は白色蛍光灯などの紫外線の乏しい光に適応する光触媒に関するものであり、従来から強く実現が望まれていたものである。同じ光触媒という用語であっても、従来の光触媒は、紫外線の豊富な環境、例えば、紫外線放射ランプやブラックライト照射下や屋外の直射の太陽光のもとで初めて効力を発するものであった。
本発明は白色蛍光灯などの紫外線の乏しい光に反応し、屋内や車内の白色蛍光灯のもとでも十分な効力を発揮するので、従来の光触媒とは技術的にも、用途においても異なる分野の発明である。
二酸化チタンは光触媒作用を有しており、例えば、有機物の分解などに太陽エネルギーを利用できるクリーンで環境適合型の未来志向物質として知られている。それ故、二酸化チタンは空気浄化、水質浄化などの分野においてその光触媒作用を実用化するため活発な技術開発がなされ、豊富な紫外線の存在する環境、例えば、建築外装用タイルの汚染防止などの分野において実用化され市場が拡大しつつある。しかし、これらは特殊な紫外線光源を必要とするか、紫外線を含む太陽光の利用できる屋外分野での成果であり、太陽光照射の乏しい屋内での実用化はその試行が一部で始まった段階である。
二酸化チタンの光触媒作用を太陽光の当たらない屋内で利用するためには、家庭や事務所において一般的に用いられる白色蛍光灯のもとで光触媒作用を発現する必要がある。そのためには、白色蛍光灯に含まれる波長の光を吸収し、光触媒作用を示す素材が必要であり、それには、紫外光を含まない可視光に応答する二酸化チタン(いわゆる、可視光応答型二酸化チタン)を用いるか、白色蛍光灯にわずかに含まれている紫外光や可視光の最も短波長側の成分を効率よく利用する方法が考えられる。
より活性が高く、より安価に製造できる技術が引き続き求められているが、以下にすでに提案されている技術を述べると共に、本発明との相違点もあわせて述べる。
まず、紫外光を含まない可視光に応答する光触媒に関しては、
i)酸化チタンに窒素(N)またはイオウ(S)をドープすることにより基板上にTi−O−Nまたは、Ti−O−S構造の光触媒構造の膜を形成する(特許文献1参照)が提案されているが、アンモニア雰囲気中での高温焼成が必要であり、焼成工程が複雑になり排気処理にも考慮する必要があり、本発明の光触媒製造方法である空気中での単なる焼成に較べ製造コストが高くならざるを得ない。また、Ti−O−S構造の具体例が記述されていないことと、〔0027〕において、SOのような結合状態だけで酸化チタンに混入しても可視光応答性は発現できないと記されており二酸化チタンへのSOのような結合状態の導入を否定している。一方本発明は、二酸化チタンに硫酸根を導入することで、可視光に対する応答性は乏しくとも、白色蛍光灯に含まれているわずかな紫外線および、可視光の紫外線近傍の光を吸収し、高効率で光触媒作用を発揮させるものであるから、特許文献1の発明とは異なる発明である。
ii)可視光に応答し、コストを低減できる光触媒として、酸化チタンの粉末と尿素を攪拌混合した後、加熱して酸窒化チタンを製造する(特許文献2参照)が提案されているが、該特許は、二酸化チタンへの窒素の導入によるTi−O−N構造の生成が必須と思われ、また実施例に述べられているように、窒素またはアンモニア雰囲気での焼成が必要であることから工程が複雑になり、製造コスト面で不利と思われる。
iii)二酸化チタンにTi−O−N構造を導入する提案(特許文献3および4参照)がなされ、特許性審査を経て登録となっている。前者は二酸化チタンへの窒素の導入によるTi−O−N構造を含む可視光応答型光触媒の物質特許であり、後者はその方法特許である。これらの提案も二酸化チタンの酸素を窒素で置換したTi−O−N構造を必須の構成要素としており、イオンプレーティング法やプラズマ処理のような特殊な装置を必要とする方法かまたは、窒化チタン、窒酸化チタンのような特殊な原料が必要であるか、アンモニアガス、窒素ガス、水素ガスなどの雰囲気下での特別な熱処理を必要とし、製造コストの面で不利と思われる。
一方本発明は、請求項に述べたチオ硫酸ナトリウムと二酸化チタンとの複合体においても顕著な光触媒作用を示すので、N(窒素)は、必須の構成要素ではないので特許文献2、3および4とは異なるとともに、焼成工程は空気中での単なる焼成で良いので製造装置の構造も操作も簡便で良い。
iv)酸化チタンまたは水酸化チタンと硫黄または加熱によりガス状硫黄を生成する硫黄化合物とを混合し非酸化性ガス雰囲気中で加熱し次いで酸素含有雰囲気中で再度の加熱を行う(特許文献5参照)が提案されている。この提案は、硫黄を酸化物とせずに単体で酸化チタンにドープすることを特徴とする可視光応答型光触媒であり、本発明の硫黄酸化物を空気中で加熱して複合化する提案とは発想も手段も異にしている。
さらに、
v)安定した酸素欠陥を有する二酸化チタンを用いる提案(特許文献6参照)がなされている。この提案は、高真空中で水素プラズマ処理する等、二酸化チタンから酸素を一部引き抜くことにより、可視光応答性を付与できるという提案であり、この提案により得られる生成物の色は黄色であると述べられている。一方、本発明においては、酸素の豊富な条件での焼成であり、焼成後の色も白色であるから、酸素の一部が引き抜かれた不定比二酸化チタンとは異なり、また特定の塩との複合体を形成することを特徴としているので、光触媒体の構成要素が全く異なるものである。
なお、可視光応答二酸化チタンは可視光を吸収して光触媒作用を発現するものであるから着色しており、多くの先行特許文献によると主に黄色か黄褐色である。一方本発明の光触媒は、すべて白色かわずかに認識できる程度のごく薄い黄白色であり、その点でも本発明の光触媒は可視光応答型光触媒とは異なっている。
白色蛍光灯にわずかに含まれている紫外光や可視光の最も短波長側の成分を効率よく利用する提案としては、
vii)特許文献7の記載の中に、ルチル型二酸化チタンに白金などの貴金属超微粒子を担持した際には、ルチル型二酸化チタンでは407nm(バンドギャップ3.05eV)の波長までの光で励起し、アナターゼ型二酸化チタンの388nm(バンドギャップ3.20eV)よりも光励起する波長が可視光側(長波長側)にあり、白金などの貴金属超微粒子の量子トンネル効果により白色蛍光灯においても活性を示しアセトアルデヒドを分解することを該明細書で述べている。しかしこの提案は、本発明とは、光触媒体の構成要素が全く異なるものであり、また、白金などの貴金属は本発明で使用する化合物や二酸化チタンに比較して著しく高価でありコストの面において実用上の制約を免れ得ない。
また、
viii)本発明者らによる二酸化チタンと酸性物質および、その塩とから生成する二酸化チタン複合体の提案(特許文献8参照)があり、本発明は、その成果をさらに著しく改良したものである。
構成成分に着目すると、
viii)二酸化チタンと酸性物質の複合体に関しては、酸性物質であるSOの添加量を限定し、二酸化チタンの比表面積と粒径を限定した提案(特許文献9参照)があるが、この提案は紫外線を光源とした従来の光触媒に関した提案であり、白色蛍光灯の光で光触媒活性を示す点に関しては全く言及されていない。また、酸性物質としては、硫酸と硫安(硫酸アンモニウム)に限定されており、本発明の構成要素とは明らかに異なっている。
二酸化チタンとリン酸塩の複合体に関しては多数の提案(特許文献10、11、12、13参照)がなされているが、これらの提案は二酸化チタンの表面にヒドロキシアパタイト等のリン酸カルシウムの層を形成させ、二酸化チタン光触媒の作用によって二酸化チタン光触媒を保持するプラスチックなどの基材自体が分解することを防ぐための提案であり、リン酸カルシウムを生成させるためにカルシウム成分を含有することが必須の要件である。また、リン酸カルシウム層は二酸化チタンの表面の一部を被覆するため、二酸化チタン本来の光触媒活性を弱めてしまう場合がある。一方、本発明においては、リン酸カルシウム層の形成を目的とするものではないためカルシウム成分は含まれておらず、また、リン酸アンモニウム化合物を含む複合体とすることによって、光触媒作用は強められるので、前記の先行特許文献とは明らかに異なる発明である。
二酸化チタンとリン酸塩の複合体に関する特許としては、その他に、二酸化チタンと光触媒として不活性な化合物とを複合化させる(特許文献14、15参照)が提案されている。この2件の提案を詳読すると、白色蛍光灯においても活性を示す光触媒の提案ではあるが、2件とも実体は二酸化チタンと縮合リン酸塩との複合物の提案であり、本発明のチオ硫酸塩、ペルオキソ二硫酸塩、硫酸塩、硫酸水素塩の少なくとも一種を必須の成分として含む構成とは、明らかに異なっている。
特開2001−207082号公報(第1〜9頁) 特開2002−154823号公報(第1〜7頁) 特許第3601532号公報(第1〜29頁) 特許第3498739号公報(第1〜25頁) 特開2005−169216号公報(第1〜7頁) 特許第3252136号(第1〜14頁) 特開2000−262906号公報(第1〜11頁) 特開2005−305313号公報(第1〜18頁) 特許第3566786号公報(第1〜9頁) 特開平11−267519号公報(第1〜7頁) 特開平10−244166号公報(第1〜10頁) 特開2006−1795号公報(第1〜14頁) 特開2000−1631号公報(第1〜9頁) 再公表特許WO2003/053576号(第1〜39頁) 再公表特許WO2002/053501号(第1〜28頁) 日野誠、荒田一志 酸化物超強酸の調整とその触媒作用 表面、34、1109(1996) 尾崎萃ほか編「触媒調製化学」49頁、講談社サイエンティフィク(1980) 触媒学会主催「第9回キャタリシススクールテキスト」52頁、触媒学会(1998) 藤島昭、橋本和仁、渡部俊也著「光触媒のしくみ」88〜89頁 日本実業出版社入門ビジュアルサイエンス(2000)
本発明は、太陽光の下では勿論のこと、太陽光の乏しい屋内においても、高い光触媒活性を有する光触媒を提供することを目的とするものである。さらに言及するならば屋内で通常照明用に用いられる白色蛍光灯の光のもとでも高い光触媒活性を示す汎用型光触媒の提供を目的とするものである。つまり本発明は、学問的価値は別として、あくまでも実用的価値を考慮して、可視光応答にとらわれることなく、一般的に用いられている白色蛍光灯の光で、十分な光触媒活性を発現し、しかも、市販の工業原料を使用でき、特殊な製造装置を必要とせず、空気中での加熱処理という最も簡単で安価な方法で製造できる光触媒の提供を目的とするものである。
本発明者は、すでに特開2005−305313号公報において、二酸化チタンと酸性物質および、その塩とから生成する二酸化チタン複合体の提案を行っており、その中で白色蛍光灯程度の光源でも高い光触媒活性を有する二酸化チタン複合体を見出して発明を完成するに至ったことを詳細に述べている。その提案を実際に適用すると、硫酸を含浸した二酸化チタン複合体の場合に光触媒活性が最も高いものが得られるが、製造量が多くなると生成した複合体の光触媒活性が部分的にバラツキを生じてしまい光触媒活性の比較的弱い部分が生じてしまうので、実用上は、硫酸アンモニウムを含浸した複合体のほうがバラツキがなく安定して高い光触媒活性を持つものが得られるので好ましいという結論を得た。そして、さらに研究を重ねた結果、白色蛍光灯程度の光源でも、さらに光触媒活性が高く、光触媒作用が顕著な二酸化チタン複合体を見出し、本発明を完成したものである。
即ち、本発明は、以下の内容をその要旨とするものである。
(1)チオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸アンモニウム、ペルオキソ二硫酸アンモニウムの群の少なくとも一種と二酸化チタンとを一体化した二酸化チタン複合体である高活性光触媒。
(2)チオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸アンモニウム、ペルオキソ二硫酸アンモニウムの群の少なくとも一種と
硫酸アンモニウムおよび/または硫酸水素アンモニウムと
二酸化チタンとを一体化した二酸化チタン複合体である高活性光触媒。
(3)硫酸アンモニウム、硫酸水素アンモニウム、チオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸アンモニウム、ペルオキソ二硫酸アンモニウムの群の少なくとも一種と
リン酸アンモニウム化合物と
二酸化チタンとを一体化した二酸化チタン複合体である高活性光触媒。
(4)リン酸アンモニウム化合物が、リン酸一水素アンモニウム、リン酸二水素アンモニウム、リン酸三アンモニウム、およびリン酸三アンモニウム三水和物の一種または混合物である(3)に記載の二酸化チタン複合体である高活性光触媒。
(5)二酸化チタン複合体が、二酸化チタンに、(1)〜(4)において特定した化合物のうち二酸化チタンおよび二酸化チタン複合体を除く化合物を含浸、吸着させるか、あるいはチタン化合物の水溶液と、請求項1〜4において特定した化合物のうち二酸化チタンおよび二酸化チタン複合体を除く化合物の水溶液を共沈殿させるかして得られたものを、さらに焼成したものであることを特徴とする高活性光触媒。
(6)二酸化チタン複合体が、水酸化チタンを含む二酸化チタン前駆体に、(1)〜(4)において特定した化合物のうち二酸化チタンおよび二酸化チタン複合体を除く化合物を含浸、または吸着させる事により得られたものを、さらに焼成したものであることを特徴とする高活性光触媒。
(7)二酸化チタンがアナターゼ型である(1)〜(5)に記載の高活性光触媒
(8)焼成後の二酸化チタン複合体を構成する二酸化チタンがアナターゼ型である(6)に記載の高活性光触媒
本発明の二酸化チタン複合体からなる高活性光触媒は、室内照明用の白色蛍光灯程度の光によっても、顕著な光触媒作用を示す。つまり、本発明の光触媒を用いれば、特別に紫外線を含む太陽光線や紫外線ランプの光を照射する必要がなく、室内照明用の白色蛍光灯程度の光の照射によって、メチレンブルー色素を短時間に分解することから、光触媒の効果である悪臭の除去を含む有害な有機物の分解、汚れ防止、NOxやSOxの低減、抗菌性の付与が可能となり、また野菜や果物を貯蔵する場合に発生するエチレン分解による鮮度保持が可能となる。また本発明は、可視光応答型光触媒というより、白色蛍光灯の光の中に含まれる少量の短波長成分(つまり、励起した時にエネルギーが大きい)を有効に活用していると考えられるので、酸化力が大きく可視光応答型の光触媒が分解できないような、より強い結合でも分解が可能であると考えられる。さらに加えて、従来の光触媒のように紫外線を多く含む光の照射下でも高活性な光触媒作用を利用できる。
本発明の高活性光触媒である二酸化チタン複合体は二酸化チタンと特定の塩とから生成させたものである。具体的には、二酸化チタンと特定の塩とを含浸、吸着、共沈殿処理し、次いで乾燥、焼成して得られる、特定の塩の成分元素が二酸化チタンの粒子の表面または内部に一体的に複合化した二酸化チタン複合体である。なお、ここで塩とは硫酸塩、硫酸水素塩、チオ硫酸塩、ペルオキソ二硫酸塩、リン酸アンモニウム化合物を含み〔0041〕まで、この定義による。
このような二酸化チタン複合体を用いた本発明の高活性光触媒は、その構造やメカニズムは必ずしも明確ではないが、二酸化チタンの粒子の表面または内部に特定の塩に起因する例えば硫酸根やリン酸根、アンモニウム基、あるいはチオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸アンモニウム、ペルオキソ二硫酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、硫酸水素アンモニウムおよびリン酸アンモニウム化合物等が組み込まれた複合体となっており、室内照明光のような弱い光エネルギーでも十分に活性化されるものと考えられる。
その理由は未だ明らかではないが、二酸化チタンなどの金属酸化物の表面に硫酸イオンを吸着させ、空気中で焼成すると、超強酸と呼ばれる非常に強い酸性が発現することが知られている(非特許文献1参照)。また酸は電子対を受け取る物質とも定義されている。一方、光触媒は光によって励起し、電子と正孔を生じ、二酸化チタンの場合には、励起するエネルギーが大きいため、電子は強い還元作用、正孔は強い酸化作用を持つ。しかし通常は、短時間の間に電子と正孔は再結合することにより還元または酸化作用を失う。生じた電子は電子対ではないと思われるので二酸化チタン表面の強い酸点によりどのように影響されるかは定かではないが、二酸化チタン表面の強い酸点により自由な運動が束縛され、その結果、正孔との再結合速度が遅くなり、正孔が二酸化チタン複合体表面に移動しやすくなって表面に吸着されていた有機物に強く酸化作用し、分解作用が進むと考えられる。つまり、電子と正孔の再結合速度が遅くなる結果、正孔による酸化作用の効率が増大し、有機物の分解速度が増大するものと考えられる。
本発明においては硫酸塩、硫酸水素塩、チオ硫酸塩、ペルオキソ二硫酸塩を水溶液にして二酸化チタンまたは二酸化チタン前駆体の粒子に含浸・吸着させるか、硫酸チタン溶液と混合して共沈殿させるので、硫酸塩、硫酸水素塩、チオ硫酸塩、ペルオキソ二硫酸塩の水溶液中には硫酸イオンまたは亜硫酸イオンが存在し、亜硫酸イオンは空気中で加熱される間に酸化されて硫酸イオンに変化すると考えられるので、いずれにしても、二酸化チタン複合体の表面に硫酸イオンが存在すると考えられる。したがって、上述したように固体酸が形成され、その作用により光触媒作用の効率が高められていると考えられる。
さらに、請求項4に記したリン酸アンモニウム化合物の複合による光触媒作用のさらなる増大についてであるが、これも理由は明確ではないが、メチレンブルーの脱色状況を観察していると、リン酸アンモニウム化合物を複合化したものは、初期の粒子表面へのメチレンブルーの吸着による粒子の青色着色が早く起こり、上澄み液の青色の濃さの減少も早いので、酸化チタン複合体表面に存在するリン酸根またはリン酸アンモニウム化合物に由来する成分により、有機物の吸着作用が増大していると考えられる。請求項4に記した二酸化チタン複合体には硫酸イオンの吸着・焼成によって発現している強い酸点が存在していると考えられるので、有機物の吸着作用が増大すると、前記の正孔のよる酸化分解作用の効率増大と合わせて、顕著な光触媒作用の増大が生じたものと思われる。光触媒の分解作用は、その表面で生じると思われ、被分解物は光触媒に接触してから分解が終了するまで表面上に付着している必要がある。したがって、光触媒体表面の吸着作用は重要な要素であると考えられる。
なお、上記は光触媒作用の増大を説明する上で考えられる理由のひとつであるが、リン酸アンモニウムを構成する成分と硫酸イオンが共同して固体酸性の増大が生じている可能性を否定するものではない。
本発明において用いる原料の二酸化チタン(TiO)は、アナターゼ型、ルチル型若しくはブルッカイト型の結晶系のもの、又はアモルファスのもの、あるいは一部非晶質の成分を含む結晶系のもののいずれも使用できるがアナターゼ型の二酸化チタンが好適である。さらに、二酸化チタンの前駆体である水酸化チタンを使用できるが、焼成後の二酸化チタン成分がアナターゼ型であるものが好適である。ここで水酸化チタンとはオルトチタン酸および/またはメタチタン酸であり、一部に二酸化チタンの結晶を含んでも良い。二酸化チタンおよび水酸化チタンの粒径は、1nm(10−9m)から1μm(10−6m)程度のものまでを使用でき、より好ましくは3nm(3×10−9m)から0.5μm(5×10−5m)のものが使用できるが、一般には粒径の小さいものが好ましい。また、直径1mm程度の大きさの粒状に造粒した二酸化チタンを使用してもよい。比表面積は2m/gから400m/g程度、好ましくは5m/gから400m/gのものを使用することができるが、比較的に大きな値を有するものが好適である。本発明に用いる二酸化チタンは、製品として市販されているものを原料としてそのまま使用することができるものである。しかし、特に望むならば硫酸チタン、四塩化チタン、硝酸チタンなど無機酸のチタン塩あるいはチタンテトラエトキシド、チタンテトライソプロポキシドあるいはチタンテトラ(2−エチルヘキサノエート)などのチタン化合物を加水分解あるいは苛性ソーダなどの塩基性物質で中和、沈殿、焼成などの方法により調製することもできるものである。上記のもののうちアナターゼ型二酸化チタンは光触媒として販売されている。
市販のアナターゼ型二酸化チタンの代表的な製品としては、テイカ株式会社製のAMT−100、AMT−600、JA−1、堺化学工業株式会社製のSSP−25、A−110、CSPM、CSB、石原産業株式会社製のST−01、ST−41、わずかにルチル型を含むが昭和タイタニウム株式会社製のF6などが知られ、これらの二酸化チタンを使用して、二酸化チタン複合体を調製することが可能である。なお、上記市販の二酸化チタンの中にあって、堺化学工業株式会社製のCSPMは硫酸根を含むため、さらに本発明で記載する塩を含浸することで、光触媒作用を増大できる。
本発明において二酸化チタンと複合体を形成する塩としては水溶性のチオ硫酸塩、水溶性のペルオキソ硫酸塩を用いることが出来、好ましくは、チオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸アンモニウム、ペルオキソ二硫酸アンモニウムを選択するのが良い。これらの塩は工業用の薬品を用いることができ、単独で用いても、併用しても良い。併用する場合の割合は任意である。単独か併用か。併用の場合の調合比率は用途と薬品の価格の関係から適当な組み合わせを選択することが出来る。なお、ペルオキソ二硫酸塩は過硫酸塩とも呼ばれペルオキソ二硫酸アンモニウムは過硫酸アンモニウムとも呼ばれている。
請求項4に記したリン酸アンモニウム化合物を加える場合は、リン酸アンモニウム化合物として、リン酸一水素アンモニウム、リン酸二水素アンモニウム、リン酸三アンモニウム、およびリン酸三アンモニウム三水和物の一種または混合物を使用して良い。これらの塩は工業用の薬品を用いることができ、単独で用いても、併用しても良い。併用する場合の割合は任意である。単独か併用か。併用の場合の調合比率は用途と薬品の価格の関係から適当な組み合わせを選択することが出来る。
また本発明の請求項4において、二酸化チタンとの複合体を形成させる場合に、硫酸アンモニウム、硫酸水素アンモニウム、チオ硫酸塩、およびペルオキソ硫酸塩の群とリン酸アンモニウム化合物の割合はモル比を前者/後者で表して5/95〜95/5であり好ましくは、30/70〜80/20である。分解しにくい化合物の分解のように光触媒の酸化作用を主に求める場合には前者の割合を多くし、ウィルスや細菌に対する抗菌性のように吸着を考慮する場合には、後者の割合を多くすると良い。
次に、本発明の高活性光触媒である二酸化チタン複合体の製造方法について説明する。
本発明の二酸化チタン複合体の調製は通常は含浸法を用いるが、場合によっては共沈法を用いてもよい(非特許文献2、3参照)。含浸法では一般的に二酸化チタンに上記の塩の水溶液を含浸し、20から120℃程度の温度で乾燥、300から700℃の温度で焼成した後粉砕して調整される。具体的に、塩がチオ硫酸ナトリウムの場合には、二酸化チタンにチオ硫酸ナトリウムの水溶液を含浸または吸着させて調製する。即ち、市販の二酸化チタンに5〜25質量%程度の濃度のチオ硫酸ナトリウム水溶液を加え、よく混合して均一化をはかりチオ硫酸ナトリウムを二酸化チタンに含浸または吸着させ、20から120℃程度の温度で乾燥、焼成した後、粉砕してチオ硫酸ナトリウムを含む二酸化チタンを調製すればよい。また、二酸化チタン複合体の別の調整法として二酸化チタンと鉄の酸化物を主成分とするイルメナイト鉱に硫酸を加え硫酸チタンを生成させ均一液を加水分解により水酸化チタンを生成させ、さらにチオ硫酸ナトリウム水溶液を加え、乾燥、焼成して二酸化チタン複合体を作成してもよい。この場合に、二酸化チタン複合体を構成する二酸化チタンはアナターゼ型であることが好ましい。二酸化チタンに含ませるチオ硫酸ナトリウムの量は、二酸化チタンに対して通常は1から20モル%程度であり、好ましくは2から15モル%程度である。1モル%以下では、活性の増大が小さく、20モル%以上では光触媒活性がそれ以上増大しないか、あるいは減少する傾向を生じる場合もみられるため好ましくない。しかし、特に望むなら20モル%以上の量を用いることを妨げるものではない。
また、二酸化チタン複合体を共沈法により調製する方法として市販の硫酸チタンにチオ硫酸ナトリウム水溶液を加え、水酸化ナトリウム等で中和して二酸化チタン複合体を沈殿させ、沈殿物中に硫酸根とチオ硫酸ナトリウムを残したままの状態でろ過、加熱乾燥、焼成粉砕して使用することも可能である。
上記のチオ硫酸ナトリウムの例を含めて、より一般的に説明すると、塩がチオ硫酸塩、ペルオキソ二硫酸塩(特に好ましくはチオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸アンモニウム、ペルオキソ二硫酸アンモニウム)の単体または混合物の場合、または、チオ硫酸塩、ペルオキソ二硫酸塩(特に好ましくはチオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸アンモニウム、ペルオキソ二硫酸アンモニウム)からなる群の少なくとも一種と硫酸アンモニウムおよび/または硫酸水素アンモニウムの混合物の場合、さらに、リン酸アンモニウム化合物を加える場合も上記と同様であって、即ち、単独または併用した塩の溶解度以下の水溶液(沈澱の無い水溶液)を調整し、市販の二酸化チタンに含浸または吸着させ、20から120℃程度の温度で乾燥、焼成した後、粉砕して上記の塩を含む二酸化チタン複合体を調製すればよい。
併用の場合は、2種類以上の塩を秤量し混合して水溶液として含浸・乾燥・焼成しても良いし、1種類の水溶液を含浸・乾燥しその表面に別の種類の塩の水溶液を含浸・乾燥し焼成しても良い。水溶液段階で、一緒に混合できない塩は無い。
また、二酸化チタン複合体の別の調整法として
a)二酸化チタンと鉄の酸化物を主成分とするイルメナイト鉱に硫酸を加え硫酸チタンを生成させ、均一液を加水分解により水酸化チタンゲルを生成したところに、〔0029〕で述ベた種々の塩の水溶液を加え、攪拌、乾燥、焼成して二酸化チタン複合体を作成してもよい。
b)また、上記の水酸化チタンを乾燥した粉体に塩の水溶液を含浸・乾燥・焼成しても良い。
c)さらに、市販の硫酸チタン、四塩化チタンに水酸化ナトリウム等などのアルカリ性薬品を加えて中和し、ゲルが生成した時点で、〔0029〕で述べた種々の塩の水溶液を加え攪拌し乾燥・焼成しても良いし、
d)ゲルを水洗しながら減圧濾過し乾燥・粉砕した粉体に〔0029〕で述べた種々の塩の水溶液を含浸して乾燥・焼成しても良い。
これらa〜dの場合に、焼成後の二酸化チタン複合体を構成する二酸化チタンはアナターゼ型であることが好ましい。
二酸化チタンに含ませる塩の量は、二酸化チタンに対して通常は1から20モル%程度であり、好ましくは2から15モル%程度である。1モル%以下では、活性の増大が小さく、20モル%以上では光触媒活性のそれ以上の増大が得られないか減少する傾向を生じる場合もみられるため好ましくない。しかし、特に望むなら20モル%以上の量を用いることを妨げるものではない。
また、二酸化チタン複合体を共沈法により調製する方法は下記の通りである。つまり、市販の硫酸チタンにチオ硫酸塩、ペルオキソ二硫酸塩(特に好ましくはチオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸アンモニウム、ペルオキソ二硫酸アンモニウム)の単体または混合物の水溶液、または、チオ硫酸塩、ペルオキソ二硫酸塩(特に好ましくはチオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸アンモニウム、ペルオキソ二硫酸アンモニウム)からなる群の少なくとも一種と硫酸アンモニウムおよび/または硫酸水素アンモニウムの混合物の水溶液、または、さらにリン酸アンモニウム化合物を加えた水溶液を加え、水酸化ナトリウム等で中和して共沈殿させ、二酸化チタン前駆体と各種の塩を含む沈殿物を生成し、水洗しつつ減圧濾過し、加熱乾燥後に焼成、粉砕して使用することも可能である。この場合にも、焼成後の二酸化チタン複合体を構成する二酸化チタンはアナターゼ型であることが好ましい。
二酸化チタンに含ませる塩の量は、二酸化チタンに対して通常は1から20モル%程度であり、好ましくは2から15モル%程度である。1モル%以下では、活性の増大が小さく、20モル%以上では光触媒活性のそれ以上の増大が得られないか減少する傾向を生じる場合もみられるため好ましくない。しかし、特に望むなら20モル%以上の量を用いることを妨げるものではない。
ここで、含浸・吸着および共沈澱による調整法を整理すると、
含浸又は吸着による上記の塩を含む二酸化チタン複合体の調製は、種々の文献などに記載されている方法を参考にして行うことができる。通常の方法は、前記の塩の溶液を二酸化チタンおよび/または、二酸化チタン前駆体に含浸又は吸着せしめ、この含浸又は吸着したものを加熱乾燥、焼成、粉砕などの工程の一部、あるいは全ての工程を経て調製される。(例えば、非特許文献2および3参照)。
なお、上記の塩の溶液を含浸又は吸着した二酸化チタンは、通常は20から120℃の温度で乾燥する。得られた塊状物は粉砕した後、300から700℃程度までの温度で3から6時間程度に保持して焼成するが、二酸化チタンの結晶構造の変化を生じさせないように配慮して行う。
共沈殿による二酸化チタン複合体の調製も、同様に文献記載の方法を参考にして行うことができる(例えば、非特許文献2あるいは3参照)。一般的な方法としては、前記の単独または併用した塩の水溶液と、チタン化合物の溶液を予め調製し、攪拌下にこれらの二つを混合した溶液に苛性ソーダなどの塩基性化合物の水溶液を加えて上記の混合溶液中で共沈殿、あるいは加水分解により共沈殿を生成せしめ、この沈殿物を加熱乾燥、焼成、粉砕などの工程の一部、あるいは全ての工程を経て二酸化チタン複合体を調製することができる。加熱乾燥は、通常20から120℃程度の温度範囲で行い、通常300から700℃で焼成し、粉砕する。ここでチタン化合物としては、四塩化チタンあるいは硫酸チタンなどの無機酸のチタン塩、あるいは上記のチタンアルコキシドなどが挙げられる。
以上のような本発明の二酸化チタン複合体を用いる高活性光触媒は、悪臭の除去を含む有害な有機物の分解、汚れ防止、NOxやSOxの低減、抗菌性の付与が可能となり、また野菜や果物を貯蔵する場合に野菜や果物が発するエチレンを分解することによる成熟促進防止による鮮度保持が可能となる。該高活性触媒は、そのままで使用しても良いが、塗料に混合するとかプラスチックフィルムに担持するなど、さまざまな形態で使用することができるものである。
本発明の二酸化チタン複合体の触媒活性の評価法としては、メチレンブルー色素の脱色に要する時間の測定を採用した。本方法は、従来から光触媒効果を評価する際に一般的に用いられており(非特許文献4参照)、本発明の光触媒を懸濁した水性液は酸性を示すので、還元による分解しない状態での無色化の心配がなく脱色は分解と解釈できることと、光触媒体への吸着量の程度を複合体表面の青みと水溶液の青みで観察でき、水溶液の青みの変化で色素の分解の進み具合を経時的に観察できる点、および色素を完全に分解したことが確認できる点から評価に適すると判断した。
次に、本発明の実施例を述べるに先立ち、光触媒が白色蛍光灯照射によりメチレンブルー色素を分解する時間で触媒能を評価する方法について説明する。
(i)装置の構成
評価に用いる装置に付いては特別の制限は設けないが、通常は以下に記す4種の装置からなる。
▲1▼ガラス製シャーレ(内径約58mm):メチレンブルー水溶液と二酸化チタン複合体を入れ、水の蒸発を防ぐため上部に無色透明で厚さ約1mmの石英板を載せる。
▲2▼蛍光灯卓上スタンド:スワン電器株式会社(100V、24W)
ランプ:MITUBISI/OSRAM BB−1
3波長型昼白色 FPL27EX−N
▲3▼照度計:ミノルタ照度計T−10
(ii)操作手順
▲1▼メチレンブルー水溶液の調整:関東化学株式会社製メチレンブルー希釈液(細菌染色用ロットNo709X9226)をさらに純水で1/100倍に希釈
▲2▼ガラス製シャーレにメチレンブルー水溶液の2.0gを入れ、さらに二酸化チタン複合体サンプルの0.1gを電子天秤で秤量して加え、シャーレの底面に均一に分散させ石英板をのせる。
▲3▼蛍光灯を照射し、シャーレの底面が照度計にて700ルクスになるように蛍光灯の高さを調節する。
▲4▼シャーレを30分間隔で手動で攪拌(夜間は静置)しながら、メチレンブルー水溶液の色と、二酸化チタン複合体サンプルの色を観察する。
▲5▼メチレンブルー水溶液の色が無色透明になり、かつ二酸化チタン複合体サンプルの色が白色になったら経過した照射時間を記録する。
次に実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下に示す実施例に限定されるものではない。また、実施例中の「%」および「部」は特に別途注記しない限り質量基準である。
1.二酸化チタンと1成分の塩との複合体(以下、塩とは硫酸塩、硫酸水素塩、チオ硫酸塩、ペルオキソ二硫酸塩のいずれかを言う。)
1−1.チオ硫酸ナトリウム五水和物を含浸した二酸化チタン複合体{TiO(Na0.08}の調製
テイカ株式会社製のアナターゼ型の結晶構造を有する白色の二酸化チタンAMT−100{比表面積260m/g}の10.0g(125mmol)を磁性のシャーレに入れ、次いで、関東化学株式会社製試薬特級のチオ硫酸ナトリウム五水和物2.48g(10.0mmol、二酸化チタンに対し8モル%)と水約10mlの均一水溶液を加えて、よく混合してチオ硫酸ナトリウム五水和物を含浸させた後、約80℃で1時間乾燥した。次いで、マッフル炉で500℃、4時間焼成し冷却した後粉砕し、チオ硫酸ナトリウムを含む二酸化チタン複合体)の9.7g(収率:77.7%)を得た。
1−2.メチレンブルー水溶液の脱色による光触媒活性の評価
内径約58mmのガラス製シャーレにメチレンブルー水溶液2.0gを取り、次いで、上記のチオ硫酸ナトリウムを含む二酸化チタン複合体の0.1gを秤量し、シャーレの底面に均一に分散させ石英板をのせた後、白色蛍光灯を照度約700ルクスで連続照射した。メチレンブルーの青色が完全に脱色された時間は、表1に記した通り4.5時間であった。
なお、実験中の室温の日平均値は約15℃であり、以下の実施例、比較例も同様であった。
実施例2〜実施例6
チタンと一成分の塩との複合体の場合(実施例1以外)
実施例1と同様な操作で、複合化する化合物の種類または含浸量を変えて含浸、焼成した。取り上げた化合物とその含浸量(mol%)、焼成条件、収率(%)および、メチレンブルー水溶液の脱色に要した時間を、表1にまとめて記した。なお二酸化チタンはテイカ株式会社製、試薬はすべて関東化学株式会社製である。
Figure 2007307540
2.二酸化チタンと2成分の塩を併用した複合体の場合
2−1.硫酸アンモニウムとチオ硫酸ナトリウム五水和物を含浸した二酸化チタン複合体{TiO((NHSO0.04・(Na0.04}の調製
テイカ株式会社製のアナターゼ型の結晶構造を有する白色の二酸化チタンAMT−100{比表面積260m/g}の10.0g(125mmol)を磁性のシャーレに入れ、次いで、関東化学株式会社製試薬特級の硫酸アンモニウム0.66g(5.0mmol、二酸化チタンに対し4モル%)と関東化学株式会社製試薬特級のチオ硫酸ナトリウム五水和物1.24g(5.0mmol、二酸化チタンに対し4モル%)と水約10mlの均一水溶液を加えて、よく混合して塩を含浸させた後、約80℃で1時間乾燥した。次いで、マッフル炉で500℃、4時間焼成し冷却した後粉砕し、2種類の塩を含む二酸化チタン複合体)の9.1g(収率:76.5%)を得た。
2−2.メチレンブルー水溶液の脱色による光触媒活性の評価
内径約58mmのガラス製シャーレにメチレンブルー水溶液2.0gを取り、次いで、上記の2種類の塩を含む二酸化チタン複合体の0.1gを秤量し、シャーレの底面に均一に分散させ石英板をのせた後、白色蛍光灯を照度約700ルクスで連続照射した。メチレンブルーの青色が完全に脱色された時間は、表2に記した通り4.5時間であった。
実施例8〜実施例15
二酸化チタンと実施例7以外の2成分の塩を併用した複合体
実施例7と同様な操作で、複合化する化合物を変えて含浸、焼成した。取り上げた化合物とその添加量(mol%)、収率(%)および、メチレンブルー水溶液の脱色に要した時間を、表2にまとめて記した。なお二酸化チタンはテイカ株式会社製、試薬はすべて関東化学株式会社製である。
Figure 2007307540
3.二酸化チタンと塩とリン酸三アンモニウム三水和物との複合体
3−1.硫酸アンモニウムとリン酸三アンモニウム三水和物を含浸した二酸化チタン複合体{TiO((NHSO0.04・(NHPO0.04}の調製
テイカ株式会社製のアナターゼ型の結晶構造を有する白色の二酸化チタンAMT−100{比表面積260m/g}の10.0g(125mmol)を磁性のシャーレに入れ、次いで、関東化学株式会社製試薬特級の硫酸アンモニウム0.66g(5.0mmol、二酸化チタンに対し4モル%)と関東化学株式会社製試薬1級のリン酸三アンモニウム三水和物1.02g(5.0mmol、二酸化チタンに対し4モル%)と水約30mlの均一水溶液を加えて、よく混合して塩を含浸させた後、約80℃で1時間乾燥した。次いで、マッフル炉で500℃、4時間焼成し冷却した後粉砕し、2種類の塩を含む二酸化チタン複合体の8.80g(収率:75.3%)を得た。
3−2.メチレンブルー水溶液の脱色による光触媒活性の評価
内径約58mmのガラス製シャーレにメチレンブルー水溶液2.0gを取り、次いで、上記の2種類の塩を含む二酸化チタン複合体の0.1gを秤量し、シャーレの底面に均一に分散させ石英板をのせた後、白色蛍光灯を照度約700ルクスで連続照射した。メチレンブルーの青色が完全に脱色された時間は、表3に記した通り3.5時間であった。
実施例17〜実施例20
二酸化チタンとリン酸三アンモニウム三水和物と塩との複合体(実施例16以外の組み合わせの複合体)
実施例16と同様な操作で、複合化する化合物を変えて含浸、焼成した。取り上げた化合物と収率(%)および、メチレンブルー水溶液の脱色に要した時間を、表3にまとめて記した。なお二酸化チタンはテイカ株式会社製、試薬はすべて関東化学株式会社製である。
Figure 2007307540
比較例1
比−1.原料二酸化チタンによるメチレンブルー水溶液の脱色による光触媒活性の評価
内径約58mmのガラス製シャーレにメチレンブルー水溶液2.0gを取り、次いで、テイカ株式会社製のアナターゼ型の結晶構造を有する白色の二酸化チタンAMT−100の0.1gを秤量し、シャーレの底面に均一に分散させ石英板をのせた後、白色蛍光灯を照度約700ルクスで連続照射し、メチレンブルーの青色が完全に脱色された時間は35時間であった。
比較例2
比−2−1.硫酸アンモニウムを含浸した二酸化チタン複合体{TiO((NHSO0.08}の調製
これは、本発明者らが、以前に提案した二酸化チタン複合体である。つまり、テイカ株式会社製のアナターゼ型の結晶構造を有する白色の二酸化チタンAMT−100{比表面積260m/g}の10.0g(125mmol)を磁性のシャーレに入れ、次いで、関東化学株式会社製試薬特級の硫酸アンモニウム1.32g(10.0mmol、二酸化チタンに対し8モル%)と水約10mlの均一水溶液を加えて、よく混合して塩を含浸させた後、約80℃で1時間乾燥した。次いで、マッフル炉で500℃、4時間焼成し冷却した後粉砕し、2種類の塩を含む二酸化チタン複合体の8.6g(収率:76.0%)を得た。
比−2−2.メチレンブルー水溶液の脱色による光触媒活性の評価
内径約58mmのガラス製シャーレにメチレンブルー水溶液2.0gを取り、次いで、上記の塩を含む二酸化チタン複合体の0.1gを秤量し、シャーレの底面に均一に分散させ石英板をのせた後、白色蛍光灯を照度約700ルクスで連続照射し、メチレンブルーの青色が完全に脱色された時間は7.0時間であった。
比較例3
比−3−1.硫酸水素アンモニウムを含浸した二酸化チタン複合体{TiO((NH)HSO0.08}の調製
本発明者の以前の提案から容易に類推できる二酸化チタン複合体として、硫酸水素アンモニウムを含浸した二酸化チタン複合体がある。つまりテイカ株式会社製のアナターゼ型の結晶構造を有する白色の二酸化チタンAMT−100{比表面積260m/g}の10.0g(125mmol)を磁性のシャーレに入れ、次いで、関東化学株式会社製試薬1級の硫酸水素アンモニウム1.15g(10.0mmol、二酸化チタンに対し8モル%)と水約10mlの均一水溶液を加えて、よく混合して塩を含浸させた後、約80℃で1時間乾燥した。次いで、マッフル炉で500℃、4時間焼成し冷却した後粉砕し、2種類の塩を含む二酸化チタン複合体)の8.6g(収率:77.1%)を得た。
比−3−2.メチレンブルー水溶液の脱色による光触媒活性の評価
内径約58mmのガラス製シャーレにメチレンブルー水溶液2.0gを取り、次いで、上記の塩を含む二酸化チタン複合体の0.1gを秤量し、シャーレの底面に均一に分散させ石英板をのせた後、白色蛍光灯を照度約700ルクスで連続照射し、メチレンブルーの青色が完全に脱色された時間は6.5時間であった。
比較例4
比−4−1.リン酸三アンモニウム三水和物を含浸した二酸化チタン複合体{TiO((NHPO0.08}の調製
テイカ株式会社製のアナターゼ型の結晶構造を有する白色の二酸化チタンAMT−100{比表面積260m/g}の10.0g(125mmol)を磁性のシャーレに入れ、次いで、関東化学株式会社製試薬1級のリン酸三アンモニウム三水和物2.03g(10.0mmol、二酸化チタンに対し8モル%)と水約30mlの均一水溶液を加えて、よく混合してリン酸三アンモニウムを含浸させた後、約80℃で2時間乾燥した。次いで、マッフル炉で500℃、4時間焼成し冷却した後粉砕し、リン酸三アンモニウムを含む二酸化チタン複合体の8.8g(収率:73.2%)を得た。
比−4−2.メチレンブルー水溶液の脱色による光触媒活性の評価
内径約58mmのガラス製シャーレにメチレンブルー水溶液2.0gを取り、次いで、リン酸三アンモニウムを含む二酸化チタン複合体の0.1gを秤量し、シャーレの底面に均一に分散させ石英板をのせた後、白色蛍光灯を照度約700ルクスで連続照射した。メチレンブルーの青色が完全に脱色された時間は、31時間であった。
参考例
内径約58mmのガラス製シャーレ2個のそれぞれに、メチレンブルー水溶液2gを入れ、それぞれに実施例5の二酸化チタン複合物と比較例1の二酸化チタン(AMT−100)の0.1gを秤量し、シャーレの底面に均一に分散させた後、卓上に載せステンレスボールをかぶせて光を遮蔽した。1日ごとに定期的に観察した結果、メチレンブルー水溶液の青色は初期(二酸化チタン複合物と二酸化チタンにメチレンブルー色素が吸着した後)から変化せず30日後でも同様であった。このことから、実施例5の二酸化チタン複合物も比較例1の二酸化チタンも白色蛍光灯の光による光触媒効果でメチレンブルー水溶液を脱色したことが確認できた。
実施例1〜20
比較例1〜4
の比較
実施例1〜20では、含浸する化合物によってメチレンブルーの分解時間に差はあるが、比較例1と較べれば大幅に、また本発明者が先に提案した光触媒である比較例2あるいは、先の提案から容易に類推できる比較例3と較べてもメチレンブルーの分解時間が短縮されており、光触媒作用が増大していることがわかる。また、比較例3に示すようにリン酸三アンモニウムを含む二酸化チタン複合体のメチレンブルーの分解時間は比較例1の二酸化チタン単体とほとんど変わらず、効果が認められないが、実施例16〜20では硫酸塩、硫酸水素塩、チオ硫酸塩、およびペルオキソ二硫酸塩のそれぞれと併用することによりメチレンブルーの分解時間が大幅に短縮されている。これらにより本発明の二酸化チタン複合体は、すべてが昼白色の蛍光灯の照射によって、短時間にメチレンブルーを分解することが示された。
二酸化チタン前駆体とペルオキソ二硫酸アンモニウムとリン酸三アンモニウム三水和物による二酸化チタン複合体
4−1.二酸化チタン前駆体の調整
関東化学株式会社製の試薬特級、硫酸チタン(IV)水溶液(24.0%濃度)200gをビーカーに取り、ホモミキサー(特殊機化工業株式会社製MARKIIfmodel)にて約2000rpmで30分間よく混合した後、約30分静置した。再度ホモミキサーにて攪拌しつつ、関東化学株式会社製の試薬特級の水酸化ナトリウムを純水で10wt%に希釈調整した水溶液を滴下し中和する。PH試験紙でPHを確認しながら、PHが7.4〜7.6になったら、水酸化ナトリウムの滴下を終了する。この時ビーカー内には、水酸化チタンの白いかゆ状の沈殿が生成していた。
約30分間静置した後、ADVANTEC製No.424濾紙にて、純水で3度洗浄しつつ減圧濾過し磁性のシャーレに移す。
1日放置して自然乾燥した後に120℃の温度で3時間乾燥し二酸化チタン前駆体を調整した。
4−2.二酸化チタン前駆体にペルオキソ二硫酸アンモニウムとリン酸三アンモニウム三水和物を含浸した二酸化チタン複合体の調製
二酸化チタン前駆体(メタチタン酸(MW97.92)と想定)の12.2g(125mmol)を磁性のシャーレに入れ、次いで、関東化学株式会社製試薬特級のペルオキソ二硫酸アンモニウム1.14g(5.0mmol、二酸化チタンに対し4モル%)と関東化学株式会社製試薬1級のリン酸三アンモニウム三水和物1.02g(5.0mmol、二酸化チタンに対し4モル%)と水約20mlの均一水溶液を加えて、よく混合して塩を含浸させた後、約80℃で1時間乾燥した。次いで、マッフル炉で500℃、4時間焼成し冷却した後粉砕し、2種類の塩を含む二酸化チタン複合体の8.36g(収率:58.2%)を得た。この二酸化チタン複合体は、X線回折では、アナターゼ型の結晶形を有することが確認された。
なお、X線回折装置(XRD)は、マックサイエンス社製、全自動回折装置、MXP3Aを用いた。
4−3.メチレンブルー水溶液の脱色による光触媒活性の評価
内径約58mmのガラス製シャーレにメチレンブルー水溶液2.0gを取り、次いで、上記の2種類の塩を含む二酸化チタン複合体の0.1gを秤量し、シャーレの底面に均一に分散させ石英板をのせた後、白色蛍光灯を照度約700ルクスで連続照射した。メチレンブルーの青色が完全に脱色された時間は、3.5時間であった。この結果から、二酸化チタン前駆体に塩とリン酸三アンモニウムを含浸・焼成した複合体においても、顕著な色素分解作用が認められた。
本発明の二酸化チタン複合体を共存させた時のバナナの熟成実験
5−1.内径約10cm高さ約21cmの1.5リットルの容量のガラス製密封ビンに、表面に青みの残る成熟前のバナナ1本を入れ、実施例1で作成したチオ硫酸ナトリウム五水和物を用いた二酸化チタン複合体の0.5gを底面の内径4.3cmの紙コップの上部を切り取り高さ約1.5cmにしたものの中に入れてガラス製密封ビンの中に入れ、上部のふたをして密封し、側面から蛍光灯スタンドの光(ビンの表面で約700ルクス)を当て続けた。6日目に取り出した時点では、表面はわずかにシミが見られたがきれいな黄色であり、内部はちょうど良い程度に熟成していた。ビンの内部にはわずかにバナナの芳香が残っていた。
比較例5
ガラス製密封ビンに入れたバナナの熟成実験
比−5−1.実施例22と同じ1.5リットルの容量のガラス製密封ビンに表面に青みの残る、成熟前のバナナ(実施例22と同じ日に購入した同じ房からもぎ取ったもの)1本を入れ、上部のふたをして密封し、側面から蛍光灯スタンドの光(ビンの表面で約700ルクス)を当て続けた。
4日目に取り出した時点では、表面はわずかにシミが見られたがきれいな黄色であり、内部はちょうど良い程度に熟成していた。ビンの内部には強いバナナの芳香が残っていた。
比較例6
空気中に置いたバナナの熟成実験
比−6−1.青みの残る、成熟前のバナナ(実施例22と同じ日に購入した同じ房からもぎ取ったもの)1本をテーブルの上に置き、そのまま放置した。
2日目にはすでに表面が黒ずみ、黒いしみが散在し、内部は過度に成熟してしまっていた。
比較例5、6
の比較
実施例22ではバナナが熟成するのに5日を要したが、比較例5では3日、比較例6ではわずかに1日以内に熟成してしまった。植物は、その植物自体からエチレンを発散し、植物の多くの種においてはエチレンが熟成を促進することがわかつている。この実験から、二酸化チタン複合体はバナナが発するエチレンを分解してバナナの成熟を抑制し、言い換えれば、バナナの鮮度を保持する効果が認められた。
本発明の二酸化チタン複合体を共存させた時のトマトの熟成実験
6−1.内寸法約11×約11cm高さ約10cmで上部開閉部が円形の1.15リットルの容量のガラス製密封ビンに、表面が薄赤色の成熟前のトマト1個を入れ、実施例16で作成した硫酸アンモニウムとリン酸三アンモニウム三水和物を用いた二酸化チタン複合体の0.5gを底面の内径4.3cmの紙コップの上部を切り取り高さ約1.5cmにしたものの中に入れてガラス製密封ビンの中に入れ、上部のふたをして密封し、側面から蛍光灯スタンドの光(ビンの表面で約700ルクス)を当て続けた。
8日目に取り出した時点では、表面がきれいな赤色であり、内部はちょうど良い程度に熟成していた。ビンの内部にはわずかにトマトの臭いが残っていた。
比較例7
ガラス製密封ビンに入れたトマトの熟成実験
比−7−1.実施例23と同じ1.15リットルの容量のガラス製密封ビンに表面が薄赤色の成熟前のトマト(実施例23と同じ日に購入した同じセロハン袋には入っていたもの)1個を入れ、上部のふたをして密封し、側面から蛍光灯スタンドの光(ビンの表面で約700ルクス)を当て続けた。
3日目に取り出した時点では、表面は真っ赤で、内部は熟成していた。ビンの内部にはトマト臭いが残っていた。
比較例8
空気中に置いたトマトの熟成実験
比−8−1.表面が薄赤色の熟成前のトマト(実施例23と同じ日に購入した同じセロハン袋には入っていたもの)1個をテーブルの上に置き、そのまま放置した。
2日目にはすでに表面は真っ赤で、内部は熟成していた。
〔実施例23〕と〔比較例7、8〕の比較
実施例23ではトマトが熟成するのに7日を要したが、比較例7では2日、比較例8ではわずかに1日で熟成してしまった。この実験から、バナナと同様に熟成を抑制する効果が大きいことがわかった。また同様な環境で二酸化チタン複合体の有無の違いだけの比較例7と較べて長期間、鮮度を保持する効果が認められた。周囲の大気の平均温度が約15℃であったのでさらに低温の(例えば冷蔵庫内の)環境で同様な実験を行えばさらに鮮度保持の効果が増大すると思われる。

Claims (8)

  1. チオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸アンモニウム、ペルオキソ二硫酸アンモニウムの群の少なくとも一種と二酸化チタンとを一体化した二酸化チタン複合体である高活性光触媒。
  2. チオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸アンモニウム、ペルオキソ二硫酸アンモニウムの群の少なくとも一種と
    硫酸アンモニウムおよび/または硫酸水素アンモニウムと
    二酸化チタンとを一体化した二酸化チタン複合体である高活性光触媒。
  3. 硫酸アンモニウム、硫酸水素アンモニウム、チオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸アンモニウム、ペルオキソ二硫酸アンモニウムの群の少なくとも一種と
    リン酸アンモニウム化合物と
    二酸化チタンとを一体化した二酸化チタン複合体である高活性光触媒。
  4. リン酸アンモニウム化合物が、リン酸一水素アンモニウム、リン酸二水素アンモニウム、リン酸三アンモニウム、およびリン酸三アンモニウム三水和物の一種または混合物である請求項3に記載の二酸化チタン複合体である高活性光触媒。
  5. 二酸化チタン複合体が、二酸化チタンに、請求項1〜4において特定した化合物のうち二酸化チタンおよび二酸化チタン複合体を除く化合物を含浸、吸着させるか、あるいはチタン化合物の水溶液と、請求項1〜4において特定した化合物のうち二酸化チタンおよび二酸化チタン複合体を除く化合物の水溶液を共沈殿させるかして得られたものを、さらに焼成したものであることを特徴とする高活性光触媒。
  6. 二酸化チタン複合体が、水酸化チタンを含む二酸化チタン前駆体に、請求項1〜4において特定した化合物のうち二酸化チタンおよび二酸化チタン複合体を除く化合物を含浸または吸着させる事により得られたものを、さらに焼成したものであることを特徴とする高活性光触媒。
  7. 二酸化チタンがアナターゼ型である請求項1〜5に記載の高活性光触媒
  8. 焼成後の二酸化チタン複合体を構成する二酸化チタンがアナターゼ型である請求項6に記載の高活性光触媒
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JPWO2017150063A1 (ja) * 2016-03-01 2019-01-24 東亞合成株式会社 抗ウイルス剤、コーティング組成物、樹脂組成物及び抗ウイルス製品

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