JP2007307243A - 療養形温熱ルーム - Google Patents
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Abstract
【課題】身体全体の細胞を活性化させるために、身体周囲の環境として、ルーム内の温度や湿度等を制御することで健康維持促進を効率良く図ることができる療養形温熱ルームを提供する。
【解決手段】遠赤外線による輻射熱によってルームP内温度を約38℃に制御する温度制御手段2と、ルーム内の相対湿度を約55%RHに制御する湿度制御手段3とを備える。また、温度制御手段2としては、波長4μm〜18μm程度の遠赤外線による床暖房を使用する。さらに、湿度制御手段3としては、加湿粒径が5μmの微細粒子吐出可能な加湿器を使用する。この他、ルーム内の空気の汚れを自動的に排出し、外気より新鮮な空気を取り入れ、ルームP内温度を下げないように熱交換作用を行なう給排気熱交換手段7を備えている。
【選択図】図1
【解決手段】遠赤外線による輻射熱によってルームP内温度を約38℃に制御する温度制御手段2と、ルーム内の相対湿度を約55%RHに制御する湿度制御手段3とを備える。また、温度制御手段2としては、波長4μm〜18μm程度の遠赤外線による床暖房を使用する。さらに、湿度制御手段3としては、加湿粒径が5μmの微細粒子吐出可能な加湿器を使用する。この他、ルーム内の空気の汚れを自動的に排出し、外気より新鮮な空気を取り入れ、ルームP内温度を下げないように熱交換作用を行なう給排気熱交換手段7を備えている。
【選択図】図1
Description
本発明は、身体内の細胞を活性化させることによって、健康維持と健康促進を図るための療養形温熱ルームに関するものである。
従来における温熱療法としては、高周波電流によって生体の治療対象局部に温熱を得るための装置が数多く提案されている。
特になし
しかしながら、従来においては、治療対象局部に高周波電流によって温熱を発生するのみであって、温度や湿度等の身体周囲の環境を制御して身体全体の細胞を活性化させるシステムが未だ開発されていないのが実状である。
そこで、本発明は如上のような従来存した諸事情に鑑み創出されたもので、身体全体の細胞を活性化させるために、身体周囲の環境として、ルーム内の温度や湿度等を制御することで健康維持促進を効率良く図ることができる療養形温熱ルームを提供することを目的とする。
本発明に係る療養形温熱ルームは、遠赤外線による輻射熱によってルーム内温度を約38℃に制御する温度制御手段と、ルーム内の相対湿度を約55%RHに制御する湿度制御手段とを備えたことで、上述した課題を解決した。
また、温度制御手段としては、波長4μm〜18μm程度の遠赤外線による床暖房を使用することで、同じく上述した課題を解決した。
さらに、湿度制御手段としては、加湿粒径が5μmの微細粒子吐出可能な加湿器を使用することで、同じく上述した課題を解決した。
また、ルーム内の空気の汚れを自動的に排出し、外気より新鮮な空気を取り入れ、ルーム内温度を下げないように熱交換作用を行なう給排気熱交換手段を含むことで、同じく上述した課題を解決した。
加えて、熱っせられた湿気を含んだ空気を熱交換素子に通過させることにより、冷たく乾いた空気に熱と湿気を移動させる熱交換手段を含むことで、同じく上述した課題を解決した。
また、太陽光をレンズで集光し、高純度の石英ガラスによる光ファイバーで太陽の可視光成分をルーム内に伝送可能とした室内照明手段を含むことで、同じく上述した課題を解決した。
この他、ヒーター温度管理のセンサーで検知したデータに基づき、換気量を定めて湿度の吐出量の制御を行ない、ヒーター温度と共にコントロールすると同時に換気による熱交換を考慮し、外気温度の把握をデータとして制御系に組み込むことで、同じく上述した課題を解決した。
また、設置対象地域の過去の最高気温および最低気温を考慮して断熱係数(Q値)を求め、ルーム内の温度・湿度を保つよう、床・天井・壁の断熱材の最低気温に対応可能な厚みを決定することで、同じく上述した課題を解決した。
本発明によれば、身体全体の細胞を活性化させるために、身体周囲の環境として、ルーム内の温度や湿度等を制御することで、健康維持促進を効率良く図ることができる。
以下に、本発明を実施するための最良の形態を、図面を参照して説明する。
図中符号1は、本発明に係る療養形温熱ルームの構成を概略的に示したルーム構造の本装置であり、図1に示すように、該本装置1は、遠赤外線による輻射熱によってルーム内温度を約38℃に制御する温度制御手段2と、加湿器によってルーム内の相対湿度を約55%RHに制御する湿度制御手段3とを備えている。
例えば、本装置1の温度制御手段2は、ルーム内温度を、例えば、カーボン使用の面状ヒーター構造による床暖房の輻射熱によって約38℃に保ち、且つ湿度制御手段3は、ルーム内湿度を、例えば、加湿粒径が5μmの微細粒子吐出可能な加湿器により相対湿度約55%RHに保つものとし、このように設計された環境条件の下で健康維持促進を図るものである。
湿度制御手段3による本装置1のルーム内湿度は、加湿粒径を5μmの微細粒子とし、呼吸系に対し気管障害を起こすことなく、相対湿度約55%RHの空気を吸入することができ、肺・鼻等に適度な湿度を保ち、快適な呼吸ができることとする。例えば、微細水滴法による加湿器として球体サイクロンを応用し、トルネードによる空気中に水分を強制的に蒸発させる水加湿とする。
床暖房としては、前記したカーボンヒーターの波長4〜18μm程度の遠赤外線を使用する以外に、輻射効率が極めて高い天然鉱石であるオーラストーンの波長4〜14μm程度の遠赤外線を使用し、身体内の細胞を活性化することにより健康維持促進を図るものとしても良い。尚、遠赤外線の測定方法としては、セラミックスのフーリエ変換赤外分光光度計(FTIR)を使った分光放射率法(JIS R 1801)を採用する。
本装置1における性能の最大の特徴としては、温度制御手段2により遠赤外線の波長を人体波長に合わせ、分子間共鳴振動により運動エネルギーを増大させ、自己発熱を起こさせることである。すなわち、人間の平均体温は、約36.5℃で、この体温を波長に換算すると約10μmとなる。よって、遠赤外線の輻射波長を10μmとなるようにするのである。
温度制御手段2は、この約10μmの遠赤外線の輻射波長を発生させるようカーボンヒーターを制御している。また、フーリエ変換赤外分光光度計を使った分光放射率、分光放射出力の測定結果としては、図6に示すように、波長6μmから10μmの間で、分光放射輝度(輻射強度)が、黒体炉(黒体輻射)80℃出力で0.2(W/平方m・sr・10nm)以上となるのに対し、カーボンヒーター表面温度80℃出力では、0.2(W/平方m・sr・10nm)に略近い値となる。また、分光放射率は、図7に示すように、カーボンヒーター表面温度80℃出力では、波長4μmからそれ以上の波長域にわたり0.8以上を常に維持している。
この遠赤外線は、無機物の物質には吸収されずに反射し、有機物の物質には吸収されて分子運動を活発化させることで加温することができるものである。しかも、体温と遠赤外線との二つの波長が重なって分子運動が増幅され、細胞の活動も活発化する。例えば、タンパク質等の有機物は遠赤外線の約95%を吸収し、近赤外線の吸収率は約80%、残りは反射してしまう。このように人体や動植物は、遠赤外線の吸収率が高く、金属等の無機物は遠赤外線の吸収率が低く殆ど反射してしまう。
また、遠赤外線によって血行が向上し、新陳代謝も活発になり身体が温まる。このとき身体の水分は約60%なので、体内の有害な重金属や脂肪は水分子と水分子との間に挟まれた状態で存在する。この水分子を遠赤外線によって動き出させることで、分子の結合が切断されて水分子間に挟まれていた有害物質は開放され、体外に排出されてクリーンアップされるのである。この他、遠赤外線は、加温以外に、例えば、脱臭・防菌・防湿・ダニ繁殖予防・防黴・害虫駆除等の効果を有する。
本装置1を設置する場合には、設置対象地域における過去30年間の最高気温および最低気温を考慮して断熱係数(Q値)を求め、本装置1のルーム内の温度・湿度を保つよう、床・天井・壁等の断熱材の最低気温に対応できる厚みを決定する。また、断熱材の選定については、建築基準法により「次世代省エネルギー基準」を採用することとし、Q値を計算の基とする。熱貫流率・熱抵抗値の計算では面積が考慮できないため、熱損失係数を使用する。
さらに、汚染空気として一人当たりの二酸化炭素等の発生量を基準に、在室人数の換気量を室量に応じて行なうこととし、換気の熱量交換は全熱交換方式を用い、ルーム内温度は一定に保つこととする。例えば、換気数として70%熱交換を適用し、設定値を0.3回/h以上とする。換気の効果は、空気の入れ換えと同時に脱臭・防塵・排湿・室温調整等の効果をも有している。
具体的な換気方法としては、例えば、炭酸ガス(CO2)センサーにより、室内の炭酸ガス濃度を検出し、濃度が約1000ppmを超えると自動的に換気を行い、強制的に外部より新鮮な空気を取り入れる。そして、新鮮な空気を取り入れる際は、室内の温度が低下しないように全熱交換装置を設け、絶えず室内温度は38℃を保つこととする所謂自己完結型としている。
このうち排湿効果は、気密化されたルーム内での暖房等の結露による黴の発生や、床・壁等の傷み等を防止するために必要である。また、室温調整は、換気扇で室内の汚染した空気を追い出し、室内温度を一定に保ち、暖かい空気は排出しないで熱交換するものである。このとき熱は高い所から低い所へ移動し、且つ湿気も同様に移動することから、熱交換手段4として、熱せられた湿気を含んだ空気を熱交換素子に通過させることにより、冷たく乾いた空気に熱と湿気を移動させる、例えば、シロッコファン、不織布フィルター、ABS樹脂・PEフォーム使用のドレンパン、PVC樹脂によるドレン排出口等を備えたダクト式による熱交換器を使用する。
また、吸気手段5としては、必要な吸気口の大きさとして、換気風量(立方m/h)×0.7の有効開口面積(平方cm)を設けるのが目安となる。尚、吸気を行なう際に外気をルーム内に取り入れるとルーム内自体の温度が下がるので、ここでも熱交換器を使用し、除塵してから新鮮な空気をルーム内に送るようにする。
さらに、電磁波・騒音等を遮断し、遠赤外線の輻射効率を増幅するために、ルーム内の床・天井・壁の6面に遮蔽板を張設している。これにより室内で立っていても、また、座っていても、人体に遠赤外線が吸収されるようにする。そして、遠赤外線が無機質に反射する性質を利用して、床・壁・天井・扉等の6面全てに、鉛板を張り詰めることで、室内に満遍なく遠赤外線が放射されるようにしてある。この鉛は、周期律表の14/IVB族の元素であって、原子量207.2、電子配置が[Xe]4f電子14個−5d電子10個−6s電子2個−6p電子2個であり、融点が327.5℃、沸点が1740℃、密度が固体で11350kg/立方mであり、高い密度を持ち、エックス線やガンマー線を良く吸収する。
室内照明手段6としては、人工光を使用する替わりに自然の太陽光を用い、日中は外部と同等の条件となるように整える。例えば、照度として太陽光(ひまわり)を適用した場合、床上1mで約800ルックスに設定することで、例えば皮膚・目等に優しく、しかも、癒やしの効果がある安らかな空間を導く明るさを提供させる。
この太陽光としては、「ひまわり」に導入されたレンズ集光+光ファイバー伝送方式を採用し、屋外にアクリルドーム等でカバーされた状態で設置した精密な集光器が常に最大効率で太陽光をレンズで集光し、高純度の石英ガラスによる極細で可撓性のある光ファイバーで太陽の可視光成分を伝送可能としている。
具体的には、光ファイバーの先端から照射される光は約58度の拡がりを有しており、光ファイバーの先端から約2m離れた場所では、直径約2.2mの円内範囲が平均420ルクスの明るさとなる。
また、日の出から日の入りまで位置を変え続ける太陽を正確に捕らえるため、集光器には自動追尾システムが搭載されている。この自動追尾システムによって、太陽センサーと時計機能により、集光器のレンズが常に太陽と正対するように制御し、しかも、天候・季節に関わりなくいつでも、太陽に向いて追尾する。また、この集光器は、単レンズを使用することにより発生する色収差を利用して、紫外線・赤外線を遮断し、可視光線の光を植物の光合成に適用するものとしている。
この他、排気熱率としては給排気熱損失を60%に設定し、騒音は安眠状態で30db以下とし、低線量としては科学技術庁の許容量である年間被爆量約50mSv/yとする。また、室温センサーはFL1.2m設置の、例えば、設定値約38℃の白金測温抵抗体とし、湿度センサーは、設定値約55%RHの高分子静電容量式とする。さらに、設定値約60℃の天井裏高温防止に適用される高温センサー(天井裏Pt100Ω)、設定値約80℃のヒーター加熱防止に適用される高温センサー(床下内Pt100Ω)を使用し、漏電検出は、設定値約500mAの0.5s以内時延型のヒーター回路を使用する。
このとき、本装置1を快適・安全に使用し、性能および効能を最大限に引き出すことを重視すべく、ルーム内の温度を一定に保ち、且つ湿度は変わりなくするために、ヒーター温度管理の各センサーより検知したデータに基づき、換気量を定めて湿度の吐出量の制御を行ない、ヒーター温度と共にコントロールする。これと同時に、換気による熱交換を考慮し、外気温度の把握をデータとして制御系に組み込むことで、安全管理に充分留意した設計とする。このとき制御は、例えば、プログラマーブルコントローラーを使用した制御機器とし、操作は全て自動的に行なわれるものである。
具体的には、ルーム内を温度センサーにより絶えず38℃を維持し、ルーム内の温度が設定以上になるか、床下温度が設定以上になると過温警報となり、ヒーター回路の通電が遮断される。また、ルーム内を湿度センサーにより絶えず相対湿度が55〜60%RHを保つ快適な湿度を維持するよう、加湿器よりルーム内に微細粒子の蒸気が放出される。加湿器に原水が不足すると警報を発して維持管理者に知らせるようにしている。
さらに、本装置1には、ルーム内の空気の汚れを自動的に排出し、外気より新鮮な空気を取り入れ、ルーム内温度を下げないように熱交換作用を行なうための給排気熱交換手段7を備え、ルーム内の結露、黴の発生を防ぎ、温度差のムラのない環境を自動的に維持している。
本装置1の具体的な構造体仕様としては、Q値が2.322である、例えば、埼玉県春日部市に設置する場合、床は、最下下地を厚さ約3mmの鉛製の反射・遮音シートとし、最下段材質を既存のコンクリートモルタルとする。また、中段を厚さ約15mmの耐水合板とし、断熱材を厚さ約50mmのダンボードレイヤーおよびマルチロールとする。さらに、断熱材上部の床暖房を敷設率70%のカーボンヒーターとし、仕上げ材としての上段を厚さ20mmの桐無垢板とする。
壁は、最下下地を厚さ約3mmの鉛製の反射・遮音シートとし、中間の断熱材を厚さ約100mmのダンレーマットとし、仕上げ下地を厚さ9.5mmと12.5mmのプラスターボードとし、仕上げ材を厚さ3mmの珪素土とする。
天井は、下地を厚さ約3mmの鉛製の反射・遮音シートとし、断熱材を厚さ約200mmのダンレーマットとし、仕上げ下地を厚さ9.5mmと12.5mmのプラスターボードとし、仕上げ材を厚さ3mmの珪素土とする。
出入り口は、熱貫流率4以下の木製断熱材によるルーム出入り扉とし、更衣室の出入り口は折り戸とし、吸水用小扉は、熱貫流率4以下の木製断熱材を使用する。
また、使用機器・使用材料としては、床暖房として出力70W、継続温度80℃の乾式用カーボンヒーター(CHI)を使用する。
加湿器としては、例えば、吹き出し粒径約5μm、消費電力84W、タンク容量5リットル、適用範囲33〜50平方メートルのバイオテクノ社製のトルネードエアーズを使用する。
さらに、太陽光照明機器としては、12眼集光器、受光面積851平方cm、全光束3260lm、消費電力2Wのラフォーレエンジニアリング製のひまわりを使用する。
また、換気は、三菱電機製の全熱交換・ロスナイ排気耐湿型のものを使用し、各センサー類はオムロン社製のものやチノー社製のものを使用する。
次に、以上のように構成された最良の形態における、本装置1の使用による温熱療法前後での血液データの変化について説明する。先ず、動脈硬化の原因となる血液中のコレステロール値(正常範囲150〜219mg/dl)は、図2に示すように、被験者3名中のうち1名が、温熱療法開始前では271mg/dlという高コレステロール血症であったが、開始後では209mg/dlと正常値になった。
白血球値、すなわち顆粒球(正常値54〜60%)とリンパ球(正常値35〜41%)の割合は、図3に示すように、被験者3名中のうち1名が、温熱療法前では、顆粒球74.3%、リンパ球24.1%であり、典型的顆粒球優位型であったのが、温熱療法終了3カ月後では、顆粒球58.3%、リンパ球33.0%とほぼ顆粒球とリンパ球の割合にバランスが採れている。すなわち、顆粒球優位な者は交感神経優位者、リンパ球優位な者は副交感神経優位者といわれており、現代のストレス社会においては顆粒球優位の者が多く、殆どのストレスに関する病気はこの顆粒球が原因となっている。また、リンパ球の増加は、免疫機能の亢進を意味する。このように温熱療法によって交感神経と副交感神経のバランスが採れることが示唆される。
人の免疫機能を司る、ナチュラルキラー細胞と称するNK活性の変化(正常値17.1〜48.7%)は、図4に示すように、3名の被験者のいずれもNK活性が低いが、A氏は開始前7.1%から温熱終了後8.7%に、B氏は開始前9.8%から温熱終了後15.1%に、C氏は開始前8.1%から温熱終了後12.1%に若干増加しており、免疫機能の亢進が示唆される。
皮膚・軟骨・関節液・眼の硝子体等に含まれ、保湿機能・クッション機能・免疫機能の役割を果たし、40歳以降では急速に減少するといわれるヒアルロン酸の変化(基準値50以下)は、図5に示すように、3名の被験者のうち、A氏は開始前33.3ng/dl、温熱終了後37ng/dl、B氏は開始前42.7ng/dl、温熱終了後40.9ng/dl、C氏は開始前13.7ng/dl、温熱終了後23.3ng/dlといずれも増加している。この事実により、個人差は見られるものの、一様にヒアルロン酸の増加が見られた。このことは皮膚や関節・軟骨の保水性・弾力性を保つアンチエイジング効果(シワやタルミの予防)が期待される。
次に、アデポネクチンの変化について、3名の被験者に測定した結果、A氏は開始前6.4から温熱終了後に6.5に変化し、B氏は開始前6.4から温熱終了後に6.4に変化し、C氏は開始前9.7から温熱終了後に7.1に変化している。この脂肪細胞が出す生理活性物質であるアデポネクチンは、内臓に脂肪が蓄積すると分泌低下が起こり、このため、血糖値を調節するインスリンに対する抵抗性が高まって、肥満・糖尿病・高脂血症等の原因となり、これらの異常な複合によるメタボリック症候群に進行する可能性の大きなものとなる。
血圧の変化は、3名の被験者に測定した結果、A氏は温熱開始前では103/64、温熱40分後では102/60、温熱60分後では84/58となり、B氏は温熱開始前では152/106、温熱40分後では134/73、温熱60分後では117/75となり、C氏は温熱開始前では130/80、温熱40分後では103/72、温熱60分後では110/68となる。このように温熱療法による血圧の変化は、3名の被験者とも同様に下降している。
本発明における療養形温熱ルームは、リハビリステーション、エステサロン、カイロプラクテック等の各種の健康維持促進を図るためのシステムの一環として、幅広く利用されるものである。
1…本装置(ルーム) 2…温度制御手段
3…湿度制御手段 4…熱交換手段
5…吸気手段 6…室内照明手段
7…給排気熱交換手段
3…湿度制御手段 4…熱交換手段
5…吸気手段 6…室内照明手段
7…給排気熱交換手段
Claims (8)
- 遠赤外線による輻射熱によってルーム内温度を約38℃に制御する温度制御手段と、ルーム内の相対湿度を約55%RHに制御する湿度制御手段とを備えたことを特徴とする療養形温熱ルーム。
- 温度制御手段としては、波長4μm〜18μm程度の遠赤外線による床暖房を使用する請求項1に記載の療養形温熱ルーム。
- 湿度制御手段としては、加湿粒径が5μmの微細粒子吐出可能な加湿器を使用する請求項1または2に記載の療養形温熱ルーム。
- ルーム内の空気の汚れを自動的に排出し、外気より新鮮な空気を取り入れ、ルーム内温度を下げないように熱交換作用を行なう給排気熱交換手段を含む請求項1乃至3のいずれかに記載の療養形温熱ルーム。
- 熱っせられた湿気を含んだ空気を熱交換素子に通過させることにより、冷たく乾いた空気に熱と湿気を移動させる熱交換手段を含む請求項1乃至4のいずれかに記載の療養形温熱ルーム。
- 太陽光をレンズで集光し、高純度の石英ガラスによる光ファイバーで太陽の可視光成分をルーム内に伝送可能とした室内照明手段を含む請求項1乃至5のいずれかに記載の療養形温熱ルーム。
- ヒーター温度管理のセンサーで検知したデータに基づき、換気量を定めて湿度の吐出量の制御を行ない、ヒーター温度と共にコントロールすると同時に換気による熱交換を考慮し、外気温度の把握をデータとして制御系に組み込む請求項1乃至6のいずれかに記載の療養形温熱ルーム。
- 設置対象地域の過去の最高気温および最低気温を考慮して断熱係数(Q値)を求め、ルーム内の温度・湿度を保つよう、床・天井・壁の断熱材の最低気温に対応可能な厚みを決定する請求項1乃至7のいずれかに記載の療養形温熱ルーム。
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