JP2007304244A - 画像形成装置用無端ベルト - Google Patents

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Abstract

【課題】画像形成装置に用いる無端ベルトの回転駆動時の周期的な速度変動を抑制する為に、従来から無端ベルトの速度を検出して回転源の制御を行ってきたが、画像形成領域または記録媒体搬送領域での速度を長期に亙って安定に検出することが困難であった。
【解決手段】画像形成装置用無端ベルトにおいて、光透過性材料からなる表面層と基層が積層され、基層の、表面層に隣接する面で且つ画像形成領域内または記録媒体搬送領域内の表面に、ベルト駆動方向へ略一定間隔でマークが配置された画像形成装置用無端ベルトを提供する。
【選択図】図3

Description

本発明は、複写機、レーザービームプリンタ、ファクシミリといった画像形成装置のための無端ベルトに関する。より詳しくは、中間転写体として用いられる中間転写ベルトや、紙、OHPフィルムなどの記録媒体を搬送する記録媒体搬送用ベルト(以下「搬送ベルト」と言う)として用いられる無端ベルトに関する。
本発明の無端ベルトは、長期に亙って回転駆動時の速度を安定的に検知することを可能にし、色ずれを低減する。
搬送ベルトとして無端ベルトを使用する画像形成装置を説明する。
図1は、搬送ベルトにより搬送される記録媒体上にイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)の四色の画像を重ね合わせてカラー画像を形成するカラー画像形成装置100の模式断面図である。同装置は、各色のトナー像の形成を担う4つのトナー像形成部8、無端ベルトから成る搬送ベルト10、光センサ11及び定着器16を含み構成されている。各トナー像形成部8は感光体ドラム1、感光体ドラム1の表面を均一に帯電する帯電手段2、画像情報に基づいて感光体ドラム1上に静電潜像を形成する、レーザスキャナなどの露光手段3、静電潜像にトナーを付着させてトナー像として顕像化する、現像器などの現像手段4、感光体ドラム1上のトナー像を記録媒体に転写させる、転写ローラなどの転写手段5、そして、転写後の感光体ドラム1の表面に残ったトナーを除去するクリーニング手段6を含み構成されている。感光体ドラム1の周囲には、矢印12で示されるその回転方向に、帯電手段2、露光手段3、現像手段4、転写手段5及びクリーニング手段6がこの順序で配設されている。感光体ドラム1、帯電手段2、現像手段4及びクリーニング手段6は静電潜像ユニット7を形成している。同ユニットはユニットごと交換するプロセスカートリッジの形態を採りうる。
図1を用いて、画像形成工程の例を具体的に説明する。
コンピュータ(PC)からプリントすべきデータがプリンタに送られ、プリンタエンジンの方式に従った画像信号の形成が終了してプリント可能状態となると、記録媒体9が記録媒体カセットから搬送ベルト10に供給される。搬送ベルト10は矢印13の方向に駆動して、供給された記録媒体をトナー像形成部8に順に搬送する。
記録媒体9が搬送されるタイミングでY、M、C及びK各色の画像信号が各色担当のレーザスキャナ3に送られ、感光ドラム1上に静電潜像が形成される。
静電画像はドラム上にて現像器4によりトナーで現像される。
現像されたトナー像は転写ローラ5で記録媒体9上に転写される。図1の装置においてはY、M、C、Kのトナー像の順に転写されて、カラーのトナー像が記録媒体上に形成される。
カラーのトナー像が形成された記録媒体9は搬送ベルト10から分離され、定着器10に送られる。記録媒体上のカラーのトナー像は同定着器により加熱されて記録媒体上に定着し、カラー画像となる。
カラー画像が形成された記録媒体9は装置の外部へ排出される。
しかしながら、上述のような、複数のトナー像形成部を用いて一つの画像を形成するカラー画像形成装置においては、機械精度の不足等により、トナー像形成部の露光位置及び転写位置の誤差や感光体ドラムの回転むらが生じ易い。そのため、重ね合わせた画像が一致せず色ずれを生じる。
副走査方向の色ずれには、用紙内でずれ量が一定の定常的な色ずれと、ずれ量が周期的に変動する非定常な色ずれとがある。
定常的な色ずれに対しては、各色毎の色ずれ検出用パターンを搬送ベルト上に形成し、搬送ベルト上の、トナー像形成部よりも下流の位置に設けられた光センサ11でパターンのずれ量を検出し、それに基づいて各種調整を実施している。
非定常な色ずれ、特に搬送用無端ベルトの回転むらに起因するものに対しては、感光体ドラムや搬送ベルトの速度をモニタし、一定になるようにモータ等の駆動源を制御するものがある。たとえば、従来の搬送用無端ベルト上に一定の間隔でマークを形成しておいて、マークの速度を光学的反射センサで検出し、マークの速度が一定になるように制御する方法がある。
このような一定の間隔でマークを形成した画像形成装置用無端ベルトとしては、内周面にスケールを形成した無端ベルト(特許文献1)、無端ベルト上にスケールと保護層を配置した無端ベルト(特許文献2)、多層からなる無端ベルトにおいて表面層内または表面層下にマークが埋め込まれた無端ベルト(特許文献3)、そして、光沢の違いを利用したマークを無端ベルト表面上に形成した無端ベルト(特許文献4)がある。
特開平11-24507号公報 特開2004-99248号公報 特開平11-316506号公報 特開2005-70592号公報
スケールを無端ベルト内周面に配置する特許文献1の方法では、無端ベルトを中間転写体として使用する場合の画像形成面そして搬送ベルトとして使用する場合の記録媒体搬送面であるところの、ベルト外周面の速度を検出することができない。とりわけ、無端ベルトが樹脂組成物やゴム組成物といった弾性体で形成されている場合には、無端ベルト自身の伸び等の影響で、無端ベルト内周面にて検出した速度と無端ベルト外周面にて検出した速度とは一致せず、色ずれ補正ができない。
無端ベルトとは異なる部材を速度検出用マーク、スケールや保護層として使用する特許文献2及び3の方法では、マーク等が形成された部分とその他の部分とは電気特性が異なり、それ故両部分間で転写性が異なってしまう。そこで、速度検出用マークを、中間転写体としての無端ベルトのうちのトナー像を形成する領域すなわち画像形成領域以外の部分そして搬送ベルトとしての無端ベルトのうちの記録媒体を乗せて搬送する領域すなわち記録媒体搬送領域以外の部分、といった無端ベルトの幅方向の端部に配置せざるを得ない。無端ベルトの部分的な伸び等を考慮すると、そのような無端ベルト端部で検出した速度は本来の速度とは異なることになり、色ずれ補正ができない。
特許文献4の方法では、速度検出用マークは無端ベルトと同一組成物からなるので、中間転写体として使用する場合の画像形成領域及び搬送ベルトとして使用する場合の記録媒体搬送領域の速度を検出することが可能である。しかし、同一部材で光沢の違いを実現する為には、速度検出用マーク部分とそれ以外の部分との粗さを異ならせる必要があり、その結果、長期に亙って使用した時の無端ベルト表面におけるゴミ等の付着性に差が出る畏れがある。
前記課題を解決する為の本発明は、
(1) 基層と光透過性材料からなる表面層とが積層され、基層の、表面層に隣接する面で且つ画像形成領域内の表面に、ベルト駆動方向へ一定間隔でマークが配置されていることを特徴とする画像形成装置用無端ベルト、
(2) 基層と光透過性材料からなる表面層とが積層され、基層の、表面層に隣接する面で且つ記録媒体搬送領域内の表面に、ベルト駆動方向へ一定間隔でのマークが配置されていることを特徴とする画像形成装置用無端ベルト、
(3) 表面層の表面粗さのばらつきが±10以内であることを特徴とする上記(1)または(2)の画像形成装置用無端ベルト、
(4) 前記マークが、基層表面の一定のピッチからなる反射率の違いによることを特徴とする上記(1)乃至(3)の画像形成装置用無端ベルト、そして
(5) 反射率の違いが、基層の表面粗さが異なることにより形成されることを特徴とする上記(4)の画像形成装置用無端ベルト
である。
本発明の画像形成装置用無端ベルトにおいては、無端ベルト回転駆動時の画像形成領域または記録媒体搬送領域での速度検出が可能であり、しかも長期に渡って安定的に検出することが可能である。その結果、高精度な色ずれ補正が可能となる。すなわち、本発明の無端ベルトを画像形成装置の搬送ベルトや中間転写ベルトに使用すれば、高精度な画像を得ることが可能となる。
本発明の画像形成装置用無端ベルトについて、以下に詳細に説明する。
図2は本発明の画像形成装置用無端ベルト20の回転駆動方向での概略部分断面図である。21は光透過性材料からなる表面層で、22は基層である。基層の表面には一定の間隔で速度検出用マーク23が配置されている。基層の表面のうち速度検出用マークが配置されている箇所は、中間転写ベルトとして用いる場合の画像形成領域にそして搬送ベルトとして用いる場合の記録媒体搬送領域に対応した表面内に位置している。
図3に、中間転写ベルトとしての本発明の画像形成装置用無端ベルト30の模式図を示す。画像形成領域は、矢印35にて示したように、両端を少し除外したベルト幅の相当部分に亙っている。速度検出用マーク23は、この画像形成領域に該当するベルト幅内の基層表面に形成される。搬送ベルトの場合も同様に、マークは記録媒体搬送領域に該当するベルト幅内の基層表面に形成される。
本発明における速度検出用マークは、マークの周辺部と反射率に差異ができるものであればよい。使用する光学的反射センサーの光源波長において反射率の差異が1.5%以上であれば、反射光に関してマークとその周辺部との間で充分なS/N比を得ることができる。差異を設けるには、例えば、基層のうち速度検出用マークを形成することにしている箇所を構成している部材内に着色剤を追加添加したり、同箇所の表面の粗さをその周辺部と異ならしめる方法がある。表面の粗さを異ならしめるには、表面層の表面粗さに影響を与えないようにする。速度検出用マーク上方の表面層の表面粗さとマークの周辺部上方の表面層の表面粗さとに差があると、規則的な画像斑を発生し、中間転写ベルトとして使用できないからである。マーク箇所とその周辺部のうちの一方の表面粗さを0.20μm以上1.00μm未満、他方のを0.05μm以上0.20μm未満にすることが望ましい。
また、表面層の表面粗さのばらつきが±10%以内であることが望ましい。±10%を超えると、転写斑の発生が確認され、中間転写ベルトとして使用することができない。
基層を構成する材料としては、画像形成装置用無端ベルトとしての機械的強度、耐屈曲性を有する樹脂が好ましい。具体的には、ポリアミド、ポリアセタール、ポリアリレート、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリスルフォン、ポリエーテルスルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリブチレンテレフタレート、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフッ化ビニリデン、エチレンテトラフルオロエチレン共重合体、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ポリフッ化ビニル、アクリル、アクリル酸アルキルエステル共重合体、ポリエーテルエステル共重合体、ポリエーテルアミド共重合体、ポリウレタン共重合体、ポリイミド、ポリアミドイミド等である。ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリフッ化ビニリデン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリイミドが好ましい。これら樹脂のうち一種またはこれらの混合物からなるものを用いることができる。
基層に導電性を付与するために、導電性物質を添加することができる。導電性物質としては、カーボンブラック粒子、カーボンファイバーやカーボンナノチューブなどカーボン系の無機系導電粉末若しくは繊維、金属酸化物、そして、四級アンモニウム塩、ポリエーテルエステルアミド等のイオン導電性ポリマが挙げられる。抵抗変動を抑制する点からはカーボンブラック粒子が、抵抗を均一にする点からはイオン導電性ポリマーが好ましい。
基層には更に、酸化防止剤、熱安定剤、熱老化防止剤、耐侯剤、可塑剤、結晶核剤、流動性改良剤、紫外線吸収剤、滑剤、離型剤、染料、顔料等の着色剤、難燃剤、難燃助剤など、通常の添加剤を添加することができる。
表面層を構成する光透過性材料としては、使用する速度検出用光学センサが感知する光が透過する材料が望ましい。また、耐屈曲性の高い材料が望ましい。具体的には、ウレタン系樹脂、アルキド系樹脂、アクリル系樹脂、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂などがあげられる。表面層の厚みは、耐屈曲性が高いことおよび光透過率が高いことが望まれることから、1乃至20μmが望ましい。更に、感光体や像担時体等の他部材と摺擦することを考慮すると、膜厚1乃至5μmの高硬度を有するアクリル系樹脂であることが特に好ましい。このようなアクリル系樹脂は、アクリルモノマ(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等)やアクリル樹脂のプレポリマなどを硬化させることによって得ることができる。
表面層に導電性を付与するために、導電性物質を添加できる。導電性物質としては、カーボンブラック粒子、カーボンファイバ、カーボンナノチューブなどカーボン系の無機系導電粉末若しくは繊維、金属酸化物、そして、四級アンモニウム塩、ポリエーテルエステルアミド等のイオン導電性ポリマが挙げられる。表面層の透過性を維持及び向上させる為には、金属酸化物及び四級アンモニウム塩が望ましい。
表面層には更に、酸化防止剤、熱安定剤、熱老化防止剤、耐侯剤、可塑剤、結晶核剤、流動性改良剤、紫外線吸収剤、滑剤、離型剤、染料、顔料等の着色剤、難燃剤、難燃助剤など、通常の添加剤を添加することができる。
本発明の画像形成装置用無端ベルトを中間転写ベルトとして画像形成装置に使用する例を、図4を用いて以下に説明する。
図4は、本発明の中間転写ベルト30を使用したフルカラー画像形成装置400の模式断面図である。中間転写ベルト30は4本のプーリ407、408、409及び410で張架され、矢印13の方向に一定速度で回転駆動される。中間転写ベルト上には、Y、M、C及びK各色のトナー像を形成する4つのトナー像形成部8が配置されている。各トナー像形成部は、露光手段3、静電潜像ユニット7及び一次転写ローラ405を含み構成されている。一次転写ローラ405は、中間転写ベルト30を挟んで静電潜像ユニット7と対向する位置に配置されている。
静電潜像ユニット7を構成する感光体ドラム1上で顕像化されたトナー像は、一次転写ローラ405で印加された転写バイアスにより中間転写ベルト30に転写される。この転写を「一次転写」と称する。中間転写ベルト30の回転と共に、同期をとりながら4色のトナー像がトナー像形成部からベルトへ順に転写される。
記録紙などの記録媒体9は、中間転写ベルト上の、四番目のトナー像形成部の位置よりも下流となる位置に供給される。同位置には二次転写ローラ412が配置されている。ベルト上のトナー像の記録媒体への転写が生じるところの、中間転写ベルト30と二次転写ローラ412とで形成されている間隙及びその近傍を、二次転写部と称することにする。二次転写部は、図4に示すようにプーリ410と二次転写ローラ412とのニップを含み構成されていることが望ましい。中間転写ベルト30上のトナー像の直前の非画像部が二次転写部に到達すると二次転写ローラ412にトナーと反対極性の電圧が印加される。記録媒体が図4の矢印Vfの方向で二次転写部を通過する際に中間転写ベルト30上の4色のトナー像が、記録媒体9上に一括して転写される。この転写を「二次転写」と称する。二次転写が行われた記録媒体9は、図示しない定着ユニットにて定着処理されて、カラー画像となる。
一方、二次転写されずに中間転写ベルト30上に残ったトナーは、プーリ408が配置されているベルト表面に任意のタイミングで当接するクリーニングブレード414により掻き取られ、廃トナーボックス415に回収される。斯くして中間転写ベルト30の表面は初期状態に回復する。
光学的反射センサ450は4つのトナー像形成部よりも下流に配置されており、本発明の無端ベルト30上の速度検知マークを常時検出する。その検出に基づき、無端ベルトの回転速度を制御する。
なお、この速度検出用マーク読み取り用の光学的反射センサ450は、図1に参照番号11で示した定常的色ずれ補正用検出パターン読み取り用の光センサと共通のものを用いることが可能である。この共通化は、画像形成領域内に速度検出用マークを配置しているという本発明の構成に基づくものであり、本発明は斯様に装置の低コスト化に貢献する。
以下に実施例および比較例を用いて本発明に関してより詳細に説明する。実施例は、本発明者らが本発明に関して最良の結果がもたらされたと考えた具体的な態様について記載したものであり、本発明がこれらの具体的な態様にのみ限定されるものではない。
まず、表面層の膜厚、基層の速度検出用マークおよびその周辺部及び表面層の表面粗さ、及び、マーク及びその周辺部の反射率の各測定方法を以下に示す。
(表面層の膜厚の測定方法)
画像形成装置用無端ベルトを5×5mm角に切り出して試料とした。試料を常温硬化型アクリルに埋め込み、断面方向を研磨した。研磨後の試料を走査型電子顕微鏡(日本電子社製JSM-6300)を用いて観察することにより、試料の表面層の厚みを測定した。
膜厚測定の為の観察数は、無端ベルト1つにつき10箇所とし、その平均値をベルトの表面層の膜厚とした。
(表面粗さの測定方法)
基層表面の速度検出用マークおよびその周辺部、そして表面層の表面の粗さをJIS B 0651(2001)に準拠する方法で測定した。すなわち、東京精密社製のサーフコム2800Eを用いて、各測定対象の任意の位置を先端プローブ2μmRのダイヤモンド先端子で、画像形成装置用無端ベルトの主走査方向に測定長5mm、測定速度0.6mm/sにて測定し、表面粗さを算出した。
サンプル数は、速度検出用マーク、その周辺部及び表面層表面の、各測定対象につき10箇所ずつとし、その平均値を表面粗さとし、平均値からの各測定値の差の最大値を平均値からのばらつきとして算出した。
(反射率の測定方法)
分光光度測定器(日立製作所社製U4000)を用いて、基層表面の速度検出用マークおよびその周辺部各10箇所における入射角12°、波長領域830乃至870nmでの正反射率を測定しその平均値を算出して反射率とした。
〔実施例1〕
ポリフッ化ビニリデン樹脂(呉羽化学工業社製、商品名:KFポリマー)に、導電性を付与する為、抵抗調整剤アセチレンブラック(電気化学工業社製、商品名:デンカブラック粉状体)を8質量%およびアルキル四級アンモニウム硫酸塩(CH)NHSOを含む化合物(広栄化学工業社製)を10質量%添加し、二軸スクリュー混練押出し機を用いて窒素ガス雰囲気下で混練を行い、樹脂組成物のペレットを得た。このペレットを窒素ガス雰囲気下で乾燥した。乾燥した樹脂組成物ペレットをシート押出し装置に供給し、溶融−引取り押出しすることにより、膜厚50μmのシートを基層の素材として得た。この素材シートを、特開2002−326287号公報の実施例1に記載された方法により無端ベルト状基層に成形した。その工程を図5を用いて以下に詳述する。
肉厚15mmのアルミニウム材を外径300.00mm、内径270.00mm、長さ350mm、熱膨張係数2.40×10−5(/℃)の中空の円柱にした、円柱部材52を用意した。
上述の基層の素材シートを縦1890mm×横330mmの矩形に切断してシート51とし、円柱部材52の外周面に2周巻き付けた。
一方、作成しようとする無端ベルトの外周面の金型として、外径320.00mm、内径300.78mm、長さ350mm、熱膨張係数1.20×10−5(/℃)の円筒形ステンレス鋼管を用意した。鋼管の内周面のうち画像形成領域または記録媒体搬送領域に対応する部分に、周方向の長さが2mm、幅方向の長さが5mm、表面粗さが0.06μmの領域(以下「マーク金型領域」と言う)を周方向に3mmのピッチで形成配置し、一方、マーク金型領域以外の領域の表面粗さは0.7μmにした。そして内周面全面にシート51との離型性を考慮してニッケルメッキコートを施して、管状型部材53とした。マーク金型領域に接して成形された無端ベルト外面の箇所が速度検出用マークとなる。
シート51が巻き付けられた円柱部材52を管状型部材53の中空部内に挿入して、図5に示すような、円柱部材52およびシート51および管状型部材53から成る構造体50とした。
構造体50を200℃に加熱された炉内に挿入配置し、シート51、円柱部材52、管状型部材53を190℃となるよう加熱した。加熱によりシート51は軟化し、円柱部材52と管状型部材53はそれぞれの熱膨張係数に応じて膨張した。熱膨張係数の違いにより両部材の隙間は非加熱時より狭まり、軟化したシート51は巻き始め部分54及び巻き終わり部分55の段差が潰れて溶着した。
加熱後、シート51を環状型部材53及び円柱部材52から剥離して、厚み100μmの無端ベルト状基層を得た。
得られた無端ベルト状基層の、速度検出用マークの表面粗さは0.10μm、反射率は5.2%であり、その周辺部分の表面粗さは0.80μm、反射率は3.7%であった。
導電剤としてのアンチモン酸亜鉛のイオプロピルアルコールゾル(商品名:セルナックスCX-Z403M (日産化学製))10重量部に、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートを含有するアクリル系紫外線硬化型コート材料(商品名:デソライトZ6817B (JSR製))を50重量部混合し、そこへメチルイソブチルケトンを40重量部添加して、表面層を形成するための材料液を調製した。同材料液をデップコート法により無端ベルト状基層の外周面に均一塗布し紫外線を照射して表面層を形成した。表面層の膜厚は1.5μmで、表面粗さのばらつきは8%であった。
斯くして、速度検出用マーク23を有する画像成形装置用無端ベルトを得た。
得られた画像形成装置用無端ベルトを、中間転写ベルト30として、図4に示された構造を有するフルカラー画像形成装置400にセットした。同装置の光学的反射センサ450には中心波長850nmのLEDを光源としたものを採用した。中間転写ベルト30を回転駆動したところ、光学的反射センサ450に入光してくる光量は速度検出用マークでは大きく、それ以外の部分では小さかった。その結果、速度検出用マークの時間当りの検出個数をカウントできた。その情報を基に、中間転写ベルト30の画像形成領域での速度を算出して中間転写ベルト駆動源を制御することにより、中間転写ベルト30の速度を一定に保つことが可能となった。
〔実施例2〕
マーク型領域の表面粗さが0.85μmであり且つマーク金型領域以外の内周面の表面粗さが0.03μmである管状型部材53を用いた他は実施例1と同じ方法で画像形成装置用無端ベルトを作成した。基層の速度検出用マークの表面粗さは0.90μm、反射率は3.6%であり、その周辺部分の表面粗さは0.05μm、反射率は5.5%であった。
表面層の膜厚は1.2μmで、表面粗さのばらつきは9%であった。
本実施例の画像形成装置用無端ベルトを、図1に示された構造を有するフルカラー画像形成装置100にその搬送ベルト10としてセットした。
同装置の、定常的色ずれ補正用検出パターン読み取り用の光センサ11には、中心波長850nmのLEDを光源としたものを、速度検出用マーク読み取り用の光学的反射センサを兼ねる光センサとして、使用した。ベルト10を回転駆動したところ、光センサに入光してくる光量は速度検出用マークでは小さく、それ以外の部分では大きかった。その結果、速度検出用マークの時間当り検出個数をカウントできた。その情報を基に、搬送ベルト10の記録媒体搬送領域での速度を算出して搬送ベルト駆動源を制御することにより、搬送ベルト10の速度を一定に保つことが可能となった。
〔比較例1〕
マーク型領域の表面粗さが0.06μmであり、マーク型領域以外の内周面の表面粗さが1.30μmである管状型部材53を用いた他は実施例1と同じ方法で画像形成装置用無端ベルトを作成した。基層の速度検出用マークの表面粗さは0.10μm、反射率は5.2%であり、それ以外の周辺部分の表面粗さは1.31μm、反射率は3.1%であった。
表面層の膜厚は2.0μmで、表面粗さのばらつきは23%であった。
本比較例の画像形成装置用無端ベルトを、中間転写ベルト30として、実施例1にて用いたのと同じ仕様のフルカラー画像形成装置にセットした。セットした中間転写ベルト30を回転駆動をしたところ、光学的反射センサ450に入光してくる光量は速度検出用マークでは大きく、それ以外の部分では小さかった。その結果、速度検出用マークの時間当りの検出個数をカウントできた。その情報を基に、中間転写ベルト30の画像領域での速度を算出して中間転写ベルト駆動源を制御することにより、中間転写ベルト30の速度を一定に保つことが可能となった。しかしながら、本比較例の中間転写ベルトを用いて記録媒体9としての記録紙に画像を描くと、画像中に速度検出用マークの跡が確認された。これは、本比較例の中間転写ベルトの速度検出用マーク及びその周辺部の上方に位置するそれぞれの表面層部分の表面粗さが互いに大きく異なっており、そのため感光体から中間転写ベルトへのおよび中間転写ベルトから記録紙へのトナー像の転写性が速度検出用マーク上方の像部分とその周辺部上方の像部分とで異なっていることが原因と推定される。
本比較例のように表面層の表面粗さのばらつきが大きいと、画像形成装置の中間転写ベルトとして使用することは困難である。
以下の表1に、実施例及び比較例の結果をまとめる。
Figure 2007304244
無端ベルトを搬送ベルトに使用した電子写真プロセスを説明する、カラー画像形成装置の模式断面図である。 本発明の画像形成装置用無端ベルトの概略断面図である。 画像形成領域を説明する、本発明の画像形成装置用無端ベルトの概略図である。 無端ベルトを中間転写ベルトに使用した電子写真プロセスを説明する、カラー画像形成装置の模式断面図である。 基層の製造方法を説明する図である。
符号の説明
1…感光体ドラム
2…帯電手段
3…露光手段
4…現像手段
5…転写手段
6…クリーニング手段
7…静電潜像ユニット
8…トナー像形成部
9…記録媒体
10…無端ベルト
11…光センサ
12…感光体ドラムの回転方向
13…無端ベルトの回転駆動方向
16…定着器
20…画像形成装置用無端ベルト
21…表面層
22…基層
23…速度検出用マーク
30…中間転写ベルト
35…画像形成領域
50…構造体
51…シート
52…円柱部材
53…管状型部材
54…巻き始め部分
55…巻き終わり部分
400…画像成形装置
407…プーリ
408…プーリ
409…プーリ
410…プーリ
412…二次転写ローラ
414…クリーニングブレード
415…廃トナーボックス

Claims (5)

  1. 基層と光透過性材料からなる表面層とが積層され、基層の、表面層に隣接する面で且つ画像形成領域内の表面に、ベルト駆動方向へ一定間隔でマークが配置されていることを特徴とする画像形成装置用無端ベルト。
  2. 基層と光透過性材料からなる表面層とが積層され、基層の、表面層に隣接する面で且つ記録媒体搬送領域内の表面に、ベルト駆動方向へ一定間隔でのマークが配置されていることを特徴とする画像形成装置用無端ベルト。
  3. 表面層の表面粗さのばらつきが±10%以内であることを特徴とする請求項1、2に記載の画像形成装置用無端ベルト。
  4. 前記マークが、基層表面の一定のピッチからなる反射率の違いによることを特徴とする請求項1乃至3に記載の画像形成装置用無端ベルト。
  5. 反射率の違いが、前記基層の表面粗さが異なることにより形成されることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置用無端ベルト。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009186495A (ja) * 2008-02-01 2009-08-20 Ricoh Co Ltd 画像形成装置
JP2011028090A (ja) * 2009-07-28 2011-02-10 Canon Inc 転写ベルト及び画像形成装置
JP2018092138A (ja) * 2016-11-28 2018-06-14 株式会社沖データ ベルトユニット、転写ユニットおよび画像形成装置

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