JP2007303997A - 標的物質検出用材料、標的物質検出用素子及び標的物質の検出方法 - Google Patents

標的物質検出用材料、標的物質検出用素子及び標的物質の検出方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 標的物質検出の際に、感度を低下させることなく、反応効率の向上を可能とする。
【解決手段】 検体中の標的物質を検出するための標的物質検出用材料であって、局在表面プラズモン共鳴を生じる金属粒子と、該金属粒子と結合している外部刺激によって収縮する部位と、該外部刺激によって収縮する部位と結合している標的物質を捕捉する捕捉部位と、を有し、外部刺激によって前記金属粒子と前記捕捉部位の距離が変化することをすることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、検体中の標的物質を検出するための標的物質検出用材料、標的物質検出用素子及び標的物質の検出方法に関する。
金属微粒子を基板表面に固定化し、そこに誘起される局在表面プラズモン共鳴(局在プラズモン共鳴ともいう)を利用して金属微粒子近傍の物質を検出する測定法が知られている。
金や銀などの金属微粒子に光を入射すると、局在表面プラズモン共鳴により特徴的な共鳴スペクトルが現れる。その共鳴波長は金属微粒子近傍の媒質の誘電率に依存することが知られている。その誘電率が大きくなるに従い、共鳴ピークの吸光度は大きくなり、長波長側へシフトするようになる。例えば、岡本らは、直径約20nmの金コロイドを用いた系を提案している(特許文献1)。これは、基板に固定した金属微粒子の直径程度の距離までにある媒質の屈折率を検出するようにしたものであり、その結果、金属微粒子表面への物質(抗原抗体反応における抗原など)の吸着や堆積を検出することができる。
一方、本発明が応用可能であるバイオセンサは、生体を構成する要素(細胞や分子など)の持つ分子認識能を巧みに利用して、タンパク質、酵素、DNAといった生体関連物質などの化学物質を計測するセンサである。生体内には、互いに親和性のある物質の組み合わせがあり、バイオセンサはこれらの組み合わせの一方を基材に固定もしくは担持し、用いることによって、もう一方の物質を選択的に計測できるという原理を利用している。例えば、酵素は特定の分子を認識し、かつ特定の反応だけを触媒する作用を持つ。バイオセンサは、主として医療分野における利用を念頭において研究・開発されているが、近年、医療分野のみならず、環境分野や食料品分野などへの幅広い応用が期待されている。
特許第3452827号公報
局在表面プラズモン共鳴を利用した測定法は、蛍光色素などの標識分子が必要でないため実験操作が簡単であること、また、金属微粒子表面への吸着反応の過程を直接リアルタイム・モニタリングできること、などの特長を有しており、各種のアッセイへの適用が期待されている。一方、参考文献Expert Rev.Mol.Diagn,4(4),527−537(2004)によると、局在表面プラズモン共鳴を利用した測定法では、金属微粒子及び金属微小構造体から離れるにつれ感度が指数関数的に減少することが知られている。すなわち、できるだけ感度の高い金属微粒子及び金属微小構造体の近傍付近で反応を行うことが必要となる。
一方、特許文献1に示されたように、金属微粒子に直接、抗体などの捕捉部位を固定化させると、捕捉部位の自由度が小さくなるため、標的物質と捕捉部位との反応効率低下が懸念される。これを解決するため、リンカーを利用して金属微粒子と捕捉部位を結合させると、金属微粒子から捕捉部位が離れてしまうため、感度(捕捉した標的物質量に対する共鳴ピークの波長変化量)が低下してしまう。
本発明は、上記の背景技術における課題を解決するものであり、その目的は、局在表面プラズモン共鳴を利用した標的物質の検出における検出感度を低下させることなく、反応効率を向上させることのできる構成を有する標的物質検出用材料および素子、ならびに標的物質の検出方法を提供することにある。
本発明は、検体中の標的物質を検出するための標的物質検出用材料であって、
局在表面プラズモン共鳴を生じる金属粒子と、
該金属粒子と結合している外部刺激によって収縮する部位と、
該外部刺激によって収縮する部位と結合している標的物質を捕捉する捕捉部位と、を有し、
外部刺激によって前記金属粒子と前記捕捉部位の距離が変化することをすることを特徴とする標的物質検出用材料である。
また、本発明は、検体中の標的物質を検出するための標的物質検出用素子であって、
基板と、
該基板の表面に存在し、局在表面プラズモン共鳴を生じる金属構造体と、
該金属構造体と結合している外部刺激によって収縮する部位と、
該外部刺激によって収縮する部位と結合している標的物質を捕捉する捕捉部位と、を少なくとも有し、
外部刺激によって前記金属構造体と前記捕捉部位の距離が変化することをすることを特徴とする標的物質検出用素子である。
これらの標的物質検出用材料または標的物質検出用素子において、以下の態様が好ましい。まず、前記外部刺激によって収縮、可逆的に伸縮する部位であることが好ましい。また、前記外部刺激によって収縮する部位は、pHの変化あるいは温度の変化に応じて収縮する部位またはpHの変化あるいは温度の変化に応じて可逆的に伸縮する部位であることが好ましい。また、外部刺激によって収縮する部位は、ポリ(N−アクリルアミド)またはポリ(N−アクリルアミド)を含む共重合体であることが好ましい。特に、外部刺激によって収縮する部位は、ポリ(N−イソプロピルアクリルアミド)またはこれを含む共重合体であることが好ましい。
また、本発明は、検体中の標的物質の有無または検体中の標的物質の濃度を検出するための標的物質検出方法であって、
局在表面プラズモン共鳴を生じる金属粒子と、該金属粒子と結合している外部刺激によって収縮する部位と、該外部刺激によって収縮する部位と結合している標的物質を捕捉する捕捉部位と、を有し、外部刺激によって前記金属粒子と前記捕捉部位の距離が変化する標的物質検出用材料に、前記検体とを接触させる工程と、
外部刺激を与えて、前記外部刺激によって収縮する部位を収縮させる工程と、
前記材料に光を照射し、前記材料から出射する光の特性を検出することで、検体中の標的物質の有無あるいは検体中の標的物質の濃度を検出する工程と、
を少なくとも有することを特徴とする標的物質の検出方法である。なお、ここにいう「材料から出射する光」とは、材料に照射した光が当該材料によって影響を受けた後の光ということであり、当該材料近傍を通過することによって影響を受けた後の光を含む概念である。
かかる検出方法において、前記外部刺激によって収縮する部位として可逆的に伸縮する部位を用い、標的物質が含まれていない検体もしくは標的物質の濃度が既知の検体と接触させた状態で前記外部刺激によって収縮する部位を収縮させ、前記材料に光を照射し、前記材料から出射する光の特性を検出する工程をさらに有することが好ましい。
また、本発明は、検体中の標的物質の有無または検体中の標的物質の濃度を検出するための標的物質検出方法であって、
基板と、該基板の表面に存在し、局在表面プラズモン共鳴を生じる金属構造体と、該金属構造体と結合している外部刺激によって収縮する部位と、該外部刺激によって収縮する部位と結合している標的物質を捕捉する捕捉部位と、を少なくとも有し、外部刺激によって前記金属構造体と前記捕捉部位の距離が変化する標的物質検出用素子のいずれかに、前記検体とを接触させる工程と、
外部刺激を与えて、前記外部刺激によって収縮する部位を収縮させる工程と、
前記素子に光を照射し、前記前記素子から出射する光の特性を検出することで、検体中の標的物質の有無あるいは検体中の標的物質の濃度を検出する工程と、
を少なくとも有することを特徴とする標的物質の検出方法である。
かかる検出方法において、前記外部刺激によって収縮する部位として可逆的に伸縮する部位を用い、標的物質が含まれていない検体もしくは標的物質の濃度が既知の検体と接触させた状態で前記外部刺激によって収縮する部位を収縮させ、前記材料に光を照射し、前記材料から出射する光の特性を検出する工程をさらに有することが好ましい。
本発明によれば、標的物質との接触の際には捕捉部位の活性を保つことが可能となり、また、標的物質検出の際には、感度が高い金属粒子または金属構造体近傍での測定を行うことができる。このように、感度を低下させることなく、反応効率の向上が可能となる。
以下、本発明を実施するための形態について説明する。なお、本発明は請求項によって特定されるものであって、以下の形態及び実施例に限定解釈されるものではない。たとえば、以下の形態及び実施例の材料、組成条件、反応条件等は、当業者が理解可能な範囲で自由に変更して本発明を実現することができる。
(標的物質検出用材料)
本発明にかかる標的物質検出用材料は、局在表面プラズモン共鳴を生じる金属微粒子と、標的物質の捕捉部位と、前記金属微粒子と標的物質の捕捉部位とをつなぐ外部刺激によって収縮する部位と、を少なくとも有している。この材料は、外部刺激で伸収縮する部位を利用することで、感度を低下させることなく、反応効率の向上させるものである。なお、後述するように、外部刺激によって収縮する部位は、外部刺激によって不可逆的に収縮する部位であっても良いが、外部刺激によって可逆的に伸縮(伸長及び収縮)する部位であることがより好ましい。したがって、以下の形態及び実施例においては、外部刺激によって伸縮する部位を用いた場合を中心に説明するが、特に断らない限り外部刺激によって不可逆的に収縮する部位を用いた場合であっても同様である。
図1は、本発明にかかる標的物質検出用材料の一形態を示す模式図である。図1においては、金属粒子4に外部刺激によって伸縮する部位3が結合しており、外部刺激によって伸縮する部位3に標的物質2を捕捉する捕捉部位1が結合している。
金属粒子に標的物質捕捉能を付与するためには、外部刺激によって伸縮する部位3の少なくとも一部が捕捉部位1と金属粒子4との間に存在するようにこれら1,3,4を結合させるのが好ましい。
ここで重要になるのは、外部刺激によって伸縮する部位3の少なくとも一部が金属微粒子4と捕捉部位1との間に存在しなければならないということである。図1に示すように、外部刺激によって伸縮する部位3の互いに異なる末端に金属微粒子4と捕捉部位1とを結合させる形態がもっとも理解しやすいであろう。一方、本発明の標的物質検出用材料における各要素の結合形態はこれに限られない。例えば、直鎖状の外部刺激によって伸縮する部位3の一端と金属微粒子4とを結合させ、外部刺激によって伸縮する部位3の端部ではない部分と捕捉部位1とを結合させることも可能である。また、外部刺激によって伸縮する部位3に複数の捕捉部位1を結合させる形態や、外部刺激によって伸縮する部位3としてデンドリマーなどの分岐状化合物を用いる形態も本発明の範囲に属する。
以下、標的物質検出用材料の構成要素である金属微粒子、標的物質を捕捉する捕捉部位、外部刺激によって収縮する部位について順に説明する。
(金属粒子)
金属粒子としては、局在表面プラズモン共鳴を生じる金属粒子であれば、本発明に好適に用いることができる。本発明に用いられる金属粒子は真球である必要はない。多面体などであってもよい。また、金属粒子は、金属コロイドや誘電体を核に有するコアシェル型金属粒子などであってもよい。本発明に用いられる金属粒子は一般的には金属微粒子と呼んでも良い大きさのものであり、その直径は10nm以上500nm以下であることが好ましい。金属粒子が真球でない場合、市販の粒径測定装置によって得られた粒径を直径とみなす。また、金属粒子の材料としては、金、銀、銅およびアルミニウムのいずれかの金属、もしくはそれらの元素の少なくとも一種を含む合金を好適に用いることができる。
(標的物質を捕捉する捕捉部位)
標的物質を捕捉する捕捉部位(以下、単に「捕捉部位」もしくは「標的物質捕捉部位」と表現する場合がある)としては、高分子化合物の三次元構造を利用して標的物質の形状、大きさなどを認識するもの、水素結合、配位結合、静電的相互作用、疎水場などを利用して標的物質を認識するもの、これらの構造、結合、作用などのうちのいくつかを複合的に利用して標的物質を認識するものなどが挙げられる。このように本発明及び本明細書中でいう「捕捉」は種々の相互作用を用いた物質認識一般を広く包含する概念である。捕捉される標的物質は、分子やイオンといった比較的小さいものだけではなく、分子の集合体や細胞などであってもよい。
より具体的な一例を挙げれば、標的物質捕捉部位として抗体を用いることが可能である。この場合においては抗原を認識し、抗体と抗原とからなる複合体を形成することができる。この他に複合体の例としては、酵素と基質の複合体、相補的な塩基対形成に基づくDNAのハイブリダイゼーションによって得られるDNAの2本鎖分子(ダブルストランドやダブルへリックスと呼ばれる構造体)、同様のハイブリダイゼーションによって得られるRNAの2本鎖分子、DNAとRNAからなる2本鎖分子などが挙げられる。これらの複合体の一方を他方の捕捉部位として利用することができる。なお、捕捉部位は標的物質に応じて適宜選択されるものであり、その選択にあたっては、生化学、錯体化学などに関する種々の教科書や文献を参考にすることができる。また、マウス、ラット、ウサギなどを用いて特定の抗原(標的物質)に対応する抗体を生産することによって捕捉部位を得ることも可能である。
(外部刺激によって収縮する部位)
外部刺激によって収縮する部位は、捕捉部位と金属粒子の距離を変化させる機能を有する。外部刺激によって収縮する部位としては、外部刺激によって可逆的に伸縮する部位が好ましい。外部刺激の例としては、pHの変化、温度の変化、溶媒組成の変化などのような環境的因子の変化が挙げられる。外部刺激によって可逆的に伸縮する部位は、ある外部刺激によって伸長し、他の外部刺激によって収縮する。この部位を伸長させる刺激と収縮させる刺激とを同一パラメータの逆向きの変化とすることが、制御性を高めるという観点からは好ましい。本発明の標的物質検出用材料を定性分析用の使い捨ての材料として用いる場合、収縮は不可逆的であってもよい。その場合、定性分析時に使用する標的物質検出材料または標的物質検出素子と同種の材料または素子を用いてリファレンスデータを取得すればよい。また、分析時に使用する標的物質検出材料または標的物質検出素子と同種の材料または素子を用いて検量線の作成を行うことによって、定量分析も可能である。もっとも、より正確性を必要とする定量分析においては、完全に同一の材料や素子でリファレンスデータを取得することが望ましい。その場合、外部刺激によって伸長、収縮の両方が可能であることが好ましい。使い勝手が良いという観点からは、外部刺激によって収縮する部位は、外部刺激によって可逆的に伸縮する部位であることが好ましい。
外部刺激によって収縮する部位としては、前述した機能を有するものであればいかなるものも使用可能である。もっとも、簡単に金属粒子に結合させることができるという観点から、高分子化合物(より厳密に言えば、外部刺激によって収縮する部位は高分子化合物に由来する2価の基であるが、本発明及び本明細書中では、単に高分子化合物という。)を使用することが好ましい。このような高分子化合物としては、一般に刺激応答性ポリマーと呼ばれる高分子化合物を好適に用いることができる。その中でも、N置換アクリルアミド誘導体の重合体であるポリ(N−アクリルアミド)あるいはポリ(N−アクリルアミド)を含む共重合体は、pH、温度で伸縮を制御できるため、特に好ましい材料の例である。例えば、ポリ(N−イソプロピルアクリルアミド)(以下、「poly−NIPAM」と略す場合がある。)は、分子内に親水性基のアミド基と、疎水性基のイソプロピル基の両方を持つモノマーの重合体であり、温度上昇に伴い疎水性が急激に増大するために水と相分離を起こす。このpoly−NIPAMの下限臨界共溶温度(Lower Critical Solution Temperature:LCST)は32℃付近にあり、それ以上の温度では水に難溶性、それ以下では水溶性になる。したがって、poly−NIPAMを用いれば、生体が耐えうる温度で溶解性を変化させることが可能である。それにともなって、poly−NIPAMの伸長あるいは収縮が生じ、捕捉部位と金属粒子とを遠ざけたり、近づけたりすることが可能となる。
また、複数セグメント鎖からなる共重合体を用いることで、下限臨界共溶温度などを任意に制御することも可能である。例えば、NIPAMとアクリル酸を共重合させたpoly(NIPAM−γ−アクリル酸)を用いれば、好適なバイオセンサが得られるし、本発明においても好ましい。なぜならば、このような共重合体はpoly−NIPAMの下限臨界共溶温度の32℃よりも高い共溶温度を有し、生体の温度に近い温度での測定が可能となるからである。
ただし、これら以外の物質を用いることも可能であり、種々の観点から材料の選択をなしうることはいうまでもない。たとえば、外部刺激によって収縮する部位としては、標的物質の種類、標的物質の溶媒の種類、捕捉部位の種類、反応系の温度やpHなど、に応じて、適切なものを選択することができる。なお、pHの変化に応じて伸縮する材料としては、たとえば、Nanosensors Based on Responsive Polymer Brushes and Gold Nanoparticle Enhanced Transmission Surface Plasmon Resonance Spectroscopy(J.AM.CHEM.SOC,2004, 126,15950−15951) に記載の材料を挙げることができる。
(標的物質検出用素子)
本発明にかかる標的物質検出用素子は、基板と、基板の表面存在し、局在表面プラズモン共鳴を生じる金属構造体と、該金属構造体と結合している外部刺激によって収縮する部位と、該外部刺激によって収縮する部位と結合している標的物質を捕捉する捕捉部位と、を少なくとも有して構成される。本発明の素子では、外部刺激によって収縮する部位(好ましくは外部刺激によって伸縮する部位)に外部刺激を与えることによって、前記金属構造体と前記捕捉部位の距離を変化させることができる。それにより、高感度と高反応効率とを両立させることができる。
なお、局在表面プラズモン共鳴を生じる金属構造体が基板の表面に存在する状態としては、略平滑な基板表面に金属構造体が存在するのが一般的である。もっとも、凹凸表面の凹部表面や基板に設けられた孔の側壁表面に金属構造体が存在する場合なども、基板表面に金属構造体が存在する例であって、本発明の範囲内である。
本発明の標的物質検出用素子の例を図2、図3に示す。
図2に示す例は、基板5上に前述した標的物質検出用材料が存在する例である。
より具体的には、金属粒子からなる金属構造体6に外部刺激によって伸縮する部位3が結合し、外部刺激によって伸縮する部位3に捕捉部位1が結合したもの(標的物質検出用材料)が基板5上に存在する。
また、図3に示す例では、基板5上にパターニングされた金属膜からなる金属構造体6が存在し、金属構造体6に外部刺激によって伸縮する部位3が結合し、外部刺激によって伸縮する部位3に捕捉部位1が結合している。
いずれの例においても、図示してはいないが、基板5の金属構造体6側の上には検体やそれに代わる液体が供給されるようになっている。例えば、検体などを保持するための容器や、流路を設けることが好ましい。
本発明の標的物質検出用素子において、標的物質を捕捉する捕捉部位、外部刺激によって収縮する部位は、標的物質検出用材料の構成要素として述べたものと同様であるので、説明を省略し、以下、基板、金属構造体、標的物質検出用素子の作成方法について説明する。
(基板)
本発明における基板としては、後に説明する金属構造体を担持することが出来れば、形状、材質など任意のものを用いることができる。例えば、樹脂、ガラス、シリコン等の無機材料、金属、金属酸化物などの一般的な基板を用いることが可能となる。ただし、後に説明する検出方法において、透過光を利用する場合は、基板は、入射光および検出を行う光の波長において光学的に透明であることが好ましい。その場合、好ましい透過率の範囲は80%以上100%以下である。透過率の観点で好ましい基板の例としては、ガラス基板、石英基板、ポリカーボネートやポリスチレンなどの樹脂基板やITO(インジウム錫酸化物)付き基板などが挙げられる。また、金属構造体を強固に担持するために、基板表面にアミノ基やチオール基といった金属と親和性の高い官能基が形成されていることが好ましい。
(金属構造体)
本発明における金属構造体とは、基板の表面に存在し、局在表面プラズモン共鳴を生じるものである。なお、本発明及び本明細書中において、金属構造体は、前述する金属粒子であっても良いし、基板の上にパターニングによって作製された金属構造体であっても良い。金属構造体の材料としては、金、銀、銅およびアルミニウムのいずれかの金属、もしくはそれらの元素の少なくとも一種を含む合金を好適に用いることができる。
金属構造体の形状の例としては、球形、略球形といった多面でない形状、球形状あるいは略球形状の一部を切り取った形状、円柱、多角柱、円錐、角錐、厚さを持ったリング形状、厚さを持った井型や田型形状などの種々の多面体形状などが挙げられる。製法に着目して述べれば、本発明の金属構造体うちいくつかの例は金属パターンも呼びうる。なお、金属構造体を基板上に種々の成膜法を用いて作成する場合、その大きさは粒径測定装置で測定することは困難である。このような場合の金属構造体の好ましい大きさは以下のとおりである。まず、好ましい厚さ(基板面と垂直な方向の平均の厚さ)は、10nm以上100nm以下である。また、大きさ(基材の金属構造体被形成面と平行な平面での金属構造体における任意の2点間の距離の最大値)は、10nm以上1450nm以下であることが好ましく、50nm以上450nm以下であることがより好ましい。
金属構造体同士の間隔(隣り合う金属構造体間の最短距離)は、好ましくは50nm以上2μm以下、より好ましくは150nm以上1μmである。間隔が狭すぎると、各金属構造体が有するプラズモン同士が相互作用し、空間的な電場の分布・強度に影響を及ぼしてしまう。その結果、センサー感度が低下してしまう可能性がある。また、間隔が広すぎると、金属構造体の密度が低いことにより信号強度が弱くなるため、感度を高くするためには特殊な光学系が必要となってしまう。
また、基板と金属構造体との間の接着力を高めるという観点から、基板と金属構造体との間にクロム、チタンなどからなる膜を設けても良い。前述したようなアミノ基やチオール基といった金属と親和性の高い官能基と併用する場合には、クロム、チタンなどからなる膜は当該官能基上に設ける。
(標的物質検出用素子の作製方法)
本発明にかかる標的物質検出素子の製造方法の一例を図4に示す。
図4に示す例では、基板5上に金属構造体6を形成し、金属構造体6上に外部刺激によって伸縮する部位3を形成し、外部刺激によって伸縮する部位3の金属構造体6と接していない端部に捕捉部位1を結合させている。
金属構造体6を形成するにあたっては、基板5上の所定の位置に金属粒子を配置しても良いし、基板5上に金属膜バターンを形成しても良い。基板5上に金属膜パターンを形成するにあたっては、基板5上に金属膜を形成した後にパターニングを行っても良いし、インクジェット法、ディスペンス法、マイクロコンタクトプリンティング法などを用いて金属膜パターンを形成しても良い。
外部刺激によって伸縮する部位3を形成するにあたっては、予め合成しておいた部位3を金属構造体6に結合させても良いし、金属構造体6上で部位3を合成しても良い。
外部刺激によって伸縮する部位3に捕捉部位1を結合させるにあたっては種々の公知の化学反応を用いることができる。
なお、図4に示す例以外にも種々のバリエーションが考えられる。例えば、予め作成した標的物質検出用材料を基板5上に設けることによっても標的物質検出素子を作製することができる。
(検出方法)
本発明の検出方法の好適な一例について、図5及び図6を用いて簡単に説明する。
本発明の検出用材料(図5(a))あるいは検出素子(図6(a))に標的物質を含む検体液を接触させると、標的物質2を捕捉部位1が捕捉する(図5(b),図6(b))。次に、pH、温度などの外部刺激を与え、外部刺激によって伸縮する部位3を収縮させることで捕捉部位1を金属粒子4ないし金属構造体6に近づける(図5(c)、図6(c))。これにより、捕捉部位1と標的物質2とが一体となったものが検出可能領域7(図5参照、図6では図示省略)内に移動する。ここで、検出可能領域とは、当該領域中の標的物質の存在・不存在、あるいは当該領域中の標的物質の量、に応じて、検出用材料あるいは検出素子の光学的特性などの物理的性質が変化する領域のことである。
本例の検出方法では、捕捉部位1を金属粒子4ないし金属構造体6に近づけた後に、検出用材料あるいは検出素子に光を照射し、前記検出用材料あるいは素子から出射する透過光、散乱光、反射光の少なくとも一つのスペクトルを検出する。このスペクトルは、金属粒子あるいは金属構造体の局在表面プラズモン共鳴状態の変化に対応して変化する。局在表面プラズモン共鳴状態は、前記金属粒子あるいは金属構造体近傍の誘電率(屈折率)変化の影響を受ける。したがって、上記スペクトルを検出することによって、前記金属粒子あるいは金属構造体近傍の誘電率(屈折率)の変化を検出することが可能となる。たとえば、透過光の波長のシフト量を検出し、あらかじめ標的物質の濃度が既知の溶液を用いて作成しておいた検量線にあてはめることによって、検体液中の標的物質の濃度を決定することができる。なお、局在表面プラズモンはプラズモンの一種である。その意味では、本明細書に記載する検出用材料、検出用素子は、局在表面プラズモン共鳴以外のプラズモン共鳴(代表的にはいわゆる表面プラズモン共鳴)を用いた検出にも使用しうる。もっとも、表明プラズモン共鳴を用いた検出方法よりも検出可能領域が狭い局在表面プラズモンを用いた検出方法に適用する際に、本明細書に記載する検出用材料、検出用素子は大きな効果を発揮するものである。
外部刺激によって収縮する部位として伸長・収縮の可逆反応が可能な部位を用いることで、標的物質と結合させる前に、温度などの外部刺激を与え、収縮させ、リファレンスデータを取得することも可能である。その後、外部刺激を与えることで外部刺激によって伸縮する部位を伸長させる過程と標的物質との接触の過程は、同時であってもよいし、順番は問わない。もっとも、本発明の効果を得るためには、外部刺激によって伸長する部位が伸長した状態で標的物質と接触していなければならない。次に、外部刺激を与え、再び収縮させることで、標的物質結合後の前記検出用材料および素子近傍の特性変化を検出することができる。検量線を作成する際にも同様の手法を採ることができる。一つの検出用素子(あるいは一群の検出用材料)のみを用いて検量線を作成する場合には、標的物質と捕捉部位とを分離させる操作が必要になる。この操作が困難である場合には、検量線は他の同種の検出用素子(あるいは他の同種の一群の検出用材料)を用いて作成することになる。
なお、本発明の検出用材料および素子の測定対象は、直接捕捉部位が反応する標的物質である必要は無く、間接的に測定できるものでもよい。例えば、測定対象に特異的に存在する標的物質を検出することで測定が可能となる。また、測定対象は生体に関連する物質に限るものではなく、そのサイズも限定されるものではない。ただし、標的物質は糖、蛋白質、アミノ酸、抗体、抗原や疑似抗原、ビタミン、遺伝子などの生物に含有される生体物質、及び、その関連物質や人工的に合成された擬似生体物質であることが、有用性の観点から望ましい。
以下に、本発明を実施例により更に具体的に説明する。
(実施例1)
本実施例は、金属粒子に、外部刺激で伸縮する部位としてpHで伸縮するポリマーを介して捕捉部位が結合した材料を作製し、この材料を用いて、抗ウサギIgGを検出する例である。
(標的物質検出用材料の作製)
金微粒子への重合開始基の導入
2−アミノエタンチオールを蒸留水に溶解させ、その溶解液を直径100nmの金微粒子に加えることにより、金微粒子に高選択的にアミノ基を導入する。アミノ化した金微粒子を遠心分離で精製し、凍結乾燥にて乾燥させ保存する。この反応はXPSによる表面分析にてN原子を指標に確認する。
次に、4−diethylthiocarbamoylsulfanylmethyl−benzoic acidとジシクロヘキシルカルボジイミドをトルエンに溶解させ、溶解液にアミノ化した金微粒子を2時間浸漬することによって、金微粒子に重合開始基を導入する。重合開始基を導入した金微粒子をトルエンにて洗浄し、遠心分離で精製し、凍結乾燥にて乾燥させ保存する。
pH応答性ポリマーの導入
重合開始基を導入した金微粒子とN−イソプロピルアクリルアミド、アクリル酸、蒸留水を反応容器に秤取り、反応容器内を窒素置換する。次いで室温にて波長312nm〜577nmのUVランプを2時間照射することにより、金微粒子表面に導入した重合開始基を起点に、UVグラフト重合を進行させる。次いで、反応容器内にジチオトレイトールを添加して重合を停止させることにより、金微粒子に、末端チオール基を有するN−イソプロピルアクリルアミド/アクリル酸共重合体を導入する。反応後の金微粒子を遠心分離で精製し、凍結乾燥にて乾燥させ保存する。次に、N−イソプロピルアクリルアミド/アクリル酸共重合体とN−(3−Aminopropyl)−2−pipecoline、水溶性カルボジイミド(WSC)を蒸留水に溶解させ、0.1N塩酸水溶液、あるいは0.1N水酸化ナトリウム水溶液を用いて溶解液のpHを5に調製し、攪拌条件下、室温にて2時間反応させる。反応後の反応液をSpectrum Laboratories,Inc製の分画分子量3500の透析膜を用いて蒸留水で透析処理し、凍結乾燥してポリマー化合物のパウダーを得る。このポリマー化合物の等電点は以下のようにして確認する。すなわち、UVグラフト重合の副生成物として溶液中にフリーで存在するN−イソプロピルアクリルアミド/アクリル酸共重合体を上記と同様の条件にてN−(3−Aminopropyl)−2−pipecolineと反応させる。得られた生成物の任意pHにおける濁度測定から、等電点がpH6.8であることが確認される。この等電点を挟んでpHを変化させることにより、伸長、収縮が可能となる。
抗体導入
pH応答性ポリマーが導入された金微粒子を蒸留水に浸漬させ、次いで、N−Succinimidyl 3−(2−pyridyldithio)propionateを加えてから、振とう条件下、室温にて5時間静置することにより、ポリN−イソプロピルアクリルアミド末端に活性エステル基を導入する。反応後の金微粒子を遠心分離で精製し、凍結乾燥にて乾燥させ保存する。この反応の確認は、アルカリ水溶液中にて末端活性エステル基を加水分解し、遊離するヒドロキシスクシンイミドの吸収スペクトルにより確認する。
続いて、マウス抗ウサギIgG抗体をpH7のリン酸緩衝液に溶解させ、溶解液に金微粒子を浸漬し、振とう条件下、室温にて2時間放置することにより、ポリN−イソプロピルアクリルアミド末端に抗体を化学的に結合させる。反応後、pH7のリン酸緩衝液で洗浄し、遠心分離にて精製し、所定溶液にて保存する。
以上の操作を経る事で、金微粒子に、pH変化で伸収縮する部位を介して捕捉体成分を有する検出用材料を作製することができる。
(標的物質検出方法)
次に標的物質検出用材料を用いて検出を行う。本実施例においては、外部刺激としてpHを利用し、検出用材料を標的物質とともに液中に分散させて使用する検出方法について説明する。
図7は本実施例の検出概念を模式的に示した図である。検出時の光源は、図7に模式的に示すように、検出用材料と標的物質とを分散させた液体(検出用材料入りの検体)に測定光を照射しうる位置に配置する。受光素子は検出用材料入りの検体を透過した測定光の特性を検出しうる位置に配置する。尚、この他に、図示しない分光検出器が受光素子に備えられていても構わない。さらには、図示するように検出した特性変化を演算する演算装置、検出結果を表示する表示装置等が備えられていることが好ましい。図中では、表示装置と演算装置は一体のものとしているが、別体であっても構わない。
まず、検出用材料分散液(標的物質は含まない)のpH6.5のリン酸緩衝液を加え、ポリマーを収縮させ、図示するように、光源、受光素子を配置し、検出用材料入りの検体の代わりに検出用材料分散液を配置し、液透過後の測定光のスペクトルを検出する。その後、検出用材料分散液に標的物質としてウサギIgGが含まれたpH7のリン酸緩衝溶液からなる検体液を添加することで、標的物質と検出用材料とを反応させると同時にポリマーを伸長させる(この段階で、検出用材料分散液は検出用材料入りの検体に変化する)。その後再び、pH6.5のリン酸緩衝液を加え、上記検出時と同様な位置関係に検出用材料分散液、光源、受光素子を配置し、検体透過後の測定光のスペクトルを検出する。検体液添加前後のスペクトル変化は、検出用材料の局在表面プラズモン共鳴状態の変化に由来するものであり、検出用材料表面で抗原抗体反応が起こり、捕捉体成分により標的物質が捕捉されたことを意味する。この局在表面プラズモン共鳴状態の変化によるスペクトル変化を検出することで、検体中の標的物質を検出することが可能となる。
また、ここでスペクトルの変化と標的物質濃度の関係については、あらかじめ、既知の複数濃度の標準検体を用いて、スペクトル変化と濃度の関係を取得しておき、この関係をもとに検量線を求めスペクトル変化と濃度の関数を求めておけば、この関数を用いて、実際の計測時のスペクトル変化から標的物質濃度を求めることができる。
なお、検出用材料を安定的に生産することが可能ならば、あらかじめ、データを取得することで、検体を加える前のポリマー収縮の過程を省くことも可能である。
また、ここではスペクトルの変化と記載したが、このスペクトル変化は、最大値をもつ波長でのスペクトルピークの変化でもよいし、スペクトルピークの波形の半値幅等ピーク形状の変化を用いてもよい。さらには、一つあるいは、複数の波長点での光強度の変化を用いても構わない。
以上説明したように、本発明による標的物質検出用材料を用いる事で、検体液中の標的物質を充分な感度で検出することが可能と成る。
(実施例2)
本実施例は、基板上に固定化された金属微粒子に、外部刺激で伸収縮する部位を介して捕捉部位が結合した素子を作製し、この素子を用いて、抗マウスIgGを検出する例である。
(標的物質検出素子の作製)
ガラス基板への金微粒子の固定化
濃硫酸で洗浄したガラス基板を、乾燥N雰囲気下、135℃にて5時間加熱処理した後、無水トルエン中に浸漬させる。この浸漬液に、シランカップリング剤であるアミノプロピルトリエトキシシランを添加して2時間静置後、トルエン、エタノール、蒸留水の順に洗浄することによって、アミノ化ガラス基板を得る。この反応はXPSによる表面分析にて、N原子を指標に確認する。
次に、金微粒子/水分散液に上記アミノ化ガラス基板を浸漬させ、振とう条件下、2時間放置することによって金微粒子固定化ガラス基板を得る。次に、この金微粒子固定化ガラス基板を蒸留水にて洗浄し、乾燥N雰囲気下で保存する。この反応はSEMにて視覚的に確認する。
次に金微粒子固定化ガラス基板の金微粒子が固定されていない部分に残存するアミノ基をマスクするために、以下のようなポリマー化合物を合成する。メルカプト酢酸を蒸留水に溶解させ、0.1N水酸化ナトリウム水溶液、あるいは0.1N塩酸水溶液を用いてpH5に調製した後に、ポリグリシジルメタクリレート/アセトン溶液を添加して、攪拌条件下、6時間反応させる。実施例1同様の透析膜を用いて反応溶液を蒸留水中で透析し、エバポレータ―で濃縮した後、凍結乾燥する。反応の進行はNMRにて確認する。以下、このようにして合成したポリマー化合物をポリマーAと表現する。
ポリマーAを蒸留水に溶解させ、その溶解液中に金微粒子固定化ガラス基板を浸漬する。次に、0.1N塩酸水溶液、あるいは0.1N水酸化ナトリウム水溶液を用いて溶解液をpH5に調製し、さらに水溶性カルボジイミドWSCを添加して2時間静置し、金微粒子固定化ガラス基板にポリマーAを固定化する。ポリマーAを固定化した金微粒子固定化ガラス基板を蒸留水で洗浄し、乾燥N雰囲気下で乾燥させ保存する。この反応はXPSによる表面分析にてN原子を指標に確認する。
以上の工程を経て製造した金微粒子固定化ガラス基板を、以下では基板Aと表現する。
金微粒子への重合開始基の導入
2−アミノエタンチオールを蒸留水に溶解させ、その溶解液に基板Aを浸漬させることにより、基板Aの金微粒子付近部のみに高選択的にアミノ基を導入する。アミノ化した基板Aを蒸留水で洗浄し、乾燥N雰囲気下で乾燥させ保存する。この反応はXPSによる表面分析にてN原子を指標に確認する。
次に、4−diethylthiocarbamoylsulfanylmethyl−benzoic acidとジシクロヘキシルカルボジイミドをトルエンに溶解させ、溶解液にアミノ化した金微粒子を2時間浸漬することによって、金微粒子に重合開始基を導入する。重合開始基を導入した金微粒子をトルエンにて洗浄し、遠心分離で精製し、凍結乾燥にて乾燥させ保存する。このようにして得られた金微粒子固定化ガラス基板を、以下では基板Bと表現する。
温度応答性ポリマー(LCST:32℃)の導入
基板BとN−イソプロピルアクリルアミド、蒸留水を反応容器に秤取り、反応容器内を窒素置換する。次いで室温にて波長312nm〜577nmのUVランプを2時間照射することにより、基板Bの金微粒子表面に導入した重合開始基を起点に、UVグラフト重合を進行させる。次いで、反応容器内にジチオトレイトールを添加して重合を停止させることにより、基板Bに、末端チオール基を有するポリN−イソプロピルアクリルアミドを導入する。反応後の基板Bを蒸留水で洗浄し、乾燥N雰囲気下で乾燥させ保存する。
以上の工程を経て得られた金微粒子固定化ガラス基板を、以下では基板Cと表現する。
抗体導入
末端チオール基を有するポリN−イソプロピルアクリルアミドを導入した基板Cを蒸留水に浸漬させ、次いで、N−Succinimidyl 3−(2−pyridyldithio)propionateを加えてから、振とう条件下、室温にて5時間静置することにより、ポリN−イソプロピルアクリルアミド末端に活性エステル基を導入する。反応後の基板Cを蒸留水で洗浄し、乾燥乾燥N雰囲気下で乾燥させ保存する。この反応の確認は、アルカリ水溶液中にて末端活性エステル基を加水分解し、遊離するヒドロキシスクシンイミドの吸収スペクトルにより確認する。
続いてウサギ抗マウスIgG抗体をpH7のリン酸緩衝液に溶解させ、溶解液に基板Cを浸漬し、振とう条件下、室温にて2時間放置することにより、ポリN−イソプロピルアクリルアミド末端に抗体を化学的に結合させる。反応後、pH7のリン酸緩衝液で洗浄し、所定溶液にて保存する。以上の工程によって標的物質検出用素子を製造する。
(標的物質検出方法)
次にこのようにして得られた標的物質検出用素子を用いて検出を行う。本実施例は、外部刺激として温度を利用し、検出素子を透過した光により検出を行う例である。
図8は本実施例の検出概念を模式的に示した図である。図8においては、検出用材料入りの検体の代わりに標的物質検出用素子を用いた点を除いては、構成要素及び配置方法は同様であるので説明を省略する。なお、図示していないが、測定時には検出用素子上に検体あるいは検体に代わるリファレンス用の液体が存在する。
まず、検出素子上にリン酸緩衝液を配置し、素子の温度を35℃にすることでポリマーを収縮させ、図8に示す位置関係に検出用素子、光源、受光素子を配置し、スペクトルを検出する。その後、検出用素子上に標的物質としてマウスIgGが含まれたリン酸緩衝溶液からなる検体液を供給すると同時に、30℃で反応させることで、ポリマーを伸長させる。その後再び、リン酸緩衝液を加え、温度を35℃とすることでポリマーを収縮させ、図8に示す位置関係に検出用素子、光源、受光素子を配置し、スペクトルを検出する。検体液供給前後のスペクトル変化は、検出用材料の局在表面プラズモン共鳴状態の変化に由来するものであり、検出用素子表面で抗原抗体反応が起こり、捕捉部位により標的物質が捕捉されたことを意味する。この局在表面プラズモン共鳴状態の変化によるスペクトル変化を検出することで、検体中の標的物質の存否及びその濃度を検出することが可能となる。
なお,検出用素子を安定的に生産することが可能ならば、あらかじめ、データを取得しておくことによって、検体を加える前のポリマー収縮の過程を省くことも可能である。
また、実施例1と同様に検量線を作成しておくことによって、標的物質濃度を求めることも可能である。
また、実施例1と同様に、スペクトル変化は、スペクトルピーク波長の変化でもよいし、スペクトルピークの形状の変化を用いてもよく、さらには、一つあるいは、複数の波長点での光強度の変化をもちいても構わない。
(実施例3)
本実施例は、基板上電子線描画装置を用いて金微小構造体をパターンニングし、そこに外部刺激で伸収縮する部位を介して捕捉部位を結合させた、素子を作製し、この素子を用いて、抗マウスIgGを検出する例である。また、温度応答性ポリマーのLCSTを生体内の温度である37℃に設定することで、よりバイオセンサに適した形とする。
(標的物質検出素子の作製)
石英基板上への金属構造体のパターンニング
まず、膜厚20nmの金薄膜を625μm厚の石英基板上に形成し、これを所定のパターンに電子線描画装置を用いてパターンニングすることで金属構造体6を作製する。金属構造体(160nm×160nm)の平面形状は走査型電子顕微鏡(SEM)画像によって確認する(その例を図9に示す)。このようにして得られた金属構造体付き基板を、以下では基板Dと表現する。
金属構造体への重合開始基の導入
2−アミノエタンチオールを蒸留水に溶解させ、その溶解液に基板Dを浸漬させることにより、基板Dの金微粒子付近部のみに高選択的にアミノ基を導入する。アミノ化した基板Dを蒸留水で洗浄し、乾燥N雰囲気下で乾燥させ保存する。この反応はXPSによる表面分析にてN原子を指標に確認する。
次に、4−diethylthiocarbamoylsulfanylmethyl−benzoic acidとジシクロヘキシルカルボジイミドをトルエンに溶解させ、溶解液にアミノ化した金微粒子を2時間浸漬することによって、金属構造体に重合開始基を導入する。重合開始基を導入した金属構造体付き基板をトルエンにて洗浄し、遠心分離で精製し、凍結乾燥にて乾燥させ保存する。このようにして得られた金属構造体付き基板を、以下では基板Eと表現する。
温度応答性ポリマー(LCST:37℃)の導入
基板EとN−イソプロピルアクリルアミド、アクリル酸、蒸留水を反応容器に秤取り、反応容器内を窒素置換する。次いで室温にて波長312nm〜577nmのUVランプを2時間照射することにより、基板Eの金パターン表面に導入した重合開始基を起点に、UVグラフト重合を進行させる。次いで、反応容器内にジチオトレイトールを添加して重合を停止させることにより、基板Eに、末端チオール基を有するN−イソプロピルアクリルアミド/アクリル酸共重合体を導入する。反応後の基板Eを蒸留水で洗浄し、乾燥N雰囲気下で乾燥させ保存する。N−イソプロピルアクリルアミド/アクリル酸共重合体の下限臨界共溶温度は以下のようにして確認する。UVグラフト重合の副生成物として溶液中にフリーで存在するN−イソプロピルアクリルアミド/アクリル酸共重合体の任意温度における濁度測定から、下限臨界共溶温度が38℃であることが確認される。
以上の工程を経て得られた基板を、以下では基板Fと表現する。
抗体導入
末端チオール基を有するN−イソプロピルアクリルアミド/アクリル酸共重合体を導入した基板Fを蒸留水に浸漬させ、次いで、N−Succinimidyl 3−(2−pyridyldithio)propionateを加えてから、振とう条件下、室温にて5時間静置することにより、ポリN−イソプロピルアクリルアミド末端に活性エステル基を導入する。反応後の基板Fを蒸留水で洗浄し、乾燥乾燥N雰囲気下で乾燥させ保存する。この反応の確認は、アルカリ水溶液中にて末端活性エステル基を加水分解し、遊離するヒドロキシスクシンイミドの吸収スペクトルにより確認する。末端チオール基を有するN−イソプロピルアクリルアミド/アクリル酸共重合体を導入した基板Fを蒸留水に浸漬させ、次いで、N−Succinimidyl 3−(2−pyridyldithio)propionateを加えてから、振とう条件下、室温にて5時間静置することにより、ポリN−イソプロピルアクリルアミド末端に活性エステル基を導入する。反応後の基板Fを蒸留水で洗浄し、乾燥乾燥N雰囲気下で乾燥させ保存する。この反応の確認は、アルカリ水溶液中にて末端活性エステル基を加水分解し、遊離するヒドロキシスクシンイミドの吸収スペクトルにより確認する。
続いてウサギ抗マウスIgG抗体をpH7のリン酸緩衝液に溶解させ、溶解液に基板Fを浸漬し、振とう条件下、室温にて2時間放置することにより、ポリN−イソプロピルアクリルアミド末端に抗体を化学的に結合させる。反応後、pH7のリン酸緩衝液で洗浄し、所定溶液にて保存する。
以上の工程によって標的物質検出用素子を製造する。
(標的物質検出方法)
次に標的物質検出用素子を用いて検出を行う。本実施例においては、外部刺激として温度を利用し、検出用素子を透過した光により検出を行う例である。標的物質検出用素子の詳細を除いては、構成要素及び配置方法は実施例2と同様であるので説明を省略する。
まず、検出用素子上にリン酸緩衝液を配置し、温度を39℃にすることでポリマーを収縮させ、図8に示す位置関係に検出用素子、光源、受光素子を配置し、スペクトルを検出する。その後、検出用素子上に標的物質としてマウスIgGが含まれたリン酸緩衝溶液からなる検体液を供給すると同時に37℃で反応させることで、ポリマーを伸長させる。その後再び、リン酸緩衝液を加え、温度を39℃とすることでポリマーを収縮させ、図8に示す位置関係に検出用素子、光源、受光素子を配置し、スペクトルを検出する。検体液供給前後のスペクトル変化は、金属構造体の局在表面プラズモン共鳴状態の変化に由来するものであり、検出用素子表面で抗原抗体反応が起こり、捕捉部位により標的物質が捕捉されたことを意味する。この局在表面プラズモン共鳴状態の変化によるスペクトル変化を検出することで、検体中の標的物質の存否及びその濃度を検出することが可能となる。
なお,検出用素子を安定的に生産することが可能ならば、あらかじめ、データを取得しておくことによって、検体を加える前のポリマー収縮の過程を省くことも可能である。
また、実施例1と同様に検量線を作成しておくことによって、標的物質濃度を求めることも可能である。
また、実施例1と同様に、スペクトル変化は、スペクトルピーク波長の変化でもよいし、スペクトルピークの形状の変化を用いてもよく、さらには、一つあるいは、複数の波長点での光強度の変化をもちいても構わない。
以上の実施例1、2、3では、抗体を直接、金属構造体に結合させた時と比較して、抗原との反応時間は短くなること、および、反応時間を同じにした場合においても、外部刺激を与え、収縮させることで、ピークシフト量の増大が可能となる。そのような効果を図10に模式的に示す。従来例の図と本発明の図を比較すれば明らかなように、本発明によれば、捕捉部位によって捕捉される標的物質の量を増大させることができる。それによって、図10中のグラフに示すように、検体中に同濃度の標的物質が存在する場合のピークシフト量を増大させることができる。
以上説明したように、本発明による標的物質検出用材料および標的物質検出用素子を用いる事で、感度を低下させることなく、反応効率を上げることができる。
本発明の標的物質検出用材料の一例を示す模式図である。 本発明の標的物質検出用素子の一例を示す模式的な断面図である。 本発明の標的物質検出用素子の図2とは別の例を示す模式的な断面図である。 本発明の標的物質検出用素子の作製方法の一例を説明する模式図である。 本発明の標的物質検出用材料を使用した検出方法の一例を説明する模式図である。 本発明の標的物質検出用素子を使用した検出方法の一例を説明する模式図である。 実施例1における標的物質検出方法を説明するための模式図である。 実施例2および3における標的物質検出方法を説明するための模式図である。 実施例3における標的物質検出用素子の作製途中のSEM画像の一例である。 本発明と従来例との効果の差異を示すための概念的な図である。
符号の説明
1 捕捉部位
2 標的物質
3 外部刺激によって伸縮する部位
4 金属粒子
5 基板
6 金属構造体
7 検出可能距離

Claims (11)

  1. 検体中の標的物質を検出するための標的物質検出用材料であって、
    局在表面プラズモン共鳴を生じる金属粒子と、
    該金属粒子と結合している外部刺激によって収縮する部位と、
    該外部刺激によって収縮する部位と結合している標的物質を捕捉する捕捉部位と、を有し、
    外部刺激によって前記金属粒子と前記捕捉部位の距離が変化することをすることを特徴とする標的物質検出用材料。
  2. 前記外部刺激によって収縮する部位は可逆的に伸縮する部位であることを特徴とする請求項1に記載の標的物質検出材料。
  3. 前記外部刺激によって収縮する部位はpHの変化あるいは温度の変化に応じて収縮する部位またはpHの変化あるいは温度の変化に応じて可逆的に伸縮する部位であることを特徴とする請求項1または2に記載の標的物質検出用材料。
  4. 前記外部刺激によって収縮する部位は、ポリ(N−アクリルアミド)またはポリ(N−アクリルアミド)を含む共重合体であることを特徴とする請求項1に記載の標的物質検出用材料。
  5. 外部刺激によって収縮する部位は、ポリ(N−イソプロピルアクリルアミド)またはこれを含む共重合体であることを特徴とする請求項1に記載の標的物質検出用材料。
  6. 検体中の標的物質を検出するための標的物質検出用素子であって、
    基板と、
    該基板の表面に存在し、局在表面プラズモン共鳴を生じる金属構造体と、
    該金属構造体と結合している外部刺激によって収縮する部位と、
    該外部刺激によって収縮する部位と結合している標的物質を捕捉する捕捉部位と、を少なくとも有し、
    外部刺激によって前記金属構造体と前記捕捉部位の距離が変化することをすることを特徴とする標的物質検出用素子。
  7. 前記外部刺激によって収縮する部位は可逆的に伸縮する部位であることを特徴とする請求項6に記載の標的物質検出用素子。
  8. 検体中の標的物質の有無または検体中の標的物質の濃度を検出するための標的物質検出方法であって、
    局在表面プラズモン共鳴を生じる金属粒子と、該金属粒子と結合している外部刺激によって収縮する部位と、該外部刺激によって収縮する部位と結合している標的物質を捕捉する捕捉部位と、を有し、外部刺激によって前記金属粒子と前記捕捉部位の距離が変化する標的物質検出用材料に、前記検体とを接触させる工程と、
    外部刺激を与えて、前記外部刺激によって収縮する部位を収縮させる工程と、
    前記材料に光を照射し、前記材料から出射する光の特性を検出することで、検体中の標的物質の有無あるいは検体中の標的物質の濃度を検出する工程と、
    を少なくとも有することを特徴とする標的物質の検出方法。
  9. 前記外部刺激によって収縮する部位として可逆的に伸縮する部位を用い、
    標的物質が含まれていない検体もしくは標的物質の濃度が既知の検体と接触させた状態で前記外部刺激によって収縮する部位を収縮させ、前記材料に光を照射し、前記材料から出射する光の特性を検出する工程をさらに有することを特徴とする請求項8に記載の標的物質の検出方法。
  10. 検体中の標的物質の有無または検体中の標的物質の濃度を検出するための標的物質検出方法であって、
    基板と、該基板の表面に存在し、局在表面プラズモン共鳴を生じる金属構造体と、該金属構造体と結合している外部刺激によって収縮する部位と、該外部刺激によって収縮する部位と結合している標的物質を捕捉する捕捉部位と、を少なくとも有し、外部刺激によって前記金属構造体と前記捕捉部位の距離が変化する標的物質検出用素子のいずれかに、前記検体とを接触させる工程と、
    外部刺激を与えて、前記外部刺激によって収縮する部位を収縮させる工程と、
    前記素子に光を照射し、前記前記素子から出射する光の特性を検出することで、検体中の標的物質の有無あるいは検体中の標的物質の濃度を検出する工程と、
    を少なくとも有することを特徴とする標的物質の検出方法。
  11. 前記外部刺激によって収縮する部位として可逆的に伸縮する部位を用い、
    標的物質が含まれていない検体もしくは標的物質の濃度が既知の検体と接触させた状態で前記外部刺激によって収縮する部位を収縮させ、前記材料に光を照射し、前記材料から出射する光の特性を検出する工程をさらに有することを特徴とする請求項10に記載の標的物質の検出方法。
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