JP2007303890A - 絶縁性液体の電荷密度診断装置およびその方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】絶縁性液体の電荷密度を求めることにより、循環している絶縁性液体であっても、その静電気発生量を正確に評価でき、液入電気機器の信頼性を向上させることが可能な絶縁性液体の電荷密度診断装置およびその方法を提供する。
【解決手段】フィルタタンク5にはフィルタ3から大地への漏れ電流Iを計測する直流電流計9が設けられている。配管10内における絶縁油11の流量を計測する流量計12が設置されている。また、直流電流計9および流量計12には電荷密度測定部16が接続されている。電荷密度測定部16は電流計9が計測した漏れ電流Iと、流量計12が計測した絶縁油11のポンプ流量Fと、循環系中の絶縁油の体積Vおよび体積抵抗率ρから、絶縁油11の電荷密度Qcを求める。
【選択図】図1

Description

本発明は、絶縁油に代表される絶縁性液体を封入した液入電気機器において絶縁性液体中の静電気発生量を評価する技術に係り、特に、絶縁性液体が循環する液入電気機器において絶縁性液体中の静電気蓄積量すなわち電荷密度を診断する電荷密度診断装置およびその方法に関するものである。
絶縁油入電気機器やパーフルオロカーボン入電気機器など絶縁性液体が封入された液入電気機器内では、機器内部に固体絶縁物が使用されているので、固体絶縁物上に絶縁性液体が流れることで両者の間に静電気が発生して帯電現象が生じる。これを流動帯電現象と呼んでいる。
例えば、鉱油系の絶縁油が流動する配管にフィルタを設置した場合、このフィルタで絶縁油を濾過する際に流動帯電現象が発生する。フィルタの材質が紙等のセルロース系の材料であれば、絶縁油は正に帯電し、フィルタは負に帯電する。流動帯電現象による静電気発生量は、絶縁性液体や固体絶縁物の材質や温度、液体の流速等に大きく依存する。
液入電気機器内部の絶縁性液体や固体絶縁物は熱や酸素などにより劣化が激しいので、静電気発生量も大きく変わることになる。帯電した絶縁性液体は気中にさらすと静電気放電が発生する。静電気放電が生じると、火災や機器を破損させる等、重大な被害を招くおそれがあった。このため、液入電気機器における静電気発生量を正確に評価することは、液入電気機器の信頼性を確保する上で不可欠である。
そこで従来から、絶縁性液体の静電気発生量を評価する技術が種々提案されている。特許文献1に記載の技術では、電気機器に使用している絶縁物と同一の材料を別途用意し、この絶縁物を静電気発生部に用いて、そこを流動する絶縁液体の静電気発生量を計測するようになっている。しかし、この技術では、静電気発生量計測用の固体絶縁物を準備しなくてはならず、評価作業に関するコストが高くなっていた。
上記の手法以外にも、帯電した絶縁性液体を機器から採取しファラデーケージに導いて静電気発生量を直接的に分析する方法、流動する絶縁性液体中にセンサを挿入して静電気発生量を測定する方法、さらには静電気発生部における固体絶縁物の漏れ電流を測定する方法等がある(静電気学会編:「静電気ハンドブック」p501〜p504,オーム社(1998))。
これらの技術のうち、絶縁性液体を採取して分析する場合には、採取した絶縁性液体を収容する設備を設ける必要があり、スペース的にもコスト的にも不利であった。また、循環系内の絶縁性液体中にセンサを直接挿入する場合は、次のような問題点があった。
すなわち、センサ自体と絶縁性液体との間で流動帯電現象が起こって帯電するため、使用できる液体流速に制限があった。また、高速な流れの中にセンサがさらされるとセンサが破損する危険がある。しかも、センサが故障した場合、絶縁性液体の循環を停止させ配管内の液体を抜いてセンサの修理や交換作業を行う必要がある。このように循環系内の絶縁性液体中にセンサを直接挿入する方法では、取り扱いが非常に煩雑であった。
そこで、上記の従来技術の中では、固体絶縁物の漏れ電流を測定する方法が、簡単に静電気発生量を評価できる技術として、頻繁に利用されていた。以下、図4を参照して、固体絶縁物の漏れ電流を測定し、その値から絶縁性液体の静電気発生量を評価する方法について説明する。図4の従来例は油入機器4に供給される絶縁油11に対して用いられる方法である。
図4に示すように、絶縁油11が収容された貯油タンク1にはポンプ2を介挿したポンプ側配管7の一端が接続され、また、そのポンプ側配管7の他端部に絶縁フランジ6aを介してフィルタタンク5の一端が接続されている。このフィルタタンク5内には絶縁油11を濾過するためのフィルタ3が収納されている。
また、フィルタタンク5の他端には絶縁フランジ6bを介して油入機器側配管8が接続され、さらに油入機器4が接続されている。フィルタタンク5は絶縁フランジ6a、6bによって左右のポンプ側配管7、油入機器側配管8と電気的に絶縁され、直流電流計9を介して接地されている。貯油タンク1内の絶縁油11は、ポンプ2を用いてフィルタ3を通して濾過、浄化され、油入機器4に移送される。絶縁油11がフィルタ3を通過する時、流動帯電現象が起こり、絶縁油11は正に、フィルタ3は負に帯電する。
絶縁油11中の正電荷は、フィルタ3を通過して油入機器4に流入する。一方、フィルタ3に残された負電荷はフィルタタンク5を介して直流電流計9を通って大地に漏れ電流として流れる。この漏れ電流Iを直流電流計9にて測定することによってフィルタ3での静電気発生量を評価することができる。
フィルタ3を通過した後の絶縁油11にはフィルタ3と同量で逆極性の電荷が発生しているので、その単位体積当りの帯電電荷量すなわち電荷密度Qは、ポンプ2の油流量をFとすると、以下の式から評価できる。
Q=I/F
なお、電流の連続則から、直流電流計9で測定される漏れ電流Iは、フィルタ3を通過した後の流出電流Ioutから、フィルタ3を通過する前の流入電流Iinを差し引いた大きさである。すなわち、
I=Iout−Iin
となる。
ここではフィルタ3を通過する前の流入電流Iin、つまりフィルタ3通過前の絶縁油11の電荷密度は、前記電荷密度Qに対して非常に小さいと仮定しているので、直流電流計9で測定される漏れ電流Iと、フィルタ3を通過した後の流出電流Ioutは、ほぼ同じ大きさであると見なすことができる。したがって、フィルタ3からの漏れ電流Iから絶縁油11の静電気発生量を評価することが可能となる。
ところで、前記図4の従来例では、貯油タンク1から油入機器4へと絶縁油11を一方的に供給する構成であるが、実際にはフィルタ3で濾過した絶縁油11を還流させて再び濾過する構成、つまり絶縁油11を循環させたものが多用されている。すなわち、図5に示すように、油入機器4とポンプ2が配管10によって接続され、ポンプ2、フィルタ3、油入機器4間で絶縁油11が循環するようになっている。
このような図5の従来例によれば、絶縁油11の濾過能力が向上するだけではなく、自然環境に悪影響を与えかねない絶縁油11の廃棄処理量を抑制することができる。しかも、油入機器4を運転状態にしたままの状態で絶縁油11を浄化させることができるので、優れた稼動効率を獲得できるといった利点がある。
特開2000−2734号公報
しかしながら、図5に示した従来例においては、次のような問題点が指摘されていた。すなわち、フィルタ3を通過した絶縁油11中の電荷は、油入機器4、ポンプ2を通って再びフィルタ3に還流し、それが再びフィルタ3を通過する。そのため、帯電した絶縁油11に流動帯電現象が起きて、更に帯電することになる。
このように循環する絶縁油11はフィルタ3を通過するたびに静電気が蓄積されていく。つまり、循環系の絶縁油11の電荷密度Qcは、フィルタ3を循環することで正帰還がかかり、絶縁油11が循環系でない場合の電荷密度Q(=I/F)に比べて、桁違いに大きくなると考えられる。
上述したように、直流電流計9で測定される漏れ電流Iは、フィルタ3を通過した後の流出電流Ioutから、フィルタ3を通過する前の流入電流Iinを差し引いた大きさなので、図4に示した従来例のようにフィルタ3を通過する前の流入電流Iinが非常に小さく仮定していれば、直流電流計9で測定される漏れ電流Iを、フィルタ3を通過した後の流出電流Ioutと考えて差し支えなかった。
ところが、循環系における絶縁油11では電荷密度の増大に伴ってフィルタ3を通過する前の流入電流Iinが非常に大きくなるので、直流電流計9が測定した漏れ電流Iは、フィルタ3前後での絶縁油11の持つ電流の差分を表しているに過ぎず、フィルタ3での静電気発生量を表すだけになる。つまり、図5に示す従来例のように、絶縁油11が循環する場合、漏れ電流Iを測定する方法では、絶縁油11中にどの程度、静電気が発生しているのかは分からなかった。
以上のように、絶縁性液体が循環することで絶縁性液体中の電荷密度が大きくなると、フィルタ等の固体絶縁物からの漏れ電流に基づいて、絶縁性液体の静電気発生量を正確に評価することができなかった。したがって、液入電気機器の信頼性を高めるべく、絶縁性液体の静電気発生量を正確に把握するためには、絶縁油11の静電気蓄積量つまり電荷密度を測定、診断することが求められていた。
本発明は、このような事情に鑑みて提案されたものであり、その目的は、絶縁性液体の電荷密度を求めることにより、循環している絶縁性液体であっても、その静電気発生量を正確に評価でき、液入電気機器の信頼性を向上させることが可能な絶縁性液体の電荷密度診断装置およびその方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は、固体絶縁物が組み込まれた循環系に流れる絶縁性液体の電荷密度を診断する絶縁性液体の電荷密度診断装置において、前記固体絶縁物から大地への漏れ電流を計測する電流計と、前記循環系内における前記絶縁性液体の流量を計測する流量計と、前記電流計が計測した漏れ電流と、前記流量計が計測した前記絶縁性液体の流量と、前記循環系中の前記絶縁性液体の体積および前記絶縁性液体の体積抵抗率から、前記絶縁性液体の電荷密度を求める電荷密度算出手段を備えたことを特徴とするものである。
以上のような本発明では、循環系内に流れる絶縁性液体の流量と液体体積から、絶縁性液体が循環に要する時間スケールを求める。また、絶縁性液体の体積抵抗率から絶縁性液体中の電荷が時間的に減少する時間スケールを求める。これらの2つの時間スケールと、電流計にて測定した漏れ電流係から、絶縁性液体の電荷密度を求めることができる。したがって、循環系内の機器の運転を停止させることなく、しかも絶縁性液体の採取も必要ないので、外部から短時間で安全に、絶縁性液体の電荷密度を診断することができる。
本発明の絶縁性液体の電荷密度診断装置およびその方法によれば、固体絶縁物からの漏れ電流と、絶縁性液体の流量と、絶縁性液体の体積および体積抵抗率から、絶縁性液体の電荷密度を容易に求めることができるため、循環系における絶縁性液体中の静電気発生量を正確且つ安全に評価することが可能となり、液入電気機器の信頼性が向上した。
以下、本発明を実施するための最良の形態(実施形態)について、図面を参照して詳細に説明する。
(1)第1の実施形態
(1−1)全体構成
図1に、本発明における第1の実施形態を示す。本実施形態では、図5に示した従来例と同じく、油入機器4とポンプ2が配管10によって接続され、ポンプ2、フィルタ3、油入機器4間で絶縁油11が循環するようになっている。また、フィルタタンク5にはフィルタ3から大地への漏れ電流Iを計測する直流電流計9が設けられている。
本実施形態の特徴として、配管10内における絶縁油11の流量を計測する流量計12が設置されている。さらに、直流電流計9および流量計12には電荷密度測定部16が接続されている。電荷密度測定部16には、循環時間算出部13、時定数算出部14、電荷密度算出部15が設けられている。
循環時間算出部13は、配管10内に流れる絶縁油11の流量Fと、配管10および油入機器4を含めた絶縁油11の体積Vから、絶縁油11が配管10を循環するのに要する時間T(T=V/F)を算出する部分である。時定数算出部14は、絶縁油11の体積抵抗率ρおよび誘電率εから絶縁油11中の電荷が時間的に減少する時定数τ(τ=ερ)を算出する部分である。電荷密度算出部15は、電流計9が計測した漏れ電流Iと、循環時間算出部13および時定数算出部14が求めた2つの時間スケールとの関係から、絶縁油11の電荷密度Qcを求めるようになっている。
(1−2)電荷密度測定部16
続いて、電荷密度測定部16における絶縁油11の電荷密度Qcの測定手順について、図2を用いて詳しく説明する。図2は、図1における循環系を、その主構成要素であるポンプ2、フィルタ3、油入機器4及び直流電流計9を1つのユニットAとして、循環ループの無い開放系で表現したブロック図である。
図2に示すように、循環ループの無い開放系では、このユニットAを無限個直列に接続したもので、循環系が表現される。すなわち、図中の符号Nを無限大とした場合である。ここで、ポンプ流量をF、フィルタ3から大地に流れる漏れ電流をI、ユニットA内の絶縁油11の体積をV、絶縁油11の体積抵抗率、誘電率をそれぞれρ、εとしている。
ユニットAについて着目すると、ユニットA内の絶縁油11の体積Vが全てユニットA外に流出する時間Tは、次の式で表される。
T=V/F
すなわち、この時間Tが循環時間算出部13によって算出される値である。
また、ユニットA内のフィルタ3で発生した絶縁油11の電荷が、時間的に減少する時定数τは、絶縁油11の体積抵抗率ρ、誘電率εの積で表される。
τ=ερ
この時定数τが時定数算出部14によって算出される値である。
よって、1つのユニットを絶縁油11が通過した場合、絶縁油11中の電荷密度の増加分ΔQは、
ΔQ=Q・exp(-α)
となる。ただし、Q=I/F、α=T/τで、ユニットAに入る前の電荷密度の初期値Qはゼロとした。
次にユニットがN個直列接続された場合、N番目のユニットNを通過した後の絶縁油11中の電荷密度について考える。ユニットNを通過した絶縁油の電荷密度QNは、以下の総和である。
ユニット1で発生した電荷がユニットNを通過した分:Q・exp[-(N-1)α]
ユニット2で発生した電荷がユニットNを通過した分:Q・exp[-(N-2)α]
ユニットNで発生した電荷がユニットNを通過した分:Q・exp[-(N-N)α]= Q
これを数式で表現すると以下となる。なお、exp,εは自然対数の底である。
Figure 2007303890
前述したように、循環系においてユニット数は無限になると見なせるから、
Figure 2007303890
とすると循環系内の絶縁油11中の電荷密度Qcは、以下に収束する。
Figure 2007303890
この電荷密度Qcが電荷密度算出部15の求める値である。すなわち、漏れ電流Iとポンプ流量Fから導いたQと、循環時間算出部13および時定数算出部14が算出した2つの時間スケールT、τから導いたαとを用いて、絶縁油11の電荷密度Qcを求めるようになっている。
(1−3)作用効果
以上の第1の実施形態においては、次のような作用効果を生じる。すなわち、固体絶縁物であるフィルタ3からの漏れ電流I、循環系内の絶縁油11の流量F、体積V、および体積抵抗率ρ、誘電率εから、電荷密度測定部16が循環系における絶縁油11中の電荷密度Qcを測定し、その評価を行うことができる。
前記の物理量は全て油入機器4外部から容易に測定可能であるため、電荷密度Qcの測定作業は循環系内の油入機器4の運転に影響を与えることはない。さらに、循環系内の絶縁油11を採取することもないので、外部への絶縁油11の流出や静電気放電による発火のおそれがなく、環境への影響が小さく、安全性が高い評価が可能となる。
以上述べたように、本実施形態によれば、外部から測定可能な物理量(漏れ電流I、循環系内の絶縁油11の流量F、体積V、および体積抵抗率ρ、誘電率ε)から絶縁油11の電荷密度Qcを簡単に求めることができる。このため、絶縁油11が循環してフィルタ3を何度も通過して電荷密度Qcが増大したとしても、絶縁油11中の静電気発生量を正確且つ安全に評価することが可能となり、油入機器4の信頼性が向上した。
(2)第2の実施形態
(2−1)構成
続いて、本発明に係る第2の実施形態について図3を参照して説明する。図3に示すように、第2の本実施形態では、図1に示した前記第1の実施形態と同じく、絶縁油11が循環する油入機器4に適用されるものであって、直流電流計9、流量計12、電荷密度測定部16に加えて、流量制御部17および電荷密度監視部18が設けられている点に特徴がある。
流量制御部17はポンプ2のポンプ流量Fを制御する部分である。電荷密度監視部18は、絶縁油11の電荷密度Qcを監視して、絶縁油11の電荷密度Qcが予め定められた規定値を超えていると判断した場合に、流量制御部17に指令を送って、その値を規定値以内に管理する部分である。
すなわち、第2の実施形態は、上記の第1の実施形態で説明した絶縁油11中の電荷密度Qcの測定を、油入機器4運転中において監視・記録し、これが規定値を超えた場合には静電気放電による油入機器4の破壊の危険性が高まったと判断して、対応措置を取るようにしたものである。
(2−2)ポンプ流量Fと電荷密度Qcとの関係
ところで、絶縁油11中の電荷密度Qcが規定値を超えた場合の対応措置に内容としては、ポンプ流量Fを減らして絶縁油11中の電荷密度Qcを規定値以下に低下させる、あるいは油入機器4の運転および絶縁油11の循環を停止させて補修を行うことが考えられる。ここでポンプ流量Fが、電荷密度Qcに対してどのように作用するかを説明する。
前述したように、α=T/τ=V/(F・τ)であるから、αは絶縁油11の体積Vに比例し、ポンプ流量Fに逆比例する。αが小さくなる程、すなわち絶縁油11の体積Vが小さく、ポンプ流量Fが大きくなる程、電荷密度Qcは増加することになる。
特に、ポンプ流量Fに関しては、Q=I/Fであるが、漏れ電流Iはポンプ流量Fの2〜4乗に比例するので、ポンプ流量FはQに対しても単調増加であり、これも電荷密度Qcを増加させる方向に作用させる。
電荷密度Qcを小さくしたい場合は、絶縁油11の体積Vを大きくする、あるいはポンプ流量Fを小さくすることによって制御できる。絶縁油11の体積Vを変化させる方法は、循環系に余分な油タンクを追加して機器の大型化を招き経済的に得策といえない。
これに対して、ポンプ流量Fを変化させることはインバータ等によってポンプ2の電源周波数を変化させることによって容易かつ精密に行うことができる。このように電荷密度Qcを制御するには、絶縁油11の体積Vを変化させるよりもポンプ流量Fを制御する方が有効且つ適切である。
(2−3)作用効果
そこで、本実施の形態においては、ポンプ流量Fを制御することで電荷密度Qcを制御している。すなわち、電荷密度監視部18によって油入機器4運転時の絶縁油11の電荷密度Qcを監視し、規定値以上の電荷密度Qcの値が検出された際には、静電気放電による油入機器4の破壊の危険性が高まったと判断して、流量制御部17に指令を送り、流量制御部17はポンプ2のポンプ流量Fを小さくする。
これにより、電荷密度Qcを常に規定値以下の値に下げることができ、静電気放電による油入機器4の破壊を未然に防ぐことができる。その結果、緊急の危険状態を回避でき、油入機器4の更なる信頼性向上が期待できる。このようなポンプ流量Fの低減による電荷密度Qcの抑制は、油入機器4の運転を即座に停止できない場合、応急措置として特に有効である。
(3)他の実施形態
なお、本発明は上記の実施形態に限定されるものではない。例えば、上記の実施形態では液入電気機器として絶縁油入電気機器を例に説明したが、これに限られることはなく、例えば、液入電気機器としてパーフルオロカーボン入電気機器の流動帯電評価を行う場合も同様に行うことができる。
本発明に係る第1の実施の形態のブロック図。 本発明に係る第1の実施の形態において油循環系における電荷密度の評価方法を説明するためのブロック図。 本発明に係る第2の実施の形態のブロック図。 油開放流系における静電気発生量を説明するためのブロック図。 油循環系における静電気発生量を説明するためのブロック図。
符号の説明
1…貯油タンク
2…ポンプ
3…フィルタ
4…油入機器
5…フィルタタンク
6a、6b…絶縁フランジ
7…ポンプ側配管
8…油入機器側配管
9…直流電流計
10…配管
11…絶縁油
12…流量計
13…循環時間算出部
14…時定数算出部
15…電荷密度算出部
16…電荷密度測定部
17…流量制御部
18…電荷密度監視部

Claims (6)

  1. 固体絶縁物が組み込まれた循環系に流れる絶縁性液体の電荷密度を診断する絶縁性液体の電荷密度診断装置において、
    前記固体絶縁物から大地への漏れ電流を計測する電流計と、
    前記循環系内における前記絶縁性液体の流量を計測する流量計と、
    前記電流計が計測した漏れ電流と、前記流量計が計測した前記絶縁性液体の流量と、前記循環系中の前記絶縁性液体の体積および前記絶縁性液体の体積抵抗率から、前記絶縁性液体の電荷密度を求める電荷密度算出手段を備えたことを特徴とする絶縁性液体の電荷密度診断装置。
  2. 前記絶縁性液体の電荷密度を監視して、その値が予め定められた規定値以内であるように管理する電荷密度監視手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の絶縁性液体の電荷密度診断装置。
  3. 前記循環系内の液体流量を制御する流量制御手段を備え、
    前記電荷密度監視手段は、前記絶縁性液体中の電荷密度が前記規定値を超えていると判断した場合、前記流量制御手段に前記循環系内の液体流量を変化させる指令を送り、前記規定値以内に収まるように前記絶縁性液体中の電荷密度を管理するように構成したことを特徴とする請求項2に記載の絶縁性液体の電荷密度診断装置。
  4. 固体絶縁物が組み込まれた循環系に流れる絶縁性液体の電荷密度を診断する絶縁性液体の電荷密度診断方法において、
    前記固体絶縁物から大地への漏れ電流を計測する漏れ電流計測ステップと、
    前記循環系内における前記絶縁性液体の流量を計測する流量計測ステップと、
    前記電流計が計測した漏れ電流と、前記流量計が計測した前記絶縁性液体の流量と、前記循環系中の前記絶縁性液体の体積および前記絶縁性液体の体積抵抗率から、前記絶縁性液体の電荷密度を求める電荷密度算出ステップを含むことを特徴とする絶縁性液体の電荷密度診断方法。
  5. 前記絶縁性液体の電荷密度を監視して、その値が予め定めた規定値以内であるように管理する電荷密度監視ステップを含むことを特徴とする請求項4に記載の絶縁性液体の電荷密度診断方法。
  6. 前記循環系内の液体流量を制御する流量制御ステップを含み、
    前記電荷密度監視ステップでは、前記絶縁性液体中の電荷密度が前記規定値を超えていると判断した場合、前記流量制御ステップを実施して前記循環系内の液体流量を変化させ、前記規定値以内に収まるように前記絶縁性液体中の電荷密度を管理することを特徴とする請求項5に記載の絶縁性液体の電荷密度診断方法。
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