JP2007302819A - 自動車外装部品製造用樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】成分(A)〜(H)(全成分の合計100重量%)を含有する樹脂組成物。(A)ISO―307に準拠して測定される粘度数が80〜120ml/g、6≧末端カルボキシル基濃度/末端アミノ基濃度≧2であるポリアミド6樹脂18〜80重量%;(B)ビニル芳香族化合物と共役ジエン系化合物とのブロック共重合体の水素添加物5〜25重量%;(C)上記(B)の無水マレイン酸が2.6〜5.0重量%グラフトされたもの3〜15重量%;(D)BET比表面積が600m2/g以上、且つDBP吸油量が300ml/100g以上である導電性カーボンブラック1〜5重量%;(E)平均粒子径が0.5〜10μmのタルク10〜30重量%;(F)金属水和物0.01〜2重量%;(G)エチレンビニルアルコール樹脂0.5〜5重量%;(H)ペンタエリスリトール型ホスファイト0〜1重量%
【選択図】なし
Description
さらに詳しくは、流動性、耐衝撃性、寸法安定性、剛性、耐熱剛性、導電性、塗装密着性、外観等の静電塗装を施す自動車外装部品を製造するのに必要な各特性を高度に均衡させ、更に滞留安定性にも優れた樹脂組成物及び、この樹脂組成物からなる成形体に静電塗装を施してなる自動車外装部品に関するものである。
しかしながら、導電性カーボンブラックの配合は、樹脂の流動性、耐衝撃性を著しく低下させるため、耐衝撃性改良材等と併用配合されて使用されるのが一般的になっている。
しかし、耐衝撃性改良材の配合は剛性、耐熱剛性を低下させるため、自動車外装部品製造用材料として使用することができない場合が生じる。
そこで、更に無機フィラー等の強化材を配合して、これら剛性、寸法特性の改良を図ろうとすると、今度は無機フィラーの配合で耐衝撃性が低下することとなり、更には、無機フィラー、耐衝撃性改良材、導電性カーボンブラックの何れもが樹脂の流動性を低下させる場合が殆どであり、これらの物性バランスをいかに均衡させるかが大きな課題となっている。
特に、最近ではバックドア、バンパーフェイシア、フェンダーおよびドアパネル等の自動車外装部品の用途において、従来の熱可塑性樹脂製部品と比較して、更に高いレベルの性能が要求されるようになってきており、従来、自動車外装部品に使用されていた材料が使用できない状況が出てきている。
(1)優れた流動性:大きな形状でも成形できる様に、優れた溶融流動性が必要である。
(2)優れた耐衝撃性:衝突時のエネルギーを変形することによって吸収させるものであり、優れた高速面衝撃強度が必要である。
(3)優れた寸法安定性
(3−1)低い加熱収縮率:自動車外装部品では非常に高温で塗料が焼き付けられるため、この高温雰囲気において、結晶性樹脂では結晶化が進行し、収縮する。これにより、塗装前後で成形品の寸法が変わってしまい、塗装前に室温で固定されていた製品は、塗装後に大きく変形してしまうこととなる。
この変形を防止するために、製品を完全拘束せずに、スライドジグを設置して、寸法変化分を逃がす等の対策が施されるが、変化量が大きい場合には変形を抑えることができなくなるため、加熱収縮率が小さい材料が必要となる。
(3−2)低い線膨張率:塗装時の高温暴露により樹脂は膨張するが、この時、線膨張率が大きいと、他の近隣部品と干渉する等して、変形する場合がある。
また、自動車が使用される環境として、−20℃〜80℃程度までは想定しておく必要があり、この温度変化に伴う寸法変化(線膨張率)も極力小さくしておく必要が有る。
(4)優れた剛性:自動車外装部品として、常温雰囲気下で適度な剛性が必要
(5)優れた耐熱剛性:塗装時の高温暴露によっても変形することがない様に高度な耐熱剛性が必要となる。
(6)優れた導電性:導電性を付与した樹脂製板状体(パネル)に通電し、それと反対の電荷を帯電させた塗料を樹脂製板状体に吹き付ける、いわゆる「静電塗装」技術が適用可能な、優れた導電性を発揮する樹脂材料が要求されている。これは、樹脂製板状体表面と塗料とを反対に帯電させることによって、相互に引き合う性質を利用し、塗料の付着率を向上させるものである。
(7)優れた塗装密着性:塗料との密着強度が十分にあり、塗膜が剥がれないことが必要である。
(8)優れた外観:塗装前後で共に外観が良好である。
(9)優れた滞留安定性:射出成形時の滞留安定性に優れている。
例えば、ポリフェニレンエーテル(A)、ポリアミド(B)、水素化ブロック共重合体系エラストマー(C)からなる樹脂組成物であって、この樹脂組成物中に分散した(A)の分散相の直径が0.6μm以下である樹脂組成物、および、この樹脂組成物を製造する際に(A)に対しラジカル発生剤の共存下、カルボン酸基、酸無水物基、エポキシ基を有する1,2−置換オレフィン化合物を反応させて得られた変性ポリフェニレンエーテル(a)と、(C)に対しラジカル発生剤の存在下、カルボン酸基又は酸無水物基を有する1,2−置換オレフィン化合物を反応させて得られた変性水素化ブロック化共重合体系エラストマー(c)と、ポリアミド(B)とを溶融混練することを特徴とした耐衝撃性ポリアミド組成物の製法(特許文献1)が提案されている。
この文献に示された樹脂組成物は、それまで提案された材料に対して、物性バランスの向上には成功しているものの、やはり、溶融流動性に乏しいPPE樹脂を配合した組成物であるが故に、得られる組成物の流動性のレベルは未だ低く、成形可能な成形体の大きさに制限があった。
導電性の改良、即ちカーボンブラックや炭素繊維等の配合は流動性、外観、面衝撃性を低下させる等、物性バランスを取る際に重要な点となる。また塗装密着性の改良についてもそれ自体が非常に難しいことであり、なお且つ、他の物性とのバランスを取りながらそれを行うことは、技術的難度をより高いものとしている。
即ち、それらを改良できる手法が具体的に示されていな当該文献では、実際には自動車外装部品製造用熱可塑樹脂組成物として使用することはできない。
これらの組成物は、流動性、耐衝撃性、剛性、寸法安定性、外観等の諸物性を高度に均衡させたものであり、導電性の改良も同時に改良できることも示している。
しかし、特許文献7では、変性水素化ブロック共重合体中の変性率が低いため、耐衝撃性改良効果が小さく、それをカバーするためにポリアミド樹脂の分子量が高いものを使用することとなり、それによって流動性と耐衝撃性のバランスが、まだ不十分であることが分かった。
また、この文献に記載されている組み合わせだけでは、未だ、流動性、耐衝撃性と剛性、寸法安定性のバランスが不十分であることも分かった。
一方、特許文献8では、ホスファイト化合物を配合することで、耐衝撃性、剛性、寸法安定性のバランスについて改良することができているが、耐衝撃性改良材成分であるオレフィン系重合体の全量が不飽和ジカルボン酸でグラフトされているために、流動性が低いものとなる等、その物性バランスは未だ不十分であることが分かった。
更に、特許文献7、8の組成物では共に射出成形時に加熱シリンダー内に溶融樹脂を長時間滞留させると、シルバー等の外観不良発生したり、耐衝撃性、剛性が低下する等の不具合があることが判明した。
即ち、従来の技術による熱可塑性樹脂組成物では、何れも自動車外装部品製造用樹脂組成物として使用するには、物性バランスが不十分であり、その適用可能な範囲は極限られたものになっているのが現状であった。
すなわち、本発明の目的は、優れた品質を有する自動車外装部品製造用樹脂組成物を提供することにある。
成分(A):ISO―307に準拠して測定される粘度数が80〜120ml/gの範囲であり、末端カルボキシル基濃度(単位:μeq/g)と末端アミノ基濃度(単位:μeq/g)の比率が、6≧末端カルボキシル基濃度/末端アミノ基濃度≧2の範囲内であるポリアミド6樹脂:18〜80重量%
成分(B):ビニル芳香族化合物重合体ブロックと共役ジエン系化合物重合体ブロックとのブロック共重合体の水素添加物:5〜25重量%
成分(C):無水マレイン酸でグラフト変性された、ビニル芳香族化合物重合体ブロックと共役ジエン系化合物重合体ブロックとのブロック共重合体の水素添加物であり、かつ、当該ブロック共重合体の水素添加物100重量%に対して、無水マレイン酸が2.6〜5.0重量%の範囲内でグラフトされたもの:3〜15重量%
成分(D):BET比表面積が600m2/g以上であり、且つDBP吸油量が300ml/100g以上である導電性カーボンブラック:1〜5重量%
成分(E):平均粒子径が0.5〜10μmのタルク:10〜30重量%
成分(F):金属水和物:0.01〜2重量%
成分(G):エチレンビニルアルコール樹脂:0.5〜5重量%
成分(H):ペンタエリスリトール型ホスファイト:0〜1重量%
1.本発明の自動車外装部品製造用樹脂組成物は、流動性、耐衝撃性、寸法安定性、剛性、耐熱剛性、塗装密着性、外観、滞留安定性が何れにおいても優れ、高度に均衡されている。
2.本発明の製造用樹脂組成物から得られる成形品は、鋼板と同様に静電塗装技術を適用し自動車外装部品を製造することができる。
成分(A): ポリアミド6樹脂
本発明における、成分(A)のポリアミド6樹脂は、ISO−307に定められた手法、つまり96%濃硫酸溶媒及び該溶媒中0.5重量%濃度のポリアミド溶液について、23℃で測定された粘度から計算された粘度数(以下、単に「ISO粘度数」と略称することもある。)が、80〜120ml/gの範囲内のものであり、好ましくは80〜110ml/gの範囲内のものである。
成分(A)のポリアミド6樹脂のISO粘度数が、120ml/gを超えると流動性が低下するので、また80ml/gに満たないと耐衝撃性が低下するので好ましくない。
特に、以下の成分(A−1)及び成分(A−2)のポリアミド6樹脂の配合物が好ましい。
成分(A−1): ISO粘度数が100ml/g未満のポリアミド6樹脂
成分(A−2): ISO粘度数が100ml/g以上のポリアミド6樹脂
両成分の配合比率は、成分(A−1)の配合量/成分(A−2)の配合量の値が、高いものほど流動性が良く、低いものほど耐衝撃性に優れるが、重量比率1/99〜99/1の範囲で、必要に応じて調整すればよい。
なお、成分(A)を構成するISO粘度数が異なる2種類以上のポリアミド6樹脂は、それぞれ単独には、ISO粘度数が前記所定の範囲外であっても、範囲内であっても差し支えないが、それらの配合物であるポリアミド6樹脂(成分(A))のISO粘度数は前記所定の範囲内であることが必要である。
末端基比率の値が、この範囲より大きいと、耐衝撃性が低下し、小さいと流動性が低下する等、物性バランスを高度に均衡させることができない。
なお、成分(A)のポリアミド6樹脂として、末端基比率の異なる複数種のポリアミド6樹脂の配合物を使用する場合は、それぞれ単独には末端基比率の値がこの範囲外であっても差し支えないが、それらの配合物であるポリアミド6樹脂(成分(A))の末端基比率の値は、前記所定の範囲内であることが必要である。
本発明の熱可塑性樹脂組成物で用いられる、成分(B)及び成分(C)における、ビニル芳香族化合物重合体ブロックと共役ジエン系化合物重合体ブロックとのブロック共重合体の水素添加物とは、主に共役ジエン系化合物重合体ブロック中の脂肪族不飽和結合数が水素化により減少したブロック共重合体である。
なお、成分(B)及び成分(C)のブロック共重合体の水素添加物における、芳香族化合物重合体ブロックと共役ジエン系化合物重合体ブロックに由来する基本骨格は、成分(B)と成分(C)とでは、単量体種及び/又は組成が同じであっても、異なっていてもよいが、成分(B)のブロック共重合体の水素添加物は無水マレイン酸でグラフト変性されていないものである。
成分(B)として、利用可能なブロック共重合体の水素添加物としては、例えば、スチレン・エチレン・ブテン・スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン・エチレン・プロピレン・スチレンブロック共重合体(SEPS)が挙げられる。また、成分(C)としてはこれらのグラフト変性物が挙げられる。成分(B)及び成分(C)としては、それぞれ、スチレン・エチレン・ブテン・スチレンブロック共重合体及びスチレン・エチレン・ブテン・スチレンブロック共重合体のグラフト変性物が熱安定性に優れる点で好ましい。
ビニル芳香族化合物に由来する繰り返し単位の占める割合は、成分(B)、成分(C)の各100重量%に対して、10〜70重量%の範囲内であり、特に好ましくは15〜25重量%の範囲内である。ビニル芳香族化合物に由来する繰り返し単位の占める割合が、10重量%未満では、耐熱剛性、塗装密着性が低下し、70重量%を超えると耐衝撃性が低下する。
例えば、当該ブロック共重合体の水素添加物と、無水マレイン酸及びラジカル発生剤とを配合して、溶融状態でブロック共重合体にグラフト変性させる手法が挙げられる。
有機過酸化物の具体例として、(イ)ハイドロパーオキサイド類、例えば、t−ブチル−ハイドロパーオキサイド、キュメン−ハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチル−ハイドロパーオキサイド、p−メンタン−ハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド等;(ロ)ジ−アルキルパーオキサイド類、例えば、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、ジ−t−ブチル−パーオキサイド、t−ブチル−キュミル−パーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジ−キュミルパーオキサイド、1,3−ビス−(t−ブチルパーオキシ−イソプロピル)ベンゼン等;(ハ)パーオキシケタール類、例えば、2,2−ビス−t−ブチルパーオキシ−ブタン、2,2−ビス−t−ブチル−パーオキシ−オクタン、1,1−ビス−t−ブチルパーオキシ−シクロヘキサン、1,1−ビス−t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン等;(ニ)パーオキシエステル類、例えば、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシアセテート、2,5−ジ−メチル−2,5−ジ−ベンゾイルパーオキシ−ヘキサン、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t−ブチルパーオキシイソブチレート等;(ホ)ジアシルパーオキサイド類、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、m−トルオイルパーオキサイド、アセチルパーオキサイド等が挙げられる。
これらのラジカル発生剤のうちでも特に好ましいのは、1,3−ビス−(t−ブチルパーオキシ−イソプロピル)ベンゼン等の10時間での半減期温度が120℃以上のラジカル発生剤である。
成分(C)を製造するために、当該ブロック共重合体の水素添加物を、溶融状態で反応させる具体的方法としては、溶融状態で無水マレイン酸及びラジカル発生剤と混合し反応させる方法が挙げられる。溶融状態で混合し反応させるには、熱可塑性樹脂について一般に実用化されている溶融・混練機を使用することができる。溶融・混練機で溶融させている間に、変性反応が起こる。
溶融・混練機としては、例えば、一軸又は多軸押出機、加熱ロール、バンバリーミキサー等が挙げられる。押出機を使用する方法によるときは、例えば、ブロック共重合体の水素添加物、無水マレイン酸、ラジカル発生剤の各成分をあらかじめブレンダー等で混合し、得られた混合物を押出機の上流部側から一括投入(フィード)し、溶融状態で反応させる方法が好適である。
1.試料前処理
未反応の無水マレイン酸を除去するため、再沈精製を行う。
(1−1)試料約6gをトルエン60mlに溶解後、アセトン300mlを添加し、ポリマーを再沈させた後、遠心分離機(6500rpm、5分間)で沈殿を分離する。
(1−2)分離した沈殿にアセトン300mlを加え、4時間スターラーで攪拌後、静置する。
(1−3)上澄みをデカンテーションし、遠心分離機(6500rpm、10分間)で沈殿を回収する。
(1−4)回収した沈殿を真空乾燥器で60℃で5時間乾燥し、精製されたポリマーを得る。
2.中和滴定
(2−1)精製後の試料約2.5gを正確に秤量、活栓付三角フラスコに入れる。
(2−2)30分間窒素バブリングしたトルエンを90ml加え溶解する。
(2−3)溶解後、エタノール10mlを加え、更に指示薬量のフェノールフタレイン溶液を加えて、エタノール性水酸化カリウム溶液(水酸化カリウム濃度0.1mol/L)にて滴定する。
ここで、指示薬のフェノールフタレイン溶液は、フェノールフタレインの85vol%エタノール溶液(フェノールフタレイン濃度10g/L)である。
(2−4)ブランク値を得るために、(2−2)の「30分間窒素バブリングしたトルエン90ml」についても、(2−3)の測定を行う。
3.計算方法
次式により、無水マレイン酸のグラフト率(mmol/g)を計算する。
J=K×F×(M−N)/W
J:無水マレイン酸のグラフト率(mmol/g)
K:滴定溶液濃度(mol/L)
F:ファクター
M:滴定量(ml)
N:ブランク滴定量(ml)
W:試料重量(g)
次式により、無水マレイン酸のグラフト率(重量%)に換算する。
P=(J×Q/1000)×100
P:無水マレイン酸のグラフト率(重量%)
Q:98(無水マレイン酸分子量:g/mol)
1000:mmolからmolへの換算係数
100:g/gから重量%への換算係数
本発明において成分(D)として用いる、導電性カーボンブラックとしては、ファーネスブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック、ケッチェンブラック等が挙げられるが、少量の配合量で導電性を発揮するケッチェンブラックが好ましい。
また、BET比表面積が600m2/g以上で、且つ、DBP吸油量が300ml/100g以上のものを使用しないと、導電性を発現させるために必要な配合量が多くなって、導電性、耐衝撃性、流動性等のバランスを取ることが困難となる。
本発明において成分(E)として用いる、タルクとは、層状構造をもったケイ酸マグネシウムの板状粒子であり、その組成は通常、SiO2を58〜66重量%、MgOを28〜35重量%、H2Oを約5重量%含み、その他少量成分として、Fe2O3、Al2O3、CaO、Na2O、K2O、TiO2、P2O5、SO3等を含有している鉱物である。不純物によりそのpHは8〜11と変化し、比重は約2.7である。本発明における成分(E)としては、極力不純物が少ないタルクを用いることが好ましい。
タルクを原石から粉砕する際の製法は特に制限を受けないが、タルクを脱気して圧縮したもの、又はモンモリロナイト等の微量の粘土状物質をバインダーとして造粒して、タルクの嵩密度を高くしたものが、組成物を製造する際の生産性、分散性に優れるので好ましい。
これらのタルクには、アミノシラン処理を施しても施さなくてもよいが、剛性、耐衝撃性のバランスを取るためにはアミノシラン処理は施さない方が好ましい。
本発明において成分(F)として用いる、金属水和物とは、金属が水素結合により水酸基を配位した物質である。
例えば、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛、水酸化カルシウム、水酸化アルミニウム、ホウ酸亜鉛、ハイドロタルサイトなどを例示することができるが,中でも水酸化カルシウムが滞留安定性の改良効果が大きく好ましい。
本発明において成分(G)として用いる、エチレンビニルアルコール樹脂とは、エチレンとビニルアルコールの共重合体のことである。通常、エチレンとビニルエステルの共重合体をケン化して製造される。本発明で使用されるエチレンビニルアルコール樹脂のケン化度は70mol%以上であり、これよりケン化度が小さいと熱安定性が悪いため、好ましくない。エチレンビニルアルコール樹脂のエチレン共重合比率は40〜50mol%のものが好ましく、この範囲が最も塗装密着性に優れる。また、JIS−K6730[温度190℃、荷重2.16kg]に準じて測定したMIが0.5g/10分以上のものが流動性の点で好ましく使用できる。
この成分の形状は、特に制限はないが、均一分散性の点で、ペレット状であるのがよい。
成分(G)の配合手法としては、成分(G)以外の成分を全て溶融混練した樹脂組成物のペレットに、成分(G)のペレットをドライブレンドにて配合する手法が最も好ましい。成分(G)をドライブレンドではなく溶融混練してしまうと、塗装密着性の改良効果の低減、また耐熱剛性の低下等により、物性バランスを高度に均衡させることが困難となる。
本発明に係る自動車外装部品製造用熱可塑性樹脂組成物には、上記の各成分のほかに、本発明の効果を損なわない種類と量の、他の各種樹脂添加剤を配合する(含有させる)ことができる。
そのような各種樹脂添加剤としては、例えば、熱安定剤、酸化防止剤、耐侯性改良剤、紫外線吸収剤、造核剤、発泡剤、難燃剤、耐衝撃改良剤、滑剤、可塑剤、流動性改良剤、染料、顔料、有機充填剤、補強剤、分散剤等が挙げられる。
その他の成分のうち寸法安定性改良助剤として、とりわけ、成分(H):ペンタエリスリトール型ホスファイト化合物の配合は、本発明の樹脂組成物に対して、耐衝撃性、寸法安定性、剛性のバランスを高めるため、好ましく使用できる。
成分(H)として用いる、ペンタエリスリトール型ホスファイト化合物としては、具体的には、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、テトラフェニルテトラ(トリデシル)ペンタエリスリトールテトラホスファイト、水添ビスフェノールAペンタエリスリトールホスファイトポリマー、ジノニルフェニルペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−イソプロピルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4,6−トリ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−オクチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジクミルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト等を例示することができ、中でもビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイトが好ましい。上記例示のホスファイトは単独でも、2種以上混合して使用してもよい。
本発明の組成物に、成分(H)を配合する場合は、組成物を構成する全成分の合計100重量%に対して、0.1〜1重量%の範囲内の含有率とすることが好ましい。この範囲より少ないと、実質的に剛性、寸法安定性をより高める実質的効果は得られず、この範囲より多いと滞留安定性が低下するので、好ましくない。
本発明の自動車外装部品製造用熱可塑性樹脂組成物における、各成分(A)〜(H)の含有率は、組成物を構成する全成分の合計100重量%に対して、それぞれ、下記の範囲内にあることが必要である。
成分(A):18〜80重量%、好ましくは20〜75重量%
成分(B):5〜25重量%、好ましくは6〜23重量%
成分(C):3〜15重量%、好ましくは4〜14重量%
成分(D):1〜5重量%、好ましくは1.5〜4.5重量%
成分(E):10〜30重量%、好ましくは12〜28重量%
成分(F):0.01〜2重量%、好ましくは0.05〜1.5重量%
成分(G):0.5〜5重量%、好ましくは1〜4重量%
成分(H):0〜1重量%、好ましくは0.1〜1重量%
これら各成分の含有率が、一つでも上記の範囲内にない場合には、耐衝撃性、剛性、流動性、導電性、滞留安定性を始めとした物性バランスを高度に均衡させることはできない。
成分(B)の含有率は、この範囲より少ないと耐衝撃性が低下し、この範囲より多いと流動性、剛性、耐熱剛性、寸法安定性、外観等が低下する。
成分(C)の含有率は、この範囲より少ないと耐衝撃性が低下し、この範囲より多いと流動性、剛性、耐熱剛性、寸法安定性、外観等が低下する。
成分(D)の含有率は、この範囲より少ないと導電性が低下し、この範囲より多いと流動性、耐衝撃性、外観等が低下する。
成分(E)の含有率は、この範囲より少ないと剛性、寸法安定性等が低下し、この範囲より多いと流動性、耐衝撃性、外観等が低下する。
成分(F)の含有率は、この範囲より少ないと滞留安定性が不十分となり、この範囲より多いと外観が悪化する。
成分(G)の含有率は、この範囲より少ないと塗装密着性が低下し、この範囲より多いと流動性、耐熱剛性等が低下する。
式(1): 成分(A)/{成分(B)+成分(C)}=65/35〜85/15
(式中、成分(A)、成分(B)及び成分(C)は、成分(A)+成分(B)+成分(C)の合計100重量に対する、各成分の重量%である。)
式(2): 成分(A)/成分(D)=93/7〜97/3
(式中、成分(A)及び成分(D)は、成分(A)+成分(D)の合計100重量%に対する、各成分の重量%である。)
また、本発明の自動車外装部品製造用熱可塑性樹脂組成物は、そのミクロ分散形態において、少なくとも下記の各成分がそれぞれ下記の分散形態にあることが好ましい。
成分(A)、成分(B)及び成分(C):
成分(A)ポリアミド6樹脂が海相(マトリックス相)を形成しており、この海相に成分(B)及び成分(C)ブロック共重合体の水素添加物が、個別に又は混合体の形で、島相(ドメイン相)として分散していることが好ましい。しかも、その島相の平均分散粒子径は0.1〜1μmの範囲内にあることがさらに好ましい。この島相の平均分散粒子径がこの範囲より小さくても、大きくても剛性、耐衝撃性が低下する。
しかして、成分(B)、成分(C)又はその混合体が海相を形成し、成分(A)が島相を形成する様な分散形態では、剛性、耐熱剛性、寸法安定性が大きく低下するので好ましくない。
成分(D)導電性カーボンブラックは、主に成分(A)ポリアミド6樹脂の海相中に分散していることが好ましく、また成分(E)タルクも、主に成分(A)の海相中に分散していることが好ましい。
本発明組成物の好ましい分散形態では、成分(A)のポリアミド6樹脂が海相(マトリックス相)を形成していて、しかも、成分(D)及び成分(E)が、主にこの成分(A)の海相中に分散している状態が好ましい。
ここで、「主に」とは、当該組成物において、成分(D)及び成分(E)の、それぞれ全含有量100重量%に対して、50重量%を超える量が、成分(A)の海相中に分散していることを意味する。
しかして、成分(D)が、成分(A)の海相ではなく、成分(B)及び/又は成分(C)相の島相中に分散していると、導電性は大きく低下するので好ましくない。また、成分(E)が、成分(B)又は成分(C)相中に分散していると、剛性、耐熱剛性、寸法安定性、耐衝撃性が低下するので好ましくない。
なお、これら各成分の好ましい分散形態は、本発明に係る樹脂組成物の調製に際し、溶融混練の方法を適切に制御することにより、容易に達成することができる。
例えば、溶融混練を複数段に分けて行う場合には、第1段で、まず成分(D)導電性カーボンブラックを、成分(A)ポリアミド6樹脂の少なくとも一部と、二軸押出機にて溶融混練して、成分(D)を予め成分(A)相中に分散させた樹脂組成物ペレット、成分(AD)を製造する。
次いで、第2段で、この成分(AD)を、成分(A)の残部、成分(B)及び成分(C)と共に、二軸押出機にて溶融混練して、成分(A)相中に、成分(B)、成分(C)及び成分(D)を微分散させた樹脂組成物ペレット、成分(ABCD)を製造する。
次の第3段で、成分(ABCD)と成分(E)タルクを、二軸押出機にて溶融混練することで、前記の好ましい分散形態を発現させることができる。
ここで、成分(F)金属水和物は、第1〜3段のどのタイミングで配合しても差し支えなく、また成分(G)エチレンビニルアルコール樹脂は、成分(G)以外の成分を全て溶融混練した樹脂組成物のペレットとドライブレンドして配合すれば良いことは前述のとおりである。成分(H)ペンタエリスリトール型ホスファイトを配合するタイミングは、いつでも差し支えないが、例えば、成分(F)と同じタイミングで配合すればよい。
具体的には、ペレット又は射出成形品から小片を、例えば、クライオ装置を装備した超ミクロトーム(ライカ社製、ULTRCUT CUT)で、ダイヤモンドナイフを使用し、−100℃の温度で厚さ100nm超薄切片に切り出し、切り出した小片の表面を四酸化オスミウムおよび四酸化ルテニウムで染色した後、透過型電子顕微鏡(例えば、日本電子社製、型式:JEM1200EXII型)を用いて、容易に観察することができる。
なお、各特性評価方法の詳細に関しては、後述の実施例の組成物特性の評価方法の欄に記載した。
(1)流動性
目標値:2mm厚の金型におけるバーフロー流動長が550mm以上であること。
(2)耐衝撃性
目標値:塗装前の試験片の、高速面衝撃強度が30J以上であること。
(3)寸法安定性
(3−1)二次加熱収縮率
目標値:150℃×40分における二次加熱収縮率が、0.4%以下であること。
(3−2)線膨張率
目標値:線膨張率が9×10−5K−1以下であること。
(4)剛性
目標値:曲げ弾性率が2500MPa以上であること。
(5)耐熱剛性
目標値:熱変形温度が180℃以上であること。
(6)導電性
目標値:体積抵抗率が1×108 Ωcm以下であること。
(7)塗装密着性
目標:碁盤目剥離試験による、塗膜残存率が100%であること。
(8)外観
(8−1)塗装前
目標:塗装前の成形品表面にシルバーや著しいフィラー浮き、フローマーク等の外観不良がないこと。
(8−2)塗装後
目標:塗装後の塗装膜表面の写像性が良好であること。
(9)滞留安定性
目標:280℃の樹脂温度で成形機シリンダー内に連続的に20分以上滞留させた時、成形品表面にシルバー等の外観不良が発生しないこと。
加えて(9)の滞留安定性の目標を満足させることで、より射出成形体の生産安定性に優れた材料であると言うことができる。
なお、以下に記載の実施例・比較例において、使用した各原料の特性等の詳細は次の通りである。また、得られた樹脂組成物の評価については、後記「組成物特性の評価方法」に詳述する。
成分(A)ポリアミド6樹脂
成分(A−1)ISO粘度数が100ml/g未満のポリアミド6樹脂
成分(A−1−1): 商品名=ノバミッド1005J、三菱エンジニアリングプラスチックス社製、ISO粘度数=86ml/g、融点=223℃、末端アミノ基濃度=26μeq/g、末端カルボキシル基濃度=126μeq/g、末端カルボキシル基濃度/末端アミノ基濃度比率=4.85
成分(A−1−2): 商品名=ノバミッド1007JX、三菱エンジニアリングプラスチックス社製、ISO粘度数=99ml/g、融点=223℃、末端アミノ基濃度=84μeq/g、末端カルボキシル基濃度=88μeq/g、末端カルボキシル基濃度/末端アミノ基濃度比率=1.05
成分(A−1−3): 商品名=ノバミッド1007J、三菱エンジニアリングプラスチックス社製、ISO粘度数=99ml/g、融点=223℃、末端アミノ基濃度=26μeq/g、末端カルボキシル基濃度=87μeq/g、末端カルボキシル基濃度/末端アミノ基濃度比率=3.3
成分(A−2)ISO粘度数が100ml/g以上のポリアミド6樹脂
成分(A−2−1): 商品名=ノバミッド1010J、三菱エンジニアリングプラスチックス社製、ISO粘度数=118ml/g、融点=223℃、末端アミノ基濃度=26μeq/g、末端カルボキシル基濃度=77μeq/g、末端カルボキシル基濃度/末端アミノ基濃度比率=2.96
成分(A−2−2): 商品名=ノバミッド1020J、三菱エンジニアリングプラスチックス社製、ISO粘度数=182ml/g、融点=223℃、末端アミノ基濃度=40μeq/g、末端カルボキシル基濃度=40μeq/g、末端カルボキシル基濃度/末端アミノ基濃度比率=1
成分(B):ビニル芳香族化合物重合体ブロックと共役ジエン系化合物重合体ブロックとのブロック共重合体の水素添加物
成分(B−1): 物質=スチレン・エチレン・ブテン・スチレン共重合体(以下SEBSと略記する)、商品名=タフテックH1052、旭化成社製、スチレン含有率20重量%、MFR=8g/10分(ASTM−D1238、230℃×2.16kgにて測定)
成分(C)無水マレイン酸でグラフト変性された、ビニル芳香族化合物重合体ブロックと共役ジエン系化合物重合体ブロックとのブロック共重合体の水素添加物
成分(C−1): 物質=無水マレイン酸変性SEBS、商品名=タフテックM1943、旭化成社製、無水マレイン酸のグラフト率=2.7重量%(前述の分析手法に基づき測定した)、スチレン含有率20重量%、MFR=8g/10分(ASTM−D1238、230℃×2.16kgにて測定)
成分(D)導電性カーボンブラック
成分(D−1): 商品名=ケッチェンEC600JD、ライオン社製、比表面積=1270m2/g、DBP吸油量=495ml/100g
成分(E)タルク(ケイ酸マグネシウム)
成分(E−1): 商品名=圧縮タルクHST0.5、林化成社製、平均粒子径=2.75μm、化学組成(蛍光X線分析結果、重量比)={SiO2:60.7%/MgO:30.9%/Fe2O3:0.12%/Al2O3:0.04%/CaO:0.41%/Na2O:0.02%/K2O:0%/TiO2:0.001%/P2O5:0.04%/SO3:0%/強熱減量:5.7%(殆どが水分)}、pH=9.3、比重=2.7、嵩密度=1g/cm3、粒子形状=板状、シランカップリング剤による表面処理なし
成分(F)金属水和物
成分(F−1): 物質=水酸化カルシウム、和光純薬社製、試薬、純度≧99%
成分(G)エチレンビニルアルコール樹脂
成分(G−1): 商品名=エバールG156A、クラレ社製、エチレン共重合比率=47mol%、比重=1.12、MI=6g/10分[JIS−K6730、190℃×2.16kgにて測定]、ケン化度=100mol%、ペレット形状=円筒状、直径約3mm、長さ約4mmH)
成分(H)ペンタエリスリトール型ホスファイト化合物
成分(H−1): 物質=ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエスリトールジホスファイト、商品名=PEP36、旭電化社製、融点234〜240℃、揮発性10%、減量温度361℃
成分(I)その他の成分
成分(I−1): 物質=無水マレイン酸でグラフト変成したエチレン・ブテン−1共重合体、商品名=MODIC−AP730T、三菱化学社製、脆化温度=−70℃未満、表面硬度=83[JIS−K6301、type−Aにて測定]、密度=0.89g/ml、MFR=2g/10分[ASTM−D1238、190℃×2.16kgにて測定]
各特性の評価は、次の手順に従って実施した。
1.各試験片の準備
(1)ASTM−D790、D638、D648に準拠した試験片の作成
成形機:日鋼J75ED、樹脂温度280℃、金型温度80℃、射出保圧時間15sec、冷却時間15sec、1サイクル40secにて成形した。
この試験片を用いて、剛性、耐熱剛性、導電性を評価した。
(2)100×100×3mm厚のシート状の試験片の作成
成形機:住友SH100、樹脂温度280℃、金型温度80℃、射出保圧時間15sec、冷却時間15sec、1サイクル40secにて成形した。
この試験片を用いて、耐衝撃性、二次加熱収縮率、外観を評価した。
(3)100×100×3mm厚のシート状の滞留成形試験片の作成
成形機:住友SH100、樹脂温度280℃、金型温度80℃にてショット間待機時間を設けてシリンダー内に樹脂を一定時間滞留させて成形を行なった。
すなわち、通常は、射出→可塑化&冷却→型開き→成形品取り出し→型締め(これで1サイクル終了)→射出の順序にて行なわれる射出成形工程において、
以下の通り、型締め後に、20分間のインターバル(滞留工程)を置いて、次の射出工程に移る、との滞留工程を入れた成形(滞留成形)を行なった。
射出→可塑化&冷却→型開き→成形品取り出し→型締め→インターバル(これで1サイクル終了)→射出
この滞留成形試験片作成時の射出時間は15sec、冷却時間は15sec、型開き、型締め等その他にかかる時間10sec、インターバル20分、合計20分40secのサイクルにて成形を行なった。このサイクルで5ショット連続成形を行ない、成形を安定化させて、5ショット目の成形品を試験片として用い、滞留安定性を評価した。
(1)流動性
2mm厚×10mm幅のバーフロー流動長を測定し、流動性を評価した。この数値が高いものほど流動性に優れていることを示す。詳細条件は次の通り。
・成形機:東芝IS150
・金型:三菱エンジニアリングプラスチックス社所有のバーフロー型(2mm厚×10mm幅)
・成形温度:シリンダー温度280℃設定、金型温度80℃設定
・射出/冷却時間:10sec/15sec
・1サイクル:40sec
・射出圧力:98MPa
・評価に使用したバーフロー流動長は、15ショット連続成形を行い、15ショット目の成形品について測定した値である。
100mm×100mm×3mm厚のシート状試験片の表面に対して垂直方向から、1m/secの速度で、先端が球状のシャフトを衝突させて、該シート状試験片を厚み方向に打ち抜くのに要した衝撃エネルギー値(高速面衝撃強度)を測定し、耐衝撃性を評価した。この数値が高いものほど耐衝撃性に優れていることを示す。詳細条件は次の通り。
・測定器:島津試験機社製サーボパルサー
・測定雰囲気温度:23℃
・シャフトの先端形状:12.7mmRの球状
・シャフト打ち抜き速度:1m/sec
・試験片の調湿状態:絶乾
・試験時の受け台(固定クランプ)の直径:76.2mm
評価に使用した高速面衝撃強度は、5回の測定結果の平均値である。
(3−1)二次加熱収縮率
100mm×100mm×3mm厚のシート状試験片を、150℃で40分加熱した際に生ずる寸法収縮について、二次加熱収縮率を測定し、寸法安定性を評価した。この数値が小さいほど、寸法安定性に優れていることを示す。詳細条件は次の通り。
1)加熱前の寸法測定:
・試験片の外周4辺100mm×100mm(樹脂の流動方向と直角方向、各2辺づつ)の長さを測定する。この長さをそれぞれ、{L1}〜{L4}とする。
2)加熱処理:
・150℃に加熱した熱風オーブンに、この試験片を入れて、40分エージング(加熱処理)する。
・40分後にオーブンから取り出し、アルミ袋に入れてシールをして、吸水を防ぎつつ、23℃で24時間冷やす。
3)加熱後の寸法測定:
・加熱前の寸法測定対象とした外周4辺と対応する各辺の、加熱処理後の長さを測定する。この長さをそれぞれ、{LG1}〜{LG4}とする。
4)収縮率の算出:
・{L1}を{LG1}と対比させ、次式に従い二次加熱収縮率を求める。
二次加熱収縮率(%)={{L1}−{LG1}/{L1}}×100
・{L2}、{L3}、{L4}についても、それぞれ、{LG2}、{LG3}、{LG4}と対比させ、同様に、各辺の二次加熱収縮率を求める。
評価に使用した二次加熱収縮率は、4辺について算出された4つの二次加熱収縮率の値の平均値である。
樹脂の流動方向(MD方向)の線膨張率を測定し、寸法安定性を評価した。この数値が小さいほど寸法安定性に優れていることを示す。詳細条件は次の通り。
・試験片:ASTM曲げ試験片を8mm×8mm×6mm厚に切り出した後に、120℃で12時間熱風でアニールする。その後、アルミ袋に入れてシールをし、吸水を防ぎつつ、室温まで冷却させたものを試験片とした。
・測定器:SEIKO−INSTRUMENTS社製、EXSTAR6000
・温度コントロール:0℃で30分安定させた後に、100℃まで、2℃/分の速度で昇温した。
評価に使用した線膨張率は、上記昇温時の、23℃〜83℃の間のMD方向(樹脂の流動性方向)の線膨張率である。
ASTM−D790に準拠して、23℃雰囲気、絶乾時の試験片について、曲げ弾性率を測定し、剛性を評価した。この数値が高いほど剛性に優れる。
ASTM−D648に準拠して、応力条件0.45MPa、絶乾時の試験片について、熱変形温度を測定し、耐熱剛性を評価した。この数値が高いほど耐熱剛性に優れる。
体積抵抗率を測定し、導電性を評価した。この数値が小さいものほど導電性に優れていることを示す。詳細条件は次の通り。
・試験片:ASTM−D638に準拠した引張試験片の両端を剪定ハサミで切断し、標線範囲内から、12.7mm×50mm×3mm厚の短冊を切り出し、短冊の両端面(12.7mm×3mm)に銀ペーストを塗布して、23℃で30分風乾したものを試験片とする。
・測定:テスターで、試験片両端面の間の抵抗を測定し、体積抵抗率を算出した。
・テスター:カスタム社製、MG−1600。
碁盤目剥離試験を実施し、塗膜の残存状況を観察して、塗装密着性を評価した。評価結果が“○”であれば塗装密着性が良いことを示す。詳細条件は次の通り。
・塗装試験片:100×100×3mm厚のシート状試験片の片側表面(塗布面)に、アクリルウレタン系塗料(オリジン電気社製、OP−Z−NY)を塗布して、80℃にて60分焼き付け、塗布面上に40〜60μm厚の塗膜を形成した塗装試験片を得る。
・碁盤目の刻設:塗膜表面から塗布面に達する深さの、スリットを縦横11本ずつ等間隔に刻設し、1辺が1mm幅の碁盤目状の100マスに分割するスリット刻設部を形成する。
・剥離試験:スリット刻設部を完全に覆うように塗膜の上から、18mm幅の粘着テープ(セロハンテープ)を貼り付けた後、このテープを一気に引き剥がす。その際、テープで引き剥がされずに、表面に塗膜が完全に残っているかどうかを目視判定した。
塗装密着性の評価結果は、スリット刻設部の100マスの塗膜が、全く欠けていない場合は○、少しでも欠けた場合は×と表示した。
(8−1)塗装前の外観
100×100×3mm厚のシート状試験片の表面を観察して、塗装前の外観を評価した。評価結果が“○”であれば外観が良いことを示す。
この試験片の表面観察の際には、特にシルバーや著しいフィラー浮き、フローマーク等の不良の存否に留意し、外観を目視判定した。
塗装前の外観の評価結果は、シルバーや著しいフィラー浮き、フローマーク等の不良があるものは×、その様な不良がないものは○と表示した。
前記(7)塗装密着性の評価の際に、同時に塗装後の外観も評価した。評価結果が“○”であれば外観が良いことを示す。
すなわち、前記塗装試験片の塗膜表面に蛍光灯の鏡面反射像を写し出し、蛍光灯の像の鮮明性の良否を目視判定した。
塗装後の外観の評価結果は、像が少しでも揺らいで写るものを×、鮮明に写るものを○と表示した。
前述の滞留成形にて作成した、100×100×3mm厚のシート状滞留成形試験片の表面を観察して、滞留安定性を評価した。評価結果が“○”であれば滞留安定性が良いことを示す。
この試験片の表面観察の際には、前記(8−1)塗装前の外観の場合と同様、特にシルバーや著しいフィラー浮き、フローマーク等の不良の存否に留意し、滞留成形品の外観を目視判定した。
滞留安定性の評価結果は、シルバーや著しいフィラー浮き、フローマーク等の不良があるものは×、その様な不良がないものは○と表示した。
各成分の分散形態は、各組成物を射出成形して得た試験片から、ダイヤモンドナイフにて極薄切片を切り出し、透過型電子顕微鏡(以下、TEMと略記)にて観察した。
TEM観察に際しては必要により、酸化オスミウム、酸化ルテニウム等により染色を行い、各成分を特定し、その分散形態を評価した。
成分(B)、成分(C)、又は、成分(B)と成分(C)の混合体の平均分散粒子径は、これら特定成分の少なくとも30個の粒子をランダムに選んで、円相当径(単位μm)を測定し、それらの平均値を算出して、平均粒子径とした。
[組成物及び試験片の調製法]
実施例1〜6及び比較例1〜9においては、次の通り組成物を調製した。
何れも、段階的に複数回の溶融混練とドライブレンドを行うことで、後記表−1(実施例1〜5)又は表−2(比較例1〜7)に示した各成分の含有率になる様に製造した。
続いて、成分(A−1−1)以外の成分(A)と、成分(B)、成分(C)、成分(F)及び前記1パス目のペレット(AD−α)とを溶融混練して、成分(A)、成分(B)、成分(C)、成分(D)及び成分(F)を含有する樹脂組成物ペレット(ABCDF)を製造する2パス目。
続いて、成分(E)と、前記2パス目のペレット(ABCDF)と溶融混練して、成分(A)、成分(B)、成分(C)、成分(D)、成分(E)及び成分(F)を含有する樹脂組成物ペレット(ABCDEF)を製造する3パス目。
最後に成分(G)のペレットと、前記3パス目のペレット(ABCDEF)とをドライブレンドして、成分(A)、成分(B)、成分(C)、成分(D)、成分(E)、成分(F)及び成分(G)を含む最終組成物を完成させ、成形及び各種評価を行なった。
なお、比較例において、何れかの成分を含まない樹脂組成物に関しては、その成分のみを抜いて製造し、また、成分(H)を配合する場合には成分(F)と同じタイミングにて配合し、一部の比較例で用いた、その他の成分(I)も、成分(F)と同じタイミングで配合した。
(1)1パス目
二軸押出機(日本製鋼所社製、TEX−30XCT(スクリュー直径30mmΦ))を用いて、シリンダー温度240℃、スクリュー回転数200rpm、吐出量10kg/hの条件で、成分(A−1−1)を押出機の最上流部のメインフィードから投入し、成分(D−1)を押出機の中流部からサイドフィードにて投入して、成分(A−1−1)及び(D−1)からなり、その含有比率が、(A−1−1)/(D−1)=87.5重量%/12.5重量%である溶融混練樹脂組成物ペレット(AD−α)を製造した。
(2)2パス目
二軸押出機(日本製鋼所社製、TEX−30XCT(スクリュー直径30mmΦ))を用いて、シリンダー温度240℃、スクリュー回転数400rpm、吐出量20kg/hの条件で、成分(A−1−1)以外の成分(A)、成分(B)、成分(C)、成分(F)及び1パス目のペレット(AD−α)を所定量秤量して、タンブラーミキサーにて混合後、押出機の最上流部のメインフィードから一括投入して、溶融混練樹脂組成物ペレット(ABCDF)を製造した。
(3)3パス目
二軸押出機(日本製鋼所社製、TEX−30XCT(スクリュー直径30mmΦ))を用いて、シリンダー温度240℃、スクリュー回転数400rpm、吐出量20kg/hの条件で、成分(E)と溶融混練樹脂組成物ペレット(ABCDF)とを所定量秤量して、タンブラーミキサーにて混合後、押出機の最上流部のメインフィードから一括投入して、溶融混練樹脂組成物ペレット(ABCDEF)を製造した。
(4)ドライブレンド
成分(G)のペレットと溶融混練樹脂組成物ペレット(ABCDEF)とを所定量秤量して、タンブラーミキサーにて混合して、最終的な樹脂組成物として完成させた。
この最終樹脂組成物を120℃で10時間真空乾燥をして、各種試験を行う成形材料とした。
1)成分(A)が、海相を形成している
2)成分(B)と成分(C)の混合体は、成分(A)相に平均粒子径0.3μm程度の島相として分散している
3)成分(D)は、実質的全量が成分(A)相に分散しており、成分(B)等の島相中には存在しない
4)成分(E)は、実質的全量が成分(A)相に分散しており、成分(B)等の島相中には存在しない
一方、表−2に示すように、比較例1〜9は何れかの評価項目が目標値を満足しておらず、自動車外装部品製造用熱可塑性樹脂組成物としては不十分であることが分かる。すなわち、比較例1は流動性、塗装前の外観、滞留安定性が不十分であり、比較例2は、塗装密着性、塗装前の外観、塗装後の外観、滞留安定性が不十分であり、比較例3は滞留安定性が不十分であり、比較例4は塗装密着性が不十分であり、比較例5は導電性が不十分であり、比較例6は流動性が不十分であり、比較例7は流動性が不十分であり、比較例8は滞留安定性が不十分であり、比較例9は寸法安定性、剛性が不十分である。
自動車外装部品としては、バックドア、バンパーフェイシア、フロントフェンダー、リアフェンダー、フューエルリッド、ドアパネル、テールゲートパネル、フロントパネル、ボンネット、ルーフパネル、ライセンスガーニッシュ、トランクリッド、ロッカーモール、リアガーニッシュ、ドアガーニッシュ等が挙げられる。
Claims (10)
- 下記の成分(A)〜(H)を、組成物を構成する全成分の合計100重量%に対して、それぞれ下記の比率で含有してなる自動車外装部品製造用熱可塑性樹脂組成物。
成分(A):ISO―307に準拠して測定される粘度数が80〜120ml/gの範囲内であり、末端カルボキシル基濃度(単位:μeq/g)と末端アミノ基濃度(単位:μeq/g)の比率が、6≧末端カルボキシル基濃度/末端アミノ基濃度≧2の範囲内であるポリアミド6樹脂:18〜80重量%
成分(B):ビニル芳香族化合物重合体ブロックと共役ジエン系化合物重合体ブロックとのブロック共重合体の水素添加物:5〜25重量%
成分(C):無水マレイン酸でグラフト変性された、ビニル芳香族化合物重合体ブロックと共役ジエン系化合物重合体ブロックとのブロック共重合体の水素添加物であり、かつ、当該ブロック共重合体の水素添加物100重量%に対して、無水マレイン酸が2.6〜5.0重量%の範囲内でグラフトされたもの:3〜15重量%
成分(D):BET比表面積が600m2/g以上であり、且つDBP吸油量が300ml/100g以上である導電性カーボンブラック:1〜5重量%
成分(E):平均粒子径が0.5〜10μmのタルク:10〜30重量%
成分(F):金属水和物:0.01〜2重量%
成分(G):エチレンビニルアルコール樹脂:0.5〜5重量%
成分(H):ペンタエリスリトール型ホスファイト:0〜1重量% - 成分(F)が水酸化カルシウムである請求項1に記載の自動車外装部品製造用熱可塑性樹脂組成物。
- 成分(H):ペンタエリスリトール型ホスファイトを、組成物を構成する全成分の合計100重量%に対して、0.1〜1重量%の比率で含有してなる請求項1又は2に記載の自動車外装部品製造用熱可塑性樹脂組成物。
- 成分(A)が、成分(A−1):ISO粘度数100ml/g未満のポリアミド6樹脂と、成分(A−2):ISO粘度数100ml/g以上のポリアミド6樹脂との配合物であることを特徴とする請求項1〜3に記載の自動車外装部品製造用熱可塑性樹脂組成物。
- 成分(G)以外の成分を全て溶融混練した樹脂組成物ペレットに、成分(G)のペレットをドライブレンドしてなる請求項1〜4の何れかに記載の自動車外装部品製造用熱可塑性樹脂組成物。
- 成分(B)及び成分(C)を構成するブロック共重合体の水素添加物が、それぞれ、スチレン・エチレン・ブテン・スチレンブロック共重合体及びスチレン・エチレン・ブテン・スチレンブロック共重合体のグラフト変性物であることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の自動車外装部品製造用熱可塑性樹脂組成物。
- スチレン・エチレン・ブテン・スチレンブロック共重合体中のスチレン含有率が、成分(B)又は成分(C)の各100重量%に対して、各15〜25重量%の範囲内であることを特徴とする請求項6に記載の自動車外装部品製造用熱可塑性樹脂組成物。
- 成分(D)及び(E)が、主に成分(A)の海相中に分散していることを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載の自動車外装部品製造用熱可塑性樹脂組成物。
- 各成分の含有重量比率が、下記式(1)及び式(2)を満足することを特徴とする請求項1〜8の何れかに記載の自動車外装部品製造用熱可塑性樹脂組成物。
式(1): 成分(A)/{成分(B)+成分(C)}=65/35〜85/15
(式中、成分(A)、成分(B)及び成分(C)は、成分(A)+成分(B)+成分(C)の合計100重量%に対する、各成分の重量%である。)
式(2): 成分(A)/成分(D)=93/7〜97/3重量%
(式中、成分(A)及び成分(D)は、成分(A)+成分(D)の合計100重量%に対する、各成分の重量%である。) - 請求項1〜9の何れかに記載の自動車外装部品製造用熱可塑性樹脂組成物を射出成形し、得られた射出成形体に静電塗装を施してなる自動車外装部品。
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