JP2007302802A - インク組成物、インクカートリッジ、これらを用いた記録方法および記録物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 下記式(1)の一般式で表されるベタイン系界面活性剤と、消泡剤として特定のエチレングリコールエーテル類及び/又は特定のプロピレングリコールエーテル類とを含有することを特徴とするインク組成物とする。
(R)p−N−[L−(COOM)q]r 式(1)
消泡剤が、エチレングリコールモノn−ペンチルエーテル、エチレングリコールモノn−ヘキシルエーテル、プロピレングリコールモノn−ブチルエーテルから選ばれる1種以上であることが好ましい。
【選択図】 なし
Description
インクとしては、例えば、着色剤である顔料や染料を、界面活性剤や樹脂微粒子と共に使用した組成物として利用することで、印刷品質や印刷物の保存性を向上させる提案がなされている。
次に、この知見の下でさらに検討を重ねた結果、(β)グリコールエーテル類のインク組成物中における配合割合の最適化を図った。
(1) 下記式(1)の一般式で表されるベタイン系界面活性剤と、消泡剤として下記式(2)の一般式で表されるグリコールエーテル類及び/又は下記式(3)の一般式で表されるグリコールエーテル類とを含有することを特徴とするインク組成物。
[化1]
(R)p−N−[L−(COOM)q]r 式(1)
(上記式(1)中、Rは、水素原子、アルキル基、アリール基、またはヘテロ環基を表す。Lは2価以上の連結基を表す。Mは水素原子、アルカリ金属原子、アンモニウム基、プロトン化された有機アミンもしくは含窒素へテロ環基、4級アンモニウムイオン基を表し、式(1)中のN原子からなるアンモニウムイオンの対イオンとなる場合は、カチオンとして存在しない基を表す。qは1以上の整数を表し、rは1以上4以下の整数を表す。pは0以上4以下の整数を表し、p+rは3もしくは4である。p+rが4である場合Nは4級アミンを構成する窒素原子となる。pが2以上の時Rは同じでも異なっていてもよい。qが2以上の時COOMは同じでも異なっていてもよい。rが2以上の時はL−(COOM)qは同じでも異なっていてもよい。)
(3) 式(1)又は式(4)で表されるベタイン系界面活性剤が、下記式(5)で表される化合物であることを特徴とする前記(1)又は(2)に記載のインク組成物である。
(5) ベタイン系界面活性剤に対する、グリコールエーテル類の含有割合が、重量比で、1.00:0.25〜1:5.00であることを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれか一つに記載のインク組成物である。
(7) インクジェット記録方法が、圧電素子の機械的変形によりインク滴を形成するインクジェットヘッドを用いた記録方法であることを特徴とする前記(6)に記載のインク組成物である。
(9) インクジェット記録方法であって、インク組成物として前記(1)〜(7)のいずれか一つに記載のインク組成物を使用すること、または前記(8)のインクカートリッジを使用することを特徴とするインクジェット記録方法である。
(10) 前記(9)に記載のインクジェット記録方法により記録されたことを特徴とする記録物である。
[化6]
(R)p−N−[L−(COOM)q]r 式(1)
(上記式(1)中、Rは、水素原子、アルキル基、アリール基、またはヘテロ環基を表す。Lは2価以上の連結基を表す。Mは水素原子、アルカリ金属原子、アンモニウム基、プロトン化された有機アミンもしくは含窒素へテロ環基、4級アンモニウムイオン基を表し、式(1)中のN原子からなるアンモニウムイオンの対イオンとなる場合は、カチオンとして存在しない基を表す。qは1以上の整数を表し、rは1以上4以下の整数を表す。pは0以上4以下の整数を表し、p+rは3もしくは4である。p+rが4である場合Nは4級アミンを構成する窒素原子となる。pが2以上の時Rは同じでも異なっていてもよい。qが2以上の時COOMは同じでも異なっていてもよい。rが2以上の時はL−(COOM)qは同じでも異なっていてもよい。)
[ベタイン系界面活性剤]
本発明におけるベタイン系界面活性剤としては、上記式(1)の化合物並びにその塩から選ばれる一種以上からなるベタイン系界面活性剤が用いられる。
本発明で使用できる消泡剤としてのグリコールエーテル類は、下記式(2)の一般式で表されるグリコールエーテル類及び/又は下記式(3)の一般式で表されるグリコールエーテル類である。
本発明における着色剤としては、通常のインクジェット記録方法において用いられ得るものであれば、水溶性染料でも顔料でも用いることができる。
前記染料としては、特にその種類を限定することなく、酸性染料、直接染料、反応性染料、塩基性染料が使用できる。例えば、C.I.アシッドイエロー17,23,42,44,79,142、C.I.アシッドレッド52,80,82,249,254,289、C.I.アシッドブルー9,45,249、C.I.アシッドブラック1,2,24,94、C.I.フードブラック1,2、C.I.ダイレクトイエロー1,12,24,33,50,55,58,86,132,142,144,173、C.I.ダイレクトレッド1,4,9,80,81,225,227、C.I.ダイレクトブルー1,2,15,71,86,87,98,165,199,202、C.I.ダイレクドブラック19、38、51、71、154、168、171、195、C.I.リアクティブレッド14,32,55,79,249、C.I.リアクティブブラック3、4、35等を用いることができる。
ノニオン系界面活性剤のさらなる具体例として、アセチレングリコール系界面活性剤、アセチレンアルコール系界面活性剤、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルなどのエーテル系、ポリオキシエチレンオレイン酸、ポリオキシエチレンオレイン酸エステル、ポリオキシエチレンジステアリン酸エステル、ソルビタンラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンセスキオレート、ポリオキシエチレンモノオレエート、ポリオキシエチレンステアレート等のエステル系、ジメチルポリシロキサン等のシリコン系界面活性剤、その他フッ素アルキルエステル、パーフルオロアルキルカルボン酸塩等の含フッ素系界面活性剤等が挙げられる。
なお、これらのノニオン系界面活性剤は、適当な静的表面張力のインク組成物を得るという観点から、インク組成物中に0.1〜5重量%含まれることが好ましい。
アセチレングリコール系界面活性剤の更なる具体例としては、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オールなどが挙げられるが、市販品で入手も可能で、例えば、エアープロダクツ社のサーフィノール104、82、465、485、TGや日信化学社製のオルフィンSTG、オルフィンE1010等が挙げられる。
本発明で使用される浸透促進剤としては、特に限定されないが、中でもグリコールエーテル類が好ましい。
グリコールエーテル類の具体例としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、1−メチル−1−メトキシブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を混合して用いてもよい。
なお、これらの浸透促進剤は、インク組成物の適正な物性値(粘度等)の確保、印刷品質、信頼性の確保という観点で、インク組成物 に対して、0.25〜10重量%の範囲の量添加することが好ましい。
この水としては、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水等の純水または超純水などを用いることができる。特に紫外線照射または過酸化水素添加等により滅菌処理した水を用いることが、カビやバクテリアの発生を防止してインク組成物の長期保存を可能にする点で好ましい。
本発明においてインクジェット記録方法とは、インク組成物を微細なノズルより液滴として吐出して、その液滴を記録媒体に付着させる方法を意味する。具体例を以下に説明する。
この記録物は、本発明のインク組成物を用いることにより、印字品質が良好で、優れた印字安定性を示し、美麗な発色状態を呈し、しかもこの美麗な発色状態を長期間に亘って維持することができる。
実施例1〜32及び比較例1〜32のインク組成物を、表1〜4に示す配合割合で各成分を混合して溶解させ、孔径1μmのPTFE(ポリテトラフルオロエチレン製)フィルターにて加圧濾過を行って、各インク組成物を調製した。
なお、表1〜4中に示すインク組成物の各成分はインク組成物全量に対する各成分の重量%を示し、残量は水である。
得られた結果を表5〜8に示す。
Claims (10)
- 下記式(1)の一般式で表されるベタイン系界面活性剤と、消泡剤として下記式(2)の一般式で表されるグリコールエーテル類及び/又は下記式(3)の一般式で表されるグリコールエーテル類とを含有することを特徴とするインク組成物。
[化1]
(R)p−N−[L−(COOM)q]r 式(1)
(上記式(1)中、Rは、水素原子、アルキル基、アリール基、またはヘテロ環基を表す。Lは2価以上の連結基を表す。Mは水素原子、アルカリ金属原子、アンモニウム基、プロトン化された有機アミンもしくは含窒素へテロ環基、4級アンモニウムイオン基を表し、式(1)中のN原子からなるアンモニウムイオンの対イオンとなる場合は、カチオンとして存在しない基を表す。qは1以上の整数を表し、rは1以上4以下の整数を表す。pは0以上4以下の整数を表し、p+rは3もしくは4である。p+rが4である場合はNは4級アミンを構成する窒素原子となる。pが2以上の時はRは同じでも異なっていてもよい。qが2以上の時はCOOMは同じでも異なっていてもよい。rが2以上の時はL−(COOM)qは同じでも異なっていてもよい。)
- 消泡剤としてのグリコールエーテル類が、エチレングリコールモノn−ヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノn−ヘキシルエーテル、プロピレングリコールモノn−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノn−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノn−ブチルエーテルから選ばれる1種以上である請求項1〜3のいずれか一項に記載のインク組成物。
- ベタイン系界面活性剤に対する、グリコールエーテル類の含有割合が、重量比で、1.00:0.25〜1:5.00であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のインク組成物。
- インク組成物の液滴を吐出し、該液滴を記録媒体に付着させて記録を行うインクジェット記録方法において用いられることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のインク組成物。
- インクジェット記録方法が、圧電素子の機械的変形によりインク滴を形成するインクジェットヘッドを用いた記録方法であることを特徴とする請求項6に記載のインク組成物。
- 請求項1〜7のいずれか一項に記載のインク組成物を充填したインクカートリッジ。
- インクジェット記録方法であって、インク組成物として請求項1〜7のいずれか一項に記載のインク組成物を使用すること、または請求項8のインクカートリッジを使用することを特徴とするインクジェット記録方法。
- 請求項9に記載のインクジェット記録方法により記録されたことを特徴とする記録物。
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