JP2007302590A - 有害生物防除剤の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】銅、亜鉛、銀、鉄、モリブデンから選ばれる金属の塩の水溶液中でキトサンを金属塩と反応させて、この水溶液中でキトサンと金属との錯塩を調製する。そして、この水溶液にアルカリを添加して中和した後、さらにこの水溶液に揮発性の弱酸を添加してキトサンの金属錯塩をこの水溶液中に溶解させることによって、有害生物防除剤を得る。
【選択図】 なし
Description
容量1Lのガラス製ビーカーに水道水を700g採り、ウォーターバスで加温して50±5℃に達したところに、攪拌しながら塩化第二銅(和光純薬工業株式会社製、試薬1級無水、純度95%)を45g投入し、完全に溶解させた。次に、この塩化第二銅を溶解した水溶液をそのまま攪拌しながらキトサン(有限会社宝水産製「キトサンTC−7」;脱アセチル化度78.97、平均分子量約50000、3mm通過品フレーク)50gを数回に分けて投入し、210分間をかけてキトサンと塩化第二銅とを反応させ、水溶液中でキトサンの銅錯塩を調製した。
容量1Lのガラス製ビーカーに水道水900gを採り、塩化第二銅(実施例1と同じ)を45g投入し、攪拌しながら常温で完全に溶解した。次にこの水溶液を50〜55℃に加熱し、攪拌しながらキトサン(実施例1と同じ)50gを数回に分けて投入し、キトサンと塩化第二銅とを4時間かけて反応させ、水溶液中でキトサンの銅金属錯塩を調製した。
比較例1において、水酸化ナトリウム水溶液による中和処理しないでろ過し、ろ過残査を60〜65℃に調整された循環式乾燥機にて約48時間乾燥させ、フレーク状のキトサン銅金属錯塩を得た。
容量1Lのガラス製ビーカーに水道水を700g採り、ウォーターバスで加温して50±5℃に達したところに、攪拌しながら塩化第二銅(実施例1と同じ)を45g投入し、完全に溶解させた。次にこの水溶液をそのまま攪拌しながらキトサン(実施例1と同じ)50gを数回に分けて投入し、210分間をかけてキトサンと塩化第二銅とを反応させ、水溶液中でキトサンの銅金属錯塩を調製した。
参考例1においてろ過残査から得られたキトサン銅金属錯塩を、精製水98gに酢酸(実施例1と同じ)1gを溶解した水溶液に1g投入し、完全に溶解させた。
容量1000Lのポリエチレン製角型容器に50〜55℃に加温された水道水を700L投入した。ここに塩化第二銅(実施例1と同じ)45kgを投入し、FRP加工コートされた攪拌羽根を取り付けた攪拌機により15分間攪拌して、完全に溶解させた。次にこの塩化第二銅水溶液に、攪拌しながらキトサン(実施例1と同じ)50kgを5回に分割して投入し、さらに210分間攪拌を続けて反応させた。反応終了後、攪拌を続けながら、ここに48質量%濃度の水酸化ナトリウム水溶液を、pHが7±0.3になるまで添加して中和を行なった。中和後、5時間放置し、生成したキトサン銅金属錯塩を沈降させ、上澄み液250Lをデカンテーションで排出した。さらに残った沈殿水溶液に50〜55℃に加熱した水道水を約300L投入し、30分攪拌した後、2時間静置し、同様に上済み液をデカンテーションで排出した。この操作を合計3回操り返して沈殿水溶液の洗浄を行なった。
実施例1で得たキトサン銅金属錯塩の濃厚液を水で6倍に希釈し、1.41質量%濃度のキトサン銅金属錯塩水溶液として、水溶液中の銅金属含有率が0.27質量%の有害生物防除剤を得た。そしてこの有害生物防除剤を、木口10.5cm×10.5cm、長さ200cmの寸法のスギ、ベイツガ、ベイマツの角材に加圧注入処理した。
=[処理後の木材質量(kg)−処理前の木材質量(kg)]÷木材の体積(m3)
有害生物防除剤浸潤度(%)
=[木材側面からの有害生物浸透長さ(mm)÷10(mm)]×100
銅金属吸収量(kg/m3)
=試験切片に含有される鋼金属含有量(kg)÷試験切片の体積(m3)
(比較例3)
比較例2で得たキトサン銅金属錯塩を、2.75質量%の濃度になるように、酢酸2質量%を含む水道水に溶解させることによって、水溶液中の銅金属含有率が0.27質量%の有害生物防除剤を得た。
実施例1で得たキトサン銅金属錯塩の濃厚液を水で6倍に希釈し、1.41質量%濃度のキトサン銅金属錯塩水溶液として、水溶液中の銅金属含有率が0.27質量%の有害生物防除剤を得た。そしてこの有害生物防除剤を、木口20mm×20mm、長さ10mmの寸法のスギ辺材に減圧注入処理した。
比較例2で得たキトサン銅金属錯塩を、2.75質量%の濃度になるように、酢酸2質量%を含む水道水に溶解させることによって、水溶液中の銅金属含有率が0.27質量%の有害生物防除剤を得た。
実施例1で得たキトサン銅金属錯塩の濃厚液を水で5.5倍に希釈して、銅含有率が0.3質量%の有害生物防除剤を得た。そしてこの有害生物防除剤に、30cm角に裁断したジュート麻(8号キャンバス、単糸数28〜30本)ならびにインド綿(単糸数24〜25本)の織物を10分間浸漬し、ロール式絞り機にて十分に絞って余分な有害生物防除剤を取り除いた。そしてこれらの織物の処理後に測定した質量と処理前に測定した質量の質量の差から、次の式に基づいて有害生物防除剤の付着率を求めた。
=[処理後質量(g)−処理前質量(g)]÷処理前質量(g)×100
このように処理した織物を室内にて48時間以上風乾し、JIS L 1096(一般織物試験方法、6−12A法)に準拠して引張り強度を測定した。
比較例1で得たキトサン銅金属錯塩を、2.94質量%の濃度になるように、酢酸2質量%を含む水道水に溶解させることによって、水溶液中の銅金属含有率が0.3質量%の有害生物防除剤を得た。
実施例2で得たキトサン銅金属錯塩濃厚液を水道水にて5倍に希釈して、有害生物防除剤を得た。
実施例2で得たキトサン銅金属錯塩濃厚液を水道水にて6倍に希釈して、水溶液中の銅金属含有率が0.26質量%の有害生物防除剤を得た。
比較例2で得たキトサン銅金属錯塩を、2.65質量%の濃度になるように、酢酸2質量%を含む水道水に溶解させることによって、水溶液中の銅金属含有率が0.26質量%の有害生物防除剤を得た。
実施例2で得たキトサン銅金属錯塩濃厚液を水道水にて6倍に希釈して、水溶液中の銅金属含有率が0.26質量%の有害生物防除剤を得た。
比較例2で得たキトサン銅金属錯塩を、2.65質量%の濃度になるように、酢酸2質量%を含む水道水に溶解させることによって、水溶液中の銅金属含有率が0.26質量%の有害生物防除剤を得た。
実施例1で得たキトサン銅金属錯塩の濃厚液を水道水で4倍に希釈し、有害生物防除剤を得た。
実施例1で得たキトサン銅金属錯塩の濃厚液を水道水にて4倍に希釈し、有害生物防除剤を得た。
実施例1で得たキトサン銅金属錯塩の濃厚液を水道水にて4倍に希釈し、水溶液中の銅金属含有率が0.41質量%の有害生物防除剤を得た。
比較例1で得たキトサン銅金属錯塩を、4質量量%の濃度になるように、酢酸2質量%を含む水道水に溶解することによって、銅金属含有率が0.41質量%の有害生物防除剤を得た。そしてこの有害生物防除剤の中に実施例11と同様にレーヨン織物を浸漬し、さらに実施例11と同様にアンモニア処理して試験片を得た。
上記の実施例11において、有害生物防除剤でレーヨン織布を処理した後、アンモニア処理しないものを試験片とした。
実施例1で得たキトサン銅金属錯塩の濃厚液を水道水にて4倍に希釈し、有害生物防除剤を得た。
上記の実施例12において、有害生物防除剤でジュート麻織物袋を処理した後、アンモニア処理しないものを試験片とした。
実施例2で得たキトサン銅金属錯塩の濃厚液を水道水で2.76倍に希釈し、キトサン銅金属錯塩含有率が3.0質量%で、水溶液中の銅金属含有率が0.57質量%の有害生物防除剤を得た。
実施例2で得たキトサン銅金属錯塩の濃厚液を水道水で5.53倍に希釈し、キトサン銅金属錯塩含有率が1.5質量%で、水溶液中の銅金属含有率が0.28質量%の有害生物防除剤を得た。
実施例2で得たキトサン銅金属錯塩の濃厚液を水道水で8.29倍に希釈し、キトサン銅金属錯塩含有率が1質量%で、水溶液中の銅金属含有率が0.19質量%の有害生物防除剤を得た。
比較例2で得たキトサン銅金属錯塩(銅金属含有率9.8質量%)を用い、キトサン銅金属錯塩含有率が3.0質量%、水溶液中の銅金属含有率が0.29質量%、酢酸濃度が3.0質量%になるように酢酸水に溶解して、有害生物防除剤を得た。
比較例2で得たキトサン銅金属錯塩(銅金属含有率9.8質量%)を用い、キトサン銅金属錯塩含有率が1.5質量%、水溶液中の銅金属含有率が0.15質量%、酢酸濃度が3.0質量%になるように酢酸水に溶解して、有害生物防除剤を得た。
比較例2で得たキトサン銅金属錯塩(銅金属含有率9.8質量%)を用い、キトサン銅金属錯塩含有率が1.0質量%、水溶液中の銅金属含有率が0.10質量%、酢酸濃度が3.0質量%になるように酢酸水に溶解して、有害生物防除剤を得た。
ここで、食害度は表16から求められるものであり、平均食害度は試験木材の食害度の合計を試験木材の本数で割った値である。また被害発生率は、食害の被害が発生した試験木材の数を試験木材の数で割った値である。結果を表17に示す。
Claims (2)
- 銅、亜鉛、銀、鉄、モリブデンから選ばれる金属の塩の水溶液中でキトサンを金属塩と反応させて、この水溶液中でキトサンと金属との錯塩を調製し、次にこの水溶液にアルカリを添加して中和した後、この水溶液に揮発性の弱酸を添加してキトサンの金属錯塩をこの水溶液中に溶解させることを特徴とする有害生物防除剤の製造方法。
- アルカリを添加して中和した後、キトサンの金属錯塩を水溶液中に沈殿させ、この沈殿水溶液に揮発性の弱酸を添加することを特徴とする請求項1に記載の有害生物防除剤の製造方法。
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JP2003227066A (ja) * | 2002-02-04 | 2003-08-15 | Tomonori Kobayashi | 植物繊維保存剤 |
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