JP2007302100A - 燃料タンク及び燃料タンク製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】内部の燃料の透過を抑制でき、設計自由度も高い燃料タンクと、このような燃料タンクを製造するための燃料タンク製造方法を得る。
【解決手段】2つの燃料タンク構成体16、18の接合部26では2つのバリアー層24A、24Bが接近されると共に折返し部30が構成されており、樹脂層22C、22Dは薄く且つ長くなっている。また、燃料タンク構成部品32の取付部34においても、フランジ部40が形成されて、樹脂層22A、22Cが薄く且つ長くなっている。燃料タンク12の車両への搭載性を向上させたり、より大きな容量の確保を確保したりすることが可能になり、また、接合部26での曲げ強度を高く確保できるので、設計自由度が高くなる。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動車等の車両に備えられる燃料タンクと、この燃料タンクの製造方法に関する。
自動車等の車両に備えられる燃料タンクには、樹脂製のものがある。たとえば特許文献1では、燃料タンクを構成する第一ボディと第二ボディとがそれぞれ第一バリアー層及び第二バリアー層を有し、互いの結合部でこれらバリアー層を連結させることで、連続的なバリアー層を形成した燃料タンクが記載されている。
しかし、このようにバリアー層を連結させると、連結部分での結合強度の確保が難しくなったり、強度確保のために設計自由度が低くなったりする。
特開2004−231174号公報
本発明は上記事実を考慮し、内部の燃料の透過を抑制でき、設計自由度も高い燃料タンクと、このような燃料タンクを製造するための燃料タンク製造方法を得ることを課題とする。
請求項1に記載の発明では、他部材に接合される接合部が構成された樹脂層と、前記樹脂層よりも燃料の透過性が低い材料によって構成され前記樹脂層と重層されたバリアー層と、前記接合部において前記バリアー層が折り返されるように接合された折返し部と、を有することを特徴とする。
すなわち、この燃料タンクでは、接合部に構成された折返し部によってバリアー層が折り返されるので、このような折返し部がない構成、すなわちバリアー層が折り返されていない構成と比較して、燃料タンク内部の燃料の透過を抑制できる。
また、この燃料タンクでは、接合部が樹脂層に設けられており、樹脂が他部材と接合される。したがって、バリアー層どうしを接合する構成と比較して、接合部での接合強度を高く確保できると共に、設計自由度が高くなる。
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の発明において、前記折返し部が、前記他部材との接合に必要な長さよりも長くされていることを特徴とする。
これにより、折返し部を構成している樹脂層の長さが実質的に長くなるので、燃料タンクの内部からの燃料の透過をより効果的に抑制できる。
請求項3に記載の発明では、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記折り返し部の前記樹脂層が他の部分の樹脂層よりも薄くされていることを特徴とする。
これにより、折返し部においてバリアー層どうしが接近し、折返し部を構成している樹脂層の厚みが薄くなるので、燃料タンクの内部からの燃料の透過をより効果的に抑制できる。
請求項4に記載の発明では、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の発明において、前記樹脂層と前記バリアー層とを備えた複数のタンク構成体で構成され、それぞれのタンク構成体の前記接合部において前記折返し部を構成するように接合されていることを特徴とする。
このように、複数のタンク構成体の接合部に折返し部を構成して接合することで、燃料タンクが構成できる。接合部には折返し部が構成されているので、実質的な接合部分の長さが長くなり、高い接合強度を確保できる。また、折返し部において、その長さを長くしたり、樹脂層の厚みを薄くしたりすることで、燃料の透過を効果的に抑制可能な構成とすることも可能となる。
請求項5に記載の発明では、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の発明において、前記折返し部によって、燃料タンクに取り付けられる他部品と接合されるフランジ部が構成されていることを特徴とする。
このように、折返し部をフランジ部とし、このフランジ部に他部品を接合することができる。折返し部(フランジ部)において、その長さを長くしたり、樹脂層の厚みを薄くしたりすることで、燃料の透過を効果的に抑制可能な構成とすることも可能となる。
請求項6に記載の発明では、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の燃料タンクを製造するための燃料タンク製造方法であって、前記樹脂層を前記他部材と接合させて前記接合部を構成する接合工程と、前記接合部においてバリアー層が折り返されるように接合部を折返して前記折返し部を構成する折返し工程と、を有することを特徴とする。
すなわち、この燃料タンク製造方法では、接合工程によって樹脂層を他部材と接合して接合部を構成し、次に折返し工程によって、接合部を折り返せば、バリアー層が折り返された折返し部を構成できる。得られた燃料タンクは、燃料タンク内部の燃料の透過を抑制でき、また、接合部での接合強度を高く確保できると共に、設計自由度が高くなる。
本発明は上記構成としたので、内部の燃料の透過を抑制でき、設計自由度も高い燃料タンクと、この燃料タンクの製造方法が得られる。
図1には、本発明の第1実施形態の燃料タンク12が示されている。この燃料タンク12は、略直方体状の燃料タンク本体14が、略上半分の燃料タンク構成体16と、略下半分の燃料タンク構成体18とを型締め部20で接合することで構成されている。
図3に示すように、燃料タンク構成体16は、たとえば高密度ポリエチレン(HDPE)製の2つの樹脂層22A、22Cと、これら樹脂層22A、22Cの間のバリアー層24Aとが重層され、接着層50A、50Cにより接着されて構成されている。バリアー層24Aは、たとえばEVOH(エチレンビニルアルコール)等、樹脂層22A、22Cよりも燃料透過性の低い(燃料が透過しづらい)材料で構成されている。また、もう一方の燃料タンク構成体18も同様に、2つの樹脂層22B、22Dと、この間のバリアー層24Bとが重層され、接着層50B、50Dにより接着されて構成されている。以下では、これら樹脂層22A、22B、22C、22Dを特に区別する必要がないときは、樹脂層22として説明する。同様に、バリアー層24A、24Bを特に区別する必要がないときは、バリアー層24として説明する。また、図3以外の図面では、接着層を適宜省略している。
図2には、型締め部20が拡大して示されている。型締め部20では、燃料タンク構成体16、18が局所的に燃料タンク12の外周側へと湾曲され、対向する樹脂層22C、22Dが高温により溶着されて一体化されている。これにより、型締め部22に接合部26が構成されていることになる。
接合部26では、2つのバリアー層24A、24Bの間隔が、接合部26が構成されていない一般部28での樹脂層22B、22Dの厚みの和よりも短くなっている。このようにバリアー層24A、24Bの間隔が短くされることで、樹脂層22B、22Dの厚みも、接合部26では一般部28と比較して局所的に薄肉とされている。なお、後述する成形プロセスにおいて、バリアー層24Aの上方及びバリアー層24Bの下方に位置する樹脂層22A、22Dの厚みも薄くなっている。
また、接合部26では、2つのバリアー層24A、24B及びその近傍の樹脂層22A、22B、22C、22Dが一旦下方へと折り下げられ、さらに途中から上方へと折り上げられて、折下げ部30D及び折上げ部30Uを有する折返し部30が構成されている。折返し部30は所定の突出長T1で燃料タンク本体14の外面から突出しているが、折返し部30が構成されていることで、樹脂層22C、22Dは、バリアー層24A、24B間で薄肉となった部分において、折返し部30が形成されていない構成と比較して長くなっている。たとえば、このような折返し部30が構成されることなく、接合部26が水平方向に延出された構成と比較すると、燃料タンク12の外側へ同一の突出長T1を有する接合部と比較して、樹脂層22C、22Dの薄肉部分が長くなっている。特に、樹脂層22C、22Dの接合部分(溶着一体化された部分の長さ)は、燃料タンク構成体16、18の接合に必要な長さよりも長くなっている。
図1に示すように、略上半分の燃料タンク構成体16の天面16Tには、燃料タンク構成部品32が接合されて取り付けられる取付部34が設定されている。本実施形態では、略円筒状に形成された円筒部32Pと、この円筒部32Pの長手方向の略中間部に形成されたフランジ状のバリアー材32Bと、を有するものを挙げている。
図4にも詳細に示すように、燃料タンク構成体16の天面16Tには、燃料タンク構成部品32が挿入される挿入孔36が形成されており、この挿入孔36の周囲において、バリアー層24Aが燃料タンク構成体16が一旦上方へ湾曲され、さらに燃料タンク構成部品32から離間する方向へと湾曲されて、首部38が形成されている。また、この首部38の外周先端からは、燃料タンク構成部品32へと接近する方向(挿入孔36への中心方向)へ延出された環状のフランジ部40が形成されている。
フランジ部40では、バリアー層24Aと、その上下の樹脂層22A、22Cは平坦になっている。また、フランジ部40の内径D1は、燃料タンク構成部品32の円筒部32Pの外径D2よりも大きくされている。フランジ部40の外径D3は、燃料タンク構成部品32のバリアー材32Bの外径D4よりも大きくされている。
そして、燃料タンク構成部品32のバリアー材32Bをフランジ部40上に配置し、さらにその上方から、バリアー材32Bを挟むようにして、溶着片42を配置する。溶着片42は、たとえば樹脂層22と同様のHDPE等によって、バリアー層24Aよりも大径(フランジ部40と略同径)に形成されており、燃料タンク構成部品32の円筒部32Pが挿入される挿入孔42Hが形成された環状部42Cと、この環状部42Cの外周から下方に延出された溶着部42Mとを有している。そして、フランジ部40と溶着片42とでバリアー材32Bを上下から挟んだ状態で、溶着部42Mがフランジ部40に溶着されて、燃料タンク構成部品32が燃料タンク構成体16に取り付けられるようになっている。なお、フランジ部40内では、溶着部42Mが溶着される位置には、バリアー層24Aが達しないようになっている。
図4から分かるように、フランジ部40では、バリアー層24Aの上下の樹脂層22A、22Cの厚みが、一般部28(図1参照)での樹脂層22A、22Cの厚みよりも薄くなっている。
次に、本実施形態の燃料タンク12の製造方法を説明する。
燃料タンク12は、上記したように、2つの燃料タンク構成体16、18で構成されている。図5(A)に示すように、これらの燃料タンク構成体16、18において、接合部26となる位置には、バリアー層24A、24B及びその近傍の樹脂層22A、22B、22C、22Dが外側に延出された延出部44A、44Bが形成されている。この延出部44A、44Bにおいて樹脂層22C、22Dが対向するように燃料タンク構成体16、18を配置する。
そして、図5に示す金型60を使用して、型締め部20を形成する。金型60は、上金型62と下金型68とで構成されており、上金型62は、一対の外金型64と、この外金型64の間で上下にスライドする中金型66を備えた分割金型とされている。外金型64は、上方へと傾斜する傾斜部64Sを備えている。また、下金型68は内金型70と外金型72とで構成されている。内金型70は、中金型66と平行に対向する中央部70Cと、この中央部70Cの両側において、下方へ傾斜する傾斜部70Sを備え、外金型64は、内金型70の外側で内金型70の位置基準となっている。
図5(A)に示すように、まず、この上金型62と下金型68の間に延出部44A、44Bを配置する。そして、図5(B)に示すように、上金型62全体と下金型68全体を接近させて、延出部44A、44Bを上下から押しつぶす。これにより、バリアー層24A、24Bの間隔が短くなって、これらバリアー層間の樹脂層22C、22Dが薄くなった薄肉部46が構成されると共に、樹脂層22C、22Dが溶融されて一体化され、型締め部20が形成される(接合工程)。
次に、図6(A)に示すように、上金型62の中金型66を所定位置まで下げ、同時に、下金型68の内金型70も所定位置まで下げる。これにより、薄肉部46の一部が下方へと引き伸ばされる(この部分は後に折下げ部30Dとなる)。このとき、下側の燃料タンク構成体18の一部が壁板48となり、この壁板48と下金型68の傾斜部70Sとの間に空隙S1が構成される。また、下金型68の外金型64と傾斜部64Sの間にも同様の空隙S1が構成される。
その後、図6(B)に示すように、中金型66及び内金型70を上方へと移動させる。このとき、薄肉部46の一部が方向へと引き伸ばされる(この部分は後に折上げ部30Uとなる)。
図6(C)に示すように、さらに中金型66及び内金型70を上方へと移動させて、ず5(B)に示す位置まで戻す。このようにして中金型66及び内金型70を戻す過程で、空隙S1に型締め部20の一部が局所的に撓みつつ入り込む。また、型締め部20のうち、中金型66と内金型70の中央部70Cに挟まれた部分は、上方へと移動する。これにより、型締め部20の両端に、折下げ部30D及び折上げ部30Uを有する折返し部30が形成されると共に(折返し工程)、2つの折返し部30の間には、樹脂層22及びバリアー層24が略平面状となった平面部52が残る。折返し部30では、平面部52と比較して、さらに樹脂層22C、22Dが薄く、且つ長くなっている。
そして、中金型66及び内金型70を元の位置まで完全に戻して、所望の形状の型締め部20が得られる。この段階においても、バリアー層24A、24B間の樹脂層22C、22D(接触しているHDPE)は加熱により溶着一体化された状態を維持している。最後に、この型締め部20を所定位置(折返し部30よりも外側)でカットすることで、図2に示す形状の接合部26が形成される。
また、このような型締め部20の形成と前後して、図7に示すように、略上半分の燃料タンク構成体16の天面16Tに燃料タンク構成部品32を接合する。天面16Tには、この天面16Tを構成する樹脂層22A、22Cとバリアー層24Aとを局所的に上方へ円筒状に膨出させた膨出部56が形成されている。この膨出部56の一般部28(図1参照)との境界部分には、部分的に内側へと湾曲されて縮径された縮径部58が形成されている。
このような膨出部56に対し、図7(A)に示す内金型82と外金型84とを有する金型80を使用して、首部38及びフランジ部40(図4参照)を形成する。外金型84には、縮径部58に外側から接触する接触部84Tが設けられており、図7(B)に示すように、この接触部84Tを縮径部58に接触させた状態を維持しつつ、内金型70との間で膨出部56を挟み込んで、首部38及びフランジ部40を形成する。その後、図示しないパンチ等を使用して、挿入孔36を形成する。
この挿入孔36に燃料タンク構成部品32の円筒部32Pを挿入し、バリアー材32Bをフランジ部40の上面に接触させる。また、溶着片42を上方からセットして、溶着部42Mをフランジ部40に溶着させる。この段階で、燃料タンク構成部品32のバリアー材32Bは、フランジ部40と溶着片42とに挟持されており、燃料タンク構成部品32が燃料タンク構成体16の天面16Tに接合される。
次に、このようにして得られた本実施形態の燃料タンク12の作用を説明する。
本実施形態の燃料タンク12では、図1及び図2に示すように、燃料タンク構成体16、18の接合部26において、バリアー層24A、24B間で樹脂層22C、22Dの厚みが、一般部28と比較して薄くなっており、断面積も小さくなっている。また、接合部26に折返し部30が構成されていることで、折返し部30が構成されていないものと比較して、バリアー層24A、24B間における樹脂層22C、22Dの長さが長くなっている。
ここで、図8には、樹脂層22と同一の材料に対する、燃料の透過面積(透過方向と直交する方向の断面積)と、透過量との関係が示されている。また、図9には、同様の材料に対する、燃料の透過長さと透過量との関係が示されている。図8からは、この材料に対する燃料の透過面積が小さくなるほど、透過量も少なくなることが分かる。また、図9からは、燃料の透過長が長くなるほど、透過量が少なくなることが分かる。
本実施形態では上記のように、バリアー層24A、24B間に位置する樹脂層22C、22D、すなわち、実際に燃料が透過する可能性がある部分におけるこれら樹脂層22C、22Dの断面積を小さくし、且つ長さを長くしているので、燃料の透過量が少なくなる。
しかも、接合部26では、2つのバリアー層24A、24B及びその近傍の樹脂層22A、22B、22C、22Dを一旦下方へと折り下げ、さらに途中から上方へと折り上げて、折下げ部30D及び折上げ部30Uを有する折返し部30を構成している。したがって、このような折返し部30を構成することなく同様の透過長さを得たものと比較して、型締め部20の必要スペース(図2に示す突出長T1)を小さくできる。これにより、燃料タンク12の車両への搭載性を向上させたり、より大きな容量の確保を確保したりすることが可能になり、設計自由度が高くなる。
また、本実施形態では、バリアー層24A、24B間の樹脂層22C、22Dを溶着しており、この溶着位置は、燃料タンク構成体16、18の一般部28(壁板48)からオフセットされない位置となっている。すなわち、接合部26においてバリアー層24A、24Bどうしを接触させる構成では、この部分で十分な溶着強度が得られないため、さらにその外側に、樹脂層22の融着部分を設定する必要がある。しかしこの比較例の構成では、融着位置が壁板48からオフセットされた位置となるため、曲げ入力に対する強度を確保するのが難しい。これに対し、本実施形態では、壁板48からオフセットされない位置に樹脂層22C、22Dの溶着位置が設定されており、折返し部30では樹脂層(HDPE等)が接触して溶着一体化しているので、この部分に曲げ入力が作用しても亀裂の起点となり難く、大きな曲げ強度を確保することができる。すなわち、この点においても、本実施形態では設計自由度が高くなっている。
なお、本実施形態では、上記の製造方法からも分かるように、燃料タンク12を2つの燃料タンク構成体16、18で構成している。そして、これら燃料タンク構成体16、18の端部(接合部26を構成する延出部44A、44B)射出成形やインサート成形で成形しており、さらに、バリアー層24A及び樹脂層22A、22B、22C、22Dについて、接合位置での高い位置精度が要求されないため、ブロー成形で製造可能となる。接合位置での高い位置精度が要求されないことから、製造が容易となり、生産性も高くなる。
本実施形態の燃料タンク12ではさらに、燃料タンク構成部品32の接合位置(接合部34)においても、燃料の透過が抑制されている。すなわち、図10からも分かるように、燃料タンク構成部品32のバリアー材32Bが接触しているフランジ部40では、バリアー層24Aの上下の樹脂層22A、22Bの厚みT2が、一般部28での樹脂層22A、22Bの厚みT3よりも薄くなっている。これにより、燃料タンク構成部品32側のバリアー材32Bと、燃料タンク12側のバリアー層24Aとの距離が短くなる。図8に示した燃料の透過面積と透過量との関係から理解できるように、挿入孔36から外側へ燃料が透過するときの透過断面積を小さくでき、燃料の透過を抑制できる。
また、本実施形態では、フランジ部40において、燃料タンク構成部品32側のバリアー材32Bと、燃料タンク構成体16のバリアー層24Aのラップ代(重なり部分の長さ)L1を、挿入孔36の中心から外側へ向かう方向、すなわち、燃料透過方向に長く設定することもできる。図9に示した燃料の透過長さと透過量との関係から理解できるように、挿入孔36から外側へ燃料が透過するときの透過長さL2を短くでき、燃料の透過に要する時間が長くなるので、結果として、燃料の透過を抑制できる。
このように、本実施形態では、燃料タンク構成部品32が接合される接合部34においても、燃料の透過を効果的に抑制しているため、設計自由度を高くすることが可能になる。
なお、溶着片42の溶着部42Mが溶着される位置には、フランジ部40内のバリアー層24Aが達しないようになっている。すなわち、バリアー層24Aが無い部分で、溶着部42Mが溶着されている。これにより、十分な溶着代を確保でき、また、溶着幅W1も安定して確保できるので、高い貼着強度を確保できる。
さらに本実施形態では、燃料タンク構成部品32の円筒部32Pの外周と、燃料タンク構成体16のフランジ部40の内周とで位置決めしているので、燃料タンク構成部品32のバリアー材32Bと、燃料タンク構成体16のバリアー層24Aとのラップ代L1が安定する。このため、ラップ部分での樹脂層22A、22Bを透過する燃料透過量のバラつきを小さくすることができ、結果的に燃料透過を抑制できる。
図11には、本発明の第2実施形態の燃料タンクが接合部122の近傍を拡大して示されている。また、図12には、本発明の第3実施形態の燃料タンクの接合部124の近傍が拡大して示されている。第2実施形態及び第3実施形態では、これら接合部122、124の構造が第1実施形態と異なっているが、他は同一の構成とされているので、燃料タンクの全体構成については説明を省略する。
第2実施形態の燃料タンクの接合部122では、図11から分かるように、この接合部122のカット位置を、平面部52の中央部分としている。また、第3実施形態の燃料タンクの接合部124では、図12から分かるように、カット位置を、一般部28(図1参照)と反対側の折返し部30としている。
このように、第2実施形態及び第3実施形態では、第1実施形態よりもさらに、一般部28から離れた位置をカット位置としているので、燃料の透過量をさらに少なくすることができる。
図13には、本発明の第4実施形態の燃料タンクが接合部126の近傍を拡大して示されている。第4実施形態においても、接合部の構造が第1実施形態と異なっているが、他は同一の構成とされているので、燃料タンクの全体構成については説明を省略する。
第4実施形態の燃料タンクの接合部126では、バリアー層24A、24B間において樹脂層22の厚みは薄くされていないが、折下げ部30D及び折上げ部30Uを有する折返し部30は構成されている。これにより、燃料タンク内の燃料が実際に透過する可能性がある部分におけるこれら樹脂層22C、22Dの長さが長くなっているので、燃料の透過量が少なくなる。
図14には、本発明の第5実施形態の燃料タンクが、タンク構成部品132に対する取付部134の近傍を拡大して示されている。第5実施形態では、タンク構成部品132のバリアー材132Bの下面に、円筒部32Pを取り巻く環状の凸部136が形成されている。この凸部136によって、樹脂層22Aには、その厚さが局所的に薄くなった薄肉部138が構成されている。これ以外は、第1実施形態と同一の構成とされているので、燃料タンクの全体構成については説明を省略する。
したがって、第5実施形態では、薄肉部138における燃料の透過断面積が第1実施形態と比較してさらに小さくなっている。このため、燃料の透過をより効果的に抑制できる。
なお、接合部26の首部38では、その形状から、タンク構成部品132の溶着方向(矢印A方向)に高い剛性を有している。したがって、タンク構成部品132の溶着時に、フランジ部40の下方に特に支持部材等を配置することなく、溶着方向の荷重を受けることができる。そして、この荷重を作用させることで、タンク構成部品132のバリアー材132Bと燃料タンク構成体16のバリアー層24Aとを接近させ、凸部136におされた樹脂層22Aの厚みを確実に薄くすることができる。
図15(A)には、本発明の第6実施形態の燃料タンクが、燃料タンク構成部品32の取付部34の近傍を拡大して示されている。第6実施形態では、燃料タンク及び燃料タンク構成部品32の構成は第1実施形態と同様であるが、燃料タンク構成部品32が接合部26に接合された状態で、フランジ部40及び溶着片42を外側から覆うように、カバー142がはめ込まれている。図15(B)にも示すように、カバー142は、耐燃料透過性及び弾性を有する材料で環状に形成された環状部142Cと、環状部142Cの軸方向両端において径方向内側に向かうように形成された内フランジ142Fを有している。そして、自然状態での環状部142Cの内径がフランジ部40及び溶着片42の外径より小さくなるように形成されている。また、
このような構成のカバー142は、フランジ部40及び溶着片42にはめ込まれた状態で、環状部142Cの内周面が溶着部42Mを外側から全周にわたって覆うので、挿入孔36からタンク外部まで燃料が透過するときの透過長を長くでき、燃料の透過をさらに効果的に抑制できる。
なお、カバー142は弾性を有する材料で構成されているので、内フランジ142Fを弾性的に外側へと広げて、フランジ部40及び溶着片42にはめ込むことができる。はめ込みが完了すると、自身の弾性で環状部142Cの内周面が溶着部42Mに密着する。
図16には、本発明の第7実施形態に係る燃料タンク構成部品152の取付部154の近傍が拡大して示されている。第7実施形態では、燃料タンク構成部品152として、バリアー材32Bよりも上側の部分が設けられていない部品、たとえばバルブ等の部品を想定している。そして、このような燃料タンク構成部品152に対応して、溶着片156としても第1実施形態の挿入孔42H(図4参照)が形成されずに円板状とされたものを使用している。
図17には、本発明の第8実施形態に係る燃料タンク構成部品162の取付部164の近傍が拡大して示されている。第7実施形態の燃料タンクでは、燃料タンク構成部品162として、2つの円筒部166A、166Bを有するものを想定している。これ以外は、第1実施形態と同一の構成とされているので、同一の構成要素、部材などについては、詳細な説明を省略する。
これら第7実施形態及び第8実施形態に示したように、本発明に係るタンク構成部品の形状は、特に限定されず、どのような形状であっても、バリアー材32Bとバリアー層24Aの間の樹脂層22Aについて、燃料の透過断面積を小さいし、あるいは透過長を長くすることで、燃料の透過を抑制できる。
本発明の第1実施形態の燃料タンクの全体的構成を示す断面図である。 本発明の第1実施形態の燃料タンクの接合部及びその近傍を拡大して示す断面図である。 本発明の第1実施形態の燃料タンクを構成する燃料タンク構成体の層構造を示す断面図である。 本発明の第1実施形態の燃料タンクにおける燃料タンク構成部品の取付部を拡大して示す断面図である。 本発明の第1実施形態の燃料タンクを製造する工程を(A)から(B)へと順に示す断面図である。 本発明の第1実施形態の燃料タンクを製造する工程を(A)から(C)へと順に示す断面図である。 本発明の第1実施形態の燃料タンクを製造する工程を(A)から(B)へと順に示す断面図である。 燃料が樹脂材料を透過する際の透過面積と透過量との関係を定性的に示すグラフである。 燃料が樹脂材料を透過する際の透過長さと透過量との関係を定性的に示すグラフである。 本発明の第1実施形態の燃料タンクにおける燃料タンク構成部品の取付部の寸法を示す説明図である。 本発明の第2実施形態の燃料タンクの接合部及びその近傍を拡大して示す断面図である。 本発明の第3実施形態の燃料タンクの接合部及びその近傍を拡大して示す断面図である。 本発明の第4実施形態の燃料タンクの接合部及びその近傍を拡大して示す断面図である。 本発明の第5実施形態の燃料タンクにおける燃料タンク構成部品の取付部を拡大して示す断面図である。 (A)は本発明の第6実施形態の燃料タンクにおける燃料タンク構成部品の取付部を拡大して示す断面図であり、(B)はこの燃料タンクに用いられるカバーを示す斜視図である。 本発明の第7実施形態の燃料タンクの接合部及びその近傍を拡大して示す断面図である。 本発明の第8実施形態の燃料タンクにおける燃料タンク構成部品の取付部を拡大して示す断面図である。
符号の説明
12 燃料タンク
14 燃料タンク本体
16 燃料タンク構成体
16T 天面
18 燃料タンク構成体
20 型締め部
22 樹脂層
22A 樹脂層
22B 樹脂層
22C 樹脂層
22D 樹脂層
24 バリアー層
24A バリアー層
24B バリアー層
26 接合部
28 一般部
30 折返し部
30D 折下げ部
30U 折上げ部
32 タンク構成部品
32B バリアー材
32P 円筒部
34 取付部
36 挿入孔
38 首部
40 フランジ部
42 溶着片
42C 環状部
42H 挿入孔
42M 溶着部
42 溶着片
44A 延出部
46 薄肉部
48 壁板
52 平面部
56 膨出部
58 縮径部
60 金型
62 上金型
64 外金型
64S 傾斜部
66 中金型
68 下金型
70 内金型
70S 傾斜部
70C 中央部
72 外金型
80 金型
82 内金型
84 外金型
84T 接触部
122 接合部
124 接合部
126 接合部
132 タンク構成部品
132B バリアー材
134 取付部
136 凸部
138 薄肉部
142 カバー
142C 環状部
142F 内フランジ
152 燃料タンク構成部品
154 取付部
156 溶着片
162 燃料タンク構成部品
164 取付部
166A 円筒部
166B 円筒部

Claims (6)

  1. 他部材に接合される接合部が構成された樹脂層と、
    前記樹脂層よりも燃料の透過性が低い材料によって構成され前記樹脂層と重層されたバリアー層と、
    前記接合部において前記バリアー層が折り返されるように接合された折返し部と、
    を有することを特徴とする燃料タンク。
  2. 前記折返し部が、前記他部材との接合に必要な長さよりも長くされていることを特徴とする請求項1に記載の燃料タンク。
  3. 前記折り返し部の前記樹脂層が他の部分の樹脂層よりも薄くされていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の燃料タンク。
  4. 前記樹脂層と前記バリアー層とを備えた複数のタンク構成体で構成され、それぞれのタンク構成体の前記接合部において前記折返し部を構成するように接合されていることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の燃料タンク。
  5. 前記折返し部によって、燃料タンクに取り付けられる他部品と接合されるフランジ部が構成されていることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の燃料タンク。
  6. 請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の燃料タンクを製造するための燃料タンク製造方法であって、
    前記樹脂層を前記他部材と接合させて前記接合部を構成する接合工程と、
    前記接合部においてバリアー層が折り返されるように接合部を折返して前記折返し部を構成する折返し工程と、
    を有することを特徴とする燃料タンク製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014223877A (ja) * 2013-05-17 2014-12-04 八千代工業株式会社 樹脂製中空容器

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