JP2007301684A - 研磨装置、これを用いた半導体デバイス製造方法およびこの方法により製造される半導体デバイス - Google Patents
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Abstract
【課題】研磨時間によって研磨プロファイルが変動してしまうことを防止できる研磨装置を提供する。
【解決手段】本発明では、研磨パッド220の研磨面220sをウェハWの被研磨面Wsに当接させてウェハWの研磨を行う研磨機構22と、研磨パッド220の研磨面220sをドレッシングするドレッシング機構23とを備えた研磨装置において、研磨パッド220の研磨面220sに対するドレッシング時間を設定する条件設定部420を有し、条件設定部420は、ウェハWに対する研磨時間とドレッシング時間とが比例関係にある所定の一次方程式を用いて、ウェハW毎に設定された研磨時間からドレッシング時間を算出するように構成される。
【選択図】図2
【解決手段】本発明では、研磨パッド220の研磨面220sをウェハWの被研磨面Wsに当接させてウェハWの研磨を行う研磨機構22と、研磨パッド220の研磨面220sをドレッシングするドレッシング機構23とを備えた研磨装置において、研磨パッド220の研磨面220sに対するドレッシング時間を設定する条件設定部420を有し、条件設定部420は、ウェハWに対する研磨時間とドレッシング時間とが比例関係にある所定の一次方程式を用いて、ウェハW毎に設定された研磨時間からドレッシング時間を算出するように構成される。
【選択図】図2
Description
本発明は、半導体ウェハなどの研磨対象物の表面を平坦化する研磨装置に関する。さらに、この研磨装置を用いた半導体デバイス製造方法および半導体デバイスに関する。
従来、半導体ウェハなどの研磨対象物の表面を平坦化する研磨装置として、ウェハをその被研磨面が露出する状態で保持するウェハ保持装置(対象物保持装置)と、このウェハ保持装置に保持されたウェハの被研磨面と対向する研磨パッドが貼り付けられた研磨部材とを備え、これら双方を回転させた状態で研磨パッドをウェハの被研磨面に押し付け、且つ研磨部材を両者の接触面内方向に揺動させてウェハを研磨する構成のものが知られている。また、このような機械的研磨に加え、研磨パッドとウェハとの接触面に研磨剤(研磨液)を供給して研磨剤の化学的作用により上記研磨を促進させる化学的機械的研磨(Chemical Mechanical Polishing;CMP)を行うCMP装置も知られている。
この種の研磨装置として、例えば、ウェハよりも径が小さい研磨パッドを用いる研磨装置や、ウェハよりも径が大きい研磨パッドを用いる(コンベンショナルの)研磨装置が知られている。ウェハよりも径が小さい研磨パッドを用いる研磨装置では、ウェハチャックにウェハがその被研磨面を上方に向けて(フェイスアップ状態で)真空吸着され、ウェハチャックとともに回転駆動される(例えば、特許文献1を参照)。このウェハの上方にこれと対向して研磨ヘッドが配設されており、研磨ヘッドは、ウェハの被研磨面と接触する研磨パッドを貼り付けた研磨部材を回転自在に保持して構成される。
このような構成の研磨装置を用いたウェハの研磨加工は、研磨パッドを回転させながらウェハチャックに回転保持されたウェハの被研磨面に当接させて行われ、このとき、研磨パッドは回転しながらウェハに対して水平方向へ往復運動をすることで、ウェハの全表面が均一に研磨加工される。
特許第2968784号公報
しかしながら、研磨装置以外の要因(研磨される膜の成膜特性、研磨パッドやコンディショナー等の消耗品のばらつき)により、ウェハに対する研磨時間が変化すると、研磨ヘッドの回転速度やウェハチャックの回転速度、研磨圧力等の研磨条件が同じでもウェハ(研磨対象物)の研磨プロファイルが変化することがある。従来においては、研磨時間が異なっても同じ研磨条件で研磨していたため、研磨時間によって研磨プロファイルが変動してしまう問題があった。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、研磨時間によって研磨プロファイルが変動してしまうことを防止できる研磨装置を提供することを目的とする。また、この研磨装置を用いた半導体デバイス製造方法および半導体デバイスを提供することを目的とする。
このような目的達成のため、本発明では、研磨部材の研磨面を研磨対象物の被研磨面に当接させて研磨対象物の研磨を行う研磨機構と、研磨部材の研磨面をドレッシングするドレッシング機構とを備えた研磨装置において、研磨部材の研磨面に対するドレッシング時間を設定するドレッシング設定手段を有し、ドレッシング設定手段は、研磨対象物毎に設定された研磨時間から、研磨対象物に対する研磨時間とドレッシング時間との間の所定の関係に基づいてドレッシング時間を算出するように構成される。
また、上述の発明において、ドレッシング設定手段は、研磨対象物に対する研磨時間とドレッシング時間とが比例関係にある所定の一次方程式を用いてドレッシング時間を算出するように構成されることが好ましい。
また、本発明に係る半導体デバイス製造方法は、研磨対象物は半導体ウェハであり、本発明に係る研磨装置を用いて半導体ウェハの表面を平坦化する工程を有することを特徴とする。
さらに、本発明に係る半導体デバイスは、本発明に係る半導体デバイス製造方法により製造されたことを特徴とする。
本発明によれば、研磨時間によって研磨プロファイルが変動してしまうことを防止することができる。
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。本発明に係る研磨装置の代表例であるCMP装置(化学的機械的研磨装置)を図1に示しており、まずこの図を参照して研磨装置PMの全体構成から概要説明する。研磨装置PMは、大別的には、半導体ウェハ(以下、ウェハと称する)の搬入・搬出を行うカセットインデックス部1、研磨加工を行う研磨加工部2、研磨加工が終了したウェハの洗浄を行う基板洗浄部3、及び研磨装置内でウェハの搬送を行う搬送装置4(第1搬送ロボット41、第2搬送ロボット42)などからなり、各部はそれぞれ自動開閉式のシャッタで仕切られてクリーンチャンバが構成される。研磨装置PMの作動は、後述の制御装置400(図2を参照)により制御される。
カセットインデックス部1には、それぞれ複数枚のウェハWを保持したカセット(キャリアとも称される)C1〜C4を載置するウェハ載置テーブル12が設けられ、ウェハ載置テーブル12の前方に第1搬送ロボット41が配設されている。第1搬送ロボット41は多関節アーム型のロボットであり、床面に設けられたリニアガイドに沿って移動自在な基台の上部に水平旋回及び昇降作動自在な旋回台が設けられ、この旋回台に取り付けられた多関節アームを伸縮させて、アーム先端部のウェハチャックでウェハWの外周縁部を把持可能になっている。第1搬送ロボット41によりセンドカセットC1,C2から取り出された研磨加工前の未加工ウェハは、基板洗浄部3内に設けられた未加工ウェハを搬送するための通路内で研磨加工部2の第2搬送ロボット42に受け渡される。
研磨加工部2は、90度ごとに回動送りされる円形のインデックステーブル20を中心として4つのエリアに区分されており、未加工ウェハの搬入及び加工済ウェハの搬出を行う搬送ステージS0と、ウェハ表面の研磨加工を行う第1研磨ステージS1、第2研磨ステージS2、第3研磨ステージS3とから構成される。インデックステーブル20は、これら4つのステージに対応して4分割されている。
搬送ステージS0には、第2搬送ロボット42が設けられている。第2搬送ロボット42により研磨加工部2に搬入されたウェハWは、第2搬送ロボット42により搬送され、搬送ステージS0に位置決めされたウェハチャック200に載置されて吸着保持される。
第1研磨ステージS1、第2研磨ステージS2、第3研磨ステージS3には、それぞれウェハチャック200に吸着保持されたウェハWの表面を研磨する表面研磨機構22と、研磨パッドの研磨面をドレッシングするドレッシング機構23とが設けられている。
表面研磨機構22は、図2に概要構成を示すように、研磨パッド220と、研磨パッドの研磨面220sを下向きの水平姿勢で保持し回転させる研磨ヘッド222、研磨ヘッドを水平揺動及び昇降作動させる研磨アーム223、及びウェハ表面を上向きの水平姿勢で回転させる上記ウェハチャック200などからなり、各ステージで行われるプロセス内容に応じた加工条件でウェハ表面が研磨加工される。なお、研磨パッド220の直径は、研磨対象であるウェハWの直径よりも小さく設定されている。
表面研磨機構22によるウェハ表面の研磨加工は、研磨アーム223を水平揺動させて研磨ヘッド222をウェハチャックの上方に位置させた状態で、研磨ヘッド222を回転させながら下降させ、ウェハチャック200に吸着保持されて回転されるウェハWの表面(被研磨面Ws)に研磨パッド220の研磨面220sを所定圧力で押圧させ、研磨ヘッドの中心部からスラリーを供給しながら研磨アーム223を揺動させることで行われ、ウェハWの表面全体が平坦に研磨加工される。
なお、各研磨機構22で用いられる研磨パッド220は、層間絶縁膜CMP、メタルCMP等の加工プロセス、回路パターンの微細度、第1次研磨(粗研磨)〜第3次研磨(仕上げ研磨)等の加工段階などに応じて、適宜なパッドが選択して装着される。また研磨ヘッド222には、中心を貫通して円環状の研磨パッド220の中心部にスラリーを供給するスラリー供給構造が設けられており、研磨加工時には、スラリー供給装置から加工目的に応じたスラリーが供給されるようになっている。また研磨アーム223の先端部には、研磨加工中のウェハの研磨状態を光学的に検出する終点検出器が取り付けられており、研磨加工中の膜厚減少などがリアルタイムで検出され研磨加工の終点をフィードバック制御可能になっている。
ドレッシング機構23は、ドレッシング工具230と、ドレッシング工具230を上向きの水平姿勢で回転させる回転構造とを備えて構成され、研磨アーム223を揺動させて研磨ヘッド222をドレッシング工具230上に移動させ、研磨パッド220を回転させながら下降させて研磨面220sを相対回転するドレッシング面230sに当接させ、詳細図示省略するノズルからドレッシング加工部に純水を供給して研削屑等を洗い流し、研磨面220sをドレッシングするように構成される。
インデックステーブル20は、図1に示すように、第1〜第3研磨ステージS1、S2、S3における研磨加工が終了すると90度回動送りされ、ウェハチャック200に吸着保持されたウェハが、搬送ステージS0から順次第1研磨ステージS1→第2研磨ステージS2→第3研磨ステージS3に送られて各研磨ステージでCMP加工され、第3研磨ステージS3での研磨加工が終了したウェハが搬送ステージS0に送り出される。搬送ステージS0に送り出されて、吸着保持が解除された加工済ウェハは、第2搬送ロボット42によって研磨加工部2から基板洗浄部3に搬送される。
基板洗浄部3は、第1洗浄室31、第2洗浄室32、第3洗浄室33及び乾燥室34の4室構成からなり、表裏両面の研磨加工が終了して第2搬送ロボット42により搬入された加工済ウェハが、第1洗浄室31→第2洗浄室32→第3洗浄室33→乾燥室34に順次送られて研磨加工部2で付着したスラリーや研磨摩耗粉等の除去洗浄が行われる。各洗浄室における洗浄方法は種々の構成例があるが、例えば、第1洗浄室31では回転ブラシによる両面洗浄、第2洗浄室32では超音波加振下での表面ペンシル洗浄、第3洗浄室33では純水によるスピナー洗浄、乾燥室34では窒素雰囲気下における乾燥処理が行われる。なお、第1洗浄室31の下方には、未加工ウェハを搬送するための通路が設置されている。
基板洗浄部3で洗浄された加工済ウェハは、第1搬送ロボット41により基板洗浄部から取り出され、ウェハ載置テーブル12上に載置されたレシーブカセットC3,C4の所定スロット、またはセンドカセットC1,C2の空きスロットに収容される。
制御装置400は、図2に示すように、研磨加工部2の表面研磨機構22及びドレッシング機構23、カセットインデックス部1、基板洗浄部3、搬送装置4等にそれぞれ制御信号を出力して、各装置の作動を制御するように構成される。また、制御装置400には、各種の指令やデータ等の入力操作が行われる入力部410や、研磨やドレッシングの条件を設定変更するための条件設定部420が電気的に接続される。
次に、研磨装置PMを用いて半導体ウェハWの表面を研磨加工する場合の、研磨装置PMの作用について図3を参照しながら説明する。ここで、図3は、カセットインデックス部1のセンドカセットC1に収容された未加工ウェハが、研磨加工部2で順次研磨処理され、基板洗浄部3で洗浄処理され、カセットインデックス部1のレシーブカセットC4に収納されるまでのウェハの流れを点線と矢印を付して示したものである。なお、研磨装置PMの作動は制御装置400(図2を参照)によって制御され、制御装置400は予め設定された制御プログラムに基づいて各部の作動制御を行う。
研磨装置PMで研磨加工プログラムがスタートされると、第1搬送ロボット41がセンドカセットC1の位置に移動し、旋回台を水平旋回及び昇降作動させるとともに多関節アームを伸長作動させてウェハチャックでスロット内の未加工ウェハを取り出し、旋回台を180度旋回作動させて第1洗浄室31の下方に設置されている通路に向かい、この通路内で研磨加工部2側の第2搬送ロボット42に未加工ウェハを受け渡す。
第1搬送ロボット41から未加工ウェハを受け取った第2搬送ロボット42は、未加工ウェハを研磨加工部2に搬入する。そして未加工ウェハは、第2搬送ロボット42により表面研磨機構22に搬送され、搬送ステージS0に位置決め停止されたインデックステーブル20のウェハチャック200上に載置される。ウェハWが載置されると、ウェハチャック200がウェハの裏面を真空吸着して保持し、第2搬送ロボット42は退避する。
表面研磨機構22の第1研磨ステージS1〜第3研磨ステージS3において研磨加工が開始される。このような3段階の研磨ステージにおいて行われるウェハ表面の研磨加工については、既に公知であるため(例えば、本出願人による特開2002−93759号公報)、本明細書においては詳細説明を省略し、以下簡潔に説明する。
第2搬送ロボット42が退避すると、インデックステーブル20が時計回りに90度回動されてウェハチャック200に吸着保持されたウェハWが第1研磨ステージS1に位置決めされ、同時に研磨アーム223が揺動されて研磨ヘッド222がウェハ上に移動する。そして研磨ヘッド222とウェハチャック200とが反対方向に回転起動するとともに研磨ヘッド222が下降し、研磨パッド220(研磨面)をウェハ表面(被研磨面)に押圧させて第1次研磨加工を行う。研磨加工中には研磨ヘッド222の軸心からスラリーを供給しながら研磨パッド220がウェハの回転中心と外周端部との間を往復動するように研磨アーム223を揺動作動させ、ウェハ表面を均一に平坦研磨する。
第1次研磨加工が終了すると、制御装置はインデックステーブル20を時計回りにさらに90度回動させ、第1次研磨加工が終了したウェハを第2研磨ステージS2に、搬送ステージS0で待機されたウェハを第1研磨ステージS1に位置決めする。そして、第1及び第2研磨ステージでそれぞれ研磨ヘッド222を下降させて、第1次研磨加工と第2次研磨加工とを同時に並行して行う。
第2次研磨加工が終了すると、制御装置は第1次研磨加工が終了したか否かを確認し、第1次研磨加工が終了している場合に、インデックステーブル20を時計回りにさらに90度回動させて、第2次研磨加工が終了したウェハを第3研磨ステージS3に、第1次研磨加工が終了したウェハを第2研磨ステージS2に、搬送ステージで待機されたウェハを第1研磨ステージS1に位置決めし、それぞれ研磨ヘッド222を下降させて、第1,第2,第3次研磨加工を同時並行して行わせる。
第3次研磨加工が終了すると、制御装置は第1次研磨加工及び第2次研磨加工が終了したか否かを確認し、全ての研磨加工が終了している場合に、インデックステーブル20を時計回りにさらに90度回動させて、第3次研磨加工が終了したウェハを搬送ステージS0に、他のステージに位置したウェハも前述同様に各1段ずつ移動させて位置決めする。
インデックステーブル20が位置決め停止され、第1〜第3研磨ステージを経て表面研磨が終了したウェハが搬送ステージS0に位置決めされると、第2搬送ロボット42がウェハチャック200上で真空吸着が解除された加工済ウェハの外周縁部を把持して上昇及び旋回作動し、リニアガイドに沿って水平移動して基板洗浄部3に搬送する。また加工済ウェハの搬送後に第1搬送ロボット41から未加工ウェハを受け取って研磨加工部2に搬入する。
基板洗浄部3では、第1洗浄室31で回転ブラシによる両面洗浄、第2洗浄室32で超音波加振下での表面ペンシル洗浄、第3洗浄室33で純水によるスピナー洗浄、乾燥室34で窒素雰囲気下における乾燥処理が行われる。そして、このようにして洗浄された完成品ウェハは、カセットインデックス部1の第1搬送ロボット41によって基板洗浄部3から取り出され、レシーブカセットC4の指定スロットに収納される。
以上の作動が順次繰り返して行われ、第1枚目のウェハの研磨加工完了後はインデックステーブル20の回動間隔ごとに、表面及び裏面が平坦に研磨されたウェハがカセットC4に収納される。インデックステーブル20の回動間隔は、3つのステージに分割された研磨加工時間によって規定され、例えば第1次研磨加工の時間間隔ごとに完成ウェハが連続生産される。また、ドレッシング機構23によるドレッシングが各研磨ステージにおいて各研磨加工の行われる前に毎回行われ、研磨パッド表面(研磨面220s)の目詰まりが修正されて平坦度が確保される。
なお、ウェハチャック200の回転速度や、研磨ヘッド222の回転速度および移動速度、研磨圧力、ウェハWに対する研磨時間、スラリーの種類および供給量等といった研磨条件(パラメータ)は、予め入力部410で入力されて制御装置400の内部メモリにレシピファイルとして設定記憶され、制御装置400はこのレシピファイルのデータに基づいて各装置の作動を制御する。そして、本実施形態では、研磨時間が異なっても同じ研磨条件(レシピ)で研磨を行えるようにするため、条件設定部420が所定の一次方程式を用いて、ウェハW毎に設定された研磨時間から研磨パッド220(研磨面220s)に対するドレッシング時間を算出し、研磨時間が変更されるとドレッシング時間を自動的に設定変更するようになっている。
そこで、条件設定部420によるドレッシング時間の設定方法について、図4に示すフローチャートを参照しながら以下に説明する。まず、ステップS101において、研磨を行うウェハWの研磨時間が入力部410から(制御装置400等を介して)条件設定部420に入力される。この研磨時間は、例えば、研磨が行われるウェハWの薄膜の膜厚に基づいて設定される。
次に、ステップS102において、条件設定部420がステップS101で入力された研磨時間を所定の一次方程式に代入してドレッシング時間を算出する。この式は、研磨プロファイルが一定となるような研磨時間とドレッシング時間との関係を示す一次方程式であり、ドレッシング時間をyとし、研磨時間をxとすると、研磨時間とドレッシング時間とが比例関係にある次の(1)式で表される。
y=kx+b …(1)
ここで、kおよびbは他の条件によって異なるパラメータ(定数)であり、予め測定された実際の研磨データ(研磨プロファイル)に基づいて求められる。
次に、ステップS103において、条件設定部420がステップS102で算出した研磨ヘッド20の回転速度を制御装置400に出力し、制御装置400のレシピファイルにおいてドレッシング時間のデータが新しいデータに書き換えられる(設定変更される)。このようにして、研磨時間に拘わらず研磨プロファイルが一定となるように、条件設定部420が制御装置400から入力された研磨時間に応じてドレッシング時間を自動的に設定変更する。
なお続いて、ステップS104において、ドレッシング時間が設定変更されたレシピファイルのデータに基づいて制御装置400が各装置の作動を制御し、研磨加工が行われる前に研磨パッド220(研磨面220s)のドレッシングが行われ、次のステップS105においてドレッシングされた研磨パッド220によるウェハWの研磨加工が行われる。
そして、ステップS106において、同一条件で研磨を行うウェハの枚数分だけステップS104〜ステップS105までの処理を繰り返したかどうかが判定される。判定がNoの場合にはステップS104へ戻ってステップS104〜ステップS105までの処理が再び行われ、判定がYesの場合には処理が終了する。
ここで、一次方程式である(1)式(パラメータ)の決定方法について、図5に示すフローチャートを参照しながら以下に説明する。まず、ステップS151において、ブランケットウェハ(表面に回路パターンが形成されていないウェハ)を60秒間研磨したときに研磨プロファイルが平坦となる条件(研磨圧力やドレッシング時間等)を実験的に求める。なおこのとき、連続研磨によって安定したときの研磨量をプロファイルする。
次に、ステップS152において、研磨時間を60秒より少なく設定して、他の研磨条件はステップS151で求めた条件と同じ研磨条件で研磨を行った場合の研磨プロファイルを測定する。このように、他の研磨条件は同じで研磨時間だけを少なくすると、図6に示すように下方に湾曲した研磨プロファイルとなる場合や、上方に湾曲した研磨プロファイルとなる場合が考えられる。なお、ステップS152では、60秒より少ない複数の研磨時間を設定して、各研磨時間における研磨プロファイルをそれぞれ作成する。
次に、ステップS153において、ドレッシング時間を変化させて、研磨時間を含む他の研磨条件はステップS152で設定した条件と同じ研磨条件で、研磨プロファイルがステップS151における研磨プロファイルと同じ平坦となるドレッシング時間を実験的に求める。なお、ステップS153では、ステップS152で設定した複数の研磨時間について、研磨プロファイルが平坦となるドレッシング時間をそれぞれ求める。
次に、ステップS154において、ステップS152で設定した複数の研磨時間と、ステップS153でそれぞれ求めたドレッシング時間(ドレス時間)との関係を、図7に示すようにグラフ上にプロットし、両者の関係をグラフ上で直線近似してその直線の傾きを求める。これにより、(1)式のパラメータkが求められる。なお、図7で示されるグラフは、研磨プロファイルが一定となるようなドレッシング時間(ドレス時間)と研磨時間との関係を示すことになる。
そして、ステップS155において、研磨対象となるパターンウェハ(表面に回路パターンが形成されたウェハ)に応じてパラメータbを決定する。
本実施形態により研磨を行った研磨プロファイルの一例を図8に示すとともに、ドレッシング時間(ドレス時間)による均一性(k−value)と研磨時間との関係を図9に示す。この図から、研磨時間に拘わらず研磨プロファイルおよび均一性が安定していることがわかる。ここで、均一性(k−value)は、次の(2)式のように表される。
この結果、本実施形態の研磨装置PMによれば、条件設定部420が所定の一次方程式(すなわち(1)式)を用いて、ウェハW毎に設定された研磨時間から研磨パッド220(研磨面220s)に対するドレッシング時間を算出するため、研磨時間によって研磨プロファイルが変動してしまうことを防止することができる。すなわち、研磨時間が異なっても、研磨時間に応じてドレッシング時間を変えることにより、同じ研磨条件(レシピ)で同様の(平坦な)研磨プロファイルを得ることが可能になる。さらに、研磨時間が短い場合、これに比例してドレッシング時間が短縮されるため、研磨パッド220のパッドライフを延ばすことができる。
なお、上述の実施形態において、条件設定部420が、一次方程式である所定の補正式(すなわち(1)式)を用いて、ウェハW毎に設定された研磨時間から研磨パッド220(研磨面220s)に対するドレッシング時間を算出しているが、これに限られるものではなく、例えば、二次方程式を用いて研磨時間からドレッシング時間を算出するようにしてもよく、研磨時間とドレッシング時間との間の所定の関係に基づいて、研磨時間からドレッシング時間を算出するようにすればよい。なお、二次方程式である補正式を求めるには、ステップS154において、研磨時間とドレッシング時間との関係をグラフ上で曲線近似すればよい。
また、上述の実施形態において、所定の一次方程式(すなわち(1)式)を、予め測定された実際の研磨データ(研磨プロファイル)に基づいて求めているが、これに限られるものではなく、シミュレーションによる研磨データ(研磨プロファイル)に基づいて求めるようにしてもよい。
続いて、本発明に係る半導体デバイスの製造方法の実施例について説明する。図10は半導体デバイスの製造プロセスを示すフローチャートである。半導体製造プロセスをスタートすると、まずステップS200で次に挙げるステップS201〜S204の中から適切な処理工程を選択し、いずれかのステップに進む。
ここで、ステップS201はウェハの表面を酸化させる酸化工程である。ステップS202はCVD等によりウェハ表面に絶縁膜や誘電体膜を形成するCVD工程である。ステップS203はウェハに電極を蒸着等により形成する電極形成工程である。ステップS204はウェハにイオンを打ち込むイオン打ち込み工程である。
CVD工程(S202)もしくは電極形成工程(S203)の後で、ステップS205に進む。ステップS205はCMP工程である。CMP工程では本発明による研磨装置により、層間絶縁膜の平坦化や半導体デバイス表面の金属膜の研磨、誘電体膜の研磨等が行われ、ダマシン(damascene)プロセスが適用されることもある。
CMP工程(S205)もしくは酸化工程(S201)の後でステップS206に進む。ステップS206はフォトリソグラフィ工程である。この工程ではウェハへのレジストの塗布、露光装置を用いた露光によるウェハへの回路パターンの焼き付け、露光したウェハの現像が行われる。さらに、次のステップS207は現像したレジスト像以外の部分をエッチングにより削り、その後レジスト剥離が行われ、エッチングが済んで不要となったレジストを取り除くエッチング工程である。
次に、ステップS208で必要な全工程が完了したかを判断し、完了していなければステップS200に戻り、先のステップを繰り返してウェハ上に回路パターンが形成される。ステップS208で全工程が完了したと判断されればエンドとなる。
本発明による半導体デバイス製造方法では、CMP工程において本発明にかかる研磨装置を用いているため、より高い均一性および平坦性を有するウェハを得ることができ、ウェハの加工精度および歩留まりが向上する。これにより、従来の半導体デバイス製造方法に比べて低コストで半導体デバイスを製造することができるという効果がある。なお、上記半導体デバイス製造プロセス以外の半導体デバイス製造プロセスのCMP工程に本発明による研磨装置を用いても良い。また、本発明による半導体デバイス製造方法により製造された半導体デバイスは、歩留まりが高く低コストの半導体デバイスとなる。
PM 研磨装置
W ウェハ(研磨対象物) Ws 被研磨面
22 表面研磨機構 23 ドレッシング機構
220 研磨パッド(研磨部材) 220s 被研磨面
400 制御装置 420 条件設定部(ドレッシング設定手段)
W ウェハ(研磨対象物) Ws 被研磨面
22 表面研磨機構 23 ドレッシング機構
220 研磨パッド(研磨部材) 220s 被研磨面
400 制御装置 420 条件設定部(ドレッシング設定手段)
Claims (4)
- 研磨部材の研磨面を研磨対象物の被研磨面に当接させて前記研磨対象物の研磨を行う研磨機構と、
前記研磨部材の研磨面をドレッシングするドレッシング機構とを備えた研磨装置において、
前記研磨部材の研磨面に対するドレッシング時間を設定するドレッシング設定手段を有し、
前記ドレッシング設定手段は、前記研磨対象物毎に設定された研磨時間から、前記研磨対象物に対する前記研磨時間と前記ドレッシング時間との間の所定の関係に基づいて前記ドレッシング時間を算出するように構成されることを特徴とする研磨装置。 - 前記ドレッシング設定手段は、前記研磨対象物に対する前記研磨時間と前記ドレッシング時間とが比例関係にある所定の一次方程式を用いて前記ドレッシング時間を算出するように構成されることを特徴とする請求項1に記載の研磨装置。
- 前記研磨対象物は半導体ウェハであり、
請求項1もしくは請求項2に記載の研磨装置を用いて前記半導体ウェハの表面を平坦化する工程を有することを特徴とする半導体デバイス製造方法。 - 請求項3に記載の半導体デバイス製造方法により製造されたことを特徴とする半導体デバイス。
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