JP2007300252A - 共振器結合型フィルタ - Google Patents

Abstract

【課題】 広帯域にわたる周波数に対してフィルタリング処理ができる共振器結合型フィルタを提供する。
【解決手段】 処理の対象となる周波数に対応したフィルタリング特性をもつように、誘導結合板選択回路４１，４２によって、最適な入力側誘導結合板３１，３３および出力側誘導結合板３２，３４を選択することによって、広帯域に渡る処理対象の周波数に対して同一の共振器結合型フィルタによってフィルタリング処理ができる共振器結合型フィルタ１００を構成することができる
【選択図】 図１

Description

本発明は、共振器結合型フィルタに関し、入力側共振器および出力側共振器を有し、入力側共振器が誘導結合によって受け取った信号をフィルタリング処理し、フィルタリング処理した信号を出力側共振器から誘導結合によって出力する共振器結合型フィルタに関する。

共振器結合型フィルタのフィルタリング特性を調整する方法として、共振インピーダンスを変化させる方法があるが、その具体的な方法として下記のものが挙げられる。すなわち、
（ａ）直接結合方式（Ｌ結合）
（ｂ）容量結合方式（Ｃ結合）
（ｃ）誘導結合方式（Ｍ結合）
しかし、半同軸共振器または誘電体共振器を用いる場合、構造上の問題から、ヘリカル共振器で一般的に使用されている直接結合方式は使用することができない。また、容量結合方式の場合には、コンデンサおよび基板ストレー容量の無負荷Ｑが問題となり、挿入損失および減衰特性劣化が発生する。そこで、誘導結合方式が最も有用な方式であると考えられる。なお、上述の例に関連した技術が特開２０００−２４４２０１号公報に開示されている。

上述したように、種々の性能の点から半同軸共振器または誘電体共振器を用いて共振器結合型フィルタを構成する場合には、誘導結合方式を採用するのが最も適切であると考えられる。しかし、フィルタリングの対象となる周波数が広帯域にわたる場合に、対象となる周波数に対応して共振器との結合度を変化させなければならず、結合度を変えた複数のフィルタを配置して対応しなければならないという不都合が生じる。

本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、広帯域にわたる周波数に対して同一の共振器などの部材によってフィルタリング処理ができる共振器結合型フィルタを提供することを目的とする。

上述した課題を解決するため、本発明に係る共振器結合型フィルタは、入力側共振器および出力側共振器を有し、入力側共振器が誘導結合によって受け取った信号をフィルタリング処理し、フィルタリング処理した信号を出力側共振器から誘導結合によって出力する共振器結合型フィルタにおいて、入力側共振器に対してそれぞれ異なる誘導結合度を有し、それぞれが有する誘導結合度をもって、印加される入力信号を入力側共振器に誘導結合させることができる複数の入力側誘導結合板と、出力側共振器に対してそれぞれ異なる誘導結合度を有し、それぞれが有する誘導結合度をもって、出力側共振器から出力される出力信号を受け取ることができる複数の出力側誘導結合板と、所望のフィルタリング特性に合致させるために、複数の入力側誘導結合板の中から最適な入力側誘導結合板を選択して入力信号を印加するとともに、複数の出力側誘導結合板の中から最適な出力側誘導結合板を選択して出力信号を出力させる誘導結合板選択回路とを有する。

この発明は上述のように構成されているので、処理の対象の周波数に対応したフィルタリング特性をもつように、誘導結合板選択回路によって、最適な入力側誘導結合板および出力側誘導結合板を選択すれば、目的に合致した周波数特性をもった共振器結合型フィルタを構成することができる。

以上に詳述したように本発明によれば、処理の対象の周波数に対応したフィルタリング特性をもつように、誘導結合板選択回路によって、最適な入力側誘導結合板および出力側誘導結合板を選択することによって、広帯域に渡る処理対象の周波数に対して同一の共振器などの部材によってフィルタリング処理ができる共振器結合型フィルタを構成することができる。

以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。図１は、本発明の広帯域の周波数に対応できる共振器結合型フィルタの実施の形態である共振器結合型バンドパスフィルタを示す回路図、図２は、図１の共振器結合型バンドパスフィルタの考案の基礎となる２次の共振器結合型バンドパスフィルタを示す回路図である。

先ず、図２で示される２次の共振器結合型バンドパスフィルタについて説明する。このバンドパスフィルタは、入力側の共振器１１と出力側の共振器１２と、共振コンデンサ２１，２２と、段間結合コンデンサ２３と、誘導結合板１３１，１３２とから構成されている。この場合、共振器１１と共振コンデンサ２１とは共振回路を構成するとともに、共振器１１は誘導結合板１３１と誘導結合している。また、共振器１２と共振コンデンサ２２とは共振回路を構成するとともに、共振器１２は誘導結合板１３２と誘導結合している。

したがって、入力端Ｃ１１に印加された入力信号は、誘導結合板１３１から共振器１１に誘導結合され、部材１１，１２，２１，２２，２３によるフィルタリングの処理を受け、共振器１２から誘導結合板１３２への誘導結合により、誘導結合板１３２を経て出力端Ｃ１２から出力される。この場合、フィルタリングの対象となっている周波数が広帯域に渡っていない場合には、図２のような共振器結合型バンドパスフィルタを構成することは可能である。しかし、フィルタリングの対象となっている周波数が広帯域に渡っている場合には、周波数によって結合度を変化させなければならないために、上述の構成では対応することが困難である。

そこで、図１の共振器結合型バンドパスフィルタの入力側においては、共振器１１との誘導結合度の異なる（配置位置や形状などが異なる）複数の誘導結合板３１，３３（導体板、例えば、鍍金した金属板など）を配置し、出力側においては、共振器１２との誘導結合度の異なる複数の誘導結合板３２，３４を配置し、入力側および出力側でどの誘導結合板を入出力に用いるかを誘導結合板選択回路４１，４２で選択している。すなわち、フィルタリングすべき周波数に対応して共振器１１，１２に対する位置が異なるように各誘導結合板３１，３２；３３，３４をそれぞれ適切な位置（共振器からの距離）に配置している。そして、それらの中からフィルタリングすべき周波数に対して最適であるものを誘導結合板選択回路４１，４２によって選択している。なお、ここでは、入出力側において誘導結合板の配置は２組として説明したが、それ以上であってもよいことはいうまでもない。

例えば、誘導結合回路４１の共通接点ｃ１が接点ａ１に、誘導結合回路４２の共通接点ｃ２が接点ａ２にそれぞれ接続されている場合には、共通接点ｃ１に印加された入力信号ＳＰ１は、誘導結合板３１、共振器１１，１２、共振コンデンサ２１，２２、段間結合コンデンサ２３、誘導結合板３２から構成されるフィルタの処理を受け、共通接点ｃ２から出力信号ＳＱ１として出力される。また、誘導結合板選択回路４１，４２を制御して、共通接点ｃ１が接点ｂ１に、誘導結合回路４２の共通接点ｃ２が接点ｂ２にそれぞれ接続されるように切り替えると、共通接点ｃ１に印加された入力信号ＳＰ２は、誘導結合板３３、共振器１１，１２、共振コンデンサ２１，２２、段間結合コンデンサ２３、誘導結合板３４から構成されるフィルタの処理を受け、共通接点ｃ２から出力信号ＳＱ２として出力される。このように、広帯域に渡るフィルタリングすべき周波数に対応して、誘導結合板選択回路４１，４２を制御し、適切な誘導結合のループを選択し、誘導結合板と共振器との間の結合度に基づく最適なフィルタリングを実行している。

本発明の広帯域の周波数に対応できる共振器結合型フィルタの実施の形態である共振器結合型バンドパスフィルタを示す回路図である。 図１の共振器結合型バンドパスフィルタの考案の基礎となる２次の共振器結合型バンドパスフィルタを示す回路図である。

符号の説明

１１，１２ 共振器、２１，２２ 共振コンデンサ、２３ 段間結合コンデンサ、３１，３２，３３，３４ 誘導結合板、４１，４２ 誘導結合板選択回路、ｃ１，ｃ２ 共通接点、ａ１，ａ２，ｂ１，ｂ２ 接点、１００，２００ 共振器結合型バンドパスフィルタ。

Claims (1)

1. 入力側共振器および出力側共振器を有し、入力側共振器が誘導結合によって受け取った信号をフィルタリング処理し、フィルタリング処理した信号を出力側共振器から誘導結合によって出力する共振器結合型フィルタにおいて、
   入力側共振器に対してそれぞれ異なる誘導結合度を有し、それぞれが有する誘導結合度をもって、印加される入力信号を入力側共振器に誘導結合させることができる複数の入力側誘導結合板と、
   出力側共振器に対してそれぞれ異なる誘導結合度を有し、それぞれが有する誘導結合度をもって、出力側共振器から出力される出力信号を受け取ることができる複数の出力側誘導結合板と、
   所望のフィルタリング特性に合致させるために、複数の入力側誘導結合板の中から最適な入力側誘導結合板を選択して入力信号を印加するとともに、複数の出力側誘導結合板の中から最適な出力側誘導結合板を選択して出力信号を出力させる誘導結合板選択回路とを有することを特徴とする共振器結合型フィルタ。

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