JP2007299628A - 接点開閉装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】収納部内に注入する導電性流体の位置を制御しやすくする。
【解決手段】溝部2b内壁面を粗面とすることでぬれ性を低下させ、もって溝部2b内壁面への導電性流体3の付着を抑制することで接点4の開閉の信頼性を向上することができる。一方、溝部2bだけでなく収納部2全体、特に容積の大きい空洞部2aの内壁面を粗面化した場合、導電性流体3を収納部2に注入する際に導電性流体3の位置(先端の位置)が制御し難くなる。そこで、溝部2b以外の収納部2、つまり空洞部2aと注入用溝部2cの内壁面を平滑面のままとしてぬれ性を高くしておけば、導電性流体3の注入時における導電性流体3の位置を精度よく制御することができる。
【選択図】図1
【解決手段】溝部2b内壁面を粗面とすることでぬれ性を低下させ、もって溝部2b内壁面への導電性流体3の付着を抑制することで接点4の開閉の信頼性を向上することができる。一方、溝部2bだけでなく収納部2全体、特に容積の大きい空洞部2aの内壁面を粗面化した場合、導電性流体3を収納部2に注入する際に導電性流体3の位置(先端の位置)が制御し難くなる。そこで、溝部2b以外の収納部2、つまり空洞部2aと注入用溝部2cの内壁面を平滑面のままとしてぬれ性を高くしておけば、導電性流体3の注入時における導電性流体3の位置を精度よく制御することができる。
【選択図】図1
Description
本発明は、液体金属のような導電性流体を介して接点を開閉する接点開閉装置に関するものである。
従来、液体金属のような導電性流体を介して接点を開閉する接点開閉装置が種々提案されている。例えば、特許文献1には、所定の体積を持ち、その内部の空気を加熱するヒータが設置されている室と、平面視二等辺三角形状に形成されて内部に導電性流体が収納される流路と、室と流路の底辺中央とを連通する絞りと、一端部がそれぞれ流路内に臨み互いに所定間隔で配置された複数の電極とを備え、ヒータに通電して室内の空気を加熱して膨張させることで絞りを介して流路内の導電性流体を移動させ、複数の電極同士を導電性流体を介して導通させるオン状態と導通させないオフ状態とを切り換えるようにした熱駆動型のマイクロリレーが開示されている。
特開2005−142142号公報
ところで上記従来例においては、絞りや流路の内壁面がぬれ性を有するため、導電性流体を注入する際に導電性流体の位置を精度よく制御することが困難となるという問題があった。
本発明は上記事情に鑑みて為されたものであり、その目的は、収納部内に注入する導電性流体の位置が制御しやすい接点開閉装置を提供することにある。
請求項1の発明は、上記目的を達成するために、導電性を有する流体を移動自在に収納する収納部が設けられた基板と、収納部内に露出する複数の接点と、収納部内で導電性流体を移動させる手段とを備え、収納部は、他の部分よりも容積の大きい空洞部と、導電性流体の移動方向に直交する断面の面積が空洞部よりも狭く且つ一端側で空洞部に連結するとともに他端側に複数の接点が露出する溝部と、導電性流体の移動方向に直交する断面の面積が空洞部よりも狭く且つ溝部よりも広く又一端側で空洞部に連結するとともに他端側に導電性流体を収納部内に注入するための注入口が設けられた注入用溝部とを具備し、空洞部の内壁面を平滑面とし且つ溝部の内壁面を微細な凹凸を有した粗面してなることを特徴する。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記粗面は、内壁面を覆うフッ素樹脂の被膜で形成されることを特徴とする。
請求項1の発明によれば、収納部のうちで他の部分よりも容積の大きい空洞部の内壁面を平滑面とし且つ溝部を微細な凹凸を有した粗面としたので、空洞部内壁面のぬれ性を高くすることで収納部内に注入する導電性流体の位置が制御しやすくなり、しかも、導電性流体が移動する溝部の内壁面を粗面としているから導電性流体が溝部内壁面に付着して接点開閉の信頼性が低下することがないという効果がある。
請求項2の発明によれば、空洞部の内壁面を容易に粗面化できるという効果がある。
本実施形態の接点開閉装置は、図1に示すように導電性を有する流体3を移動自在に収納する収納部2が設けられた基板1と、収納部2内に露出する複数の接点4が設けられて基板1の表面に接合される絶縁基板5と、基板1の絶縁基板5との接合面と反対側の面に形成され基板1を部分的に変形させて収納部2内で導電性流体3を移動させるアクチュエータ6とを備える。
基板1は半導体基板(単結晶のシリコン基板)からなり、表面(図1(c)における上面)には矩形溝状の凹部1aが設けられ、裏面(図1(c)における下面)には収納部2を形成するための凹所が設けられており、凹部1aの底部分が薄膜状のダイアフラム部1bとなっている。また、ダイアフラム部1bの中心には角錐台形の突部10が突出させてある。なお、詳しい説明は省略するが、凹部1aや凹所並びに突部10はエッチング等の周知の半導体製造プロセスを利用して形成可能である。但し、基板1の材料は半導体に限定されるものではなく、合成樹脂やガラスなどで基板1を形成することも可能である。
絶縁基板5は例えばガラス基板からなり、外形寸法が基板1とほぼ同一であって基板1の裏面に陽極接合によって接合されている。すなわち、絶縁基板5を基板1の裏面に接合して凹所の開口を閉塞することにより、導電性流体3を収納する収納部2が形成されるのである。
収納部2は、図1(b)に示すようにアクチュエータ6によるダイアフラム部1bの変形(撓み)に伴って容積が減少する空洞部2aと、導電性流体3の移動方向に直交する断面の面積が空洞部2aよりも狭く且つ一端側で空洞部2aに連結するとともに他端側に複数の接点4が露出する溝部2bと、導電性流体3の移動方向に直交する断面の面積が空洞部2aよりも狭く且つ一端側で空洞部2aに連結するとともに他端側に導電性流体3を収納部2内に注入するための注入口2dが設けられた注入用溝部2cとを有する。空洞部2aは、平面視略菱形に形成されて基板1の厚み方向(図1(c)における上下方向)においてダイアフラム部1bの直下に配置されている。溝部2bは、平面視略鈎形の幅細い形状に形成され、注入用溝部2cは、平面視略矩形の溝部2bよりも若干幅の広い形状に形成されている。なお、注入用溝部2cの先端部に設けられる注入口2dは、基板1を厚み方向に貫通する形で注入用溝部2cに連通する円錐台形状に形成されており、導電性流体3が注入された後、ガラスにより短冊状に形成された蓋7で閉塞される。但し、注入口2dの形状の円錐台形状に限定されるものではなく、例えば円筒形状や角錐台形状等の他の形状でも構わない。
収納部2内に収納される導電性流体3は、常温常圧(25℃、1気圧)で液体の金属(例えば、水銀)からなり、溝部2bの先端側に空気を閉じ込めるようにして注入口2dから注入用溝部2cを通して収納部2内に注入される。また、絶縁基板5には厚み方向に貫通する複数の貫通孔(スルーホール)5aが溝部2bの先端側の部分に連通するようにして列設され、その内周面と底面(図1(d)における上面)並びに開口端の周囲には半田めっき層が形成されており、溝部2b内に露出する底面の半田めっき層が接点4を構成している。但し、半田の代わりに他の金属によってめっき層を形成しても構わない。また、図1(b)に示すように絶縁基板5の裏面には一対の電極パッド81,82と、一方の電極パッド81と何れか2つの貫通孔5aの半田めっき層とを接続する配線パターン91と、他方の電極パッド82と何れか残り2つの貫通孔5aの半田めっき層とを接続する配線パターン92とが形成されている。
アクチュエータ6は扁平な棒状に形成された圧電振動子からなり、先端部を凹部1aと対向させると同時に突部10の先端に当接させる形で基板1の表面に接合された片持ち梁構造を有している。すなわち、アクチュエータ6の厚み方向に電圧を印加すれば、固定されていないアクチュエータ6の先端部がダイアフラム部1bに近づく向きに撓んで突部10を押圧し、基板1のダイアフラム部1bを空洞部2a側へ変形させる(撓ませる)。そして、電圧の印加を停止すればアクチュエータ6が突部10を押圧しなくなってダイアフラム部1bが元の形に復帰する。
次に、本実施形態の接点開閉装置の動作について説明する。まず、電圧が印加されていない状態では、アクチュエータ6がダイアフラム部1bを変形させず、導電性流体3が初期位置で停止しているために電極パッド81,82と接続されている接点4が開成されている(オフ状態)。このオフ状態から電圧を印加してアクチュエータ6を駆動すると、アクチュエータ6の先端部が突部10を押圧してダイアフラム部1bを変形させて空洞部2aの容積が減少することにより、導電性流体3が溝部2bの先端側に移動して電極パッド81,82と接続されている接点4が導電性流体3を介して閉成される(オン状態)。このオン状態から電圧の印加を停止すれば、アクチュエータ6によって変形させられていたダイアフラム部1bが元の状態に復帰して空洞部2aの容積が元に戻るから、溝部2bの先端部分に密封されている空気の圧力によって導電性流体3が空洞部2aの方へ移動し、電極パッド81,82と接続されている接点4が開成される(オフ状態)。
ここで、基板1や絶縁基板5の表面は、通常、平滑面であって高いぬれ性を有しているが、導電性流体3を収納する収納部2のうちで導電性流体3が移動して接点4を開閉する溝部2bの内壁面がぬれ性を有していると導電性流体3が付着しやすくなり、例えば、導電性流体3が初期位置に戻りきらずに接点4が開成しない虞がある。故に、溝部2b内壁面を粗面とすることでぬれ性を低下させ、もって溝部2b内壁面への導電性流体3の付着を抑制することで接点4の開閉の信頼性を向上することができる。一方、溝部2bだけでなく収納部2全体、特に容積の大きい空洞部2aの内壁面を粗面化した場合、導電性流体3を収納部2に注入する際に導電性流体3の位置(先端の位置)が制御し難くなる。すなわち、導電性流体3の先端は、図1(d)に示すように接点4の手前の位置で停止させることが望ましく、上述のように導電性流体3が空洞部2aの内壁面にぬれてしまうと先端の停止位置の制御が難しくなるのである。そこで、溝部2b以外の収納部2、つまり空洞部2aと注入用溝部2cの内壁面を平滑面のままとしてぬれ性を高くしておけば、導電性流体3の注入時における導電性流体3の位置を精度よく制御することができる。なお、溝部2b内壁面の粗面化は、基板1と絶縁基板5の双方若しくは少なくとも何れか一方に対して行うものとし、具体的にはサンドブラスト処理やフッ素樹脂の被膜で覆うことで行われる。但し、フッ素樹脂の被膜で覆う方法であれば、溝部2bの内壁面を容易に粗面化できるという利点がある。
1 基板
1b ダイアフラム部
2 収納部
2a 空洞部
2b 溝部
3 導電性流体
4 接点
5 絶縁基板
6 アクチュエータ
1b ダイアフラム部
2 収納部
2a 空洞部
2b 溝部
3 導電性流体
4 接点
5 絶縁基板
6 アクチュエータ
Claims (2)
- 導電性を有する流体を移動自在に収納する収納部が設けられた基板と、収納部内に露出する複数の接点と、収納部内で導電性流体を移動させる手段とを備え、収納部は、他の部分よりも容積の大きい空洞部と、導電性流体の移動方向に直交する断面の面積が空洞部よりも狭く且つ一端側で空洞部に連結するとともに他端側に複数の接点が露出する溝部と、導電性流体の移動方向に直交する断面の面積が空洞部よりも狭く且つ溝部よりも広く又一端側で空洞部に連結するとともに他端側に導電性流体を収納部内に注入するための注入口が設けられた注入用溝部とを具備し、空洞部の内壁面を平滑面とし且つ溝部の内壁面を微細な凹凸を有した粗面してなることを特徴する接点開閉装置。
- 前記粗面は、内壁面を覆うフッ素樹脂の被膜で形成されることを特徴とする請求項1記載の接点開閉装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006126543A JP2007299628A (ja) | 2006-04-28 | 2006-04-28 | 接点開閉装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2006126543A JP2007299628A (ja) | 2006-04-28 | 2006-04-28 | 接点開閉装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2007299628A true JP2007299628A (ja) | 2007-11-15 |
Family
ID=38768951
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2006126543A Withdrawn JP2007299628A (ja) | 2006-04-28 | 2006-04-28 | 接点開閉装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2007299628A (ja) |
-
2006
- 2006-04-28 JP JP2006126543A patent/JP2007299628A/ja not_active Withdrawn
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