JP2007298128A - 多列転がり軸受装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 排油経路が確保できて軸受の冷却が可能となり、高速回転への適用が可能な構成でありながら、部品点数の削減による工数削減とコストダウン、および軸方向寸法の縮小が可能な多列転がり軸受装置を提供する。
【解決手段】 複数の転がり軸受2を並べて配置し、隣合う転がり軸受2,2の外輪4,4間に一対の軸受潤滑用間座8,8を介在させ、内輪3,3間に内輪間座17を介在させる。各軸受潤滑用間座8には、対向する転がり軸受2の内輪3へ潤滑油を吐出するノズル9をそれぞれ設ける。これら両軸受潤滑用間座8の互いの接触側の側面には内周面に開口した排油用凹部13を形成し、これら両軸受潤滑用間座8の排油用凹部13の内面と前記内輪間座17の外径面とで囲まれた空間を排油空間14とする。この排油空間14を、前記両側の転がり軸受2における前記ノズル9から吐出された潤滑油が排出される空間に連通させる。
【選択図】 図1
【解決手段】 複数の転がり軸受2を並べて配置し、隣合う転がり軸受2,2の外輪4,4間に一対の軸受潤滑用間座8,8を介在させ、内輪3,3間に内輪間座17を介在させる。各軸受潤滑用間座8には、対向する転がり軸受2の内輪3へ潤滑油を吐出するノズル9をそれぞれ設ける。これら両軸受潤滑用間座8の互いの接触側の側面には内周面に開口した排油用凹部13を形成し、これら両軸受潤滑用間座8の排油用凹部13の内面と前記内輪間座17の外径面とで囲まれた空間を排油空間14とする。この排油空間14を、前記両側の転がり軸受2における前記ノズル9から吐出された潤滑油が排出される空間に連通させる。
【選択図】 図1
Description
この発明は、複数の転がり軸受を並べて構成され、工作機械の主軸支持等に用いられる多列転がり軸受装置に関し、例えば、定位置予圧背面組み合わせで軸受を組み合わせた場合の超高速で回転する軸受の潤滑に関する。
工作機械主軸では、加工能率を上げるため、ますます高速化の傾向にある。主軸の高速化に伴い、主軸軸受ではトルクと発熱量が増加する。そこで、これに対処するために、主軸軸受の潤滑には、ジェット潤滑やエアオイル潤滑が多く用いられている。
ジェット潤滑は、多量の油を軸受内に噴射し、軸受の潤滑と軸受の冷却を同時に行うものであるが、この潤滑法は、軸受を高速運転すると潤滑油の攪拌抵抗が大きくなることから(速度の二乗にほぼ比例)、軸受の動力損失が大きくなり、大容量の駆動モータが必要になる欠点がある。
また、エアオイル潤滑は、搬送エアに潤滑油を混合して油をノズルより軸受内に噴射するものであり、軸受内の油の攪拌抵抗を減じる対策として、内輪外径面に少量の油を付着させ、軌道部まで遠心力と表面張力を利用して給油するようにしたものが提案されている(例えば特許文献1,2)。
特開2001−012481号公報
特開2002−54643号公報
従来のエアオイル潤滑を行う潤滑装置は、軸受冷却効果が殆どなく、超高速回転の用途では軸受の発熱の問題がある。このような冷却上の問題を解消し、超高速で回転する際に効果的な潤滑装置として、本出願人は、特願2004−303778号を提案した。この提案例のものを、定位置予圧背面組み合わせで使用する多列転がり軸受装置とすると、図3のようになる。
この多列転がり軸受装置は、外輪間座を軸受潤滑用間座58とし、この軸受潤滑用間座58のノズル59から、軸受内輪53の幅面の円周溝57に潤滑油を吐出し、その潤滑油を遠心力と表面張力とで、内輪53の外径面の斜面部53bに沿って内輪53の軌道面53aへ導くものである。また、この斜面部53bに隙間を介して被さる鍔状部61を設け、隙間から軌道面53aへ流れる潤滑油を案内するように構成している。
ノズル59から吐出された潤滑油のうち、前記微小隙間へ流入する流入分を除く残りの潤滑油は、潤滑油排出経路62を経て外部に排出される。潤滑油排出経路62は、各軸受潤滑用間座58の内径面に嵌合させた断面コ字状の環体60を用いて構成される。すなわち、潤滑油排出経路62は、軸方向の軸受52寄りの半部で前記ノズル59の形成部を除いて大径とされた段差面58aと、軸方向の軸受52から離反する側の半部で全周にわたって大径とされた段差面58bに嵌合する断面コ字状の環体60の内壁面と、内輪53の端面に接する内輪間座67の外径面とで囲まれる排油空間64、およびこの排油空間64を外部に連通させる排油路63により構成される。排油路63は、軸受潤滑用間座58における前記ノズル59の形成部から円周方向に離れた位置に、軸受潤滑用間座58から前記環体60に跨がって径方向に貫通して形成される。
しかし、図3の構成では、同図のように2つの転がり軸受52、52を定位置予圧背面組み合わせで使用する場合、各転がり軸受52に対応する一対の軸受潤滑用間座58,58が軸方向に並んで配置されることになる。この場合、一対の潤滑油排出経路62,62の間に、背面合わせに隣接する2つの環体60,60が介在する構造となる。そのため、各軸受潤滑用間座58の軸方向寸法が大きくなるばかりか、部品点数も多くなり、これに伴って加工工数も増え、コスト高になるという問題がある。
工作機械に使用される主軸スピンドルは、機械のコンパクト化に伴い、軸方向寸法の縮小が求められており、そのため、主軸に取付けられる軸受潤滑用間座の軸方向寸法の縮小が求められている。
この発明の目的は、排油経路が確保できて軸受の冷却が可能となり、高速回転への適用が可能な構成でありながら、部品点数の削減による工数削減とコストダウン、および軸方向寸法の縮小が可能な多列転がり軸受装置を提供することである。
この発明の他の目的は、工作機械の主軸の支持に適用した場合に、主軸スピンドルおよび機械自体のコンパクト化を図れるようにすることである。
この発明の他の目的は、工作機械の主軸の支持に適用した場合に、主軸スピンドルおよび機械自体のコンパクト化を図れるようにすることである。
この発明の多列転がり軸受装置は、複数の転がり軸受を並べた多列転がり軸受装置において、隣合う転がり軸受の外輪間に一対の軸受潤滑用間座を、内輪間に内輪間座をそれぞれ介在させ、前記各軸受潤滑用間座に、対向する転がり軸受の内輪へ潤滑油を吐出するノズルをそれぞれ設け、前記両軸受潤滑用間座の互いの接触側の側面に内周面に開口した排油用凹部を形成してこれら両軸受潤滑用間座の排油用凹部の内面と前記内輪間座の外径面とで囲まれた空間を排油空間とし、この排油空間を、前記両側の転がり軸受における前記ノズルから吐出された潤滑油が排出される空間に連通させたことを特徴とする。
この構成によると、両軸受潤滑用間座間に排油空間を形成したため、軸受潤滑用間座のノズルから吐出される潤滑油の排油経路が確保されて、潤滑油による軸受の冷却が行え、高速回転、超高速回転への適用が可能となる。この排油経路を得るにつき、両軸受潤滑用間座の互いの接触側の側面に内周面に開口した排油用凹部を形成し、これら軸受潤滑用間座の排油用凹部の内面と内輪間座の外径面とで囲まれた空間を排油空間とたため、上記提案例等のような潤滑油排出経路を得るための別の環体を付加する必要がない。そのため、軸受潤滑用間座の排油の構造が簡素化できて、部品点数が削減でき、工数削減、コストダウンが可能となる。また、間座の並び幅が狭くできて、多列転がり軸受装置の軸方向寸法の縮小が可能となる。
この発明において、前記多列転がり軸受装置は、工作機械の主軸を支持する多列転がり軸受装置であって、前記軸受潤滑用間座を介在させる隣合う転がり軸受は、定位置予圧でかつ背面組み合わせで使用されるものとしても良い。
この構成の場合、軸受潤滑用間座の軸方向寸法を縮小することができることから、主軸および工作機械自体のコンパクト化が可能となる。
この構成の場合、軸受潤滑用間座の軸方向寸法を縮小することができることから、主軸および工作機械自体のコンパクト化が可能となる。
この発明の多列転がり軸受装置は、複数の転がり軸受を並べた多列転がり軸受装置において、隣合う転がり軸受の外輪間に一対の軸受潤滑用間座を、内輪間に内輪間座をそれぞれ介在させ、前記各軸受潤滑用間座に、対向する転がり軸受の内輪へ潤滑剤を吐出するノズルをそれぞれ設け、前記両軸受潤滑用間座の互いの接触側の側面に内周面に開口した排油用凹部を形成してこれら両軸受潤滑用間座の排油用凹部の内面と前記内輪間座の外径面とで囲まれた空間を排油空間とし、この排油空間を、前記両側の転がり軸受における前記ノズルから吐出された潤滑油が排出される空間に連通させたため、排油経路が確保できて軸受の冷却が可能となり、高速回転への適用が可能な構成でありながら、部品点数の削減による工数削減とコストダウン、および軸方向寸法の縮小が可能となる。
工作機械の主軸を支持する多列転がり軸受装置であって、前記軸受潤滑用間座を介在させる隣合う転がり軸受が、定位置予圧でかつ背面組み合わせで使用される場合は、主軸スピンドルおよび機械自体のコンパクト化を図れる。
工作機械の主軸を支持する多列転がり軸受装置であって、前記軸受潤滑用間座を介在させる隣合う転がり軸受が、定位置予圧でかつ背面組み合わせで使用される場合は、主軸スピンドルおよび機械自体のコンパクト化を図れる。
この発明の一実施形態を図1と共に説明する。図1(A)はこの実施形態の多列転がり軸受装置の断面図を示す。この多列転がり軸受装置1は、複数(ここでは2つ)の転がり軸受2を並べたものである。各転がり軸受2はアンギュラ玉軸受からなり、背面組み合わせとされ、かつ定位置予圧で使用される。各転がり軸受2は、内輪3と外輪4の軌道面3a,4a間にボールからなる複数の転動体5を介在させたものであり、各転動体5は保持器6で保持される。
隣合う転がり軸受2,2の外輪4,4間には一対の軸受潤滑用間座8,8が介在する。内輪3,3間には内輪間座17が介在する。軸受潤滑用間座8は、冷却油を吐出して、その一部を対応する転がり軸受2内に供給するものである。
隣合う転がり軸受2,2の外輪4,4間には一対の軸受潤滑用間座8,8が介在する。内輪3,3間には内輪間座17が介在する。軸受潤滑用間座8は、冷却油を吐出して、その一部を対応する転がり軸受2内に供給するものである。
保持器6は外輪案内タイプであり、その素材はフェノール樹脂,PEEK,PPS,ポリアミド樹脂,C/Cコンポジット,アルミ合金,Ti合金(高速時の強度向上)などが望ましい。内輪3の素材は、高速時の大きな嵌め合いフープ応力を考慮して、例えば浸炭鋼とされている。転動体5は、遠心力低減の観点からセラミック製が望ましい。
各転がり軸受2における内輪3の反負荷側(軸受背面側)の幅面には軸方向に凹陥する円周溝7が形成されている。また、内輪3の前記円周溝7が形成される側の軌道面3aに続く外径面は、軌道面3a側が大径となる斜面部3bとされている。すなわち、内輪3のステップ面を設ける部分の外径面が上記斜面部3bとされる。
軸受潤滑用間座8は、対応する外輪4の幅面に接することで、転がり軸受2に軸方向に隣接して設けられるリング状の外輪間座である。この軸受潤滑用間座8は、内輪3の幅面の前記円周溝7の設けられた箇所に対向して開口するノズル9、およびこのノズル9に連通する給油路10を有し、かつ鍔状部11が設けられている。給油路10に供給されノズル9から吐出される冷却油は、内輪3の円周溝7に吹き付けられ、その一部が遠心力と表面張力とで、円周溝7の内径面から斜面部3bに沿って内輪3の軌道面3aに潤滑油として流れる。
鍔状部11は、軸受潤滑用間座8の側面から対応する軸受2に向けて軸方向に延び、内輪3の斜面部3bに隙間δ(図1(B))を介して被さって、この隙間δから前記軌道面3aへ流れる潤滑油を案内する。鍔状部11は、保持器6の内径側まで延びるものとされている。前記ノズル9が対向する内輪3の幅面と前記斜面部3bとが交差する角部は、断面円弧状の曲面部3baとされている。曲面部3baとしたのは、この角部から潤滑油が遠心力で内輪3から離れることを防止するためである。
各軸受潤滑用間座8の互いに接触する側の側面には、内周側に開口した排油用凹部13がそれぞれ形成されており、これら両排油用凹部13,13の内面と、前記内輪間座17の外径面とで囲まれた空間が排油空間14とされている。この排油空間14は、両側の転がり軸受2,2における前記ノズル9から吐出された潤滑油が排出される空間18に連通させてある。
また、各軸受潤滑用間座8の互いに接触する側の側面には、前記排油用凹部13から外周側に向けて径方向に延びる溝状排油路15がそれぞれ形成されている。さらに、各軸受潤滑用間座8の外輪4の幅面に接する側面の一部にも、径方向に延びる溝状排油路16がそれぞれ形成されている。なお、軸受潤滑用間座8は、内傷の発生防止や取扱性向上の見地から、焼入処理することが望ましい。
また、各軸受潤滑用間座8の互いに接触する側の側面には、前記排油用凹部13から外周側に向けて径方向に延びる溝状排油路15がそれぞれ形成されている。さらに、各軸受潤滑用間座8の外輪4の幅面に接する側面の一部にも、径方向に延びる溝状排油路16がそれぞれ形成されている。なお、軸受潤滑用間座8は、内傷の発生防止や取扱性向上の見地から、焼入処理することが望ましい。
前記ノズル9から吐出された潤滑油のうち、前記微小隙間δへ流入する流入分を除く残りの潤滑油は、潤滑油排出経路12から外部に排出される。この潤滑油排出経路12は、前記両軸受潤滑用間座8に形成された排油用凹部13からなる排油空間14や、前記溝状排油路15,16等で構成される。なお、溝状排油路15,16は、円周方向に複数分配して設けても良い。使用する冷却油としては、動力損失の低減および冷却効率の向上の観点から、ISOの粘度がVG10,VG2以下が望ましい。また、動力損失の更なる低減および冷却効率の向上には、冷却油として粘度が小さく熱伝導率が大きい水溶性作動油の使用と、前記軸受潤滑用間座8の材料として線膨張係数が低いステンレスを使用することが望ましい。
上記構成の多列転がり軸受装置1の潤滑作用を説明する。各軸受潤滑用間座8の給油路10に圧送された冷却油は、ノズル9から吐出されて対向する内輪3の幅面の円周溝7の形成箇所に吹き付けられる。円周溝7に吹き付けられた冷却油の一部は、その表面張力と内輪2の回転に伴い冷却油に作用する遠心力とにより、内輪3における円周溝7の外径側の内壁面から斜面部3bに沿って内輪3の軌道面3aに潤滑油として流入する。このように、ノズル9から吐出された冷却油が円周溝7に集油され、その一部が内輪3の斜面部3bから軌道面3aに流れるので、軌道面3aの全周に均等に潤滑油を供給できる。円周溝7の内壁面から斜面部3bへの潤滑油の移動は、潤滑油の表面張力、潤滑油に作用する遠心力、および斜面部3bの傾斜角度を適正にバランスさせることにより円滑に行わせることができ、遠心力で潤滑油が飛散するのを回避できる。ここでは、内輪3の幅面と斜面部3bとの交差部が曲面部3baとされているので、斜面部3bへの潤滑油の移動がより円滑に行われる。
内輪3の斜面部3bには、隙間δを介して軸受潤滑用間座8の鍔状部11が被さっており、この隙間δから軌道面3aに流れる潤滑油が鍔状部11によって案内される。隙間δ内を流れる潤滑油は、回転速度や傾斜角度等の各種の条件により、斜面部3bに付着した流れとならずに、遠心力の作用で鍔状部11の内径面側へ押し付けられた状態で流れることがある。この状態で流れる潤滑油は、鍔状部10の先端を出た箇所で、遠心力で外径側へ降り飛ばされることになる。しかし、鍔状部11は保持器6の内径側まで延びているため、鍔状部11の先端から外径側へ降り飛ばされた潤滑油は、保持器6の内径面で受けられ、転動体5へ供給されることになる。このため、内輪3の斜面部3bと軸受潤滑用間座8の鍔状部11との間の隙間δに供給された潤滑油が、無駄なく潤滑に供されることになる。
なお、前記隙間δを、斜面部3bに沿って流れる潤滑油の油膜よりも狭い微小隙間とした場合は、この隙間δで流量調整できることから、前記給油路10への冷却油の流量を外部から調整することなく、前記微小隙間δを流れる潤滑油の流量を簡単に調整することができる。
なお、前記隙間δを、斜面部3bに沿って流れる潤滑油の油膜よりも狭い微小隙間とした場合は、この隙間δで流量調整できることから、前記給油路10への冷却油の流量を外部から調整することなく、前記微小隙間δを流れる潤滑油の流量を簡単に調整することができる。
前記微小隙間δへ流入する流入分を除く残りの潤滑油は、潤滑油排出経路12を構成する各軸受潤滑用間座8の両排油用凹部13,13の内面と内輪間座17の外径面とで囲まれた排油空間14、各軸受潤滑用間座8の溝状排油路13,16を経て排油ポンプ(図示せず)により外部に排出される。このような経路で排出される冷却油としての潤滑油により、多列転がり軸受装置1は効果的に冷却される。
この多列転がり軸受装置1では、前記両軸受潤滑用間座8,8の互いの接触側の側面に、内周面に開口した排油用凹部13をそれぞれ形成して、これら両排油用凹部13,13の内面と内輪間座17の外径面とで囲まれた空間を排油空間14とし、この排油空間14を、両側の転がり軸受2,2における前記ノズル9から吐出された潤滑油が排出される空間18に連通させて潤滑油排出経路12を構成しているので、上記した提案例の場合のように潤滑油排出経路を確保するために軸受潤滑用間座に別の環体を付加する必要がなく、それだけ軸受潤滑用間座8の軸方向寸法を縮小することができる。
また、軸受潤滑用間座8に別の環体を付加する必要がないことから、部品点数を削減でき、工数削減およびコスト低減が可能となる。
また、軸受潤滑用間座8に別の環体を付加する必要がないことから、部品点数を削減でき、工数削減およびコスト低減が可能となる。
図2は、図1に示した実施形態の多列転がり軸受装置1を備えたスピンドル装置の一例を示す。このスピンドル装置24は工作機械に応用されるものであり、主軸25の先端(図の左側の端部)に工具またはワークのチャックが取付けられる。主軸25は、軸方向に離れた複数(ここでは2つ)の多列転がり軸受装置1により支持されている。これらの多列転がり軸受装置1において、軸受潤滑用間座8を介在させて隣合う転がり軸受2,2は、背面組み合わせとされ、かつ後述のように定位置予圧で使用される。
各多列転がり軸受装置1における両転がり軸受2の内輪3は主軸25の外径面に嵌合し、外輪4はハウジング26の内径面に嵌合している。ハウジング26内における両多列転がり軸受装置1,1で挟まれる軸方向の中間位置には、主軸25を駆動するモータ30が配置されている。そのモータロータ31は主軸25に固定され、モータステータ32がハウジング26に固定されている。
各多列転がり軸受装置1における主軸軸端側に位置する転がり軸受2の内外輪3,4は、内輪押さえ27および外輪押さえ28により、主軸25およびハウジング26の軸方向を向く各段部25a,26aとの間で挟み付け状態で固定されている。主軸25の一端部には、内輪押さえ27に押し当てて多列転がり軸受装置1を固定する軸受固定ナット33が螺着されている。これら主軸25およびハウジング26の段部25a,26aと、各内輪押さえ27および外輪押さえ28の軸受当接面の位置を所定の位置に設定し、軸受固定ナット32を締めつけることで、2個並んだ転がり軸受2が定位置予圧される。
ハウジング26は、内周ハウジング26A、および外周ハウジング26Bからなる二重構造とされている。内周ハウジング26Aには各軸受潤滑用間座8の給油路10に連通する潤滑油供給路34と、排油回収路35と、ハウジング冷却用の給油路36とが設けられている。各潤滑油供給路34は軸方向に延びて内周ハウジング26Aの両端面に開口している。排油回収路35は軸方向に延びて外輪押さえ28を貫通している。この排油回収路35に、各軸受潤滑用間座8の潤滑油排出経路12(図1)が連通させてある。
前記排油回収路35に流出した排油は、排油ポンプにより油回収タンクに回収されて、冷却油供給装置(いずれも図示せず)に戻され、この冷却油供給装置から前記給油路10に冷却油が再び給油される。また、前記冷却油供給装置から前記給油路36にも冷却油が供給され、ハウジング26の冷却が行われる。ハウジング26を冷却した冷却油は油回収タンクに回収されて、再び冷却油供給装置に戻される。
このように、上記多列転がり軸受装置1を工作機械のスピンドル装置24の主軸25の支持に用いて、軸受潤滑用間座8を介在させる隣合う転がり軸受2,2を、定位置予定でかつ背面合わせで使用する場合には、軸受潤滑用間座8の軸方向寸法を縮小することができることから、スピンドル装置24および工作機械自体のコンパクト化が可能となる。
1…多列転がり軸受装置
2…転がり軸受
3…内輪
4…外輪
8…軸受潤滑用間座
9…ノズル
13…排油用凹部
14…排油空間
17…内輪間座
2…転がり軸受
3…内輪
4…外輪
8…軸受潤滑用間座
9…ノズル
13…排油用凹部
14…排油空間
17…内輪間座
Claims (2)
- 複数の転がり軸受を並べた多列転がり軸受装置において、隣合う転がり軸受の外輪間に一対の軸受潤滑用間座を、内輪間に内輪間座をそれぞれ介在させ、前記各軸受潤滑用間座に、対向する転がり軸受の内輪へ潤滑油を吐出するノズルをそれぞれ設け、前記両軸受潤滑用間座の互いの接触側の側面に内周面に開口した排油用凹部を形成してこれら両軸受潤滑用間座の排油用凹部の内面と前記内輪間座の外径面とで囲まれた空間を排油空間とし、この排油空間を、前記両側の転がり軸受における前記ノズルから吐出された潤滑油が排出される空間に連通させたことを特徴とする多列転がり軸受装置。
- 請求項1において、工作機械の主軸を支持する多列転がり軸受装置であって、前記軸受潤滑用間座を介在させる隣合う転がり軸受は、定位置予圧でかつ背面組み合わせで使用される多列転がり軸受装置。
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