JP2007296871A - ランフラットタイヤ及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】タイヤの質量の増加を抑制しつつランフラット耐久性を向上する。
【解決手段】トレッド部からサイドウォール部3を経てビード部4のビードコア5に至るトロイド状のカーカス6と、前記カーカス6の内側に配されかつ断面略三日月状をなすサイド補強ゴム9と、前記ビードコア5の外面からタイヤ半径方向外側に先細状でのびるビードエーペックス8とを具えたランフラットタイヤ1であって、ビードエーペックス8は、ゴム部8Aと、補強コード層8Bとを含むことを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、パンク時でも比較的長い距離を継続走行しうるランフラットタイヤ及びその製造方法に関し、詳しくはタイヤの質量の増加を抑制しつつランフラット耐久性を向上しうるものに関する。
従来、パンク等によってタイヤの空気が抜けた場合でも、比較的高速度で一定の距離を継続走行(以下、このような走行を「ランフラット走行」と言う。)しうるランフラットタイヤが知られている(下記特許文献1ないし2参照)。この種のランフラットタイヤは、サイドウォール部の曲げ剛性を高めるために、断面略三日月状をなすサイド補強ゴムが設けられる。そして、タイヤの空気が抜けた場合、このサイド補強ゴムの曲げ剛性によってタイヤの縦撓みが抑制される。
発明者らは、ランフラット走行中におけるタイヤ各部の応力解析等を行ったところ、荷重の多くはサイド補強ゴムによって支持されるが、ビードコアからタイヤ半径方向外側に断面略先細状でのびるビードエーペックスにも大きな曲げないしせん断歪が生じていることが判明した。そして、ランフラット耐久テストにおいて破壊したタイヤのいくつかは、ビードエーペックスの大きな歪によるカーカスプライの剥離が原因であることも判明した。このように、ランフラットタイヤの耐久性には、ビードエーペックスも大きく影響している。
特開2002−301911号公報 特許第2994989号公報
本発明は、以上のような問題点に鑑み案出なされたもので、ビードエーペックスを、ゴム部と、補強コード層とで構成することを基本として、タイヤの著しい質量の増加を抑制しつつランフラット耐久性を向上しうるランフラットタイヤ及びその製造方法を提供することを主たる目的としている。
本発明のうち請求項1記載の発明は、トレッド部からサイドウォール部を経てビード部のビードコアに至るトロイド状のカーカスと、前記カーカスの内側に配されかつ断面略三日月状をなすサイド補強ゴムと、前記ビードコアの外面からタイヤ半径方向外側に先細状でのびるビードエーペックスとを具えたランフラットタイヤであって、前記ビードエーペックスは、ゴム部と、補強コード層とを含むことを特徴とする。
また請求項2記載の発明は、前記ゴム部は、リボン状のゴムストリップがタイヤ回転軸の周りに螺旋状に巻き重ねられたストリップ積層部を含む請求項1記載のランフラットタイヤである。
また請求項3記載の発明は、前記ゴム部は、ビードコア側に配されかつ押出成形品からなるベースゴム部のタイヤ半径方向外側に、前記ストリップ積層部が設けられている請求項2記載のランフラットタイヤである。
また請求項4記載の発明は、前記補強コード層は、リボン状のコードプライがタイヤ回転軸の周りに螺旋状に複数周巻き付けられて形成されている請求項1乃至3のいずれかに記載のランフラットタイヤである。
また請求項5記載の発明は、前記補強コード層は、ラジアル方向に対して±50度の角度を有するコードを有する請求項1乃至4のいずれかに記載のランフラットタイヤである。
また請求項6記載の発明は、正規リムにリム組みされかつ正規内圧が充填された無負荷である正規無負荷状態のタイヤ回転軸を含むタイヤ子午線断面において、タイヤ外面のプロファイルは、前記タイヤ外面とタイヤ赤道(C)との交点(CP)からタイヤ最大幅(SW)の45%の距離(SP)を隔てるタイヤ外面上の点を(P)とするとき、前記交点(CP)から前記点(P)までの区間においてタイヤ外面の曲率半径(RC)は徐々に減少するとともに、次の関係を満足する請求項1乃至5のいずれかに記載のランフラットタイヤである。
0.05< Y60 /H ≦0.1
0.1< Y75 /H ≦0.2
0.2< Y90 /H ≦0.4
0.4< Y100 /H ≦0.7
ここで、Y60、Y75、Y90及びY100 は、前記交点(CP)からタイヤ軸方向にタイヤ最大幅の半幅(SW/2)の60%、75%、90%及び100%のタイヤ軸方向距離をそれぞれ隔てるタイヤ外面上の各点P60、P75、P90及びP100 と、前記交点(CP)とのタイヤ半径方向の各距離、Hはタイヤ断面高さである。)
また請求項7記載の発明は、トレッド部からサイドウォール部を経てビード部のビードコアに至るトロイド状のカーカスと、前記カーカスの内側に配されかつ断面略三日月状をなすサイド補強ゴムと、前記ビードコアの外面からタイヤ半径方向外側に先細状でのびるビードエーペックスとを具えたランフラットタイヤを製造するための方法であって、リボン状のゴムストリップとリボン状のコードプライとを重ねることにより複合ストリップを形成する工程と、円筒状の被巻付体に、前記複合ストリップを螺旋状に巻き付けることにより前記ビードエーペックスの少なくとも一部を形成する工程とを含むことを特徴とするランフラットタイヤの製造方法である。
また請求項8記載の発明は、前記複合ストリップは、前記ゴムストリップの幅がコードプライの幅よりも大であり、かつ、ゴムストリップの両側縁がコードプライの両側縁からはみ出して重ねられる請求項7記載のランフラットタイヤの製造方法である。
本発明のランフラットタイヤは、カーカスの内側に配されかつ断面略三日月状をなすサイド補強ゴムと、ビードコアの外面からタイヤ半径方向外側に先細状でのびるビードエーペックスとを具えており、かつ、該ビードエーペックスが、ゴム部と、該ゴム部を補強する補強コード層とを含む。このようなビードエーペックスは、補強コード層のコードによってその曲げ剛性等が向上される。また、ゴムと同等ないし小さい比重のコードを用いることにより、質量増加を抑制しつつ効果的にサイド補強ゴムの曲げ剛性等を高め、ランフラット耐久性を向上しうる。
また、本発明の製造方法によれば、ゴムストリップとコードプライとを予め重ねて一体化した複合ストリップを形成し、これを被巻付体に螺旋状に巻き付けたストリップ積層部を用いてビードエーペックスの少なくとも一部を形成する工程を含むことにより、生産性が大幅に向上する。
以下、本発明の実施の一形態を図面に基づき説明する。
図1は、本実施形態のランフラットタイヤ1の正規無負荷状態における断面図、図2はその要部拡大図、図3は正規無負荷状態から内圧を零としかつ正規荷重を負荷した前記タイヤ1のランフラット状態の断面図がそれぞれ示される。特に言及が無い場合、タイヤの各部寸法等は、前記正規無負荷状態での値とする。
ここで、前記「正規無負荷状態」とは、ランフラットタイヤ1が正規リムJにリム組みされかつ正規内圧が充填された無負荷の状態である。
また、前記「正規リム」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、当該規格がタイヤ毎に定めるリムであり、例えばJATMAであれば標準リム、TRAであれば "Design Rim" 、ETRTOであれば "Measuring Rim"とする。
さらに、前記「正規内圧」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている空気圧であり、JATMAであれば最高空気圧、TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば "INFLATION PRESSURE" とするが、タイヤが乗用車用である場合には180kPaとする。
さらに、前記「正規荷重」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている荷重であり、JATMAであれば最大負荷能力、TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば "LOAD CAPACITY"とする。
前記ランフラットタイヤ1は、トレッド部2からサイドウォール部3を経てビード部4のビードコア5に至るカーカス6と、このカーカス6のタイヤ半径方向外側かつトレッド部2の内部に配置されたベルト層7と、前記ビードコア5のタイヤ半径方向の外面からタイヤ半径方向外側に先細状でのびるビードエーペックス8と、前記カーカス6の内側かつサイドウォール部3の領域の少なくとも一部に配された断面略三日月状をなすサイド補強ゴム9と、サイド補強ゴム9のタイヤ軸方向内側に配されたガスバリア性を有するゴムからなるインナーライナーゴム10とを含む。
前記カーカス6は、タイヤ赤道Cに対して例えば70〜90°の角度で配列されたカーカスコードをトッピングゴムで被覆した1枚以上、本実施形態では1枚のカーカスプライ6Aで形成される。前記カーカスコードとしては、ナイロン、ポリエステル、レーヨン又は芳香族ポリアミドのような有機繊維コードが好ましい。また、カーカスプライ6Aは、前記ビードコア5、5間を跨ってのびるトロイド状の本体部6aと、その両側に設けられかつ前記ビードコア5の周りをタイヤ軸方向内側から外側に折り返された一対の折返し部6bと含む。この本体部6aと折返し部6bとの間には、前記ビードエーペックスゴム8が配される。
ビードベースラインBLからビードエーペックスゴム8の外端8tまでのタイヤ半径方向の高さhaは、特に限定はされないが、小さすぎるとランフラット状態での操縦安定性が低下しやすく、逆に大きすぎると乗り心地の悪化を招くおそれがある。このような観点より、ビードエーペックス8の前記高さhaは、好ましくはタイヤ断面高さHの20%以上、より好ましくは25%以上が望ましく、また上限に関しては、好ましくは50%以下、より好ましくは45%以下が望ましい。
本実施形態において、カーカスプライ6Aの折返し部6bは、ビードエーペックスゴム8の外端8tをタイヤ半径方向外側に超えてのびており、その外端部6beは、本体部6aとベルト層7との間に挟まれる位置にある。これにより、1枚のカーカスプライ6Aにより、サイドウォール部3が効果的に補強される。
前記ベルト層7は、タイヤ赤道Cに対して例えば10〜35゜の角度で配列されたベルトコードをトッピングゴムで被覆したタイヤ半径方向内、外の計2枚のクロスベルトプライ7A、7Bで構成される。前記ベルト層7の幅(この例では幅の広い内のベルトプライ7Aの外端7e間の幅)BWは、タイヤ最大幅SWの0.70〜0.95倍が好ましい。これにより、トレッド部2のほぼ全域に亘ってタガ効果を付与し、後述のタイヤ外面のプロファイルを保持する。
なお、タイヤ最大幅SWは、タイヤ最大幅点M、M間のタイヤ軸方向距離である。また、タイヤ最大幅位置Mは、サイドウォール部3に設けられた文字、模様及びリムプロテクタなどを除外したタイヤ断面輪郭形状から定められ、具体的にはカーカス6の最大幅をなす点mと同じ高さにある。
前記インナーライナーゴム10は、タイヤ内腔iの空気を保持するために、前記サイド補強ゴム9の内側を含み、ほぼビード部4、4間を跨るようにトロイド状に配されている。また、該インナーライナーゴム10は、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム及び/又は臭素化ブチルゴムなどのようなガスバリア性を有するゴム組成物で形成される。
前記サイド補強ゴム9は、その中央部分からタイヤ半径方向の内端9i及び外端9oに向かってそれぞれ厚さが徐々に減じられかつサイドウォール部3に沿って滑らかに湾曲した断面略三日月状の輪郭を具える。
また、サイド補強ゴム9の内端9iは、ビードエーペックス8の外端8tよりもタイヤ半径方向内側かつビードコア5よりもタイヤ半径方向外側に位置するのが望ましい。これにより、サイドウォール部3からビード部4にかけての曲げ剛性をバランス良く向上させ得る。とりわけ、サイド補強ゴム9とビードエーペックスゴム8との重なり部のタイヤ半径方向の長さWiは、好ましくは5〜50mmが望ましい。
サイド補強ゴム9の外端9oは、例えばトレッド部2の内側に至ってのび、ベルト層7の外端7eよりもタイヤ軸方向内側の位置で終端するのが望ましい。これは、バットレス部等の剛性をも効果的に高めるのに役立つ。サイド補強ゴム9とベルト層7との重なり部のタイヤ軸方向の長さWoは、好ましくは0よりも大かつ50mm以下が望ましい。
サイド補強ゴム9の内端9i及び外端9o間のタイヤ半径方向の長さLは、特に限定はされないが、小さすぎるとサイドウォール部3の補強効果が低下しやすく、逆に大きすぎると、通常走行時での乗り心地やリム組み性を悪化させる傾向がある。このような観点より、サイド補強ゴム9の前記長さLは、好ましくはタイヤ断面高さHの35〜70%、より好ましくは40〜65%程度に設定されるのが望ましい。
サイド補強ゴム9の最大厚さtcは、負荷される荷重やタイヤサイズに応じて適宜定めることができるが、小さすぎると、サイドウォール部3を補強する効果が得られ難く、逆に大きすぎると、タイヤ質量の増加及び過度の発熱を招くおそれがある。このような観点より、前記最大厚さtcは、好ましくは5mm以上、より好ましくは8mm以上が望ましく、上限については、好ましくは20mm以下、より好ましくは15mm以下が望ましい。
ランフラット走行時におけるタイヤの縦撓みを抑えるために、サイド補強ゴム9の複素弾性率E* は、好ましくは2MPa以上、より好ましくは5MPa以上、さらに好ましくは7MPa以上が望ましい。他方、前記複素弾性率E* が大きすぎると、タイヤの縦バネが大きくなり、通常走行時の乗り心地を著しく悪化させる傾向があるので、好ましくは150MPa以下、より好ましくは120MPa以下、さらに好ましくは50MPa以下、特に好ましくは20MPa以下が望ましい。
前記ビードエーペックス8は、ゴムから形成されたゴム部8Aと、該ゴム部8Aを補強する補強コード層8Bとから構成されている。また、本実施形態のビードエーペックス8は、図5に示されるように、リボン状のゴムストリップ11及びリボン状のコードプライ12を、図7に示されるようにタイヤ回転軸の周りに螺旋状に巻き付けたストリップ積層部8mと、ビードコア5側に配されかつ断面略三角形状で押出成形されたベースゴム部8pとを接続することにより形成される。なお、図5及び図7に示されたゴムストリップ11、コードプライ12及びベースゴム部8pなどは、いずれも未加硫の状態のものが示されている。
このようなビードエーペックス8は、補強コード層8Bのコードによって、その曲げ剛性や周方向剛性等が向上される。従って、ランフラット走行時、ビードエーペックス8の歪が低減される。また、ゴム部8Aと同等ないしこれよりも小さい比重のコードを用いた場合には、質量増加を抑制しつつより効果的にサイド補強ゴムの曲げ剛性等を高め得る。さらに、コードは、ゴム部8Aに比べると発熱し難いので、ランフラット走行時におけるビードエーペックス8の発熱を抑えることができる、これらの相乗作用により、本実施形態のランフラットタイヤ1は、ビードエーペックス8からのカーカスプライ6Aの剥離などを効果的に抑制し、ランフラット耐久性を向上しうる。
さらに、本実施形態のようにストリップ積層部8mを含むビードエーペックス8は、ゴムストリップ11等の螺旋の巻付けピッチなどを変えることにより、その断面形状を容易にかつ自由に変更できる。従って、従来のような押出成形ゴムの両端をスプライス接合して成形されていたものに比べて汎用性が高く、生産性に優れる。また、ゴムのスプライス部を完全に無くすことが可能となる他、ベースゴム部8pを用いた場合でもそのスプライス部は従来よりも小さくできるため、タイヤのユニフォミティが向上する。
ここで、ゴム部8Aの複素弾性率(これは、実質的にゴムストリップ11及びベースゴム部8pの複素弾性率である。)は、特に限定されないが、小さすぎるとビードエーペックス8の剛性が不足し、ランフラット走行時の縦撓みを十分に抑制できないおそれがある。このような観点より、ゴム部8Aの複素弾性率は、好ましくは10MPa以上、より好ましくは11MPa以上が望ましい。他方、ゴム部8Aの複素弾性率E* が大きすぎると、通常走行時の乗り心地が著しく悪化するおそれがある。従って、前記複素弾性率E* は、好ましくは70MPa以下、より好ましくは50MPa以下が望ましい。
さらに、ゴム部8Aの損失正接tanδ(これは、実質的にゴムストリップ11及びベースゴム部8pの損失正接である。)も特に限定されないが、大きすぎるとゴム部8Aが発熱しやすく、ひいてはビードエーペックス8の耐久性を悪化させるおそれがある。このような観点より、ゴム部8Aの損失正接tanδは、好ましくは0.30以下、より好ましくは0.25以下が望ましい。他方、ゴム部8Aの損失正接tanδが小さすぎると、その反発弾性率が大きくなり、通常走行時の乗り心地が悪化するおそれがあるので、好ましくは0.02以上、より好ましくは0.03以上が望ましい。
前記ゴム部の複素弾性率や損失正接tanδは、4mm幅×30mm長さ×1.5mm厚さの短冊状試料と粘弾性スペクトロメーターとを用い、温度70℃、周波数10Hz及び動歪±2%の条件で測定された値とする。
本実施形態の補強コード層8Bは、前記コードプライ12をタイヤ回転軸の周りに少なくとも1周、好ましくは複数周螺旋状に巻き付けられて形成される。このような補強コード層8Bも、プライ同士のスプライス部の無いいわゆるジョイントレス構造をなすため、タイヤ周方向の重量バランスが均一化され、ひいてはタイヤのユニフォミティを大幅に向上させ得る。
図5には、タイヤに成形される前のコードプライ12の一例が示される。該コードプライ12は、平行に配列された複数本のコード13と、該コード13を被覆する未加硫のトッピングゴム14とで構成されたリボン状をなす。前記コード13は、この例ではコードプライ12の幅方向と実質的に平行に配列される(言い換えると、コード13はコードプライ12の長さ方向に対して直角に配列される。)。
前記コード13としては、好ましくはゴム部8Aの比重と同等ないしはそれよりも小さい比重を有する有機繊維コード、例えばナイロン、ポリエステル、レーヨン、ポリエチレンナフタレート(PEN)又は芳香族ポリアミド等が望ましい。ただし、必要に応じて、スチールコードを用いることもできる。
また、コード13の打ち込み本数などは、必要に応じて適宜定めることができるが、ビードエーペックス8への補強効果と通常乗り心地とをバランスさせるために、コード13の打ち込み本数は、コード13の長手方向と直角方向に測定されたプライ1cm幅当たり、3本以上、より好ましくは5本以上が望ましく、また上限に関しては、好ましくは15本以下、より好ましくは12本以下が望ましい。
このようなコードプライ12は、ゴムストリップ11とともにタイヤ周方向に螺旋状に複数周巻き付けられることによって、ビードエーペックス8の内部に組み入れられて補強コード層8Bを構成する。また、図2に示されるように、本実施形態の補強コード層8Bは、そのコード13がタイヤ半径方向の位置をずらせながら、ビードエーペックスの高さ方向のほぼ全域に亘って配されている。これによって、補強コード層8Bは、ビードエーペックス8の剛性をバランス良く向上させ、ランフラット耐久性の向上にも寄与する。
さらに、本実施形態では、補強コード層8Bを構成する全てのコード13がゴム部8Aの中に配されて該ゴム部8Aで完全に覆われている。即ち、補強コード層8Bのコード13が、カーカスプライ6Aの本体部6a及び折返し部6bのカーカスコードと直接接触することなくビードエーペックス8の中に配される。さらに、補強コード層8Bの各コード13同士もビードエーペックス8の中で互いに直接接触することなく設けられる。このようなビードエーペックス8は、コード13同士又はコード13とカーカスコードとが直接接触して摩擦損傷するいわゆるフレッティング損傷が効果的に防止され、ビード部4の耐久性が向上する。
また、補強コード層8Bのコード13は、ラジアル方向に対して±50度、より好ましくは±30度、さらに好ましくは±10度の角度θで配置されるのが望ましい。図4には、ビードエーペックス8をタイヤ軸方向外側から見た部分側面図が示される。前記「ラジアル方向」とは、タイヤ回転軸を含むタイヤ断面の切り口の方向RDとする。
このような補強コード層8Bを有するビードエーペックス8は、高い曲げ剛性(横剛性)を有するため、通常走行時の操縦安定性の向上はもとより、図3に示されるようなランフラット走行時において、ビードエーペックス8の曲げ歪を減じ得る。また、ゴム部8Aの使用量を削減し、タイヤ質量の軽減にも大きく寄与しうる。さらに、ゴム部8Aは、コード13に対してラジアル方向にせん断変形可能であるため、通常走行時の乗り心地が十分に確保できる。なお、前記角度θが50度よりも大きくなると、ビードエーペックス8への補強効果が低下するおそれがある。
また、ビードエーペックス8の全質量に対するコード13の全質量は、好ましくは10%以上、より好ましくは20%以上、さらに好ましくは25%以上が望ましい。前記コード13の質量がビードエーペックス8の全質量の10%未満の場合、十分な補強効果が得られない傾向がある。他方、コード13の質量が大きくなると、通常走行時の乗り心地が著しく悪化するおそれがあるので、その割合はビードエーペックス8の全質量の好ましくは80%以下、より好ましくは70%以下、さらに好ましくは65%以下が望ましい。
また、ビードエーペックス8において、補強コード層8Bが設けられる領域は、特に限定されないが、例えば図2において、ビードコア5の外面から、ビードエーペックスの高さLaの10%以上、より好ましくは20%以上、さらに好ましくは30%以上の位置に設けられるのが望ましい。これにより、生カバー成型時、ベースゴム部8pとの境界部などに空気が残存するのが効果的に防止される。
以上のようなランフラットタイヤ1は、図5及び図6に示されるように、前記ゴムストリップ11とコードプライ12とを予め重ねて一体化した複合ストリップ17を形成し、これを図7に示されるように、タイヤ成型ドラムといった円筒状の被巻付体Dに螺旋状に巻き付けたストリップ積層部8mを用いてビードエーペックス8の少なくとも一部を形成する工程を含んで製造されることが望ましい。このような複合ストリップ17を用いることにより、ゴムストリップ11及びコードプライ12を個々に巻き付ける場合に比べて生産性が大幅に向上する。
また、ビードエーペックス8は、全てが前記複合ストリップ17から形成されても良い。このようなビードエーペックス8は、ゴムストリップ11とコードプライ12とが交互に配されるため、非常に高い曲げ剛性を発揮しうるため、より長いランフラット走行が可能である。他方、ビードエーペックス8の曲げ剛性を過度に高めてしまうと、通常走行時の乗り心地の悪化が生じやすい。このため、乗り心地とランフラット性能とを両立させるために、ストリップ積層部8mの一部を複合ストリップ17で形成するとともに、その残部をゴムストリップ11のみで形成することも好ましく実施しうる。
以下、ランフラットタイヤの具体的な製造方法の一例について述べる。
先ず、前記複合ストリップ17は、図5に示したようなストリップ供給具30によって形成される。該供給具30は、各々連続供給されるゴムストリップ11及びコードプライ12を圧着しかつ一体化しうる一対の押圧ローラR1、R2を含む。このローラR1、R2の隙間にゴムストリップ11及びコードプライ12を重ねて通過させることにより、連続的に複合ストリップ17を形成しかつその下流側に設けられた被巻付体Dへと供給できる。
また、図6に示されるように、本実施形態において、複合ストリップ17は、ゴムストリップ11及びコードプライ12が、各々の幅の中心CLを実質的に揃えて圧着される。しかも、本実施形態では、ゴムストリップ11の幅RWがコードプライ12の幅PWよりも大であり、かつ、ゴムストリップ11の両側縁11eがコードプライの両側縁12eから幅方向にはみ出して重ねられている。これにより、複合ストリップ17は、幅方向の両側に、ゴムストリップ11がコードプライ12からはみ出すはみ出し部20が設けられる。
前記はみ出し部20は、複合ストリップ17を互いに巻き重ねた際に、内、外のコードプライ12同士が直接重なり合うのを確実に防止できる。従って、コードプライ12のコード13同士が互いに接触し、摩擦によるフレッティング損傷等を効果的に防止できる。また、はみ出し部20は、柔軟に変形しうる結果、巻き重ね時、複合ストリップ17の端部の隙間を埋め、段差等を効果的に吸収する。この結果、精度良くビードエーペックス8の断面形状を仕上げるのに役立つ。
前記はみ出し部20の幅STは、特に限定されないが、小さすぎると前記効果が得られ難く、逆に大きすぎてもビードエーペックス8の断面形状が制約されるおそれがある。このような観点より、前記長さSTは、好ましくは2mm以上、より好ましくは3mm以上が望ましく、また上限に関しては、好ましくは10mm以下、より好ましくは8mm以下が望ましい。ただし、はみ出し部20は、本発明の必須の要件ではないので、ゴムストリップ11をコードプライ12と同じ幅で形成しても良いのは言うまでもない。
また、略円筒状をなす成型ドラムからなる被巻付体Dには、図7に示されるように、予めシート状のインナーライナーゴム10Pと、断面略三日月状をなす未加硫のサイド補強ゴム9と、カーカスプライ6Aとが円筒状に順次巻き付けられている。ただし、カーカスプライ6Aの両端部は、この段階では折り返されていない。また、カーカスプライ6Aの外側には、リング状をなすビードコア5と、その外周面に予め接続された断面略三角形状をなす前記ベースゴム部8pが設けられる。なおゴム部分は、いずれも未加硫であるのは言うまでもない。
前記ベースゴム部8pはビードエーペックス8のビードコア側(内方)部分を形成するもので、本実施形態では押出機で断面三角形状に一体に押し出された押出品からなり、かつその底辺部分を前記ビードコア5の外面に接続されしかも両端部をスプライスさせてリング状に予め形成されている。このベースゴム部8pは、本実施形態では、ゴムストリップ11と同じゴム組成物が用いられているが、適宜物性を変えても良いのは言うまでもない。
本実施形態では、カーカスプライ6Aの外側に、先ずゴムストリップ11だけが巻き付けられる。即ち、ストリップ供給具30は、コードプライ12をコンベヤ22上で待機させる一方、ゴムストリップ11だけを押圧ローラR1、R2の隙間に通過させて被巻付体Dへと供給する。
供給されたゴムストリップ11の一端をカーカスプライ6Aの外側に止着した後、被巻付体Dをその中心線(これは、後のタイヤ回転軸と同軸である。)の周りで回転させるとともに、ゴムストリップ11をタイヤ軸方向も一方側(この例ではタイヤ軸方向外側)へ所定のスピードで移動させる。これにより、ゴムストリップ11は、カーカスプライ6Aの外側に螺旋状に巻き取られる。この際、被巻付体Dに対するゴムストリップ11のタイヤ軸方向(この例ではタイヤ軸方向外側)への送り量ないしスピードが適宜調節され、所定の断面形状のストリップ積層体8mの形成が開始される。
ここで、ゴムストリップ11は、幅RWが10〜30mm、かつ、厚さt1が0.6〜2.0mmであるのが望ましい。ゴムストリップの幅RWが10mm未満の場合又は厚さt1が0.6mm未満の場合、その剛性が小さくなるので、巻付け時の張力によってゴムストリップ11が破断しやすくなる。また所定の断面形状を作るためには、巻付け回数が著しく増加するおそれがあり、生産性が悪化する。逆にゴムストリップ11の前記幅RWが30mmを超える場合又は厚さt1が2.0mmを超える場合、ストリップ積層部8mの断面形状が粗くなる傾向がある。
次に、ゴムストリップ11が所定の回数で巻付けられた後、例えばコードプライ12を保持するコンベヤ22を駆動して、コードプライ12を押圧ローラR1、R2の上流位置近傍へと供給する。これにより、コードプライ12の端部は、送り出されているゴムストリップ11と接触しかつこれとともに押圧ローラR1、R2の隙間を通過しうる。これにより、ストリップ供給具30は、被巻付体Dに、複合ストリップ17を供給できる。これらの工程は、ゴムストリップ11の巻付けを一時的に停止して行われても良いし、巻付けを停止することなく連続的に行われても良い。いずれにせよ、少なくともゴムストリップ11を切断することなく行われることが生産性の観点から望ましい。
被巻付体Dに供給された複合ストリップ17は、ゴムストリップ1の場合と同様、所定の位置に必要な螺旋ピッチで巻き付けられると、切断具23によって、コードプライ12が切断される。これにより、ストリップ供給具30は、再び被巻付体Dにゴムストリップ11だけを供給し、必要な位置でゴムストリップ11が切断され、その端部が止着される。このような工程を行うことにより、ビードエーペックス8(ストリップ積層部8m)の内部かつ所定の位置に、ゴムストリップ11によって完全に覆われた状態でコードプライ12を配置することができる。
また、ビードエーペックス8は、その外端8tに向かって先細状でのびるため、該外端8tの部分にコード13が含まれていると、カーカスプライ6Aとの接着性が低下し、剥離等が生じやすい傾向がある。しかし、上記実施形態のように、ストリップ積層部8mの形成に際して、その巻付け初期にゴムストリップ11だけを用いていることで、ビードエーペックス8の外端8t近傍をゴムだけで形成できる。従って、ビードエーペックス8の外端近傍での耐久性の悪化を防止できる。なお、ゴムストリップ11の螺旋の巻付け方向が、タイヤ軸方向内側に向かって行われる場合には、少なくとも巻付け終期にはゴムストリップ11だけを用いることが望ましい。
しかる後、図8に示されるように、カーカスプライ6Aの両端部を軸方向外側から内側に折り返すターンナップ工程が行われる。この際、ストリップ積層部8mにベースゴム部8pを重ね、両部材8m及び8pを合体させる。これにより、未加硫のビードエーペックス8が成形される。しかる後、慣例に従い、折り返されたカーカスプライ6Aの折返し部6bの外側に、サイドウォールゴム3Gやクリンチゴム4Gが円筒状に巻き付けられ、その後、ビードコア5、5の間隔を縮めながらトレッド領域をタイヤ半径方向外側に突出させることにより、予め待機しているリング状のベルト層7及びトレッドゴム2Gと合体させる(シェーピング工程)。これにより、図9に示されるような生カバー1Lが得られる。そして、該生カバー1Lを加硫成形することによって、本実施形態のランフラットタイヤ1が製造される。
なお、上述のような成型方法では、ビードエーペックス8の位置や形状が安定して成型できない場合には、例えば中子成形法を用いることができる。中子成形法は、例えば組立中子(図示しないが、これが被巻付体となる。)の周りに必要なゴム材料及びプライ等を貼り付けそのまま加硫し、その後、中子を分解して取り出すことにより行われる。この成形法では、精度良くビードエーペックス8を成型できる他、カーカスのシェーピング工程が不要となるので、補強コード層8Bのコード13をタイヤ周方向に近い角度で傾けることもできる。
また、前記実施形態では、ゴムストリップ11及び複合ストリップ17を被巻付体Dの軸方向外側に向かって巻き付ける態様を示したが、内側に向かって巻き付けることも勿論可能である。また、例えば図10に模式的に示されるように、複合ストリップ17は、成型ドラムDの軸方向の一方側S1に向かって巻き付けられる第1の巻付け段階と、前記被巻付体Dの軸方向の他方側S2に向かって巻き付けられる第2の巻付け段階とを含んでも良い。
この間、ゴムストリップ11ないし複合ストリップ17は、任意の位置(本実施形態ではビードエーペックス8の一方側S1の端部)で折り返されて連続的に巻き付けられる。なお、第1及び第2の巻付け段階の間、複合ストリップ17は連続しても良いし、別々に送り込まれても良い(本実施形態では後者である)。これにより、ビードエーペックス8は、一方側S1に向かってゴムストリップ11及び複合ストリップ17が巻き付けられた第1の層8aと、他方側S2に向かって巻き付けられた第2の層8bとが内外で重ね合わされて形成される。
図11には、このようなビードエーペックス8を用いたランフラットタイヤの部分断面図を示す。図11から明らかなように、この実施形態のビードエーペックス8は、前記第1の層8aがタイヤ軸方向内側に、第2の層8bがタイヤ軸方向外側にそれぞれ配されている。また第1の層8a及び第2の層8bのゴムストリップ11は互いに接続され、これにより、ゴムストリップ11の界面Eは、この図ではトレッド部2側に向かって凸となる略V字状にのびている。
ゴムストリップを用いて形成されたビードエーペックス8を有するランフラットタイヤについて、タイヤが破壊するまで耐久テストを続けたところ、ビードエーペックス8は、ゴムストリップ11の界面Eに沿って亀裂が発生することが多いことが判明した。従って、本実施形態のように、第1の層8a及び第2の層8bの各ゴムストリップ11をほぼV字状に接続させることにより、図2の態様に比して、前記界面Eの長さを増大させ得る。これにより、前記界面Eに沿った亀裂は、ビードエーペックス8を分断するためにより長い距離を成長する必要がある。つまり、ビードエーペックス8の耐久性が向上する。
前記実施形態では、1回の折返しによりビードエーペックス8を形成したが2回以上折返しを重ねてビードエーペックス8を形成することもできる。このようなビードエーペックス8は、各層のゴムストリップ11は、ジグザグ状に接続されることでより長い界面Eの長さを持つことができる。従って、クラックの成長に時間を要するので、耐久性をさらに向上させることができる。
なお、ビードエーペックス8は、ゴムストリップ11を用いる方法以外にも、種々の方法で成型することができる。例えば、ゴム部8Aは、押出機等から押出された成型品が用いられても良い、この場合、ゴム部8Aは、例えば複数個に分割してそれぞれ押し出し成形され、それらの間にコードプライ12を挟み込むことでビードエーペックス8を成型できる。
次に、トレッド部2を含め路面と接地する可能性があるタイヤ外面の好ましい実施形態のプロファイル(輪郭線)について述べる。図12には正規無負荷状態のタイヤ外面のプロファイルTLが描かれている。該プロファイルTLはトレッド部2の溝を除外して特定されるものとする。前記正規無負荷状態において、タイヤ外面とタイヤ赤道Cとの交点CPからタイヤ最大幅SWの45%の距離SPを隔てるタイヤ外面上の点をPとするとき、前記交点CPから前記点Pまでの区間においてタイヤ外面の曲率半径RCを徐々に減少させるとともに、次の関係を満足させることが望ましい。
0.05< Y60 /H ≦0.1
0.1< Y75 /H ≦0.2
0.2< Y90 /H ≦0.4
0.4< Y100 /H ≦0.7
ここで、Y60、Y75、Y90及びY100 は、タイヤ赤道Cからタイヤ軸方向にタイヤ最大幅の半幅(SW/2)の60%、75%、90%及び100%のタイヤ軸方向距離をそれぞれ隔てるタイヤ外面上の各点P60、P75、P90及びP100 と、前記交点CPとのタイヤ半径方向の各距離である。また、前記”H”はタイヤ断面高さである。
また、RY60=Y60/H
RY75=Y75/H
RY90=Y90/H
RY100 =Y100 /H
とすると、前記関係を満足する範囲は図13にグラフとして示される。図12及び図13から明らかなように、前記関係を満足するタイヤ外面のプロファイルTLは非常に丸くなる。このため、そのようなプロファイルTLを有するタイヤの接地形状は、接地幅が小さく、また接地長さが大きくなる。これは、騒音性能及びハイドロプレーニング性能の向上に役立つ。
また、このようなプロファイルは、撓みやすいトレッドの領域を増大させる反面、サイドウォール部3の領域が短くなるという特徴を有する。このため、該プロファイルを具えたランフラットタイヤ1は、縦バネが減少し乗り心地に優れるとともに、ビードエーペックス8の長さ及びゴムボリュームを低減でき、ランフラットタイヤにおける質量低下が達成される点で特に好ましい。なお、前記曲率半径RCは段階的に減少する態様でも良いが、好ましくは本実施形態のように連続的に減少するものが望ましい。
本発明は、乗用車用のものとして特に好適であるが、図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施できるのは言うまでもない。
本発明の効果を確認するために、表1の仕様に基づきタイヤサイズ「245/40R18」のランフラットタイヤについて、下記の性能がテストされた。実施例のランフラットタイヤは、いずれもビードエーペックスがゴム部と補強コード層(コードはナイロンコードであり、繊度は940dtex/2とした。)とからなり、実施例1〜5は、図1の基本構造を有するものとした。また、実施例6は、図11に示したように、ストリップをビードエーペックスの一端側で折り返して巻き付けることに形成されたものとした(補強コード層の位置も図の通りである。)。また、いずれの例についてもコードプライの周回数を変えることで、ビードエーペックスの全質量に対するコードの全質量を変化させた。
また、ゴムストリップ及び補強コード層の仕様は次の通りである。
<ゴムストリップ>
幅RW:20mm
厚さt1:1mm
損失正接tanδ:0.05
<補強コード層>
幅PW:15mm
厚さt2:1mm
コードプライのエンズ:45本/5cm
コード角度:ラジアル方向に対して実質的に0度
また、本発明外のランフラットタイヤとして、比較例1及び2が準備された。比較例1は、実施例1のビードエーペックスの補強コード層の部分を、タイヤ質量が変わらないようにゴムに置き換えたものである。また、比較例2は、比較例1のランフラットタイヤのビードエーペックスとカーカスプライの折返し部との間に、ナイロンコードからなる1層の補強コード層を配置したものである。なお、実施例及び比較例は、ビードエーペックス以外は共通の構造とした。
テストの方法は、次の通りである。
<ランフラット耐久性>
各供試タイヤを下記リムにリム組み後、内圧230kPaを充填し、温度38℃で34時間放置した後、リムのバルブコアを抜き取ってタイヤ内腔と大気とを自由に連通させた。そして、この状態で、半径1.7mのドラムを有するドラム試験機上を下記条件で走行させ、タイヤが破壊するまでの走行距離が測定された。結果は、比較例1を100とする指数で表示した。数値が大きいほど良好である。
リム:18×8.5JJ
速度:80km/h
縦荷重:4.14kN
<タイヤ質量>
各供試タイヤの1本当たりの質量が測定された。結果は、比較例1を100とする指数で示す。数値が小さいほど軽量であることを示す。
<ユニフォミティ>
JASOc607に準じ、各テストタイヤの一次のラジアルフォースバリエーション(RFV)を測定し、比較例1を100とする指数でこれを表示した。数値が小さいほど、ユニフォミティに優れていることを示す。
<乗り心地(実車評価)>
排気量4300cm3 の国産FR車に各供試タイヤを4輪装着するとともに、上記リム及び内圧230kPaの条件でドライアスファルト路面の段差路、ベルジャン路(石畳の路面)、ビッツマン路(小石を敷き詰めた路面)等において、ゴツゴツ感、突き上げ、ダンピングに関して官能評価を行い、比較例1を100点とする評点で評価した。数値が大きいほど良好である。
テストの結果などを表1に示す。
Figure 2007296871
テストの結果、実施例のタイヤは、比較例に比べて、タイヤ質量の増加なしにランフラット耐久性を向上していることが確認できた。また、実施例と比較例1とは、乗り心地において実質的な差異が無いことも確認できた。
本発明の実施形態を示すランフラットタイヤの断面図である。 その要部拡大図である。 そのランフラット状態を示すタイヤの断面図である。 ビードエーペックスの側面図である。 複合ストリップを製造する工程の一例を示す斜視図である。 その複合ストリップの断面図である。 ランフラットタイヤの製造方法を説明する断面図である。 ランフラットタイヤの製造方法を説明する断面図である。 それによって成型された生カバーの断面図である。 本発明の他の実施形態を示すゴムストリップの巻付け方法を示す線図である。 本発明の他の実施形態を示すランフラットタイヤの断面図である。 タイヤ外面のプロファイルを示す線図である。 タイヤ外面の各位置におけるRYiの範囲を示す線図である。
符号の説明
1 ランフラットタイヤ
2 トレッド部
3 サイドウォール部
4 ビード部
5 ビードコア
6 カーカス
7 ベルト層
8 ビードエーペックス
8A ゴム部
9B 補強コード層
9 サイド補強ゴム
11 ゴムストリップ
12 コードプライ
13 コード
14 トッピングゴム
17 複合ストリップ
E ゴムストリップの界面

Claims (8)

  1. トレッド部からサイドウォール部を経てビード部のビードコアに至るトロイド状のカーカスと、前記カーカスの内側に配されかつ断面略三日月状をなすサイド補強ゴムと、前記ビードコアの外面からタイヤ半径方向外側に先細状でのびるビードエーペックスとを具えたランフラットタイヤであって、
    前記ビードエーペックスは、ゴム部と、補強コード層とを含むことを特徴とするランフラットタイヤ。
  2. 前記ゴム部は、リボン状のゴムストリップがタイヤ回転軸の周りに螺旋状に巻き重ねられたストリップ積層部を含む請求項1記載のランフラットタイヤ。
  3. 前記ゴム部は、ビードコア側に配されかつ押出成形品からなるベースゴム部のタイヤ半径方向外側に、前記ストリップ積層部が設けられている請求項2記載のランフラットタイヤ。
  4. 前記補強コード層は、リボン状のコードプライがタイヤ回転軸の周りに螺旋状に複数周巻き付けられて形成されている請求項1乃至3のいずれかに記載のランフラットタイヤ。
  5. 前記補強コード層は、ラジアル方向に対して±50度の角度を有するコードを有する請求項1乃至4のいずれかに記載のランフラットタイヤ。
  6. 正規リムにリム組みされかつ正規内圧が充填された無負荷である正規無負荷状態のタイヤ回転軸を含むタイヤ子午線断面において、
    タイヤ外面のプロファイルは、前記タイヤ外面とタイヤ赤道(C)との交点(CP)からタイヤ最大幅(SW)の45%の距離(SP)を隔てるタイヤ外面上の点を(P)とするとき、前記交点(CP)から前記点(P)までの区間においてタイヤ外面の曲率半径(RC)は徐々に減少するとともに、
    次の関係を満足する請求項1乃至5のいずれかに記載のランフラットタイヤ。
    0.05< Y60 /H ≦0.1
    0.1< Y75 /H ≦0.2
    0.2< Y90 /H ≦0.4
    0.4< Y100 /H ≦0.7
    (ここで、Y60、Y75、Y90及びY100 は、前記交点(CP)からタイヤ軸方向にタイヤ最大幅の半幅(SW/2)の60%、75%、90%及び100%のタイヤ軸方向距離をそれぞれ隔てるタイヤ外面上の各点P60、P75、P90及びP100 と、前記交点(CP)とのタイヤ半径方向の各距離、Hはタイヤ断面高さである。)
  7. トレッド部からサイドウォール部を経てビード部のビードコアに至るトロイド状のカーカスと、前記カーカスの内側に配されかつ断面略三日月状をなすサイド補強ゴムと、前記ビードコアの外面からタイヤ半径方向外側に先細状でのびるビードエーペックスとを具えたランフラットタイヤを製造するための方法であって、
    リボン状のゴムストリップとリボン状のコードプライとを重ねることにより複合ストリップを形成する工程と、
    円筒状の被巻付体に、前記複合ストリップを螺旋状に巻き付けることにより前記ビードエーペックスの少なくとも一部を形成する工程とを含むことを特徴とするランフラットタイヤの製造方法。
  8. 前記複合ストリップは、前記ゴムストリップの幅がコードプライの幅よりも大であり、かつ、ゴムストリップの両側縁がコードプライの両側縁からはみ出して重ねられる請求項7記載のランフラットタイヤの製造方法。
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