JP2007296766A - インクジェット式プリンタによる画像プリント方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】所望の色合いを容易に出すことが出来て、しかもトップコートなどを別途施さなくても、インクジェット式プリンタによるプリント画像が不用意に消えるようなことのない画像プリント方法を提供する。
【解決手段】素材の表面に塗料またはインクにより下地層を形成する下地層形成処理工程を施した後、下地層形成工程で形成された下地層が生乾き状態の時に、その下地層の表面に、インクジェットプリンタにより所定の画像を油性インクによりプリントするプリント処理工程を施し、更に前記プリント処理工程後に、素材の表面を所定温度の熱で焼き付けるための焼付け処理工程を施して、素材の表面に所望の画像を確実にプリントするようにした。
【選択図】図1
【解決手段】素材の表面に塗料またはインクにより下地層を形成する下地層形成処理工程を施した後、下地層形成工程で形成された下地層が生乾き状態の時に、その下地層の表面に、インクジェットプリンタにより所定の画像を油性インクによりプリントするプリント処理工程を施し、更に前記プリント処理工程後に、素材の表面を所定温度の熱で焼き付けるための焼付け処理工程を施して、素材の表面に所望の画像を確実にプリントするようにした。
【選択図】図1
Description
本発明は、例えば金属製のプレート表面にインクジェット式プリンタを用いて、所望の画像をプリントするようにした画像プリント方法に関する。
近年、油性インクを用いたインクジェット式プリンタが開発され、このインクジェット式プリンタにより金属等の表面に所望の画像をプリントする技術が提案されている。
(特許文献1参照)
しかしながら以上のインクジェット式プリンタに用いられる油性インクは、基本的には染料から形成されたものであって、そのため、この油性インクによりプリント処理されたプリント画像では、画像を通して金属の表面が透けて見えてしまう不具合がある。従ってインクジェット式プリンタによりプリント処理される画像だけでは、思うような色合いを金属表面に施すのが難しい。
しかしながら以上のインクジェット式プリンタに用いられる油性インクは、基本的には染料から形成されたものであって、そのため、この油性インクによりプリント処理されたプリント画像では、画像を通して金属の表面が透けて見えてしまう不具合がある。従ってインクジェット式プリンタによりプリント処理される画像だけでは、思うような色合いを金属表面に施すのが難しい。
また近年開発されているインクジェット式プリンタに用いられる油性インクは、前記したように、基本的にはアルコールやシンナーなどの溶剤に弱い染料から形成されていることから、プリントした画像にアルコールなどの溶剤が触れると、プリントされた画像が消える不具合があって、全体として、耐油性(アルコールテスト)に問題が残り、また耐候性(ウエザーテスト)、密着性にも弱いものである。
特開2001−353234号公報
本発明は以上の実情に鑑みて開発したものであって、目的とするところは、所望の色合いを容易に出すことが出来て、しかもトップコートなどを別途施さなくても、インクジェット式プリンタによるプリント画像が不用意に消えるようなことのない画像プリント方法を提供することにある。
以上の目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、
素材の表面に塗料またはインクにより下地層を形成する下地層形成処理工程と、
下地層形成工程で形成された下地層が生乾き状態の時に、その下地層の表面に、インクジェットプリンタにより所定の画像を油性インクによりプリントするプリント処理工程とからなることを特徴とするものである。
素材の表面に塗料またはインクにより下地層を形成する下地層形成処理工程と、
下地層形成工程で形成された下地層が生乾き状態の時に、その下地層の表面に、インクジェットプリンタにより所定の画像を油性インクによりプリントするプリント処理工程とからなることを特徴とするものである。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像プリント方法において、
プリント処理工程後に、素材の表面を所定温度の熱で焼き付けるための焼付け処理工程を行なうことを特徴とするものである。
プリント処理工程後に、素材の表面を所定温度の熱で焼き付けるための焼付け処理工程を行なうことを特徴とするものである。
また請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の画像プリント方法において、下地層形成処理工程で用いられる塗料またはインクが、熱硬化型の塗料またはインキであることを特徴とするものである。
請求項1に記載の発明によれば、プリント処理工程によりプリントされた画像のインクの大部分が、下地層形成処理工程で形成されて生乾き状態となっている下地層に浸透融合して一体化するので、前記画像が下地層で保護され、トップコートなどを別途施さなくても画像が不用意に消えるようなことがないのはもちろんのこと、下地層の色彩の選択により、画像を所望の色合いにすることが出来る。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の効果に加え、焼付け処理工程により、画像がより一層安定する。
請求項3に記載の発明によれば、下地層上へのインクジェット式プリンタによる画像のプリント処理が余裕をもって容易に行なうことが出来る。
以下、本発明にかかる画像プリント方法を図に示す実施形態に基づいて説明する。
図1〜図5に示す実施形態は、プリント処理するための素材として携帯電話のケースの一部であるアルミニウム製のプレート1を用い、このプレート1の表面に所定の画像をインクジェット式プリンタによりプリント処理するようにしたものである。
先ず本発明の画像プリント方法で用いる前述のプレート1は周縁部が湾曲しており、またこのプレート1の表面は予め脱脂処理している。
尚、プレート1の表面は、前記した脱脂処理の他、メッキ処理やアルマイト処理を適宜施してもよい。
そして先ず、この脱脂処理されたプレート1の表面に下地層形成処理工程Aを施すのである。
この下地層形成処理工程Aは、プレート1の表面に塗料またはインクにより下地層2を形成するためのものであって、使用する塗料またはインクとしては、熱硬化型や2液混合硬化型の塗料又はインクを用いる。
熱硬化型塗料の例としては、メラミン樹脂系塗料(例えば商品名デリコン#300)、アクリル樹脂系塗料(例えば商品名アクローゼ)、エポキシ樹脂系塗料(例えば商品名ネオチャクロン)が挙げられる。
熱硬化型のインクの例としては、エポキシ樹脂系インク(例えば商品名セイコーアドバンス#1300)が挙げられる。
また2液混合型塗料の例としては、2液混合型ウレタン塗料(例えば商品名レタンPG80III)が挙げられる。
また2液混合型インクの例としては、2液混合型エポキシインク(例えば商品名セイコーアドバンス#1000)や、2液混合型ウレタンインク(例えば商品名セイコーアドバンスSG740)が挙げられる。
ところで、2液混合硬化型の塗料やインクは、混合してから硬化するまでの時間が短いことから、いわゆる生乾き状態での作業性が熱硬化型のものよりも困難であるが、熱硬化型のもののように、加熱のための装置を必ずしも別途必要としないので、プリント処理のためのイニシャルコストの点では安価となる。
下地層2の形成は、シルクスクリーン印刷、ドブ漬け塗装、吹き付け塗装、刷毛塗装などにより行なえる。
シルクスクリーンによる印刷の場合には、下地層2にも所望の模様などを簡単につけることが出来るが、プレート1の表面が曲面となっている場合や凹凸のある場合には、他の塗層乃至印刷方法で下地層2を形成するのが好ましい。
尚、実施形態では、下地層2を、熱硬化型のエポキシ樹脂系塗料の吹き付け塗装によりプレート1の上面にのみ形成している。
次にプレート1の表面に施した下地層2の乾き状態(硬化状態)をチェックして、下地層2が生乾き状態となった時点で、下地層2の表面に、インクジェット式プリンタにより所望の画像3を油性インクでもってプリントするプリント処理工程Bを施す。
尚、下地層2の硬化状態のチェックは、その表面を手の指で触れてチェックするいわゆる指診にて行なうのであって、具体的には、下地層2の表面を指で触った際に塗料が指に付着しない程度まで硬化した時点のいわゆる生乾き状態となった時に、その表面にプリント処理工程Bを施すのであって、下地層2の塗料やインクが生乾き前の流動状態でインクジェット式プリンタによるプリント処理工程Bが行われ場合には、インクジェット式プリンタから吹き付けられたインクが下地層2で揺れ動いて、画像3が崩れる不具合があり、一方、下地層2の塗料やインクが硬化してしまった段階では、インクジェット式プリンタから吹き付けられたインクの下地層2への浸み込みが困難となる。
このプリント処理工程で用いるインクジェット式プリンタは、インクヘッド、マゼンタ・イエロー・シアンなどの各種インクが充填されたインク容器、ポンプなどを備えた既存のものが用いられ、またインク容器に充填するインクは、アカツキ工業株式会社製の染料系の油性インク(例えば商品名CYAN U87、MAGENTA U82、YELLOW U99、BLACK U37など)が使用されている。
以上のプリント処理工程Bが終えたならば、プリント処理された画像2の油性インクの大部分が下地層2内に浸透するまで待った後、焼付け処理工程Cをプレート1に施す。
この焼付け処理工程Cは、下地層2を形成する塗料またはインクの種類により、その温度と時間が異なるものであるが、熱硬化型のエポキシ樹脂系塗料が使用された実施形態では、加熱室内において摂氏110度で約20分加熱処理を行なうのであって、この加熱処理により、画像3がプリントされた下地層2が完全に硬化する。
斯くして以上の処理を終えたプレート1の下地層2の表面をアルコールやシンナーで拭いた場合、その表面に一部残る油性インクは除去されるにしても、下地層2に浸透した大部分のインクは除去されることがなく下地層2に融合して一体化するので、これにより、画像3が下地層2の表面に明瞭に表れて不用意に剥げ落ちるようなことはなく、全体として、耐油性(アルコールテスト)、耐候性(ウエザーテスト)、密着性に優れた画像3が得られる。
尚、前述の焼付け処理工程Cは、下地層2を形成するのに用いる塗料またはインクとして2液混合型のものを用いた場合には必ずしも行なう必要がない。
以上の画像プリント方法では、インクジェット式プリンタにより画像がプリント処理されるので、多色刷りの画像を簡単且つ容易に表すことが出来、特に少ロットのプリント依頼に適している。
また以上の画像プリント方法によるプリント処理において、下地層2の艶を任意変更することで、下地層2の表面にプリントした画像3にもその艶が反映されるのであって、従って、下地層2として例えば艶消しタイプの塗料やインクを用いることで、この下地層2の表面に前記の手順でプリントされる画像3の艶も消えて、一種独特の雰囲気を醸し出す画像3とすることが出来る。
また下地層2の色も自由に変えることが出来るので、この下地層2の表面にプリントされる画像3から透けて見える下地層2の色の選択により、画像3の色が下地層2の色と溶け合って、画像3が元の色とは異なる一種独特の色調とすることが出来る。
ところで、プレートの表面に凹凸がある場合において、例えば図6、図7に示すように、表面に文字などを表す凹所11が形成されているプレート10にシルクスクリーン印刷により下地層2の形成する場合などにおいて、下地層2の形成が難しい凹所11内に対しては、例えば注射器などにより下地層2を構成するための塗料を注入するいわゆる色入れ処理を別途行なうのが好ましい。
1・10 プレート(素材)
2 下地層
3 画像
2 下地層
3 画像
Claims (3)
- 素材の表面に塗料またはインクにより下地層を形成する下地層形成処理工程と、下地層形成工程で形成された下地層が生乾き状態の時に、その下地層の表面に、インクジェットプリンタにより所定の画像を油性インクによりプリントするプリント処理工程とからなることを特徴とするインクジェット式プリンタによる画像プリント方法。
- プリント処理工程後に、素材の表面を所定温度の熱で焼き付けるための焼付け処理工程を行なうことを特徴とする請求項1に記載のインクジェット式プリンタによる画像プリント方法。
- 下地層形成処理工程で用いられる塗料またはインクが、熱硬化型の塗料またはインクであることを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェット式プリンタによる画像プリント方法。
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