JP2007296421A - 水素吸蔵材料、水素吸蔵体、水素貯蔵装置及び燃料電池車両 - Google Patents

水素吸蔵材料、水素吸蔵体、水素貯蔵装置及び燃料電池車両 Download PDF

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Abstract

【課題】 高い水素吸蔵能を有する水素吸蔵材料、水素吸蔵体、水素貯蔵装置及び燃料電池車両を提供する。
【解決手段】水素吸蔵材料1、11であって、互いに平行に積層された炭素を主体としかつホウ素又は窒素を含む六員環を含む分子の層L〜Li+2と、隣り合う分子の層L〜Li+2の原子網面から隣り合う分子の層間距離以下の長さ突出する突出部Pr1a〜Prとを有し、マリケンの有効電荷が0.004[eV]以上で、かつバンドギャップが1.5[eV]以下であることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

この発明は、水素吸蔵材料、水素吸蔵体、水素貯蔵装置及び燃料電池車両に関する。
燃料電池車両の実用化のために、低コスト、軽量で、かつ水素吸蔵密度の高い水素吸蔵材料を用いた効率的な水素吸蔵法の開発が望まれている。中でも、炭素系材料を用いた水素吸蔵法の研究が盛んに行われており、炭素系材料としては、活性炭、グラファイト層間化合物(GIC)、単層カーボンナノチューブ(SWNT)、多層カーボンナノチューブ(MWNT)、グラファイトナノファイバー(GNF)、フラーレン類等が知られている。これらの炭素系材料は、常温での吸蔵・放出特性、製造コスト、量産性や収率に課題を有しているため、その課題を克服すべく検討が進められている。
黒鉛を水素吸蔵材料として用いる場合には、黒鉛層の表面に水素が吸着されるよりも、黒鉛層にはさまれたスリット状空間又は黒鉛層を円筒状に丸めた空間内部の方が水素の吸着力が強くなるため、水素が高密度に充填されることが計算機を用いた解析により示されている(非特許文献1参照)。特に、スリット状空間の幅又は円筒状空間の直径が拡大されている場合には高い水素密度が得られると予想されているため、スリット状空間の幅を拡げる検討が行われている。そこで、スリット状空間を有する材料として、いわゆる膨張黒鉛を利用した材料の検討が行われており、膨張条件を制御することによって黒鉛層間を拡げる方法が提案されている(特許文献1、特許文献2参照)。また、不飽和炭化水素を重合させることにより、黒鉛層間を拡げる方法が提案されている(特許文献3参照)。
特開2002−53301号公報 特開2001−26414号公報 特開平11−70612号公報 Q. Wang and J.K. Johnson, J. Phys. Chem. B103, 277-281 (1999)
しかしながら、単に黒鉛層間を拡げる場合は、高圧水素下では拡げた黒鉛層間が圧縮されるため、高圧下での水素吸蔵能が低下する。この場合は、水素が吸着することができる表面積を増やすだけであり、十分な水素吸蔵能を得ることができない場合がある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、本発明に係る水素吸蔵材料は、互いに平行に積層された炭素を主体としかつホウ素又は窒素を含む六員環を含む分子の層と、隣り合う分子の層の原子網面から隣り合う分子の層間距離以下の長さ突出する突出部とを有し、マリケンの有効電荷が0.004[eV]以上で、かつバンドギャップが1.5[eV]以下であることを特徴とする。
本発明に係る水素吸蔵体は、本発明に係る水素吸蔵材料のうちの少なくともいずれか一つを含むことを特徴とする。
本発明に係る水素貯蔵装置は、本発明に係る水素吸蔵体を備えることを特徴とする。
本発明に係る燃料電池車両は、本発明に係る水素貯蔵装置を搭載することを特徴とする。
本発明によれば、高圧水素下であっても、水素吸蔵材料内部に高密度に水素を蓄積することが可能となる。この結果、水素吸蔵材料の単位質量あたりの水素吸蔵能及び水素吸蔵材料単位体積あたりの水素吸蔵能が向上する。
本発明によれば、水素吸蔵能の高い水素吸蔵体が得られる。
本発明によれば、水素貯蔵能の高い水素貯蔵装置が得られ、水素貯蔵装置の小型化及び軽量化が可能となり、車両設置時には、設置スペースの節減及び車両重量の軽減が可能となる。
本発明によれば、車両重量が低減するため燃費の改善が図れ、航続距離の延長が図れる。さらに、水素貯蔵装置の体積が低下するため、車室をより広く活用できる。
以下、本発明の実施の形態に係る水素吸蔵材料、水素吸蔵体、水素吸蔵装置及び水素燃料車両を詳細に説明する。
(水素吸蔵材料)
まず、本発明の実施の形態に係る水素吸蔵材料を説明する。
第一実施形態
図1に、本発明の第一実施形態に係る水素吸蔵材料1、及び第一実施形態の変形例に係る水素吸蔵材料11を模式的断面図で示す。水素吸蔵材料1は、複数の分子の層L〜Lと突出部Pr〜Prによって構成されている。各分子の層L〜Lは互いに平行に積層されており、例えば図2に示すように、それぞれが炭素原子を含む六員環を主体とし、かつホウ素又は窒素を含む複数の六員環が結合することにより構成されている。図2中X〜X及びY〜Yは原子の位置を示し、炭素原子、又は炭素原子を他の原子に置換した置換原子を示す。置換原子は窒素原子又はホウ素原子であり、分子の層はいずれか一方の元素のみを含んでいても良く、両方の元素を含んでいても良い。また、分子が炭素原子のみによって構成された六員環を含んでいても良い。図1において、d〜dは隣り合う分子の層の中心部間の距離(以下、層間距離とする。)を示す。
突出部Pr〜Prは、隣り合う分子の層の原子網面から隣り合う分子の層間距離以下の長さ突出して分子の層間を拡大し、水素を吸蔵可能な水素吸蔵空間(拡大部)R〜Rを画成する重合体である。例えば、図1(a)に示すように、第1の分子の層である分子の層Lの原子網面L1bから第2の分子の層である分子の層Lの原子網面L2aに向かって分子の層Lと分子の層Lとの層間距離d以下の長さを有する突出部Pr1aと、第2の分子の層である分子の層Lの原子網面L2aから第1の分子の層である分子の層Lの原子網面L1bに向かって分子の層Lと分子の層Lとの層間距離d以下の長さを有する突出部Pr1bによって水素を吸蔵可能な吸蔵空間領域Rを画成する分子の層L〜Lは互いに平行に積層されているため、水素吸蔵空間R〜Rは階層的に配設されている。
また、本発明の第一実施形態に係る水素吸蔵材料は、マリケンの有効電荷が0.004[eV]以上で、かつバンドギャップが1.5[eV]以下である。
本発明の第一実施形態に係る水素吸蔵材料は、このような構成及びマリケンの有効電荷が0.004[eV]以上で、かつバンドギャップが1.5[eV]以下であることにより、分子の層間に水素を構造的に吸着できる空間を確保しつつ、高圧水素下でもその空間を維持することが可能となり、かつ水素を強く吸着することが可能となる。このため、高密度に水素を蓄積することが可能となり、水素吸蔵材料の単位質量あたりの水素吸蔵能及び水素吸蔵材料単位体積あたりの水素吸蔵能が向上する。また、この水素吸蔵材料では、分子の層がホウ素又は窒素を含むことにより、分子の層間をより構造的に安定して保持し、かつ水素を強く吸着することが可能となる。このため、水素吸蔵空間を維持しつつ、水素吸蔵量を上げることができる。なお、マリケンの有効電荷及びバンドギャップが上記範囲にない場合には、水素の吸着力が弱いため、水素吸蔵量が低くなる。また、マリケンの有効電荷が0.005[eV]以上で、かつバンドギャップが0.6[eV]以下であることがより好ましい。この場合には、より強く水素を吸着することができる。
このような水素吸蔵空間は、隣り合う全ての分子の層間に形成されている必要はなく、例えば図1(b)に示す第一実施形態の変形例に係る水素吸蔵材料11のように、分子の層L11の原子網面L11bから分子の層Lの原子網面L12aに向かって分子の層L11と分子の層L1との層間距離d11以下の長さを有する突出部Pr11aと、分子の層L12の原子網面L12aから分子の層L11の原子網面L11bに向かって層間距離d11以下の長さを有する突出部Pr11bによって水素を吸蔵可能な吸蔵空間領域R11を画成する他に、隣り合う分子の層L12〜L間に突出部を有さず、隣り合う分子の層間に水素吸蔵空間が形成されない層があっても良い。
突出部Pr〜Prは、共有結合、イオン結合及び金属結合からなる群から選択される結合によって原子網面L1a〜Li+1aに結合されていることが好ましい。一般的に、黒鉛では黒鉛を構成する分子の層間は分子間力によって結合されている。分子間力は弱い結合であるため、単純に層間を拡大したままだと高圧水素下では分子の層間に水素が入る前に層間が容易に圧壊する。このため、高圧水素下では水素吸蔵能を保つことができない。また、分子の層間に炭素原子以外の異物を挿入することにより分子の層間を保持する場合には、加圧や加熱により分子の層間が不安定になり水素吸蔵能を保つことができない。本発明の第一実施形態では、隣り合う分子の層の原子網面から隣り合う分子の層間距離以下の長さ突出する突出部を有し、この突出部が、原子網面に共有結合、イオン結合及び金属結合からなる群から選択される結合によって結合されているため、突出部が分子の層間を保持する。このため、加圧や加熱によって分子の層間が圧壊せず、分子層間に形成した水素を吸蔵する吸蔵空間を維持することが可能となり、水素吸蔵能が向上する。
突出部は、できるだけ水素を貯蔵する空間を占有しない分子鎖であることが好ましい。この分子鎖は、有機単量体が連なって形成された重合体であることが好ましく、有機単量体は、エチレン、スチレン、イソプレン及び1,3-ブタジエンからなる群から選択される有機単量体であることが好ましい。このような構成とすることにより、分子の層間の距離を適切に保つことができ、分子の層間に水素吸着に有効な水素吸蔵空間を画成することが可能となる。このため、水素吸蔵材料の単位質量あたりの水素吸蔵能が向上する。
ある分子の層Lの上面及び下面に突出する単位面積あたりの分子鎖Prの本数が、分子の層0.01×10−20[m]に対して1[本]以下であることが好ましい。この場合には、分子の層間に吸着される水素の量が適当であり、水素吸蔵能が高い。分子鎖が、分子の層0.01×10−20[m]に対して1[本]より高くなると水素吸蔵能が減少する。なお、分子の層が炭素原子のみから構成される場合であっても、上記数値範囲に入る場合には高い水素吸蔵能が得られるが、分子の層が炭素を主体としかつホウ素又は窒素を含む六員環を含むことにより、より高い水素吸蔵能が得られる。また、分子鎖は、分子の層0.007×10−20[m]に対して1[本]以下であることがより好ましい。
分子の層間の距離は、0.7〜2.0[nm]であることが材料単位質量あたり及び単位体積あたりの水素吸着量の向上のために有効である。好ましくは、分子の層間の距離が0.8〜1.6[nm]であることが、材料単位質量あたり及び単位体積あたりの水素吸着量の向上のために有効である。さらに好ましくは、分子の層間の距離が0.8〜1.0[nm]であることが、材料単位質量あたり及び単位体積あたりの水素吸着量の向上に有効である。
上記した構成を採用したことにより、本発明の第一実施形態に係る水素吸蔵材料では、高圧水素下であっても、水素吸蔵吸蔵空間に高密度に水素を蓄積することが可能となるため、水素吸蔵材料の単位質量あたりの水素吸蔵能及び水素吸蔵材料単位体積あたりの水素吸蔵能が向上する。
第二実施形態
図3に、本発明の第二実施形態に係る水素吸蔵材料21、及び第二実施形態の変形例に係る水素吸蔵材料31を模式的断面図で示す。水素吸蔵材料21は、複数の分子の層L21〜L25と結合部P21〜P24によって構成されている。各分子の層L21〜L25は互いに平行に積層されており、図2に示すようにそれぞれが炭素を主体としかつホウ素又は窒素を含む六員環を主体とする。結合部P21〜P24は隣り合う分子の層の原子網面を互いに離散した位置で化学的に結合し、分子の層間に水素吸蔵空間R21〜R24を画成する。例えば、図3(a)に示すように、第1の分子の層である分子の層L21の原子網面L21bと第2の分子の層である分子の層L22の原子網面L22aとを分子の層L21と分子の層L22との層間距離d21と同じ長さを有する結合部P21により架橋結合して、分子の層L21と分子の層L22との間に水素を吸蔵する水素吸蔵空間R21を画成する。同様に、第2の分子の層である分子の層L22の原子網面L22bと第3の分子の層である分子の層L23の原子網面L23aとを結合部P22により架橋結合して、分子の層L22と分子の層L23との間に水素を吸蔵する水素吸蔵空間R22を画成する。分子の層L21〜L25は互いに平行に積層されているため、水素吸蔵空間R21〜R24は階層的に配設されている。また、本発明の第二実施形態に係る水素吸蔵材料は、マリケンの有効電荷が0.004[eV]以上で、かつバンドギャップが1.5[eV]以下である。
本発明の第二実施形態に係る水素吸蔵材料は、このような構成及びマリケンの有効電荷が0.004[eV]以上で、かつバンドギャップが1.5[eV]以下であることにより、分子の層間に水素を構造的に吸着できる空間を確保しつつ、高圧水素下でもその空間を維持することが可能となり、かつ水素を強く吸着することが可能となる。また、分子の層間が化学的に結合されているため、水分や加熱によって水素を吸蔵する吸蔵空間が破壊されることがない。このため、水素を吸蔵する吸蔵空間を維持することが可能となり、また、高密度に水素を蓄積することが可能となるため、水素吸蔵材料の単位質量あたりの水素吸蔵能及び水素吸蔵材料単位体積あたりの水素吸蔵能が向上する。また、この水素吸蔵材料では、分子の層がホウ素又は窒素を含むことにより、分子の層間をより構造的に安定して保持し、かつ水素を強く吸着することが可能となる。このため、水素吸蔵空間を維持しつつ、水素吸蔵量を上げることができる。なお、マリケンの有効電荷及びバンドギャップが上記範囲にない場合には、水素の吸着力が弱いため、水素吸蔵量が低くなる。また、マリケンの有効電荷が0.005[eV]以上で、かつバンドギャップが0.6[eV]以下であることがより好ましい。この場合には、より強く水素を吸着することができる。
このような水素吸蔵空間は、隣り合う全ての分子の層間に形成されている必要はなく、例えば図3(b)に示すように、第二実施形態の変形例に係る水素吸蔵材料31は、分子の層L31の原子網面L31bと分子の層L32の原子網面L32aとを結合部P31により架橋結合して、分子の層L31と分子の層L32との間に水素を吸蔵する水素吸蔵空間R31を画成する他に、隣り合う分子の層L32〜L間に結合部を有さず、隣り合う分子の層間に水素吸蔵空間が形成されない層があっても良い。
隣り合う分子の層の原子網面を互いに離散した位置で化学的に結合する結合は、共有結合、イオン結合及び金属結合からなる群から選択される結合であることが好ましい。一般的に、黒鉛では黒鉛を構成する分子の層間は分子間力によって結合されている。分子間力は弱い結合であるため、単純に層間を拡大したままだと高圧水素下では分子の層間に水素が入る前に層間が容易に圧壊する。このため、高圧水素下では水素吸蔵能を保つことができない。また、分子の層間に炭素原子以外の異物を挿入することにより分子の層間を保持する場合には、加圧や加熱により分子の層間が不安定になり水素吸蔵能を保つことができない。これに対し、分子間力とは別に、新たに共有結合、イオン結合及び金属結合からなる群から選択される結合によって分子の層間を結合した場合には、加圧や加熱によって分子の層間が圧壊せず、分子層間に形成した水素を吸蔵する吸蔵空間を維持することが可能となり、水素吸蔵能が向上する。
結合部は、できるだけ水素を貯蔵する空間を占有しない分子鎖であることが好ましい。この分子鎖は、有機単量体が連なって形成された重合体であることが好ましく、有機単量体は、エチレン、スチレン、イソプレン及び1,3-ブタジエンからなる群から選択される有機単量体であることが好ましい。このような構成とすることにより、分子の層間の距離を適切に保つことができ、分子の層間に水素吸着に有効な水素吸蔵空間を画成することが可能となる。このため、水素吸蔵材料の単位質量あたりの水素吸蔵能が向上する。
ある分子の層Lの上面及び下面に突出する単位面積あたりの結合部Pの本数が、分子の層0.01×10−20[m]に対して1[本]以下であることが好ましい。この場合には、分子の層間に吸着される水素の量が適当であり、水素吸蔵能が高い。結合部が、分子の層0.01×10−20[m]に対して1[本]より高くなると水素吸蔵能が減少する。なお、分子の層が炭素原子のみから構成される場合であっても、上記数値範囲に入る場合には高い水素吸蔵能が得られるが、分子の層が炭素を主体としかつホウ素又は窒素を含む六員環を含むことにより、より高い水素吸蔵能が得られる。また、結合部は、分子の層0.007×10−20[m]に対して1[本]以下であることがより好ましい。
分子の層間の距離は、0.7〜2.0[nm]であることが材料単位質量あたり及び単位体積あたりの水素吸着量の向上のために有効である。好ましくは、分子の層間の距離が0.8〜1.6[nm]であることが、材料単位質量あたり及び単位体積あたりの水素吸着量の向上のために有効である。さらに好ましくは、分子の層間の距離が0.8〜1.0[nm]であることが、材料単位質量あたり及び単位体積あたりの水素吸着量の向上に有効である。
上記した構成を採用したことにより、本発明の第二実施形態に係る水素吸蔵材料では、高圧水素下であっても、水素吸蔵吸蔵空間に高密度に水素を蓄積することが可能となるため、水素吸蔵材料の単位質量あたりの水素吸蔵能及び水素吸蔵材料単位体積あたりの水素吸蔵能が向上する。
第三実施形態
図4に、本発明の第三実施形態に係る水素吸蔵材料41、及び第三実施形態の変形例に係る水素吸蔵材料51を模式的断面図で示す。この水素吸蔵材料41は、複数の分子の層L41〜L45、突出部Pr41〜Pr44及び結合部P41〜P44によって構成されている。各分子の層L41〜L45は互いに平行に積層されており、図2に示すようにそれぞれが炭素を主体としかつホウ素又は窒素を含む六員環を主体とする。突出部Pr41〜Pr44は隣り合う分子の層の原子網面から隣り合う分子の層間距離以下の長さ突出した重合体である。結合部P41〜P44は隣り合う分子の層の原子網面を互いに離散した位置で化学的に結合し、突出部Pr41〜Pr44と結合部P41〜P44によって分子の層間に水素吸蔵空間R41〜R44を画成する。例えば、図4(a)に示すように、第2の分子の層である分子の層L42の原子網面L42aから第1の分子の層である分子の層L41の原子網面L41bに向かって分子の層L41と分子の層L42との層間距離d41以下の長さを有する突出部Pr41と、第1の分子の層である分子の層L41の原子網面L41bと第2の分子の層である分子の層L42の原子網面L42aとを分子の層L41と分子の層L42との層間距離d41と同じ長さを有する結合部P41により架橋結合して、分子の層L41と分子の層L42との間に水素を吸蔵する水素吸蔵空間R41を画成する。同様に、第5の分子の層である分子の層L45の原子網面L45aから第4の分子の層である分子の層L44の原子網面L44bに向かって分子の層L44と分子の層L45との層間距離d44以下の長さを有する突出部Pr44aと、第4の分子の層である分子の層L44の原子網面L44bから第5の分子の層である分子の層L45の原子網面L45aに向かって分子の層L44と分子の層L45との層間距離d44以下の長さを有する突出部Pr44bと、第4の分子の層である分子の層L44の原子網面L44bと第5の分子の層である分子の層L45の原子網面L45aとを分子の層L44と分子の層L45との層間距離d44と同じ長さを有する結合部P44により架橋結合して、分子の層L44と分子の層L45との間に水素を吸蔵する水素吸蔵空間R44を画成する。分子の層L41〜L44は互いに平行に積層されているため、水素吸蔵空間R41〜R44は階層的に配設されている。本発明の第三実施形態に係る水素吸蔵材料は、マリケンの有効電荷が0.004[eV]以上で、かつバンドギャップが1.5[eV]以下である。
本発明の第三実施形態に係る水素吸蔵材料は、このような構成及びマリケンの有効電荷が0.004[eV]以上で、かつバンドギャップが1.5[eV]以下であることにより、分子の層間に水素を構造的に吸着できる空間を確保しつつ、高圧水素下でもその空間を維持することが可能となり、かつ水素を強く吸着することが可能となる。また、分子の層間が化学的に結合されているため、水分や加熱によって水素を吸蔵する吸蔵空間が破壊されることがない。このため、水素を吸蔵する吸蔵空間を維持することが可能となり、また、高密度に水素を蓄積することが可能となるため、水素吸蔵材料の単位質量あたりの水素吸蔵能及び水素吸蔵材料単位体積あたりの水素吸蔵能が向上する。また、この水素吸蔵材料では、分子の層がホウ素又は窒素を含むことにより、分子の層間をより構造的に安定して保持し、かつ水素を強く吸着することが可能となる。このため、水素吸蔵空間を維持しつつ、水素吸蔵量を上げることができる。なお、マリケンの有効電荷及びバンドギャップが上記範囲にない場合には、水素の吸着力が弱いため、水素吸蔵量が低くなる。また、マリケンの有効電荷が0.005[eV]以上で、かつバンドギャップが0.6[eV]以下であることがより好ましい。この場合には、より強く水素を吸着することができる。
このような水素吸蔵空間は、隣り合う全ての分子の層間に形成されている必要はなく、例えば図4(b)に示すように、第三実施形態の変形例に係る水素吸蔵材料51のように、水素吸蔵材料51は、分子の層L51の原子網面L15bから分子の層L52の原子網面L152aに向かって分子の層L51と分子の層L52との層間距離d51以下の長さを有する突出部Pr51と、分子の層L51の原子網面L51bと分子の層L52の原子網面L52aとを結合部P51により架橋結合して、分子の層L51と分子の層L52との間に水素を吸蔵する水素吸蔵空間R51を画成する他に、隣り合う分子の層L52〜L間に突出部及び結合部を有さず、隣り合う分子の層間に水素吸蔵空間が形成されない層があっても良い。
突出部は、原子網面に共有結合、イオン結合及び金属結合からなる群から選択される結合によって結合されていることが好ましい。また、隣り合う分子の層の原子網面を互いに離散した位置で化学的に結合する結合は、共有結合、イオン結合及び金属結合からなる群から選択される何れかであることが好ましい。この水素吸蔵材料では、炭素原子が置換された置換原子を有することが好ましい。より好ましくは、六員環を形成する炭素原子のうちのいくつかが窒素原子及びホウ素原子により置換されていることが好ましい。また、六員環が炭素原子のみによって構成された分子の層を含んでいても良い。
突出部及び結合部は、できるだけ水素を貯蔵する空間を占有しない分子鎖であることが好ましい。この分子鎖は、有機単量体が連なって形成された重合体であることが好ましく、有機単量体は、エチレン、スチレン、イソプレン及び1,3-ブタジエンからなる群から選択される有機単量体であることが好ましい。
ある分子の層Lの上面及び下面に突出する単位面積あたりの突出部Pr及び結合部Pの本数が、分子の層0.01×10−20[m]に対して1[本]以下であることが好ましい。この場合には、分子の層間に吸着される水素の量が適当であり、水素吸蔵能が高い。突出部及び結合部が、分子の層0.01×10−20[m]に対して1[本]より高くなると水素吸蔵能が減少する。なお、分子の層が炭素原子のみから構成される場合であっても、上記数値範囲に入る場合には高い水素吸蔵能が得られるが、分子の層が炭素を主体としかつホウ素又は窒素を含む六員環を含むことにより、より高い水素吸蔵能が得られる。また、突出部及び結合部は、分子の層0.007×10−20[m]に対して1[本]以下であることがより好ましい。
分子の層間の距離は、0.7〜2.0[nm]であることが材料単位質量あたり及び単位体積あたりの水素吸着量の向上のために有効である。好ましくは、分子の層間の距離が0.8〜1.6[nm]であることが、材料単位質量あたり及び単位体積あたりの水素吸着量の向上のために有効である。さらに好ましくは、分子の層間の距離が0.8〜1.0[nm]であることが、材料単位質量あたり及び単位体積あたりの水素吸着量の向上に有効である。
上記した構成を採用したことにより、本発明の第三実施形態に係る水素吸蔵材料では、高圧水素下であっても、水素吸蔵吸蔵空間に高密度に水素を蓄積することが可能となるため、水素吸蔵材料の単位質量あたりの水素吸蔵能及び水素吸蔵材料単位体積あたりの水素吸蔵能が向上する。
(水素吸蔵体及び水素貯蔵装置)
図5は、本発明の実施の形態に係る車載用の水素吸蔵体61及び水素貯蔵装置60を示している。この水素貯蔵装置60は、上記した水素吸蔵材料を加圧成型により固形化又は薄膜化して形成した水素吸蔵体61を、水素流出口62を設けた耐圧容器63の内部に封入した構成である。このような水素貯蔵装置60は、車両に搭載して燃料電池システムあるいは水素エンジンシステムに組み込んで用いることができる。容器の形状は単純な閉空間を有する形状のほかに、内部にリブや柱を設けたものであっても良い。また、容器の素材は、アルミニウム、ステンレス及びカーボン構造材料等、水素の吸蔵放出に耐えうる強度と化学的安定性を有する素材の中から選び出すことが好ましい。更に、容器内部に熱交換装置を配置することにより、水素の吸蔵放出の速度・効率に寄与することが可能となる。このような構成にすることで、水素貯蔵能の高い水素貯蔵装置を実現することが可能となる。また、水素貯蔵装置を小型化及び軽量化が可能となり、水素貯蔵装置を車両設置した場合には、設置スペースの節減及び車両重量の軽減が可能となる。なお、この水素吸蔵体の加圧成型は、耐圧タンク内に水素吸蔵体を充填する前に行っても良く、充填しながら同時に行っても良い。
(燃料電池車両)
図6は、本発明の実施の形態に係る水素貯蔵装置60を搭載する水素燃料車両を示しており、図5に示すような水素貯蔵装置60を水素燃料車両70に設置搭載したものである。このとき、車両に設置搭載する水素貯蔵装置60は一つ又は二つ以上に分割しても良く、複数の水素貯蔵装置の形状はそれぞれ異なったものでも良い。また、エンジンルームやトランクルーム内部、あるいはシート下のフロア部等の車室内部の他に、ルーフ上部等の車室外に水素貯蔵装置60を設置することも可能である。このような車両は、車両重量が低減するため燃費の改善が図れ、航続距離の延長が図れる。また、水素貯蔵装置の体積が低下するため、車室をより広く活用できる。
以下、本発明の実施の形態に係る水素吸蔵材料の実施例1、実施例2及び比較例1について説明する。
<水素吸着力の算出>
水素吸蔵材料に水素が吸着する際の吸着力を算出するために、計算機によるコンピュータシミュレーションを行なった。計算は、密度汎関数(DFT)法により実施した。図7に示すように、炭素原子と炭素原子と置換された置換原子とを含む炭素六員環の集合に対し、水素を近づけた際のエネルギ変化を算出し、水素吸着力の見積りを行った。置換原子は、実施例1ではホウ素、実施例2では窒素、比較例1ではケイ素とした。計算に用いたモデルは、炭素原子と置換原子とを含む炭素六員環からなる層が積層した物を用いた。その際の層間距離は0.7[nm]とした。置換原子の位置は、図7の四角印で示すように、一つの六員環には必ず一つの置換原子が含まれる構成、つまり、三つの六員環で構成される12変形の二分割線の交点又は回転対称軸の交わる位置に置換原子が位置する構成とした。この場合、図7の丸印で示す位置に水素分子が吸着されると仮定した。ここでは、置換原子を含まない炭素六員環のみから構成される材料の水素吸着力を「1」とし、この材料の水素吸着力と各実施例の水素吸着力とを比較した。また、水素吸着力の変化を表すために、密度汎関数法から得られた吸着力を炭素−水素間のe値として用いた。
<水素吸蔵能の算出>
水素吸蔵能の算出には、熱力学的平衡状態に対する分子シミュレーションである、モンテカルロ計算法を用いて行った。モンテカルロ法は、分子あるいは原子の配置を確率的に計算していく確率論的な方法である。水素吸蔵能の予測には、系の粒子数、体積及び温度が規定された統計集団である大正準集団を用いたモンテカルロ計算、すなわちグランドカノニカルモンテカルロ計算法を用いて行った。
モンテカルロ計算には各原子間の相互作用が必要となり、ここでは二つの分子間の相互作用、すなわち2体間ポテンシャルを定義する。2体間ポテンシャルとしては、次の式(1)に示す最も典型的なレナード・ジョーンズ(Lennard-Jones)12−6ポテンシャルを用いる。
u(r)=4e((σ/r)12−(σ/r)) ・・・ 式(1)
ここで、u(r)は原子間ポテンシャルを表し、e及びσは原子対に固有の定数でそれぞれポテンシャル曲線の井戸の深さとポテンシャルエネルギーがゼロになる分子間距離(実質的な原子直径)に相当する。ここでは、e及びσの値に最も典型的な分子場であるユニバーサルフォースフィールド(Universal Force Field)を用いた。なお、水素吸蔵能の計算は、298[K]、水素圧10[MPa]で行った。
<バンドギャップの算出>
密度汎関数法計算により算出される価電子帯と伝導帯との間のエネルギー差をバンドギャップとした。
<マリケンの有効電荷の算出>
マリケンの電子密度解析法を適用し、全原子軌道に割り当てられる有効電荷の和、すなわちマリケンの有効電荷(マリケン電荷とも呼ぶ)の見積りを行った。
実施例1、実施例2及び比較例1の置換原子、水素吸着力、水素吸蔵能、バンドギャップ及びマリケンの有効電荷を表1に示す。また、図8にバンドギャップとマリケン電荷との関係を示す。
Figure 2007296421
実施例1では、炭素原子をホウ素原子に置換することにより、バンドギャップは0.352[eV]、マリケン電荷が0.005[eV]となり、水素吸着力が4.18[倍]、水素吸蔵能が1.20[wt%]と増加した。実施例2では、炭素原子を窒素原子に置換することにより、バンドギャップは0.556[eV]、マリケン電荷が0.005[eV]となり、水素吸着力が4.31[倍]、水素吸蔵能が1.31[wt%]と増加した。これに対し、比較例1では、炭素原子をケイ素原子に置換することにより、バンドギャップは1.858[eV]、マリケン電荷が0.007[eV]となり、水素吸着力が0.82[倍]、水素吸蔵能が0.48[wt%]と低下した。図8に示すように、実施例1及び実施例2におけるバンドギャップとマリケン電荷は、バンドギャップが1.5[eV]である直線x2とマリケン電荷が0.004[eV]である直線y1で囲まれた領域Z4、Z5、Z7及びZ8内に含まれ、更には、バンドギャップが0.6[eV]である直線x1とマリケン電荷が0.005[eV]である直線y2で囲まれた領域Z8内に含まれる。このため、実施例1及び実施例2では、水素吸着力及び水素吸蔵能は共に高い値を示した。比較例1におけるバンドギャップとマリケン電荷は、バンドギャップが1.5[eV]である直線x2とマリケン電荷が0.005[eV]である直線y2で囲まれた領域Z6内に含まれる。Z6では、マリケン電荷は0.005[eV]以上の値を示すものの、バンドギャップは1.5[eV]を越える値であるため、比較例1では水素吸着力及び水素吸蔵能は共に低い値を示した。
以上の結果より、本発明の請求の範囲外にある試料に較べて、マリケンの有効電荷が0.004[eV]以上で、かつバンドギャップが1.5[eV]以下である実施例1及び実施例2では、水素吸着力が増加するため、高圧水素下であっても、水素吸蔵材料内部に高密度に水素を蓄積することが可能となり、この結果、水素吸蔵材料の水素吸蔵能が向上することが示唆された。
以上、本実施の形態の形態について説明したが、上記の実施の形態の開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解するべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
(a)本発明の第一実施形態に係る水素吸蔵材料を示す模式的断面図である。(b)本発明の第一実施形態の変形例に係る水素吸蔵材料を示す模式的断面図である。 分子の層を説明する模式図である。 (a)本発明の第二実施形態に係る水素吸蔵材料を示す模式的断面図である。(b)本発明の第二実施形態の変形例に係る水素吸蔵材料を示す模式的断面図である。 (a)本発明の第三実施形態に係る水素吸蔵材料を示す模式的断面図である。(b)本発明の第三実施形態の変形例に係る水素吸蔵材料を示す模式的断面図である。 本発明の実施の形態に係る水素貯蔵装置の実施の形態を示す断面図である。 本発明の実施の形態に係る燃料電池車両の実施の形態を示す側面図である。 炭素六員環により構成される分子の層を示す模式図である。 バンドギャップとマリケン電荷との関係を示すグラフである。
符号の説明
1、11、21、31、41、51 水素吸蔵材料
〜Li+2 分子の層
Pr1a〜Pr突出部
〜di+2 層間距離
21〜P 結合部
〜R 水素吸蔵空間
60 水素貯蔵装置
61 水素吸蔵体
62 水素流出口
63 耐圧容器
70 水素燃料車両

Claims (15)

  1. 互いに平行に積層された炭素を主体としかつホウ素又は窒素を含む六員環を含む分子の層と、
    隣り合う分子の層の原子網面から前記隣り合う分子の層間距離以下の長さ突出する突出部とを有し、
    マリケンの有効電荷が0.004[eV]以上で、かつバンドギャップが1.5[eV]以下であることを特徴とする水素吸蔵材料。
  2. 前記マリケンの有効電荷が0.005[eV]以上で、かつ前記バンドギャップが0.6[eV]以下であることを特徴とする請求項1に記載の水素吸蔵材料。
  3. 前記ホウ素又は窒素は、前記炭素に対して1[wt%]以上の割合で含まれていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の水素吸蔵材料。
  4. 前記突出部は、共有結合、イオン結合及び金属結合からなる群から選択される結合によって前記原子網面に結合されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の水素吸蔵材料。
  5. 前記突出部は、前記隣り合う分子の層の原子網面を離散位置で化学的に結合する結合部であることを特徴とする請求項4に記載の水素吸蔵材料。
  6. 前記突出部は、分子鎖であることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の水素吸蔵材料。
  7. 前記分子鎖は、有機単量体からなることを特徴とする請求項6に記載の水素吸蔵材料。
  8. 前記分子鎖は、前記分子の層0.01×10−20[m]に対して1[本]以下であることを特徴とする請求項7に記載の水素吸蔵材料。
  9. 前記分子鎖は、前記分子の層0.007×10−20[m]に対して1[本]以下であることを特徴とする請求項8に記載の水素吸蔵材料。
  10. 前記有機単量体は、エチレン、スチレン、イソプレン及び1,3-ブタジエンからなる群から選択される有機単量体であることを特徴とする請求項7乃至請求項9のいずれか一項に記載の水素吸蔵材料。
  11. 前記隣り合う分子の層間距離は、0.7〜2.0[nm]であることを特徴とする請求項1乃至請求項10のいずれ一項に記載の水素吸蔵材料。
  12. 請求項1乃至請求項11のいずれか一項に係る水素吸蔵材料のうちの少なくともいずれか一つを含むことを特徴とする水素吸蔵体。
  13. 請求項12に係る水素吸蔵体を備えることを特徴とする水素貯蔵装置。
  14. 前記水素吸蔵体を、耐圧タンク中に封入したことを特徴とする請求項13に記載の水素貯蔵装置。
  15. 請求項14に係る水素貯蔵装置を搭載することを特徴とする燃料電池車両。
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