JP2004268022A - 水素吸蔵材料、水素吸蔵材料の製造方法、水素貯蔵タンク、水素貯蔵システム、及び燃料電池自動車 - Google Patents

水素吸蔵材料、水素吸蔵材料の製造方法、水素貯蔵タンク、水素貯蔵システム、及び燃料電池自動車 Download PDF

Info

Publication number
JP2004268022A
JP2004268022A JP2004019767A JP2004019767A JP2004268022A JP 2004268022 A JP2004268022 A JP 2004268022A JP 2004019767 A JP2004019767 A JP 2004019767A JP 2004019767 A JP2004019767 A JP 2004019767A JP 2004268022 A JP2004268022 A JP 2004268022A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hydrogen storage
storage material
hydrogen
planar molecular
planar
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Abandoned
Application number
JP2004019767A
Other languages
English (en)
Inventor
Tome Ogawa
止 小川
Junji Katamura
淳二 片村
Hitoshi Ito
仁 伊藤
Masaharu Hatano
正治 秦野
Mikio Kawai
幹夫 川合
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP2004019767A priority Critical patent/JP2004268022A/ja
Publication of JP2004268022A publication Critical patent/JP2004268022A/ja
Abandoned legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

Abstract

【課題】 十分な水素吸蔵能を有する水素吸蔵材料を提供する。
【解決手段】 グラファイトのグラフェンでなる平面状分子層1同士の間に、粒子2としてカリウム、ルビジウム、セシウムなどのアルカリ金属原子が挿入されている。このような粒子2が平面状分子層1同士の間に挿入されていることにより、粒子2を挟む平面状分子層1同士の層間距離は、0.8〜1.2nmに設定されている。
【選択図】 図1

Description

この発明は、水素吸蔵材料、水素貯蔵タンク、水素貯蔵システム、燃料電池自動車、及び水素吸蔵材料の製造方法に関する。
近年、深刻化する地球環境問題を解決するために、クリーンなエネルギー源として水素が着目されており、水素の製造、貯蔵、利用技術の開発が活発に進められている。水素吸蔵材料を用いた水素貯蔵システムの現状においては、水素吸蔵合金が最も実用化に近いレベルにあると考えられるが、最も良く知られているLaNi5系の水素吸蔵合金では水素吸蔵割合が1.4重量%、最近注目されているバナジウム系の水素吸蔵合金でも2.4重量%(いずれも常温、水素圧力1MPa下において)であり、水素吸蔵能はまだ実用のレベルに達していないと考えられる。また、炭素を基材とする、いわゆる炭素系材料としては、グラファイト、活性炭、カーボンナノチューブ等が知られている。グラファイトは、ほとんど水素吸蔵能を示さず、活性炭ではその水素吸蔵割合が1重量%未満であり、カーボンナノチューブでも3重量%程度以下であると考えられている。
例えば、水素吸蔵材料を備えた水素貯蔵タンクの燃料電池自動車用途を考慮すると、1回の水素充填で目標とされる500kmの航続距離達成のためには5kg程度の水素吸蔵量が必要とされるため、前述の水素吸蔵材料はいずれもこの要件を満たしていない。この原因のひとつには、前述の各水素吸蔵材料の分子構造が水素を吸蔵しやすい形になっていないことが考えられる。例えばグラファイトにおける平面状分子すなわちグラフェンの層間距離は約0.34nmであり、このままでは水素を吸蔵しない。そこで水素吸蔵のためには、より大きい層間距離を持つ構造が必要であると考えられる。そこで、平面状構造の層間にガスを吸蔵する構造としては、平面状の小さい分子を混合して製造された構造が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2000−24495号公報、第1頁、図1及び図6
しかしながら、上述した平面状の小さい分子を混合して製造された構造では、最も水素を吸蔵する力が強いと考えられる平行な層構造が、分子の大きさに限定されてしまい、高い水素吸蔵能は実現されにくい。また、上記特許文献1における図6に示された、グラファイトのような平面的な形状の分子と球状分子とを交互に積層して構造を作っていく方法の場合、1層ずつの積層を実行しなくてはならず、製造プロセスとして現実的でない。また、グラファイト自体の積層構造の層間は利用されないままなので、体積・重量の割に吸蔵量が小さい。さらに、球状分子がフラーレンの場合、フラーレンは平板状の形状の炭素より水素化しやすいため、水素吸蔵時にフラーレンが水素化してしまい、再度取り出せる水素量が減少するうえ水素を吸蔵できる空間が減少するという問題があった。
本発明は、上述のような従来技術の問題点に鑑みなされたものであり、十分な水素吸蔵能を有する水素吸蔵材料、水素貯蔵タンク、水素貯蔵システム、燃料電池自動車、及び水素吸蔵材料の製造方法を提供することを目的とするものである。
そこで、本発明の第1の特徴は、積層された複数の平面状分子層と、これら分子層同士の間に挿入され、平面状分子層同士の層間距離を規定する粒子と、を備えることを要旨とする。
なお、平面状分子層同士の間に挿入された粒子は、原子及び分子のうち少なくとも一方であり、平面状分子層と化学的に結合していることが好ましい。また、平面状分子層は、主に炭素から構成され、平面状分子層同士の層間距離が、0.8〜1.2nmであることが好ましい。特に、この層間距離を実現すると共に化学的に適した特性を有する粒子としては、カリウム、ルビジウム、セシウムなどのアルカリ金属原子であることが好ましい。
この第1の特徴に係る発明においては、平面状分子層は、分子中に金属元素を含むことが好ましく、この場合の平面状分子層同士の層間距離は、0.8〜1.6nmであることが好ましい。特に、この層間距離を実現するために、平面状分子層の分子中に、スカンジウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ガリウム、アルミニウム、カリウム、ルビジウム、セシウムなどの金属元素を含むことが好ましい。
また、本発明の第2の特徴は、水素吸蔵材料の製造方法であって、真空室内に、平面状分子層材料とアルカリ金属材料とを異なる位置に配置して封入する工程と、この平面状分子層材料と金属材料とを個別に温度制御して、平面状分子層材料の平面状分子層同士の間に上記金属材料を構成する金属原子を挿入反応させる工程と、を備えることを要旨とする。
さらに、本発明の第3の特徴は、水素貯蔵タンクであって、上述の第1の特徴に係る水素吸蔵材料を内部に配置したことを要旨とする。
また、本発明の第4の特徴は、水素貯蔵システムであって、上述の第3の特徴に係る水素貯蔵タンクを備えることを要旨とする。
さらに、本発明の第5の特徴は、燃料電池自動車であって、上述の第4の特徴に係る水素貯蔵システムを用いたことを要旨とする。
本発明の第1の特徴に係る発明によれば、水素吸蔵空間が十分に確保でき、自動車用水素吸蔵材料として用いることのできる、安定性の高い水素吸蔵材料を実現することができる。
第2の特徴に係る発明によれば、単位体積当たりもしくは単位重量当たりの水素吸蔵能が大きく、安定性の高い水素吸蔵材料を簡単且つ確実に製造することが可能になる。
第3の特徴に係る発明によれば、軽量で水素貯蔵量の大きい水素貯蔵タンクを実現することが可能となる。
第4の特徴に係る発明によれば、水素貯蔵量の大きい水素吸蔵システムを実現することが可能となる。
第5の特徴に係る発明によれば、長距離の走行に要する水素量を貯蔵できる燃料電池自動車を実現することが可能となる。
以下、本発明に係る水素吸蔵材料、水素吸蔵材料の製造方法、水素貯蔵タンク、水素貯蔵システム、及び燃料電池自動車の詳細を図面に示す実施の形態に基づいて説明する。
〈水素吸蔵材料〉
本発明に係る水素吸蔵材料は、図1に示す模式図のように、積層された複数の平面状分子層1と、これら分子層1同士の間に挿入され、平面状分子層1同士の層間距離を規定する粒子2とを備えた構造を有している。粒子2は、平面状分子層1同士の間に挿入された状態で化学的に結合している。
平面状分子層1は、例えば、グラファイトの分子であるグラフェンなどの、主に炭素から構成されている。なお、平面状分子層1は、分子中に金属元素を含むものであってもよく、この場合には平面状分子層1の炭素の一部を金属元素に置換した構成となる。この金属元素としては、スカンジウム(Sc)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、マンガン(Mo)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、ガリウム(Ga)、アルミニウム(Al)、カリウム(K)、ルビジウム(Rb)、セシウム(Cs)などが選ばれる。このように、平面状分子層1の分子中に金属元素を含む場合、平面状分子層1同士の層間距離は、0.8〜1.6nmに設定される。
粒子2としては、アルカリ金属原子から選ばれ、例えばカリウム、ルビジウム、セシウムなどでなる。このような粒子2が平面状分子層1同士の間に挿入されていることにより、粒子2を挟む平面状分子層1同士の層間距離は、0.8〜1.2nmに設定されている。
〈水素吸蔵材料の製造方法〉
(実施例1)
本実施例では、グラファイトの平面状分子であるグラフェン同士の層間にアルカリ金属原子を挿入する方法としては、蒸気反応法を用いる。この方法は以下の(1)〜(3)の手順で行う。
(1)アルカリ金属と、平面状分子層材料としてのグラファイトと、を真空室としてのガラス管内の異なる場所にそれぞれ配置して真空化で封入する。
(2)アルカリ金属とグラファイトとの温度をそれぞれ制御することにより、グラファイト中へアルカリ金属の挿入反応を進める。アルカリ金属として、カリウムを用いた場合、グラファイトの温度を500℃以上、カリウムとグラファイトの温度を150℃以上にすることにより挿入反応が起こり、カリウム層間化合物である水素吸蔵材料が生成される。
(3)このようにして生成された水素吸蔵材料を、5〜10MPa程度の圧力の水素ガス中におくことにより、水素を吸蔵させることができる。
なお、この水素吸蔵材料の層間距離の測定方法は主にXRD、もしくはTEMが用いられる。XRDにより上記のアルカリ金属元素を層間に挿入したグラファイトの層間距離を測定したところ、約0.85nmであった。
また、アルカリ金属としてセシウム(Cs)で同等の層間化合物を生成したところ、層間距離は約0.81nmであった。なおアルカリ金属以外の元素や化合物等の挿入も可能である。
次に、水素吸蔵量の計算結果を示す。本計算はモンテカルロ法と呼ばれる計算手法に基づいている。これは分子の配置をある確率法則の下に乱数を用いて作成していく確率論的手法であり、熱力学的平衡状態にある系のシミュレーションによく用いられる。ここでは、炭素原子、すなわち、炭素の2次元六員環ネット(グラフェン)と水素分子の間の分子間力(ポテンシャル)を、実験結果に合わせて2.9kJ/molとして計算した。
図2は、グラファイトの層間距離を変えたときの水素吸蔵量(重量%)の変化を示したグラフであり、20℃、10MPaでの結果である。図2中、矢印Aで示す部分は、グラファイトの層間距離に相当する計算結果であり、全く水素を吸蔵していないことがわかる。また、図2中、矢印Bで示す楕円で囲まれた部分は、本実施例1に相当する構造についての計算結果であり、層間距離を拡大していくと0.8nmから吸蔵能を示すことがわかる。重量%で示した水素吸蔵能は、層間距離が増加するにしたがってその後もさらに6重量%程度まで増加するが、単位体積当たりの吸蔵量は図3に示すように減少していく。炭素系の水素吸蔵材料においては、もともとの吸蔵材料の比重が小さいため、特に自動車のように限られた空間に構成要素を配置しなければならないような場合においては、吸蔵性能の評価項目として体積あたり吸蔵量も重要である。これらを勘案すると、最適な層間距離は、本実施例の場合0.8〜1.2nmとなる。
(実施例2)
グラファイト内のグラフェン中の炭素の一部を異元素、特に金属元素に置換した場合にはグラフェン内の電子数が変化するため、水素の吸着力は強くなる。実施例2は、上記実施例1の構成に加えてグラフェン中にカリウムを挿入し、更にグラフェン中の炭素の一部を金属元素に置換して水素とグラフェンの間のポテンシャルを5.8kJ/molと、上記実施例1の約1.7倍に高めた構成とした。本実施例による水素吸蔵量の計算結果を図4および図5に示す。図4は、水素吸蔵量を重量%で表したグラフであり、層間距離0.8nm以上で水素を吸蔵することがわかった。また、層間距離が1.6nm以上になると体積あたり吸蔵量が減少することから、本実施例2の場合、最適な層間距離は、図4および図5において矢印Cで示すように0.8〜1.6nm、より好ましくは1.0〜1.4nmとなる。
(比較例)
図2〜図5において矢印Aに示す部分が通常のグラファイトに対して水素吸蔵量を計算した結果であり、まったく水素を吸着しないことがわかる。
以上、実施例1、実施例2、および比較例について説明したが、積層された複数の平面状分子層を構成するグラファイトと、このグラファイトの平面上分子層であるグラフェン同士の間に挿入され、平面状分子層同士の層間距離を規定する粒子としてアルカリ金属とを備えることにより、水素吸蔵空間が十分に確保でき、自動車用水素吸蔵材料として用いることのできる、安定性の高い水素吸蔵材料を実現することができる。
特に、挿入粒子は、平面状分子層(上記実施例1および実施例2ではグラフェン)と化学的に結合していることが好ましい。また、平面状分子層は、主に炭素から構成されていることが好ましい。
また、図2〜図3から判るように、平面状分子層同士の層間距離は、0.8〜1.2nmであることが好ましい。またさらに、図4、図5からわかるように、平面状分子層の炭素の一部を金属元素に置換した場合の層間距離は、0.8〜1.6nmであることが好ましい。
さらに、挿入粒子として用いられるアルカリ金属原子は、カリウム、ルビジウム、セシウムのうちの少なくともいずれかであることが好ましい。ただし、大気圧(約0.1MPa)と高圧、たとえば、10MPaの圧力差における水素吸蔵量の差はカリウムがもっとも大きく、実用上の観点からは、これらの中ではカリウムがもっとも好ましい。
そして、上記した実施例2では、グラフェン中の炭素の一部を金属元素に置換して、水素とグラフェンの間のポテンシャルを5.8kJ/molと、上記実施例1の約1.7倍に高めた構成としたが、その金属元素としては、少なくともスカンジウム(Sc)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、マンガン(Mo)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、ガリウム(Ga)、アルミニウム(Al)、カリウム(K)、ルビジウム(Rb)、セシウム(Cs)のいずれかであることが好ましい。
水素吸蔵材料の製造方法としては、ガラス管のような真空室内に、平面状分子層材料とアルカリ金属材料とを異なる位置に配置して封入する工程と、この平面状分子層材料と挿入粒子となる金属材料とを個別に温度制御して、平面状分子層材料の平面状分子層同士の間に、金属材料を構成する金属原子を挿入反応させる工程と、を備えることにより、単位体積当たりもしくは単位重量当たりの水素吸蔵能が大きく、安定性の高い水素吸蔵材料を簡単且つ確実に製造することが可能になる。
〈水素貯蔵タンク〉
次に、本発明に係る水素吸蔵材料を内部に配置した水素貯蔵タンクの実施の形態を図6に基づいて説明する。なお、図6は本実施の形態に係る水素貯蔵タンクの断面図である。
本実施の形態に係る水素貯蔵タンク10は、例えば10MPa以上の内圧に耐え得る強度を有する金属製のタンク本体11内に、上記した実施例1もしくは実施例2で製造した水素吸蔵材料12が充填されている。タンク本体11は、水素を導入・導出する出入口13が設けられており、この出入口13には、タンクバルブ14が設けられている。
なお、本実施の形態では、タンク本体11内に配置する水素吸蔵材料12を単に充填する他に、適宜、固形化あるいは薄膜化して形成したものを用いてもよい。また必要に応じて、水素吸蔵材料12がタンク外に漏出しないためのフィルタ14Aを設けてもよい。このような水素貯蔵タンク10は、自動車に搭載して燃料電池システムあるいは水素エンジンシステムに組み込んで用いることができる。
〈水素貯蔵システム〉
次に、上記した水素貯蔵タンク10を用いた水素貯蔵システム20の構成を図7を用いて説明する。
図7に示すように、水素貯蔵システム20は、水素貯蔵タンク10のタンク本体11の周囲に沿って、水素貯蔵タンク10の温度を所定温度に制御する温度調整装置15が設けられている。また、水素貯蔵タンク10の出入口13には、圧力調整装置16が接続されている。さらに、この圧力調整装置16には、水素吸入口17と水素排出口18とが連通するように配管19A、19Bを介してそれぞれ接続されている。このような水素貯蔵システム20では、水素吸入口17から圧力調整装置16とタンクバルブ14とを介してタンク本体11内の水素吸蔵材料12に水素を貯蔵する。また、タンク本体11内に貯蔵された水素を取り出す場合は、タンクバルブ14、圧力調整装置16を介して配管19Bを通って水素排出口18へ水素を導くように制御されるようになっている。
〈燃料電池自動車〉
図8は、上記した水素貯蔵システム20を備えた燃料電池自動車30の概略説明図である。この燃料電池自動車30は、車体31の前部内に配置された水素貯蔵システム20と、車体31の後部に配置された燃料電池スタック21と、これら水素貯蔵システム20と燃料電池スタック21とを接続する水素伝達管22とを備えている。
本実施の形態に係る燃料電池自動車30では、水素貯蔵タンク10に充填された水素吸蔵材料12が、単位体積当たりもしくは単位重量当たりの水素吸蔵能が大きいため、水素貯蔵システム20全体の重量増加を抑えることができる。
以上、本実施の形態の形態について説明したが、上記の実施の形態の開示の一部をなす論述および図面はこの発明を限定するものであると理解するべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例および運用技術が明らかとなろう。
以上、本発明によれば、平面的な形状の分子が積層された構造を持つ材料において、その層間に、平面層と化学結合する原子あるいは分子を挿入することにより層間距離を拡大したことを特徴とする水素吸蔵材料である。このような構成をとることにより、材料中の吸蔵空間が自動車用水素吸蔵材料として十分に確保でき、かつ製造プロセスも実現可能なものであり、安定性も高い材料とすることができた。
本発明に係る水素吸蔵材料の概略構造を示す模式図である。 本発明に係る製造方法で製造した水素吸蔵材料の実施例1および比較例による水素吸蔵量の計算結果を重量%で示したグラフである。 本発明に係る製造方法で製造した水素吸蔵材料の実施例1および比較例による水素吸蔵量の計算結果を体積あたり水素重量で示したグラフである。 本発明に係る製造方法で製造した水素吸蔵材料の実施例2および比較例による水素吸蔵量の計算結果を重量%で示したグラフである。 本発明に係る製造方法で製造した水素吸蔵材料の実施例2および比較例による水素吸蔵量の計算結果を体積あたり水素重量で示したグラフである。 本発明に係る水素吸蔵材料を用いた水素貯蔵タンクを示す断面図である。 本発明に係る水素貯蔵タンクを用いた水素貯蔵システムを示す概略図である。 本発明に係る水素貯蔵システムを用いた燃料電池自動車を示す概略図である。
符号の説明
1 平面状分子層
2 粒子
10 水素貯蔵タンク
11 タンク本体
12 水素吸蔵材料
13 タンク出入口
14 タンクバルブ
14A フィルタ
15 温度調整装置
16 圧力調整装置
17 水素吸入口
18 水素排出口
19A、19B 配管
20 水素貯蔵システム
21 燃料電池スタック
22 水素伝達管
30 燃料電池自動車

Claims (19)

  1. 積層された複数の平面状分子層と、
    前記分子層同士の間に挿入され、前記平面状分子層同士の層間距離を規定する粒子と、を備えることを特徴とする水素吸蔵材料。
  2. 請求項1記載の水素吸蔵材料であって、
    前記粒子は、原子及び分子のうち少なくとも一方であることを特徴とする水素吸蔵材料。
  3. 請求項1又は請求項2に記載された水素吸蔵材料であって、
    前記粒子は、前記平面状分子層と化学的に結合していることを特徴とする水素吸蔵材料。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載された水素吸蔵材料であって、
    前記平面状分子層は、主に炭素から構成されていることを特徴とする水素吸蔵材料。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載された水素吸蔵材料であって、
    前記平面状分子層同士の層間距離は、0.8〜1.2nmであることを特徴とする水素吸蔵材料。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載された水素吸蔵材料であって、
    前記粒子は、アルカリ金属原子であることを特徴とする水素吸蔵材料。
  7. 請求項6記載の水素吸蔵材料であって、
    前記アルカリ金属原子は、カリウム、ルビジウム、セシウムのうちの少なくともいずれかであることを特徴とする水素吸蔵材料。
  8. 請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載された水素吸蔵材料であって、
    前記平面状分子層は、分子中に金属元素を含むことを特徴とする水素吸蔵材料。
  9. 請求項8に記載の水素吸蔵材料であって、
    前記平面状分子層同士の層間距離は、0.8〜1.6nmであることを特徴とする水素吸蔵材料。
  10. 請求項8又は請求項9に記載された水素吸蔵材料であって、
    前記金属元素は、少なくともスカンジウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ガリウム、アルミニウム、カリウム、ルビジウム、セシウムのいずれかであることを特徴とする水素吸蔵材料。
  11. 真空室内に、平面状分子層材料とアルカリ金属材料とを異なる位置に配置して封入する工程と、
    前記平面状分子層材料と前記金属材料とを個別に温度制御して、前記平面状分子層材料の平面状分子層同士の間に前記金属材料を構成する金属原子を挿入反応させる工程と、を備えることを特徴とする水素吸蔵材料の製造方法。
  12. 請求項11記載の水素吸蔵材料の製造方法であって、
    前記平面状分子層材料を構成する平面状分子は、主に炭素から構成されていることを特徴とする水素吸蔵材料の製造方法。
  13. 請求項11又は請求項12に記載された水素吸蔵材料の製造方法であって、
    前記金属材料は、アルカリ金属元素でなることを特徴とする水素吸蔵材料の製造方法。
  14. 請求項13記載の水素吸蔵材料の製造方法であって、
    前記アルカリ金属元素は、カリウム、ルビジウム、セシウムのうち少なくともいずれかであることを特徴とする水素吸蔵材料の製造方法。
  15. 請求項11乃至請求項14のいずれか一項に記載された水素吸蔵材料の製造方法であって、
    前記平面状分子層材料は、分子中に金属元素を含むことを特徴とする水素吸蔵材料の製造方法。
  16. 請求項15記載の水素吸蔵材料の製造方法であって、
    前記金属元素は、少なくともスカンジウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ガリウム、アルミニウム、カリウム、ルビジウム、セシウムのいずれかであることを特徴とする水素吸蔵材料の製造方法。
  17. 請求項1乃至請求項10のいずれか一項に記載された水素吸蔵材料を内部に配置した水素貯蔵タンク。
  18. 請求項17記載の水素貯蔵タンクを備えることを特徴とする水素貯蔵システム。
  19. 請求項18記載の水素貯蔵システムを用いたことを特徴とする燃料電池自動車。
JP2004019767A 2003-02-18 2004-01-28 水素吸蔵材料、水素吸蔵材料の製造方法、水素貯蔵タンク、水素貯蔵システム、及び燃料電池自動車 Abandoned JP2004268022A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004019767A JP2004268022A (ja) 2003-02-18 2004-01-28 水素吸蔵材料、水素吸蔵材料の製造方法、水素貯蔵タンク、水素貯蔵システム、及び燃料電池自動車

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003039956 2003-02-18
JP2004019767A JP2004268022A (ja) 2003-02-18 2004-01-28 水素吸蔵材料、水素吸蔵材料の製造方法、水素貯蔵タンク、水素貯蔵システム、及び燃料電池自動車

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2004268022A true JP2004268022A (ja) 2004-09-30

Family

ID=33134093

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004019767A Abandoned JP2004268022A (ja) 2003-02-18 2004-01-28 水素吸蔵材料、水素吸蔵材料の製造方法、水素貯蔵タンク、水素貯蔵システム、及び燃料電池自動車

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2004268022A (ja)

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006161956A (ja) * 2004-12-07 2006-06-22 Riken Keiki Co Ltd 水素ガスボンベおよび水素炎イオン化式ガス検知器
WO2006095800A1 (ja) * 2005-03-11 2006-09-14 Nissan Motor Co., Ltd. 水素吸蔵材料、水素吸蔵構造、水素吸蔵体、水素貯蔵装置、燃料電池車両、及び水素吸蔵材料の製造方法
JP2007296421A (ja) * 2006-04-27 2007-11-15 Nissan Motor Co Ltd 水素吸蔵材料、水素吸蔵体、水素貯蔵装置及び燃料電池車両
US7393393B2 (en) * 2005-08-19 2008-07-01 Gm Global Technology Operations, Inc. Guest-host hydrogen storage material
WO2011102851A1 (en) * 2009-08-27 2011-08-25 Mcalister Roy E Apparatuses and methods for storing and/or filtering a substance
US8147599B2 (en) 2009-02-17 2012-04-03 Mcalister Technologies, Llc Apparatuses and methods for storing and/or filtering a substance
US8617399B2 (en) 2011-08-12 2013-12-31 Mcalister Technologies, Llc Dynamic filtration system and associated methods
US9534296B2 (en) 2013-03-15 2017-01-03 Mcalister Technologies, Llc Methods of manufacture of engineered materials and devices
CN108264018A (zh) * 2018-02-06 2018-07-10 北京科技大学 铁基催化剂修饰三维石墨烯限域的高容量储氢材料的方法

Cited By (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006161956A (ja) * 2004-12-07 2006-06-22 Riken Keiki Co Ltd 水素ガスボンベおよび水素炎イオン化式ガス検知器
WO2006095800A1 (ja) * 2005-03-11 2006-09-14 Nissan Motor Co., Ltd. 水素吸蔵材料、水素吸蔵構造、水素吸蔵体、水素貯蔵装置、燃料電池車両、及び水素吸蔵材料の製造方法
US7393393B2 (en) * 2005-08-19 2008-07-01 Gm Global Technology Operations, Inc. Guest-host hydrogen storage material
JP2007296421A (ja) * 2006-04-27 2007-11-15 Nissan Motor Co Ltd 水素吸蔵材料、水素吸蔵体、水素貯蔵装置及び燃料電池車両
US8641810B2 (en) 2009-02-17 2014-02-04 Mcalister Technologies, Llc Apparatuses and methods for storing and/or filtering a substance
US9409126B2 (en) 2009-02-17 2016-08-09 Mcalister Technologies, Llc Apparatuses and methods for storing and/or filtering a substance
US8147599B2 (en) 2009-02-17 2012-04-03 Mcalister Technologies, Llc Apparatuses and methods for storing and/or filtering a substance
JP2013503310A (ja) * 2009-08-27 2013-01-31 マクアリスター テクノロジーズ エルエルシー 物質を貯蔵する及び/又はフィルタリングするための装置及び方法
JP2014025587A (ja) * 2009-08-27 2014-02-06 Mcalister Technologies Llc 物質を貯蔵する及び/又はフィルタリングするための装置及びシステム
WO2011102851A1 (en) * 2009-08-27 2011-08-25 Mcalister Roy E Apparatuses and methods for storing and/or filtering a substance
US8617399B2 (en) 2011-08-12 2013-12-31 Mcalister Technologies, Llc Dynamic filtration system and associated methods
US9327226B2 (en) 2011-08-12 2016-05-03 Mcalister Technologies, Llc Dynamic filtration system and associated methods
US9534296B2 (en) 2013-03-15 2017-01-03 Mcalister Technologies, Llc Methods of manufacture of engineered materials and devices
CN108264018A (zh) * 2018-02-06 2018-07-10 北京科技大学 铁基催化剂修饰三维石墨烯限域的高容量储氢材料的方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Simanullang et al. Nanomaterials for on-board solid-state hydrogen storage applications
Chen et al. Reversible hydrogen storage in pristine and Li decorated 2D boron hydride
Sarkar et al. Net energy analysis of hydrogen storage options
KR101042299B1 (ko) 연료전지 자동차용 수소저장 시스템
US6878353B2 (en) Hydrogen storage bed system including an integrated thermal management system
JP6109979B2 (ja) 金属水素化物を有する水素貯蔵タンク
EP1749745A1 (en) Hydrogen storage bed
JP5760000B2 (ja) 金属水素化物を有する水素貯蔵タンク
US6425251B2 (en) Hydrogen cooled hydride storage unit
Liu et al. Mg-based nanocomposites with improved hydrogen storage performances
US6833118B2 (en) Hydrogen storage bed system including an integrated thermal management system
JP2004268022A (ja) 水素吸蔵材料、水素吸蔵材料の製造方法、水素貯蔵タンク、水素貯蔵システム、及び燃料電池自動車
KR101875633B1 (ko) 고체 수소저장 장치, 및 고체 수소저장 시스템
US6823931B1 (en) Hydrogen cooled hydride storage unit incorporating porous encapsulant material to prevent alloy entrainment
Mane et al. Enhanced reversible hydrogen storage efficiency of zirconium‐decorated biphenylene monolayer: a computational study
Trivedi et al. Ti-decorated nitrogen-rich BeN4 monolayer for reversible hydrogen storage: DFT investigations
JP4706384B2 (ja) 水素貯蔵装置
WO2016123332A1 (en) Fuel gas storage tank as air conditioner
Stetson et al. Overview of hydrogen storage, transportation, handling and distribution
KR20090116907A (ko) 금속수소화물계 수소 저장 시스템
JP5089080B2 (ja) 水素吸蔵材料、及びその製造方法
US20110132574A1 (en) Hydrogen storage system using hydrogen storage material
JP2006026567A (ja) 水素吸蔵材料、水素貯蔵タンク、水素貯蔵システム及び燃料電池自動車
JP2007218317A (ja) 低温液体・気体水素貯蔵タンク
JP2001241599A (ja) 水素回収・貯蔵容器

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20061127

A762 Written abandonment of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A762

Effective date: 20070912