JP2007295770A - 密閉型圧縮機 - Google Patents

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Abstract

【課題】固定子の電磁振動を低減し、騒音の低い密閉型圧縮機を実現することを目的とする。
【解決手段】コア162に巻線168を施した固定子112と永久磁石172を内蔵した回転子114とを備えた電動要素110と、電動要素110によって駆動される圧縮要素120を備えるとともに、固定子112のコア162の側面に減衰部材180を接着したもので、コア162の横方向に作用する加振力によってコア162と減衰部材180間に固体摩擦を生じさせて、加振力のエネルギー損失を図ることで、電磁振動を減衰させ、密閉容器外に放射される電磁騒音を低減することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、主に家庭用冷凍冷蔵庫などに使用される密閉型圧縮機に関するものである。
近年、地球環境に対する要求はますます強まってきており、冷蔵庫やその他の冷凍サイクル装置等においても、特に静音化、高効率化が強く要望されている。
従来の密閉型圧縮機としては、永久磁石を用いたDCブラシレスモータを用いたものがある(例えば、特許文献1参照)。
以下、図面を参照しながら上記従来の密閉型圧縮機を説明する。なお、以下の説明において、上下の関係は密閉型圧縮機を正規の姿勢に設置した状態を基準とする。
図13は従来の密閉型圧縮機の正面断面図、図14は従来の密閉型圧縮機の側断面図、図15は、従来の電動要素の平面断面図である。
密閉容器1の底部にはオイル2を貯留しており、圧縮機本体4はサスペンションスプリング6によって密閉容器1に対して弾性的に支持されている。
圧縮機本体4は、固定子12と回転子14からなる電動要素10と、電動要素10の上方に配設される圧縮要素20から構成されている。
圧縮要素20のクランクシャフト22は主軸24及び偏心軸26から構成されており、主軸24はシリンダブロック28の軸受部30に回転自在に軸支されるとともに、回転子14が固定されている。さらに、クランクシャフト22は主軸24表面に設けたらせん状の溝などからなる給油機構32を備えている。
また、ピストン34はシリンダブロック28に一体に形成されたシリンダ36に往復自在に挿入されており、シリンダ36はバルブプレート38とともに圧縮室40を形成する。ピストン34に取り付けられたピストンピン42が、連結手段44に回転自在に挿入されると共に、連結手段44に偏心軸26が回転自在に挿入されることで、連結手段44は偏心軸26とピストン34を連結している。また、バルブプレート38を蓋するシリンダヘッド46により、吸入マフラ50が挟持されている。
電動要素10は、シリンダブロック28の下方に固定され、鋼板を積層したコア62の磁極歯64に絶縁材66を介して巻線68を直接巻回した固定子12と、永久磁石72を内蔵した回転子14とから構成される突極集中巻方式のDCブラシレスモータである。
商用電源の交流を一度直流に変換し、この直流からPWM制御において、パルス幅変調周期を決定するキャリア周波数を与えることで、任意の電圧(電流)、周波数を作り出すインバータ駆動回路(図示せず)と、電動要素10であるDCブラシレスモータが連結されている。
また、コア62は固定子12の周囲壁のうち、磁極歯64の略中心線上に位置する部分で積層した鋼板相互を溶接したものである。固定子12は、コア62に設けた貫通穴74に挿入されるボルト90によりシリンダブロック28の脚部76に対して締結されている。
以上のように構成された密閉型圧縮機について、以下にその動作を説明する。
電動要素10に通電がなされると、固定子12に発生する回転磁界により、回転子14はクランクシャフト22とともに回転する。主軸24の回転により、偏心軸26の偏心運動が連結手段44及びピストンピン42を介してピストン34に伝えられ、ピストン34はシリンダ36内で往復動する。密閉容器1外の冷凍サイクル(図示せず)より戻った冷媒ガスは、吸入マフラ50を経由して圧縮室40内へ導入され、圧縮室40内でピストン34により圧縮され、圧縮された冷媒ガスは密閉容器1外の冷凍サイクル(図示せず)へ送出される。
特開2003−83251号公報
しかしながら、上記従来の構成では、固定子12から発せられる電磁振動による騒音の増加が認められた。その原因を究明した結果、任意のキャリア周波数でチョッピングされた電圧が、電動要素10であるDCブラシレスモータに印加されるために、キャリア周波数の基本成分や、その高調波成分により、磁極歯64の回転子14と対向した面にて加振力が発生し、回転子14をはさんで対向した箇所に、密閉型圧縮機を正面から見てコア62の横方向に作用していることが分かった。また、加振力が、回転子14と磁極歯64の相対位置によってその大きさを変動させながら伝播することも分かった。
すなわち、DCブラシレスモータのコア62の形を横方向に変形させようとする加振力の発生が、固定子12を横方向に振動させる、いわゆる電磁振動となり、冷媒ガスやミスト状のオイルを介して、密閉容器外に放出される電磁騒音につながっている。
また、突極集中巻方式のDCブラシレスモータのように、固定子12のコア62の磁極歯64に絶縁材66を介して直接巻線をする方式では、一般的に、固定子12のコア62の磁極歯64数が6から9個程度と少なく、1つの磁極歯64に磁束が集中する結果、加振力が局所的に集中して、より電磁振動が大きくなる。
更に、永久磁石72として、一般に使用されるフェライト磁石よりも、磁気特性が優れたSm(サマリウム)やNd(ネオジウム)などの希土類元素を含んだ希土類磁石を使用すれば、モータ効率を更に高めることができる。しかし、希土類磁石は非常に磁力が強いために、界磁分布、回転子14と固定子12の空隙(エアギャップ)、巻線分布、巻線電流などの不均一によって発生するトルクリップル(トルクの変動幅)が増大し、電磁振動がより加速される。
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、固定子12の電磁振動を低減し、騒音の低い密閉型圧縮機を実現することを目的とする。
上記従来の課題を解決するために、本発明の密閉型圧縮機は、コアに巻線を施した固定子と永久磁石を内蔵した回転子とを備えた電動要素と、電動要素によって駆動される圧縮要素を有し、圧縮要素は回転子を固定したシャフトと、固定子を脚部に固定するとともにシャフトを軸支するシリンダブロックとを備え、固定子のコアの側面に減衰部材を接着したもので、コアの横方向に作用する加振力によってコアと減衰部材間に固体摩擦を生じさせて、加振力のエネルギー損失を図ることで、電磁振動を減衰させ、密閉容器外に放射される電磁騒音を低減し、静音性の高い密閉型圧縮機を提供することができる。
本発明の密閉型圧縮機は、固定子の電磁振動を低減し、静音性の高い密閉型圧縮機を提供することができる。
請求項1に記載の発明は、コアに巻線を施した固定子と永久磁石を内蔵した回転子とを備えた電動要素と、電動要素によって駆動される圧縮要素を有し、圧縮要素は回転子を固定したシャフトと、固定子を脚部に固定するとともにシャフトを軸支するシリンダブロックとを備え、固定子のコアの側面に減衰部材を接着したもので、コアの横方向に作用する加振力によってコアと減衰部材間に固体摩擦を生じさせて、加振力のエネルギー損失を図ることで、電磁振動を減衰させ、密閉容器外に放射される電磁騒音を低減し、静音性の高い密閉型圧縮機を提供することができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、減衰部材が樹脂、または合成ゴムで形成されたもので、振動減衰率の高い材質で減衰部材を形成することで、固定子の電磁振動を吸収、減衰し、静音性の高い密閉型圧縮機を提供することができる。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、減衰部材が微細な気泡を内包したもので、気泡の部分にて特に高い周波数の電磁振動を吸収、減衰するので、静音性の高い密閉型圧縮機を提供することができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載の発明において、シリンダブロックに設けた脚部の延出部によって固定子のコアの側面を拘止するとともに、脚部の延出部とコアの側面との間に減衰部材を挿嵌させたもので、脚部の延出部によりコアの横方向の剛性を向上させることで、コアの変形を抑制させるとともに、減衰部材が有する弾性力を接着に活用することで、工程副資材を用いずに減衰部材と延出部、並びにコア側面を接着するので、静音性が高く、生産性に優れた密閉型圧縮機を提供することができる。
請求項5に記載の発明は、請求項1から4のいずれか一項に記載の発明において、電動要素が、固定子のコアに設けた磁極歯に絶縁材を介して巻線を直接巻回した突極集中巻方式であるもので、固定子の磁極歯数が少ない場合であっても、加振力が局所的に集中するコアの側面に減衰部材を接着することで、局所的な電磁振動を低減するとともに、コアの積厚を短縮することで、巻線抵抗が小さくなってモータ損失が低減できるので、静音性が高く、かつ効率の高い密閉型圧縮機を提供することができる。
請求項6に記載の発明は、請求項1から5のいずれか一項に記載の発明において、回転子に内蔵した永久磁石が希土類磁石であるもので、磁力の強い磁石であっても、界磁分布、空隙、巻線分布、巻線電流などの不均一によって発生するトルクリップルの増大により生じる電磁振動を低減できるとともに、出力が高いのでコアの積厚を短縮することができ、かつ磁気特性に優れてモータ損失が小さいので、静音性が高く、小型で効率の高い密閉型圧縮機を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によってこの発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1における密閉型圧縮機の正面断面図、図2は同実施の形態の密閉型圧縮機の側断面図、図3は同実施の形態の固定子の平面断面図、図4は図3のA−A線における要部断面図、図5は減衰部材の断面拡大図である。
図1から図4において、密閉容器101内の底部にオイル102を貯留するとともに、電動要素110と、これによって駆動される圧縮要素120とからなる圧縮機本体104を収容し、例えばR600aなどの地球温暖化係数の低い炭化水素系の冷媒を充填している。また密閉容器101には電動要素110に電源を供給するための電源端子108が取り付けられている。
まず、電動要素110について説明する。
電動要素110は圧縮要素120の下方に配設されている。
電動要素110は、電磁鋼板を積層して形成されるコア162の磁極歯164に、絶縁材166を介して巻線168を直接巻回して形成される固定子112と、固定子112の内径側に配置され、永久磁石172としてフェライト磁石をコア162内に配置した回転子114とを備える突極集中巻き方式のDCブラシレスモータであり、固定子112の巻線168が電源端子108を経由してインバータ駆動回路(図示せず)と導線により接続されている。絶縁材166は、例えば、樹脂の一種である液晶ポリマー(液晶ポリエステル樹脂)を射出成型して形成される上下面の絶縁材166aとコア162のスロットに装入される絶縁フィルム166bとから構成される。また、電動要素110は、インバータ駆動により、20〜80r/secの間の複数の周波数で運転を行う。
次に、圧縮要素120について説明する。
圧縮要素120を構成するクランクシャフト122は、主軸124及び偏心軸126を備えるとともに、主軸124表面に設けたらせん状の溝などからなる給油機構132を備えている。給油機構132は、オイル102に浸漬される主軸124の下端から偏心軸126の上端まで連通している。シリンダブロック128には主軸124を回転自在に軸支する軸受部130およびシリンダ136を備える。
ピストン134はシリンダ136に往復自在に挿入されており、シリンダ136はバルブプレート138とともに圧縮室140を形成する。ピストン134に取り付けられたピストンピン142が、連結手段144に回転自在に挿入されると共に、連結手段144に偏心軸126が回転自在に挿入されることで、連結手段144は偏心軸126とピストン134を連結している。また、バルブプレート138を蓋するシリンダヘッド146により、吸入マフラ150が挟持されている。
シリンダブロック128は、下方に4本の脚部176を有し、脚部176の先端の平坦部176aがコア162の上端面に当接され、固定子112は、コア162に設けた貫通穴174に挿入されるボルト190によりシリンダブロック128の脚部176に締結される。
ボルト190と一体成形されたスナッバ部170をサスペンションスプリング106の上端に嵌め込み、圧縮機本体104はサスペンションスプリング106により密閉容器101に対して弾性的に支持されている。
更に、本実施の形態では、耐油性、耐熱性、並びに金属や樹脂との接着性に優れたエポキシ系の接着剤184を固定子112のコア162の側面に適量塗布して、減衰部材180をコア162の側面に、約90°間隔で4箇所接着している。
減衰部材180は、およそ20mm四方で板厚は10mmであり、コアの側面に沿うように湾曲した形状をなしている。
また、図5に示すように、減衰部材180は、主にガラス繊維を添加した結晶性の樹脂であるポリブチレンテレフタレート合成樹脂で形成されている。更に、100℃以上の耐熱温度を確保するためガラス繊維(図示せず)を添加している。この添加したガラス繊維が気泡核となるため、ポリブチレンテレフタレートは発泡成形に適した材料である。
減衰部材180は、超臨界発泡成形により成形されており、気泡径1〜50μmの微細な気泡187が10〜1015cells/cm程度の高密度で形成されている。そのため、最小板厚が数〜十数mm程度の薄肉の板厚寸法においてもその内部に50μm程度以下の微細な気泡187を発泡倍率1.2倍以上で形成される。
ここで、本実施の形態の減衰部材180を成形するために用いた超臨界発泡とは、環境負荷物質であるアゾ化合物やフロンなどの発泡剤を用いる化学発泡成形法に比べ、気泡径が小さく高密度な発泡が可能であることと、二酸化炭素や窒素などの不活性ガスを用いるため環境にやさしい発泡成形ができる手法である。
尚、発泡成形された減衰部材180に加え、電磁鋼板を積層して形成したコア162の側面は構造上、ともに凹凸状をなしている。この各々の凹凸状の面に接着剤184が入り込んで、硬化、接着することで、せん断方向の接着強度の向上に寄与している。
以上のように構成された密閉型圧縮機について、以下その動作と作用を説明する。
所定のキャリア周波数を与えることで任意の電圧(電流)、周波数を作り出すインバータ駆動回路(図示せず)によって電動要素110に通電がなされると、固定子112に発生する磁界により回転子114はクランクシャフト122とともに回転する。主軸124の回転に伴い、偏心軸126は偏心回転し、この偏心運動は連結手段144を介して往復運動に変換され、ピストン134をシリンダ136内で往復運動させることで密閉容器101内の冷媒ガスを圧縮室140内に吸入し、圧縮する圧縮動作を行う。
また、任意のキャリア周波数でチョッピングされた電圧が、電動要素110であるDCブラシレスモータに印加されるために、キャリア周波数の基本成分や、その高調波成分により、磁極歯164の回転子114と対向した面にて加振力が発生し、密閉型圧縮機を正面から見てコア162の横方向に作用する。更に、加振力は、回転子114と磁極歯164の相対位置によってその大きさが変動しながら伝播する。加えて、突極集中巻方式のように磁極歯164が少ない場合では、1つの磁極歯164に磁束が集中して、局所的に加振力が大きくなる。
しかしながら、本実施の形態では、コア162側面に減衰部材180を配置することで、横方向に作用する加振力によるコア162、接着剤184、並びに減衰部材の変形量が各々異なる特性を活用することで、コア162と、接着剤184、並びに減衰部材180の各々の境界面にて固体摩擦を生じさせ、加振力のエネルギーを低減し、電磁振動を減衰させる。
加えて、減衰部材180が、振動減衰率の高いポリブチレンテレフタレート合成樹脂で形成されているとともに、その内部に微細な気泡を多数内包しているので、減衰部材180の材質自体が、横方向に生じる電磁振動を効果的に吸収、減衰することで、密閉容器101外に放射される騒音を低減する。
ここで、実際に、本実施の形態と従来例を用いた実機にて騒音を測定した騒音特性図を図6に示す。
尚、永久磁石としてフェライト磁石を用いた密閉型圧縮機を準備し、運転回転数を27r/sec、凝縮/蒸発温度を40/−30℃、キャリア周波数を9.6kHzとして、1/3オクターブバンド中心周波数毎の音圧レベルを計測した。図6では、本実施の形態を実施例1、比較に用いた従来例を従来例1と表記する。
図6の従来例1に示すように、密閉型圧縮機の騒音特性は、3.15kHzから5kHzの高周波騒音が比較的大きい傾向を示す。この周波数帯域の音圧レベルは20〜30dB程度であるが、27r/secのような低速回転では他の帯域の音圧レベルが低いので、ユーザーにとって耳障りだと認識される場合がある。更に、キャリア周波数にチョッピングされて10kHzの音圧レベルが他と比べてやや大きい傾向も示している。
これに対し、図6に示すように、本実施の形態では、特に、3.15〜10kHzの高周波の音圧レベルが顕著に低減していることが分かる。減衰部材180をコア162の側面の適正な位置に接着することで、電磁騒音を低減できていることが実機で確認された。
以上のことから、本実施の形態のような構成とすることで、コア162と、接着剤184や減衰部材180の境界面での固体摩擦による加振力のエネルギー損失や、減衰部材180が有する振動減衰性能により、電磁振動を効果的に減衰し、密閉容器101外に放射される騒音を低減させ、静音性に優れた密閉型圧縮機を実現することができる。
加えて、突極集中巻方式のDCブラシレスモータを使用することで、巻線168端の長さを短縮でき、巻線抵抗が小さくなってモータ損失が低減できるので、モータ効率が向上し、効率の高い密閉型圧縮機を実現することができる。
尚、本実施の形態では、20mm四方で板厚が10mmであり、コア162の側面に沿うように湾曲した形状の減衰部材180を4枚作製し、コア162の側面に配置したが、インバータ駆動回路や、固定子112のコア162の構造に関わる電磁力、磁界分布等を解析、あるいは実測することにより、加振力を効果的に減衰できる減衰部材180の接着する場所、材質、形状、及び枚数を選定するのが望ましい。
材質に関して補足すると、本実施の形態では樹脂を使用したが、耐油性、耐熱性、耐膨潤性、及び機械的強度に優れた合成ゴムを使用しても同様の効果が得られる。
(実施の形態2)
図7は本発明の実施の形態2における密閉型圧縮機の正面断面図、図8は同実施の形態の密閉型圧縮機の側断面図、図9は同実施の形態の固定子の平面断面図、図10は図9のB−B線における要部断面図、図11は減衰部材の断面拡大図である。
図7から図10において、密閉容器201内の底部にオイル202を貯留するとともに、電動要素210と、これによって駆動される圧縮要素220とからなる圧縮機本体204を収容し、例えばR600aなどの地球温暖化係数の低い炭化水素系の冷媒を充填している。また密閉容器201には電動要素210に電源を供給するための電源端子208が取り付けられている。
まず、電動要素210について説明する。
電動要素210は圧縮要素220の下方に配設されている。
電動要素210は、電磁鋼板を積層して形成されるコア262の磁極歯264に、絶縁材266を介して巻線268を直接巻回して形成される固定子212と、固定子212の内径側に配置され、永久磁石272として希土類のNd(ネオジウム)磁石をコア262内に配置した回転子214とを備える突極集中巻き方式のDCブラシレスモータであり、固定子212の巻線268が電源端子208を経由してインバータ駆動回路(図示せず)と導線により接続されている。絶縁材266は、例えば、樹脂の一種である液晶ポリマー(液晶ポリエステル樹脂)を射出成型して形成される上下面の絶縁材266aとコア262のスロットに装入される絶縁フィルム266bとから構成される。また、電動要素210は、インバータ駆動により、20〜80r/secの間の複数の周波数で運転を行う。
次に、圧縮要素220について説明する。
圧縮要素220を構成するクランクシャフト222は、主軸224及び偏心軸226を備えるとともに、主軸224表面に設けたらせん状の溝などからなる給油機構232を備えている。給油機構232は、オイル202に浸漬される主軸224の下端から偏心軸226の上端まで連通している。シリンダブロック228には主軸224を回転自在に軸支する軸受部230およびシリンダ236を備える。
シリンダ236に往復自在にピストン234が挿入されており、シリンダ236はバルブプレート238とともに圧縮室240を形成する。ピストン234に取り付けられたピストンピン242が、連結手段244に回転自在に挿入されると共に、連結手段244に偏心軸226が回転自在に挿入されることで、連結手段244は偏心軸226とピストン234を連結している。また、バルブプレート238を蓋するシリンダヘッド246により、吸入マフラ250が挟持されている。
また、シリンダブロック228は、下方に4本の脚部276と、各々の脚部276の平坦部276aから更に下方に延出した延出部288を備えている。
延出部288の内面は、コア262の側面に沿うように湾曲状に形成され、より具体的には、延出部288の内面、及びコア262の側面は、軸受部230の軸芯を中心とする同等半径を有する円弧状に形成される。加えて、延出部288の内面には凹部288aを設けている。尚、逆に、コア262の側面に凹部288aを設けていても良い。
脚部276の平坦部276aとコア262の上端面が当接し、延出部288の内面が、コア262の外周面に当接されるように、シリンダブロック228と固定子212を組合わせて、延出部288の内面に、コア262の側面を介して固定子212が拘止され、更に、脚部276の延出部288に備えた凹部288aとコア262の側面との間に減衰部材280が挿嵌される。
ここで、減衰部材280は弾性体であり、耐油性、耐熱性、耐膨潤性、及び機械的強度に優れた合成ゴムの一種であるクロロプレンラバーを使用している。同様な特性を有するニトリルブタヂエンラバー、ブチルゴム、アクリルラバー、シリコーンゴムやフッ素ゴムなどの合成ゴムを使用しても良い。
更に、減衰部材280は、延出部288の内面に形成された凹部288aとコア262の側面で形成される内容積よりもやや大きめとなるように成形されている。凹部288aとコア262の側面との間に減衰部材280を挿嵌した際に、減衰部材280を形成する合成ゴムが有する圧縮反力により、減衰部材280が凹部288aとコア262の側面に接着される。これにより、工程副資材を用いずに減衰部材と、延出部並びにコア側面を接着することができる。
また、図11に示すように、減衰部材280は、超臨界発泡成形により成形されており、気泡径1〜50μmの微細な気泡287が10〜1015cells/cm程度の高密度で形成されている。そのため、最小板厚が数〜十数mm程度の薄肉の板厚寸法においてもその内部に50μm程度以下の微細な気泡287を発泡倍率1.2倍以上で形成される。
固定子212は、コア262に設けた貫通穴274に挿入されるボルト290によりシリンダブロック228の脚部276に締結される。
ボルト290と一体成形されたスナッバ部270をサスペンションスプリング206の上端に嵌め込み、圧縮機本体204はサスペンションスプリング206により密閉容器201に対して弾性的に支持されている。
以上のように構成された密閉型圧縮機について、以下その動作と作用を説明する。
所定のキャリア周波数を与えることで任意の電圧(電流)、周波数を作り出すインバータ駆動回路(図示せず)によって電動要素210に通電がなされると、固定子212に発生する磁界により回転子214はクランクシャフト222とともに回転する。主軸224の回転に伴い、偏心軸226は偏心回転し、この偏心運動は連結手段244を介して往復運動に変換され、ピストン234をシリンダ236内で往復運動させることで密閉容器201内の冷媒ガスを圧縮室240内に吸入し、圧縮する圧縮動作を行う。
また、任意のキャリア周波数でチョッピングされた電圧が、電動要素210であるDCブラシレスモータに印加されるために、キャリア周波数の基本成分や、その高調波成分により、磁極歯264の回転子214と対向した面にて加振力が発生し、密閉型圧縮機を正面から見てコア262の横方向に作用する。更に、加振力は、回転子214と磁極歯264の相対位置によってその大きさが変動しながら伝播する。加えて、突極集中巻方式のように磁極歯264が少ない場合では、1つの磁極歯264に磁束が集中して、局所的に加振力大きくなる。更に、Nd磁石のように磁力の強い磁石では、トルクリップルが増大し、更に横方向の加振力が大きくなる。
しかしながら、本実施の形態では、コア262側面を介して、固定子212をシリンダブロック228に設けた脚部276の延出部288の内面によって拘止するとともに、脚部276の延出部288とコア262の側面との間に減衰部材280を挿嵌させることで、延出部288がコア262の横方向の剛性を増加させて変形し難い構造にするとともに、横方向に作用する加振力によるコア262、減衰部材の変形量が各々異なる特性を活用することで、コア262と、減衰部材280の境界面にて固体摩擦を生じさせ、加振力のエネルギーを低減し、電磁振動を減衰させる。
加えて、減衰部材280が、振動減衰率の高い合成ゴムの一つであるクロロプレンラバーで形成されているとともに、その内部には微細な気泡を多数内包しているので、減衰部材280の材質自体が、横方向に生じる電磁振動を効果的に吸収、減衰することで、密閉容器201外に放射される騒音を低減する。
ここで、実際に、本実施の形態と従来例を用いた実機にて騒音を測定した騒音特性図を図12に示す。
尚、永久磁石としてNd(ネオジウム)磁石を用いた密閉型圧縮機を準備し、運転回転数を27r/sec、凝縮/蒸発温度を40/−30℃、キャリア周波数を9.6kHzとして、1/3オクターブバンド中心周波数毎の音圧レベルを計測した。図12では、本実施の形態を実施例2、比較に用いた従来例を従来例2と表記する。
図12の従来例2に示すように、3.15kHzから5kHzの高周波騒音が比較的大きい傾向を示す。また、キャリア周波数にチョッピングされ、かつ磁力の高いNd磁石を使用したことに起因して、10kHzの音圧レベルが他と比べて顕著に高い傾向が示される。
これに対し、本実施の形態では、特に、3.15〜10kHzの高周波の音圧レベルが顕著に低減している。コア262側面を介して、固定子212をシリンダブロック228に設けた脚部276の延出部288の内面によって拘止するとともに、脚部276の延出部288とコア262の側面との間に減衰部材280を挿嵌させることで、電磁騒音を低減できていることが実機で確認された。
以上のことから、本実施の形態のような構成とすることで、コア262の横方向の剛性を高めて変形し難くするとともに、コア262と、減衰部材280の境界面での固体摩擦による加振力のエネルギー損失や、減衰部材280が有する高振動減衰性により、電磁振動を効果的に減衰し、密閉容器201外に放射される騒音を低減させ、静音性に優れた密閉型圧縮機を実現することができる。
また、磁気特性が優れたSm(サマリウム)やNd(ネオジウム)などの希土類元素を含んだ希土類磁石を使用した場合においても、騒音低減の効果は顕著である。加えて、突極集中巻方式のDCブラシレスモータを使用することで、巻線168端の長さを短縮できる。
このように、希土類磁石を用い、かつ巻線抵抗が小さいので、モータ効率が格段に向上するとともに、コア262の積厚を低くすることができ、効率の高い小型の密閉型圧縮機を実現することができる。
また、シリンダブロック228の脚部276の適正な数、配置、形状については、インバータ駆動回路や固定子212のコア262の構造に関わる電磁力、磁界分布等を解析、あるいは実測することにより、加振力を効果的に減衰できる減衰部材280の接着する場所、材質、形状、及び枚数を選定するのが望ましい。
以上のように、本発明にかかる密閉型圧縮機は騒音を低減できるので、家庭用電気冷凍冷蔵庫に限らず、エアーコンディショナー、自動販売機やその他の冷凍装置等に広く適用できる。
本発明の実施の形態1における密閉型圧縮機の正面断面図 本発明の実施の形態1の密閉型圧縮機の側断面図 本発明の実施の形態1の固定子の平面断面図 本発明の実施の形態1の図3のA−A線における要部断面図 本発明の実施の形態1の減衰部材の断面拡大図 本発明の実施の形態1の騒音特性図 本発明の実施の形態2における密閉型圧縮機の正面断面図 本発明の実施の形態2の密閉型圧縮機の側断面図 本発明の実施の形態2の固定子の平面断面図 本発明の実施の形態2の図9のB−B線における要部断面図 本発明の実施の形態2の減衰部材の断面拡大図 本発明の実施の形態2の騒音特性図 従来の密閉型圧縮機の正面断面図 従来の密閉型圧縮機の側断面図 従来の電動要素の平面断面図
符号の説明
110,210 電動要素
112,212 固定子
114,214 回転子
120,220 圧縮要素
122,222 シャフト
128,228 シリンダブロック
162,262 コア
164,264 磁極歯
166,266 絶縁材
168,268 巻線
172,272 永久磁石
176,276 脚部
180,280 減衰部材
187,287 気泡
288 延出部

Claims (6)

  1. コアに巻線を施した固定子と永久磁石を内蔵した回転子とを備えた電動要素と、前記電動要素によって駆動される圧縮要素を有し、前記圧縮要素は前記回転子を固定したシャフトと、前記固定子を脚部に固定するとともに前記シャフトを軸支するシリンダブロックとを備え、前記固定子の前記コアの側面に減衰部材を接着した密閉型圧縮機。
  2. 減衰部材は樹脂、または合成ゴムで形成された請求項1に記載の密閉型圧縮機。
  3. 減衰部材は微細な気泡を内包した請求項2に記載の密閉型圧縮機。
  4. シリンダブロックに設けた脚部の延出部によって固定子のコアの側面を拘止するとともに、前記脚部の延出部と前記コアの側面との間に減衰部材を挿嵌させた請求項1から3のいずれか一項に記載の密閉型圧縮機。
  5. 電動要素は、固定子のコアに設けた磁極歯に絶縁材を介して巻線を直接巻回した突極集中巻方式である請求項1から4のいずれか一項に記載の密閉型圧縮機。
  6. 回転子に内蔵した永久磁石は希土類磁石である請求項1から5のいずれか一項に記載の密閉型圧縮機。
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