JP2007295681A - 電力供給装置 - Google Patents

Abstract

【課題】電気機器の消費電力の大容量化にともない、ＡＣアダプタ表面温度が高温になることがあるため、ある一定の温度を超えた場合に、出力を制御し、アダプタ本体の熱を制御することを目的とする。
【解決手段】ＡＣアダプタ１０１の表面温度は、温度センサ１０４を用いて監視し、通常状態では、ＡＣアダプタの定格出力を満足する出力調整回路Ａ１０６を選択するが、所定温度を超える場合には定格出力の６０％程度である出力調整回路Ｂ１０７に切り換えて出力制御を行うことにより、ＡＣアダプタの表面温度の温度上昇を防ぐことができ、使用者がＡＣアダプタに触れて不快に感じたり、低温火傷等の人的被害の防止をする。
【選択図】図１

Description

本発明は、電気機器に電力を供給するＡＣアダプタ等の電力供給機能を内蔵した電力供給装置に関するものである。

従来のＡＣアダプタ等の電力供給装置には、自己消弧素子の温度上昇を抑制して電力供給装置の信頼性の低下を防止するために、内部に温度検出手段を備えたものがあった。この種の技術の参考となるものとして特許文献１がある。（自己消弧素子：ゲート電流によってオン、オフができるスイッチング素子のこと、以下スイッチング素子）
この特許文献１には、パルスパターン時間テーブルを複数個用意し、これを温度検出手段により検知したスイッチング素子の温度に応じて、パルスターンを選択し、スイッチング損失を低減し、信頼性を高める技術が開示されている。
特開昭６２−２８１７６６号公報

しかしながら、前述のような技術では、スイッチング素子の温度により最適なパルスパターンを選択し電力供給装置としての信頼性を高めるものであったが、装置本体の温度上昇については言及されていなかった。しかしながら、電気機器の消費電力の大容量化にともない、電力供給装置の表面温度が５０度を超えることもあり、安全上は問題が無くとも、使用者に不快、不安を与えるだけでなく、場合によっては低温火傷という人的被害を及ぼす課題があった。

本発明は、上記課題を解決するために、ＡＣアダプタ表面温度がある一定の温度を超えた場合に、出力を制御し、ＡＣアダプタ本体の表面温度を制御することを目的とする。

前記従来の問題を解決するため、本発明では、ＡＣアダプタの表面に温度センサを取り付け、ＡＣアダプタ本体の表面温度がある設定値を超えた場合に出力を制御し、ＡＣアダプタの表面温度を調整する。本構成によりＡＣアダプタに配置された表面温度センサにより出力を調整するため、ＡＣアダプタの表面温度を使用者に不快、不安を与えないような適切な温度に保つことができる。

本発明の電力供給装置によれば、ＡＣアダプタの表面温度により出力を制御するためＡＣアダプタ表面温度の適正温度を超えないようにすることができ、使用者が不快に感じたり、低温火傷等の人的被害の防止が可能である。

以下本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら説明する。

（実施の形態１）
図１は、本発明の実施の形態１における電力供給装置であるＡＣアダプタの構成図である。

図１において、ＡＣアダプタ１０１は商用交流電圧を降圧・整流してする整流回路１０２と、ＡＣアダプタ１０１表面の温度を計測する温度センサ１０４と、整流された電圧をスイッチング回路や平滑回路によってＡＣアダプタ１０１に接続する電気機器に適切な電圧に変換する出力調整部１０３から成る。また、出力調整部１０３はＡＣアダプタに接続する電気機器に適切な出力に変換し、供給する電力に応じて定格１００％電力供給能力のある出力調整回路Ａ１０６と、定格６０％程度の電力供給能力のある出力調整回路Ｂ１０７と、ＡＣアダプタ１０１表面の温度を計測する温度センサ１０４に基づいて出力調整回路Ａ１０６、出力調整回路Ｂ１０７のどちらでＡＣアダプタを駆動するかを切り換えるスイッチ回路１０５から成る。

出力調整回路Ｂ１０７は出力調整回路Ａ１０６に比較して電力供給能力が低い代わりに前述のスイッチング素子、インダクタ、コンデンサ等の電子部品は小型のもので構成できる。また、スイッチング素子は大電力を扱えない代わりにスイッチング速度（素子のオン／オフの切りかわる速度）が速いので電圧変換時の電力ロスも少なくすることができ、出力調整回路Ａ１０６に比較して発熱量を押さえられる。

ＡＣアダプタ１０１本体の温度は、温度センサ１０４を用いて監視しており、通常状態では、ＡＣアダプタ１０１の定格出力を満足する出力調整回路Ａ１０６を選択する。温度センサ１０４が所定温度を越えると場合には定格出力の６０％程度である出力調整回路Ｂ１０７を選択し、出力制御を行うことによりＡＣアダプタ１０１の温度上昇を防ぐことができ、従ってＡＣアダプタ１０１の表面温度は下げることができる。

ＡＣアダプタの表面温度は周囲温度（気温）とＡＣアダプタ内部で発生する発熱量による温度上昇の和になるため、気温が高ければＡＣアダプタの表面温度はその分高くなる。一方、人の体温は気温に関係なくほぼ一定であり、従って気温の高い場合には、ＡＣアダプタ内部で発生する発熱量を抑える必要がある。上記所定温度は使用者が不快に感じたり、低温火傷をしない温度以下にするように温度センサ１０４、スイッチ回路１０５を設定し、所定温度を越えた場合には定格出力の６０％程度で駆動する出力調整回路Ｂ１０７に切り換えるように動作する。

なお、図２のような構成としてもよい。

図２はＡＣアダプタ１０１の外観図である。スイッチ２０１を搭載することにより、ＡＣアダプタ１０１表面の温度に係わらず任意に出力電力を抑えた出力調整回路Ｂ１０７を選択できる。また出力調整回路１０６か出力調整回路１０７のどちらが選択されているか視覚的に分かるように異なる色のＬＥＤ２０２を用いて表示する。このようにすることにより、使用者がＡＣアダプタに触れて不快な温度を感じたりする場合にこのスイッチ２０１により任意に低電力駆動モードに切り換えることができる。

なお、図２において図１の説明にある温度センサ１０４との併用は可能であることは言うまでもない。

（実施の形態２）
図３は、本発明の実施の形態２における電力供給装置であり、ＡＣアダプタ１０１と、ＡＣアダプタ１０１から電力供給を受ける電気機器３０１の構成図である。

図３において実施の形態１の図１，図２と同じ構成要素には同じ符号を付して説明を省略する。

ＡＣアダプタ１０１には実施の形態１同様、整流回路１０２、出力調整部１０３、および温度センサ１０４またはスイッチ２０１を備える。

ＡＣアダプタ１０１からは温度センサ１０４の温度検出、またはスイッチ２０１のモードに基づいて定格１００％電力供給能力のある出力調整回路Ａ１０６あるいは定格６０％程度の電力供給能力のある出力調整回路Ｂ１０７のどちらでＡＣアダプタを駆動しているかの電力モード情報をＤＣ電源ケーブルと共に電気機器３０２側に送る。

例えば、ＡＣアダプタ１０１の表面温度が所定温度を超え、定格６０％の電力供給能力モードである省電力モードである情報を電気機器３０１側に伝えると、液晶やブラウン管など表示装置３０２の輝度を下げたり、バッテリーの充電回路３０２の充電電流を減らしたり、内蔵ドライブや外付け機器３０３など使用していない機器への負荷電流を減らしたりして、電気機器３０１側での消費電力を下げることによりＡＣアダプタ１０１の供給電力を減らす。

本発明にかかるＡＣアダプタは、ＡＣアダプタの表面温度により出力を制御するためＡＣアダプタ表面温度の適正温度を超えないようにすることができ、使用者が不快に感じたり、低温火傷等の人的被害の防止する効果を有し、電気機器に電力を供給するＡＣアダプタ等の電力供給機能を内蔵した電力供給装置等として有用である。

本発明の実施の形態１におけるＡＣアダプタの構成図 本発明の実施の形態１におけるＡＣアダプタの外観図と構成図 本発明の実施の形態２におけるＡＣアダプタの構成図

符号の説明

１０１ ＡＣアダプタ
１０２ 整流回路
１０３ 出力調整部
１０４ 温度センサ
１０５ スイッチ回路
１０６ 出力調整回路Ａ
１０７ 出力調整回路Ｂ
２０１ スイッチ
２０２ ＬＥＤ
３０１ 電気機器
３０２ 表示装置
３０３ 充電回路
３０４ 外付け機器

Claims (3)

1. 各種電気機器に対して交流を直流に変換して電力供給する電力供給装置であって、
   交流を直流に変換する整流回路と、
   前記各種電気機器に対して適切な直流電圧に変換し、電力供給する出力調整部と、
   前記電力供給装置表面の温度を計測する温度センサと、
   を備え、
   前記温度センサにより計測された温度により、前記出力調整部の電力供給能力を制限することを特徴とする電力供給装置。
2. 前記温度センサにより前記電力供給装置表面の温度が所定温度を越えたときは前記出力調整部の電力供給能力を制限すると共に、
   前記電力供給装置は前記電気機器に対して電力供給能力を制限した情報を送信することを特徴とする請求項１に記載の電力供給装置。
3. 前記出力調整部は
   前記電気機器に適切な電圧に変換し、定格１００％電力供給能力のある出力調整回路Ａと、
   定格電力を抑えた電力供給能力である出力調整回路Ｂと、
   前記温度センサの計測温度に基づいて前記出力調整回路Ａ、前記出力調整回路Ｂのいずれで駆動するかを切り換えるスイッチ回路と、
   から成ることを特徴とする請求項１に記載の電力供給装置。
   
   

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