JP2007295081A - 電子制御ユニットおよびフレーム優先度設定方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】フレームの到着期限を超えて到着するフレームの数を最小にすることができる電子制御ユニットおよびフレーム優先度設定方法を提供する。
【解決手段】共通の通信線路に接続してフレームの送受信を行う車載LAN通信手段と、送信対象の各フレームに、その到着期限時刻に基づく優先度を設定する優先度設定手段とを備え、前記車載LAN通信手段が各フレームをその優先度に従った優先順位で通信線路に送信するものである。
【選択図】図1
【解決手段】共通の通信線路に接続してフレームの送受信を行う車載LAN通信手段と、送信対象の各フレームに、その到着期限時刻に基づく優先度を設定する優先度設定手段とを備え、前記車載LAN通信手段が各フレームをその優先度に従った優先順位で通信線路に送信するものである。
【選択図】図1
Description
本発明は、自動車に搭載されてフレームを通信線路を介して車載LANに送信する電子制御ユニットおよびフレーム優先度設定方法に関するものであり、より詳細にはCANバスなどのバス型の車載LANによって接続される電子制御ユニットおよびフレームを通信線路に送信するときのフレームの優先順位を定めるフレーム優先度設定方法に関する。
従来より、車両には複数の電子制御ユニットが搭載されており、その数は増加する傾向にある。そして、各電子制御ユニットは例えばCAN(Controller Area Network)などの規格に準拠する伝送線を含む通信線路(以下、CANバスという)に接続されることにより、互いにフレームの送受信を行うことができる車載LANを形成するようになっている。CANバスのような共通の通信線路を用いてフレームを送受信するときには、フレームに優先度を設定し、フレームの送信時点が他の電子制御ユニットと重なったときに、一つの電子制御ユニットだけがフレームを送信するようにする必要がある。
このように適正な優先度の設定を行って、重要なフレームには高い優先度を設定することにより、重要なフレームは他のフレームよりも優先して送信することができる。また、特開2001−119416号公報(特許文献1)には、前記優先度が低いフレームが他のフレームと衝突して送信できなかったために送信待ちとなった回数を計数し、優先順位を高める措置を行うことが提案されている。
ところが、上述した従来の方法では、同じ通信線路上にどのようなフレームが同時に送信されるのかが不明であるため、各フレームの遅延時間が保証できないという課題が残されている。つまり、特に通信負荷率が引き上げられた状態では、優先度の低いフレームであってもフレームの送信周期が短いものの場合には、前記衝突によってフレームの送信待ちが生じた場合に、その到着期限を超過したフレームが送信されてしまうことがあった。
とりわけ、ゲートウェイなどによって中継されるフレームは、送信側の電子制御ユニットと受信側の電子制御ユニットが同じバス内に配置される場合に受信側に到着するフレームに比べて遅れてしまうという問題があり、通信速度や通信方式の異なる複数の通信線路をゲートウェイによって連結してなる車載LANを構成する場合には、フレームの到着期限時刻を保証することがさらに難しくなるという問題があった。
本発明は前述の問題を考慮に入れてなされたものであり、その目的は、フレームの到着期限を超えて到着するフレームの数を最小にすることができる電子制御ユニットおよびフレーム優先度設定方法を提供することである。
前記課題を解決するため、本発明は、
共通の通信線路に接続してフレームの送受信を行う車載LAN通信手段と、
送信対象の各フレームに、その到着期限時刻に基づく優先度を設定する優先度設定手段とを備え、
前記車載LAN通信手段が各フレームをその優先度に従った優先順位で通信線路に送信するものであることを特徴とする電子制御ユニット
を提供している。
共通の通信線路に接続してフレームの送受信を行う車載LAN通信手段と、
送信対象の各フレームに、その到着期限時刻に基づく優先度を設定する優先度設定手段とを備え、
前記車載LAN通信手段が各フレームをその優先度に従った優先順位で通信線路に送信するものであることを特徴とする電子制御ユニット
を提供している。
前記電子制御ユニットによれば、優先度設定手段が各フレームの到着期限時刻に基づいて優先度が設定されるので、到着期限時刻が早い(小さい)順に優先度を設定することができる。なお、前記優先度は到着期限時刻だけに基づいて設定されるものであってもよいが、フレームの重要度とフレームの到着期限時刻の両方を用いて、重要度と到着時刻の両方に基づく優先度を設定するものであってもよい。
フレームに付与された識別情報が、フレームを特定するためのフレーム識別情報と、当該フレームの優先度を定める優先度識別情報とからなる場合には、前記優先度設定手段は当該優先度識別情報に前記到着期限時刻に基づく優先度を設定することができる。一方、前記識別情報のほぼすべてがフレームを特定するためのフレーム識別情報である場合には、このフレーム識別情報の上位ビットに到着期限時刻に基づく優先度を設定してなる優先度識別情報を加えることが好ましい。
前記車載LAN通信手段は、優先度設定手段によって設定された優先度に従った優先順位でフレームを通信線路に送信するので、到着期限時刻が早いフレームは高い優先順位で送信することができる。つまり、到着期限が迫ったものであればあるほど優先的に送信されるので、到着期限時刻の保証を行うことができる。
前記通信線路に接続される全ての電子制御ユニットの間で同期される基準時刻を計測する時刻計測手段を備え、
前記優先度の設定に用いられる前記到着期限時刻は前記基準時刻に基づく絶対時刻であることが好ましい。
この場合、すべての電子制御ユニットの時刻計測手段が同じ基準時刻を計測しているので、送信するべきフレームの生成時にこの基準時刻に基づく絶対時刻で優先度を設定することができる。時刻計測手段は時刻同期をとるための時刻同期フレームによって同期させられることが好ましく、この時刻同期フレームを送信するタイミングは時刻計測手段によって計測される基準時刻が計数できる上限に達するより前の時点であることが好ましい。同期フレームは前記通信線路に接続される一つの電子制御ユニットが送信することが好ましい。
前記優先度の設定に用いられる前記到着期限時刻は前記基準時刻に基づく絶対時刻であることが好ましい。
この場合、すべての電子制御ユニットの時刻計測手段が同じ基準時刻を計測しているので、送信するべきフレームの生成時にこの基準時刻に基づく絶対時刻で優先度を設定することができる。時刻計測手段は時刻同期をとるための時刻同期フレームによって同期させられることが好ましく、この時刻同期フレームを送信するタイミングは時刻計測手段によって計測される基準時刻が計数できる上限に達するより前の時点であることが好ましい。同期フレームは前記通信線路に接続される一つの電子制御ユニットが送信することが好ましい。
前記優先度の設定に用いられる前記到着期限時刻は到着期限までの時間的長さを表す値であり、
時間の経過に伴って送信待ちフレームの前記優先度を引き上げる優先度調節手段を有することが好ましい。
この場合、各電子制御ユニットの時刻同期をとる必要がない。
時間の経過に伴って送信待ちフレームの前記優先度を引き上げる優先度調節手段を有することが好ましい。
この場合、各電子制御ユニットの時刻同期をとる必要がない。
送信待ちフレームを順次一時的に記憶する送信バッファと、
送信バッファ内のフレームの送信順番をその優先度に合わせて並べ替える並べ替え処理手段とを備えることが好ましい。
この場合、一つの電子制御ユニットにおいて複数の送信待ちフレームが生じるときに、送信待ちフレームを送信バッファ内に記憶させることができると共に、並べ替え処理手段が各送信待ちフレームの送信順番をその優先度に合わせて並べ替えるので、到着期限時刻が早い順に送信処理を行うことができる。
送信バッファ内のフレームの送信順番をその優先度に合わせて並べ替える並べ替え処理手段とを備えることが好ましい。
この場合、一つの電子制御ユニットにおいて複数の送信待ちフレームが生じるときに、送信待ちフレームを送信バッファ内に記憶させることができると共に、並べ替え処理手段が各送信待ちフレームの送信順番をその優先度に合わせて並べ替えるので、到着期限時刻が早い順に送信処理を行うことができる。
前記車載LAN通信手段を複数備え、
一つの車載LAN通信手段を介して受信するフレームを他の車載LAN通信手段を介して送信するフレームの中継機能を備えた中継処理手段を有することが好ましい。
前記電子制御ユニットはゲートウェイなどの中継処理を行うものであっても、ゲートウェイ機能を備えたECUであってもよいが、中継処理を行うことによってフレームの遅れが発生してる場合は必然的に到着期限時刻が迫るので、このフレームの優先度を引き上げることができる。つまり、中継処理を行うフレームの到着期限時刻を守ることができるように優先度を設定することができる。
一つの車載LAN通信手段を介して受信するフレームを他の車載LAN通信手段を介して送信するフレームの中継機能を備えた中継処理手段を有することが好ましい。
前記電子制御ユニットはゲートウェイなどの中継処理を行うものであっても、ゲートウェイ機能を備えたECUであってもよいが、中継処理を行うことによってフレームの遅れが発生してる場合は必然的に到着期限時刻が迫るので、このフレームの優先度を引き上げることができる。つまり、中継処理を行うフレームの到着期限時刻を守ることができるように優先度を設定することができる。
さらに、本発明は、
複数の電子制御ユニットが同一の通信線路を用いてフレームの送受信を行う車載LANにおいて、
前記電子制御ユニットから送信する各フレームに、その到着期限時刻に基づく優先度を設定することを特徴とするフレーム優先度設定方法
を提供する。
複数の電子制御ユニットが同一の通信線路を用いてフレームの送受信を行う車載LANにおいて、
前記電子制御ユニットから送信する各フレームに、その到着期限時刻に基づく優先度を設定することを特徴とするフレーム優先度設定方法
を提供する。
前記方法によれば、送信する各フレームの到着期限時刻が迫っているフレームを他のフレームに比べて優先して送信処理を行うことができるので、可能な限り到着期限時刻を保証するように送信処理を行うことができる。
前述したように、本発明によれば、各フレームの到着期限時刻に基づく優先度が設定されているので、到着期限時刻が迫っているフレームを他のフレームに比べて優先して送信処理を行うことができるので、通信負荷率が引き上げられた状態であっても各フレームの到着期限時刻を超えて到着するフレームを減少させることができる。すなわち、送信側の電子制御ユニットにおいて指定した遅延時間を保証することができる通信負荷率を高くすることができる。
本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
図1乃至図2は、本発明の実施形態を示し、図1に示す車載LAN1は、本発明の第1実施形態に関係する複数の電子制御ユニット2(以下、ECUという)を、単一の通信線路3を介して接続してなるものである。なお、以下の説明において各ECU2を区別する時には符号2A,2B,2Cを用いる。前記通信線路3は具体的にはCANに準拠する車載LANのバスであり、以下、CANバス3という。
図1乃至図2は、本発明の実施形態を示し、図1に示す車載LAN1は、本発明の第1実施形態に関係する複数の電子制御ユニット2(以下、ECUという)を、単一の通信線路3を介して接続してなるものである。なお、以下の説明において各ECU2を区別する時には符号2A,2B,2Cを用いる。前記通信線路3は具体的にはCANに準拠する車載LANのバスであり、以下、CANバス3という。
前記ECU2は、前記CANバス3に接続してフレームの送受信を行う車載LAN通信手段10と、センサSa,Sb,Scなどの電装機器を接続してデータDa,Db,Dcの入出力を行うインターフェース11と、前記車載LAN通信手段10およびインターフェース11に接続されて演算処理を行う演算処理部12(以下、CPU12という)と、すべてのECU2の間で同期される基準時刻Tを計測する時刻計測手段13とを備えている。
また、CPU12は送信対象の各フレームFに、その到着期限時刻に基づく優先度を設定する優先度設定手段の一例として優先度設定プログラムPaを実行可能に構成されており、送信するべきフレームFa,Fb,Fcを記憶する送信バッファを備える。なお、前記フレームFa,Fb,Fcは先頭部に設けたアービトレーションフィールドにフレームの優先度を示す優先度識別情報IDaとフレームを特定するためのフレーム識別情報IDbとからなる識別情報IDを記録し、これに続いて前記データDa,Db,Dcを記録するように構成されている。
前記車載LAN通信手段10はCPU12に接続されて、CANバス3を介してフレームFを送受信するものであるから、CANに準拠する通信プロトコルにしたがった通信を行うものCANコントローラと電気的な入出力を行うCANトランシーバとを備えるCAN通信手段である。一方、前記インターフェース11は各センサSa,Sb,Scから得られる例えば測定値の信号をデータDa,Da,DcとしてCPU12に入力したり、CPU12からの指示に従って図外のモータなどの制御対象に制御信号を出力するものである。
CPU12は前記インターフェース11や車載LAN通信手段10に接続されて、車載LAN1から受信するフレームFを用いて制御対象を制御したり、センサSa,Sb,Scから得られる測定値などのデータDa,Da,Dcを用いてフレームFa,Fb,Fcを生成して車載LAN1に送信する処理を行うものである。
時刻計測手段13はCPU12に接続されて全てのECU2の間で共通の絶対時刻となる前記基準時刻Tを計測して、CPU12に出力すると共に、CPU12からのリセット信号Rによって基準時刻Tをリセットする機能を有するものである。また、時刻計測手段13によって計測できる時刻には上限があるので、計測する時刻が上限に達するまでにすべての時刻計測手段13は例えば時刻同期リセット用のフレームが車載LAN1上に送信されることにより一斉にリセットされる。
図1は、すべての時刻計測手段13は同じ時刻T=2000msを指しており、センサSa,Sb,Scからそれぞれ許容遅延時間ta=50,50,200msで優先度がそれぞれ「10」,「5」,「3」のデータDa,Da,Dcを入力し、これらをフレームFa,Fb,Fcに変換して車載LAN1に送信する例を示している。
前記許容遅延時間taは、各センサSa,Sb,Scによって測定されたデータDa,Da,Dcの有効期限ということもでき、測定値の種類によって異なっているが、例えばフレームFa,Fb,Fcの送信周期の20パーセントの値とすることにより、妥当な許容遅延時間taを設定することができる。この場合、前記データDa,Da,Dcの送信周期はそれぞれ250,250,1000msである。
前記CPU12は前記データDa,Db,Dcを用いて送信フレームFa,Fb,Fcを生成する場合に、前記優先度設定プログラムPaを実行することにより、その到着期限時刻に基づく優先度を設定する。すなわち、前記時刻計測手段13から基準時刻T(図1の場合2000ms)を入力し、式(1)に示すように、基準時刻Tに前記許容遅延時間taを加算して到着期限時刻Ttを求めて、この到着期限時刻Ttの下位に前記既存の優先度を加算して、前記優先度識別情報IDaを設定する。
Tt=T+ta … 式(1)
Tt=T+ta … 式(1)
図1の例においては、フレームFa,Fb,Fcに優先度識別情報IDaとして、それぞれ「205010」,「205005」,「220003」が設定される。従って、フレームFa,Fb,Fcの優先順位はフレームFb→フレームFa→フレームFcの順番になる。
図2に示すように、前記フレームFa,Fb,Fcが時点T1において同時に車載LAN1に送信されようとした場合には、時点T1から始まる送信においてはフレームFbの優先度識別情報IDaとして設定された優先度「205005」が他のフレームFa,Fcの優先度「205010」,「220003」に比べて小さいので、前記車載LAN通信手段10はフレームFbを優先的にCANバス3に送信することができる。同様に、時点T2から始まる送信においてはフレームFaがフレームFcよりも優先的に送信される。
上述したように、優先度設定プログラムPaの実行によって各フレームの優先度識別情報IDaが到着期限時刻Ttに基づく値となっているので、優先度識別情報IDaの大きさが小さい順、つまり、到着期限時刻Ttが早い順に優先的にフレームFを送信することができる。また、この優先度識別情報IDaにフレームFの到着期限時刻Ttのみならず、既存の優先度「10」,「5」,「3」も含ませているので、到着期限時刻Ttが同時刻である場合は既存の優先度「10」,「5」,「3」に応じた優先順位を定めることができる。
すなわち、本発明のECU2を用いることにより、通信負荷率が上がったためにフレームの送信時点が他のECU2と重なる事態が生じたときには、到着期限時刻が最も早いフレームが最も優先的に送信されるので、できるだけ全てのメッセージを到着期限時刻以内に到達させることができる。
図3,4は中継機能を有する第2実施形態にかかる電子制御ユニット20の構成を示す図である。
図3に示すように電子制御ユニット20に複数の車載LAN通信手段10a,10bを設け、電子制御ユニット20が一つの車載LAN通信手段10a,10bを介して受信するフレームを他の車載LAN通信手段10b,10aを介して送信する中継処理手段を有する場合には、電子制御ユニット20がゲートウェイとしての機能する。従って、以下の説明では電子制御ユニット20をゲートウェイ20という。
図3に示すように電子制御ユニット20に複数の車載LAN通信手段10a,10bを設け、電子制御ユニット20が一つの車載LAN通信手段10a,10bを介して受信するフレームを他の車載LAN通信手段10b,10aを介して送信する中継処理手段を有する場合には、電子制御ユニット20がゲートウェイとしての機能する。従って、以下の説明では電子制御ユニット20をゲートウェイ20という。
ゲートウェイ20は一方の車載LAN通信手段10aを介して通信線路3aに接続され、他方の車載LAN通信手段10bを介して通信線路3bに接続される。また、21aは車載LAN通信手段10aを介して送信するべき送信待ちフレームFを一時的に記憶する送信バッファであり、21bは車載LAN通信手段10bを介して送信するべき送信待ちフレームFを一時的に記憶する送信バッファである。なお、以下の説明において送信バッファ21a,21bを区別する必要がない場合は符号21を用いる。
図3に示す例において、通信線路3aに接続される各ECU2D…に設けた時刻計測手段13aによって測定される基準時刻Taは2000ms、通信線路3bに接続される各ECU2E…に設けた時刻計測手段13bによって測定される基準時刻Tbは2800msである。
ゲートウェイ20は両車載LAN1のセグメント内における基準時刻Ta,Tbの差分(本例では800ms)を求めている。これによって、ゲートウェイ20内の優先度設定手段を構成する優先度設定プログラムPbは、中継元のセグメントから受信したフレームFdに付与された優先度識別情報IDaに記録された到着期限時刻を、中継先のセグメントの基準時刻Tbに合わせて調節したフレームFd’を生成する。このとき現在時刻の差分Tdは以下の式(2)によって求められる。
現在時刻増分Td=中継先セグメント内の基準時刻Tb
−中継元セグメント内の基準時刻Ta …式(2)
現在時刻増分Td=中継先セグメント内の基準時刻Tb
−中継元セグメント内の基準時刻Ta …式(2)
また、PcはCPU12によって実行されることにより前記送信バッファ21a,21b内のフレームFの送信順番をその優先度に合わせて並べ替える並べ替え処理手段として機能する並べ替え処理プログラムである。
図4に示すように、送信バッファ21内に優先度識別情報IDaとして「204510」,「215003」が付与されたフレームFa、Fbが記憶されている場合に、さらに新たに優先度識別情報IDaとして「202030」が付与されたフレームFcが送信待ちフレームとして記憶された場合を考える。ここで、前記並べ替え処理プログラムPcは送信バッファ21に記憶されたフレームFa〜Fcの送信順番をその優先度に合わせて並べ変えると、最後に記憶されたフレームFcが最も優先される。
上述のように構成された送信バッファ21はゲートウェイ20のみならず第1実施形態に示すECU2内にも設けられてもよい。しかしながら、ゲートウェイ20に上述のように構成された送信バッファ21を設け、並べ替え処理手段Pcを設けることにより、中継によって必然的に遅延が生じるようなフレームFをその到着期限時刻以内に送信できるように、送信順番を適正に入れ替えることができる。
なお、その他の構成は図1、2と同じであるから、その詳細な説明を省略する。
なお、その他の構成は図1、2と同じであるから、その詳細な説明を省略する。
特に、電子制御ユニットがゲートウェイ20のようにフレームFの中継機能を有する場合には、フレームFの送信時点において既に到着期限時刻を超えた遅刻フレームが発生するという事態が生じることも考えられる。この場合、遅刻フレームをゲートウェイ20またはECU2内において廃棄することにより無駄なフレームの送信によって通信負荷率が上昇することを防止することが考えられる。
また、前記遅刻フレームを廃棄するとき、例えば、送信待ち遅刻フレーム数に閾値を設け、この閾値を超えたときに、最も遅刻しているフレームから送信待ち遅刻フレームが前記閾値以下になるまで遅刻フレームを破棄することが考えられる。あるいは、送信待ち遅刻フレーム数に2つの閾値(閾値1は閾値2よりも大きい値とする)を設け、送信待ち遅刻フレーム数が閾値1を超えたときに、最も遅刻しているフレームか遅刻フレーム数が閾値2以下になるまで遅刻フレームを廃棄することが考えられる。
図5は第3実施形態にかかる電子制御ユニット2’,20’の構成を示す図である。本実施形態の電子制御ユニット2’,20’はそれぞれ図1〜図4に示すECU2およびゲートウェイ20とほぼ同じであるから、共通する部分を同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。また、電子制御ユニット2’、20’を、以下、それぞれECU2’、ゲートウェイ20’と呼ぶ。
図5にはCANバス3aを介してECU2F…が接続され、CANバス3bを介してECU2G…が接続され、CANバス3a,3b間をゲートウェイ20’によって中継する例を示している。また、FfはECU2Fから送信されるフレーム、FgはECU2Gから送信されるフレームを示している。
本実施形態における各フレームFf,Fgの優先度識別情報IDaには、当該フレームFf,Fgの到着期限までの時間的長さを示す値が記録されており、フレームFf,Fgの生成当時の優先度識別情報IDaはそれぞれ「050」,「100」である。さらに、Pa’はECU2’またはゲートウェイ20’内のCPU12によって実行されることにより、フレームFf,Fgの生成時に許容遅延taに基づく到着期限の相対値を優先度識別情報IDaとして設定する優先度設定手段であり、Pdは前記CPU12によって実行されることにより、前記フレームFf,Fgの優先度識別情報IDaの値を時間の経過に伴って減少させて送信待ちフレームFf,Fgの優先度を引き上げる優先度調節手段として機能する優先度調節プログラムである。
すなわち、前記各フレームFf、Fgの優先度識別情報IDaは生成時に許容遅延時間ta(フレームFfの場合は「050」、フレームFgの場合は「100」)を設定し、送信待ちとなっている時間と共に減少する値であるから、到着期限時刻Ttまでの時間的長さを各時点において示すものである。
図5の例では、ECU2FがフレームFfを生成してからCANバス3aに送信するまでに、送信待ちによって1msが経過しているので、ゲートウェイ20’において受信されたフレームFfに付された優先度識別情報IDaは「049」となる。また、ゲートウェイ20’がフレームFfを中継先のCANバス3bに送信するときに、送信待ちによっって1msが経過しているので、ECU2Gにおいて受信されたフレームFfに付された優先度識別情報IDaは「048」となる。
上述のように構成された、電子制御ユニット2’、20’では全ての電子制御ユニット2’、20’間で同期する基準時刻を計測する時刻計測手段が不要であるから、その構成を簡単にすることができると共に、時刻同期のためのフレームを送信する必要がなくなる。
図6は、本発明の電子制御ユニット2,2’を用いて、1セグメントのCANバス3に通信負荷率80%となる量のフレームを送信した場合における遅延時間の分布を測定した結果を示している。図6(A),6(B)は横軸にフレームの作成から到着までにかかった時間を周期で除算して求めた遅延周期比、縦軸に各遅延周期比の遅延を起こしたフレーム数の分布を示す図である。なお、本実測結果を求めるに際して、遅刻フレームが生じたとしてもこれを廃棄することなく送信するようにした。
図6(A)に示すように、従来の優先度を設定したフレームを送信した場合には、最悪遅延周期比が49%であり、遅延周期比20%を超えるフレームが多く発生することが確認できる。一方、図6(B)に示すように、本発明の到着期限時刻に基づく優先度を設定した場合には、最悪遅延周期比を21%に抑えることができ、遅延周期比20%(すなわち到着期限時刻)を超えるフレームはほとんど発生しないことが確認できる。
上述した各実施形態では、すべての点で例示でああるから、本発明は上述した各実施形態の構成に限定されるものではない。むしろ、本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。すなわち、本発明の効果がある限りにおいて、他の成分が含まれていてもよい。
1 車載LAN
2,2’,20’ 電子制御ユニット(ECU)
3 通信線路
21 送信バッファ
Pa,Pa’ 優先度設定プログラム(優先度設定手段)
Pc 並べ替え処理プログラム(並べ替え処理手段)
Pd 優先度調節プログラム(優先度調節手段)
Fa,Fb… 送信フレーム
2,2’,20’ 電子制御ユニット(ECU)
3 通信線路
21 送信バッファ
Pa,Pa’ 優先度設定プログラム(優先度設定手段)
Pc 並べ替え処理プログラム(並べ替え処理手段)
Pd 優先度調節プログラム(優先度調節手段)
Fa,Fb… 送信フレーム
Claims (6)
- 共通の通信線路に接続してフレームの送受信を行う車載LAN通信手段と、
送信対象の各フレームに、その到着期限時刻に基づく優先度を設定する優先度設定手段とを備え、
前記車載LAN通信手段が各フレームをその優先度に従った優先順位で通信線路に送信するものであることを特徴とする電子制御ユニット。 - 前記通信線路に接続される全ての電子制御ユニットの間で同期される基準時刻を計測する時刻計測手段を備え、
前記優先度の設定に用いられる前記到着期限時刻は前記基準時刻に基づく絶対時刻である請求項1に記載の電子制御ユニット。 - 前記優先度の設定に用いられる前記到着期限時刻は到着期限までの時間的長さを表す値であり、
時間の経過に伴って送信待ちフレームの前記優先度を引き上げる優先度調節手段を有する請求項1に記載の電子制御ユニット。 - 送信待ちフレームを順次一時的に記憶する送信バッファと、
送信バッファ内のフレームの送信順番をその優先度に合わせて並べ替える並べ替え処理手段とを備える請求項1乃至3の何れか1項に記載の電子制御ユニット。 - 前記車載LAN通信手段を複数備え、
一つの車載LAN通信手段を介して受信するフレームを他の車載LAN通信手段を介して送信するフレームの中継機能を備えた中継処理手段を有する請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の電子制御ユニット。 - 複数の電子制御ユニットが同一の通信線路を用いてフレームの送受信を行う車載LANにおいて、
前記電子制御ユニットから送信する各フレームに、その到着期限時刻に基づく優先度を設定することを特徴とするフレーム優先度設定方法。
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