JP2007294730A - 反射導電膜形成用塗料と反射導電膜及びその製造方法並びに太陽電池 - Google Patents

反射導電膜形成用塗料と反射導電膜及びその製造方法並びに太陽電池 Download PDF

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Abstract

【課題】光反射率、導電性、密着性に優れた膜を形成するための反射導電膜形成用塗料と反射導電膜及びその製造方法、並びにこの反射導電膜を裏面反射電極に適用した太陽電池を提供する。
【解決手段】本発明の反射導電膜形成用塗料は、銀ナノ粒子および/または銀合金ナノ粒子からなる導電性の金属ナノ粒子と、エチレングリコール、N−メチル−2−ピロリドン等の沸点が150℃以上の有機溶媒とを含有したことを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、反射導電膜形成用塗料と反射導電膜及びその製造方法並びに太陽電池に関し、更に詳しくは、光反射率、導電性、密着性に優れた膜を形成するための反射導電膜形成用塗料、この反射導電膜形成用塗料を用いて形成された反射導電膜及びその製造方法、この反射導電膜を裏面反射電極に適用した太陽電池に関するものである。
近年、クリーンエネルギーの観点から太陽電池の研究開発が進められ、実用化がなされている。太陽電池の中でも、エネルギーの変換効率の点から、多結晶や単結晶のシリコンを用いた結晶系太陽電池が市場の9割を占めている。
この結晶系太陽電池は、今後、急速な市場拡大が見込まれており、この急速な市場拡大のためには、太陽電池の問題点であるシリコンの供給不足並びに低コスト化が課題として挙がってきている。
この課題を解決するために、シリコンの使用量を削減できる非晶質シリコンの薄膜を光電変換層に用いた薄膜太陽電池の研究開発が盛んに行われている。薄膜太陽電池は、シリコンの量を削減できるだけでなく、薄型化、大面積化、低コスト化、高量産化が可能であることから、近年、期待が高まっている。
ところで、この薄膜太陽電池は、結晶系太陽電池と比較してエネルギー変換効率が劣っているという欠点があり、この欠点を克服する一つの手段として、薄膜太陽電池の裏面側に、アルミニウム、銀、銅、金等の金属もしくは合金からなる高反射率の裏面反射膜を形成した構造が提案されている(特許文献1参照)。
この裏面反射膜は、非晶質シリコンからなる光電変換層を通過した光を反射して再度光電変換層に回帰させ、この光電変換層にて吸収させることにより、出力電流を増加させ、太陽光に対する光電変換効率を向上させるとともに、光エネルギーの損失分を小さくするものである。
このような裏面反射膜は、通常スパッタ法により成膜されている。
特開2004−214541号公報
ところで、従来の薄膜太陽電池の裏面反射膜を成膜する際に用いられているスパッタ法は、膜厚制御、膜特性確保、基板との密着等の点で優れた方法であるが、スパッタ装置が真空技術を用いた装置であるために、薄膜太陽電池の大型化に伴い、スパッタ装置を大型化しようとすると、装置自体が非常に大掛かりな構成になり、投資コストが高くなってしまうという問題点があった。
一方、透明基材上に安価かつ容易に反射膜(金属光沢膜)を形成する方法として、銀系微粒子を含む塗料を塗布・乾燥する塗布法が知られており、この塗布法により裏面反射膜を形成することも可能ではあるが、銀系微粒子を使用した裏面反射膜では、光反射性能、導電性能が不足しており、かつ透明基材との密着性が確保できないという問題点があった。
また、銀系微粒子を含む塗料にバインダー成分を添加することにより、透明基材との密着性を確保することも可能であるが、バインダー成分を添加することで光反射性、導電性の低下を招き、裏面反射電極として十分な膜特性を得ることが難しいという問題点があった。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、光反射率、導電性、密着性に優れた膜を形成するための反射導電膜形成用塗料と反射導電膜及びその製造方法、並びにこの反射導電膜を裏面反射電極に適用した太陽電池を提供することを目的とする。
本発明者等は、反射導電膜の特性である光反射率、導電性、密着性を改良するために鋭意検討を重ねた結果、導電性の金属ナノ粒子と、沸点が150℃以上の有機溶媒とを含む反射導電膜形成用塗料を用いて反射導電膜を形成すれば、可視光線に対する反射率が高く、導電性に優れ、さらには密着性にも優れていることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の反射導電膜形成用塗料は、導電性の金属ナノ粒子と、沸点が150℃以上の有機溶媒とを含有してなることを特徴とする。
前記金属ナノ粒子は、銀ナノ粒子および/または銀合金ナノ粒子であることが好ましい。
前記有機溶媒は、多価アルコールおよび/またはアミドを1種以上含むことが好ましい。
本発明の反射導電膜は、本発明の反射導電膜形成用塗料を塗布し成膜してなることを特徴とする。
膜厚は0.2μm以下であることが好ましい。
本発明の反射導電膜の製造方法は、透明基材上に、本発明の反射導電膜形成用塗料を塗布して塗膜を形成し、この塗膜にエネルギーを負荷させて前記金属ナノ粒子同士を接合し、光反射性及び導電性を有する膜とすることを特徴とする。
本発明の太陽電池は、本発明の反射導電膜からなる反射電極を備えたことを特徴とする。
本発明の反射導電膜形成用塗料によれば、導電性の金属ナノ粒子と、沸点が150℃以上の有機溶媒とを含有したので、この沸点が150℃以上の有機溶媒が基材との密着性を向上させることで、可視光線に対する高い反射率、高い導電性、高い密着性を有する反射導電膜を安価に得ることができる。
本発明の反射導電膜によれば、本発明の反射導電膜形成用塗料を塗布し成膜したので、可視光線に対する反射率及び導電性を高めるとともに、密着性をも高めることができる。
本発明の反射導電膜の製造方法によれば、透明基材上に、本発明の反射導電膜形成用塗料を塗布して塗膜を形成し、この塗膜にエネルギーを加えて前記金属ナノ粒子同士を接合し、光反射性及び導電性を有する膜とするので、可視光線に対する高い反射率、高い導電性、高い密着性を有する反射導電膜を容易かつ安価に形成することができる。
本発明の太陽電池によれば、本発明の反射導電膜からなる反射電極を備えたので、可視光線に対する高い反射率、高い導電性、高い密着性を有する反射電極を容易かつ安価に形成することができる。したがって、反射電極の高い反射率及び高い導電性という膜特性と、密着性とを両立させることができ、太陽電池の薄型化、大面積化、低コスト化、高量産化の要求に対応することができる。
本発明の反射導電膜形成用塗料と反射導電膜及びその製造方法並びに太陽電池を実施するための最良の形態について説明する。
なお、この形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
「反射導電膜形成用塗料」
本発明の反射導電膜形成用塗料は、導電性の金属ナノ粒子と、沸点が150℃以上の有機溶媒とを含有してなる塗料である。
ここで、金属ナノ粒子としては、銀ナノ粒子および/または銀合金ナノ粒子が好ましい。
これら銀ナノ粒子や銀合金ナノ粒子は、導電性、光反射率ともに優れているので、可視光線に対する高い反射率、高い導電性を有する反射導電膜、特に薄膜太陽電池の裏面反射電極として好適である。
この銀ナノ粒子および/または銀合金ナノ粒子の分散粒子径は、例えば、5nm以上かつ200nm以下が好ましく、より好ましくは10nm以上かつ150nm以下である。
ここで、銀ナノ粒子および/または銀合金ナノ粒子の分散粒子径を上記のように限定した理由は、分散粒子径が5nm以上かつ200nm以下の微細な粒子であれば、この粒子を含む塗料を用いて塗膜を形成した場合、塗膜中にて光が反射され易くなり、したがって、塗膜の反射率が向上するからである。なお、分散粒子径が200nmを超えると、粒子が光を散乱し、その結果、光反射率が低下する慮があるからであり、また、粒子径が5nm未満であると、粒子間の接触抵抗が大きくなり、その結果、導電性が低下し、導電膜としての機能を満足しなくなるからである。
一般に、金属をナノ粒子化する場合、イオン化傾向の大きい金属は表面の活性が高いために粒子の表面が酸化され易いという性質があり、安定してナノ粒子を得るためには、粒子の表面に特殊な処理を施す必要がある。一方、銀または銀合金をナノ粒子化する場合、銀または銀合金が貴金属に属するためにイオン化傾向が非常に小さく、粒子の表面が酸化され難い。したがって、安定してナノ粒子を得ることができ、しかも粒径制御、分散安定性等を比較的容易に制御することが可能である。
銀ナノ粒子および/または銀合金ナノ粒子は、乾式、錯体分解等、種々の方法により作製が可能であるが、金属イオンの還元反応を用いた方法、いわゆるコロイドによる方法が好ましい。その理由は、金属イオンの還元反応を用いた方法は、簡便な装置でナノ粒子を容易に作製することが可能であり、量産性にも優れているからである。また、金属イオンの還元反応時に銀以外の金属イオンを添加することで、銀合金ナノ粒子を容易に得ることができるからである。また、分散剤の選択幅が広く、コロイド化が容易である。また、水溶液中で還元反応を生じさせるので、可燃物溶剤を用いた場合のような危険性が無く、安全である。
この銀ナノ粒子および/または銀合金ナノ粒子の含有率は、塗料全体量に対して3重量%以上かつ80重量%以下が好ましく、より好ましくは10重量%以上かつ50重量%以下である。
ここで、銀ナノ粒子および/または銀合金ナノ粒子の含有率を上記のように限定した理由は、含有率が3重量%未満では、膜厚が薄くなりすぎるために、導電性及び反射性において十分な性能が得られないからであり、一方、含有率が80重量%を越えると、塗料の分散安定性が悪化するからである。
沸点が150℃以上の有機溶媒の含有率は、塗料全体量に対して5重量%以下が好ましい。沸点が150℃以上の有機溶媒の含有率を5重量%以下と限定した理由は、含有率が5重量%を越えると、塗膜の乾燥速度が遅くなりすぎるために金属ナノ粒子が凝集してしまい、塗膜の均一性が低下する虞があるからであり、また、生産工程に移行した場合に乾燥に要する時間が長くなり、生産効率が低下してしまうからである。
沸点が150℃以上の有機溶媒は、塗膜と透明基材との密着性を確保する役割を担うものであり、この沸点が150℃以上の有機溶媒としては、沸点が150℃以上の多価アルコールおよび/またはアミドを1種以上含むことが好ましい。
その理由は、導電性の金属ナノ粒子及び沸点が150℃以上の有機溶媒を含む塗料を塗布した塗膜は、その乾燥過程にて有機溶媒が徐々に散逸するために、結果として有機溶媒の蒸発速度を制御することとなる。これにより、透明基材上に集積される銀ナノ粒子または銀合金ナノ粒子の緻密性が増し、その結果、塗膜と透明基材との密着性が確保されるからである。
沸点が150℃以上の有機溶媒としては、多価アルコールおよび/またはアミドを1種以上含むことが好ましく、多価アルコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ブタンジオール、トリエチレングリコール、グリセリン等が挙げられる。また、アミドとしては、N−メチルホルムアミド、N,N,−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ホルムアミド、N,N,−ジメチルアセトアミド、アセトアミド、ε−カプロラクタム等が挙げられる。
これらの中でも、特に、エチレングリコール、N−メチル−2−ピロリドンが好適である。
この沸点が150℃以上の有機溶媒以外に、沸点が150℃未満の溶媒を含んでいてもよい。この溶媒としては、特に限定されるものではないが、例えば、水、メタノール、エタノール、2−プロパノール、n−ブタノール、2−ブタノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、β−オキシエチルメチルエーテル(メチルセロソルブ)、β−オキシエチルエーテル(エチルセロソルブ)、ブチル−β−オキシエチルエーテル(ブチルセロソルブ)、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のエチレングリコールのモノエーテル類(セロソルブ類)、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素等が好適に用いられる。
「反射導電膜」
本発明の反射導電膜は、本発明の反射導電膜形成用塗料を塗布し成膜することにより得ることができる。
まず、透明基材上に、本発明の反射導電膜形成用塗料を塗布して塗膜を形成する。
この反射導電膜形成用塗料は、導電性の金属ナノ粒子と、沸点が150℃以上の有機溶媒とを含有することにより、各種塗布装置に適した配合とすることができる。塗布装置としては、例えば、薄膜太陽電池用の大型透明基材に直接塗布することができるものであればよく、特に限定されないが、例えば、スピンコート法、ディップコート法、フローコート法、キャップコート法、スリットコート法、スプレーコート法、グラビアコート法等、通常のコーティング法を適用することが可能である。
この塗膜を乾燥させることにより、透明基材上に銀系ナノ粒子の塗膜を形成することができる。ただし、この塗膜の状態では、光反射性及び導電性が不十分である。
そこで、この塗膜にエネルギーを負荷することにより、銀ナノ粒子および/または銀合金ナノ粒子同士を接合させ、光反射性及び導電性に優れた膜とすることができる。負荷するエネルギーとしては、熱、紫外線、赤外線、電子線、マイクロ波、プラズマ等、粒子同士が結合するエネルギーであればとくに指定はない。
このようにして得られた反射導電膜の膜厚は、0.2μm以下が好ましい。
ここで、反射導電膜の膜厚を0.2μm以下と限定した理由は、膜厚が0.2μmを越えると、銀ナノ粒子および/または銀合金ナノ粒子にエネルギーを負荷してナノ粒子同士を結合する際に発生する内部応力が大きくなり、密着性が低下してしまうからである。
以上により、透明基材上に、可視光線に対する高い反射率、高い導電性、高い密着性を有する反射導電膜を容易かつ安価に形成することができる。
「太陽電池」
図1は、本発明の一実施形態の太陽電池を示す断面図であり、図において、1はガラス基板(透明基材)、2はスズ添加酸化インジウム(ITO)等からなる透明導電層、3はp層、i層及びn層を積層してなる半導体光電変換層、4は本発明の反射導電膜を適用した裏面反射電極である。図中、矢印が入射光5を示している。
この太陽電池によれば、本発明の反射導電膜を適用した裏面反射電極4を備えているので、可視光線に対する高い反射率、高い導電性、高い密着性を有する裏面反射電極4を容易かつ安価に形成することができる。
したがって、裏面反射電極4の高い反射率及び高い導電性という膜特性と、ガラス基板1との密着性とを両立させることができ、太陽電池の薄型化、大面積化、低コスト化、高量産化の要求に対応することができる。
以下、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
まず、実施例1、2及び比較例1〜3に共通の銀ナノ粒子分散液を作製した。
クエン酸ナトリウム二水和物を純水に溶解し、30重量%のクエン酸ナトリウム水溶液を作製した。また、硫酸第一鉄七水和物を純水に溶解し、20重量%の硫酸第一鉄水溶液を作製した。
次いで、このクエン酸ナトリウム水溶液90gと、硫酸第一鉄水溶液128gと、純水625gとを混合し、溶液Aとした。次いで、この溶液Aを10℃に保持した状態で、10重量%の硝酸銀水溶液157gを添加し、赤褐色の銀ナノ粒子ゾルを作製した。次いで、この銀ナノ粒子ゾルを遠心分離にて水洗して不純物イオンを除去した後、純水を加え、銀ナノ粒子を25重量%含む銀ナノ粒子分散液Aを作製した。
次いで、この銀ナノ粒子分散液Aを用いて実施例1、2及び比較例1〜3各々の反射導電膜を作製した。
「実施例1」
銀ナノ粒子分散液A 50重量%
メタノール 9.5重量%
ブチルセロソルブ 20重量%
メタノール変性エタノール 20重量%
エチレングリコール 0.5重量%
となるようにこれらを混合・分散し、反射導電膜形成用塗料Aを作製した。
この反射導電膜形成用塗料Aを塗布機(スピンコート 550rpm)を用いてガラス基板上へ塗布し、次いで、このガラス基板をホットプレート上に載置して塗料A中の有機溶媒を蒸発させ、その後、大気中、200℃にて30分間焼成を行い、実施例1の反射導電膜を作製した。この反射導電膜の膜厚は0.12μmであった。
「実施例2」
銀ナノ粒子分散液A 50重量%
メタノール 9.5重量%
ブチルセロソルブ 20重量%
メタノール変性エタノール 20重量%
N−メチル−2−ピロリドン 0.5重量%
となるようにこれらを混合・分散し、反射導電膜形成用塗料Bを作製した。
この反射導電膜形成用塗料Bを塗布機(スピンコート 550rpm)を用いてガラス基板上へ塗布し、次いで、このガラス基板をホットプレート上に載置して塗料B中の有機溶媒を蒸発させ、その後、大気中、200℃にて30分間焼成を行い、実施例2の反射導電膜を作製した。この反射導電膜の膜厚は0.14μmであった。
「比較例1」
実施例1にて作製した反射導電膜形成用塗料Aを用いて、塗布機(スピンコート 550rpm)にてガラス基板上へ塗布し、次いで、このガラス基板をホットプレート上に載置して塗料A中の有機溶媒を蒸発させ、比較例1の反射導電膜を作製した。この反射導電膜の膜厚は0.12μmであった。
「比較例2」
銀ナノ粒子分散液A 50重量%
メタノール 10重量%
ブチルセロソルブ 20重量%
メタノール変性エタノール 20重量%
となるようにこれらを混合・分散し、反射導電膜形成用塗料Cを作製した。
この反射導電膜形成用塗料Cを塗布機(スピンコート 550rpm)を用いてガラス基板上へ塗布し、次いで、このガラス基板をホットプレート上に載置して塗料C中の有機溶媒を蒸発させ、その後、大気中、200℃にて30分間焼成を行い、比較例2の反射導電膜を作製した。この反射導電膜の膜厚は0.12μmであった。
「比較例3」
実施例1にて作製した反射導電膜形成用塗料Aを用いて、塗布機(スピンコート 250rpm)にてガラス基板上へ塗布し、次いで、このガラス基板をホットプレート上に載置して塗料A中の有機溶媒を蒸発させ、その後、大気中、200℃にて30分間焼成を行い、比較例3の反射導電膜を作製した。この反射導電膜の膜厚は0.22μmであった。
「反射導電膜の特性の評価」
実施例1、2及び比較例1〜3それぞれの反射導電膜における膜厚、可視光反射率、表面抵抗、密着性の評価を行った。評価方法は下記のとおりである。
(1)膜厚
膜厚計 TENCOR P−10(ケーエルエー・テンコール株式会社製)を用いて膜厚を測定した。
(2)可視光反射率
分光光度計 U−3400(日立製作所製)を用いて、アルミニウム蒸着膜を対照として、300nm〜1100nmの波長における反射率を測定し、可視光領域における平均反射率を算出した。
(3)表面抵抗
表面抵抗計 ロレスタMP MCP−T350(三菱化学社製)を用いて測定した。
(4)密着性
引張試験機 529−141(ASKUL社製)を用い、ガラス基材上に形成された膜に1cmの大きさの粘着性テープを貼り付け、十分に密着させた後、この粘着性テープを350gの荷重にて斜め45°に引っ張り上げたときのガラス基板と膜との密着性を評価した。
ここでは、膜がガラス基板上に完全に残った場合を「○」、膜の一部がガラス基板上に残った場合を「△」、膜全体が剥がれた場合を「×」とした。
Figure 2007294730
表1によれば、実施例1及び比較例1により、塗膜の焼成条件で可視光反射率、表面抵抗が変わることが分かった。
実施例1では、塗膜を大気中、200℃にて30分間焼成することにより、可視光反射率、表面抵抗、密着性の全ての項目において良好な結果が得られることが確認された。
一方、比較例1では、可視光反射率が低く、また表面抵抗も高く、反射導電膜としては不十分なものであった。
また、比較例2では、可視光反射率及び表面抵抗共に良好で、優れた反射特性および抵抗特性が得られたものの、膜とガラス基板との密着性は得られなかった。
これらの結果から、反射導電膜形成用塗料Aに含まれるエチレングリコールが膜とガラス基板との密着性を保持するのに有効な有機溶媒であることが確認された。
また、比較例3においても、優れた反射特性および抵抗特性は得られるものの、膜とガラス基板との密着性は得られなかった。比較例3及び実施例1により、膜厚を0.2μm以下とすることで安定した密着性を得ることができることが分かった。
以上により、本発明の反射導電膜形成用塗料によれば、導電性の金属ナノ粒子と、エチレングリコール等の高沸点溶剤である沸点が150℃以上の有機溶媒とを含有してなることとしたことにより、ガラス基板上に、高い反射特性、優れた抵抗特性および密着性を兼ね備えた反射導電膜を形成することができることが分かった。
本発明の反射導電膜形成用塗料は、導電性の金属ナノ粒子と、沸点が150℃以上の有機溶媒とを含有したことにより、可視光線に対する高い反射率、高い導電性、高い密着性を有する反射導電膜を安価に得ることができるものであるから、この反射導電膜が適用される太陽電池の反射電極はもちろんのこと、可視光線に対する高い反射率、高い導電性、高い密着性を兼ね備えることが要求される様々な工業分野においても、その効果は大である。
本発明の一実施形態の太陽電池を示す断面図である。
符号の説明
1 ガラス基板
2 透明導電層
3 半導体光電変換層
4 裏面反射電極
5 入射光

Claims (7)

  1. 導電性の金属ナノ粒子と、沸点が150℃以上の有機溶媒とを含有してなることを特徴とする反射導電膜形成用塗料。
  2. 前記金属ナノ粒子は、銀ナノ粒子および/または銀合金ナノ粒子であることを特徴とする請求項1記載の反射導電膜形成用塗料。
  3. 前記有機溶媒は、多価アルコールおよび/またはアミドを1種以上含むことを特徴とする請求項1または2記載の反射導電膜形成用塗料。
  4. 請求項1、2または3記載の反射導電膜形成用塗料を塗布し成膜してなることを特徴とする反射導電膜。
  5. 膜厚は0.2μm以下であることを特徴とする請求項4記載の反射導電膜。
  6. 透明基材上に、請求項1、2または3記載の反射導電膜形成用塗料を塗布して塗膜を形成し、この塗膜にエネルギーを負荷させて前記金属ナノ粒子同士を接合し、光反射性及び導電性を有する膜とすることを特徴とする反射導電膜の製造方法。
  7. 請求項4または5記載の反射導電膜からなる反射電極を備えたことを特徴とする太陽電池。
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