JP2007292304A - パイプ類の端面閉鎖キャップ - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は軽量で比較的耐水性に富み、しかもパイプ開口端への嵌込みが容易で径寸法に精度を要せず、木槌で開口端に叩き込むだけでパイプ開口端に堅固に嵌合させることができ、使用後配管工事に際しては上記開口部から容易に分離し、地中に埋設してパルプ繊維を地中に自然分解させ得て環境に良好なパイプ類の開口端閉鎖キャップを得ることを目的とする。
【解決手段】截頭錐形側板の小径端に底板3を有し、開口端外周に溝形フランジ4を形成してなる1体のパルプモールド抄製体であって、
上記底板3から上記側板2に至り、さらに上記フランジ4に至る連続面の一面を抄製平坦面となし、他面を抄製粗凹凸面としてなるパイプ類の端面閉鎖キャップ。
【選択図】図1
【解決手段】截頭錐形側板の小径端に底板3を有し、開口端外周に溝形フランジ4を形成してなる1体のパルプモールド抄製体であって、
上記底板3から上記側板2に至り、さらに上記フランジ4に至る連続面の一面を抄製平坦面となし、他面を抄製粗凹凸面としてなるパイプ類の端面閉鎖キャップ。
【選択図】図1
Description
本発明は鋳鉄管、鋼管その他のパイプ類の輸送時における開口端の端面防護キャップに関するものである。
従来、鋳鉄管、鋼管等のパイプ類の開口端を保護するため、開口端の内外周面に嵌合する2重側板を有する合成樹脂等の硬質キャップが開発されている。
上記発明ではパイプ類を水道管として地中に埋め立て、又は地上の配管工事に使用前、開口端の上記硬質キャップは廃棄処分されるものであり、硬度大で自然分解しないため廃棄処分場や設備が現場に設けられている訳ではないため、地上や地中等に廃棄された。廃棄処分された上記合成樹脂等のキャップは分解せず、地上又は地中に残留し、耕作その他に支障を来し環境を汚染するおそれがあった。
又、通常パイプ類は出荷前に仕上げ塗装を行い、その後に上記キャップを装着するが、その際に塗装の際の揮発分(たとえば有機溶剤)が発散しにくい、あるいは匂い(有機溶剤臭)がこもりやすいなどの問題があった。
さらにキャップ開口端のフランジで内外面を挟持するためパイプ内外径にキャップの溝形フランジの寸法を一致させる必要があり、弾力性がなくキャップの径寸法に精度を要した。
従って消耗品であるにも拘わらず使用後の取扱い処分が困難であり加工に精度を要した(例えば特許文献1、2、3)。
本発明は軽量で比較的耐水性に富み、しかもパイプ開口端への嵌込みが容易で径寸法に精度を要せず、木槌で開口端に叩き込むだけでパイプ開口端に堅固に嵌合させることができ、しかも塗装の発揮分が蒸発し易く塗装の剥離を生じない。そして使用後配管工事に際しては上記開口部から容易に分離し、地中に埋設してパルプ繊維を地中に自然分解させ得て環境に良好なパイプ類の開口端閉鎖キャップを得ることを目的とする。
上記の目的を達成するため本発明は
第1に截頭錐形側板の小径端に底板を有し、開口端外周に溝形フランジを形成してなる1体のパルプモールド抄製体であって、上記底板から上記側板に至り、さらに上記フランジに至る連続面の一面を抄製平坦面となし、他面を抄製粗凹凸面としてなるパイプ類の端面閉鎖キャップ、
第2に上記側板に上記開口端から底板に向う方向の凹凸条を形成した上記第1発明記載のパイプ類の端面閉鎖キャップ、
第3に上記抄製体が撥水性パルプモールドによる通気性を有する抄製体である上記第1又は第2発明記載のパイプ類の端面閉鎖キャップ、
第4に上記側板の抄製平坦面をパイプ類の開口端の外周又は内周に接触させる内径又は外径の範囲となした上記第1〜第3発明のいずれかに記載のパイプ類の端面閉鎖キャップ、
第5に上記截頭錐形側板を外側板とし、これと対向する截頭錐形内側板を有する凹部を上記底板に形成し、該凹部から上記底板を経て上記外側板に至り、さらに上記フランジに至る連続面の一面を抄製平坦面とした上記第1〜第4発明のいずれかに記載のパイプ類の端面閉鎖キャップ、
第6に上記内外側板の抄製平坦面をパイプ類の開口端の外周及び内周に接触させる上記第1〜第5発明のいずれかに記載のパイプ類の端面閉鎖キャップ、
第7に上記底板に上記開口端に至る複数の凹部を、上記底板の中心を中心とする放射状に形成した上記第1〜第3発明のいずれかに記載のパイプ類の端面閉鎖キャップ、
第8に上記溝形フランジの外周側板を上記底板側に延長し、かつ該外周側板の内面に延長方向の凹凸条を形成した上記第1〜第3発明のいずれかに記載のパイプ類の端面閉鎖キャップ、
によって構成される。
第1に截頭錐形側板の小径端に底板を有し、開口端外周に溝形フランジを形成してなる1体のパルプモールド抄製体であって、上記底板から上記側板に至り、さらに上記フランジに至る連続面の一面を抄製平坦面となし、他面を抄製粗凹凸面としてなるパイプ類の端面閉鎖キャップ、
第2に上記側板に上記開口端から底板に向う方向の凹凸条を形成した上記第1発明記載のパイプ類の端面閉鎖キャップ、
第3に上記抄製体が撥水性パルプモールドによる通気性を有する抄製体である上記第1又は第2発明記載のパイプ類の端面閉鎖キャップ、
第4に上記側板の抄製平坦面をパイプ類の開口端の外周又は内周に接触させる内径又は外径の範囲となした上記第1〜第3発明のいずれかに記載のパイプ類の端面閉鎖キャップ、
第5に上記截頭錐形側板を外側板とし、これと対向する截頭錐形内側板を有する凹部を上記底板に形成し、該凹部から上記底板を経て上記外側板に至り、さらに上記フランジに至る連続面の一面を抄製平坦面とした上記第1〜第4発明のいずれかに記載のパイプ類の端面閉鎖キャップ、
第6に上記内外側板の抄製平坦面をパイプ類の開口端の外周及び内周に接触させる上記第1〜第5発明のいずれかに記載のパイプ類の端面閉鎖キャップ、
第7に上記底板に上記開口端に至る複数の凹部を、上記底板の中心を中心とする放射状に形成した上記第1〜第3発明のいずれかに記載のパイプ類の端面閉鎖キャップ、
第8に上記溝形フランジの外周側板を上記底板側に延長し、かつ該外周側板の内面に延長方向の凹凸条を形成した上記第1〜第3発明のいずれかに記載のパイプ類の端面閉鎖キャップ、
によって構成される。
従って上記側板の内外面は底板に向う小径テーパ面を形成し、内外何れか一方の抄製平坦面をパイプの開口端の内周角縁又は外周角縁に接して外側からキャップ全体を叩打することにより、上記角縁にキャップを圧着することができ、開口端を閉鎖することができる。
上記圧着によってキャップは開口端に締付け固定されるが、気孔性があるため塗料の揮発分が発散し易い。
パイプ工事現場では上記フランジを反対向に叩打し、又はフランジと開口端面との間に楔を打込むことによってキャップを開口端から分離することができる。
パルプモールド抄製体は上記特許文献1、2、3のキャップと異り、弾力性を有し、弾力性によって開口部に締付け嵌合させることができる。
上記凸条のテーパ面とパイプの開口端との圧着応力は上記溝形フランジによって受留められ、キャップ全体はパイプの開口部に強力に支持される。
上記キャップはパルプモールドで抄製乾燥され軽量であるが撥水剤を抄製時に混合し、撥水性を有するためパイプ開口端閉鎖予定期間中雨水等に湿潤崩壊するおそれは少い。
上記キャップの上記抄製粗凹凸面は表面積が比較的大であり、外気に面するため雨水の影響を受け易く、処定期間を過ぎると雨水の影響を受け、キャップとしての役割期間終了後は湿潤し柔軟化する。
本発明は上述のように構成したので、鋳鉄管、鋼管又は塩ビ管等の両端開口部を容易に閉鎖し得るばかりでなく、出荷前仕上げ塗装後上記キャップの装着に際し、揮発分(たとえば有機溶剤)が発散し、又は匂い(有機溶剤臭)がこもらない。又径寸法に精度を要せず、軽量で設定使用期間中は耐水性を有し、使用後は廃棄処分し、その後地上又は地中で崩壊し環境を汚染するおそれがないという効果がある。
高さtの比較的低い截頭錐形側板2即ちテーパ内外面2’,2”よりなる側板2の小径端に底板3を1体に設け、大径開口端の外周に小径端側に向う溝形のフランジ4を設けて1体のキャップ状体1を形成する。
上記側板2は図9及び図11に示すように底板3側のテーパαを80度傾斜とし、開口端側のテーパα’を91度傾斜(180度−α’=89度)とするが開口端側では90度でも差支えない。
上記側板2には上記キャップ状体1の開口端から底板3に向う方向の補強凹凸条2a,2bを形成する。
底板3には図1、図3(イ)(ロ)図又は図8〜図13に示すようにラジアル方向の補強凸条3’を形成することができるし、上記開口端に至る複数(6個)の凹部3”を底板3の中心を中心とする放射状に上記凸条3’,3’間に形成することができる(図8〜図13)。
底板3の中央部は底板3の外周より開口端側に低く、底板3の外周に6個の高部3aを上記凸条3’の外端に形成し凹凸底板3とし、キャップ状体1を補強する。
又図10、11及び図13に示すように溝形フランジ4の外周側板4aを上記底板3側に延長し、該側板4aの内面に延長方向の凹凸条4b,4cを形成することができる。
このように形成した1体のキャップ状体1は故紙パルプ繊維を微細目の金網型(図示していない)によって抄製(又は抄造)し乾燥して製品とするものである。
抄製作業は故紙パルプ繊維と水とを水槽中に混合し(繊維分約3wt%)、撥水剤(ロジン乳化液)を添加(繊維分に対し0.3〜1.5wt%)してモールド液となし、上記水槽中に上記金網型及びそのバキューム吸引型を浸漬し、バキューム吸引することにより上記キャップ状体1を上記金網型により抄製(抄造)することができる。
上記抄製キャップ状体1は乾燥室に導入し、乾燥させて製品とする。
この抄製乾燥に際し、上記金網型に接する一連の底面3’、側面2’及び溝型フランジ4の一面、即ち図1、図3(イ)(ロ)図及び図5に示すように底面3、側面2の内面2’及び溝型フランジ4の外面4’が上記金網型に接し、抄製平坦面2’,3’,4’となり、
又は図2、図4(イ)(ロ)図及び図6に示すように底面3の外面3’、側板2の外面2’及び溝型フランジ4の内面4”を抄製平坦面とすることができる。
又は図2、図4(イ)(ロ)図及び図6に示すように底面3の外面3’、側板2の外面2’及び溝型フランジ4の内面4”を抄製平坦面とすることができる。
上記抄製平坦面2’,3’,4’の他面(反対面)には図5及び図6に示すように抄製粗凹凸面2”,3”,4”が形成される。
図7に示すように底板3に凹部6を形成し、該凹部6の側板を截頭錐形内側板7とし、上記截頭錐形側板2を外側板として内外両側板2,7を対向させる。
上記凹部6の底面8の外面8’、内側板7の外面7’、底板3の内面3’、截頭錐形外側板2の内面2’及びフランジ4の外面4’は連続面であって抄製平坦面が形成される。
上記側板2の抄製平坦面2’(図5では内面、図6では外面)は、鋳鉄管その他のパイプ類の開口端5の外周5’又は内周5”に接触し、
パイプ類の開口端5の内径角部(図6)又は外径角部(図5)にテーパ面(錐面)が圧接嵌合する。図7ではパイプ類の開口端5の内外角部に同時に截頭錐形内外側板2,7の抄製平坦部2’,7’が圧接嵌合する。
パイプ類の開口端5の内径角部(図6)又は外径角部(図5)にテーパ面(錐面)が圧接嵌合する。図7ではパイプ類の開口端5の内外角部に同時に截頭錐形内外側板2,7の抄製平坦部2’,7’が圧接嵌合する。
従って上記パイプ類の開口端5の外周5’の角部(図5)又は内周5”の角部(図6)に上記側面2を接してキャップ状体1を開口端5側に叩打することによって該キャップ状体1の上記テーパ面2’を開口端5の外周5’の角部又は内周5”の角部を嵌合圧着し、その反力は底板3及び溝型フランジ4によって支持することができ、軽量で弾力性に富み、かつ上記キャップ状体1で上記開口部5を被覆することができる。
被覆後上記パイプ類は工事現場に輸送され埋設工事等が行われるがキャップ装着からパイプ工事開始予定期間例えば約6ヶ月間風雨にさらされると抄製粗凹凸面2”,3”,4”の表面積が大であるため水分を吸収し易いが、上記予定期間(約6ヶ月)中は撥水性を発揮する。
予定期間内に上記管工事を行うに当り上記キャップ状体1の溝型フランジ4を叩打分離し、廃棄処分すると抄製粗凹凸面2”,3”,4”から浸透した水分によってキャップ状体1は分解し地中又は地上において崩壊し或は故紙パルプ材として再利用することができる。
本発明では鋳鉄管等の埋設又は配管工事等において両開口端5,5の端面防護キャップ1を容易に叩打装着し得てテーパ側面の寸法に精度を要しない。
パルプモールド抄製キャップであるため軽量で硬く、弾力性を有し、かつ廃棄処分後崩壊し環境を汚染しない利点がある。
上記キャップ状体1の叩打装着後、管工事現場に輸送され、管工事開始までパイプの開口部5に装着して雨水の管内進入、雨水の浸入、砂などの混入、端面の破損、損傷又は内面塗装、ライニング等の劣化等の防止し得るものである。又第1図、第5図及び第7図に示すようにフランジを管外に配置し、それにより出荷時の管結束に際し、直接管同士が当るのを防ぎ、外面の塗装の損傷を防ぐ働きをさせるよう利用し得る。
1 パルプモールド抄製体(キャップ状体)
2 截頭錐形側板
2’ 抄製平坦面
2” 抄製粗凹凸面
3 底板
4 溝型フランジ
2 截頭錐形側板
2’ 抄製平坦面
2” 抄製粗凹凸面
3 底板
4 溝型フランジ
Claims (8)
- 截頭錐形側板の小径端に底板を有し、開口端外周に溝形フランジを形成してなる1体のパルプモールド抄製体であって、
上記底板から上記側板に至り、さらに上記フランジに至る連続面の一面を抄製平坦面となし、他面を抄製粗凹凸面としてなるパイプ類の端面閉鎖キャップ。 - 上記側板に上記開口端から底板に向う方向の凹凸条を形成した請求項1記載のパイプ類の端面閉鎖キャップ。
- 上記抄製体が撥水性パルプモールドによる通気性を有する抄製体である請求項1又は2記載のパイプ類の端面閉鎖キャップ。
- 上記側板の抄製平坦面をパイプ類の開口端の外周又は内周に接触させる内径又は外径の範囲となした請求項1〜3のいずれかに記載のパイプ類の端面閉鎖キャップ。
- 上記截頭錐形側板を外側板とし、これと対向する截頭錐形内側板を有する凹部を上記底板に形成し、該凹部から上記底板を経て上記外側板に至り、さらに上記フランジに至る連続面の一面を抄製平坦面とした請求項1〜4のいずれかに記載のパイプ類の端面閉鎖キャップ。
- 上記内外側板の抄製平坦面をパイプ類の開口端の外周及び内周に接触させる請求項1〜5のいずれかに記載のパイプ類の端面閉鎖キャップ。
- 上記底板に上記開口端に至る複数の凹部を、上記底板の中心を中心とする放射状に形成した請求項1〜3のいずれかに記載のパイプ類の端面閉鎖キャップ。
- 上記溝形フランジの外周側板を上記底板側に延長し、かつ該外周側板の内面に延長方向の凹凸条を形成した請求項1〜3のいずれかに記載のパイプ類の端面閉鎖キャップ。
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2010196722A (ja) * | 2009-02-23 | 2010-09-09 | Kurimoto Ltd | 管体保護用のキャップ |
JP2016008677A (ja) * | 2014-06-25 | 2016-01-18 | 株式会社栗本鐵工所 | 端面防護キャップ |
GB2600700A (en) * | 2020-11-04 | 2022-05-11 | Diageo Great Britain Ltd | A system and method for forming a moulded article |
-
2007
- 2007-03-26 JP JP2007078129A patent/JP2007292304A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010196722A (ja) * | 2009-02-23 | 2010-09-09 | Kurimoto Ltd | 管体保護用のキャップ |
JP2016008677A (ja) * | 2014-06-25 | 2016-01-18 | 株式会社栗本鐵工所 | 端面防護キャップ |
GB2600700A (en) * | 2020-11-04 | 2022-05-11 | Diageo Great Britain Ltd | A system and method for forming a moulded article |
GB2600700B (en) * | 2020-11-04 | 2023-07-12 | Diageo Great Britain Ltd | A system and method for forming a moulded article |
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