JP2007291985A - コージェネレーション装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】熱需要の大きさあるいはその電気需要に対する比率が常時より増加しても高い総合エネルギ効率で運転でき省エネルギや二酸化炭素排出削減に貢献できるとともに、時間稼働率を向上することができて経済性に優れたコージェネレーション装置を提供する。
【解決手段】エンジン(ガスエンジン2)と発電機3と電力変換部4と排熱回収部とを備えるコージェネレーション装置1であって、前記電力変換部4は熱電比の異なる複数の運転モード(整流モード、昇圧モード)をもち、電気負荷91に見込まれる電気需要と熱負荷に見込まれる熱需要とを予測し、該熱需要に対して供給できる排熱が不足すると判断される場合、及び該熱需要の該電気需要に対する比率が高いと判断される場合に、該熱電比の大きな該運転モード(整流モード)を選択する、予測制御部(電子制御装置6)を備える。
【選択図】図1
【解決手段】エンジン(ガスエンジン2)と発電機3と電力変換部4と排熱回収部とを備えるコージェネレーション装置1であって、前記電力変換部4は熱電比の異なる複数の運転モード(整流モード、昇圧モード)をもち、電気負荷91に見込まれる電気需要と熱負荷に見込まれる熱需要とを予測し、該熱需要に対して供給できる排熱が不足すると判断される場合、及び該熱需要の該電気需要に対する比率が高いと判断される場合に、該熱電比の大きな該運転モード(整流モード)を選択する、予測制御部(電子制御装置6)を備える。
【選択図】図1
Description
本発明はエンジン駆動のコージェネレーション装置に関し、特に複数の運転モードをもつコージェネレーション装置に関する。
近年、省エネルギや二酸化炭素排出量削減を志向した分散型電源装置の開発が進められ、オフィスや集合住宅など電力消費地での導入が今後急速に進展するものと考えられる。とりわけ、電気出力だけでなく熱出力も得ることのできるコージェネレーション装置は総合的なエネルギ効率の高さで注目を集めている。最近では、ガスエンジンを使用した小形装置の開発も進み、一般家庭への普及も期待されている。
コージェネレーション装置は、燃料ガスの燃焼などによりエネルギを取り出すガスエンジンやガスタービンと、運動エネルギを電気エネルギに変換する発電機と、電気エネルギの周波数や電圧などの形態を変換して電気負荷に供給する電力変換部と、ガスエンジンやガスタービンの排熱を熱エネルギとして回収し熱負荷に供給する排熱回収部と、を備えるのが一般的である。そして、電気エネルギは通常生成と消費が同時であり大量の貯留は困難であるため、電気負荷の電気需要の増減に合わせて燃料ガスの使用量を増減して運転するのが一般的になっている。一方、熱エネルギは熱湯などの形態で一時的に貯湯タンクに貯留され、熱負荷の熱需要の変動に合わせて消費されるようになっている。さらに、電気需要の変動に対応するため、商用電力系統と連系して不足する電力を受電し、あるいは余剰の電力を逆潮流して送電することも行われている。熱エネルギの不足に備えて、ボイラや補助給湯器などの補助熱源を別に備えることも一般的である。
このようなコージェネレーション装置の一例が特許文献1に開示されている。特許文献1の装置は、エンジンと発電機とインバータと排熱回収装置と運転制御装置とを備え、一定値以上の出力電力を得るためにエンジン回転数を可変制御し、一定値以下の出力電力ではエンジン回転数を一定に固定するようにしている。また、発電効率と排熱回収効率との線形和、すなわち総合エネルギ効率を目的関数として位置付け、余剰電力を電気ヒータで消費するなどの手段により目的関数の最大化を図っている。
特開2005−264850号公報
ところで、特許文献1をはじめとするコージェネレーション装置では、電気出力を増加させるために燃料ガスを追加すると、取り出し得る熱出力も必然的に増加していた。取り出し得る熱出力と電気出力の比すなわち熱電比は、装置構成によってほぼ定まり通常3〜4程度であり、運転条件にはあまり依存していなかった。そこで、装置の導入計画立案や導入後の運用に際しては、まずエネルギ単価の高い電気エネルギを効率よく生成するための装置構成や運転条件が優先的に考慮され、次に排熱回収の効率が考慮されていた。また、エンジン定格出力時の総合エネルギ効率は85%程度であり、出力が低下するにつれて効率が低下する傾向は避けられなかった。したがって、電気需要が減少する時間帯、通常夜間帯には装置を休止して商用電力系統から受電するほうが経済的であった。
ところが、実際の電気需要と熱需要は複雑に変化し、両者の比率は一定ではなく、計画どおりに運転できない場合もある。例えば、冬場には、給湯や暖房の熱需要が急増して熱エネルギが不足する場合がしばしば発生している。コージェネレーション装置が生成するエネルギの熱電比が熱需要と電気需要との比率から大きくずれると、補助熱源あるいは商用電力系統による補助の比率が高まって総合的なエネルギ効率や経済性が低下し、また、装置の稼働時間帯が限定される。特許文献1に開示されている一定の回転数でエンジンを運転し余剰電力を電気ヒータで消費する方法は、稼働時間帯を長くしつつ過剰に生成された電気エネルギを無駄にしない工夫であるが、熱エネルギを得る手段としては割高になっている。
本発明は上記背景に鑑みてなされたものであり、熱需要の大きさあるいはその電気需要に対する比率が常時より増加しても高い総合エネルギ効率で運転でき省エネルギや二酸化炭素排出削減に貢献できるとともに、時間稼働率を向上することができて経済性に優れたコージェネレーション装置を提供する。
本発明のコージェネレーション装置は、エンジンと、該エンジンに駆動されて発電側交流電力を出力する発電機と、該発電側交流電力を変換して負荷側交流電力とし電気負荷に供給する電力変換部と、該エンジンから排熱を回収して熱負荷に供給する排熱回収部と、を備えるコージェネレーション装置であって、前記電力変換部は熱電比の異なる複数の運転モードをもち、前記電気負荷に見込まれる電気需要と前記熱負荷に見込まれる熱需要とを予測し、該熱需要の大きさまたは該熱需要と該電気需要との比率に応じて適正な前記熱電比の前記運転モードを選択する予測制御部を備える、ことを特徴とする。また、前記エンジンは、回転数可変に制御されるガスエンジンであってもよい。さらに、前記排熱回収部は回収した排熱を一時的に貯留する貯熱部をもつとともに、回収した排熱が不足した場合に稼働する補助熱源を別に備えることが好ましい。
本発明は、電力変換部に熱電比の異なる複数の運転モードをもたせ、常時は電気需要の変動に合わせて熱電比の小さな運転モードで運転し、熱需要の大きな場合に限り熱電比の大きな運転モードで運転することにより、運転時間帯を通して高い総合エネルギ効率を発揮させることを主眼としている。従来の装置では、電気需要の変動にのみ着目して運転条件を設定していたが、本発明では熱需要も重要な指標として位置付けている。
本発明には、回転数可変に制御される、例えばガスエンジンを用いることができる。ガスエンジンの出力軸は発電機のロータに結合することができ、一体に回転することにより発電機を駆動することができる。発電機には例えば三相機を用いることができ、極数などの制約はなく、例えばステータ巻線をスター結線して出力する構成とすることができる。発電機の出力端子は、出力線で電力変換部に接続することができる。出力される発電側交流電力の周波数はガスエンジンの回転数に依存して定まり、特に限定されない。
電力変換部は、例えば電力用半導体素子を用いたコンバータ部及びインバータ部で形成することができ、発電側交流電力の周波数や電圧を電気負荷に整合させて電気負荷に供給するものである。電力変換部が出力する負荷側交流電力は、例えば商用周波数の単相三線式とし、家庭内の電気負荷に供給するようにしてもよく、商用電力系統にも連系して送電するようにしてもよい。系統連系した場合は、電力が不足する時間帯に受電し、余剰する時間帯に逆潮流して送電することができる。
本発明では、電力変換部は熱電比の異なる複数の運転モードをもつものとしている。例えば、電力用半導体素子に開閉制御可能なスイッチング素子を用い、複数の運転モードで異なった制御方法とすることにより取り出す電気エネルギの量を変えることができる。取り出す電気エネルギを減らした場合、相対的に取り出される熱エネルギの比率が高まり、熱電比は大きくなる。
排熱回収部は、例えばエンジンから排熱を熱媒体に回収する熱交換器と、熱媒体を熱負荷まで輸送する輸送配管とで構成することができる。熱負荷には、例えば家庭内の浴室や台所の給湯器や、熱媒体を還流させて用いる暖房装置がある。熱媒体には水を用い排熱により熱湯として供給し直接消費するようにしてもよく、別途循環配管に熱媒体を封入して還流させ熱輸送するようにしてもよい。排熱回収部には、貯熱部として貯湯タンクや、補助熱源として補助給湯器などを備えることが好ましい。
予測制御部は、電気需要と熱需要とを予測して、適正な熱電比の運転モードを選択するものである。予測制御部には、例えば、マイクロコンピュータを内蔵し信号入力部や制御出力部、メモリ部を備えた電子制御装置を用いることができる。予測制御部は、エンジンを運転制御するエンジン制御部や、電力変換部を運転制御する電気制御部と、共通としてもよく、別個に設けてもよい。
前記予測制御部は、前記電気需要及び前記熱需要の年変動パターン及び日変動パターンの情報、前記電気負荷及び前記熱負荷の稼働状況の情報、前記貯熱部の貯熱状況の情報、前記補助熱源の稼働状況の情報、外気温の情報、の全てあるいは一部を参照して、前記電気需要と前記熱需要とを予測することが好ましい。さらに、前記予測制御部は、予測した前記熱需要に対して供給できる排熱が不足すると判断される場合、及び該熱需要の前記電気需要に対する比率が高いと判断される場合に、前記熱電比の大きな前記運転モードを選択する、ことが好ましい。
予測制御部は、電気需要及び熱需要の一般的な年変動パターン及び日変動パターンを、例えばメモリ部に保持しておくことができる。また、その信号入力部では、装置自身の電気出力と熱出力の大きさ、あるいは電気負荷及び熱負荷の実際の稼働状況や、貯湯タンクの湯量や湯温、補助給湯器の稼働履歴、気温センサが検出した外気温、などの情報を逐次取り込むことができ、履歴として保存しておくこともできる。予測制御部は、これらの情報の全てあるいは一部を参照して電気需要と熱需要とを予測し、運転モードを選択することができる。端的に言って、熱需要と電気需要との比率に等しい熱電比を選択できれば理想である。
予測制御部の需要予測及び運転モード選択は、例えば1日を対象期間として行うことができる。例えば、夏場の1日では熱需要が少ないので、電気需要を優先した熱電比の小さな運転モードを選択することができる。また、冬場の1日で熱需要が増加して供給できる排熱が不足すると判断される場合には、熱需要を優先して熱電比の大きな運転モードを選択することになる。熱需要の電気需要に対する比率が高い場合も、熱電比の大きな運転モードが有利になるため、これを選択する。このとき、貯湯タンクの残存熱エネルギが少ないことや、過去数日間の補助給湯器の稼働率が高いこと、外気温が低いこと、などの情報を加味することが、制御の精度向上につながる。
また、需要予測及び運転モード選択は、10分〜1時間程度の単位で繰り返して行うこともできる。例えば、冬場に熱電比の大きな運転モードを選択していても、夜に入ってその日の熱需要が足りると判断されれば、熱電比の小さな運転モードに移行し、電気需要の続く限り運転することにより、従来よりも長時間稼働させることができる。また別の例で、従来は休止していた電気需要の小さい早朝の時間帯でも、昼間の熱需要を見込んで熱電比の大きな運転モードで装置を運転することが可能になる。
次に、電力変換部がもつ熱電比の異なる複数の運転モードについて説明する。前記電力変換部は前記発電側交流電力を直流電力に変換するコンバータ部と該直流電力を前記負荷側交流電力に変換するインバータ部とからなり、該コンバータ部は複数のスイッチング素子により形成されるブリッジ回路と該スイッチング素子を制御するゲート制御部とからなり、該ゲート制御部は、複数の該スイッチング素子を整流ダイオードとして機能させて該ブリッジ回路を整流制御する整流モードと、複数の該スイッチング素子を前記発電側交流電力の周波数よりも多頻度に開閉して該ブリッジ回路を短絡状態と出力状態とに遷移させて昇圧制御する昇圧モードと、をもち、前記予測制御部は、該ゲート制御部の該整流モード及び該昇圧モードの一方を選択する、ようにしてもよい。
上述の電力変換部のコンバータ部は、2つの運転モードとして整流モードと昇圧モードとをもっている。整流モードでは、ブリッジ回路の整流作用により、出力される直流電圧は発電機側交流電力の電圧実効値に略等しくなる。昇圧モードでは、ブリッジ回路が短絡状態と出力状態に遷移して間欠的に電流が流れ、出力される直流電圧は整流モードよりも高くなる。2つの運転モードにおいて、発電機で生成される電気エネルギの量は略等しいが、昇圧モードの方で直流電圧が高くなる(電流は減少するが)。したがって、インバータ部の運転電圧が高くなり、回路内部の抵抗損失などが減少し、インバータ部出力端でみた発電効率が向上するため、熱電比は小さくなる。すなわち、整流モードは熱電比の大きな運転モードであり、昇圧モードは熱電比の小さな運転モードである。
本発明のコージェネレーション装置では、電力変換部に熱電比の異なる複数の運転モード、例えばコンバータ部の整流モードと昇圧モードをもたせ、予測制御部で電気需要と熱需要を予測して、運転モードを選択するようにした。このため、熱需要が不足するときや、熱需要の電気需要に対する比率が常時より増加したときに、熱電比の大きな運転モードを選択して、高い総合エネルギ効率で運転することができ、省エネルギや二酸化炭素排出削減に貢献できる。また、時間稼働率を向上することができ、経済性向上に寄与できる。
本発明を実施するための最良の形態を、図1及び図2を参考にして説明する。図1は、本発明の実施例のコージェネレーション装置1を説明する図である。図1中で実線の矢印はエネルギの流れを、破線の矢印は情報の流れを示している。実施例のコージェネレーション装置1は、住宅9内の電気負荷91に電気エネルギを、熱負荷92に熱エネルギを供給するものである。コージェネレーション装置1は、ガスエンジン2、発電機3、電力変換部4、排熱回収部5、電子制御装置6、で構成されている。
ガスエンジン2は、図略のエンジン制御部により始動、停止や、燃料ガス供給量の増減など行われて、回転数可変に制御され、出力軸に回転の運動エネルギを出力している。発電機3は、ガスエンジン2の出力軸によって駆動され、回転数に対応した周波数の発電側交流電力PGを出力している。電力変換部4は、発電側交流電力PGの周波数や電圧を電気負荷91に整合させ、負荷側交流電力PLとして供給するものである。電力変換部4は商用電力系統99と連系されており、装置1側の発電側交流電力PGが不足したときに、系統99から不足分の電力を受電できるように構成されている。なお、電力変換部4は、後述するように、外部から選択制御可能な、整流モードM1と昇圧モードM2とをもっている。
排熱回収部5は、熱交換器51と、貯湯タンク52と、補助給湯器53と、で形成されている。熱交換器51の熱媒体には水が用いられており、ガスエンジン2の排熱HEを回収して生成された熱湯が貯湯タンク52に貯留されるようになっている。貯留された熱湯は、熱負荷92の需要に応じ、補助給湯器53を経由して供給されるようになっている。補助給湯器53は、熱湯の温度が低下したときに追炊きするほか、熱湯が不足したときに水を沸かして給湯するようになっている。
電子制御装置6は予測制御部に相当するものであり、図1に示されるように、各種情報を、その信号入力部で取り込んでいる。すなわち、電子制御装置6は、電力変換部4の稼働状況、貯湯タンク52の湯量と湯温、補助給湯器53の稼働状況、電気負荷91及び熱負荷92の負荷率、住宅付近に設けられた気温センサ69が検出した外気温の各情報を取り込んでいる。また、電子制御装置6はメモリ部を備え、あらかじめ電気需要及び熱需要の一般的な年変動パターン及び日変動パターンのデータを記憶している。電子制御部6は、これらの情報やデータを参照して、電力変換部4の運転モードを選択し、その制御出力部から指令するようになっている。
次に、図2を参考にして、熱電比の異なる複数の運転モードについて説明する。図2は電力変換部4の詳細な構成を説明する図である。電力変換部4はコンバータ部41とインバータ部48とからなり、コンバータ部41は6個のスイッチング素子S1〜S6により形成される三相ブリッジ回路42と、スイッチング素子S1〜S6を制御するゲート制御部47とからなっている。そして発電機3のU相、V相、W相の各出力線31U、31V、31Wは、三相ブリッジ回路42の各相中間点43U、43V、43Wに接続されている。また、三相ブリッジ回路42の出力となる正極端子44P及び負極端子44Nは、インバータ部48の入力端子と兼用されている。インバータ部48の出力端子49X、49Yは電気負荷91に接続されるとともに、商用電力系統99に連系されている。
ここで、三相ブリッジ回路42内は、以下のように接続されている。すなわち、U相中間点43Uと正極端子44Pとがスイッチング素子S1を介して接続され、同様にV相中間点43Vと正極端子44Pとがスイッチング素子S2を介し、W相中間点43Wと正極端子44Pとがスイッチング素子S3を介して接続されている。さらに、U相中間点43Uと負極端子44Nとがスイッチング素子S4を介し、V相中間点43Vと負極端子44Nとがスイッチング素子S5を介し、W相中間点43Wと負極端子44Nとがスイッチング素子S6を介して、それぞれ接続されている。各スイッチング素子S1〜S6は、ゲート制御部47からのゲート信号により独立して開閉制御され、導通と遮断の2状態を取り得るように構成されている。
図2の回路において、整流モードM1では、ゲート制御部47は特に各スイッチング素子S1〜S6を制御しない。すると、各スイッチング素子S1〜S6は一般的な整流ダイオードとして機能し、三相ブリッジ回路42は三相全波整流を行う。これにより、正極端子44Pと負極端子44Nとの間には、発電機側の交流電圧の実効値VEに略等しい直流電圧の直流電力が出力される。
一方、昇圧モードM2では、ゲート制御部47は各スイッチング素子S1〜S6を多頻度に開閉して、三相ブリッジ回路42を短絡状態と出力状態とに遷移させるように制御する。今、発電機3のU相にV相よりも高い電圧V1が誘起されている状態を代表として考える。このとき、ゲート制御部47は、U相とV相とを短絡状態と出力状態に遷移させることを繰り返すように制御する。すなわち、短絡状態では2つのスイッチング素子S1、S2を導通、残りを遮断とし、出力状態では2つのスイッチング素子S1、S5を導通、残りを遮断とする。
短絡状態では、U相出力線31UとV相出力線31VとV相巻線とU相巻線とで短絡回路が形成される。すると、短絡回路内の電圧V1に対して、巻線のもつインダクタンス分L1が通電を制動し、継続時間とともに増加する短絡電流が流れ最終値I1となる。結局、短絡状態の継続時間内に発電機から出力された電気エネルギは、下式に示される電磁エネルギEG1として短絡回路内に蓄積される。
EG1=(1/2)・L1・I1・I1
EG1=(1/2)・L1・I1・I1
次に、短絡状態から出力状態に遷移する瞬間には、短絡回路が開路されて短絡電流最終値I1が強制的に遮断され、U相中間点43UとV相中間点43Vとの間には、下式のように電流I1の時間微分で示される大きな電圧V2が誘起される。
V2=(−L)・(dI1/dt)
V2=(−L)・(dI1/dt)
そしてすぐ次の瞬間には出力状態となるため、蓄積された電磁エネルギEG1に見合う直流電流I2がインバータ部に出力される。
上述の制御を、次はスイッチング素子S5側で行う。すなわち、2つのスイッチング素子S4、S5を導通として短絡状態とした後、2つのスイッチング素子S1、S5を導通として出力状態とすることにより、電磁エネルギEG1に見合う直流電流I2が再度出力される。これを、U相にV相よりも高い電圧V1が誘起されている120°の位相範囲で繰り返して行う。そして、次の120°の位相範囲ではV相及びW相を対象とし、さらに次の120°の位相範囲ではW相及びU相を対象として、同様の制御を行い、以下繰り返す。
以上のような昇圧モードM2による制御では、コンバータ部41の出力電流は間欠的になり、出力の直流電圧は整流モードM1時の交流実効値VEよりも高くなる。整流モードM1と昇圧モードM2とで発電機から出力される電気エネルギはほぼ同等であるが、昇圧モードM2ではインバータ部48内の運転電圧を高くすることができ、回路素子や導体における抵抗損などが減少し、出力端子49X、49Yでみた最終的な発電効率が向上する。
したがって、昇圧モードM2は熱電比の小さな運転モードとなり、整流モードM1は熱電比の大きな運転モードとなる。電子制御装置6は、この整流モードM1と昇圧モードM2とのうち一方を選択し、ゲート制御部47に指令するように構成されている。なお、ゲート制御部47は、スイッチング素子S1〜S6を上述の昇圧モードM2とは異なる制御タイミングで開閉することも可能であり、様々な応用形態がある。
なお、インバータ部48は、安定用コンデンサ481、4個のスイッチング素子SA〜SDからなる単相ブリッジ回路482、平滑用フィルタ483が直列に接続され、各スイッチング素子SA〜SDがインバータゲート制御部484により開閉制御されて作動するように構成されている。インバータ部48には、公知の各種回路方式及び制御方式を適用することができるので、詳述はしない。
以上説明した実施例のコージェネレーション装置1によれば、予測制御部6は取り込んだ各種情報を参照し、コンバータ部4の整流モードM1と昇圧モードM2とのうち一方を選択して、コンバータ部4のゲート制御部47に指令する。したがって、熱負荷92の熱需要が常時より増加したときに、熱電比の大きな整流モードM1を選択し、高い総合エネルギ効率で運転することができる。
1:コージェネレーション装置
2:ガスエンジン
3:発電機 31U、31V、31W:U相、V相、W相出力線
4:電力変換部
41:コンバータ部 42:三相ブリッジ回路 47:ゲート制御部
48:インバータ部
5:排熱回収部 51:熱交換器 52:貯湯タンク
53:補助給湯器
6:電子制御装置(予測制御部)
91:電気負荷 92:熱負荷 99:商用電力系統
S1〜S6:スイッチング素子
2:ガスエンジン
3:発電機 31U、31V、31W:U相、V相、W相出力線
4:電力変換部
41:コンバータ部 42:三相ブリッジ回路 47:ゲート制御部
48:インバータ部
5:排熱回収部 51:熱交換器 52:貯湯タンク
53:補助給湯器
6:電子制御装置(予測制御部)
91:電気負荷 92:熱負荷 99:商用電力系統
S1〜S6:スイッチング素子
Claims (6)
- エンジンと、該エンジンに駆動されて発電側交流電力を出力する発電機と、該発電側交流電力を変換して負荷側交流電力とし電気負荷に供給する電力変換部と、該エンジンから排熱を回収して熱負荷に供給する排熱回収部と、を備えるコージェネレーション装置であって、
前記電力変換部は熱電比の異なる複数の運転モードをもち、
前記電気負荷に見込まれる電気需要と前記熱負荷に見込まれる熱需要とを予測し、該熱需要の大きさまたは該熱需要と該電気需要との比率に応じて適正な前記熱電比の前記運転モードを選択する予測制御部を備える、
ことを特徴とするコージェネレーション装置。 - 前記エンジンは、回転数可変に制御されるガスエンジンである請求項1に記載のコージェネレーション装置。
- 前記排熱回収部は回収した排熱を一時的に貯留する貯熱部をもつとともに、回収した排熱が不足する場合に稼働する補助熱源を別に備える、請求項1または2に記載のコージェネレーション装置。
- 前記予測制御部は、前記電気需要及び前記熱需要の年変動パターン及び日変動パターンの情報、前記電気負荷及び前記熱負荷の稼働状況の情報、前記貯熱部の貯熱状況の情報、前記補助熱源の稼働状況の情報、外気温の情報、の全てあるいは一部を参照して、前記電気需要と前記熱需要とを予測する、請求項1〜3に記載のコージェネレーション装置。
- 前記予測制御部は、予測した前記熱需要に対して供給できる排熱が不足すると判断される場合、及び該熱需要の前記電気需要に対する比率が高いと判断される場合に、前記熱電比の大きな前記運転モードを選択する請求項1〜4に記載のコージェネレーション装置。
- 前記電力変換部は前記発電側交流電力を直流電力に変換するコンバータ部と該直流電力を前記負荷側交流電力に変換するインバータ部とからなり、該コンバータ部は複数のスイッチング素子により形成されるブリッジ回路と該スイッチング素子を制御するゲート制御部とからなり、
該ゲート制御部は、複数の該スイッチング素子を整流ダイオードとして機能させて該ブリッジ回路を整流制御する整流モードと、複数の該スイッチング素子を前記発電側交流電力の周波数よりも多頻度に開閉して該ブリッジ回路を短絡状態と出力状態とに遷移させて昇圧制御する昇圧モードと、をもち、
前記予測制御部は、該ゲート制御部の該整流モード及び該昇圧モードの一方を選択する、請求項1〜5に記載のコージェネレーション装置。
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2006
- 2006-04-26 JP JP2006122168A patent/JP2007291985A/ja not_active Withdrawn
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