JP2007291888A - インレットガイドベーン - Google Patents

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Abstract

【課題】簡単な機構で吸込管内の流れを乱すことなく、増量や増圧運転が可能な遠心圧縮機のインレットガイドベーンを提供する。
【解決手段】入口側の吸込管内壁3aに嵌合された第1内接リング4aと、前記吸込管3内の軸心に配置された回転軸5と、前記吸込管3入口側にあってこの回転軸5を回動自在に支持する軸受6と、この軸受6にその一端を固定され他端を前記第1内接リング4aに固定して半径方向に配設された入口側心棒7aと、前記吸込管3出口側にあってその一端を前記回転軸5に固定され、他端を前記吸込管内壁3aに非接触に半径方向に配設された出口側心棒7bと、前記入口側心棒7aと出口側心棒7bの各々に両端を固定して軸心方向に張設された可撓性ベーン8と、前記回転軸5の入口側端部に固定され、前記可撓性ベーン8に軸心方向のねじれを付与するための回転レバー9とを備えた遠心圧縮機のインレットガイドベーン1。
【選択図】図1

Description

本発明は、羽根車の回転により気体を圧縮する遠心圧縮機のインレットガイドベーンに関し、より詳しくは、簡単な機構で吸込管内の流れを乱さず、増量運転も可能なインレットガイドベーンに関するものである。
圧縮機本体の吸込側に気体を吸い込む吸込管を備えた遠心圧縮機では、従来から、羽根車の回転数を変化させないで、流量、圧力を変化させる手段として吸込管内にインレットガイドベーンが設けられている。このような従来技術に関し、図7および図8を参照しながら以下説明する。図7はこのような従来例に係る遠心圧縮機の一実施例を示す縦断面図、図8は他の従来例に係るインレットガイドベーンの一実施例を示す縦断面図である。
図7において、この従来例に係る遠心圧縮機は、遠心羽根車21とこの遠心羽根車21の吸込側に回動可能に設けられた流量調整手段とを備えた遠心圧縮機100において、前記流量調整手段は半円状の互いに逆方向に回転可動な2枚のベーン26u,26dを有し、前記流量調整手段と前記遠心羽根車21間に吸込流路25を縮小する面積調整スペーサ27を設け、この面積調整スペーサ27の内径をほぼ前記羽根車21の入口径D1程度とし、前記面積調整スペーサ27が取り付けられる配管の内径DSと面積調整スペーサ27の内径D1との差を遠心羽根車21の出口幅に応じて変化させたものである(特許文献1参照)。
しかしながら、上記従来例に係る遠心圧縮機によれば、半円形の形状を有する2枚の前記流量調整板26u,26dは互いに逆方向に回転させるため、旋回流を発生させた場合の偏流が大きくまた渦を発生させ易いので、吸込流路25内の流れ場における速度エネルギーの一部が渦損失として散逸してしまう結果エネルギー効率が悪くなること、また、前記流量調整板26u,26dの傾き角度によって前記羽根車に振動を起こす領域が出来易いこと等の問題点を有する。
このような問題点を解決する従来例として、以下図8を用いて説明する。図8において、このインレットガイドベーンは、コンプレッサやブロワの羽根車の上流側に配設されるインレットガイドベーン32において、羽根車31の回転軸38の延長上に配設した回転軸35に回転自在に支持されかつ複数枚の翼34を有する回転羽根と、この回転羽根の回転を制御するための調速機構をなすブレーキ37とから構成されてなる(特許文献2参照)。
特許第3578660号公報 実用新案第2534552号公報
このようなインレットガイドベーン32は、吸込流路内の流れ場を乱すことなく吸込気体を羽根車にスムーズに導入できるが、次のような欠点も有する。即ち、羽根車の回転数を下げることなく吐出流量や吐出圧を低減させることは可能であるが、逆に、流量や吐出圧を増加させる運転はできない。また、吐出流量や吐出圧の低減範囲も限定された小さい範囲でしか運転できない。
従って、本発明の目的は、簡単な機構で吸込管内の流れを乱すことなく、増量や増圧運転が可能な遠心圧縮機のインレットガイドベーンを提供することにある。
前記目的を達成するために、本発明の請求項1に係るインレットガイドベーンが採用した手段は、遠心圧縮機の吸込管内に設けられたインレットガイドベーンにおいて、前記吸込管入口側にあってこの吸込管内壁に固定して嵌合された第1内接リングと、前記吸込管内の軸心に沿って長手方向に配置された回転軸と、前記吸込管入口側にあってこの回転軸を回動自在に支持する軸受とを備えてなる。
同時に、このインレットガイドベーンは、前記軸受にその一端を固定されるとともに他端を前記第1内接リングに固定して半径方向に配設された複数本の入口側心棒と、前記吸込管出口側にあってその一端を前記回転軸に固定されるとともに、他端を前記吸込管内壁に非接触に半径方向に配設され入口側心棒と同数の出口側心棒と、前記入口側心棒と出口側心棒の各々に両端を固定して軸心方向に張設された可撓性ベーンと、前記回転軸の吸込管入口側端部に固定され、これを回動させることによって前記可撓性ベーンに軸心方向のねじれを付与するための回転レバーとを備えてなることを特徴とするものである。
本発明の請求項2に係るインレットガイドベーンが採用した手段は、請求項1に記載のインレットガイドベーンにおいて、前記吸込管出口側にあって、この吸込管内壁に嵌合された第2内接リングを備えるとともに、前記出口側心棒の他端がこの第2内接リングに固定して半径方向に配設されたことを特徴とするものである。
本発明の請求項3に係るインレットガイドベーンが採用した手段は、請求項1または2に記載のインレットガイドベーンにおいて、前記吸込管入口側にあってこの吸込管内壁に嵌合された第1内接リングと、前記吸込管出口側にあって、この吸込管内壁に回動自在に支持された第2内接リングとを備えてなる。
同時に、このインレットガイドベーンは、前記吸込管入口側にあって前記第1内接リングに両端を固定され直径方向に交差して配設された複数本の入口側心棒と、前記第2内接リングに両端を固定され直径方向に交差して配設された入口側心棒と同数の出口側心棒と、前記入口側心棒と出口側心棒とに両端を固定して軸心方向に張設された可撓性ベーンと、前記第1内接リングまたは第2内接リングに固定され、これを回動させることによって前記可撓性ベーンに軸心方向のねじれを付与するための回転レバーとを備えてなることを特徴とするものである。
本発明の請求項4に係るインレットガイドベーンが採用した手段は、請求項2または3に記載のインレットガイドベーンにおいて、前記第1内接リングまたは第2内接リングの何れかが、前記吸込管軸心方向に摺動可能な構成としたことを特徴とするものである。
本発明の請求項5に係るインレットガイドベーンが採用した手段は、請求項1乃至4のうちの何れか一つの項に記載のガイドベーンにおいて、前記回転レバーによる回転角度を、流体シリンダーまたは電動シリンダーによって駆動制御するよう構成されたことを特徴とするものである。
本発明の請求項1に係るインレットガイドベーンによれば、前記吸込管入口側内壁に嵌合された第1内接リングと、前記吸込管内の軸心に沿って配置された回転軸と、前記吸込管入口側にあってこの回転軸を回動自在に支持する軸受と、前記軸受にその一端を固定され他端を前記第1内接リングに固定して半径方向に配設された入口側心棒と、前記吸込管出口側にあってその一端を前記回転軸に固定されるとともに、他端を前記吸込管内壁に非接触に半径方向に配設された出口側心棒と、前記入口側心棒と出口側心棒の各々に両端を固定して軸心方向に張設された可撓性ベーンと、前記回転軸の吸込管入口側端部に固定された回転レバーとを備え、この回転レバーを回動させることによって前記可撓性ベーンに軸心方向のねじれを付与できるので、簡便な機構で前記吸込管内の流れを乱すことなく、効率的に増減量や増減圧の広範囲の運転が可能となる。
また、本発明の請求項2に係るインレットガイドベーンによれば、前記吸込管出口側にあって、この吸込管内壁に嵌合された第2内接リングを備えるとともに、前記出口側心棒の他端がこの第2内接リングに固定して半径方向に配設されたので、簡便な構成で前記可撓性ベーンの振動を抑制出来る。
更に、本発明の請求項3に係るインレットガイドベーンによれば、前記吸込管入口側内壁に嵌合された第1内接リングと、前記吸込管出口側内壁に回動自在に支持された第2内接リングと、前記吸込管入口側にあって前記第1内接リングに両端を固定され直径方向に交差して配設された入口側心棒と、前記第2内接リングに両端を固定され直径方向に交差して配設された出口側心棒と、前記入口側心棒と出口側心棒とに両端を固定して軸心方向に張設された可撓性ベーンと、前記第1内接リングまたは第2内接リングに固定され、これを回動させることによって前記可撓性ベーンに軸心方向のねじれを付与するための回転レバーとを備えてなるので、吸込管内に回転軸のない簡素な構成となり、吸込流に対する圧損を低減できる。
また更に、本発明の請求項4に係るインレットガイドベーンによれば、前記第1内接リングまたは第2内接リングの何れかが、前記吸込管内軸心方向に摺動可能な構成としたので、前記回転レバーの回動に伴う可撓性ベーンのねじれによる伸縮が吸収可能となった。
本発明の請求項5に係るインレットガイドベーンによれば、前記回転レバーによる回転角度を、流体シリンダーまたは電動シリンダーによって駆動制御するよう構成されたので、状況に応じた吐出流量の適正な増減量運転が可能となった。
先ず、本発明の実施の形態1に係るインレットガイドベーンを、添付図1および図2を参照しながら以下説明する。図1は本発明の実施の形態1に係るインレットガイドベーンを説明するための縦断面図、図2は図1のA−A矢視図である。
一般に、遠心圧縮機の羽根車2の吸込側には、この羽根車2と同心状に吸込管3が設けられており、本発明に係るインレットガイドベーンは、この吸込管3内に設けられたインレットガイドベーン1に関する。
そして、本発明の実施の形態1に係るインレットガイドベーン1は、次のような構成からなる。即ち、前記吸込管3内に吸い込まれた気体は、羽根車2に向かって矢印10の方向の流れ場を形成する。この吸込管3の入口側には、吸込管内壁3aに固定して嵌合された第1内接リング4aが設けられている。そして、前記吸込管3内には、その軸心(羽根車2の軸心と同心)に沿って、回転軸5が長手方向に配置されている。また、前記吸込管3入口側には、この回転軸5を回動自在に支持する軸受6が設けられている。尚、この回転軸5は、その長手方向に若干量だけ往復動可能に構成されている。
この軸受6には複数本の入口側心棒7aの一端が固定され、他端が半径方向に向かって配設されるとともに、前記第1内接リング4aに固定されている。一方、前記吸込管3の出口側の前記回転軸5には、前記入口側心棒7aと同数の出口側心棒7bの一端が固定され、他端が半径方向に向かって配設されるとともに、前記吸込管3の内壁3aに接触しない構成をなしている。そして、前記入口側心棒7aと出口側心棒7bの各々に、可撓性ベーン8が両端を固定して軸心方向に張設されている。
更に、前記回転軸5の吸込管3入口側端部には、これを回動させることによって前記可撓性ベーン8に軸心方向のねじれを付与するための回転レバー9が固定されてなる。この回転レバー9を回動させることによって、出口側心棒7bにこの回動運動を伝達し、可撓性ベーン8に軸方向のねじりを付与し、結果として、吸い込まれる気体に旋回流を発生させるのである。このような作用については、後程詳しく説明する。また、本発明において、回動とは、回転角度が360度以内であって、左右両方向の回転が可能な回転運動を言う。
このような本発明に係るガイドベーン1は、上記の如く回転レバー8を回動させることによって可撓性ベーン8に軸心方向のねじりを付与する。このねじりを自ら補う分、前記可撓性ベーン8の軸方向への直線長さが短縮されることになる。ところが、本発明の実施の形態1に係るガイドベーン1は、図1に示したように、前記出口側心棒7bの両端が、吸込管内壁3aに固定されることなくフリーの状態に構成されているため、上記のように回転レバー9の回動によって可撓性ベーンにねじりを与えたとしても、その伸縮を阻害することはない。
また、図1および図2においては、インレットガイドベーン1を構成する可撓性ベーン8が、前記入口側心棒7aと出口側心棒7bの各々の心棒間に固定して張設されている実施例を示したが、前記入口側心棒7aと出口側心棒7bの各々を包含するように固定して軸心方向に張設されても良い。前記入口側および出口側心棒7a,7bは、ピアノ線やステンレス鋼棒等の硬質部材で構成するのが好ましい。また、前記可撓性ベーン8は、NBRをナイロン繊維からなる織物等で補強したゴムシートや、FRPシートあるいはステンレス鋼の極薄板等の可撓性を有するシート状物で構成するが好ましい。
次に、このような構成からなるインレットガイドベーンの作用について以下説明する。例えば、図2において、この圧縮機の運転時には、後方の羽根車が図面上右回転している場合を想定する。この時、前記回転レバー9を右回転方向(プラス方向とする)にθ回動させ、9aの位置にしたとする。このような回転角度θを、インレットガイドベーン角度(以下、IGV角度と略称する)と言う。この回転レバー9の回動により、入口側心棒7aは固定された状態で、出口側心棒7bのみ同様にθだけ右回転する。
すると、吸込管8内に吸い込まれた気体は、この可撓性ベーン8のねじりによって、図2において右回転方向の旋回成分を付与される。即ち、前記羽根車の回転方向と同一方向の旋回流が発生して、前記圧縮機の羽根車との相対速度を低下させる。その結果、吸込流量(結果的には吐出流量)と吐出圧を低減させるのである。
逆に、前記回転レバー9を左方向(マイナス方向とする)に回動させると、吸込管8内に吸い込まれた気体は、この可撓性ベーン8のねじりによって、図2において左回転方向の旋回成分を付与される。即ち、前記羽根車の回転方向と逆方向の旋回流が発生して、この圧縮機の羽根車との相対速度が増加し、結果として吸込流量と吐出圧を増加させるのである。
前記回転レバー8の回動作動は、必要に応じて手動操作するのでも良いが、気体やオイルを作動流体とする流体シリンダーや電動シリンダーによって作動させるのが好ましい。更に、このようなシリンダーはポジショナ付とし、図示しない制御器からの指令信号によって、必要とする所定位置に停止させるよう構成されるのが好ましい。
以上の如く、本発明の実施の形態1に係るインレットガイドベーンによれば、前記入口側心棒7aと出口側心棒7bとに両端を軸心方向に固定して張設された可撓性ベーン8を、前記回転軸5に固定された回転レバー9を回動させることによって、吸込気体に旋回流を付与できるので、簡便な機構で吸込管内の流れを乱すことなく、効率的に吐出流量や吐出圧の増減を広範囲になすことが可能となる。
次に、本発明の実施の形態2に係るインレットガイドベーンについて、本発明の実施の形態2に係るインレットガイドベーンを説明するための縦断面図である図3を用いて以下に説明する。尚、本発明の実施の形態2が上記実施の形態1と相違するところは、インレットガイドベーンの支持構造に相違があり、その他は同構成であるから、上記実施の形態1と同一のものに同一符号を付して、その相違する点について以下説明する。
即ち、本発明の実施の形態2に係るインレットガイドベーン1は、図3に示す如く、吸込管3出口側において吸込管内壁3aに嵌合され、かつその吸込管内壁3aには固定されていない第2内接リング4bを備えている。同時に、前記吸込管3の出口側の前記回転軸5に出口側心棒7bの一端が固定し、出口側心棒7bの他端がこの第2内接リング4bに固定して半径方向に配設された構成をなしている。
この第2内接リング4bに係る構成により、回転軸5を吸込管3入口側で軸受6にて支持するのみならず、吸込管3出口側でも支持することになる。これにより、回転軸5が撓んだり、吸込管3の軸心からずれるようなことがないので、回転レバー9による回動がより円滑となる。
尚、この第2内接リング4bの前記吸込管内壁3aとの嵌合部を、軸心方向に摺動可能な構成とするのが好ましい。例えば、前記第2内接リング4bの外周部に数個の突起部を設け、これらの突起部に対向する吸込管内壁3aに軸心方向に延びた溝部を設け、前記突起部と溝部とを嵌め合わせて軸心方向に摺動可能なような構造が好適である。このような軸心方向の摺動機能によって、可撓性ベーンのねじれによる軸心方向の伸縮を吸収させ、前記可撓性ベーンへの負荷を解消してその寿命を延長することができる。
また、上記の構成に代え、回転軸5をその長手方向に往復動不可とし、第2内接リング4bを吸込管内壁3aとの嵌合部を軸心方向に摺動不可とする一方で、第1内接リング4aを吸込管内壁3aに固定せず、吸込管内壁3aとの嵌合部を軸心方向に摺動可能な構成としても良い。
次に、本発明の実施の形態3に係るインレットガイドベーンについて、図4および図5を用いて以下に説明する。図4は本発明の実施の形態3に係るインレットガイドベーンを説明するための縦断面図、図5は図4のB−B矢視図である。尚、本発明の実施の形態3が上記実施の形態1と相違するところは、インレットガイドベーンの支持構造に相違があり、その他は同構成であるから、上記実施の形態1と同一のものに同一符号を付して、その相違する点について以下説明する。
即ち、本発明の実施の形態3に係るインレットガイドベーン1は、図3および図4に示す如く、吸込管3の入口側内壁3aに嵌合された第1内接リング4aと同様に、前記吸込管3の出口側内壁3aには第2内接リング4bを備えている。但し、前記第1内接リング4aは吸込管内壁3aに固定されているが、第2内接リング4bは、例えば図4に示すように、吸込管内壁3aに円周状の溝部を形成して前記リング4bの外周部との間に隙間を設け、この隙間に鋼球11が挿入されて回動自在に支持されている。
また、前記吸込管3の入口側には、前記第1内接リング4aに両端を固定された複数本の入口側心棒7a、前記吸込管3の出口側には、前記第2内接リング4bに両端を固定され入口側心棒7aと同数の出口側心棒7bが、夫々直径方向に交差して配設されている。そして、前記入口側心棒7aと出口側心棒7bの各々に、可撓性ベーン8が両端を固定して軸心方向に張設されている。更に、前記第2内接リング4b外周には、回転レバー9が取り付けられて構成されている。そして、この回転レバー9を回動させることによって、前記可撓性ベーン8に軸心方向のねじれを与えるのである。
そして更に、前記第1内接リング4aを吸込管内壁3aに固定せず、前記吸込管3の軸方向に摺動可能な構成とするのが好ましい。このような構成をなす具体的構造と好ましい理由は、前記実施の形態2で述べた通りである。第1内接リング4aを吸込管内壁3aに固定し、第2内接リング4bを吸込管3の軸心方向に摺動可能な構成としても良い。
また、上記図4に示した実施の形態では、前記第2内接リング4bが吸込管内壁3aに回動自在に支持された例を示したが、逆に、回転レバーを取り付けた前記第1内接リング4aが吸込管内壁3aに回動自在に支持され、前記第2内接リング4bが吸込管内壁3aに嵌合されて構成しても良い。
以上の如く、可撓性ガイドベーンにねじりを付与することによってインレットガイドベーンを構成する本発明によれば、IGV角度θを正逆何れの方向にも回動可能なので、吸込流量(結果的には吐出流量)や吐出圧の幅広い増減運転が可能となる。
<実施例>
吐出圧力0.69MPa、吸込流量4800m/hの基本性能を有するターボ圧縮機に、本発明の実施の形態1に係るインレットガイドベーンを適用した場合の実施例について、以下図6を用いて説明する。図6は、本発明に係るインレットガイドベーンを適用したターボ圧縮機の性能曲線である。
図中、θで示すパラメータ値がIGV角度であり、このIGV角度θを60度〜−60度の間で変化させた場合の性能曲線を示している。図中、一点鎖線はサージング限界を示している。ここで、IVG角度θの回動方向とターボ圧縮機の羽根車回転方向との関係は、前述した本発明の実施の形態1において説明した関係と同一である。
図6において、IGV角度θを0度から増加するに従って、吸気流量と吐出圧が低減し、逆に、IGV角度θを0度から低減するに従って、吸気流量と吐出圧が増加する傾向が認められる。
例えば、このターボ圧縮機に、本発明に係るインレットガイドベーンを適用してIGV角度θ=−60度で運転すると、吐出圧力0.69MPaにおける吸込流量が、IGV角度θ=0に相当する吸込流量4800m/hを示す点Pから、吸込流量5200m/hを示す点Qまで増加する。即ち、前記吸込流量の比が、5200/4800=1.083であるから、インレットガイドベーンを適用しない場合より、8.3%増量するのである。
通常のターボ圧縮機に付帯されているインレットガイドベーンは、このガイドベーンを駆動させるリンク機構の関係から、前記IGV角度θを0度以下にできない。従って、本発明に係るインレットガイドベーンによれば、このIGV角度θを0度以下にすることによって、上記の通り吸込流量を増量出来るという大きな利点を有する。即ち、同一仕様のターボ圧縮機でも、本発明に係るインレットガイドベーンを適用することによって、運転範囲が広くなり、使用流量の変化に対応した追従性が向上するのである。
以上のように、本発明に係るインレットガイドベーンによれば、吸込管入口側内壁に嵌合された第1内接リングと、前記吸込管内の軸心に沿って配置された回転軸と、前記吸込管入口側にあってこの回転軸を回動自在に支持する軸受と、前記軸受にその一端を固定され他端を前記第1内接リングに固定して半径方向に配設された入口側心棒と、前記吸込管出口側にあってその一端を前記回転軸に固定されるとともに、他端を前記吸込管内壁に非接触に半径方向に配設された出口側心棒と、前記入口側心棒と出口側心棒の各々に両端を固定して軸心方向に張設された可撓性ベーンと、前記回転軸の吸込管入口側端部に固定された回転レバーとを備えてなるので、従来は不可能であった吸込流量や吐出圧の広範囲な増減運転が効率的に行える。
また、前記吸込管入口側内壁に嵌合された第1内接リングと、前記吸込管出口側内壁に回動自在に支持された第2内接リングと、前記吸込管入口側にあって前記第1内接リングに両端を固定され直径方向に交差して配設された入口側心棒と、前記第2内接リングに両端を固定され直径方向に交差して配設された出口側心棒と、前記入口側心棒と出口側心棒とに両端を固定して軸心方向に張設された可撓性ベーンと、前記第1内接リングまたは第2内接リングに固定され、これを回動させることによって前記可撓性ベーンに軸方向のねじれを与えるための回転レバーとを備えてなるので、吸込管内に回転軸のない簡素な構成となり、吸込流に対する圧損を低減できる。
本発明の実施の形態1に係るインレットガイドベーンを説明するための縦断面図である。 図1のA−A矢視図である。 本発明の実施の形態2に係るインレットガイドベーンを説明するための縦断面図である。 本発明の実施の形態3に係るインレットガイドベーンを説明するための縦断面図である。 図4のB−B矢視図である。 本発明に係るインレットガイドベーンを適用したターボ圧縮機の性能曲線である。 従来例に係る遠心圧縮機の一実施例を示す縦断面図である。 他の従来例に係るインレットガイドベーンの一実施例を示す縦断面図である。
符号の説明
1…インレットガイドベーン, 2…羽根車,
3…吸込管, 3a…吸込管内壁,
4a…第1内接リング,4b…第2内接リング,
5…回転軸, 6…軸受,
7a…入口側心棒, 7b…出口側心棒
8…可撓性ベーン, 9…回転レバー, 10…流れ場,
11…鋼球

Claims (5)

  1. 遠心圧縮機の吸込管内に設けられたインレットガイドベーンにおいて、前記吸込管入口側にあってこの吸込管内壁に嵌合された第1内接リングと、前記吸込管内の軸心に沿って長手方向に配置された回転軸と、前記吸込管入口側にあってこの回転軸を回動自在に支持する軸受と、この軸受にその一端を固定されるとともに他端を前記第1内接リングに固定して半径方向に配設された複数本の入口側心棒と、前記吸込管出口側にあってその一端を前記回転軸に固定されるとともに、他端を前記吸込管内壁に非接触に半径方向に配設され入口側心棒と同数の出口側心棒と、前記入口側心棒と出口側心棒の各々に両端を固定して軸心方向に張設された可撓性ベーンと、前記回転軸の吸込管入口側端部に固定され、これを回動させることによって前記可撓性ベーンに軸心方向のねじれを付与するための回転レバーとを備えてなることを特徴とするインレットガイドベーン。
  2. 前記吸込管出口側にあって、この吸込管内壁に嵌合された第2内接リングを備えるとともに、前記出口側心棒の他端がこの第2内接リングに固定して半径方向に配設されたことを特徴とする請求項1に記載のインレットガイドベーン。
  3. 遠心圧縮機の吸込管内に設けられたインレットガイドベーンにおいて、前記吸込管入口側にあってこの吸込管内壁に嵌合された第1内接リングと、前記吸込管出口側にあってこの吸込管内壁に回動自在に支持された第2内接リングと、前記吸込管入口側にあって前記第1内接リングに両端を固定され直径方向に交差して配設された複数本の入口側心棒と、前記第2内接リングに両端を固定され直径方向に交差して配設された入口側心棒と同数の出口側心棒と、前記入口側心棒と出口側心棒の各々に両端を固定して軸心方向に張設された可撓性ベーンと、前記第1内接リングまたは第2内接リングに固定され、これを回動させることによって前記可撓性ベーンに軸心方向のねじれを付与するための回転レバーとを備えてなることを特徴とするインレットガイドベーン。
  4. 前記第1内接リングまたは第2内接リングの何れかが、前記吸込管軸心方向に摺動可能な構成としたことを特徴とする請求項2または3に記載のインレットガイドベーン。
  5. 前記回転レバーによる回転角度を、流体シリンダーまたは電動シリンダーによって駆動制御するよう構成されたことを特徴とする請求項1乃至4の何れか一つの項に記載のインレットガイドベーン。
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