JP2007291080A - 海洋深層水に由来する機能性素材およびその用途 - Google Patents

海洋深層水に由来する機能性素材およびその用途 Download PDF

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Abstract

【課題】海洋深層水から得られ、血小板凝集抑制作、コレステロール合成抑制作用、または動脈硬化抑制作用を有し、医薬品、健康食品または飼料の成分として有用な機能性素材を提供する。またかかる機能性素材を有効成分とする医薬品、食品または飼料、特に血小板凝集抑制作用、抗コレステロール作用または動脈硬化抑制作用を有する医薬品、食品または飼料を提供する。
【解決手段】機能性素材として海洋深層水またはその脱塩水の有機画分、好ましくは海洋深層水またはその脱塩水を疎水性吸着剤に供し、次いで当該吸着剤を水で洗浄した後、有機溶媒で溶出して得られる画分を用いる。
【選択図】なし

Description

本発明は海洋深層水から得られる機能性素材に関する。より詳細には、血小板凝集抑制作用、コレステロール合成抑制作用、または動脈硬化抑制作用を有し、医薬品、健康食品または飼料の成分として有用な機能性素材に関する。また本発明は、かかる機能性素材を有効成分とする医薬品、食品または飼料、特に血小板凝集抑制作用、コレステロール合成抑制作用、または動脈硬化抑制作用を有し、抗凝固(血栓性疾患の予防または改善)、抗コレステロール(高コレステロール性疾患の予防または改善)、または抗動脈硬化(動脈硬化性疾患の予防または改善)を目的として使用される医薬品、食品または飼料に関する。
従来より、富栄養性や清浄性に優れた海洋深層水の脱塩水が飲料水として市販されており、アトピーの他、糖尿病、肩こり、または冷え症などの症状改善に有効であるといわれている(非特許文献1および2)。しかし、これらの作用を発揮する有効成分は未だ単離解明されておらず、健康飲料水として使用されるに留まっている。
一方、近年、心筋梗塞、脳血栓症または末梢血管閉塞症等の血栓性の疾患は増加傾向にあり、それを予防ないし改善する必要性および重要性が年々高まっている。凝固能亢進に基づく血栓症の治療および予防には、適切な抗凝固作用の発現は勿論のこと、長期治療に耐えうる安全性が必要とされる。従来より、血栓症の治療や予防には、ワーファリンやヘパリンなどの抗凝固剤が使用されているが、出血の危険性や多剤との相互作用などの副作用が指摘されており、医師による厳密な管理が必要とされる。また、血栓性疾患の治療薬として、血栓の主成分であるフィブリン分解に働く線溶酵素であるウロキナーゼ、ストレプトキナーゼ、および組織プラスミノーゲンアクチベーターが使用されているが、いずれも注射剤であり、やはり医師による処方および管理が必要となる。このため、有効性に加えて、安全性が高く、長期使用ならびに個人管理下での使用が可能な抗血小板剤が切望されている。
また、近年、生活習慣の欧米化に伴って、中性脂肪やコレステロールの増加を原因とする高脂血症や動脈硬化症等の循環器系疾患の発症が増加している。このため、日本人の死因は、第1位の悪性新生物(癌)に次ぎ、心疾患および脳血管疾患といったいわゆる「動脈硬化性疾患」が並び、両者を合計すると第1位に肉薄する死亡率を示している。それ故、これらの循環器疾患の増加に対応すべく、コレステロール低下作用、中性脂肪低下作用または抗動脈硬化作用を有する医薬組成物や食品の開発が嘱望されている。
Difference between deep sea water and surface seawater in the preventive effect of atherosclerosis, Biol. Pharm. Bull 27(11)1784-1787, 2004 Refined deep sea water effects on biological behavior of Helicobacter pylori in vitro. Abstract ASM 106th General Meeting Session No.232 I-117
本発明は、生理学的および薬理学的な有効作用に加えて、安全性に優れ、医薬品、食品または飼料として長期服用(摂取)が可能な海洋深層水に由来する新規機能性素材を提供することを目的とする。具体的には、本発明は、従来より飲料水として使用されている海洋深層水の血小板凝集抑制作用、抗コレステロール作用、または抗動脈硬化作用を有する画分(機能性素材)を、血栓性疾患、高コレステロール性疾患、または動脈硬化性疾患の予防または治療を目的とする医薬品、食品または飼料の有効成分として提供することを目的とする。
さらに本発明の目的は、かかる機能性素材を有効成分として含む医薬品、食品または飼料、とくに血栓性疾患、高コレステロール性疾患、または動脈硬化性疾患の予防または治療を目的として使用される医薬品、食品または飼料を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねていたところ、海洋深層水の有機画分、具体的には海洋深層水を疎水性吸着剤に供し、水で洗浄後、有機溶媒で溶出して得られた画分に選択的かつ特異的に血小板凝集抑制作用、抗コレステロール作用、および動脈硬化抑制作用があることを見出し、当該有機画分中にこれらの作用を示す薬理活性成分が含まれていることを確信した。そして、当該有機画分によれば、生理学的および薬理学的な有効性に加えて、安全性が高く長期服用が可能な医薬品、食品または飼料、とくに血栓性疾患、高コレステロール性疾患、もしくは動脈硬化性疾患の予防または治療を目的として使用される医薬品、食品または飼料が提供できることを確信した。
本発明はかかる知見に基づいて完成したものであり、下記の態様を包含するものである:
(1)機能性素材
(1-1).海洋深層水またはその脱塩水の有機画分を有効成分とする機能性素材。
(1-2).前記有機画分が、その水溶液または水分散液を疎水性吸着剤に供した場合に、当該吸着剤に吸着し、かつ有機溶媒の通液によって脱離する画分である(1-1)記載の機能性素材。
(1-3).前記有機画分が、海洋深層水またはその脱塩水を疎水性吸着剤に供して当該吸着剤に吸着させ、次いで、必要に応じて当該吸着剤を水で洗浄した後、有機溶媒を通液することによって溶出回収される画分である、(1-1)または(1-2)に記載の機能性素材。
(1-4).血小板凝集抑制作用を有し、抗凝固用途に用いられる、(1-1)乃至(1-3)のいずれかに記載する機能性素材。
(1-5).コレステロール合成抑制作用を有し、抗コレステロール用途に用いられる、(1-1)乃至(1-3)のいずれかに記載する機能性素材。
(1-6).動脈硬化抑制作用を有し、抗動脈硬化用途に用いられる、(1-1)乃至(1-3)のいずれかに記載する機能性素材。
(2)機能性素材の用途(医薬品、食品または飼料)
(2-1).(1-1)乃至(1-4)のいずれかに記載する機能性素材を有効成分とする抗血小板剤。
(2-2).(1-1)〜(1-3)および(1-5)のいずれかに記載する機能性素材を有効成分とする抗コレステロール剤。
(2-3).(1-1)〜(1-3)および(1-6)のいずれかに記載する機能性素材を有効成分とする抗動脈硬化剤。
(2-4).(1-1)乃至(1-6)のいずれかに記載する機能性素材を有効成分として含む医薬品、食品または飼料。
(2-5).血栓性疾患、高コレステロール性疾患または動脈硬化性疾患の予防または治療を目的として用いられる、(2-4)に記載する医薬品、食品または飼料。
(2-6).固形または液状の製剤形態を有することを特徴とする、(2-1)乃至(2-5)のいずれかに記載する医薬品、食品または飼料。
(2-7).(1-1)乃至(1-6)のいずれかに記載する機能性素材を有効成分として含むことを特徴とする、固形または液状の製剤形態を有する食品添加剤。
本発明の機能性素材は、血小板凝集抑制作用、コレステロール合成抑制作用、または動脈硬化抑制作用といった生理学的および薬理学的作用を有しているため、医薬品、健康食品(機能性食品、特定保健用途食品、健康補助食品、栄養補助食品、病人食などが含まれる)および飼料の成分、とくに血栓性疾患、高コレステロール性疾患、または動脈硬化性疾患の予防または治療を目的として使用される医薬品、健康食品または飼料の有効成分として有効に利用することができる。また本発明の医薬品、食品または飼料は、血小板凝集抑制作用、コレステロール合成抑制作用、または動脈硬化抑制作用といった生理学的および薬理学的作用を有するとともに、日常的に摂取できる海洋深層水またはその脱塩水から得られる素材を原料とするものであるため安全性が高く、長期服用(摂取)および医師によらない個人管理が可能である。
(1)機能性素材
本発明の機能性素材は、海洋深層水またはその脱塩水の有機画分を有効成分とすることを特徴とする。
海洋深層水は、海面下200メートル以深の深海、例えば陸棚外縁部以深の深海から取水された清浄な海水である。従来より、海洋深層水が海洋表層水に比べて清浄であること、バランスのよいミネラル分を豊富に含んでいること、及び生菌数も1/10〜1/100と少ないこと等が知られている。当該海洋深層水は、現在ノルウエー沖、ハワイ沖、北海道羅臼町(知床)、神奈川県三浦市、高知県室戸岬、沖縄県久米島町、富山県滑川市等の各地域で取水されているが、本発明においてはかかる採水の地域に限定されることなく、いずれの海洋深層水をも使用することができる。
なお、高知県室戸岬の東部海岸より2200m沖は一気に水深1000mまで海底が落ち込んでおり、この陸棚にぶつかった北太平洋中層流が湧き上がる海域がある。この室戸岬沖の陸棚斜面に湧昇する海洋深層水(特には海面下300m〜400m)が一般的に室戸海洋深層水と称されている。例えば、実施例で用いたマリンゴールド及びスーパーマリンゴールド〔(株)淺川自然食品工業製造、マリンゴールド(株)販売〕は、室戸岬の沖合2965m、水深374mの場所から取水した海洋深層水を原料とし、逆浸透膜法により脱塩処理して得られる海洋深層水ミネラルウォーターである。室戸海洋深層水には、室戸岬沖の陸棚斜面に湧昇する海洋深層水(室戸岬沖海洋深層水と称する)が含まれるだけでなく、北太平洋中層流が四国(好ましくは高知県)陸棚斜面にぶつかって湧昇する海洋深層水も含まれる。
海洋深層水は、有機画分の調製に際し、取水されたそのままの状態で使用することもできるが、本発明の効果を損なわないことを限度として各種の処理を施した後に使用することもできる。かかる処理方法として脱塩処理を挙げることができる。脱塩処理には、完全に塩を除去する完全脱塩と、塩を部分的に除去する減塩の両方が含まれる。脱塩処理方法は、海水から塩化ナトリウム(NaCl)などの無機塩を全部または一部除去できる方法であれば特に制限されることなく、従来公知もしくは将来開発される任意の処理方法を用いることができる。具体的には、イオン交換処理法、逆浸透膜処理法、および電気分解法などを挙げることができる。イオン交換処理は、慣用のイオン交換樹脂またはイオン交換膜を用いて行うことができる。尚、イオン交換処理を短時間で大量処理する場合には、イオン交換膜を備えた電気透析装置を用いて行うことが好ましい。脱塩処理法として好ましくは逆浸透膜処理法である。逆浸透膜処理に使用する膜の種類は特に制限されず、海水の脱塩に通常使用される酢酸セルロース膜(二酢酸セルロース膜および三酢酸セルロース膜も含まれる)またはポリアミド重合膜を例示することができる。好ましくは酢酸セルロース膜である。
海洋深層水を脱塩処理して得られる脱塩水は、制限はされないが、電気伝導率800〜1200μS/cmを有することが好ましい。また脱塩水のpHは、特に制限されないが、pH4.5〜7、好ましくはpH4.8〜6.8、より好ましくはpH5.5前後である。なお、脱塩水は、かかる電気伝導率およびpH範囲に調整するために、脱塩処理後、再び海洋深層水を添加して調製することもできる。
本発明において「有機画分」とは、海洋深層水またはその脱塩水から分画して調製された有機化合物を含有する画分をいう。なお、有機化合物は炭素原子を構造の基本骨格にもつ化合物を意味し、炭素原子に水素原子、酸素原子、窒素原子、硫黄原子などが結合したものであってもよい。有機化合物の中には、炭水化物、蛋白質、脂肪、アミノ酸などが含まれる。
当該有機画分は、海洋深層水またはその脱塩水を疎水性吸着剤に供した場合に、当該吸着剤に吸着し、かつ有機溶媒を通液することによって脱離溶出してくる画分である。言い換えると、本発明が対象とする有機画分は、その水溶液または水分散液を疎水性吸着剤に供した場合に、当該吸着剤に吸着し、かつ有機溶媒を通液することによって脱離する画分である。
その取得方法は、上記画分が取得できる方法であればよく、特に制限されないが、例えば海洋深層水またはその脱塩水を疎水性吸着剤に供して、有機画分を当該吸着剤に吸着させ、次いで、これを有機溶媒で溶出させて回収することによって得ることができる。なお、必要に応じて、有機溶媒で溶出するまえに疎水性吸着剤を水で洗浄し、非特異的に吸着した非有機画分を疎水性吸着剤から溶出除去してもよい。すなわち、海洋深層水またはその脱塩水を疎水性吸着剤に通液して有機画分を吸着させ、次いで、当該吸着剤を水で洗浄した後に、有機溶媒を通液することによって、有機画分を溶出回収することもできる。なお、当該水洗浄に使用する水は、特に制限されず、蒸留水、イオン交換水、滅菌水、純水を挙げることができるが、好ましくは純水、特に好ましくは超純水である。
ここで疎水性吸着剤としては、疎水性を示す吸着剤であれば特に制限されない。例えば、疎水性を示す吸着剤として、活性炭、ゼオライト、疎水性シリカゲル(オクタデシルシリル化シリカゲル、アクリルアミド共重合体結合グリセリルプロピルシリル化シリカゲル、アミノプロピルシリル化シリカゲル、アルミナ、エチルシリル化シリカゲル、エリレンジアミン-N-プロリルシリル化シリカゲル、カルボキシメチルシリル化シリカゲル、グリセリルプロピルシリル化シリカゲル、合成ケイ酸マグネシウム、シクロヘキシルシリル化シリカゲル、トリメチルアミノプロピルシリル化シリカゲル、ベンゼンスルホン酸シリル化シリカゲル、プロピルスルホニルシリル化シリカゲル、ベンゼンスルホニルプロピルシリル化シリカゲル)、ジビニルベンゼン-N-ビニルピロリドン共重合体、およびスチレンジビニルベンゼン共重合体を挙げることができる。
有機画分の調製には、簡便には、かかる吸着剤を充填したカラムを使用することができる。なお、これらの吸着剤は、使用(海洋深層水またはその脱塩水の適用)に先だって、疎水性の有機溶剤で洗浄した後、水を通液して、カラム充填液(または吸着剤の溶離液)を水、好ましくは純水、特に好ましくは超純水に置きかえておくことが好ましい。
疎水性吸着剤から有機画分の脱離溶出に使用される有機溶媒としては、メタノール、エタノール、ブタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコールなどの炭素数1〜6の低級アルコール:アセトニトリル、アセトンなどを挙げることができる。好ましくは低級アルコールであり、中でも好ましくは人体への安全性からエタノールである。
斯くして得られる有機溶媒溶出画分は、そのままの状態で本発明の有機画分として使用できるほか、有機溶媒を蒸発させて濃縮または乾固して、または凍結乾燥あるいはスプレードライにより粉末化して、本発明の有機画分として使用することもできる。なお、有機溶媒の蒸発や濃縮による乾固は、大気中の酸素の影響を回避するために窒素置換条件下で行ってもよい。
当該有機画分は、後述する実験例で示すように、血小板凝集抑制作用、コレステロール合成抑制作用、および抗動脈硬化作用を有している。従って、当該有機画分は、血小板凝集抑制作用を有する機能性素材として、抗凝固を目的とした用途、具体的には抗血小板剤、または血栓性疾患の予防若しくは治療を目的とする医薬品、食品または飼料の有効成分に使用することができる。
また当該有機画分は、コレステロール合成抑制作用を有する機能性素材として、抗コレステロール(コレステロール低下)を目的とした用途、具体的には抗コレステロール剤、または高コレステロール性疾患の予防若しくは治療を目的とする医薬品、食品または飼料の有効成分に使用することができる。
さらに当該有機画分は、抗動脈硬化作用を有する機能性素材として、抗動脈硬化を目的とした用途、具体的には抗動脈硬化剤、または動脈硬化性疾患の予防若しくは治療を目的とする医薬品、食品または飼料の有効成分に使用することができる。
なお、上記有機画分は、そのままの状態で本発明の機能性素材として使用することもできるが、必要に応じて、これに薬学的に許容される担体や添加剤、または食品や飼料として許容される成分を配合し、その状態(配合剤)で機能性素材として使用することもできる。
(2)機能性素材の用途(医薬品、食品、飼料)
(2-1) 抗凝固を目的とした用途
前述の通り、本発明の機能性素材は、血小板凝集抑制作用を有しており、抗凝固を目的とした用途、具体的には抗血小板剤、または血栓性疾患の予防若しくは治療を目的とした医薬品、食品または飼料の有効成分に使用することができる。従って、本発明は、上記機能性素材を有効成分として含有する抗血小板剤、または血栓性疾患の予防若しくは治療を目的または効果とする医薬品、食品または飼料に関する。
一般に血栓は、傷ついた血管壁や動脈硬化などで血管壁が粗面になっているところに、血管修復のために血小板が集まり凝集し、かかる血小板凝集塊にさらにフィブリンがからみつくことによって形成される。このため、血小板の凝集を抑制する抗血小板剤は、血栓ならびに血栓形成を原因として発症する各種の血栓性疾患の予防または改善(治療)に有効に使用することができる。なお、血栓性疾患の予防または改善には、血栓症の進展阻止、再発防止、血栓症の危険因子を有する患者の血栓症の二次防止、および健康人の血栓症の一次防止が含まれる。
血栓性疾患には、具体的には循環器疾患〔急性心筋梗塞、不安定狭心症、慢性安定型狭心症、陳旧性心筋梗塞、心房細動による血栓塞栓症、汎発性血管内血液凝固症候群(DIC)、冠動脈バイパス術後のグラフト閉塞、経皮的冠動脈形成術(PCI)後の冠動脈の狭窄および閉塞、人工心臓弁置換術後の血栓性合併症(血栓栓塞症、血栓弁)、肺血栓・栓塞症、体外循環血液中の血小板活性化〕、脳血管障害〔脳血栓症、一過性脳虚血発作(TIA)、脳梗塞〕、末梢動脈閉塞症(閉塞性動脈硬化症、閉塞性血栓血管炎、血行再建術後の閉塞)、糸球体腎炎、ネフローゼ症候群、その他の血栓症など〔本態性血小板症、血栓性血小板減少性紫斑病(TPP)、溶血性尿毒症症候群、抗リン脂質抗体症候群、川崎病、子癇、ベーチェット病〕が含まれる。
(2-2) 抗コレステロールを目的とした用途
また、本発明の機能性素材は、実験例に示すように、コレステロール合成の律速酵素であるヒドロキシメチルグルタリル-CoA還元酵素(HMG-CoA還元酵素)の分解を促進することによってコレステロールの合成を抑制する作用、すなわちコレステロール合成抑制作用(抗コレステロール作用)を有しており、抗コレステロール剤、または高コレステロール性疾患の予防若しくは治療を目的とした医薬品、食品または飼料の有効成分に使用することができる。従って、本発明は、上記機能性素材を有効成分とする抗コレステロール剤、または高コレステロール性疾患の予防若しくは治療を目的または効果とする医薬品、食品または飼料に関する。なお、高コレステロール性疾患の予防または改善には、高コレステロール性疾患の進展阻止や再発防止、高コレステロール性疾患の危険因子を有する患者の二次防止、および健康人の高コレステロール性疾患の一次防止が含まれる。
なお、本発明でいう高コレステロール性疾患には、高コレステロール血症(血清中の総コレステロール値が220mg/dl以上である高コレステロール血症と、血清中のLDLコレステロール値が140mg/dl以上である高LDLコレステロール血症の両方が含まれる)、高脂血症、およびこれらを有するメタボリックシンドローム(生活習慣病)が含まれる。
また高コレステロール血症が進展すると、血管壁に徐々にコレステロールが蓄積されて動脈硬化症、特にアテローム性動脈硬化症に進展することが知られている。当該アテローム性動脈硬化症は、脳梗塞や脳卒中などの脳血管疾患、および心筋梗塞や狭心症などの冠動脈疾患の主な原因である。すなわち、高コレステロール血症や高脂血症を予防しまた改善することは、これらの動脈硬化症、脳血管疾患および冠動脈疾患の発症を予防することにもなる。従って、本発明が対象とする高コレステロール性疾患(特に予防を目的とする高コレステロール性疾患)には、広い意味で高コレステロール血症を原因として発症する疾患、例えばアテローム性動脈硬化症などの動脈硬化、ならびにそれを原因とする脳血管疾患(脳梗塞や脳卒中など)、および冠動脈疾患(心筋梗塞や狭心症など)が含まれる
(2-3) 抗動脈硬化を目的とした用途
さらに、本発明の機能性素材は、実験例に示すように血管中膜平滑筋細胞の内膜での増殖を顕著に抑制する作用、すなわち抗動脈硬化作用を有しており、抗動脈硬化剤、または動脈硬化性疾患の予防若しくは治療を目的とした医薬品、食品または飼料の有効成分に使用することができる。従って、本発明は、上記機能性素材を有効成分とする抗動脈硬化剤、または動脈硬化性疾患の予防若しくは治療を目的または効果とする医薬品、食品または飼料に関する。なお、動脈硬化性疾患の予防または改善には、動脈硬化の進展阻止、再発防止、動脈硬化の危険因子を有する患者の動脈硬化症の二次防止、および健康人の動脈硬化症の一次防止が含まれる。
一般に、動脈硬化症は、病理学的にアテローム性動脈硬化症(粥状動脈硬化症)、メンケベルグ型動脈硬化症(中膜硬化症)及び細動脈硬化症の3群に分類される。アテローム性動脈硬化症は、冠状動脈、脳底動脈、腎動脈、胸・腹部大動脈などの内膜に脂肪沈着やプラーク形成が生じるものであり、虚血性心疾患、脳梗塞、腎不全及び大動脈瘤などとの関連性が指摘されている。一方、メンケベルグ型動脈硬化症は、大腿動脈など四肢の中程度の太さの動脈に好発し、中膜の石灰化をきたすものである。本発明の抗動脈硬化剤は、これら各種の動脈硬化症、例えば、アテローム性動脈硬化症、メンケベルク型動脈硬化症(中膜硬化症)、細動脈硬化症の予防またはその症状の改善に効果的に使用することができる。
(2-4)医薬品
本発明が対象とする上記の医薬品は、経口投与または非経口投与〔皮下投与、経皮投与、経肺投与、経粘膜投与(点鼻など)、直腸投与など〕の形態の別を問わないが、好ましくは経口用の医薬品である。
医薬品は、上記本発明の機能性素材を、経口及び非経口投与に通常用いられる薬学的に許容される担体(賦形剤、結合剤、崩壊剤、崩壊補助剤、滑沢剤、湿潤剤など)や添加剤などと混合し、顆粒剤、散剤、錠剤(糖衣錠を含む)、丸剤、カプセル剤、シロップ剤、乳剤、懸濁剤などの所望の形態に製剤化することにより調製することができる。薬学的に許容される担体としては、例えば、結合剤(例えば、シロップ、アラビアゴム、ゼラチン、ソルビット、トラガント、ポリビニルピロリドン)、賦形剤(例えば、乳糖、砂糖、コーンスターチ、リン酸カリウム、ソルビット、グリシン)、潤滑剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ポリエチレングリコール、シリカ)、崩壊剤(例えば、ジャガイモ澱粉)、湿潤剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム)等を挙げることができる。添加剤としては、香料、緩衝剤、増粘剤、着色剤、安定剤、乳化剤、分散剤、懸濁化剤、防腐剤などを例示することができる。
本発明が対象とする医薬品には、前述するように、抗血小板剤、特に血栓性の疾患の予防または治療剤が含まれる。また本発明が対象とする医薬品には、抗コレステロール剤、特に高コレステロール性疾患の予防または治療剤が含まれる。さらに本発明が対象とする医薬品には、抗動脈硬化剤、特に動脈硬化性疾患の予防または治療剤が含まれる。
これらの医薬品の投与量は、疾患の種類、患者の性別、体重、年齢、症状などの種々の条件に応じて適宜決定することができる。例えば、1日あたりの服用量として、本発明の有機画分の原料である海洋深層水(原液)の量に換算して、10〜200mL、好ましくは50〜100mLの割合を挙げることができる。すなわち、1日あたり、10〜200mLの海洋深層水に含まれる有機画分量、好ましくは50〜100mLの海洋深層水に含まれる有機画分量が摂取できる割合である。
(2-5)食品
本発明が対象とする上記の食品には、上記の本発明の機能性素材を飲食物の製造原料の一つとして配合することによって調製されるものが含まれる。
かかる食品は、原料として本発明の機能性素材を用いる以外は、通常の方法により製造でき、食品の種類に応じた各種の食品素材や添加物、例えば、乳、乳製品、例えば乳、乳製品、砂糖、果汁、野菜汁、ゲル化剤、香料などを任意に加えることができる。
食品の種類は特に制限されず、飲料(乳飲料、乳酸菌飲料、果汁入り清涼飲料、炭酸飲料、果汁飲料、野菜飲料、野菜・果実飲料、アルコール飲料、コーヒー飲料、粉末飲料、スポーツ飲料、サプリメント飲料、紅茶飲料、緑茶、ブレンド茶等の茶飲料等)、菓子類〔カスタードプリン、ミルクプリン、果汁入りプリン等のプリン類、ゼリー、ババロア及びヨーグルト等のデザート類;ミルクアイスクリーム、果汁入りアイスクリーム及びソフトクリーム、アイスキャンディー等の冷菓類;チューインガムや風船ガム等のガム類(板ガム、糖衣状粒ガム);マーブルチョコレート等のコーティングチョコレートの他、イチゴチョコレート、ブルーベリーチョコレート及びメロンチョコレート等の風味を付加したチョコレート等のチョコレート類;ハードキャンディー(ボンボン、バターボール、マーブル等を含む)、ソフトキャンディー(キャラメル、ヌガー、グミキャンディー、マシュマロ等を含む)、ドロップ、タフィ等のキャラメル類;ハードビスケット、クッキー、おかき、煎餅等の焼き菓子類〕、パン類、スープ類(コンソメスープ、ポタージュスープ等)、魚肉加工品(魚肉ハム、魚肉ソーセージ、魚肉すり身、蒲鉾、竹輪、はんぺん、薩摩揚げ、伊達巻き、鯨ベーコンなど)、畜肉加工品(ハム、ソーセージ、焼き豚等の)、麺類(うどん、冷麦、そうめん、ソバ、中華そば、スパゲッティ、マカロニ、ビーフン、はるさめ及びワンタン等)、ソース類(セパレートドレッシング、ノンオイルドレッシング、ケチャップ、たれ、ソース)、総菜などを例示することができる。
また本発明が対象とする食品には、上記機能性素材をそのまま又は食品として使用可能な担体や添加剤とともに、顆粒剤、粉末剤、錠剤、丸剤、カプセル剤(硬カプセル剤および軟カプセル剤が含まれる)、およびドライシロップ剤などの固形製剤;または液剤、ドリンク剤(溶液、乳化液または懸濁液)、およびシロップなどの液状製剤の形態に調製した食品添加剤やサプリメントが含まれる。なお、担体や添加剤としては、経口医薬品に関して使用されるものを同様に使用することができる。
ここで食品添加剤とは、食品の製造過程において、食品に添加、混和、浸潤その他の方法によって使用されるものである。本発明が対象とする食品添加剤には、制限されないものの、食品に健康補助成分または栄養成分を強化する目的で使用される健康補助強化剤または栄養強化剤が含まれる。
またサプリメントとは、日常の食生活では不足しがちな栄養素(例えばビタミンやミネラル)や日常の食生活では十分に補給することができない機能性成分を、通常の食事とは別に体内に補給するために摂取されるものであり、上記するような固形製剤や液状製剤など、一般の食品とは異なる製剤形態を有するものをいう。なお、日本では「栄養補助食品」または「健康補助食品」と、また米国では「dietary supplement」とも称される。当該サプリメントは、一般の食品より積極的な意味での保健、健康維持・増進等の目的をもった食品である。本発明が対象とするサプリメントには、包装容器などに当該食品の機能や効果を具体的に示すことが可能な特定保健用食品(条件付き特定保健用食品を含む)も含まれるが、これに限らず、具体的な機能や効果の記載に代えて、その機能や効果が消費者にイメージされるような表示を付した食品も含まれる。
これらの本発明の食品は、血小板凝集抑制作用を有しており、血栓形成を抑制して、血栓ならびに血栓形成を原因として発症する各種の血栓性疾患の予防または改善(治療)に有効に使用することができる。また本発明が対象とする食品は、抗コレステロール作用を有しており、高コレステロールを原因として発症する各種の高コレステロール性疾患の予防若しくは治療に有効に使用することができる。さらに本発明が対象とする食品は、抗動脈硬化作用を有しており、動脈硬化を原因として発症する各種の動脈硬化性疾患の予防若しくは治療に有効に使用することができる。すなわち、本発明の食品は、血栓性疾患に対する予防または治療作用、高コレステロール性疾患に対する予防または治療作用、または/および動脈硬化性疾患に対する予防または治療作用を有しており、これらの作用効果を期待して使用される健康食品、機能性食品、健康補助食品、栄養補助食品、特定保健用食品、あるいは病者用食品として提供することができる。また、本発明の食品が食品添加剤である場合は、当該食品添加剤は、上記各種疾患に対して予防または治療効果が期待される健康食品、機能性食品、健康補助食品、栄養補助食品、特定保健用食品、あるいは病者用食品の調製に、特に健康補助成分の強化剤または栄養成分の強化剤などとして好適に使用することができる。
本発明の食品の摂取量は、摂取者の性別、体重、年齢、症状などの種々の条件に応じて適宜決定することができる。例えば、1日あたりの摂取量として、本発明の有機画分の原料である海洋深層水(原液)の量に換算して、10〜200mL、好ましくは50〜100mLとなるような割合を挙げることができる。すなわち、1日あたり、10〜200mLの海洋深層水に含まれる有機画分量、好ましくは50〜100mLの海洋深層水に含まれる有機画分量が摂取できる割合である。
(2-6)飼料
本発明が対象とする飼料には、上記の本発明の機能性素材を各種飼料の製造原料の一つとして配合することによって調製されるものが含まれる。また本発明が対象とする飼料には、上記機能性素材をそのまま又は飼料として使用可能な担体や添加剤とともに、顆粒剤、粉末剤、錠剤、丸剤、カプセル剤(硬カプセル剤および軟カプセル剤が含まれる)、およびドライシロップ剤などの固形製剤;または液剤、ドリンク剤(溶液、乳化液または懸濁液)、およびシロップなどの液状製剤の形態に調製した飼料添加剤やサプリメントが含まれる。対象とする動物の種類は特に制限されず、家畜やペットを始め、各種の実験動物(ウサギ、ラット、マウス、犬、サルなど)を挙げることができる。
本発明の飼料の投与量は、動物の種類や性別、体重、年齢、症状などの種々の条件に応じて適宜決定することができる。例えば、1日あたりの摂取量として、本発明の有機画分の原料である海洋深層水(原液)の量に換算して、2〜10mLとなるような割合を挙げることができる。すなわち、1日あたり、2〜10mLの海洋深層水に含まれる有機画分量が摂取できる割合である。
以下、本発明の内容を以下の実験例を用いて具体的に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、下記に記載する処方の単位は特に言及しない限り、%は重量%を、また部は重量部を意味するものとする。
下記の実験例では、海洋深層水として室戸岬海洋深層水ミネラルウォーター(スーパーマリンゴールド;(株)淺川自然食品工業製)を使用した。当該ミネラルウォーターは、室戸岬の沖合2965m、水深374mの場所から取水した海洋深層水を原料とし、逆浸透膜法により脱塩処理して得られた海洋深層水の脱塩水である。
実験例1 血小板凝集試験
(1)海洋深層水の血漿板凝集抑制作用
(1-1)日本シロウサギ(体重3kg前後、6ヶ月齢、雄)(日本チャールズリバー)を用いて、以下の手順により血小板凝集試験を行った。
シロウサギに、室戸岬海洋深層水ミネラルウォーター25mLを一日2回ずつ2週間にわたって胃に注入した。投与前および投与から2週間目に各々血液を採取し、遠心分離して血小板リッチ血漿(PRP)を集めた。血小板凝集試験は、調製した血小板リッチ血漿(PRP)を血小板凝集刺激物質〔コラーゲン(0.25μg/ml:エム・シー・メディカル社製)、ADP(2.5μg/ml:エム・シー・メディカル社製)で刺激した後、凝集の有無および程度をアグルゴメーター(MCM hema tracer 212:エム・シー・メディカル社製)で測定することによって行った(Kimata et al., ACTA Medica (Hradec Kralove) 45, 83(2002))。
室戸岬海洋深層水ミネラルウォーター投与前(Pre)の血小板凝集度(%)と投与後2週間目(Post)の血小板凝集度(%)とを対比した結果を図1および2に示す。図1は、血小板凝集刺激物質であるコラーゲンで刺激した場合の結果を、図2は同物質であるADPで刺激した場合の結果を示す。この結果からわかるように、室戸岬海洋深層水ミネラルウォーター(海洋深層水の脱塩水)の投与により血小板凝集能の明確な低下が認められた。この血小板凝集抑制作用は、通常の内陸性ミネラルウォーターでは認められなかった。また室戸岬海洋深層水ミネラルウォーターの投与を止めると、2週間で効果は消失した。
(1-2)ヒト(男4名、女6名)を対象として、上記と同様に採血を行って、室戸岬海洋深層水ミネラルウォーター摂取による血小板凝集抑制作用を調べた。被験者は、いずれも試験1ヶ月前から血小板凝集能を妨げる薬を飲まず、上記実験例1(1)(1-1)と同様に、室戸岬海洋深層水ミネラルウォーターを1日200mlずつ2週間にわたって飲用した。飲用前と飲用後2週間目の血液を採取し、上記と同様に血小板凝集度(%)を測定した。
室戸岬海洋深層水ミネラルウォーター投与前(Pre)の血小板凝集度(%)と投与後2週間目(Post)の血小板凝集度(%)とを対比した結果を図3および4に示す。図3は、コラーゲンで刺激した場合の結果を、図4はADPで刺激した場合の結果を示す。この結果からわかるように、ウサギの場合と同様に、室戸岬海洋深層水ミネラルウォーター(海洋深層水の脱塩水)の飲用により血小板凝集能の明確な低下が認められた。しかし、他の血液分析値には変化は認められなかった。
(2)海洋深層水の有機画分の血漿板凝集抑制作用
(2-1) 海洋深層水の有機画分の調製
疎水性吸着剤としてオクタデシルシリル化シリカゲルを充填したカラム(Sep-Pak PlusC18;Waters製)を使用した。予め、カラムにジクロロメタン10mL、アセトン10mLおよび超純水10mLを順番に通液しておき、これに、10ミクロンのフィルターに通した室戸岬海洋深層水ミネラルウォーター300Lを供した。これに超純水50mLを通液してカラムを洗浄し、次いでエタノール100mLを通液して、溶出液を回収した。これを窒素存在下で全量が5mLになるまで濃縮して、これを海洋深層水の有機画分とした。また比較試験用に、上記と同じ前処理をしたカラム(Sep-Pak PlusC18;Waters製)に室戸岬海洋深層水ミネラルウォーター300Lを通液し、素通りして溶出してきた海洋深層水を、有機画分除去無機海洋深層水とし、これを5mLまで濃縮したものを無機分画として用いた。
(2-2)血小板凝集試験
上記で調製した海洋深層水の有機画分を被験試料として、(1-1)と同様に、日本シロウサギ(体重3kg前後、6ヶ月齢、雄)(日本チャールズリバー)を用いて、以下の手順により血小板凝集試験を行った。なお、シロウサギは、(a)有機画分(200μl/25mL)1回投与群(以下、「1回投与群」という)、(b)有機画分(10μl/500mL)を一日50mLずつ2週間に亘って投与する群(以下、「2週間(10μl/500mL)投与群」という)、(c)有機画分(20μl/500mL)を一日50mLずつ2週間に亘って投与する群(以下、「2週間(20μl/500mL)投与群」という)の3グループにわけ、海洋深層水の有機画分を各群の処方に従って胃に注入した。
投与前および投与から2週間目〔2週間(10μl/500mL)投与群および2週間(20μl/500mL)投与群については初回投与から2週間目〕に各々血液を採取し、遠心分離して血小板リッチ血漿(PRP)を集め、血小板凝集刺激物質〔2週間(10μl/500mL)投与群および2週間(20μl/500mL)投与群については、コラーゲン(0.25μg/ml:エム・シー・メディカル社製)使用;1回投与群についてはADP(2μM、20μM)使用〕で刺激した後の凝集の有無および程度をアグルゴメーター(MCM hema tracer 212:エム・シー・メディカル社製)で測定した。
1回投与群、2週間(10μl/500mL)投与群および2週間(20μl/500mL)投与群について、各々有機画分投与前(Pre)の血小板凝集度(%)と投与後2週間目(Post)の血小板凝集度(%)とを対比した結果を、それぞれ図5、図6および図7に示す。この結果からわかるように、海洋深層水の有機画分の投与により血小板凝集能の明確な低下が認められた。一方、海洋深層水の無機画分には、かかる血小板凝集能の低下は認められなかった(血小板凝集刺激物質としてADP(2μM、20μM)使用)(図8参照)。
このことから、実験例1(1)で確認された室戸岬海洋深層水ミネラルウォーター(海洋深層水の脱塩水)の血小板凝集抑制作用は、その有機画分に起因するものであり、海洋深層水の有機画分中に血小板凝集抑制作用を引き起こす生理活性成分が含まれていると考えられた。
実験例2 抗動脈硬化作用評価試験
(1)海洋深層水の動脈硬化抑制作用
日本シロウサギ(体重3kg前後、6ヶ月齢、雄)を用いて、以下の手順により海洋深層水の動脈硬化抑制作用を調べた。
シロウサギを全身麻酔した後、その頸動脈を3FのFogarty catheter(Edwards Lifesciences)を用いて3回擦過して、血管内皮傷害の動脈硬化モデル動物(血管内皮傷害モデル動物)を作製した。擦過後に1%コレステロール食を4週間食餌させた。これらのウサギを、(a) ミネラルウォーター非投与群(n=5)(単に「非投与群」ともいう)、(b)擦過後に内陸性ミネラルウォーター(クリスタル・ガイザー)を4週間投与した群(n=5)(単に「CG群」ともいう)、(c) 擦過後に室戸岬海洋深層水ミネラルウォーターを4週間投与した群(n=5)(単に「Post SMG群」ともいう)、(d)擦過前の2週間と擦過後4週間にわたって室戸岬海洋深層水ミネラルウォーターを投与した群(n=5)(単に「Pre+Post SMG群」ともいう)の4グループに分けた。
擦過から4週目に、各グループのウサギを屠殺して頸動脈を摘出した。摘出標本は、ホルマリン固定後、パラフィン包埋を行い4mm間隔で薄切りし、HE染色した。新生内膜/内腔面積比と新生内膜/中膜面積比をNIH imageコンピューターソフトで解析し、3箇所の平均を求めた。
結果を図9および図10に示す。また、図11に各群の動脈硬化モデル動物の、HE染色した血管内皮傷害部位の断面標本の画像を示す。矢印は動脈壁の新生内膜を示す。この結果からわかるように、室戸岬海洋深層水ミネラルウォーターの投与により(「Post SMG群」および「Pre+Post SMG群」)、動脈壁の新生内膜肥厚が著明に抑制され、またその効果は擦過前から投与することにより顕著であった。一方、内陸性ミネラルウォーターには新生内膜肥厚の抑制効果は認められず(「CG」群)、かかる効果は海洋深層水に由来するミネラルウォーターに認められる特有の効果であることが判明した。
なお、実験例1で、室戸岬海洋深層水ミネラルウォーター(海洋深層水の脱塩水)の血小板凝集抑制作用は、その有機画分に起因するものであることを示した。血小板凝集抑制作用によって動脈硬化も抑制されることが知られていることから(Maree AO, Fitzgerald DJ. Related Articles, Links Abstract Aspirin and coronary artery disease. Thromb Haemost. 2004 Dec;92(6):1175-81.:Munteanu A, Zingg JM, Azzi A. Related Articles, Links Free Full Text Anti-atherosclerotic effects of vitamin E--myth or reality? :J Cell Mol Med. 2004 Jan-Mar;8(1):59-76. Review.:Berk BC, Abe JI, Min W, Surapisitchat J, Yan C. Related Articles, Links Abstract Endothelial atheroprotective and anti-inflammatory mechanisms.:Ann N Y Acad Sci. 2001 Dec;947:93-109; discussion 109-11. Review.)、上記室戸岬海洋深層水ミネラルウォーター(海洋深層水の脱塩水)の動脈硬化抑制作用もまたその有機画分に起因し、海洋深層水の有機画分中に動脈硬化抑制作用を引き起こす生理活性成分が含まれていると考えられる。
(2)海洋深層水の有機画分の動脈硬化抑制作用
(2-1) 海洋深層水の有機画分の調製
原料として使用する室戸岬海洋深層水ミネラルウォーターの量を100Lとし、これを、疎水性吸着剤を充填したカラム(Sep-Pak PlusC18;Waters製)にかけて、エタノールで溶出させた溶出液を5mLまで濃縮する以外は、上記実験例1(2)(2-1)と同様の方法で、海洋深層水の有機画分を調製した。
(2-2)動脈硬化抑制試験
上記で調製した海洋深層水の有機画分を被験試料として、自然発症動脈硬化ウサギ(WHHLウサギ、2ヶ月齢、雄)(北山ラベス(株))を対象として動脈硬化抑制試験を行った。具体的には、WHHLウサギを、(a)有機画分投与群(200μl/week)(n=4)、および(b)コントロール群(蒸留水50ml/day)(n=4)の2群に分け、(a)有機画分投与群には、上記で調製した有機画分を1週間200μlの割合で8週間にわたって胃内注入投与した(合計投与回数8回、合計投与量1600μL)。
投与から2ヶ月後に犠牲死させ、下行大動脈から腹部大動脈領域に形成された動脈硬化巣をOil red-O染色で染め、動脈硬化面積を測定し、当該領域に占める動脈硬化巣の面積比(%)を算出した。結果を図12に示す。
また、実験開始前と実験後に血液を採取し、血清中の総コレステロール量とLDLコレステロール量を測定した。実験開始前の総コレステロール量およびLDLコレステロール量をそれぞれ100%とした場合の、実験後の相対比(%)を、図13の(A)および(B)に示す。
この結果からわかるように、海洋深層水の有機画分の投与により動脈硬化巣の明確な減少が認められた。このことから、実験例2(1)で確認された室戸岬海洋深層水ミネラルウォーター(海洋深層水の脱塩水)の動脈硬化抑制作用は、その有機画分に起因するものであり、海洋深層水の有機画分中に動脈硬化抑制作用を引き起こす生理活性成分が含まれていると考えられた。
さらに、海洋深層水の有機画分の投与により、動脈硬化抑制効果とともに、血清中の総コレステロール量およびLDLコレステロール量の明らかな低下が認められた。このことから、当該有機画分による動脈硬化抑制効果は、そのコレステロール低下作用に基づくものと考えられた。なお、ここで使用した自然発症動脈硬化ウサギ(WHHLウサギ)は、LDL受容体を先天的に欠失している病態モデル動物である。このため、本実験において海洋深層水の有機画分の投与によってWHHLウサギのLDLコレステロール値が低下したことは、当該有機画分によってLDLそのものの合成が抑制されたことを示唆している。
実験例3 抗コレステロール作用評価試験
上記実験例2の結果をうけて、実験例2(2)(2-1)で調製した海洋深層水の有機画分を被験試料として、海洋深層水の有機画分の抗コレステロール作用を評価した。
(1)HMG-CoA還元酵素に対する阻害作用
海洋深層水の有機画分のHMG-CoA還元酵素に対する阻害作用を調べた。具体的には、下式で示される反応(200μM HMG-CoA, 200μM NADPH, 37℃)を、有機画分(15μl)の存在下および非存在下で行い、NADPの生成量を、340nmの吸光度を測定することによって評価した。
Figure 2007291080
有機画分の非存在下で反応して得られた吸光度(340nm)を100%として算出した結果を図14に示す。これからわかるように、海洋深層水の有機画分によって、HMG-CoA還元酵素の触媒活性が阻害され、当該画分にHMG-CoA還元酵素を阻害する作用があることが判明した。
(2)HMG-CoA還元酵素の発現抑制作用
海洋深層水の有機画分のHMG-CoA還元酵素の発現抑制作用を調べた。具体的には、下記の操作に従って、培養HepG2細胞(肝ガン細胞)におけるHMG-CoA還元酵素の発現の有無を、ウエスタンブロッティング法で観察した。
(a) HepG2細胞を、5%FBSを含むMEM培地を用いてCO2インキュベーターの中で培養し、次いで35mm径のディッシュに継代して1晩、無血清培地で培養した。
(b) 得られた培地に、(1)vehicle(DMSOとエタノールの等量混合液)、(2)25μmol/lコレステロール+25μmol/l 25-ヒドロキシコレステロール、(3)1μmol/l アトルバスタチン(atorvastatin)、(4)20μl海洋深層水の有機画分を、それぞれ添加し、培養(37℃)した。なお、アトルバスタチンは既製のHMG-CoA還元酵素阻害剤である。
(c)培養から12時間後、得られた細胞を破砕溶解して、細胞溶解緩衝液を用いて単離したタンパク質30μgをSDS-PAGE電気泳動に供して分離した。電気泳動後、PVDF膜に転写し、これを5%スキムミルクを含むTBSTブロッキング剤で終夜処理した後、抗HMG-CoA還元酵素-ウサギポリクローナル抗体(1:1000、Upstate Biotechnology)で、室温で90分間反応させた。
(d) 次いで得られたPVDF膜を、TBSTで軽く5分間洗浄し、HRP結合-抗ウサギIgG(Santacruz Biotechnology)で60分間インキュベーションした。
(e) タンパク質のバンドを、化学発光試薬:Amersham ECL plus(GE Healthcare)を用いて検出した。
結果を図15(A)および(B)に示す。この結果からわかるように、海洋深層水の有機画分を投与した細胞のHMG-CoA還元酵素に相当するバンドの色は極めて薄かった。このことから、海洋深層水の有機画分にHMG-CoA還元酵素の発現産生を抑制する作用があるか、または生成したHMG-CoA還元酵素を速やかに分解する作用を有していることが判明した。一方、既製のHMG-CoA還元酵素阻害剤であるアトルバスタチンは、基質と競合することによってHMG-CoA還元酵素の活性を阻害するものであり、HMG-CoA還元酵素に直接作用するものではなく、むしろHMG-CoA還元酵素は代償的に合成が促進されることが知られている(図15の4レーン参照)。すなわち、海洋深層水の有機画分は、高脂血症薬および抗コレステロール薬である、従来のスタチン系薬剤とは異なる作用機序に基づいて、コレステロールの合成を抑制してコレステロール値を低下させるものと考えられた。
実験例4 海洋深層水の有機画分のHMG-CoA還元酵素阻害活性画分
実験例1(2)と同様の方法で調製した海洋深層水(300L)の有機画分(5ml濃縮物)を、下記条件の液体クロマトグラフィーにかけた。
Figure 2007291080
得られたクロマトグラムを図16(A)に示す。図16(A)に示すように1-13画分を分取し、各分画のHMG-CoA還元酵素活性を、実験例3(1)の方法に従って測定した。結果を図16(B)に示す。その結果、保持時間(RT)5〜60分に溶出した1-13の分画の全般にわたってHMG-CoA還元酵素阻害活性が認められた。特に0-1画分、3-5分画分、7画分、に強いHMG-CoA還元酵素阻害活性が認められた。
室戸岬海洋深層水ミネラルウォーターを投与したウサギにおける血小板凝集試験(コラーゲン刺激)の結果を示すグラフである。図中、「Pre」はミネラルウォーター投与前の血小板凝集度(%)、「Post」はミネラルウォーター投与後2週間目の血小板凝集度(%)を示す(図2〜4においても同じ)。 室戸岬海洋深層水ミネラルウォーターを投与したウサギにおける血小板凝集試験(ADP刺激)の結果を示すグラフである。 室戸岬海洋深層水ミネラルウォーターを摂取したヒトにおける血小板凝集試験(コラーゲン刺激)の結果を示すグラフである。 室戸岬海洋深層水ミネラルウォーターを摂取したヒトにおける血小板凝集試験(ADP刺激)の結果を示すグラフである。 室戸岬海洋深層水の有機画分を投与したウサギ(1回投与群)における血小板凝no集試験(ADP刺激)の結果〔投与前(Pre)、投与後2週間目(2W)〕を示すグラフである。 室戸岬海洋深層水の有機画分を投与したウサギ〔2週間(10μl/500mL)回投与群〕における血小板凝集試験(コラーゲン刺激)の結果〔投与前(Pre)、初回投与後2週間目(2W)〕の結果を示すグラフである。 室戸岬海洋深層水の有機画分を投与したウサギ〔2週間(20μl/500mL)回投与群〕における血小板凝集試験(コラーゲン刺激)の結果〔投与前(Pre)、初回投与後2週間目(2W)〕の結果を示すグラフである。 室戸岬海洋深層水の有機画分を除いた無機画分を投与したウサギ(1回投与群)における血小板凝集試験(ADP刺激:20μM、2μM)の結果〔投与前(Pre)、投与後2週間目(2W)〕の結果を示すグラフである。 血管内皮障害部位の断面標本をNIHimageコンピューターソフトを用いて新生内膜面積/血管内腔面積・比を示す。図中、「非投与群」はミネラルウォーター非投与群((a)群)、「CG群」は擦過後に内陸性ミネラルウォーターを投与した群((b)群)を、「Post SMG群」は擦過後に室戸岬海洋深層水ミネラルウォーターを投与した群((c)群)を、「Pre+Post SMG群」は擦過前と後に室戸岬海洋深層水ミネラルウォーターを投与した群((d)群)をそれぞれ意味する(図10および11において同じ)。 血管内皮障害部位の断面標本をNIHimageコンピューターソフトを用いて新生内膜面積/中膜面積・比を示す。 ウサギのバルーン血管内皮障害モデル動物における室戸岬海洋深層水ミネラルウォーターの動脈硬化に与える効果を示す、HE染色による血管内皮障害部位の断面標本を示す。 蒸留水(Control)または海洋深層水の有機画分(Organic substance)を投与した自然発症動脈硬化ウサギについて、下行大動脈から腹部大動脈領域に形成された動脈硬化巣の面積(Atherosclerosed area)を比較した図である。下行大動脈から腹部大動脈領域の面積(100%)に占める動脈硬化巣の面積比(%)として示す(実験例2(2))。 蒸留水(Control)または海洋深層水の有機画分(Organic substance)を投与した自然発症動脈硬化ウサギについて、投与前(Pre)と投与後に測定した(A)血清中の総コレステロール量(TCHO)、および(B)血清中のLDLコレステロール量(LDL)を示す(実験例2(2))。投与前(Pre)の各量を100%とした場合の相対比(%)で示す。 海洋深層水の有機画分の存在下(Organic substance)または非存在下(Control)で、HMG-CoA還元酵素(HMG-CoA reductase)の触媒活性を評価した結果を示す(実験例3(1))。非存在下(Control)でのHMG-CoA還元酵素の触媒活性を100%とした場合の相対活性(Relative activity)を示す HepG2細胞におけるHMG-CoA還元酵素の発現の有無を、(1)vehicle(DMSOとエタノールの等量混合液)、(2)25μmol/lコレステロール+25μmol/l 25-ヒドロキシコレステロール(Sterols)、(3)1μmol/l アトルバスタチン(Atorvastatin)、および(4)20μl海洋深層水の有機画分(One shot/Organic substance)の存在下で調べた結果を示す(実験例3(2))。(A)はそのウエスタンブロットのバンド、(B)はそのバンドの色の濃さをデンシトメトリーによって定量化した結果を示す。 (A)海洋深層水の有機画分を液体クロマトグラフィーにかけた結果のクロマトグラムと、(B)各画分(1-13)のHMG-CoA還元酵素活性(%)を示す。横軸は、各画分んのフラクション番号、縦軸はHMG-CoA還元酵素の相対活性(%)を示す(コントロールを100%とする)。図B中、「C」はコントロール、「one shot」は有機画分15μl、「A」はatorvastatinを意味する。

Claims (13)

  1. 海洋深層水またはその脱塩水の有機画分を有効成分とする機能性素材。
  2. 前記有機画分が、その水溶液または水分散液を疎水性吸着剤に供した場合に、当該吸着剤に吸着し、かつ有機溶媒の通液によって脱離する画分である請求項1記載の機能性素材。
  3. 前記有機画分が、海洋深層水またはその脱塩水を疎水性吸着剤に供して当該吸着剤に吸着させ、次いで、必要に応じて当該吸着剤を水で洗浄した後、有機溶媒を通液することによって溶出回収される画分である、請求項1記載の機能性素材。
  4. 血小板凝集抑制作用を有し、抗凝固用途に用いられる請求項1乃至3のいずれかに記載する機能性素材。
  5. コレステロール合成抑制作用を有し、抗コレステロールの用途に用いられる請求項1乃至3のいずれかに記載する機能性素材。
  6. 動脈硬化抑制作用を有し、抗動脈硬化用途に用いられる請求項1乃至3のいずれかに記載する機能性素材。
  7. 請求項1乃至4のいずれかに記載する機能性素材を有効成分とする抗血小板剤。
  8. 請求項1〜3および5のいずれかに記載する機能性素材を有効成分とする抗コレステロール剤。
  9. 請求項1〜3および6のいずれかに記載する機能性素材を有効成分とする抗動脈硬化剤。
  10. 請求項1乃至6のいずれかに記載する機能性素材を含む医薬品、食品または飼料。
  11. 血栓性疾患、高コレステロール性疾患または動脈硬化性疾患の予防または治療を目的として用いられる請求項10記載の医薬品、食品または飼料。
  12. 固形または液状の製剤形態を有することを特徴とする、請求項10または11に記載する医薬品、食品または飼料。
  13. 請求項1乃至6のいずれかに記載する機能性素材を有効成分として含むことを特徴とする、固形または液状の製剤形態を有する食品添加剤。
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