JP2007290158A - 自動車内装用植毛品 - Google Patents

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【課題】自動車内装用植毛品を提供する。
【解決手段】基材上に、合成タンニン及び無機珪素化合物を含有する電着処理剤並びに平滑剤で処理された、太さ0.1ないし0.9dT、長さ0.1ないし0.6mmのパイルをファイバーコーティングにより植毛した植毛品であって、該植毛品の動摩擦係数がパイルの太さ(dT値)/2+0.7以下及び/又は静摩擦係数がパイルの太さ(dT値)/2+0.9以下である植毛品。
【選択図】なし

Description

本発明は、柔らかい触感を有し、且つ、高い摩耗強度及び製品安定性を有する自動車内装用植毛品に関するものであり、詳細には、合成タンニン及び無機珪素化合物を含有する電着処理剤で極細パイルを処理して電着処理表面をフラット化し、更に平滑剤で処理することにより、該極細パイルが植毛された植毛品の摩擦力を減少させ、これにより、柔らかい触感を有し、且つ、高い摩耗強度及び製品安定性を奏する自動車内装用植毛品の提供を可能とするものである。
プラスチック板等の基板の表面に、接着剤を介してパイル(毛状の繊維)を付着させた、いわゆる植毛品は、自動車の内装に利用されている。
従来、接着剤を塗布した被植毛物の表面にパイルを付着させる場合、被植毛物の付近およびパイルを収容したパイル供給容器の上部に設置された電極に高電圧をかけることにより、下部のパイル供給容器内のパイルを電気力線で浮遊させて被植毛物に付着させるようにしたり、パイルを被植毛物に対して上方から振り掛けるように落として付着させる方法、いわゆる静電植毛法が一般的に行われてきた。
しかし、静電植毛法は、凹凸のある複雑な形状をした被植毛物や、面積の大きな被植毛物に植毛する場合、パイルの付着量が不均一になりやすく、また、植毛するパイルの密度を低くすると、パイルの付着量が不均一になるためパイル密度を下げることが困難であった。
更に、静電植毛法では、パイルが被植毛物に対してほぼ垂直に植毛されるため、得られた植毛品の感触が硬くなりやすいものであった。
これに対して、粉体塗装法を応用し、パイルを散布ガンから被植毛物に吹き付けて植毛する、ファイバーコーティング法が開発されている(例えば、特許文献1参照。)。
ファイバーコーティングにおいては、パイルが被植毛物に対して傾いた状態で植毛されるため、柔らかい感触の植毛品を製造することが可能であり、低いパイル密度においても均一に植毛することができ、また、静電植毛のような大きな装置を必要としないという特長を有するものである。
また、高電圧をかけた状態でファイバーコーティングを行う、静電吹き付けも開発されている(例えば、特許文献2参照。)。
特開平08−117646号公報 特開2004−16966号公報
自動車の内装用植毛品は、高い摩耗強度及び製品安定性を満たす必要があるが、一方で、年々、高品質及び高触感が求められるようになってきている。
特に高級車の内装用植毛品では、上記に加え、高級感が求められるが、特に柔らかな肌触りは、高級感のための重要な要件となる。
柔らかな肌触りを達成するためには極細パイルを使用することが必要となるが、しかし、極細パイルを使用する慣用の植毛方法で製造した植毛品では、自動車内装材として要求される高い摩耗強度を達成することができなかった。これに対しては例えば、パイルを高密度にする又は基材にシボ目を付けることにより摩耗強度を向上させることを検討した。しかし、パイルを高密度にすると、柔らかな触感が得られにくくなり、またコスト高になるという問題があった。また、基材にシボ目を付けると要求される摩耗強度を得やすくな
るものの、出っ張った部分と引っ込んだ部分における摩耗の度合に差が生じるためムラになりやすく、美観を悪くするという問題があった。
本発明は、上記の問題を解決しうる、即ち、柔らかい触感を有し、且つ、高い摩耗強度及び製品安定性を有する自動車内装用植毛品の提供を課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、基材上に、合成タンニン及び無機珪素化合物を含有する電着処理剤並びに平滑剤で処理された、太さ0.1ないし0.9dT、長さ0.1ないし0.6mmのパイルをファイバーコーティングにより植毛した際、得られる植毛品の動摩擦係数をパイルの太さ(dT値)/2+0.7以下及び/又は静摩擦係数をパイルの太さ(dT値)/2+0.9以下にすると、該植毛品は、柔らかい触感を有し、且つ、高い摩耗強度及び製品安定性を奏することを見出し本発明を完成させた。
即ち、本発明は、
1.基材上に、合成タンニン及び無機珪素化合物を含有する電着処理剤並びに平滑剤で処理された、太さ0.1ないし0.9dT、長さ0.1ないし0.6mmのパイルをファイバーコーティングにより植毛した植毛品であって、該植毛品の動摩擦係数がパイルの太さ(dT値)/2+0.7以下及び/又は静摩擦係数がパイルの太さ(dT値)/2+0.9以下である植毛品、
2.前記ファイバーコーティングが静電吹き付けによるコーティングである前記1.記載の植毛品、
3.前記平滑剤がアルキルサルフェートである前記1.又は2.記載の植毛品、
に関するものである。
本発明は、極細パイルが植毛された植毛品において、該植毛品の動摩擦係数及び静摩擦係数が特定の範囲内に入るように製造できれば、柔らかい触感を有し、且つ、高い摩耗強度及び製品安定性を有する植毛品となることを初めて見出したものであり、これにより、優れた自動車内装用植毛品を提供することができるものである。
本発明の植毛品に使用する材質としては、ABS樹脂、ポリオレフィン、例えばポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)等の合成樹脂、木材、織物等であることができる。また、特に近年その利用が注目されているリサイクル品、主にポリプロピレンリサイクル品を基材として用いることもできる。基材は所要の形状に成形されていてもよい。
上記基材は、自動車内装部材として、自動車のドアトリム、ピラーカバー、トランクサイド、トランクリヤ、シートバックパネル、シートリヤパネル、リヤーパセル、ヘッドライニング、コンソールボックス、インスツルメントパネルなどに使用することができ、特に、ピラーカバー、コンソールボックス等への使用に適している。
基材上にパイルを植毛する前に、基材表面上に接着剤層を形成しておく。
該接着剤層の形成のために用いる接着剤としては、エポキシ系、メラミン系、アクリル系、ポリエステル系、ウレタン系、塩素化ポリオレフィン系等の高隠蔽性塗料をベースとした接着剤が挙げられる。該接着剤には、ビヒクルとして各種の樹脂の中から、伸度、軟質性、密着性、耐光性、硬化性等を考慮し、目的の計画接着剤性能に適合するものが選択される。また接着剤の溶剤としては、ビヒクルとして選択された樹脂を良く溶解するもの、例えば芳香族系、脂肪族系、エステル系、ケトン系等から選択されることができる。ま
た接着剤には、上記ビヒクルおよび溶媒の他に、着色剤、乾燥剤、色別れ防止剤、増粘剤、平坦化剤、垂れ防止剤、紫外線吸収剤、硬化剤等を所要により任意に選択使用することができる。
また、柔軟性成分を含む接着剤を使用する場合、接着剤自体が軟質および大きな弾性を有し、パイルが柔軟な接着剤層内へ植毛されるので、パイルでコーティングされた加工表面は軟らかく、あたかもスウェードのごとき優れた触感を得ることができる。そのような接着剤は例えば、ウレタン系またはポリオール変性塩素化ポリオレフィン系の接着剤である。例えばウレタン系の接着剤としては、アクリル変性ウレタン系、ポリエステル変性ウレタン系、シリコン変性ウレタン系等の接着剤を使用することができる。ウレタン系の接着剤を使用するさらなる他の利点は、得られた加工表面が優れた耐摩耗性、耐溶剤性および耐光性を有すること、並びに傷がつきにくくなることである。これらのうち、耐摩耗性が改良されるのは、接着剤が軟質および大きな弾性を有するために摩擦に対してパイルが抜けにくくなるからであると考えられる。接着剤層の厚さは乾燥状態で通常10〜100μm、好ましくは20〜30μmである。接着剤層の形成方法は、刷毛塗り、フローコート、ロールコート、スプレー塗布等適宜選択される。
本発明の植毛品に使用するパイルの材質としては、天然、再生(半合成)又は合成繊維の何れでもよい。好ましいパイルの材質として、芳香族ポリアミド繊維(商品名ケブラー、ノーメックス、コーネックス等)、その他のポリアミド繊維(6−ナイロン、6−6ナイロン、4,6−ナイロン等)、レギュラーポリエステル繊維、塩基性染料可染型ポリエステル繊維、アクリル繊維、ビニロン繊維、再生セルロース繊維(レーヨン)、羊毛繊維、木綿繊維、麻繊維、ポリオレフィン繊維、コラーゲン繊維、セラミック繊維、カーボン繊維、チタン酸カリウム繊維等が挙げられる。それらの中で特に好適なものは、ポリエステル繊維と、ポリアミド繊維である。
また、本発明の植毛品に使用するパイルは、柔らかい触感のために極細パイルが使用され、そのサイズは、0.1ないし0.9dT(デシテックス)、長さ0.1ないし0.6mmである。
本発明の植毛品に使用するパイルは、植毛する前に電着処理剤及び平滑剤で処理される。
この電着処理としては、切断された短繊維の表面をタンニン化合物、吐酒石等で処理して、タンニン化合物等を繊維表面に生成せしめ、これにより、タンニン化合物等の保水性を利用して、フロック表面の通電性を良好に保つ方法、無機塩類、無機珪素化合物、界面活性剤またはこれらの混合物を切断された短繊維の表面に付着させ、これにより、それらの結晶水を利用して、フロック表面の通電性を良好に保つ方法の2つの方法があり、また、前記2つの方法を同時併用する方法もある。
本発明においては、前記2つの方法を同時併用する方法となる。
タンニン化合物としては、天然タンニン、合成タンニン等が挙げられる。無機塩類としては、塩化ナトリウム(NaCl)、塩化バリウム (BaCl2)、塩化マグネシウム(MgCl2) 、硫酸マグネシウム(MgSO4) 、珪酸ソーダ(Na2SiO3) 、炭酸ソーダ(Na2CO3)、硫酸ナトリウム(Na2SO4)等が挙げられる。無機珪素化合物としては、コロイダルシリカ等が挙げられる。さらに、界面活性剤としては、アニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、両性界面活性剤、カチオン系界面活性剤等が挙げられる。
電着処理剤としては、タンニン化合物及び無機珪素化合物を含有する電着処理剤が挙げられ、また、合成タンニン及び無機珪素化合物を含有する電着処理剤が挙げられまた、合成タンニン及びコロイダルシリカを含有する電着処理剤が挙げられる。
上記電着処理剤による処理は、パイルを、タンニン化合物、無機塩類、界面活性剤もし
くは無機珪素化合物の溶液またはこれらの混合溶液に浸漬することにより、行うことができる。また、該処理により形成される電着処理膜の厚さは、所要の導電性並びに適度の分離性等を発揮する限り、基本的には任意である。
本発明の植毛品に使用するパイルは、前記電着処理に加え、動摩擦係数及び静摩擦係数を低く保つために、平滑剤で処理される。平滑剤としては、パラフィン系、シリコン系、ワックス系及びアルキルサルフェート等が挙げられ、好ましくはアルキルサルフェートが挙げられる。
アルキルサルフェートとしては、好ましくは、炭素原子数12ないし18のモノアルキル硫酸塩又はこれらの混合物が挙げられ、塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩等が好ましく、また、ナトリウム塩が好ましい。
本発明で使用されるパイルは、電気漏洩抵抗値が106Ω/cm〜109Ω/cmのものが好ましい。この範囲の電気漏洩抵抗値のパイルを用いることにより、静電散布ガン等でパイルを吹き付ける際に、パイルが凝集せずに適度に分散して吹き付けらけれ、植毛製品の感触及び風合いがより優れたものになる。
さらに、パイルは直線形状を有するものでよいが、曲線形状、例えば短繊維に対して捲縮加工を行うことにより、クリンプまたはカール状に加工したものであってもよい。
パイルの植毛は、ファイバーコーティングにより行われ、該ファイバーコーティングは、吹き付けによりパイルを植毛する方法であれば特に限定するものではなく、電圧をかけない通常の吹き付け及び電圧をかける静電吹き付けの何れをも含む。
好ましい植毛方法としては、静電吹き付けが挙げられる。
ファイバーコーティングは、パイルをエアの圧力で散布ガン内の荷電室まで搬送し、パイルを帯電させた後、エア圧でガンの吹き出し口から基材の塗料表面へ吹き付けることのできるもので、公知のものが適宜使用される。前記散布ガンは、搬送エア圧力を吹き付け圧力よりも大に設定して使用される。これによって、パイルを途切れなくスムーズにかつ均一に吹き付けることができる。
静電吹き付けの場合は、例えば、静電散布ガンを用いて上記の作業をおこなうことにより達成される。
基材表面上での接着剤層の形成後、前記散布ガンによるパイルの吹き付けまでの時間は3分以内で設定するのが好ましい。接着剤層の形成後のパイル吹き付けまでの時間は、接着剤層が完全に硬化せず、基材表面の接着剤がパイルの固着作用を充分に発揮し、さらには植毛品の生産効率を考慮して設定された値である。特に、コンベア式の植毛装置を用いる場合には、接着剤層の形成工程とパイル吹き付け工程が分離して別の工程となっているため、接着剤層の形成後のパイル吹き付けまでの時間を管理する必要があり、接着剤層の形成後3分以内にパイルの吹き付けを行うことは、良好な感触及び風合いの植毛製品を生産効率よく得るのに重要である。
さらにまた、前記パイルの吹き付けは、30g〜60g/分の量で行うのが好ましい。この範囲の量でパイルを基材上の接着剤層に吹き付けると、パイルの分散を適度なものにでき、しかもパイルを効率良く基材の表面に吹き付けることができる。特に、前記コンベア式の植毛装置においては基材が接着剤層の形成工程から順次パイル吹き付け工程へ送られてくるため、植毛品の生産効率の面からも単位時間当たりのパイルの吹き付け量の設定は重要である。
ファイバーコーティング法において、例えば、パイルは貯蔵されているパイル槽の下部に設けられたスクリューフィーダーにより排出され、排出口に接続されたインジェクター
に送られ、インジェクターから静電散布ガンの加電室にエア搬送され、加電室にて帯電され、そして前記搬送エアおよび前記加電室内に導入される散布エアによって、前記ガンの散布口より、表面に接着剤層を有する基材表面に散布される。
上記の方法により製造される植毛品の静摩擦係数は通常、パイルの太さ(dT値)/2+0.9以下、好ましくはパイルの太さ(dT値)/2+0.87以下であり、動摩擦係数は通常、パイルの太さ(dT値)/2+0.7以下、好ましくはパイルの太さ(dT値)/2+0.65以下である。
尚、上記の静摩擦係数及び動摩擦係数は、JIS K7125:1999に準じるプラスチックの摩擦テストにより決定された値を意味する。
以下に示す実施例及び比較例において、本発明を具体的且つ更に詳細に説明する。下記実施例は本発明の説明のためのみのものであり、これらの実施例により本発明の技術的範囲が限定されるものではない。
実施例1
パイルは、太さ0.88dT、長さ0.6mmのナイロン繊維を、合成タンニン及びコロイダルシリカを含有する電着処理剤及び平滑剤(Softifloc 味の素オムニケム(株)社)で処理を行ったものを用いた。
基材としては、15cm×20cmのPPシート(4点)を使用し、該基材上に接着剤(AA−99)を塗布した後、基材の接着層にパイルを静電散布ガン(ノードソン株式会社製静電吹き付け塗装ガン)によって、30g/分〜60g/分の吹き付け量で吹き付けた。尚、この際、目付け量が35g/m2、40g/m2及び45g/m2となる植毛品を
各4点づつ作成した。
その際の電圧は50KV(5万ボルト)であり、基材の塗料表面はアースされている。また、前記静電散布ガンの搬送エア圧を4kg/cm2、吹き付けエア圧を1kg/cm2に設定し、前記搬送エア圧でパイルを静電散布ガン内の荷電室まで搬送し、パイルを帯電させた後に基材の塗料表面に静電散布ガンの吹き付けエア圧により吹き付けた。その後、室温で2日間放置して乾燥をおこなった。
得られた植毛品は、摩擦力の測定に使用した。
尚、得られた植毛品の電子顕微鏡写真を図1に示した。
比較例1
電着処理剤にコロイダルシリカを加えなかったこと以外は実施例1と同様にして植毛品を製造した。尚、実施例1と同様に、目付け量が35g/m2、40g/m2及び45g/m2となる植毛品を各4点づつ作成した。
尚、得られた植毛品の電子顕微鏡写真を図2に示した。
実施例2
パイルとして、太さ0.88dT、長さ0.4mmのナイロン繊維を用いたこと以外は実施例1と同様にして植毛品を製造した。尚、実施例1と同様に、目付け量が35g/m2、40g/m2及び45g/m2となる植毛品を各4点づつ作成した。
比較例2
電着処理剤にコロイダルシリカを加えなかったこと以外は実施例2と同様にして植毛品を製造した。尚、実施例2と同様に、目付け量が35g/m2、40g/m2及び45g/m2となる植毛品を各4点づつ作成した。
実施例3
パイルとして、太さ0.55dT、長さ0.4mmのナイロン繊維を用いたこと以外は
実施例1と同様にして植毛品を製造した。尚、目付け量が25g/m2、30g/m2及び35g/m2となる植毛品を各4点づつ作成した。
比較例3
電着処理剤にコロイダルシリカを加えなかったこと以外は実施例3と同様にして植毛品を製造した。尚、実施例3と同様に、目付け量が25g/m2、30g/m2及び35g/m2となる植毛品を各4点づつ作成した。
比較例4
パイルとして、太さ1.7dT、長さ0.6mmのナイロン繊維を用いたこと以外は実施例1と同様にして植毛品を製造した。尚、目付け量が35g/m2、45g/m2及び55g/m2となる植毛品を各4点づつ作成した。
比較例5
電着処理剤にコロイダルシリカを加えなかったこと以外は比較例4と同様にして植毛品を製造した。尚、比較例4と同様に、目付け量が35g/m2、45g/m2及び55g/m2となる植毛品を各4点づつ作成した。
試験例
実施例1ないし3及び比較例1ないし5で製造した植毛品(各目付け量に対して各4点)を用いて摩擦力(静止摩擦力及び動摩擦力)を測定し、静止摩擦係数及び動摩擦係数を算出した。
測定は、JIS K 7125:1999に準じる以下の試験法で行った。
定速伸長型引っ張り試験機を用い、荷重:432g、速度:16cm/min、摩擦測定対面:カナキン3号で行い、4点の平均値とした。
測定結果を表1に示した。
摩耗試験は、500g荷重で、1000回と2000回擦り、その表面摩耗状態を評価した。
尚、評価基準は以下の通りとした。
4級:パイル抜け、パイル切れが殆どない
3級:パイル抜け、パイル切れが多少認められるが目立たないもの
2級:パイル抜け、パイル切れが著しいもの
結果
比較例5に示されるように、太いパイル(1.7dT)を用いた場合には、合成タンニンと平滑剤でパイルを処理しただけでも3級の評価が得られた。
しかし、比較例1、2(0.88dT)及び比較例3(0.55dT)のように、パイルを細くすると、合成タンニンと平滑剤でパイルを処理しただけでは、2級の評価しか得られなかった。
そして、実施例1ないし3のように合成タンニン及びコロイダルシリカを含有する電着処理剤及び平滑剤で処理すると、細いパイルを用いた場合にも3級の評価が得られた。
この際、実施例1ないし3の植毛品における動摩擦係数は、パイルの太さ(dT値)/2+0.7以下となっており、また、静摩擦係数は、パイルの太さ(dT値)/2+0.9以下となっていた。
実施例1で得られた植毛品のパイル表面の状態を示す電子顕微鏡写真である。 比較例1で得られた植毛品のパイル表面の状態を示す電子顕微鏡写真である。

Claims (3)

  1. 基材上に、合成タンニン及び無機珪素化合物を含有する電着処理剤並びに平滑剤で処理された、太さ0.1ないし0.9dT、長さ0.1ないし0.6mmのパイルをファイバーコーティングにより植毛した植毛品であって、該植毛品の動摩擦係数がパイルの太さ(dT値)/2+0.7以下及び/又は静摩擦係数がパイルの太さ(dT値)/2+0.9以下である植毛品。
  2. 前記ファイバーコーティングが静電吹き付けによるコーティングである請求項1記載の植毛品。
  3. 前記平滑剤がアルキルサルフェートである請求項1又は2記載の植毛品。


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