JP2007289953A - 海水を原材料としたかん水、塩及び苦汁の製造方法、並びにかん水、塩及び苦汁。 - Google Patents

海水を原材料としたかん水、塩及び苦汁の製造方法、並びにかん水、塩及び苦汁。 Download PDF

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Abstract

【課題】従来のイオン交換膜を用いた電気透析法では、苦み、渋み、えぐ味の原因の一つである硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム、塩化カリウム等の晶析がなされ、また、硫酸イオンによる硫酸カルシウム(石膏)の析出があった。
【解決手段】 一価選択透過性陰イオン膜と多価選択透過性陽イオン膜を組み合わせたことにより、硫酸イオン(SO 2−)の透過を極力防ぐことができる。硫酸イオンの除去により、CaCl2、MgCl、KCl、NaClの有用塩類の増加が図られる。また、硫酸カルシウムの晶析されないことで、せんごう処理での硫酸カルシウム(石膏)の除去作業が省け、かつ、人体に吸収できない無用な物質が排除される。
【選択図】図2

Description

本発明は、海水をイオン交換膜電気透析装置に透過させることで、ミネラル分を多く含んだかん水、塩及び苦汁を製造する製造方法、並びにかん水、塩及び苦汁に関する。
かつての食塩は海の水をそのまま濃縮した苦汁成分を多量に含有する結晶物であり、この中にはマグネシウム、カルシウム、カリウム、鉄、硫黄、亜鉛、マンガン等の鉱物質の栄養素である、いわゆるミネラル成分がそのまま入っており、人類は、その生命の誕生を地上に受けて以降、ここ近年にいたるまで塩の中に含まれる苦汁成分を自然に体内に取り入れ続けてきた。ミネラルは、単に身体を構成する各種の無機質成分または素材を提供するだけではなく、健全な生命活動に欠くことのできない多くの生理作用、酵素作用、代謝調節作用などと極めて密接な関係を持っており、われわれは苦汁成分を多量に含んだ食用塩を介して、こうしたミネラルを自然に適量、摂取することにより、他の有機質の栄養素の摂取とともに、健康の維持、増進及び疾病の予防に重要な役割を食用塩に果たしてもらってきた。
昭和47年以降、日本の製塩法は、真空式蒸発缶で煮詰める方法からイオン交換膜電気透析法に切り替わった。昭和25年ごろから研究が進められたイオン交換膜法は、昭和41年以降、実用化へ大きく進展した。イオン交換膜法では、これまでのような広大な塩田が不要で、天候にも左右されず、経済的に能率よく優れた品質の塩が生産できるようになった。
このイオン交換膜法で製造され、日本たばこ産業(株)が取り扱っている並塩、食塩とも水分を除く、塩化ナトリウムの純度は99重量%以上であり、古来の塩田法で製造され、食用塩中に含まれていた苦汁の主成分である塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム等は、0.1重量%以下になっており、白くて、サラサラしており、放置しても湿気を吸ってべとつくことのない食塩を見て、多くの人は塩の質はよくなったと考えてきた。しかしながら、このような工業用の塩は塩化ナトリウムの純度を高め、夾雑物扱いの苦汁成分を除いたミネラルの少ない食塩は塩辛いだけで甘味、風味がなく、栄養学的にも問題があるものであった。
一方、近年、外国産の天日塩を沖縄等で採取した海水に溶解して再度結晶化させて塩を製造したものや、塩製造後、苦汁成分などを添加して補っているものもある。また、一般消費者の本物志向、健康志向、グルメ志向等により、原料等の表示についても適正な商品選択に資する観点から、家庭用塩を製造・販売する事業者にも当該表示の意味や根拠が一般消費者に容易に認識されるよう明瞭に表示及び出自を明確にすることが求められている。
工業用の塩は、塩化ナトリウム分99%以上の成分のため、非常に塩辛い、健康に配慮されていない塩となっていた。また、原始的な製法でつくられるミネラル成分が含まれるという塩には、NaClの他に硫酸イオンが含まれるため、Ca、Mgと結合しCaSO4、MgSOを生成する。特にCaSO(石膏)は体内に入っても吸収され難く(難溶性)、人体にとっても安全とは言えないものである。また、このような原始的な製法で作られる塩にあっては、海水を釜で煮詰める工程(せんごう工程)があるが、煮詰めている間中、生成されるCaSO(石膏)が、釜の内縁の部分に晶析されるため、この石膏を除去する作業が必要となり、この工程中作業者がつきっきりであった。この工程は場合によっては、何日かつきっきりになる場合もあるので、目が離せない大変な作業であった。
本発明は、このような従来の問題点を解決しようとするものであり、本発明はミネラル含有率の高い、やわらかく、まろやかな味を持ち食品に使用した際の溶解性が高く、従来の製造過程における難溶性の硫酸カルシウム(石膏)の晶析を大幅に減らすことができる海水を原材料としたかん水、塩及び苦汁の製造方法並びにかん水、塩及び苦汁を提供することを目的とする。
本発明は、前記目的を達成するため、海水をイオン交換膜電気透析装置に透過させることで、濃縮されたかん水を製造するかん水の製造方法において、前記イオン交換膜電気透析装置に用いる陽イオン交換膜として多価陽イオン選択透過性膜、陰イオン交換膜として一価陰イオン選択透過性膜とを組み合わせて用いることで、濃縮されたかん水内における硫酸イオンSO 2−を極めて少なくし、且つ、カルシウムイオンCa2+、マグネシウムイオンMg2+及びカリウムイオンKの割合を海水組成時よりも増加させたことを特徴とする。
請求項2の発明は、濃縮されたかん水内におけるSO 2−の割合を海水組成時の割合と比べて5分の1以下に減少させることを特徴とする。
請求項3の発明は、前記濃縮されたかん水をせんごう処理することで塩、苦汁を製造することを特徴とする。
請求項4の発明は、海水をイオン交換膜電気透析装置に透過することで生成し、成分としてNa、Cl、Mg2+、Ca2+、K及びSO 2−を含有する濃縮された海水を原材料としたかん水において、前記かん水内におけるSO 2−の含有量を1.0重量%以下に調整したことを特徴とする。
請求項5の発明は、海水をイオン交換膜電気透析装置に透過し生成された濃縮かん水をせんごう処理することで生成される、成分としてNa、Cl、Mg2+、Ca2+、K及びSO 2−を含有する海水を原材料とした塩において、前記塩内におけるSO 2−の含有量を2.0重量%以下に調整したことを特徴とする。
請求項6の発明は、海水をイオン交換膜電気透析装置に透過し生成された濃縮かん水をせんごう処理することで生成される、成分としてNa、Cl、Mg2+、Ca2+、K及びSO 2−を含有する海水を原材料とした苦汁において、前記苦汁内におけるSO 2−の含有量を0.1重量%以下に調整したことを特徴とする。
イオン交換膜電気透析装置に用いる陽イオン交換膜として多価陽イオン選択透過性膜、陰イオン交換膜として一価陰イオン選択透過性膜とを組み合わせて用いることで、硫酸イオンSO 2−は殆ど透過せず、ミネラル分であるカルシウムイオンCa2+、マグネシウムイオンMg2+及びカリウムイオンKは殆ど透過するため、硫酸イオンSO 2−が極めて少なく、ミネラル分の多く含有するかん水、塩及び苦汁が生成される。
人体が吸収できないような石膏(難溶性)などの化合物が生成されないので安全、安心であり、有用なミネラル分、例えばマグネシウム、カルシウム、カリウム等も通常塩よりも人体に吸収できるようになる。塩辛くなく、更に苦み、渋み、えぐ味がなく、且つ、まろやかな塩を製造できる。
また、本発明のイオン交換膜電気透析装置を透過させることで、硫酘カルシウムが殆ど晶析されないので、せんごう処理における硫酸カルシウム(石膏)の除去作業を省くことができる。
発明の実施するための最良の形態
以下、本発明を図1〜図6を利用して詳細に説明する。
図1は、海洋深層水のかん水・塩・苦汁の製法フロー図である。ステップS1で原海水である海洋深層水を取水し、次にステップS2でイオン交換膜電気透析装置にてイオン交換膜電気透析処理をして、濃縮かん水を生成する。次にステップS3で濃縮かん水を蒸発釜に移動して加熱濃縮(せんごう処理)を経て、結晶化したものを、次にステップS4で脱水処理して、塩と苦汁とに分離する。
図2は、イオン交換膜電気透析装置の全体システム図、図3は、イオン交換膜電気透析装置の原理説明図である。図2及び図3を使い、海洋深層水をイオン交換膜電気透析装置に透過することで、硫酸イオンSO 2−が極めて少なく、ミネラル分を多く含んだ濃縮されたかん水を製造する方法について説明する。
Aは脱塩槽で予め原海水A1が貯水され、Bは濃縮槽で予め清水B1が貯水され、Cは電極槽で予め硝酸ナトリウム液からなる電極液C1が貯液され、Dはイオン交換膜電気透析装置で陽イオン交換膜D3と陰イオン交換膜D4とが交互に配置されており、原海水A1、清水B1、電極液C1は配管を介してイオン交換膜電気透析装置Dを経由して各槽に循環することでイオン交換がなされて、原海水A1から清水B1にイオンが移行し濃縮槽Bに濃縮されたかん水が生成される。
脱塩槽Aに原海水A1を入れ、原海水A1は開閉バルブA2、脱塩水送水ポンプA3、開閉バルブA4、脱塩水流量計A5、脱塩水圧力計A6、管路A7、を通り、イオン交換膜電気透析装置Dに入る。イオン交換後、管路A8、を通り脱塩槽Aに戻る。濃縮槽Bに清水B1を入れ、清水B1は、開閉バルブB2、濃縮水送水ポンプB3、開閉バルブB4、濃縮水流量計B5、濃縮水圧力計B6、管路B7を経て、イオン交換膜電気透析装置Dに入り、イオン交換後、管路B8を通り、濃縮槽Bに戻る。電極槽Cに電極液C1を入れ、電極液C1は、開閉バルブC2、電極液送水ポンプC3、開閉バルブC4、電極液圧力計C5、管路C6を経て、イオン交換膜電気透析装置Dに入り、管路C7、PH自動制御装置C8を通り、電極槽Cに戻る。
次に図3を使いイオン交換膜電気透析装置Dについて詳しく説明する。
本発明にあっては、イオン交換膜電気透析装置Dに用いる陽イオン交換膜として多価陽イオン選択透過性膜D3、陰イオン交換膜として一価陰イオン選択透過性膜D4とを組み合わせて用いる。
透析槽の両端には陽極電極D1と陰極電極D2が配置され、各電極間には、多価陽イオン選択透過性膜D3、一価陰イオン選択透過性膜D4を図3に示すように交互に配置される。
各膜間を経由しながら原海水A1と清水B1をおのおの循環させながら、電極間に直流電流の電圧をかけると、原海水に含まれる陽イオンは陰極に、陰イオンは陽極に向かって電気力を受け移動する。
しかし、Na、Ca2+、Mg2+、Kなどの陽イオンは最初の多価陽イオン選択透過性膜D3を通過できるが、次の陰イオン交換膜は通過できないため、清水中に徐々に濃縮される。一方、陰イオンであるClは最初の一価陰イオン選択透過性膜D4を通過できるが、次の陽イオン交換膜を通過できず清水中に徐々に濃縮される。また陰イオン交換膜として一価陰イオン選択透過性膜D4を使用しているため二価陰イオンであるSO 2−はほとんど通過できず、そのまま原海水中に残る。
このように原海水A1と清水B1をイオン交換膜電気透析装置Dを経由しておのおの循環させることで、濃縮槽B内の清水B1が濃縮される。
したがって、イオン交換膜電気透析装置Dは、原海水A1成分中の、硫酸イオンSO 2−を殆ど透過せず、ミネラル分であるカルシウムイオンCa2+、マグネシウムイオンMg2+及びカリウムイオンKを殆ど透過するため、この濃縮水(かん水)には、硫酸イオンSO 2−が極めて少なく、有用なるミネラル分であるカルシウムイオンCa2+、マグネシウムイオンMg2+及びカリウムイオンKが含有することになる。
この場合、かん水内における硫酸イオンSO 2−の含有量を1.0重量%以下に調整することが望ましい。
このイオン交換膜電気透析装置Dで濃縮したかん水には、硫酸イオンSO 2−が極めて少ないため、煮詰めてもCaSO(石膏)は析出されない。したがって、硫酸イオンSO 2−が極めて少なく、有用なるミネラル分であるカルシウムイオンCa2+、マグネシウムイオンMg2+及びカリウムイオンKを含有する塩及び苦汁を生成することができる。
また、塩内におけるSO 2−の含有量は2.0重量%以下、苦汁内におけるSO 2−の含有量は0.1重量%以下に調整することが望ましい。
図4は、電気透析後のかん水中における各ミネラル成分の分析結果である。図5は原海水および電気透析後の濃縮かん水の各ミネラル成分における増減率のグラフである。
図4、図5は、電気透析の条件として水量の割合を原海水8:清水1とし、脱塩停止電気電導度を10ms/cmとした場合の各ミネラル成分の分析結果である。
電気電導度(以下、電導度という。)とは、電気の流れを表し、値が大きければ大きいほど電流が流れ易い。電導度は抵抗の逆数であるから、抵抗の減少は電導度の増大を意味する。水中の溶存物質が比較的少量の場合には、電導度はその量にほぼ比例して変化すると考えられるので、電導度を測定すれば全溶解物質のおおよそその値を短時間に推定することができる。
図4で示す通り、SO 2−イオンは、原海水中では2286mg/lで、各ミネラル成分中での割合は6.7%であったものが電気透析後の濃縮かん水中では754mg/lで、各ミネラル成分中での割合は0.7%である。このように電気透析後の濃縮かん水中では、SO 2−イオンが極めて少なくなったことが分かる。濃縮されたかん水内におけるSO 2−イオンの割合(0.7%)は海水組成時の割合(6.7%)と比べて5分の1以下に減少したことが分かる。また原海水から濃縮かん水への増減率は33%であった。
また、カルシウムイオンCa2+は、原海水中では373mg/lで、各ミネラル成分中での割合は1.1%であったものがイオン交換膜電気透析後の濃縮かん水中では1523mg/lで、各ミネラル成分中での割合は1.3%である。このようにイオン交換膜電気透析後の濃縮かん水中では、カルシウムイオンCa2+が増えたことが分かる。濃縮されたかん水内におけるカルシウムイオンCa2+の1523mg/l、海水組成時の373mg/lと比べて著しく増えた。また原海水から濃縮かん水への増減率は408.3%であった。残りのマグネシウムイオンMg2+及びカリウムイオンK、ナトリウムイオンNa、塩素イオンClついても含有量は同様に増加している。図5を見て分かるようにミネラル成分の中で硫酸イオンのみが3分の1程度と少なくなっている、その他の成分は3倍以上になっている。
図6は、直煮法およびイオン交換膜電気透析法による塩・苦汁の組成割合の比較表である。
従来のA直煮法全乾固方式で製造された塩は、カルシウムイオンCa2+(1.09%)、マグネシウムイオンMg2+(3.43%)、カリウムイオンK(1.22%)及びナトリウムイオンNa(29.91%)、塩素イオンCl(57.60%)、硫酸イオンSO 2−(6.76%)であり、CaSO(石膏)の含有が推測される。
また、従来のB直煮法方式では、塩において、カルシウムイオンCa2+(0.16%)、マグネシウムイオンMg2+(0.92%)、カリウムイオンK(0.29%)及びナトリウムイオンNa(41.95%)、塩素イオンCl(53.93%)、硫酸イオンSO 2−(2.76%)であり、CaSO(石膏)の含有が推測される。
併せて苦汁についてカルシウムイオンCa2+(0.02%)、マグネシウムイオンMg2+(17.71%)、カリウムイオンK(5.72%)及びナトリウムイオンNa(7.63%)、塩素イオンCl(54.48%)、硫酸イオンSO 2−(14.44%)であり、CaSO(石膏)の含有が多量に推測される。
本発明のイオン交換膜電気透析方式では、電気透析後のかん水において、カルシウムイオンCa2+(1.34%)、マグネシウムイオンMg2+(4.15%)、カリウムイオンK(1.13%)及びナトリウムイオンNa(30.41%)、塩素イオンCl(62.31%)、硫酸イオンSO 2−(0.66%)であり、硫酸イオンの成分含有割合が0.66%と極端に減少したことがわかる。
塩において、カルシウムイオンCa2+(0.47%)、マグネシウムイオンMg2+(0.66%)、カリウムイオンK(0.67%)及びナトリウムイオンNa(37.18%)、塩素イオンCl(60.05%)、硫酸イオンSO 2−(0.97%)であり、ここでも硫酸イオンの成分含有割合が0.97%とCaSO(石膏)の含有が極端に減少した。
併せて苦汁についてカルシウムイオンCa2+(6.06%)、マグネシウムイオンMg2+(19.15%)、カリウムイオンK(2.67%)及びナトリウムイオンNa(1.77%)、塩素イオンCl(70.30%)、硫酸イオンSO 2−(0.05%)であり、ここでも硫酸イオンの成分含有割合が0.05%とCaSO(石膏)の含有が極端に減少した。
これらで分かるように本発明の製造方法によれば、硫酸イオンSO 2−が極めて少なくすることが出来たことにより、カルシウムイオンCa2+との結合する量が減りCaSO(石膏)の生成を大幅に抑制することが出来る。
これまで海洋深層水を使用したことについて述べてきたが、海洋深層水の上層にある海水、表層水においても同様に適用できることが判明した。イオン交換膜を利用した電気透析装置であるため膜はイオンのみ透過し、それ以外の物質は透過しない。したがって、海水に含まれる環境ホルモンやダイオキシン等の有害物質はイオン膜を透過しないため海洋深層水の上層にある表層水であっても、このイオン交換電気透析装置で製造されたかん水、塩、にがりは安心、安全である。
本発明における海水のかん水・塩・苦汁の製法フロー図である。 本発明におけるイオン交換膜電気透析装置の全体システム図である。 本発明におけるイオン交換膜電気透析装置の原理説明図である。 発明におけるイオン交換膜電気透析後のかん水中における各ミネラル成分の分析結果である。 本発明における原海水およびイオン交換膜電気透析後の濃縮かん水の各ミネラル成分における増減率のグラフである。 本発明における直煮法及びイオン交換膜電気透析法による塩・苦汁の組成割合の比較表である。
符号の説明
S1 原海水取水処理
S2 イオン交換膜電気透析処理
S3 せんごう処理
S4 脱水処理
A 脱塩槽
A1 原海水(海洋深層水)
A2、A4、A9 開閉バルブ
A3 脱塩水送水ポンプ
A5 脱塩水流量計
A6 脱塩水圧力計
A7、A8 管路
A10 電導度セル
A11 管路
B 濃縮槽
B1 清水
B2、B4 開閉バルブ
B3 濃縮水送水ポンプ
B5 濃縮水流量計
B6 濃縮水圧力計
B7、B8 管路
C 電極槽
C1 電極液
C2、C4 開閉バルブ
C3 電極液送水ポンプ
C5 電極液圧力計
C6、C7 管路
C8 PH自動制御装置
C9 排ガス管路
D イオン交換膜電気透析装置
D1 陽極電極
D2 陰極電極
D3 多価陽イオン選択透過性膜
D4 一価陰イオン選択透過性膜

Claims (6)

  1. 海水をイオン交換膜電気透析装置に透過させることで、濃縮されたかん水を製造するかん水の製造方法において、
    前記イオン交換膜電気透析装置に用いる陽イオン交換膜として多価陽イオン選択透過性膜、陰イオン交換膜として一価陰イオン選択透過性膜とを組み合わせて用いることで、濃縮されたかん水内におけるSO 2−を極めて少なくし、且つ、Ca2+、Mg2+及びKの割合を海水組成時の割合と比べて同等もしくは増加させることを特徴とする海水を原材料としたかん水の製造方法。
  2. 濃縮されたかん水内におけるSO 2−の割合を海水組成時の割合と比べて5分の1以下に減少させることを特徴とする請求項1記載の海水を原材料としたかん水の製造方法。
  3. 前記濃縮されたかん水をせんごう処理することで塩、苦汁を製造することを特徴とする海水を原材料とした塩及び苦汁の製造方法。
  4. 海水をイオン交換膜電気透析装置に透過させることで生成し、成分としてNa、Cl、Mg2+、Ca2+、K及びSO 2−を含有する濃縮された海水を原材料としたかん水において、
    前記かん水内におけるSO 2−の含有量を1.0重量%以下に調整したことを特徴とする海水を原材料としたかん水。
  5. 海水をイオン交換膜電気透析装置に透過させ生成された濃縮かん水をせんごう処理することで生成される、成分としてNa、Cl、Mg2+、Ca2+、K及びSO 2−を含有する海水を原材料とした塩において、
    前記塩内におけるSO 2−の含有量を2.0重量%以下に調整したことを特徴とする海水を原材料とした塩。
  6. 海水をイオン交換膜電気透析装置に透過させ生成された濃縮かん水をせんごう処理することで生成される、成分としてNa、Cl、Mg2+、Ca2+、K及びSO 2−を含有する海水を原材料とした苦汁において、
    前記苦汁内におけるSO 2−の含有量を0.1重量%以下に調整したことを特徴とする海水を原材料とした苦汁。
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