JP2007287290A - ディスク・ドライブ装置及びそのキャリブレーション方法 - Google Patents

ディスク・ドライブ装置及びそのキャリブレーション方法 Download PDF

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    • G11B21/00Head arrangements not specific to the method of recording or reproducing
    • G11B21/02Driving or moving of heads
    • G11B21/12Raising and lowering; Back-spacing or forward-spacing along track; Returning to starting position otherwise than during transducing operation

Abstract

【課題】VCM速度制御に不安定化を防止する。
【解決手段】本発明の一形態において、HDC/MPU23は、アンロードの前に、位置決めされて停止した状態のVCM15に異なる電流を流し、各VCM電流Ivcmに対して検出されたVCM速度値vmeasから、補正演算係数を決定する。決定された補正演算係数が基準を超える値である場合、HDC/MPU23がVCM速度検出回路221の新たな回路パラメータPARAMETRを決定し、さらに、その回路パラメータPARAMETRに対応した新たな補正演算係数を算出する。HDC/MPU23及びVCM速度検出回路221は、この新たに決定された回路パラメータPARAMETR及び補正演算係数を使用して、アンロード処理におけるVCM15の速度制御を実行する。
【選択図】図3

Description

本発明はディスク・ドライブ及びそのキャリブレーション方法に関し、特に、ボイス・コイル・モータの速度制御のためのキャリブレーションに関する。
ディスク・ドライブ装置として、光ディスク、光磁気ディスク、あるいはフレキシブル磁気ディスクなどの様々な態様のメディアを使用する装置が知られているが、その中で、ハードディスク・ドライブ(HDD)は、コンピュータの記憶装置として広く普及し、現在のコンピュータ・システムにおいて欠かすことができない記憶装置の一つとなっている。さらに、コンピュータにとどまらず、動画像記録再生装置、カーナビゲーション・システム、携帯電話、あるいはデジタル・カメラなどで使用されるリムーバブルメモリなど、HDDの用途は、その優れた特性により益々拡大している。
HDDで使用される磁気ディスクは、同心円状に形成された複数のデータ・トラックを有しており、各データ・トラックはアドレス情報を有する複数のサーボ・データとユーザ・データを含む複数のデータ・セクタが記録されている。各サーボ・データの間には、複数のデータ・セクタが記録されている。ボイス・コイル・モータ(VCM)によって回動するアクチュエータに支持されたヘッド・スライダのヘッド素子部が、サーボ・データのアドレス情報に従って所望のデータ・セクタにアクセスすることによって、データ・セクタへのデータ書き込み及びデータ・セクタからのデータ読み出しを行うことができる。
磁気ディスクの回転が停止しているとき、アクチュエータ及びヘッド・スライダは、退避位置に退避される。ヘッド・スライダを退避させる方式としては、ロード/アンロード方式及びCSS(Contact Start Stop)方式が知られている。退避位置と磁気ディスク上との間の移動において、HDDはVCMを速度制御することによって、アクチュエータの回動を制御する。具体的には、VCM速度検出回路がVCMの逆起電圧を使用してVCM速度を検出する。コントローラは、検出されるVCM速度がターゲット値になるようにVCMにVCM電流を供給する。
しかし、温度変化によってVCMコイルの抵抗値が変化すると、逆起電圧が変化するため、VCM速度検出回路が正確にVCM速度を検出することができない。そのため、例えば特許文献1は、VCM抵抗の変化に応じてコントローラが検出速度に補正演算を施し、VCMを速度制御することを開示している。コントローラは、アクチュエータをクラッシュ・ストップに押し当てた状態において、VCMに異なる電流を供給し、各電流においてVCM速度検出回路が検出したVCM速度値を使用して、補正演算係数を決定する。
特開平11−25626号公報
コントローラがVCM速度の検出値に補正演算処理を行うことによって、VCM抵抗値の変化に対応したVCM速度制御を行うことができる。しかし、コントローラは、検出されたVCM速度値を補正係数によって補正して、フィード・バックする。そのため、コントローラが使用する補正演算係数が大きくなると、VCM速度制御系の位相マージンがなくなり、VCM速度制御系が不安定となり、その結果、アクチュエータ動作が不安定となることがわかった。
本発明の第1の態様に係るディスク・ドライブ装置、データを記憶するディスクにアクセスするヘッドと、前記ヘッドを支持し、ボイス・コイル・モータによって駆動されるアクチュエータと、検出回路と、コントローラを備える。検出回路は、前記アクチュエータが位置決めされた状態において前記ボイス・コイル・モータに流されている第1電流による第1逆起電圧を検出し、さらに、前記アクチュエータが位置決めされた状態において前記ボイス・コイル・モータに流され、前記第1電流と異なる第2電流による第2逆起電圧を検出する。コントローラは、前記検出回路からの出力を補正演算した値を使用して前記アクチュエータの駆動制御を行う。コントローラは、さらに、前記第1及び第2逆起電圧を使用して前記検出回路からの出力に対する補正演算係数を決定し、その補正演算係数が基準範囲外にある場合に、前記検出回路の新たな回路パラメータとその新たな回路パラメータに対応する新たな補正演算係数とを決定する。補正演算係数が基準範囲外にある場合に、前記検出回路の新たな回路パラメータとその新たな回路パラメータに対応する新たな補正演算係数とを決定することで、VCM速度制御が不安定となることを防止する。
前記コントローラは、前記新たな回路パラメータを設定された検出回路の出力を前記新たな補正演算係数使用して補正演算して前記アクチュエータを制御し、前記ヘッドをその退避位置に移動する場合に、本発明は特に有用である。前記コントローラは、前記第1及び第2逆起電圧を使用して決定された補正演算係数を使用して、前記新たな回路パラメータを決定することが好ましい。これによって、補正係数を所望値に近づけるように、回路パラメータをより正確に決定することができる。
前記新たな回路パラメータをセットされた前記検出回路は、前記アクチュエータが位置決めされた状態において前記ボイス・コイル・モータに流された第3電流による第3逆起電圧を検出し、さらに、前記アクチュエータが位置決めされた状態において前記ボイス・コイル・モータに流され、前記第3電流と異なる第4電流による第4逆起電圧を検出し、前記コントローラは、前記第3及び第4逆起電圧を使用して前記新たな補正演算係数を決定することが好ましい。第3及び第4逆起電圧を測定することで、より正確な新たな補正演算係数を決定することができる。ここで、第3電流の値は第1電流と同一もしくは異なる値とすることができる。同様に。第4電流の値は第2電流と同一もしくは異なる値とすることができる。
前記検出回路は、前記アクチュエータが前記ディスクの第1トラックをフォローイングしている状態で前記第1逆起電圧を検出し、前記第1トラックと異なる第2トラックをフォローイングしている状態で前記第2逆起電圧を検出することが好ましい。また、前記検出回路は、前記アクチュエータが前記ディスクの第3トラックをフォローイングしている状態で前記第3逆起電圧を検出し、前記第3トラックと異なる第4トラックをフォローイングしている状態で前記第4逆起電圧を検出することが好ましい。これによって音の発生を防止することができる。なお、第3トラックは第1トラックと同一もしくは異なるトラックとすることができる。同様に。第4トラックは第2トラックと同一もしくは異なるトラックとすることができる。
前記コントローラは、前記第1及び第2電流と前記第1及び第2逆起電圧とから、電流に対する逆起電圧の変化の傾きを決定し、その傾きを前記補正係数として使用することが好ましい。さらに、前記コントローラは、前記傾きが小さくなるように前記新たな回路パラメータを決定することが好ましい。これによって、傾きが大きいことでVCM速度制御が不安定となることを防止する。
前記回路パラメータを自動設定する設定回路をさらに備え、前記検出回路は、前記設定回路が設定した回路パラメータを使用して、前記第1及び第2逆起電圧を検出し、前記コントローラは、前記新たな回路パラメータを前記検出回路に設定することが好ましい。設定回路によって迅速な校正処理を行うことができるとともに、新たな回路パラメータによって不安定動作を抑制することがきる。
本発明の他の態様は、ヘッドを支持するアクチュエータと、そのアクチュエータを駆動するボイス・コイル・モータとを備えるディスク・ドライブ装置において、前記ボイス・コイル・モータを速度制御するためのキャリブレーション方法である。この方法は、前記ボイス・コイル・モータに第1電流を供給して前記アクチュエータを位置決めした状態において、前記ボイス・コイルの第1逆起電圧を検出する。さらに、前記ボイス・コイル・モータに前記第1電流と異なる第2電流を供給して前記アクチュエータを位置決めした状態において、前記ボイス・コイルの第2逆起電圧を検出する。次いで、前記第1及び第2逆起電圧を使用して、前記速度制御において検出される逆起電圧に対する補正演算係数を決定する。さらに、前記補正演算係数が基準範囲外にある場合に、前記ボイス・コイル・モータの逆起電圧を検出する検出回路の新たな回路パラメータを前記検出回路に設定する。前記新たな回路パラメータに対応する新たな補正演算係数を決定する。
本発明によれば、VCM速度制御系が不安定となることを抑制することができる。
以下に、本発明を適用可能な実施の形態を説明する。説明の明確化のため、以下の記載及び図面は、適宜、省略及び簡略化がなされている。又、各図面において、同一要素には同一の符号が付されており、説明の明確化のため、必要に応じて重複説明は省略されている。以下においては、ディスク・ドライブ装置の一例であるハードディスク・ドライブ(HDD)を例として、本発明の実施形態を説明する。
本実施形態は、アクチュエータを駆動するVCMの速度フィード・バック制御に特徴を有する。HDDはVCMの逆起電圧を検出する検出回路とコントローラとを備える。コントローラは、検出された逆起電圧に補正演算処理を行い、その演算結果を使用してVCMの速度フィード・バック制御を実行する。コントローラは、VCM速度制御を開始する前に、補正演算係数を校正する。この校正においてその係数が基準範囲外にあるとき、コントローラは検出回路の可変回路パラメータを再設定し、再度、補正演算係数の校正を実行する。これによって、VCM速度制御の不安定化を抑制する。
本形態の特徴点の理解の容易のため、まず、HDDの全体構成について説明する。図1は、本実施の形態に係るHDD1の概略構成を示す図である。図1は、ヘッド・スライダ12が磁気ディスク11上を浮上している時のHDD1の状態を示している。図1において、データを記憶するディスクの一例である磁気ディスク11は、磁性層が磁化されることによってデータを記録する不揮発性の記録ディスクであるである。ベース101は、ガスケット(不図示)を介してベース101の上部開口を塞ぐトップ・カバー(不図示)と固定されることによってエンクロージャを構成し、HDD1の各構成要素を密閉状態で収容する。
磁気ディスク11は、クランプ141によってスピンドル・モータ(SPM)(不図示)に固定される。SPMは、磁気ディスク11を所定の角速度で回転する。ヘッド・スライダ12は磁気ディスク11の記録領域にアクセスする。ヘッドの一例であるヘッド・スライダ12は、ヘッド素子部とヘッド素子部が固定されたスライダとを有している。ヘッド素子部は、磁気ディスク11からデータを読み出すリード素子及び/もしくはデータを記録するライト素子を備える。
アクチュエータ16は、ヘッド・スライダ12を、保持、移動する。アクチュエータ16は回動軸161に回動自在に保持されており、駆動機構としてのVCM(ボイス・コイル・モータ)15の駆動力によって、回動軸161を中心として磁気ディスク11の半径方向において回動し、ヘッド・スライダ12を所望の位置に移動する。VCM15は、アクチュエータ16に固定されたボイス・コイル151を備える。このボイス・コイル151と、回動軸方向においてボイス・コイル151をはさむ位置にある2枚の磁石(不図示)とによって、VCM15が構成されている。
本形態のHDD1はロード/アンロード式のHDDであって、ヘッド・スライダ12を磁気ディスク11面上からから退避させるため、ランプ17を備えている。ランプ17は、磁気ディスク11の外周端部に近接して配置されている。ヘッド・スライダ12は、磁気ディスク11に対向するスライダのABS(Air Bearing Surface)面と回転している磁気ディスク11との間の空気の粘性による圧力が、アクチュエータ16によって磁気ディスク11方向に加えられる力とバランスすることによって、ヘッド・スライダ12は磁気ディスク11上を浮上する。
しかし、磁気ディスク11の回転が停止すると、ヘッド・スライダ12が磁気ディスク11表面に接触し、吸着現象によってデータ領域の傷の発生、磁気ディスクの回転不能などが起こる。そこで、磁気ディスク11が停止しているとき、あるいは、パワー・セーブのため、アクチュエータ16はヘッド・スライダ12を磁気ディスク11表面からアンロードし、ヘッド・スライダ12をランプ17に退避させている。
アンロードにおいて、磁気ディスク11上を浮上しているヘッド・スライダ12を支持しているアクチュエータ16は、ランプ17側に回動する。タブ162はランプ17の磁気ディスク側端部に到着し、ランプ17の摺動面に乗り上げる。アクチュエータ16は、さらにアクチュエータ16は磁気ディスク11から離れる方向(アンロード方向)に回動し、タブ162がランプ17上の摺動面上を摺動しながら移動する。タブ162が、ランプ17上の停止面の停止位置に到着し、アクチュエータ16はラッチされる。非動作時、アクチュエータ16は、このようにランプ17上の停止位置に停止している。ロードにおいて、アクチュエータ16の動きはこの逆となる。アンロード及びロードは、VCM15の速度フィード・バック制御によって実行される。この点については後に詳述する。
また、HDD1は、アクチュエータ16の回動範囲を規定する、アウタ・クラッシュ・ストップ163とイナー・クラッシュ・ストップ164とを有する。アウタ・クラッシュ・ストップ163は、アクチュエータ16のアンロード方向における回動範囲を規定し、アクチュエータ16がランプ17から外周側に外れることを防止する。イナー・クラッシュ・ストップ164は、アクチュエータ16のロード方向における回動範囲を規定し、アクチュエータ16が、内周側においてクランプ141と衝突することを防止する。
図2を参照して、HDD1の制御の全体構成を説明する。図2に示すように、HDD1は、エンクロージャ10の外側に固定された回路基板20を備えている。回路基板20上には、リード・ライト・チャネル(RWチャネル)21、モータ・ドライバ・ユニット22、ハードディスク・コントローラ(HDC)とMPUの集積回路(以下、HDC/MPU)23、RAM24及びROM(不図示)などの各ICを備えている。尚、各回路構成は一つ、あるいは複数のICに実装することができる。
コントローラの一例であるHDC/MPU23からの制御データに従って、モータ・ドライバ・ユニット22がSPM14を駆動する。また、モータ・ドライバ・ユニット22は、VCM15の速度制御のためにVCM逆起電圧及びVCM速度検出する。図2の磁気ディスク11は、データを記録する記録面を両面に備え、各記録面に対応するヘッド・スライダ12が設けられている。モータ・ドライバ・ユニット22は、HDC/MPU23からの制御データ(DACOUTと呼ぶ)に従ってVCM15を駆動する。
なお、磁気ディスク11は1枚以上あればよく、記録面は磁気ディスク11の片面あるいは両面に形成することができる。AE13は、複数のヘッド・スライダ12の中から磁気ディスク11へのアクセスを行う1つのヘッド・スライダ12を選択し、選択されたヘッド・スライダ12により再生される再生信号を増幅(プリアンプ)し、RWチャネル21に送る。また、RWチャネル21からの記録信号を選択されたヘッド・スライダ12に送る。
RWチャネル21は、リード処理において、AE13から供給されたリード信号からデータを抽出し、デコード処理を行う。読み出されるデータは、ユーザ・データとサーボ・データを含む。デコード処理されたリード・ユーザ・データは、HDC/MPU23に供給される。また、RWチャネル21は、HDC/MPU23からの制御信号に従ってライト処理を実行し、RWチャネル21はHDC/MPU23から供給されたライト・データをコード変調し、更にコード変調されたライト・データをライト信号に変換してAE13に供給する。
HDC/MPU23において、MPUはRAM24にロードされたマイクロ・コードに従って動作する。HDD1の起動に伴い、RAM24には、MPU上で動作するマイクロ・コードの他、制御及びデータ処理に必要とされるデータが磁気ディスク11あるいはROMからロードされる。HDC/MPU23は、リード/ライト処理制御、コマンド実行順序の管理、サーボ信号を使用したヘッド・スライダ12のポジショニング制御(サーボ制御)、インターフェース制御、ディフェクト管理などのデータ処理に関する必要な処理の他、HDD1の全体制御を実行する。
ロード/アンロード処理において、HDC/MPU23は、速度フィード・バック制御によってVCM15を制御する。図3に示すように、モータ・ドライバ・ユニット22は、VCM速度を検出するVCM速度検出回路221を備えている。VCM速度検出回路221は、VCM15の逆起電圧を検出し、その逆起電圧に所定ゲイン値をかけたVCM速度を出力する。VCM速度検出回路221からの出力は、ADコンバータ(ADC)222によってAD変換され、検出したVCM速度を表すデータvmeasがHDC/MPU23に転送される。なお、モータ・ドライバ・ユニット22とHDC/MPU23との間のデータの受け渡しは、モータ・ドライバ・ユニット22内のレジスタ・セットにデータを格納することで行われる。
HDC/MPU23は、モータ・ドライバ・ユニット22から現在のVCM速度値vmeasを取得し、この値と目標速度値とを使用して、VCM速度が目標速度に近づくように、VCM電流値を決定する。HDC/MPU23は、決定したVCM電流値を表すデータDACOUTをモータ・ドライバ・ユニット22に出力する。モータ・ドライバ・ユニット22のVCM駆動部224は、HDC/MPU23からの制御データDACOUTに従って、VCM15にVCM電流Ivcmを供給する。
VCM速度検出回路221は、VCM15に流れるVCM電流とその電圧であるVCM電圧とを検出することで、VCM15の逆起電圧Vbemfを検出する。この逆起電圧Vbemfの検出において、VCM速度検出回路221は、VCM抵抗値Rvcmが既知のものとして動作する。つまり、VCM抵抗値Rvcmが特定の値である場合のみ、VCM速度検出回路221は正確な逆起電圧Vbemfを検出し、VCM抵抗値Rvcmがその特定値からずれると、検出する逆起電圧に誤差が生じる。VCM抵抗値Rvcmは温度によって変化するため、温度変化によって、逆起電圧Vbemfの検出値が大きく変化しうる。
このため、VCM速度検出回路221は変更可能な回路パラメータ(回路素子)PARAMETRを有しており、VCM抵抗値Rvcmの変化に対応する。キャリブレーション・ロジック225は、HDC/MPU23からの指示に応答してキャリブレーション処理を実行し、VCM抵抗値Rvcmに対応した回路パラメータPARAMETRを、VCM速度検出回路221に設定する。
キャリブレーション・ロジック225が、VCM抵抗値Rvcmに応じてVCM速度検出回路221の回路パラメータPARAMETRを変更することによって、VCM速度検出回路221の逆起電圧検出値を、より正確な値に近づけることができる。しかし、回路パラメータPARAMETRの設定のみでは、回路構成上発生する検出誤差まで十分に補償することはできない。このため、HDC/MPU23は、取得したVCM速度値vmeasに対して補正演算処理を行い、補正したVCM速度値とターゲット速度とを使用して、最終的なVCM電流値を決定する。
HDC/MPU23は、ロード/アンロードの前に、補正演算処理のための補正演算係数を決定するため、キャリブレーション処理を実行する。具体的な方法は後述するが、位置決めされて停止した状態のVCM15に異なる電流を流し、各VCM電流Ivcmに対して検出されたVCM速度値vmeasから、補正演算係数を決定する。
本形態において特徴的な点の一つは、決定された補正演算係数が基準を超える値である場合、HDC/MPU23がVCM速度検出回路221の新たな回路パラメータPARAMETRを決定し、さらに、その回路パラメータPARAMETRに対応した新たな補正演算係数を算出することである。VCM速度検出回路221及びHDC/MPU23は、この新たに決定された回路パラメータPARAMETR及び補正演算係数を使用して、アンロード処理におけるVCM15の速度フィード・バック処理を実行する。
まず、VCM速度検出回路221内の回路構成について説明する。図4は、VCM速度検出回路221における逆起電圧検出回路250の回路構成を模式的に示す回路図である。後に述べるが、VCM速度検出回路221のキャリブレーションは、逆起電圧検出回路250における回路パラメータ、具体的には可変抵抗値R2を調整する。逆起電圧検出回路250は、オペアンプOP1、OP2及びバランス抵抗R1、R2、R3a、R3b、R4a、R4bを備えている。R3a及びR3bは同一の抵抗値R3を有し、R4a、R4bは同一の抵抗値R4を有する。抵抗R2は、可変抵抗となっており、その抵抗値R2が上記の回路パラメータとなっている。また、VCMコイルに直列に接続されたセンス抵抗Rsが存在する。
VCM15の逆起電圧Vbemfは、次の式を満たす、
Vbemf=Vvcm−Rvcm×Ivcm (1)
ここで、Vvcm、Rvcm及びIvcmは、それぞれ、VCMコイルの電圧(VCM電圧)、VCMコイルの抵抗(VCM抵抗)及びVCMコイルに流れる電流(VCM電流)である。VCM電流Ivcmは一定であって、変化していないものとする。逆起電圧検出回路250は、直接もしくは間接的にVvcm及びIvcmを検出することで、Vbemfを検出することができる。
オペアンプOP1、抵抗Rvcm、Rs、R1、R2は全体としてブリッジ回路を構成し、抵抗値R1、R2が初段のアンプのゲインを決定する。このブリッジ回路が平衡であるときはVCM電圧Vvcmに等しい。ブリッジ回路が平衡であるとき、次の関係を満たす。
R2/R1=Rvcm/Rs (2)
オペアンプOP2及び抵抗R3a−R4bは、オペアンプOP1の出力を逆起電圧(もしくはその所定数倍)として出力する差動増幅回路である。抵抗値R3、R4が出力段のアンプのゲインを決定する。オペアンプOP2の出力Voutは、次の数式で与えられる。
R4/R3×(Ivcm×Rs×R2/R1−Vvcm)+Vref (3)
このオペアンプOP2の出力VoutはVCM15の逆起電圧の所定数倍に相当し、VCM15の速度は、このOP2の出力Voutをさらに所定数倍することによって得ることができる。
ここで、数式(3)の関係が成立するためには、ブリッジ回路が平衡、つまり数式(2)の関係が成立していることが必要とされる。この関係が成立しない場合、OP2の出力VoutとVCM15の逆起電圧Vbemfとの間に誤差が生じ、その結果、VCM速度検出回路221の出力速度(検出速度)vmeasも、実際のVCM速度と異なるものとなる。VCM抵抗Rvcmは温度によって変化するため、抵抗R2及びR1の抵抗値が一定である場合、温度変化によって数式(2)が成立しなくなる。
図5は、アクチュエータ16が停止している状態における、VCM速度検出回路221のVCM検出速度vmeasと、VCM15に与えられたVCM電流Ivcmとの関係を模式的に示すグラフである。アクチュエータ16が停止している状態であるので、本来は、VCM電流Ivcmの値に関わらず、VCM検出速度vmeasは0であるはずである。しかし、VCM速度検出回路221の検出誤差のために、VCM電流Ivcmに従ってVCM検出速度vmeasが変化する。なお、各VCM電流Imin、Iid、Iod、Imaxについては、後に説明する。
具体的には、VCM検出速度vmeasは、VCM電流Ivcmが0におけるオフセットv0と、VCM検出速度vmeasに対する変化量を表す傾きαを有する一次関数を示す。最も大きな要因は上述のVCM抵抗Rvcmの温度変化によって数式(2)の関係が成立しないことであり、さらに、ハードウェアの動作誤差の要因がそれに重なる。
続いて、HDC/MPU22におけるVCM検出速度vmeasの補正演算処理及びそれを使用したVCMの速度フィード・バック制御について説明する。上述のように、HDC/MPU22は、VCM検出速度vmeasに対して補正演算処理を行い、その値を使用してVCM速度フィード・バック制御を行う。具体的には、VCM検出速度vmeasからオフセットv0を差し引くと共に、傾きαに関する補正を行う。
図6は、本形態におけるVCM速度制御系を模式的に示すブロック図である。VCM駆動部224は、HDC/MPU23からの制御データDACOUTをDAコンバータ226によってDA変換し、その値に従ってVCMアンプ227がVCM15に電流を供給する。VCM速度検出回路221が、VCM15の逆起電圧Vbemfを検出し、それにゲインkfをかけてVCM速度vmeasに換算する。VCM速度検出回路221が検出したVCM速度vmeasは、ADC222によってAD変換されてHDC/MPU23に転送される。
VCM速度vmeasデータを取得したHDC/MPU23は、さらに、関数231によって前回のVCM電流値(DACOUT)にαをかけた値αIを算出する。HDC/MPU23は、検出されたVCM速度の補正処理として、VCM速度検出回路221からのVCM速度vmeasデータからオフセットv0を差し引き(不図示)、さらに、その値からαIを差し引く。これによって、補正演算されたより正確な現在のVCM速度vcompが特定される。
このvcompを目標速度vtargetに近づけるように、vcompとvtargetとの差分verrorから、PIDフィルタ232が制御量としてのVCM電流値を決定して、それを表すDACOUTを出力する。このように、HDC/MPU23における補正演算処理によって、ロード/アンロードにおいて、正確なVCM速度フィード・バック制御を行うことができる。
次に、キャリブレーション・ロジック225によるキャリブレーション処理及びHDC/MPU23による補正演算係数の決定処理について説明する。なお、本稿において、HDC/MPU23による補正演算係数の決定処理をHDC/MPU23のキャリブレーションと呼ぶ。まず、VCM速度検出回路221におけるキャリブレーションについて説明する。
実際のVCM速度とVCM検出速度vmeasとの間の誤差は、VCM抵抗Rvcmの変化を補償するように、逆起電圧検出回路250における可変抵抗R2の抵抗値を設定することで、小さくすることができる。本形態のモータ・ドライバ・ユニット22は、キャリブレーション・ロジック225を備えており、このキャリブレーション・ロジック225は、HDC/MPU23からの指示に応答して、可変抵抗R2の抵抗値の設定を行う。キャリブレーション・ロジック225は傾きαが小さくなるように可変抵抗R2の抵抗値を補正する。
キャリブレーション・ロジック225は、アクチュエータ16が停止している状態において、逆起電圧検出回路250の出力値を測定し、可変抵抗R2を調整する。なお、キャリブレーション・ロジック225は公知の技術であり、本稿での詳細な説明は省略する。また、HDC/MPU23が補正演算係数を特定するためには、図5に示したような、VCM検出速度vmeasとVCM電流Ivcmと関係を特定することが必要である。このためには、ロード/アンロードの前に、位置決めされて停止した状態のアクチュエータ16に異なる電流を供給し、各電流に対応した逆起電圧を検出することが必要である。
具体的処理は、ロード時とアンロード時とで異なる。まず、ロードについて説明する。ロードにおいて、ロード開始前に、HDD1は、アクチュエータ16をアウタ・クラッシュ・ストップ163に押し当てた状態で位置決めする。アクチュエータ16及びVCM15の駆動は、モータ・ドライバ・ユニット22がHDC/MPU23の制御下で実行する。
まず、キャリブレーション・ロジック225が、HDC/MPU23からの指示に応答して、可変抵抗R2の抵抗値の最適化を行う。図4に示すように、キャリブレーション・ロジック225には、逆起電圧検出回路250の検出電圧が入力され、この値から可変抵抗R2の抵抗値設定を行う。キャリブレーション・ロジック225は、αが小さくなるように可変抵抗R2の抵抗値を更新する。
次に、補正係数の決定処理を行う。キャリブレーション・ロジック225による可変抵抗R2の補正によって、実際のVCM速度とVCM検出速度vmeasとの間の誤差を小さくすることができる。しかし、この誤差をなくすことはできない。一つには、可変抵抗R2の抵抗値が離散数で設定されるので誤差をなくすことができないためである。従って、VCM検出速度vmeasとVCM電流Ivcmとの関係において傾きαは小さくなるが、図5のグラフに示したようにオフセットと傾きは0にはならない。
HDC/MPU23が補正演算処理を行うためには、可変抵抗R2の補正後において補正係数を得る、つまり、VCM検出速度vmeasとVCM電流Ivcmとの関係を表すオフセットv0と傾きαを得ることが必要である。HDC/MPU23は、アウタ・クラッシュ・ストップ163にアクチュエータ16を押し当てて位置決めした状態において、異なるVCM電流を供給し、VCM検出速度vmeasとVCM電流Ivcmとの関係から、オフセットv0と傾きαを得る。
具体的には、図5に示すように、VCM15には、ImaxとIminの異なるVCM電流が与えられる。HDC/MPU23は、Imax及びIminにおけるVCM検出速度vmax、vminから、オフセットv0と傾きαを決定する。なお、与える電流値は3以上であれば、より正確な値を得ることができる。補正係数を得ると、HDC/MPU23は、その補正係数を使用した速度制御によって、ロード処理を実行する。
続いて、アンロードについて説明する。アンロードにおいて、ロード時における回路パラメータ及び補正係数を使用して、VCM速度制御を行うことが考えられる。しかし、通常、アンロード時のVCM抵抗値Rvcmは、温度変化によってロード時異なる値となっている。このため、ロード時の設定では、正確な制御を行うことはできない。
キャリブレーション・ロジック225及びHDC/MPU23は、イナー・クラッシュ・ストップ164にアクチュエータ16を押し当てることによって、ロード時と同様にキャリブレーション処理を行うことができる。しかし、アクチュエータ16がランプ17上にいるロード時と異なり、イナー・クラッシュ・ストップ164にアクチュエータ16を押し当てるときに音が発生する。このため、イナー・クラッシュ・ストップ164にアクチュエータ16を当てることなく、キャリブレーションを行うことが好ましい。
本形態のHDC/MPU23は、アクチュエータ16(ヘッド・スライダ12)を異なる2つのトラックにシークさせてそこに位置決めし、各トラックをフォローイングした状態における各VCM検出速度vmeasを得る。各トラックにおける、VCM電流とVCM検出速度vmeasとから、傾きαとオフセットv0の各補正係数を得る。各トラックに位置決めされている間は、実質的にVCM電流Ivcmは一定である。また、異なるトラックのフォローイングにおいては、VCM電流Ivcmが異なる。これは、アクチュエータ16の機械的特性によるものであり、その主な要因はアクチュエータ16に固定されたFPC18の弾性力に違いによる。
具体的には、図5に例示するように、HDC/MPU23は、内周側のトラックをフォローイングした状態におけるVCM電流Iidに対するVCM検出速度vidと、外周側のトラックをフォローイングした状態におけるVCM電流I_odに対するVCM検出速度vodとから、補正係数を算出する。
このように、フォローイング時のVCM電流は、トラックによって異なる値となる。しかし、トラック間におけるVCM電流値Ivcmの相違は小さい。アクチュエータ16をアウタ・クラッシュ・ストップ163に押し当てた状態においては、HDC/MPU23は任意のVCM電流値を設定することができるが、フォローイング時のVCM電流はフォローイング条件によって決定される。
VCM電流値の相違が小さい場合、VCM検出速度vmeasの検出誤差の影響が大きく、補正演算係数の精度の面に問題があり、HDC/MPH23が使用する補正係数αの値が大きな値をとることがある。また、アンロードにおいてキャリブレーション・ロジック225によるキャリブレーションを省略する場合、HDC/MPH23が使用する補正係数αの値が大きな値をとることがある。
補正係数αの値がある程度大きくなると、図6に示した制御システムにおいて、VCM速度制御系の位相マージンが少なくなり、制御システムが不安定となる傾向がある。これによって正確なVCM速度制御を行うことができず、アクチュエータ16が強くアウタ・クラッシュ・ストップ163に衝突する、あるいは、アクチュエータ16がランプ17にうまく乗り上げることができないことがありうる。また、タブ162がランプ17に乗り上げるときにヘッド・スライダ12を磁気ディスク12から引き上げることができず、ヘッド・スライダ12やアクチュエータ16にダメージを与えうる。
本形態のHDC/MPU23は、算出された補正係数αが予め定められた基準を超える場合、自ら逆起電圧検出回路250に対するキャリブレーション処理を実行する。具体的には回路パラメータである可変抵抗R2の抵抗値を演算により決定し、その値を逆起電圧検出回路250に設定する。HDC/MPU23は、再度、アクチュエータ16を制御して、異なるトラックの検出VCM速度vmeasを取得し、補正演算係数α、v0を再計算する。これによって、不安定なアンロード処理を防止する。具体的には、図7に示すように、算出された補正係数α0が基準範囲をこえる場合(|α0|>αref)、傾きを小さくするように、可変抵抗R2の値を決定する。新たな抵抗値を逆起電圧検出回路250に設定して後、補正係数α1を算出する。傾きα1の絶対値はα0の絶対値よりも小さくなる。
HDC/MPU23の補正演算件数の決定処理について、図4のブロック図及び図8のフローチャートを参照して説明する。HDC/MPU23は、VCM駆動部224に制御信号DACOUTを出力して、アクチュエータ16を内周側の予め定められたトラック(内周側トラック)にシークさせ、そこに位置決めする(S11)。そのトラックをフォローイングした状態において、VCM速度検出回路221がVCM速度を測定し、HDC/MPU23は、その値を取得する(S12)。
続いて、HDC/MPU23は、VCM駆動部224に制御信号DACOUTを出力して、アクチュエータ16を外周側の予め定められたトラック(外周側トラック)にシークさせ、そこに位置決めする(S13)。そのトラックをフォローイングした状態において、VCM速度検出回路221がVCM速度を測定し、HDC/MPU23は、その値を取得する(S14)。
HDC/MPU23は、内周側トラック及び外周側トラックにおけるVCM電流値と、各トラックにおいて検出されたVCM速度値とから、オフセットv0と傾きαの各補正係数を算出する(S15)。HDC/MPU23は、算出された補正係数(例えば図7のα0)と予め定められた基準値(例えば図7のαref)とを比較することによって、αが基準範囲にあるかを決定する(S16)。αは正及び負の値をとりうるので、基準範囲はαの絶対値で規定する。αの絶対値が基準値未満であると(S16における)、HDC/MPU23は、その補正係数を使用して、アンロード処理を実行する(S17)。
傾きαが基準範囲にない場合、HDC/MPU23は補正演算係数を再決定する。まず、HDC/MPU23は、図4に示した逆起電圧検出回路250の可変回路パラメータを再設定する。具体的には、逆起電圧検出回路250の可変抵抗R2の抵抗値を設定する。HDC/MPU23は、傾きαを小さくする可変抵抗R2の抵抗値を演算により算出し(S18)、その値を逆起電圧検出回路250にセットする(S19)。可変抵抗R2の算出方法については後述する。
逆起電圧検出回路250が、可変抵抗R2をHDC/MPU23が示した新たな抵抗値に変更した後、HDC/MPU23は、再度、VCM速度の測定を実行する。つまり、HDC/MPU23は、上述のS11からS15の処理を繰り返す。なお、可変抵抗R2の設定を一回もしくは複数回繰り返しても傾きαの値が基準範囲外にある場合、処理が無限ループに入るので、HDC/MPU23は、補正係数の再演算処理を予め定められた基準回数行った場合には、それ以上の再設定を行わず、最終的な補正係数を使用してアンロード処理を行う。
続いて、HDC/MPU23が設定する可変抵抗R2の算出方法について説明する。VCM速度検出回路221の検出速度vmeasは、数式(4)で表される。
vmeas=R4/R3(Ivcm×Rs×R2/R1−Vvcm)+Vref (4)
VCM速度検出回路221が正確なVCM速度を検出するためには、逆起電圧検出回路250のゲインが以下の数式(5)の関係を満たしていることが必要である。
R2/R1=Rvcm/Rs (5)
上述のように、HDC/MPU23は、内周側トラックと、それよりも外周側にある外周側トラックとをフォローイングすることによって、補正係数の演算処理を行う。内周側トラックにおいて検出されるVCM速度vmeas_idは、次の数式(6)で表される。
vmeas_id=R4/R3(Ivcm_id×Rs×R2/R1−Vvcm_id)+Vref (6)
ここで、Ivcm_id及びVvcm_idは、内周側トラックにおけるVCM電流とVCM電圧である。Vrefは、図6で示している参照電圧である。
同様に、外周側トラックにおいて検出されるVCM速度vmeas_odは、次の数式(7)で表される。
vmeas_od=R4/R3(Ivcm_od×Rs×R2/R1−Vvcm_od)+Vref (7)
Ivcm_od及びVvcm_odは、外周側トラックにおけるVCM電流とVCM電圧である。
上記数式(6)及び数式(7)から、内周側トラックにおける検出VCM速度と外周側トラックにおける検出VCM速度との差分は、以下の数式(8)で表される。
vmeas_id−vmeas_od
=R4/R3(Rs×R2/R1(Ivcm_id−Ivcm_od)−(Vvcm_id−Vvcm_od))(8)
さらに、数式(8)を変形すると、以下の数式(9)が得られる。
(vmeas_id−vmeas_od)/(Ivcm_id−Ivcm_od)
=R4/R3(Rs×R2/R1−(Vvcm_id−Vvcm_od)/(Ivcm_id−Ivcm_od))(9)
ここで、VCM抵抗Rvcmが印加する電圧Vvcmに対してリニアな関係であるとすると、VCM抵抗Rvcmは数式(9)の左辺と同一である。従って、次の数式(10)が成立する。
(Vvcm_id−Vvcm_od)/(Ivcm_id−Ivcm_od)=Rvcm (10)
また、VCM電流Ivcmと検出VCM速度vmeasとの関係を規定する傾きαは、次の数式(11)で表される。
α=(vmeas_id−vmeas_od)/(Ivcm_id−Ivcm_od) (11)
数式(10)及び数式(11)を、数式(9)に代入すると、次の数式(12)が成立する。
(R3/R4)×(1/Rs)×α=(R2/R1)−(Rvcm/Rs) (12)
R2/R1は現在の逆起電圧検出回路250の設定、Rvcm/Rsは現在のRvcmとRsとの関係となる。これらの間の差は、逆起電圧検出回路250のゲインのずれとなる。つまり、このずれは、各トラックにおけるVCM検出速度の差分とVCM電流の差分とから計算により得ることができる。HDC/MPU23は、抵抗R1、R3、R4、Rsの各抵抗値を予め取得しており、また、キャリブレーション・ロジック225から現在の可変抵抗R2の抵抗値を取得する。これらの抵抗値及び数式(12)の関係から、現在のVCM抵抗値Rvcm及び傾きαを最も小さくする可変抵抗R2の抵抗値を算出することができる。
以上、本発明について好ましい実施形態を例として説明したが、本発明が上記の実施形態に限定されるものではない。当業者であれば、上記の実施形態の各要素を、本発明の範囲において容易に変更、追加、変換することが可能である。例えば、本発明をHDD以外のディスク・ドライブ装置に適用することができる。また、リード素子あるいはライト素子のみを備えるヘッド・スライダを実装するHDDに本発明を適用することも可能である。
上述のように、アンロードにおいてはトラック・フォローイングによってキャリブレーションを行うことが好ましいが、アクチュエータをクラッシュ・ストップに押し当てて行うキャリブレーションに本発明を適用することができる。また、ロードにおいて本発明を利用してもよい。補正係数の各決定ステップにおいてフォローイングする2つのトラックは、各ステップに対して同一もしくは異なるものであってよい。本発明は上述の実施形態において特に好適であるが、設定する回路パラメータ及び補正係数が異なる制御系に本発明を適用することができる。
本実施形態において、HDDの機構的全体構成を模式的に示す図である。 本実施形態において、HDDの機能的全体構成を模式的に示すブロック図である。 本実施形態において、VCM速度制御に関連する機能構成を模式的に示すブロック図である。 本実施形態において、VCM速度検出回路における逆起電圧検出回路の回路構成を模式的に示す回路図である。 本実施形態において、アクチュエータが停止している状態における、VCM速度検出回路のVCM検出速度vmeasとVCMに与えられたVCM電流Ivcmとの関係を模式的に示すグラフである。 本実施形態において、VCM速度制御系を模式的に示すブロック図である。 本実施形態において、回路パラメータを校正した場合におけるVCM電流とVCM速度検出値と関係及び補正係数の変化を模式的に示すグラフである。 本実施形態において、アンロード時におけるHDC/MPUの補正演算件数の決定処理について説明するフローチャートである。
符号の説明
1 ハードディスク・ドライブ、10 エンクロージャ、11 磁気ディスク
12 ヘッド・スライダ、14 トップ・クランプ、15 ボイス・コイル・モータ
16 アクチュエータ、17 ランプ、20 回路基板
21 リード・ライト・チャネル、22 モータ・ドライバ・ユニット
23 ハードディスク・コントローラ/MPU、51 ホスト、151 VCMコイル
161 回動軸、162 タブ、163 アウタ・クラッシュ・ストップ
164 イナー・クラッシュ・ストップ、221 VCM速度検出回路
222 ADコンバータ、224 VCM駆動部、250 逆起電圧検出回路
226 DAコンバータ、227 VCMアンプ、231 関数

Claims (13)

  1. データを記憶するディスクにアクセスするヘッドと、
    前記ヘッドを支持し、ボイス・コイル・モータによって駆動されるアクチュエータと、
    前記アクチュエータが位置決めされた状態において前記ボイス・コイル・モータに流されている第1電流による第1逆起電圧を検出し、さらに、前記アクチュエータが位置決めされた状態において前記ボイス・コイル・モータに流され、前記第1電流と異なる第2電流による第2逆起電圧を検出する、検出回路と、
    前記検出回路からの出力を補正演算した値を使用して前記アクチュエータの駆動制御を行うコントローラと、を備え、
    前記コントローラは、前記第1及び第2逆起電圧を使用して前記検出回路からの出力に対する補正演算係数を決定し、その補正演算係数が基準範囲外にある場合に、前記検出回路の新たな回路パラメータとその新たな回路パラメータに対応する新たな補正演算係数とを決定する、
    ディスク・ドライブ装置。
  2. 前記コントローラは、前記新たな回路パラメータを設定された検出回路の出力を前記新たな補正演算係数使用して補正演算して前記アクチュエータを制御し、前記ヘッドをその退避位置に移動する、
    請求項1に記載のディスク・ドライブ装置。
  3. 前記コントローラは、前記第1及び第2逆起電圧を使用して決定された補正演算係数を使用して、前記新たな回路パラメータを決定する、
    請求項1に記載のディスク・ドライブ装置。
  4. 前記新たな回路パラメータをセットされた前記検出回路は、前記アクチュエータが位置決めされた状態において前記ボイス・コイル・モータに流された第3電流による第3逆起電圧を検出し、さらに、前記アクチュエータが位置決めされた状態において前記ボイス・コイル・モータに流され、前記第3電流と異なる第4電流による第4逆起電圧を検出し、
    前記コントローラは、前記第3及び第4逆起電圧を使用して前記新たな補正演算係数を決定する、
    請求項1に記載のディスク・ドライブ装置。
  5. 前記検出回路は、前記アクチュエータが前記ディスクの第1トラックをフォローイングしている状態で前記第1逆起電圧を検出し、前記第1トラックと異なる第2トラックをフォローイングしている状態で前記第2逆起電圧を検出する、
    請求項1に記載のディスク・ドライブ装置。
  6. 前記検出回路は、前記アクチュエータが前記ディスクの第3トラックをフォローイングしている状態で前記第3逆起電圧を検出し、前記第3トラックと異なる第4トラックをフォローイングしている状態で前記第4逆起電圧を検出する、
    請求項4に記載のディスク・ドライブ装置。
  7. 前記コントローラは、前記第1及び第2電流と前記第1及び第2逆起電圧とから、電流に対する逆起電圧の変化の傾きを決定し、その傾きを前記補正係数として使用する、
    請求項1に記載のディスク・ドライブ装置。
  8. 前記コントローラは、前記傾きが小さくなるように前記新たな回路パラメータを決定する、
    請求項7に記載のディスク・ドライブ装置。
  9. 前記回路パラメータを自動設定する設定回路をさらに備え、
    前記検出回路は、前記設定回路が設定した回路パラメータを使用して、前記第1及び第2逆起電圧を検出し、
    前記コントローラは、前記新たな回路パラメータを前記検出回路に設定する、
    請求項1に記載のディスク・ドライブ装置。
  10. ヘッドを支持するアクチュエータと、そのアクチュエータを駆動するボイス・コイル・モータとを備えるディスク・ドライブ装置において、前記ボイス・コイル・モータを速度制御するためのキャリブレーション方法であって、
    前記ボイス・コイル・モータに第1電流を供給して前記アクチュエータを位置決めした状態において、前記ボイス・コイルの第1逆起電圧を検出し、
    前記ボイス・コイル・モータに前記第1電流と異なる第2電流を供給して前記アクチュエータを位置決めした状態において、前記ボイス・コイルの第2逆起電圧を検出し、
    前記第1及び第2逆起電圧を使用して、前記速度制御において検出される逆起電圧に対する補正演算係数を決定し、
    前記補正演算係数が基準範囲外にある場合に、前記ボイス・コイル・モータの逆起電圧を検出する検出回路の新たな回路パラメータを前記検出回路に設定し、
    前記新たな回路パラメータに対応する新たな補正演算係数を決定する、方法。
  11. 前記アクチュエータが前記ディスクの第1トラックをフォローイングしている状態で前記第1逆起電圧を検出し、前記第1トラックと異なる第2トラックをフォローイングしている状態で前記第2逆起電圧を検出する、
    請求項10に方法。
  12. 前記コントローラは、前記第1及び第2逆起電圧を使用して決定された補正演算係数を使用して、その補正係数が前記基準範囲内になるように前記新たな回路パラメータを決定する、
    請求項10に記載の方法。
  13. 前記新たな回路パラメータを前記検出回路に設定し、
    前記ボイス・コイル・モータに第3電流を供給して第3トラックに前記アクチュエータを位置決めした状態において、第3逆起電圧を検出し、
    前記ボイス・コイル・モータに第4電流を供給して第4トラックに前記アクチュエータを位置決めした状態において、第4逆起電圧を検出し、
    前記第3及び第4逆起電圧を使用して前記新たな補正演算係数を決定する、
    請求項10に記載の方法。
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