JP2007286300A - 磁気泳動反転表示パネル - Google Patents

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Toshinori Kajiwara
俊典 梶原
Shinichi Muragata
伸一 村形
Ryusuke Sakuma
隆介 佐久間
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Abstract

【課題】磁気泳動反転表示パネルにおいて、分散媒の色と異なる色でかつ両磁極を互いに異なった色で着色した分散液体中に分散した微小磁石を、黒ずむことなくカラフルな色で着色した微小磁石とし、筆跡がより鮮明となるようにした磁気泳動反転表示パネルを得ることを目的とするものである。
【解決手段】磁気泳動反転表示パネルにおける、高保磁力材からなる第1の磁性材料と低保磁力材からなる第2の磁性材料とを混合して、両磁極の色を異ならせかつ分散媒の色とも異ならせて着色した微小磁石において、第2の磁性材としてパーマロイまたはセンダストを用いる。
【選択図】なし

Description

本発明は、分散液体中に分散した微小磁石を磁石により泳動または泳動/反転させて表示を形成し、裏面から消去用磁石により微小磁石を引き寄せて表示を消去し、また磁石により表示を形成した微小磁石を同じ面から他の磁極の磁石により表示を形成した微小磁石を再反転させて表示色を変化可能な磁気泳動反転表示パネルに関する。
本出願人の先の出願である、国際公開番号:WO 2005/033790において、「少なくとも、着色材を含有する分散媒中に、磁極の色が異なりまた分散媒の色とも異なる微小磁石を分散して得られた降伏値を有する分散液体と、該分散液体を保持する支持材とを備えた磁気泳動反転表示パネルであって、微小磁石が保磁力の異なる2種以上の磁性材料からなることを特徴とする、磁気泳動反転表示パネル。」を提案した。この磁気泳動反転表示パネルは、筆記したい部分に特定の磁極を選択して表面側から該分散液体中の微小磁石を泳動または泳動/反転させ、該微小磁石の特定面の色調を表示させることで、二色の表示色を表現する筆跡を得た後、前記特定面の色調が表示された筆跡を構成する微小磁石に同じ面から反対の磁極の磁界を作用させることにより、筆跡の状態を変えることなく筆跡の色調を変化させることができ、背景以外に2色の表示、つまり3色で形成された磁気表示ができるというものである。
ところで、こうした磁気パネルの分散液体中に分散させる微小磁石を構成する磁性材料は、第1の磁性材料としては六方晶マグネタイトとプランバイト型フェライト、第2の磁性材料としてはマグネタイト、マグヘマタイト、コバルト被着マグネタイト、コバルト被着マグヘマタイトから選ばれた1または2以上の磁性材料が好適に使用されている。この微小磁石の表裏を2色に着色するわけであるが、着色は磁性層に着色層を塗工することで行っており、そのために磁性層の色すなわち磁性材料の色の影響を受けてしまう。前記に挙げた磁性材料は黒色のものばかりなので、青、ピンク等のカラフルな色で着色しても黒ずんだ色となってしまっていた。
WO 2005/033790公報
本発明は磁気泳動反転表示パネルにおいて、分散媒の色と異なる色でかつ両磁極を互いに異なった色で着色した分散液体中に分散した微小磁石を、黒ずむことなくカラフルな色で着色した微小磁石とし、筆跡がより鮮明となるようにした磁気泳動反転表示パネルを得ることを目的とするものである。
本発明は、
「1.少なくとも、着色材を含有する分散媒中に、高保磁力材からなる第1の磁性材料と低保磁力材からなる第2の磁性材料とを混合してなる、両磁極の色を異ならせかつ分散媒の色とも異ならせて着色した微小磁石を分散して得られた降伏値を有する分散液体と、該分散液体を保持する支持材とを備えた磁気泳動反転表示パネルにおいて、前記微小磁石における第2の磁性材がパーマロイまたはセンダストであることを特徴とする磁気泳動反転表示パネル。」
である。
微小磁石を黒ずむことなくカラフルな色で着色するには、色が黒色でない磁性材料を用いることが重要となる。磁気泳動反転表示パネルにおける微小磁石は、高保磁力材と低保磁力材の少なくとも2種類の磁性材料を含んでいるが、磁性材料の色が黒色でないものとしては、パーマロイまたはセンダストがあり、これらは低保磁力材である。
微小磁石を構成する第1の磁性材料と第2の磁性材料は混入しており、第2の磁性材料であるパーマロイまたはセンダストの配合割合が第1の磁性材料に比べて、多ければ多い程黒ずむ程合いが少なくなるが、しかしその反面、磁気泳動反転表示パネルとしての微小磁石の泳動・反転性能が満足できるものでなくなる。また、微小磁石を分散して得られた分散液体は降伏値を有しており、この降伏値との関係からも磁気泳動反転表示パネルとしての微小磁石の泳動・反転性能が満足できるような配合割合を適宜設定する必要がある。
磁気泳動反転表示パネルは、分散液体を保持するが保持する方法としては、基板間に各々独立した多数の小室を形成し、各小室に分散液体をいれ、周囲をセキ板又は接着剤で封じ込めて保持する方法がある。小室は、基板間にハニカム構造の多セル板を介在することにより、又は、一方の基板に多数の凹みを設けることにより、又は、一方の基板に隔壁部を一体に設けることにより形成することができる。または、分散液体をマイクロカプセルに封入し、該マイクロカプセルを基板間に設けることにより保持する方法がある。
本発明は前記したような構成の磁気泳動反転表示パネルなので、微小磁石の両磁極に施された着色は黒ずみのない色で着色され、筆跡が従来のものに比べて鮮明となった磁気泳動反転表示パネルを得ることができた。
本発明の磁気泳動反転表示パネルは、従来の磁気泳動反転表示パネルにおける分散媒中に分散する微小磁石において、低保磁力材からなる第2の磁性材料をパーマロイまたはセンダストを用いることである。
分散媒と増稠剤を主成分とする液体は、適度の降伏値と粘度を有しているものが好ましく、分散媒としては水、グリコール類等の極性分散媒や、有機溶剤、油類等の非極性分散媒のいずれでも用いることができる。脂肪族炭化水素溶剤、特にイソパラフィン系溶剤が良い性質を示すので良い。また、増稠剤は分散液体の主に降伏値を出すために用い、アエロジル等の無機物、または脂肪酸ビスアマイド、水添ヒマシ油、N−アシルアミノ酸アマイドから選んで使用できる。具体的には、無水けい酸、含水けい酸、含水けい酸カルシウム、含水けい酸アルミニウム、シリカ粉、けいそう土、カオリン、ハードクレー、ソフトクレー、ベントナイト、有機ベントナイト等の微粉けい酸および微粉けい酸塩、微粉アルミナ、極微細炭酸カルシウム、軽微性炭酸カルシウム、極微細活性化カルシウム等の微細炭酸カルシウム、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン等のオレフィン重合体、エチレン−酢ビ共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−不飽和有機酸共重合体等のオレフィンとこれと共重合可能な単量体との共重合体、ポリアルキルスチレン、ワックス、金属石けん、脂肪酸アミド、デキストリン酸脂肪酸エステル、ヒドロキシプロピルセルロースエステル、ショ糖脂肪酸エステル、アシルアミノ酸エステル、デンプン脂肪酸エステル、ジベンジリデンソルビトール等が挙げられ、これらの微粒子増稠剤を単独または併用できる。また、水系の増稠剤としては、グァーガム、キサンタンガム等の天然多糖類、架橋型アクリル酸重合体等の合成系増稠剤等が挙げられ、これらの増稠剤を単独または併用できる。
降伏値は、分散液体中の微小磁石を適正に分散し、表示の際には微小磁石が表面付近に保持する作用がある。
微小磁石を分散した分散液体は、着色しており、染料、顔料、蛍光染料等の着色剤を添加したりして調整する。その他、本発明の分散液体には、所望により帯電防止剤、防腐剤、防カビ剤を添加しても良い。
実施例1
先ず、
エポキシ樹脂 60重量%
着色剤(青色系顔料分散体) 40重量%
を配合して青色インクを得て、厚さ25μmのPETフィルムの上にワイヤーバーにて塗工し、乾燥後の厚さが12μmとなる層を設けた。
次に、
エポキシ樹脂 64重量%
ストロンチウムフェライト(第1の磁性材料) 5重量%
パーマロイ(第2の磁性材料) 30重量%
分散剤(アビシア株式会社製の商品名:ソルスパース24000GR) 1重量%
を配合して磁性粉を含んだ灰色インクを得た。この灰色インクを前記青色インク層の上に、ワイヤーバーにて塗工を行い、乾燥後の厚さが22μmとなる層を設けた。
さらに、
エポキシ樹脂 60重量%
着色剤(ピンク色系顔料分散体) 40重量%
を配合してピンク色インクを得て、前記磁性粉を含んだ灰色インクの上に、ワイヤーバーにて塗工を行い、乾燥後の厚さが12μmとなる層を設け、磁性層を形成した。
この状態で、ピンク色インク層の反射物体の測定方法に基づいて彩度を測定した。光D65照明、10゜視野で測色した場合の彩度で、JISに準拠した拡散照明8゜(d/8゜)受光(正反射光を含む)方式により測定した。色の数値化には、JIS Z 8729に準拠したL 表色系を用い、実際の測色には、コニカミノルタ株式会社製の分光測色計(CM−512m2)を用いた。該分光測色計は、3方向照明1方向受光方式で、照明:15゜、45゜、110゜/受光:45゜である。各得られたL (明度)、a(赤−緑方向)、b (黄−青方向)の数値は、表1に示すとおりである。
次に、前記磁性層の青色インク層面側をS極に、反対面のピンク色インク側をN極に着磁し、PETフイルムから剥離し、粉砕機にて粉砕して微小磁石を得た。
次に、イソパラフィン溶剤98.9重量%に、低分子量ポリエチレン1.1重量%を加えて加熱溶解した後冷却して液体を調整した。
透明基板にハニカムを用いて接着した表示パネル部材に、前記分散液体を流し込み、その上から、透明基板を接着して、本発明の泳動反転型磁気表示パネルを作製した。
実施例2
前記実施例1における磁性粉を含んだ灰色インクについては次のように配合し、それ以外は実施例1と同様にして本発明の泳動反転型磁気表示パネルを作製した。
エポキシ樹脂 64重量%
ストロンチウムフェライト(第1の磁性材料) 5重量%
センダスト(第2の磁性材料) 30重量%
分散剤(アビシア株式会社製の商品名:ソルスパース24000GR) 1重量%
を配合して磁性粉を含んだ灰色インクを得た。
実施例1と同様に、ピンク色インク層の彩度を測定したところ、各得られたL (明度)、a(赤−緑方向)、b (黄−青方向)の数値は、表1に示すとおりである。
比較例1
前記実施例1における磁性粉を含んだ灰色インクについては、従来の泳動反転型磁気表示パネルと同様の配合にして、それ以外は実施例1と同様にして本発明の泳動反転型磁気表示パネルを作製した。
エポキシ樹脂 64重量%
ストロンチウムフェライト(第1の磁性材料) 5重量%
四三酸化鉄(第2の磁性材料) 30重量%
分散剤(アビシア株式会社製の商品名:ソルスパース24000gr) 1重量%
を配合して、黒色インクを得た。
実施例1と同様に、ピンク色インク層の彩度を測定したところ、各得られたL (明度)、a(赤−緑方向)、b (黄−青方向)の数値は、表1に示すとおりである。
Figure 2007286300
評価
前記ピンク色インクをこうした白板(樹脂製)の上に、ワイヤーバーにて塗工を行ったもののピンク色インク層の彩度を測定したところ、各得られたL (明度)、a(赤−緑方向)、b (黄−青方向)の数値は表1に示すとおりであり、比較例1のものに比べて改善されていることが判る。
磁気泳動反転表示パネルは、背景色の上に微小磁石の表裏の色調である2色の表示ができ、分散媒等の微小磁石を除いた分散液体成分の色調と併せて、3色の表現が可能となり、任意の筆跡の任意の部分を選択して色を変えることができるので、重要ポイントや注目を惹きたいところのみを色を変えて表示することができる。かつ、微小磁石の表裏の色調が従来は黒ずんでいたが、黒ずみが改善され、より鮮やかな色調となるので、より一層効果が際立たせることができるので、黒板等の表示板として、あるいは商品の値札や広告用ボードとして使用することができる。

Claims (1)

  1. 少なくとも、着色材を含有する分散媒中に、高保磁力材からなる第1の磁性材料と低保磁力材からなる第2の磁性材料とを混合してなる、両磁極の色を異ならせかつ分散媒の色とも異ならせて着色した微小磁石を分散して得られた降伏値を有する分散液体と、該分散液体を保持する支持材とを備えた磁気泳動反転表示パネルにおいて、前記微小磁石における第2の磁性材がパーマロイまたはセンダストであることを特徴とする磁気泳動反転表示パネル。

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