JP2007285907A - 地図表示装置、地図表示方法、及び地図表示プログラム - Google Patents

Abstract

【課題】シミュレーション走行時において、天候や渋滞状況などを考慮に入れた地図表示が可能な地図表示装置を提供する。
【解決手段】地図表示装置は、ユーザから取得された出発地、目的地、及び出発する日時に対応する天候の情報及び渋滞情報を取得し、取得された情報に基づいて経路を算出すると共に、経路上の地点を通過する通過時刻を算出する。そして、表示制御装置は、経路上の地点に対応する地図を表示すると共に、この地点における、通過時刻、天候の情報、及び渋滞情報に基づいた画像を表示する。上記の地図表示装置によれば、ユーザに経路上の渋滞状況を事前に提供することができると共に、より現実的な走行シーンをユーザに提供することができる。
【選択図】図７

Description

本発明は、表示装置に地図データを表示する技術に関する。

従来から、車両に搭載されるナビゲーション装置には、経路沿いの地図をスクロールして表示させるルートスクロール機能や、擬似的な走行により種々の機能を提示する走行デモンストレーション機能が搭載されている。例えば、特許文献１には、シミュレーション走行時に車両の走行時刻に応じた地図を表示する地図表示方法が記載されている。

特開２００５−１６９５４号公報

しかしながら、特許文献１に記載された技術では、経路上の地点における天候や渋滞状況などを考慮に入れて地図表示を行ってはいなかった。

本発明が解決しようとする課題としては、上記のものが一例として上げられる。本発明は、シミュレーション走行時において、天候や渋滞状況などを考慮に入れた地図表示が可能な地図表示装置、地図表示方法、及び地図表示プログラムを提供することを目的とする。

請求項１に記載の発明は、地図表示装置は、出発地と、目的地と、前記出発地を出発する日時と、を取得する第１の取得手段と、前記出発地と、前記目的地と、前記日時とに基づいて、天候の情報、及び渋滞情報を取得する第２の取得手段と、前記天候の情報、及び前記渋滞情報に基づいて、前記出発地から前記目的地に至る経路を算出する経路算出手段と、前記経路上の地点を通過する通過時刻を算出する通過時刻算出手段と、前記経路上の地点に対応する地図を表示すると共に、前記地点における、前記通過時刻と、前記天候の情報と、前記渋滞情報と、に基づいた画像を表示する表示制御手段と、を備える。

請求項８に記載の発明は、地図を表示する表示装置における地図表示方法は、出発地と、目的地と、前記出発地を出発する日時と、を取得する第１の取得工程と、前記出発地と、前記目的地と、前記日時とに基づいて、天候の情報、及び渋滞情報を取得する第２の取得工程と、前記天候の情報、及び前記渋滞情報に基づいて、前記出発地から前記目的地に至る経路を算出する経路算出工程と、前記経路上の地点を通過する通過時刻を算出する通過時刻算出工程と、前記経路上の地点に対応する地図を表示すると共に、前記地点における、前記通過時刻と、前記天候の情報と、前記渋滞情報と、に基づいた画像を表示する表示制御工程と、を備える。

請求項９に記載の発明は、表示装置を備えるコンピュータにより実行される地図表示プログラムは、出発地と、目的地と、前記出発地を出発する日時と、を取得する第１の取得手段、前記出発地と、前記目的地と、前記日時とに基づいて、天候の情報、及び渋滞情報を取得する第２の取得手段、前記天候の情報、及び前記渋滞情報に基づいて、前記出発地から前記目的地に至る経路を算出する経路算出手段、前記経路上の地点を通過する通過時刻を算出する通過時刻算出手段、前記経路上の地点に対応する地図を表示すると共に、前記地点における、前記通過時刻と、前記天候の情報と、前記渋滞情報と、に基づいた画像を表示する表示制御手段、として前記コンピュータを機能させる。

本発明の１つの観点では、地図表示装置は、出発地と、目的地と、前記出発地を出発する日時と、を取得する第１の取得手段と、前記出発地と、前記目的地と、前記日時とに基づいて、天候の情報、及び渋滞情報を取得する第２の取得手段と、前記天候の情報、及び前記渋滞情報に基づいて、前記出発地から前記目的地に至る経路を算出する経路算出手段と、前記経路上の地点を通過する通過時刻を算出する通過時刻算出手段と、前記経路上の地点に対応する地図を表示すると共に、前記地点における、前記通過時刻と、前記天候の情報と、前記渋滞情報と、に基づいた画像を表示する表示制御手段と、を備える。

上記の地図表示装置は、表示装置に地図データを表示する装置である。第１の取得手段は、ユーザなどから、出発地と目的地と出発地を出発する日時とを取得し、第２の取得手段は、これらの情報に基づいて、天候の情報、及び渋滞情報を取得する。経路算出手段は、取得された天候の情報と渋滞情報に基づいて、出発地から目的地に至る経路を算出し、通過時刻算出手段は、経路上の地点を通過する通過時刻を算出する。そして、表示制御手段は、経路上の地点に対応する地図を表示すると共に、地点における、通過時刻と、天候の情報と、渋滞情報と、に基づいた画像を表示する。これにより、走行地点における走行状況をビジュアルに表現することができ、より現実的な走行シーンをユーザに提供することができる。また、ユーザは、表示画像を見ることによって、走行地点における渋滞状況を事前に確認することができる。

上記の地図表示装置の一態様では、前記第２の取得手段は、前記出発地と、前記目的地と、前記日時とを関連付けることのできる渋滞情報データベースより前記渋滞情報を取得する。出発地や、目的地や、日時などに応じて渋滞状況が変化するため、第２の取得手段は、これらを考慮に入れた渋滞情報データベースから、渋滞情報を取得することができる。

上記の地図表示装置の他の一態様では、天候及び時刻に対応付けられた表示画像データを記憶する表示画像データ記憶手段を更に備え、前記表示制御手段は、前記通過時刻と前記天候の情報に対応する前記表示画像データを前記表示画像データ記憶手段から取得し、当該表示画像データを表示する。これにより、上記した地図表示装置は、より現実的な走行シーンをユーザに提供することができる。

上記の地図表示装置において好適には、前記表示画像データは、前記通過時刻と前記天候の情報に応じて、前記画像の表示色及び明るさのうちの少なくともいずれかが設定されている。また、前記表示画像データは、陸地表示用の画像データと背景表示用の画像データを有する。

好適な例では、表示させる前記経路上の地点を、前記出発地から前記目的地までスクロールさせる制御を行うスクロール制御手段を備える。この場合、スクロール制御手段は、表示させる地図を自動でルートスクロールさせることによって、シミュレーション走行を実行する。

更に好適な例では、表示させる前記経路上の地点をスクロールさせるためのスクロール指示を取得するスクロール指示取得手段を備える。この場合、ユーザから取得されたスクロール指示に基づいて地図をルートスクロールさせることによって、シミュレーション走行を実行する。

本発明の他の観点では、地図を表示する表示装置における地図表示方法は、出発地と、目的地と、前記出発地を出発する日時と、を取得する第１の取得工程と、前記出発地と、前記目的地と、前記日時とに基づいて、天候の情報、及び渋滞情報を取得する第２の取得工程と、前記天候の情報、及び前記渋滞情報に基づいて、前記出発地から前記目的地に至る経路を算出する経路算出工程と、前記経路上の地点を通過する通過時刻を算出する通過時刻算出工程と、前記経路上の地点に対応する地図を表示すると共に、前記地点における、前記通過時刻と、前記天候の情報と、前記渋滞情報と、に基づいた画像を表示する表示制御工程と、を備える。

本発明の他の観点では、表示装置を備えるコンピュータにより実行される地図表示プログラムは、出発地と、目的地と、前記出発地を出発する日時と、を取得する第１の取得手段、前記出発地と、前記目的地と、前記日時とに基づいて、天候の情報、及び渋滞情報を取得する第２の取得手段、前記天候の情報、及び前記渋滞情報に基づいて、前記出発地から前記目的地に至る経路を算出する経路算出手段、前記経路上の地点を通過する通過時刻を算出する通過時刻算出手段、前記経路上の地点に対応する地図を表示すると共に、前記地点における、前記通過時刻と、前記天候の情報と、前記渋滞情報と、に基づいた画像を表示する表示制御手段、として前記コンピュータを機能させる。

上記した地図表示方法及び地図表示プログラムによっても、ユーザに対して事前に走行地点における渋滞状況を提供することができると共に、より現実的な走行シーンをユーザに提供することができる。

以下、図面を参照して本発明の好適な実施例について説明する。なお、以下の説明は、本発明を車両用のナビゲーション装置に適用した例を示す。

［ナビゲーション装置］
図１に、ナビゲーション装置１の構成を示す。図１に示すように、ナビゲーション装置１は、自立測位装置１０、ＧＰＳ受信機１８、システムコントローラ２０、ディスクドライブ３１、データ記憶ユニット３６、通信用インタフェース３７、通信装置３８、表示ユニット４０、音声出力ユニット５０及び入力装置６０を備える。

自立測位装置１０は、加速度センサ１１、角速度センサ１２及び距離センサ１３を備える。加速度センサ１１は、例えば圧電素子からなり、車両の加速度を検出し、加速度データを出力する。角速度センサ１２は、例えば振動ジャイロからなり、車両の方向変換時における車両の角速度を検出し、角速度データ及び相対方位データを出力する。距離センサ１３は、車両の車輪の回転に伴って発生されているパルス信号からなる車速パルスを計測する。

ＧＰＳ受信機１８は、複数のＧＰＳ衛星から、測位用データを含む下り回線データを搬送する電波１９を受信する。測位用データは、緯度及び経度情報等から車両の絶対的な位置を検出するために用いられる。

システムコントローラ２０は、インタフェース２１、ＣＰＵ（Central Processing Unit）２２、ＲＯＭ（Read Only Memory）２３及びＲＡＭ（Random Access Memory）２４を含んでおり、ナビゲーション装置１全体の制御を行う。

インタフェース２１は、加速度センサ１１、角速度センサ１２及び距離センサ１３並びにＧＰＳ受信機１８とのインタフェース動作を行う。そして、これらから、車速パルス、加速度データ、相対方位データ、角速度データ、ＧＰＳ測位データ、絶対方位データ等をシステムコントローラ２０に入力する。ＣＰＵ２２は、システムコントローラ２０全体を制御する。ＲＯＭ２３は、システムコントローラ２０を制御する制御プログラム等が格納された図示しない不揮発性メモリ等を有する。ＲＡＭ２４は、入力装置６０を介して使用者により予め設定された経路データ等の各種データを読み出し可能に格納したり、ＣＰＵ２２に対してワーキングエリアを提供したりする。

システムコントローラ２０、ＣＤ−ＲＯＭドライブ又はＤＶＤ−ＲＯＭドライブなどのディスクドライブ３１、データ記憶ユニット３６、通信用インタフェース３７、表示ユニット４０、音声出力ユニット５０及び入力装置６０は、バスライン３０を介して相互に接続されている。

ディスクドライブ３１は、システムコントローラ２０の制御の下、ＣＤ又はＤＶＤといったディスク３３から、音楽データ、映像データなどのコンテンツデータを読み出し、出力する。なお、ディスクドライブ３１は、ＣＤ−ＲＯＭドライブ又はＤＶＤ−ＲＯＭドライブのうち、いずれか一方としてもよいし、ＣＤ及びＤＶＤコンパチブルのドライブとしてもよい。

データ記憶ユニット３６は、例えば、ＨＤＤなどにより構成され、地図データや施設データなどのナビゲーション処理に用いられる各種データを記憶するユニットである。また、データ記憶ユニット３６は、日付が平日であるか休日であるかの情報を記憶するデータベース（以下、「平日／休日ＤＢ」と呼ぶ。）、天候の情報を記憶するデータベース（以下、「天候情報ＤＢ」と呼ぶ。）、及び渋滞情報を記憶するデータベース（以下、「渋滞情報ＤＢ」と呼ぶ。）を有している。これらのデータベースについては、詳細は後述する。更に、データ記憶ユニット３６には、表示する地図の地点における天候及び時刻に対応付けられた画像データも記憶されている。

通信装置３８は、例えば、ＦＭチューナやビーコンレシーバ、携帯電話や専用の通信カードなどにより構成され、通信用インタフェース３７を介して、ＶＩＣＳ（Vehicle Information Communication System）センタなどから配信される情報を取得する。

表示ユニット４０は、システムコントローラ２０の制御の下、各種表示データをディスプレイなどの表示装置に表示する。具体的には、システムコントローラ２０は、データ記憶ユニット３６から地図データを読み出す。表示ユニット４０は、システムコントローラ２０によってデータ記憶ユニット３６から読み出された地図データなどを表示画面上に表示する。表示ユニット４０は、バスライン３０を介してＣＰＵ２２から送られる制御データに基づいて表示ユニット４０全体の制御を行うグラフィックコントローラ４１と、ＶＲＡＭ（Video RAM ）等のメモリからなり即時表示可能な画像情報を一時的に記憶するバッファメモリ４２と、グラフィックコントローラ４１から出力される画像データに基づいて、液晶、ＣＲＴ（Cathode Ray Tube）等のディスプレイ４４を表示制御する表示制御部４３と、ディスプレイ４４とを備える。ディスプレイ４４は、例えば対角５〜１０インチ程度の液晶表示装置等からなり、車内のフロントパネル付近に装着される。

音声出力ユニット５０は、システムコントローラ２０の制御の下、ＣＤ−ＲＯＭドライブ３１又はＤＶＤ−ＲＯＭ３２、若しくはＲＡＭ２４等からバスライン３０を介して送られる音声デジタルデータのＤ／Ａ（Digital to Analog）変換を行うＤ／Ａコンバータ５１と、Ｄ／Ａコンバータ５１から出力される音声アナログ信号を増幅する増幅器（ＡＭＰ）５２と、増幅された音声アナログ信号を音声に変換して車内に出力するスピーカ５３とを備えて構成されている。

入力装置６０は、各種コマンドやデータを入力するための、キー、スイッチ、ボタン、リモコン、音声入力装置等から構成されている。入力装置６０は、車内に搭載された当該車載用電子システムの本体のフロントパネルやディスプレイ４４の周囲に配置される。また、ディスプレイ４４がタッチパネル方式である場合には、ディスプレイ４４の表示画面上に設けられたタッチパネルも入力装置６０として機能する。

なお、上記したＣＰＵ２２は、本発明における第１の取得手段、第２の取得手段、経路算出手段、及び通過時刻算出手段、並びに表示制御手段として動作する。

［経路算出方法］
次に、本実施例に係る経路算出方法について説明する。

上記したナビゲーション装置１は、シミュレーション走行を実行する。ここで、「シミュレーション走行」とは、経路沿いの地図をスクロールして表示させるルートスクロールや、擬似的な走行により種々の機能を提示する走行デモンストレーションによる走行などをいう。ナビゲーション装置１は、このようなシミュレーション走行を実行する前に、出発地から目的地に至る経路を算出する。具体的には、ナビゲーション装置１内のＣＰＵ２２が、経路算出のための処理を総括的に行う。ＣＰＵ２２は、まず、出発地、目的地、及び出発地を出発する日時をユーザから取得し、取得された情報に基づいて、天候の情報及び渋滞情報を取得する。詳しくは、ＣＰＵ２２は、前述したデータ記憶ユニット３６に記憶された平日／休日ＤＢ、天候情報ＤＢ、及び渋滞情報ＤＢを参照することによって、天候の情報、及び渋滞情報を取得する。そして、ＣＰＵ２２は、これらの取得された情報を考慮に入れて、経路を算出する。

以下で、上記した経路を算出する際に参照する、平日／休日ＤＢ、天候情報ＤＢ、及び渋滞情報ＤＢについて詳細に説明する。

（平日／休日ＤＢ）
図２は、平日／休日ＤＢに記憶されたデータの一例を示す図である。図示のように、平日／休日ＤＢにおいては、日付と、その日付が平日であるか休日であるかの情報とが対応付けられて記憶されている。ＣＰＵ２２は、ユーザが入力した出発日が平日であるか休日であるかの情報を、このような平日／休日ＤＢを参照することによって取得する。なお、平日／休日ＤＢは数年分のデータが記憶されている。

（天候情報ＤＢ）
図３は、天候情報ＤＢに記憶されたデータの一例を示す図である。図示のように、天候情報ＤＢにおいては、日付及び時刻と、その日その時刻の天候とが対応付けられて記憶されている。この天候情報は、エリアごとに予想されたものである。より詳しくは、過去の天候をデータ化した天候データなどから統計的に得られたものである。ＣＰＵ２２は、各エリアの通過予想時刻における天候を、このような天候情報ＤＢを参照することによって取得する。

（渋滞情報ＤＢ）
図４は、渋滞情報ＤＢに記憶されたデータの一例を示す図である。図示のように、渋滞情報ＤＢにおいては、エリア内のリンク（「リンク」とは、交差点や有料道路の基点・終点などを示すノード間を構成する道路を意味する。）ごとに渋滞情報が記憶されている。具体的には、渋滞情報は、天候と、日にちが平日であるか休日であるかの情報と、時刻と、に対応付けられており、渋滞状況が、「順調」、「混雑」、「渋滞」といった渋滞度合いによって示されている。天候は、「晴れ」、「曇り」、「雨」、「雪」、「不明」で示されている。天候が「不明」とは、天気予報ができなかった場合など（例えば天候が変わりやすい日には、天候が「不明」とされる）を示している。時刻は、「朝」、「昼」、「夜」を示している。図４より、同じリンクであっても、天候や、平日／休日や、時刻によって、渋滞状況が異なることがわかる。ＣＰＵ２２は、平日／休日ＤＢから取得される情報、及び天候情報ＤＢから取得される天候に基づいて、渋滞情報ＤＢを参照することによって、リンクごとの渋滞情報を取得する。なお、渋滞情報は、過去のデータなどから統計的に得られたものである。

更に、渋滞情報ＤＢには、リンクの距離、リンク旅行時間、及び走行速度が記憶されている。具体的には、リンク旅行時間、及び走行速度は、天候と、平日／休日と、時刻とに対応付けられており、渋滞度合いによって変化する。リンク旅行時間は、経路上の地点を通過する時刻（通過時刻）を算出する際に用いられる。なお、リンク旅行時間は、リンクの距離と走行速度とから算出される。そのため、渋滞情報ＤＢにリンク旅行時間を記憶させておかなくても良い。

ここで、経路を算出する際にＣＰＵ２２が行う処理の概要について説明する。まず、ＣＰＵ２２は、ユーザから出発地、目的地、及び出発地を出発する日時を取得する。ＣＰＵ２２は、平日／休日ＤＢを参照することによって、出発日が平日であるか休日であるかの情報を得ると共に、天候情報ＤＢを参照することによって、出発日における天候を得る。そして、ＣＰＵ２２は、出発日が平日であるか休日であるかの情報、リンクを通過する時刻、及び天候に基づいて、渋滞情報ＤＢを参照することによって、リンクごとの渋滞情報を取得する。次に、ＣＰＵ２２は、取得された渋滞情報に基づいてリンクごとに評価点を決定し、決定された評価点に基づいて出発地から目的地に至る経路を算出する。例えば、ＣＰＵ２２は、評価点に基づいて、公知のダイクストラ法などに従って経路を算出する。更に、ＣＰＵ２２は、上記のように経路が算出された後に、経路上の地点を通過する通過時刻を算出する。この通過時刻は、シミュレーション走行時に表示される。

このように、上記した経路算出方法によれば、天候及び渋滞情報を考慮に入れた適切な経路を算出することができる。

［地図表示］
次に、シミュレーション走行を行う際にディスプレイ４４に表示される画像について説明する。

基本的には、シミュレーション走行時には、経路上の地点の地図が表示される。この表示される地図は、データ記憶ユニット３６に記憶された地図データに基づいた画像である。本実施例では、シミュレーション走行時に、ユーザが手動で地図をスクロール（ルートスクロール）することによって地図表示を行うか、或いは、出発地から目的地までの経路を自動的にスクロールさせることによって地図表示を行う。ユーザがルートスクロールを行う場合には、ＣＰＵ２２は、入力装置６０の操作に対応する信号を取得し、この信号に基づいて表示制御部４３を制御することによって、ユーザの操作に対応する画像を表示させる。一方、自動的にルートスクロールを行う場合には、ＣＰＵ２２は、一定のスクロール速度で地図が表示されるように表示制御部４３を制御する。このように、ＣＰＵ２２は、スクロール制御手段及びスクロール指示取得手段として動作する。

更に、本実施例では、地点に対応する地図を表示すると共に、当該地点における、通過時刻と、天候の情報と、渋滞情報とに基づいた画像を表示する。詳しくは、地点に対応する地図に対して、その地点における、通過時刻、天候の情報、及び渋滞情報を重ねて表示する。更に、表示する地図の地点における天候及び時刻に対応する画像を表示する。具体的には、ＣＰＵ２２は、天候及び時刻に対応付けられた陸地表示用の画像データ及び背景表示用の画像データ（以下、「パターンデータ」とも呼ぶ。）を表示する。この場合、データ記憶ユニット３６にパターンデータが記憶されており、ＣＰＵ２２は、表示する経路上の地点における天候及び時刻に対応するパターンデータをデータ記憶ユニット３６から取得し、取得した当該パターンデータを地図と共に表示する。このように、データ記憶ユニット３６は表示画像データ記憶手段として機能する。

図５は、天候及び時刻に対応付けられたパターンデータを示す。パターンデータは、ディスプレイに描画される描画データの一部を構成するものであり、背景のパターンデータには、空、雲、海等が含まれ、陸地のパターンデータには、建物、道路等が含まれる。パターンデータは、時刻（日の出、日の入、日中、夜間）、及び天候（晴れ、曇り、雨、雪、不明）に対応付けられている。具体的には、これら背景および陸地のパターンデータにおいて、＃１〜＃４は晴れの状況を表すパターンデータであり、＃５〜＃８は曇りの状況を表すパターンデータであり、＃９〜＃１２は雨の状況を表すパターンデータであり、＃１３〜＃１６は雪の状況を表すパターンデータであり、＃１７〜＃２０は天候が不明である状況を表すパターンデータである。更に、＃１、＃５、＃９、＃１３、＃１７は日の出の状況を表すパターンデータであり、＃２、＃６、＃１０、＃１４、＃１８は日中の状況を表すパターンデータであり、＃３、＃７、＃１１、＃１５、＃１９は日の入の状況を表すパターンデータであり、＃４、＃８、＃１２、＃１６、＃２０は夜間の状況を表すパターンデータである。

日の出や日の入のときのパターンデータは、朝焼けや夕焼けを反映するような赤味を帯びた色合いに設定され、日中のときの空や雲のパターンデータは、比較的明るい色に設定される。夜間のときの雲や空のパターンデータは、比較的暗い色に設定される。また、天候が晴れのときのパターンデータは、比較的明るい色に設定され、天候が曇りのときのパターンデータは、雲を示す画像を多く表示すると共に、比較的暗い色に設定される。更に、天候が雨のときのパターンデータは、雨を示す画像が用いられ、天候が雪のときのパターンデータは、雪を示す画像が用いられる。また、天候が不明である場合には、通常の色や明るさを有する画像（なるべく背景などが強調されない画像など）が用いられる。一方、建物や道路についても、同様な色のパターンデータとすることができる。但し、建物や道路のパターンデータを必ずしも複数用意しなくてもよく、単一色のパターンデータであっても良い。

図６は、シミュレーション走行時の表示画像例を示す。図６（ａ）は、天候が晴れで日中の状況を示す表示画像７０を示している。表示画像７０は、背景を示す画像９０ａと陸地を示す画像９０ｂとが表示されている。背景を示す画像９０ａは、晴れで日中の状況を表すパターンデータ＃２を用いている。更に、表示画像７０には、矢印８０ａで示す位置に走行地点又は表示エリアにおける通過時刻を示す文字を表示し、矢印８０ｂで示す位置に走行地点又は表示エリアにおける天候を示す文字を表示し、矢印８０ｃで示す位置に走行地点又は表示エリアにおける渋滞状況を示す文字を表示している。また、矢印６０で示す位置に車両位置を表示している。なお、渋滞状況は文字表示に限らない。たとえば、渋滞の状況に応じて、その発生箇所／区間が、より容易に識別可能なような表示態様でもよい。一例としては、渋滞度合いによって、赤色、橙色といった異なる色のラインを表示エリア中の渋滞箇所に重畳する等の手法が適用できる。

図６（ｂ）は、天候が雨で日中の状況を示す表示画像７１を示している。表示画像７１は、背景を示す画像９１ａと陸地を示す画像９１ｂとが表示されている。背景を示す画像９１ａは、雨で日中の状況を表すパターンデータ＃１０を用いている。この画像９１ａには、雨を示す画像が表示されている。更に、符号８１ａ、８１ｂ、及び８１ｃで示す位置に、それぞれ走行地点又は表示エリアにおける通過時刻、天候、及び渋滞状況を示す文字を表示している。図６（ｃ）は、天候が雪で日中の状況を示す表示画像７２を示している。表示画像７２は、背景を示す画像９２ａと陸地を示す画像９２ｂとが表示されている。背景を示す画像９２ａは、雪で日中の状況を表すパターンデータ＃１４を用いている。この画像９２ａには、雪を示す画像が表示されている。更に、符号８２ａ、８２ｂ、及び８２ｃで示す位置に、それぞれ走行地点又は表示エリアにおける通過時刻、天候、及び渋滞状況を示す文字を表示している。

なお、図６においては、説明の便宜上、陸地を示す画像９０ｂ、９１ｂ、９２ｂは同一の画像を示している。また、上記では、天候を示す文字を表示する実施例を示しているが、背景を示す画像から天候を判別できるため、天候を示す文字を表示しなくても良い。

このように、本実施例では、シミュレーション走行時に、車両の走行位置における天候や時刻に応じて表示画像を変更すると共に、走行地点の時刻及び渋滞状況を表示する。これにより、走行地点における走行状況をビジュアルに表現することによって、より現実的な走行シーンをユーザに提供することができる。また、ユーザは、走行地点における渋滞状況を事前に確認することができる。したがって、本実施例によれば、ナビゲーション装置の快適性、利便性を向上させることが可能となる。

［シミュレーション走行実行処理］
次に、シミュレーション走行実行処理について、図７に示すフローチャートを用いて説明する。この処理は、ＣＰＵ２２によって、シミュレーション走行を実行する際に行われる。

まず、ステップＳ１０１では、ＣＰＵ２２は、出発地、目的地、及び出発地を出発する日時をユーザから取得する。この場合、ＣＰＵ２２は、ユーザによる入力装置６０の操作に対応する信号を取得する。そして、処理はステップＳ１０２に進む。なお、出発地として車両の現在地を用いる場合には、ＣＰＵ２２はＧＰＳ受信機１８から現在地を取得することができる。

ステップＳ１０２では、ＣＰＵ２２は、ユーザから取得された出発日が平日であるか休日であるかの情報を、平日／休日ＤＢを参照することによって得る。更に、ＣＰＵ２２は、ユーザから取得された出発日、出発地、及び目的地に基づいて、天候情報ＤＢを参照することによってエリアに対応する天候の情報を取得する。例えば、ＣＰＵ２２は、図２に例示した平日／休日ＤＢを参照して出発日が平日であるか休日であるかの情報を取得すると共に、図３に例示した天候情報ＤＢを参照して天候の情報を取得する。なお、経路を通過中に日にちがまたがる可能性がある場合には、ＣＰＵ２２は、出発日の次の日などの情報を取得する。以上の処理が終了すると、処理はステップＳ１０３に進む。

ステップＳ１０３では、ＣＰＵ２２は、ステップＳ１０２で取得された、出発日が平日であるか休日であるかの情報、リンクを通過する時刻、及び天候の情報に基づいて、渋滞情報ＤＢを参照することによってリンクごとの渋滞情報を取得する。具体的には、ＣＰＵ２２は、図４に例示した渋滞情報ＤＢを参照して渋滞情報を取得する。より詳しくは、ＣＰＵ２２は、リンクと、天候と、平日／休日の情報と、時刻と、に対応する渋滞情報を取得する。なお、経路を通過中に日にちがまたがる可能性がある場合には、平日／休日や、天候などの情報が変化するため、ＣＰＵ２２は、変化した情報に対応する渋滞情報を取得する。以上の処理が終了すると、処理はステップＳ１０４に進む。

ステップＳ１０４では、ＣＰＵ２２は、ステップＳ１０３で取得された渋滞情報に基づいて、リンクごとの評価点を算出する。この評価点は、リンク旅行時間（図４参照）などに基づいて定められる。リンク旅行時間は、リンクの距離と走行速度に基づいて算出される値であり、リンクごとの渋滞状況を間接的に示している。以上の処理が終了すると、処理はステップＳ１０５に進む。

ステップＳ１０５では、ＣＰＵ２２は、ステップＳ１０４で取得された評価点に基づいて、出発地から目的地に至る経路を算出する。具体的には、ＣＰＵ２２は、目的地までの走行距離が短いという条件や、目的地への到着時間が早いという条件などが満たされるような経路を算出する。例えば、ＣＰＵ２２は、一般的なダイクストラ法などに基づいて経路を算出する。そして、処理はステップＳ１０６に進む。

ステップＳ１０６では、ＣＰＵ２２は、ステップＳ１０５で算出された経路を構成する地点を通過する時刻（通過時刻）を算出する。この場合、ＣＰＵ２２は、渋滞情報ＤＢに記憶されたリンク旅行時間、又は渋滞情報ＤＢに記憶されたリンクの距離及び走行速度から計算されるリンク旅行時間、に基づいてリンクごとの通過時刻を算出する。そして、処理はステップＳ１０７に進む。

ステップＳ１０７では、ＣＰＵ２２は、上記したステップＳ１０１〜Ｓ１０６で得られた情報に基づいて地図表示を行う。この場合、ＣＰＵ２２は、シミュレーション走行に基づいた地図表示を行う。シミュレーション走行時には、ユーザが手動で地図をスクロールすることによって、或いは、ＣＰＵ２２が自動的に地図をスクロールさせることによって地図表示が行われる。ユーザが手動でスクロールを行う場合には、ＣＰＵ２２は、入力装置６０の操作に対応する信号を取得し、この信号に基づいて表示制御部４３を制御することによって、ユーザの操作に対応する画像を表示させる。一方、自動的にスクロールを行う場合には、ＣＰＵ２２は、一定のスクロール速度で地図が表示されるように表示制御部４３を制御する。基本的には、ＣＰＵ２２は、表示すべき地点の地図データをデータ記憶ユニット３６から取得することによって、これをディスプレイ４４に表示される制御を行う。

また、ＣＰＵ２２は、地点に対応する地図を表示すると共に、その地点における、天候の情報、渋滞情報、及び通過時刻を重ねて表示する。これらはそれぞれ、ステップＳ１０２、ステップＳ１０３、ステップＳ１０６で取得された情報に対応する。更に、ＣＰＵ２２は、表示する地図の地点における天候及び時刻に対応する画像を表示する。具体的には、ＣＰＵ２２は、表示する経路上の地点における天候及び時刻に対応するパターンデータ（図５参照）をデータ記憶ユニット３６から取得し、取得した当該パターンデータを地図と共に表示する。以上の処理が終了すると、処理は当該フローを抜ける。

以上説明したように、本実施例によるナビゲーション装置は、ＣＰＵが、出発地と、目的地と、出発地を出発する日時とを取得し、出発地、目的地、及び日時に基づいて、天候の情報、及び渋滞情報を取得し、天候の情報、及び渋滞情報に基づいて、出発地から目的地に至る経路を算出する。そして、ＣＰＵは、経路上の地点を通過する通過時刻を算出し、経路上の地点に対応する地図を表示すると共に、地点における、通過時刻と、天候の情報と、渋滞情報と、に基づいた画像を表示する。これにより、走行地点における走行状況をビジュアルに表現することができ、より現実的な走行シーンをユーザに提供することができる。また、ユーザは、表示画像を見ることによって、走行地点における渋滞状況を事前に確認することができる。したがって、本実施例によれば、ナビゲーション装置の快適性、利便性を向上させることが可能となる。

［変形例］
上記では、データベースに予め記憶された天候の情報、渋滞情報を取得する実施例を示したが、これに限定はされない。他の例では、ＣＰＵ２２は、通信装置３８から、天候の情報及び渋滞情報のうちの少なくともいずれかを取得することができる。この場合、通信装置３８から天候の情報又は渋滞情報を取得できた場合にはこれらを用い、取得できなかった場合にはデータベースに記憶された情報を用いることができる。

また、上記では、平日／休日に対応付けられた渋滞情報を取得する実施例を示したが、これに限定はされない。他の例では、渋滞情報を日付ごとに対応付け、これに基づいて、出発日時などに対応する渋滞情報を取得してもよい。

更に、上記の実施例では、得られた結果をディスプレイ４４に表示することとしているが、これに加えて、音声により出力するようにしても構わない。例えば、天候の情報や渋滞情報などを、画像と共に音声により出力することも可能である。

実施例によるナビゲーション装置の概略構成を示すブロック図である。 平日／休日ＤＢに記憶されたデータの一例を示す図である。 天候情報ＤＢに記憶されたデータの一例を示す図である。 渋滞情報ＤＢに記憶されたデータの一例を示す図である。 天候及び時刻に対応付けられたパターンデータを示す。 シミュレーション走行時の表示画像例を示す。 シミュレーション走行実行処理を示すフローチャートである。

符号の説明

１ ナビゲーション装置
１０ 自立測位装置
１８ ＧＰＳ受信機
２０ システムコントローラ
２２ ＣＰＵ
３６ データ記憶ユニット
４０ 表示ユニット
４４ ディスプレイ
６０ 入力装置

Claims (9)

1. 出発地と、目的地と、前記出発地を出発する日時と、を取得する第１の取得手段と、
   前記出発地と、前記目的地と、前記日時とに基づいて、天候の情報、及び渋滞情報を取得する第２の取得手段と、
   前記天候の情報、及び前記渋滞情報に基づいて、前記出発地から前記目的地に至る経路を算出する経路算出手段と、
   前記経路上の地点を通過する通過時刻を算出する通過時刻算出手段と、
   前記経路上の地点に対応する地図を表示すると共に、前記地点における、前記通過時刻と、前記天候の情報と、前記渋滞情報と、に基づいた画像を表示する表示制御手段と、を備えることを特徴とする地図表示装置。
2. 前記第２の取得手段は、前記出発地と、前記目的地と、前記日時とを関連付けることのできる渋滞情報データベースより前記渋滞情報を取得することを特徴とする請求項１に記載の地図表示装置。
3. 天候及び時刻に対応付けられた表示画像データを記憶する表示画像データ記憶手段を更に備え、
   前記表示制御手段は、前記通過時刻と前記天候の情報に対応する前記表示画像データを前記表示画像データ記憶手段から取得し、当該表示画像データを表示することを特徴とする請求項１又は２に記載の地図表示装置。
4. 前記表示画像データは、前記通過時刻と前記天候の情報に応じて、前記画像の表示色及び明るさのうちの少なくともいずれかが設定されていることを特徴とする請求項３に記載の地図表示装置。
5. 前記表示画像データは、陸地表示用の画像データと背景表示用の画像データを有することを特徴とする請求項３又は４に記載の地図表示装置。
6. 表示させる前記経路上の地点を、前記出発地から前記目的地までスクロールさせる制御を行うスクロール制御手段を備えることを特徴とする請求項１乃至４のいずれか一項に記載の地図表示装置。
7. 表示させる前記経路上の地点をスクロールさせるためのスクロール指示を取得するスクロール指示取得手段を備えることを特徴とする請求項１乃至５のいずれか一項に記載の地図表示装置。
8. 地図を表示する表示装置における地図表示方法であって、
   出発地と、目的地と、前記出発地を出発する日時と、を取得する第１の取得工程と、
   前記出発地と、前記目的地と、前記日時とに基づいて、天候の情報、及び渋滞情報を取得する第２の取得工程と、
   前記天候の情報、及び前記渋滞情報に基づいて、前記出発地から前記目的地に至る経路を算出する経路算出工程と、
   前記経路上の地点を通過する通過時刻を算出する通過時刻算出工程と、
   前記経路上の地点に対応する地図を表示すると共に、前記地点における、前記通過時刻と、前記天候の情報と、前記渋滞情報と、に基づいた画像を表示する表示制御工程と、を備えることを特徴とする地図表示方法。
9. 表示装置を備えるコンピュータにより実行される地図表示プログラムであって、
   出発地と、目的地と、前記出発地を出発する日時と、を取得する第１の取得手段、
   前記出発地と、前記目的地と、前記日時とに基づいて、天候の情報、及び渋滞情報を取得する第２の取得手段、
   前記天候の情報、及び前記渋滞情報に基づいて、前記出発地から前記目的地に至る経路を算出する経路算出手段、
   前記経路上の地点を通過する通過時刻を算出する通過時刻算出手段、
   前記経路上の地点に対応する地図を表示すると共に、前記地点における、前記通過時刻と、前記天候の情報と、前記渋滞情報と、に基づいた画像を表示する表示制御手段、として前記コンピュータを機能させることを特徴とする地図表示プログラム。

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