JP2007283663A - 押出成形用口金及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明の目的は、一層長時間の使用に耐えることができるような押出成形用口金を提供するものである。
【解決手段】本発明の押出成形用口金は、セラミックスを含む坏土を一方から他方へ押出して成形するための押出成形用口金において、他方側に開口する成形溝開口部を具備する成形溝と一方側に開口する供給孔開口部を具備するとともに前記成形溝に連通した複数の供給孔とを備えた口金基体を有し、前記供給孔開口部の周囲の口金基体には、その他の口金基体の部分より硬度が高い硬質部が形成されていることを特徴としている。なお、前記硬質部は、表面焼入れにより形成されていることが好ましい。
【選択図】図1
【解決手段】本発明の押出成形用口金は、セラミックスを含む坏土を一方から他方へ押出して成形するための押出成形用口金において、他方側に開口する成形溝開口部を具備する成形溝と一方側に開口する供給孔開口部を具備するとともに前記成形溝に連通した複数の供給孔とを備えた口金基体を有し、前記供給孔開口部の周囲の口金基体には、その他の口金基体の部分より硬度が高い硬質部が形成されていることを特徴としている。なお、前記硬質部は、表面焼入れにより形成されていることが好ましい。
【選択図】図1
Description
本発明は、ハニカム構造体を押出成形するための押出成形用口金に関し、排気ガス浄化用の触媒担体あるいはフィルター及び熱交換機等に用いられるセラミックハニカム構造体を製造するのに好適な押出成形用口金に関する。
従来から、ハニカム構造体の押出成形に用いる押出成形用口金(以下単に口金という場合もある。)として、坏土が導入される供給孔が一方の面に開口して設けられ、ハニカム構造体の断面形状に対応する狭幅の成形溝が他方の面に開口して設けられ、供給孔が成形溝の交差する位置に設けられ、両者が口金基体内部で連通した構造のものが知られている。押出成形において、坏土は供給孔、成形溝及びこの連通部を高圧で押されながら通過するため、これら坏土と接する部分の摩耗が問題となっている。特に、坏土が円形断面から格子状へと異なる断面形状に絞り込まれる連通部や、狭幅なスリット内を移動させられる成形溝では大きな抵抗を受け、ここでの摩耗が口金の寿命を決めている。
口金の寿命を向上させるため、例えば特開2002−18822号(特許文献1)や特開2002−339068号(特許文献2)などに、坏土と接触する面に硬質膜を形成する技術が提案されている。特許文献1は、炭化珪素、タングステンカーバイドやアルミナなどの耐摩耗性粒子を無電解メッキ膜に分散させた複合メッキ膜をコーティングするもので、耐摩耗性粒子の割合を供給孔底部の連通部で高くなるように成膜したことを特徴としている。特許文献2は、少なくとも連通部に、ダイヤモンド又はダイヤモンド状炭素からなる薄膜をプラズマCVD法で形成するものである。
最近の排気ガス浄化用の触媒担体等に用いられるセラミックハニカム構造体は、膨大な数の1mm程度の微小セルが0.1mm程度の隔壁を介して連接して形成されており、このための成形用口金の製作には大きな工数と費用がかかっている。一方、セラミック坏土は硬度の高いセラミック粉末を用いたものが多く、口金は摩耗し易くなっている。この点で、特許文献1、2に開示された耐摩耗性を有する粒子を坏土接触面にコーティングする技術は、連通部などの耐摩耗性を高めることができ有効ではあるが、まだ口金の長寿命化にとっては満足できるものではない。
本発明の目的は、一層長時間の使用に耐えることができるような押出成形用口金を提供するものである。
本発明者は、口金の磨耗を決める主因は連通部や成形溝の摩耗であるとされたきたが、供給孔において坏土が導入される入り口(以下供給孔開口部という。)の摩耗もその主因となることに着目し本発明に想到した。すなわち、従来、供給孔は金型寿命には係わらないとしてその摩耗については注目されていなかったが、本発明者は、供給孔開口部が摩耗しその断面積が大きくなり、供給孔に押込まれる坏土の容量が増えて連通部や成形溝では坏土の圧力や通過速度がより上がり、ここに被覆された硬質膜やここを構成する硬質材料の摩耗が加速されることを見出した。供給孔開口部の摩耗は、押出成形機内でスクリュー等で口金方向に押出された坏土が供給孔に押込まれるに際し、供給孔開口部の辺縁角部には坏土が乱流状態で衝突するので、硬質膜を被覆していてもその下地が変形すると硬質膜が剥離してしまうことで生じると考察し本発明に到った。
本発明の押出成形用口金は、セラミックスを含む坏土を一方から他方へ押出して成形するための押出成形用口金において、他方側に開口する成形溝開口部を具備する成形溝と一方側に開口する供給孔開口部を具備するとともに前記成形溝に連通した複数の供給孔とを備えた口金基体を有し、前記供給孔開口部の周囲の口金基体には、その他の口金基体の部分より硬度が高い硬質部が形成されていることを特徴としている。なお、前記硬質部は、表面焼入れにより形成されていることが好ましい。
本発明の押出成形用口金は、セラミックスを含む坏土を一方から他方へ押出して成形するための押出成形用口金において、他方側に開口する成形溝開口部を具備する成形溝と一方側に開口する供給孔開口部を具備するとともに前記成形溝に連通した複数の供給孔とを備えた口金基体と、前記供給孔と同位置にほぼ同一径の貫通孔を備えるとともに前記口金基体より硬度が高く、前記口金基体の一方側の面に接合された薄板体を有することを特徴としている。
なお、前記硬質部又は薄板体は、少なくとも前記口金基体の厚み(薄板体の場合は薄板体と口金基体の合計の厚み)の1/10以上の厚みを有することが好ましい。硬質部又は薄板体の厚みが1/10以下の場合には、成形溝の摩耗がより大きくなり好ましくない。
さらにまた、前記本発明における押出成形用口金の少なくとも前記成形溝及び前記供給孔の表面には、耐摩耗性膜が形成されていることが好ましい。口金の寿命は成形溝及び供給孔の摩耗で決まるので、この面に耐摩耗性膜が形成されていればより長寿命化できるからである。
本発明の押出成形用口金の製造方法は、成形溝と成形溝に連通した供給孔とを備えた口金基体を準備する工程と、口金基体の供給孔が開口している一面の少なくとも供給孔開口部に口金基体内部より硬度を高くする処理を施す工程とを有することを特徴としている。硬度を高くする処理としては、レーザ焼入れ法や高周波焼入れ法を用いることができる。
また、本発明の押出成形用口金の製造方法は、成形溝と成形溝に連通した供給孔とを備えた口金基体を準備する工程と、口金基体より高硬度の薄板体を準備する工程と、口金基体の供給孔開口面に薄板体を接合する工程と、口金基体に接合する前或いは接合後の薄板体に供給孔と同位置にほぼ同一径の貫通孔を形成する工程とを有することを特徴としている。なお、少なくとも成形溝及び供給孔の表面に耐摩耗性膜を形成する工程を有することが好ましい。
本発明によれば、従来の連通部や成形溝の硬度を高めるという技術を用いて長寿命化を図った口金の寿命を、さらに伸ばすことができる。
以下、格子状の角状貫通孔を有するセラミックハニカム構造体を成形するための押出成形用口金を例に説明する。
(実施の形態1)
以下本発明の実施形態1について説明する。ここで、図1は本発明の実施の形態1を説明するための供給孔部の模式図、図2は口金基体の供給孔が開口した一面側の平面図、図3は口金基体の成形溝が開口した他面側の平面図、図4は図3のX−X線に沿った断面図図5は口金基体の供給孔開口面のレーザ焼き入れを示す図である。
以下本発明の実施形態1について説明する。ここで、図1は本発明の実施の形態1を説明するための供給孔部の模式図、図2は口金基体の供給孔が開口した一面側の平面図、図3は口金基体の成形溝が開口した他面側の平面図、図4は図3のX−X線に沿った断面図図5は口金基体の供給孔開口面のレーザ焼き入れを示す図である。
本形態の押出成形用口金10は、図1において矢印で示すように、図において上方(一方)から下方(他方)に向かう坏土が押し出される方向において、一方側である口金基体1の上面に開口する供給孔開口部を有する多数の供給孔2が形成され、他方側である口金基体1の底面8に開口する成形溝開口部を有する成形溝3が縦横ほぼ同一ピッチで形成されている口金基体1で構成されている。この供給孔2と成形溝3は口金基体1の内部で連通し、供給孔2から導入されたセラミック坏土は連通部4を通って成形溝3に移動することができる。
口金基体1としては、機械構造用鋼、工具鋼など焼入れして硬度を高めることができる鋼種のうちから被削性のよい材料を用いるとよく、硬度をHRC30程度に調質したものを用いるのが好ましい。口金基体1には、図1に示すように、供給孔開口部の少なくとも周辺に例えば表面焼入による硬質部6が形成されている。また、本形態では、供給孔2、成形溝3の表面を含む口金基体1の表面には耐摩耗性膜5が形成されている。この耐摩耗性膜5は硬質部6を覆って被覆されている。
これにより、本形態の押出成形用口金10は、少なくとも供給孔2、形成溝3、連通部4の表面は耐摩耗性膜5で被覆されているので耐久性が高くなるが、口金基体1の全体は約HRC30と硬いので表面は変形し難く、耐摩耗性膜5は剥離し難い。さらに、供給孔開口部の周囲の硬質部6は、表面焼入れされて口金基体1の内部より硬度が一層高くなっているので、供給孔開口部周辺の表面の変形はより抑えられ、ここに被覆した耐摩耗性膜5はより剥離し難くなり、供給孔開口部周辺の摩耗はほとんど防止される。
この押出成形口金10の製造方法について説明する。
まず、所定の成形溝3と供給孔2が加工された口金基体1を準備する。供給孔2は口金基体1の一面7側から所定深さで所定数加工されている。孔加工方法としては、ドリルにより行う孔開け加工、電極を用いた放電加工などがある。成形溝3は口金基体1の他面8側から縦横に所定数が供給孔3の先端部で交差するように加工されている。溝加工方法としては、回転砥石による研削加工、放電ワイヤを用いた放電加工などがある。口金基体1の硬度がHRC30程度であれば、ドリルや砥石によって効率的に加工できるので、製造費の低減と製作時間の短縮を図ることができる。
まず、所定の成形溝3と供給孔2が加工された口金基体1を準備する。供給孔2は口金基体1の一面7側から所定深さで所定数加工されている。孔加工方法としては、ドリルにより行う孔開け加工、電極を用いた放電加工などがある。成形溝3は口金基体1の他面8側から縦横に所定数が供給孔3の先端部で交差するように加工されている。溝加工方法としては、回転砥石による研削加工、放電ワイヤを用いた放電加工などがある。口金基体1の硬度がHRC30程度であれば、ドリルや砥石によって効率的に加工できるので、製造費の低減と製作時間の短縮を図ることができる。
次に、図5に示すように、供給孔2が開口している口金基体1の一面7にレーザ光Lを照射する。口金基体1に調質した焼入れ鋼を用いることで、レーザ光Lで表面焼入れすることができる。硬質部6は少なくとも供給孔開口部の周囲にのみ特にその辺縁角部に形成されればよいが、供給穴2のピッチが小さい場合には、レーザ光Lを供給穴2の周りに照射するように円状に走査するよりも、供給穴2が形成された領域全面に照射するように直線的に走査する方が効率的である。また、レーザ光の種類、出力、照射スポット径、焦点位置などは口金基体1の材質や要求硬度などに合わせて適宜設定すればよい。
その後、口金基体1を耐摩耗性粒子を分散させた無電解メッキ浴中に浸漬し、表面を耐摩耗性膜5で被覆する。耐摩耗性粒子として、炭化珪素やタングステンカーバイドなどの炭化物やアルミナ等の金属酸化物を用いることができる。無電解メッキ膜の材質としては、無電解メッキ可能な金属であれば良いが、その中でも鋼材との密着性が良好なNiメッキがよい。
以上の説明では、表面焼入れをレーザ焼入れで行うとしたが、例えば窒化処理、高周波焼入又は浸炭処理で表面の硬化を行うこともできる。また、耐摩耗性膜5として、耐摩耗性粒子を分散させた無電解メッキによる複合メッキ膜を説明したが、耐摩耗性粒子を分散させない無電解Ni−Pメッキ膜、無電解Ni−Bメッキ膜でもよいし、CVDによる炭化物、窒化物、炭窒化物等のコーティング膜としてもよい。なお、本形態では、耐摩耗性膜5が被覆されている例を説明したが、口金基体1を硬度がHRC40以上と高いものを用いる場合は必ずしも被覆する必要はない。この時の供給孔2や成形溝3は、放電加工や研削加工で対応することができる。
(実施の形態2)
本形態の押出成形用口金20は、図6に示すように、上記実施形態1の場合と同様に多数の供給孔22と、縦横ほぼ同一ピッチで成形溝23とが形成されている口金基体21の上面27に、薄板体31が接合された構成である。口金基体21は、実施の形態1における口金基体1と同様な構造である。口金基体21は、前述した口金基体1と同様に焼入れ鋼を調質したものを用いてもよいが、口金基体1とは違い表面焼入れ処理は行わないため、鋼種は限定されず、被削性がよいものを選定するとよい。ただ、前述したように、耐摩耗性膜が被覆される母材は硬度が高い方が膜剥離が防止できるので、硬度はHRC30程度あることが好ましくプリハードン鋼を用いるとよい。薄板体31は、硬度はHRC50以上で、供給孔22と同位置に、供給孔22の直径とほぼ同一か僅かに小さい貫通孔32が形成されている。また、本形態では、貫通孔32、供給孔22、成形溝23の表面を含む口金20の表面には耐摩耗性膜25が形成されている。
本形態の押出成形用口金20は、図6に示すように、上記実施形態1の場合と同様に多数の供給孔22と、縦横ほぼ同一ピッチで成形溝23とが形成されている口金基体21の上面27に、薄板体31が接合された構成である。口金基体21は、実施の形態1における口金基体1と同様な構造である。口金基体21は、前述した口金基体1と同様に焼入れ鋼を調質したものを用いてもよいが、口金基体1とは違い表面焼入れ処理は行わないため、鋼種は限定されず、被削性がよいものを選定するとよい。ただ、前述したように、耐摩耗性膜が被覆される母材は硬度が高い方が膜剥離が防止できるので、硬度はHRC30程度あることが好ましくプリハードン鋼を用いるとよい。薄板体31は、硬度はHRC50以上で、供給孔22と同位置に、供給孔22の直径とほぼ同一か僅かに小さい貫通孔32が形成されている。また、本形態では、貫通孔32、供給孔22、成形溝23の表面を含む口金20の表面には耐摩耗性膜25が形成されている。
これにより、本形態の押出成形用口金20は、少なくとも貫通孔32、供給孔22、形成溝23、連通部24の表面は耐摩耗性膜5で被覆されているので耐久性が高くなるが、口金基体21全体は約HRC30と硬いので表面は変形し難く、耐摩耗性膜5は剥離し難い。本形態においては、坏土は、薄板体31の貫通孔32を通って供給孔22に導入されることになるが、薄板体31の硬度は口金基体21の内部より一層高くなっているので、貫通孔32部表面の変形はより抑えられ、ここに被覆した耐摩耗性膜25は剥離し難くなり、貫通孔32の摩耗はほとんど防止される。
この押出成形口金20の製造方法について説明する。
まず、所定の成形溝23と供給孔22が加工された口金基体21を準備する。供給孔22は口金基体21の一面27側から所定深さで所定数加工されている。孔加工方法としては、ドリルにより行う孔開け加工、電極を用いた放電加工などがある。成形溝23は口金基体21の他面28側から縦横に所定数が供給孔22の先端部で交差するように加工されている。溝加工方法としては、回転砥石による研削加工、放電ワイヤを用いた放電加工などがある。口金基体21の硬度がHRC30程度であれば、ドリルや砥石によって効率的に加工できるので、製造費の低減と製作時間の短縮を図ることができる。薄板体31は、焼入れ鋼、窒化鋼、はだ焼鋼等を用い、所定の熱処理をして硬度をHRC50以上とした後、両面を研削加工して形成する。なお、薄板体31としては、その他超硬合金やセラミックスなどを使用することもできる。
まず、所定の成形溝23と供給孔22が加工された口金基体21を準備する。供給孔22は口金基体21の一面27側から所定深さで所定数加工されている。孔加工方法としては、ドリルにより行う孔開け加工、電極を用いた放電加工などがある。成形溝23は口金基体21の他面28側から縦横に所定数が供給孔22の先端部で交差するように加工されている。溝加工方法としては、回転砥石による研削加工、放電ワイヤを用いた放電加工などがある。口金基体21の硬度がHRC30程度であれば、ドリルや砥石によって効率的に加工できるので、製造費の低減と製作時間の短縮を図ることができる。薄板体31は、焼入れ鋼、窒化鋼、はだ焼鋼等を用い、所定の熱処理をして硬度をHRC50以上とした後、両面を研削加工して形成する。なお、薄板体31としては、その他超硬合金やセラミックスなどを使用することもできる。
次に、薄板体31を口金基体21の一面27に接着又はろう接で貼り付けて固定する。次いで、口金基体21の供給孔22位置に、供給孔22と同径か僅かに小さな径となるように貫通孔32を加工する。薄板体31は、硬度がHRC50以上と硬いため、貫通孔加工は放電加工で行うとよい。なお、貫通孔32は、薄板体31を口金基体21に貼り付ける前に加工し、供給孔22と位置合わせをして接合してもよい。
その後、薄板体31が接合された口金基体21を耐摩耗性粒子を分散させた無電解メッキ浴中に浸漬し、表面を耐摩耗性膜25で被覆する。耐摩耗性粒子として、炭化珪素やタングステンカーバイドなどの炭化物やアルミナ等の金属酸化物を用いることができる。無電解メッキ膜の材質としては、無電解メッキ可能な金属であれば良いが、その中でも鋼材との密着性が良好なNiメッキがよい。なお、耐摩耗性膜25は、前述したと同様、他の膜とすることもできるし、必ずしも必要ではない。
(実施例)
実施の形態1に基づく口金を製作した。口金は、レーザ光による表面焼き入れを施した発明例としての試料1〜3と、表面焼入れを施さない試料4を製作した。どちらの口金も、口金基体としてマルテンサイト系ステンレス合金工具鋼(日立金属製、プラスチック金型用鋼ステンレス系プリハードン鋼、HPM38)を用い、硬度HRC33のプリハードン状態で供給孔、成形溝を加工した。口金基体の厚さは20mm、成形溝は縦横のピッチが1mm、幅が0.1mm、深さは5mmとし、供給孔は直径1mm、深さは17mmとし、成形溝の交点箇所に対し1箇所おきの位置に形成した。供給孔は超硬ドリルで、成形溝は回転砥石で加工した。
実施の形態1に基づく口金を製作した。口金は、レーザ光による表面焼き入れを施した発明例としての試料1〜3と、表面焼入れを施さない試料4を製作した。どちらの口金も、口金基体としてマルテンサイト系ステンレス合金工具鋼(日立金属製、プラスチック金型用鋼ステンレス系プリハードン鋼、HPM38)を用い、硬度HRC33のプリハードン状態で供給孔、成形溝を加工した。口金基体の厚さは20mm、成形溝は縦横のピッチが1mm、幅が0.1mm、深さは5mmとし、供給孔は直径1mm、深さは17mmとし、成形溝の交点箇所に対し1箇所おきの位置に形成した。供給孔は超硬ドリルで、成形溝は回転砥石で加工した。
その後、試料1では、CO2ガスレーザを供給孔開口部の周囲の領域に照射して空冷することで表面焼入れを行い、深さが4mmの硬質部6を形成した。。レーザ光は、表面におけるスポット径を約2mmとし、10mm/秒の速度で走査した。焼入れ後の硬さは、HRCで約53であった。試料2,3には、同じ方法で深さが2mmと0.5mmの硬質部6を形成した。その後、試料1〜4とも、無電解Ni−Pメッキ液に浸漬し、表面に約10μmのメッキ膜を被覆した後、400℃で熱処理した。熱処理後のメッキ膜の硬度は、約HVで950であった。
上記のようにして製作した試料1〜4用い、実際にコージェライト組成の原料を用いて、ハニカム成形体を押出成形した。その結果を表1に示す。ここで、成形体に不良品が生じ始めるまでの成形ショット数は、試料4を基準とした場合の相対値を示した。また、一定数ショット後の成形溝磨耗とは、図7に示すように、成形溝3の供給孔2の側における磨耗量のことであり、一定数ショットした試料1〜4を切断し、得られた断面写真から算出した磨耗量を、試料4を基準として相対値で示した。
表1に示すように、硬質部を形成した場合には口金の寿命が延び、特にその深さが口金の厚みの1/10以上である2mm以上の場合に顕著に効果が現れることが判った。ここで、使用後の試料1〜4の供給孔開口部の磨耗は、試料1、2、3、4の順番で多く、本発明に係わる口金を用いることによって、従来の成形溝、連通部のみを硬くする技術を用いた口金の寿命をより伸ばすことができることがわかった。
10、20:押出成形用口金、 1、21:口金基材、 2、22:供給孔、
3、23:成形溝、 4、24:連通部、 5、25:耐摩耗性膜、
6:硬質部、 31:薄板体、 32:貫通孔、 L:レーザ光
3、23:成形溝、 4、24:連通部、 5、25:耐摩耗性膜、
6:硬質部、 31:薄板体、 32:貫通孔、 L:レーザ光
Claims (9)
- セラミックスを含む坏土を一方から他方へ押出して成形するための押出成形用口金において、他方側に開口する成形溝開口部を具備する成形溝と一方側に開口する供給孔開口部を具備するとともに前記成形溝に連通した複数の供給孔とを備えた口金基体を有し、前記供給孔開口部の周囲の口金基体には、その他の口金基体の部分より硬度が高い硬質部が形成されていることを特徴とする押出成形用口金。
- 前記硬質部は、表面焼入れにより形成されている請求項1記載の押出成形用口金。
- 前記硬質部は、前記口金基体の厚みの少なくとも1/10以上の厚みを有する請求項1又は2のいずれかに記載の押出成形用口金。
- セラミックスを含む坏土を一方から他方へ押出して成形するための押出成形用口金において、他方側に開口する成形溝開口部を具備する成形溝と一方側に開口する供給孔開口部を具備するとともに前記成形溝に連通した複数の供給孔とを備えた口金基体と、前記供給孔と同位置にほぼ同一径の貫通孔を備えるとともに前記口金基体より硬度が高く、前記口金基体の一方側の面に接合された薄板体を有することを特徴とする押出成形用口金。
- 前記薄板体は、該薄板体と前記口金基体との合計の厚みの少なくとも1/10以上の厚みを有する請求項4に記載の押出成形用口金。
- 少なくとも前記成形溝及び前記供給孔の表面には耐摩耗性膜が形成されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の押出成形用口金。
- 成形溝と成形溝に連通した供給孔とを備えた口金基体を準備する工程と、口金基体の供給孔が開口している一面の少なくとも供給孔開口部に口金基体内部より硬度を高くする処理を施す工程とを有することを特徴とする押出成形用口金の製造方法。
- 成形溝と成形溝に連通した供給孔とを備えた口金基体を準備する工程と、口金基体より高硬度の薄板体を準備する工程と、口金基体の供給孔開口面に薄板体を接合する工程と、口金基体に接合する前或いは接合後の薄板体に供給孔と同位置にほぼ同一径の貫通孔を形成する工程とを有することを特徴とする押出成形用口金の製造方法。
- 少なくとも成形溝及び供給孔の表面に耐摩耗性膜を形成する工程を有することを特徴とする請求項7又は8のいずれかに記載の押出成形用口金の製造方法。
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