JP2007283495A - 金型及び樹脂製品成形方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ウェルドラインの発生を防止することができる金型を提供すること。
【解決手段】溶融樹脂同士がキャビティ8内でぶつかる場所である合流部Aを、樹脂製品の意匠面を形成する一方の型であるキャビティプレート3から加熱手段13で加熱し、合流部Aの鉛直方向にキャビティ8内面に露出するようにコアプレート4にガス抜き入れ子14を埋設して、角孔4cと第1のガス抜き入れ子14aとの間に形成された微小間隙C、角孔4cと第2のガス抜き入れ子14bとの間に形成された微小間隙C、第1のガス抜き入れ子14aと第2のガス抜き入れ子14bとの間に形成された微小間隙C、第1のガス抜き入れ子14aとエジェクタピン10との間に形成された微小間隙Cから、キャビティ8内のエアーや原材料から発生したガスを排出する。
【選択図】図1

Description

本発明は、樹脂製品を成形させる際に用いられる金型及び樹脂製品成形方法に関する。
金型を用いて成形される樹脂製品は、その成形時に、金型内で溶融樹脂同士がぶつかる場所(以下、合流部という)にウェルドラインと呼ばれる線状の模様が浮き出てしまうのが一般的である。
しかしながら、そのままでは、製品としての美観を著しく損ねてしまうため、このウェルドラインを、消し込む、あるいは目立たなくする解決手段が既に提案されている。
例えば、金型表面の所定の領域に、ニッケル−クロム合金等から成る電熱による発熱部を皮膜状に設置し、射出成形サイクルにおいてプラスチックがゲートからキャビティに射出される前段階から射出終了までの間、ウェルドラインの発生を惹き起すと予測される金型表面の領域を加熱して、ウェルドラインの発生を防止する、としたウェルドライン発生防止装置がある(例えば特許文献1参照)。
特開2003−80574(第1頁、図1)
この上記した先行技術は、溶融樹脂の固化のタイミングが入り乱れる合流部を加温することで、固化のタイミングを均一にさせて、ウェルドラインの発生を防止させる、としたものである。
しかしながら、実際には、ウェルドラインを完全に消し込めていなことが本件発明者によって知見されている。
これは、溶融樹脂を金型内に射出した際、キャビティ内のエアーや原材料から発生したガスによる影響が大きいものと考えられる。
もっとも、従来から、これらのエアーやガスを抜く手段としてベントを設けているものの、ベントの配設位置として、一般的に、金型分割面に設けたり、キャビティやコア部分の意匠面や他の構造部の妨げとならない位置に設けたりと、そのベントの配設位置は様々である。
そこで本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、ウェルドラインの発生を防止することができる金型及び樹脂製品成形方法を提供することを目的とする。
上記技術課題を達成するために、本件発明者は、ベントの構造、配置、合流部の加温について、さまざまな実験を試みたところ、ウェルドラインの発生を防止できる技術手段を知見した。このようにして、ベントの構造、配置、合流部の加温に着目した本件発明者は、上記課題を解決する金型及び樹脂製品成形方法を発明するに至った。
すなわち、請求項1にかかる金型は、一対の型で形成されたキャビティ内に、溶融樹脂を射出させて樹脂製品を成形させる金型であって、前記樹脂製品の意匠面を形成させる一方の型に設けられ、前記溶融樹脂同士が前記キャビティ内でぶつかる場所である合流部の鉛直方向に埋設された加熱手段と、他方の型に設けられ、前記合流部の鉛直方向に前記キャビティ内面に露出するように埋設されたガス抜き入れ子とを備えてなることを特徴とする。
請求項2にかかる金型は、請求項1において、前記ガス抜き入れ子は、前記合流部における前記溶融樹脂の巻き込み方向側にガス抜き用の間隙が形成されるように形設されてなることを特徴とする。
請求項3にかかる金型は、請求項1または2において、前記ガス抜き入れ子内に、エジェクターピンを配設させていることを特徴とする。
請求項4にかかる金型は、請求項1〜3の何れかにおいて、前記ガス抜き入れ子は、前記キャビティ内で前記一対の型同士が当接する領域内と、前記キャビティ内で前記溶融樹脂が流れ込む領域内とに亘って埋設されてなることを特徴とする。
請求項5にかかる金型は、請求項4において、前記ガス抜き入れ子は、前記キャビティ内で前記一対の型同士が当接する領域と前記キャビティ内で前記溶融樹脂が流れ込む領域との境界である縁部に沿って前記溶融樹脂が流れ込む領域側に埋設され、前記エジェクターピンを配設させた第1のガス抜き入れ子と、前記第1のガス抜き入れ子と隣接するように前記縁部に沿って、前記一対の型同士が当接する領域側に埋設された第2のガス抜き入れ子とを備えてなることを特徴とする。
請求項6にかかる金型は、請求項5において、前記第1のガス抜き入れ子は、平面視略矩形状に形成され、前記第2のガス抜き入れ子は、平面視略矩形状に形成されると共に、前記第1のガス抜き入れ子の前記縁部に沿う長さと同じ長さとなるように分割された複数個からなることを特徴とする。
請求項7にかかる金型は、請求項6において、前記第2のガス抜き入れ子は、その分割面が前記合流部における巻き込み方向線上となるように並設されていることを特徴とする。
請求項8にかかる金型は、請求項1〜7の何れかにおいて、前記溶融樹脂は、PCとABSとの混合樹脂からなると共に、前記合流部における前記一方の型側のキャビティ内面温度が、概ね摂氏110度〜摂氏130度程度となるように前記加熱手段が配設されてなることを特徴とする。
請求項9にかかる金型は、請求項1〜7の何れかにおいて、前記溶融樹脂は、ポリスチレンからなると共に、前記合流部における前記一方の型側のキャビティ内面温度が、概ね摂氏80度〜摂氏100度程度となるように前記加熱手段が配設されてなることを特徴とする。
請求項10にかかる金型は、請求項1〜7の何れかにおいて、前記溶融樹脂は、ABS樹脂からなると共に、前記合流部における前記一方の型側のキャビティ内面温度が、概ね摂氏90度〜摂氏110度程度となるように前記加熱手段が配設されてなることを特徴とする。
請求項11にかかる金型は、請求項1〜10の何れかにおいて、前記キャビティは、薄形の枠状に形設されていることを特徴とする。
請求項12にかかる樹脂製品成形方法は、一対の型で形成したキャビティ内に、溶融樹脂を射出して樹脂製品を成形する樹脂製品成形方法であって、前記溶融樹脂同士が前記キャビティ内でぶつかる場所である合流部を、前記樹脂製品の意匠面を形成する一方の型から加熱すると共に他方の型からガス抜きすることを特徴とする。
請求項13にかかる樹脂製品成形方法は、請求項12において、前記合流部における前記溶融樹脂の巻き込み方向側へガス抜きすることを特徴とする。
請求項14にかかる樹脂製品成形方法は、請求項12または13において、前記溶融樹脂は、PCとABSとの混合樹脂からなると共に、前記合流部における前記一方の型側のキャビティ内面温度が、概ね摂氏110度〜摂氏130度程度となるように加熱すること特徴とする。
請求項15にかかる樹脂製品成形方法は、請求項12または13において、前記溶融樹脂は、ポリスチレンからなると共に、前記合流部における前記一方の型側のキャビティ内面温度が、概ね摂氏80度〜摂氏100度程度となるように加熱すること特徴とする。
請求項16にかかる樹脂製品成形方法は、請求項12または13において、前記溶融樹脂は、ABS樹脂からなると共に、前記合流部における前記一方の型側のキャビティ内面温度が、概ね摂氏90度〜摂氏110度程度となるように加熱すること特徴とする。
請求項17にかかる樹脂製品成形方法は、請求項12〜16の何れかにおいて、前記キャビティは、薄形の枠状に形設したことを特徴とする。
本発明によれば、意匠面を形成させる一方の型と対向する他方の型の合流部に、ガス抜き入れ子を溶融樹脂の巻き込み方向側に設けて、キャビティ内のエアーや原材料から発生したガスを効率よく排出し、加えて、合流部の鉛直方向に埋設した加熱手段で、樹脂製品の意匠面を形成する一方の型から合流部を加熱して、固化のタイミングを均一にすることにより、ウェルドラインの発生を防止することができる。
また、合流部にガス抜き入れ子を設けてガス抜きを行うことによって、従来、合流部に多く発生したガスバリの発生を抑制することができる。
次に、本発明にかかる金型の実施の形態を説明する。
本実施の形態にかかる金型は、図1に示すように、射出成形機への取り付け口となるロケートリング1を備え、射出成形機(図示せず)の固定盤に螺着される固定側取付板2と、その固定側取付板2に固定され、意匠面を形成させる一方の型であるキャビティプレート3と、そのキャビティプレート3の四隅に内嵌されたガイドブッシュ(図示せず)と、そのキャビティプレート3と対向する他方の型であるコアプレート4と、そのコアプレート4の四隅に突設されガイドブッシュと係合されるガイドピン(図示せず)と、射出成形機の可動盤に螺着される可動側取付板6と、コアプレート4と可動側取付板6とに両端が固定された所要高さのスペーサーブロック7と、キャビティプレート3とコアプレート4とで形成されたキャビティ8内に連通され、上下のエジェクタプレート9で基部が固定されたエジェクタピン10と、コアプレート4側にリターンスプリング11が環装され、コアプレート4と可動側取付板6とに両端が固定されたリターンピン12と、本発明の要部である加熱手段13及びガス抜き入れ子14とを備えて構成されており、本発明の要部を除く各構成部は、射出成形機に用いられる一般的な金型の構成と同じであるため、その基本的な一連の動作に係る説明は省略する。
次に、本発明の要部である加熱手段13と、ガス抜き入れ子14について詳述するが、その前に、キャビティ8の形状(樹脂製品を成形する空間部)と、キャビティ8内の溶融樹脂の射出口であるゲート15の位置等を説明する。
キャビティ8は、図1及び図2に示すように、上面が凸状に形成されたコアプレート4と、コアプレート4の上面中央と当接するように中央が凹状に垂設されたキャビティプレート3とで、断面視略コ字状かつ平面視略長方形状の薄形の枠状に形成されている。この薄形の枠状のキャビティ8で成形される樹脂製品として、例えば、液晶テレビ(モニター含む)や、プラズマテレビ等の画像表示装置の後方パネルが挙げられる。もちろん、本実施の形態では薄形の枠状のキャビティ8を例示しているが、このものに限定されない。
なお、キャビティプレート3と、コアプレート4は、図示したように、夫々、アウタープレート3a、4aに、インナープレート3b、4bを挿嵌させた入れ子構造となっている。
ゲート15は、ロケートリング1の中心軸線上に挿嵌されたスプルブッシュ16と、そのスプルブッシュ16の溶融樹脂路の直下にコアプレート4内に形成されたコールドスラグウェル17との間に、ランナー18を介して、キャビティ8に連通するように四方に向かって略U字状に形成されたカールゲートで構成されている。また、このゲート15は、コアプレート4のキャビティ8内面の長辺側に左右対称となるように4箇所に配設されている。
したがって、各ゲート15間の中間で、夫々のゲート15から射出した溶融樹脂同士がキャビティ8内でぶつかる場所となり、その場所が合流部Aとなる。
この合流部Aは、図1に示すように、キャビティ8の短辺側にある左右一対の合流部Aと、キャビティ8の長辺側にある上下一対の合流部Aとからなる。
このうち、キャビティ8の短辺側にある左右一対の合流部Aは、夫々のゲート15から射出された溶融樹脂の流れがコーナー部Bで夫々内側に向かって曲げられた直後に合流することから、瞬間的ではあるが、キャビティプレート3とコアプレート4とが当接する領域8a方向(キャビティ8中心方向)に向かって巻き込むような流れとなる。
また、キャビティ8の長辺側にある上下一対の合流部Aは、キャビティ8内で溶融樹脂が流れ込む領域8b(枠となる部分に相当)のうち、可能な限り外側にゲート15を配置することにより、キャビティプレート3とコアプレート4とが当接する領域8a方向(キャビティ8中心方向)に向かって巻き込むような流れとなる。
次に、本発明の要部を詳述する。
加熱手段13は、750Wの棒状のヒーターからなり、各合流部Aの鉛直方向のキャビティプレート3に、平面視略長方形状の枠状に形成されたキャビティ8に対して直交するように、かつ、キャビティプレート3のキャビティ8内面と略並行するように挿嵌されている。
また、この加熱手段13は、キャビティプレート3のキャビティ8内面から所要間隔L分、離間した位置にキャビティ8内面と略並行するように挿嵌されている。この所要間隔Lの長さは、概ね15mmとなっている。このように加熱手段13を配設することにより、合流部Aにおけるキャビティプレート3のキャビティ8内面温度が、概ね摂氏110度〜摂氏130度程度となる。
なお、この15mm離間した位置に750Wの棒状のヒーターからなる加熱手段13を設けたのは、PCとABSとの混合樹脂(PC:ポリカーボネート、ABS:アクリロニトリルブタジエンスチレン、混合樹脂溶融温度:摂氏260度)を用いた場合、ウェルドラインの発生が極めて低いことが実験結果から得られているからである。
上記の例は、PCとABSとの混合樹脂を例にしているが、ポリスチレン樹脂の場合、合流部Aにおけるキャビティプレート3のキャビティ8内面温度を、概ね摂氏80度〜摂氏100度程度とすれば、ウェルドラインの発生が極めて低いことが実験結果から得られている。この場合のLの長さは概ね15mmであり、500Wの棒状のヒーターを用いる。
さらに他の例として、ABS樹脂の場合(樹脂溶融温度:摂氏230度)、合流部Aにおけるキャビティプレート3のキャビティ8内面温度を、概ね摂氏90度〜摂氏110度程度とするとウェルドラインの発生が極めて低いことが実験結果から得られている。この場合のLの長さは、ポリスチレン樹脂の場合と同様に概ね15mm、500Wの棒状のヒーターを用いる。
ガス抜き入れ子14は、第1のガス抜き入れ子14aと、第2のガス抜き入れ子14bとを備えてなる。
第1のガス抜き入れ子14aは、キャビティ8内で溶融樹脂が流れ込む領域8b幅より短い短辺を備えた平面視略長方形状のブロック状に形成されている。
そして、この第1のガス抜き入れ子14aは、キャビティプレート3とコアプレート4とが当接する領域8a(枠内側の開口部分に相当)と、キャビティ8内で溶融樹脂が流れ込む領域8b(枠となる部分に相当)との境界である直線状の縁部8cに、長辺側の一辺が沿うように、かつ、コアプレート4側の溶融樹脂が流れ込む領域8b側に、キャビティ8内面と面一となるように所要深さ埋設されていると共に、その略中央部には、エジェクタピン10を挿通させている。
すなわち、この第1のガス抜き入れ子14aは、キャビティプレート3とコアプレート4とが当接する領域8aと、キャビティ8内で溶融樹脂が流れ込む領域8bとを跨るようにコアプレート4に設けた平面視略正方形状の角孔4cに、かつ、コアプレート4側の溶融樹脂が流れ込む領域8b側に埋設されている。
なお、この角孔4cは、図1に示すように、第1のガス抜き入れ子14aを挿嵌させる側が、インナープレート4bに貫通するように形成され、後述する第2のガス抜き入れ子14bを螺着させる側が、インナープレート4bの中途部までの底有り状に形成されている。
第2のガス抜き入れ子14bは、第1のガス抜き入れ子14aの長さより短い所要長さからなる一対の平面視略正方形状のブロック状に形成されており、上記した角孔4cに、キャビティプレート3とコアプレート4とが当接する領域8a側に、第1のガス抜き入れ子14aと隣接するように埋設されている。
また、この第2のガス抜き入れ子14bは、ボルト19によってコアプレート4に着脱可能に螺着されて埋設されており、メンテナンスを容易にしている。
なお、この第2のガス抜き入れ子14bを樹脂製品となる部分から逃がすように設けたのは、樹脂製品の表面に生じる惧れのある、第1のガス抜き入れ子14aの痕跡を可能な限り排除または小さくしつつ、コアプレート4の剛性を維持させるためである。さらに、第2のガス抜き入れ子14bを複数個(本実施の形態では2分割)にしたのは、ガスが抜ける路である微小間隙Cを多く確保するためである。
したがって、合流部Aの鉛直方向にキャビティ8内面に露出するようにガス抜き入れ子14(第1のガス抜き入れ子14a)が埋設されていれば良く、この第2のガス抜き入れ子14bは必ずしも必要なものではないが、上記した効果を期待するためには必要な構成部材となる。
このように構成されたガス抜き入れ子14は、角孔4cと第1のガス抜き入れ子14aとの間に形成された微小間隙C、角孔4cと第2のガス抜き入れ子14bとの間に形成された微小間隙C、第1のガス抜き入れ子14aと第2のガス抜き入れ子14bとの間に形成された微小間隙C、第1のガス抜き入れ子14aとエジェクタピン10との間に形成された微小間隙Cによって、キャビティ8内のエアーや原材料から発生したガスが排出されるようになっている。
なお、第1のガス抜き入れ子14aとエジェクタピン10との間に形成された微小間隙C以外の微小間隙Cの幅寸法は、0.01〜0.015mm程度である(第1のガス抜き入れ子14aとエジェクタピン10との間に形成された微小間隙Cは、エジェクタピン10が容易に出没するための公差であり、かかる数値より若干大きい)。
特に、第2のガス抜き入れ子14b同士の間に形成された微小間隙C(分割面)等、合流部Aにおける巻き込み方向線上に延びる微小間隙Cが複数箇所に形成されていることから、キャビティ8内のエアーや原材料から発生したガスが効率よくスムーズに排出されるようになっている。
以上のように構成された本実施の形態にかかる金型は、まず、射出成形機から射出したポリカーボネートABS混合の溶融樹脂が、スプルブッシュ16を介して、左右上下対称位置に配設した4箇所のゲート15からキャビティ8内に射出する。
キャビティ8内に射出した溶融樹脂は、キャビティ8内のエアーや原材料から発生したガスが押し進めながら、各ゲート15間の中間の合流部Aでぶつかり合う。
溶融樹脂同士が合流部Aでぶつかり合うと同時に、角孔4cと第1のガス抜き入れ子14aとの間に形成された微小間隙C、角孔4cと第2のガス抜き入れ子14bとの間に形成された微小間隙C、第1のガス抜き入れ子14aと第2のガス抜き入れ子14bとの間に形成された微小間隙C、第1のガス抜き入れ子14aとエジェクタピン10との間に形成された微小間隙Cに、押し進められたガスが逃げて、キャビティ8内からガスを排出する。このとき、合流部Aにおける巻き込み方向線上(図において左右方向)に延びた微小間隙Cが、効率よくスムーズにガスの排出を促す。
このとき、第1のガス抜き入れ子14a側から逃げたガスは、アウタープレート4aとインナープレート4bとの間の微小間隙、または、アウタープレート4aとインナープレート4bとの間に形成したベントによって金型外に排出する。一方、第2のガス抜き入れ子14b側へ追い込まれたガスは、コアプレート4内で第1のガス抜き入れ子14a側から逃げたガスと合流して金型外に排出する。
また、これらと同時に、意匠面側のキャビティ8内面の温度を所要温度となるように、750Wの棒状のヒーターからなる加熱手段13を通電して固化のタイミングを均一にする。なお、通電のタイミングは常時通電、断続的通電など、特に限定されない。
これは、型閉め、溶融樹脂射出、型開き、突き出し(樹脂製品取り出し)に至る一連のサイクル、すなわちタクトタイムが生産性を満足するため短く、型閉め時のみヒーターを通電してキャビティ8内面の温度を、型閉め時のみ所望温度を維持することは極めて困難だからである。
このように本実施の形態にかかる金型を用いて樹脂製品を製造すると、少なくとも樹脂製品の意匠面には、ウェルドラインの発生がほとんどなくなり、歩留まりを向上することができる。
また、合流部にガス抜き入れ子を設けてガス抜きを行うことによって、従来、合流部に多く発生したガスバリの発生を抑制することができる。
以上、本実施の形態にかかる金型を説明したが、上述した実施の形態は、本発明の好適な実施の形態の一例を示すものであり、本発明はそれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において、種々変形実施が可能である。
例えば、図3(1)に示すように、ガス抜き入れ子14を縁部8cに沿うように1つだけ設けたり、図3(2)に示すように、縁部8cを跨るようにガス抜き入れ子14を1つだけ設けたり、図3(3)に示すように、ガス抜き入れ子14を縁部8cに沿うように2つ並設させたり、図3(4)に示すように、ガス抜き入れ子14を縁部8cと直交するように2つ並設させたり、図3(5)に示すように、ガス抜き入れ子14を縁部8cに沿うように、かつ、縁部8cと直交するように4つ並設させたり、あるいは図3で例示した以外の複数個による縦横、あるいは斜めの並設等、特に限定されない。
また、本実施の形態では直線状の縁部8cに沿うようにガス抜き入れ子14を設けているが、円形や自由曲線、あるいはコーナーなど、製品形状や金型の空きスペースに応じて任意形状の縁部8cに沿うようにガス抜き入れ子14を設けることは言うまでもない。
さらに、溶融樹脂同士が前記キャビティ内でぶつかる場所である合流部を、樹脂製品の意匠面を形成する一方の型から加熱すると共に他方の型からガス抜きするとした樹脂製品成形方法でも良い。この場合もおいても、溶融樹脂の巻き込み方向側へガス抜きすることが好ましい。
本実施の形態にかかる金型の縦断面図である。 図1におけるX−X線に沿える横断面図である。 ガス抜き入れ子の他の変形例を示す模式図である。
符号の説明
3 キャビティプレート
4 コアプレート
8 キャビティ
8a キャビティプレートとコアプレートとが当接する領域
8b 溶融樹脂が流れ込む領域
8c 縁部
10 エジェクタピン
13 加熱手段
14 ガス抜き入れ子
14a 第1のガス抜き入れ子
14b 第2のガス抜き入れ子
15 ゲート
A 合流部
C 微小間隙

Claims (17)

  1. 一対の型で形成されたキャビティ内に、溶融樹脂を射出させて樹脂製品を成形させる金型であって、
    前記樹脂製品の意匠面を形成させる一方の型に設けられ、前記溶融樹脂同士が前記キャビティ内でぶつかる場所である合流部の鉛直方向に埋設された加熱手段と、
    他方の型に設けられ、前記合流部の鉛直方向に前記キャビティ内面に露出するように埋設されたガス抜き入れ子と
    を備えてなることを特徴とする金型。
  2. 前記ガス抜き入れ子は、前記合流部における前記溶融樹脂の巻き込み方向側にガス抜き用の間隙が形成されるように形設されてなることを特徴とする請求項1記載の金型。
  3. 前記ガス抜き入れ子内に、エジェクターピンを配設させていることを特徴とする請求項1または2記載の金型。
  4. 前記ガス抜き入れ子は、前記キャビティ内で前記一対の型同士が当接する領域内と、前記キャビティ内で前記溶融樹脂が流れ込む領域内とに亘って埋設されてなることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項記載の金型。
  5. 前記ガス抜き入れ子は、
    前記キャビティ内で前記一対の型同士が当接する領域と前記キャビティ内で前記溶融樹脂が流れ込む領域との境界である縁部に沿って前記溶融樹脂が流れ込む領域側に埋設され、前記エジェクターピンを配設させた第1のガス抜き入れ子と、
    前記第1のガス抜き入れ子と隣接するように前記縁部に沿って、前記一対の型同士が当接する領域側に埋設された第2のガス抜き入れ子とを備えてなることを特徴とする請求項4記載の金型。
  6. 前記第1のガス抜き入れ子は、平面視略矩形状に形成され、
    前記第2のガス抜き入れ子は、平面視略矩形状に形成されると共に、前記第1のガス抜き入れ子の前記縁部に沿う長さと同じ長さとなるように分割された複数個からなることを特徴とする請求項5記載の金型。
  7. 前記第2のガス抜き入れ子は、その分割面が前記合流部における巻き込み方向線上となるように並設されていることを特徴とする請求項6記載の金型。
  8. 前記溶融樹脂は、PCとABSとの混合樹脂からなると共に、
    前記合流部における前記一方の型側のキャビティ内面温度が、概ね摂氏110度〜摂氏130度程度となるように前記加熱手段が配設されてなることを特徴とする請求項1〜7の何れか1項記載の金型。
  9. 前記溶融樹脂は、ポリスチレンからなると共に、
    前記合流部における前記一方の型側のキャビティ内面温度が、概ね摂氏80度〜摂氏100度程度となるように前記加熱手段が配設されてなることを特徴とする請求項1〜7の何れか1項記載の金型。
  10. 前記溶融樹脂は、ABS樹脂からなると共に、
    前記合流部における前記一方の型側のキャビティ内面温度が、概ね摂氏90度〜摂氏110度程度となるように前記加熱手段が配設されてなることを特徴とする請求項1〜7の何れか1項記載の金型。
  11. 前記キャビティは、薄形の枠状に形設されていることを特徴とする請求項1〜10の何れか1項記載の金型。
  12. 一対の型で形成したキャビティ内に、溶融樹脂を射出して樹脂製品を成形する樹脂製品成形方法であって、
    前記溶融樹脂同士が前記キャビティ内でぶつかる場所である合流部を、前記樹脂製品の意匠面を形成する一方の型から加熱すると共に他方の型からガス抜きすることを特徴とする樹脂製品成形方法。
  13. 前記合流部における前記溶融樹脂の巻き込み方向側へガス抜きすることを特徴とする請求項12記載の樹脂製品成形方法。
  14. 前記溶融樹脂は、PCとABSとの混合樹脂からなると共に、
    前記合流部における前記一方の型側のキャビティ内面温度が、概ね摂氏110度〜摂氏130度程度となるように加熱すること特徴とする請求項12または13記載の樹脂製品成形方法。
  15. 前記溶融樹脂は、ポリスチレンからなると共に、
    前記合流部における前記一方の型側のキャビティ内面温度が、概ね摂氏80度〜摂氏100度程度となるように加熱すること特徴とする請求項12または13記載の樹脂製品成形方法。
  16. 前記溶融樹脂は、ABS樹脂からなると共に、
    前記合流部における前記一方の型側のキャビティ内面温度が、概ね摂氏90度〜摂氏110度程度となるように加熱すること特徴とする請求項12または13記載の樹脂製品成形方法。
  17. 前記キャビティは、薄形の枠状に形設したことを特徴とする請求項12〜16の何れか1項記載の樹脂製品成形方法。
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