JP2007283082A - 車椅子用ブレーキ装置及びブレーキ装置付き車椅子 - Google Patents

車椅子用ブレーキ装置及びブレーキ装置付き車椅子 Download PDF

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Abstract

【課題】ブレーキ部材へのワイヤによる駆動伝達を不要とし、後付けも可能な車椅子用ブレーキ装置及びそのようなブレーキ装置が取り付けられた車椅子を提供すること。
【解決手段】車椅子31の本体フレーム32の下部位置にブレーキ装置1を配設する。ブレーキ装置1は床面等の転動面に接地される軸受けに支持された転動輪18を備え、転動輪18は軸受けともどもコイルバネによって下方に付勢されている。使用者が座部に着座していない際には転動輪18は下方に押圧させられ当接ブロックの当接面にその外周面が当接し制動状態とされる。一方、使用者が着座する転動輪18は相対的に上動して制動が解除される。
【選択図】 図2

Description

本発明は着座すると解除され起立すると自動的にブレーキがかかる車椅子用のブレーキ装置及びそのようなブレーキ装置が装着された車椅子に関するものである。
従来から車椅子に装着されるブレーキ装置として、車椅子の座部に着座状態にある使用者が車椅子から起立等して離れることでその重量の軽減を利用して自動的に車輪が動かないようにブレーキをかけるような仕組みになっている車椅子が開発されている。このような車椅子として特許文献1及び2を示す。特許文献1の車椅子では使用者が着座状態から起立することによって着座部27が揺動し、その揺動量に基づいてワイヤ40が引っ張られてブレーキシュー36,37が車輪22のリム22aを制動するというものである。
また、特許文献2の車椅子では使用者が座部1から立ち上がることで沈んでいた座部1が原状態に復帰し、その復帰量に基づいて後退していたブレーキ板6がスプリング15によって進出させられ車輪2のスポーク7と干渉して車輪2の回転を規制するというものである。
特開2004−16406号公報 特開平10−85267号公報
しかし、特許文献1及び2の車椅子のブレーキ装置ではいくつか使用上の問題があった。例えば特許文献1ではワイヤが経年使用によって伸びてしまうと十分な制動力が得られくなってしまうためその調整が面倒である。また、着座部27が固定されておらず揺動するという不安定性から使用者が使うのをためらうおそれがある。
また、特許文献2では逆にワイヤが経年使用によって伸びてしまうと着座状態でもブレーキ板6がスポーク7と干渉してしまうおそれがある。また、使用者の体重によって座部1の沈み具合は異なるため軽量の使用者では十分座部1が沈み込まずブレーキ板6が後退しきれずにスポーク7と干渉してしまう可能性がある。
また、特許文献1及び2ともに構造は複雑で、当初からこのような機構を取り込んだ設計でなければ車椅子に装着できないため、後付けでこれらのようなブレーキ装置を取り付けたいという要望があっても簡単には取り付けることはできなかった。
本発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、ブレーキ部材へのワイヤによる駆動伝達を不要とし、後付けも可能な車椅子用ブレーキ装置及びそのようなブレーキ装置が取り付けられた車椅子を提供することにある。
上記の目的を達成するために請求項1に記載の発明では、使用者が着座するための少なくとも座部と背もたれ部とを備えるとともに、本体フレームに対して前輪及び後輪を装着した車椅子の下部位置に装着されるブレーキ装置において、床面等の転動面に接地される転動輪と、同転動輪を回動可能に支持する支持体と、同支持体を下方に向かって付勢させる付勢手段と、同支持体の下方に配置され同転動輪の直径よりも狭い開口幅を有して同転動輪下部を突出させる下部突出口とを備えるとともに、前記転動輪は前記支持体が前記付勢手段の付勢力に基づいて押圧させられた状態で前記下部突出口の両側に形成された当接部とその外周面が当接する第1の位置と、同付勢手段の付勢力に抗して同支持体が同第1の位置から相対的に上動した際に同転動輪の外周面が同当接部から離間する第2の位置とを取りうることをその要旨とする。
このような構成のブレーキ装置を車椅子に装着した場合に、まず使用者が座面に着座していない場合には車椅子の荷重のみが転動輪にかかることとなるが、付勢手段はこの荷重では付勢方向と逆方向に押し戻されることはなく転動輪を押圧し続けるため転動輪の外周は下部突出口の両側に形成された当接部に当接した第1の位置にあって転動輪を制動状態とすることが可能である。
この際にブレーキ装置はその転動輪は前輪又は後輪の少なくとも1つの車輪よりも下方位置に進出させておくように配設される必要がある。つまり、使用者の着座によって車椅子が下がることができるように転動輪に上がり代(しろ:上方への相対的な移動量)を与えておく必要があるからである。
一方、使用者が着座している場合には車椅子が転動輪の上がり代の分だけ下がることとなる。従って、付勢手段の付勢力(弾性エネルギー)は少なくとも車椅子の荷重(荷重の一部は他の車輪に分配されるので全荷重ではない)を受けてもたわまず、車椅子の荷重に使用者の体重が加わった荷重によってたわむように設定する必要がある。
この際に付勢手段はこの使用者の体重が加わった荷重によって付勢方向と逆方向に押し戻され、転動輪は第1の位置から相対的に上動して転動輪の外周面が当接部から離間した第2の位置に移動する。この状態では転動輪の制動力は消失するため車椅子は走行可能となる。つまり、制動が解除された転動輪は前輪及び後輪と一緒に転動面に接地されて回転可能となる。ここに「相対的に上動」としているのは当接部に対しては転動輪は上動するような動作になるが車椅子全体で考えると実際には転動輪が上がるのではなく、車椅子側が下がることによるためである。
また、請求項2の発明では、使用者が着座するための少なくとも座部と背もたれ部とを備えるとともに、本体フレームに対して前輪及び後輪を装着した車椅子において、
前記本体フレームの下部位置には床面等の転動面に接地される転動輪と、同転動輪を回動可能に支持する支持体と、同支持体を下方に向かって付勢させる付勢手段と、同支持体の下方に配置され同転動輪の直径よりも狭い開口幅を有する下部突出口とを備えたブレーキ装置を配設し、同ブレーキ装置の同転動輪は下部突出口から突出して床面と接するとともに、使用者が前記座部に着座していない際には前記支持体が前記付勢手段の付勢力に基づいて下方に押圧させられ前記下部突出口の両側に形成された当接部と同転動輪の外周面が当接し、使用者が前記座部に着座している際には同付勢手段の付勢力に抗して同支持体が相対的に上動して同転動輪の外周面が同当接部から離間するようにしたことをその要旨とする。
このような構成のブレーキ装置が装着された車椅子では、まず使用者が座面に着座していない場合には車椅子の荷重のみが転動輪にかかることとなるが、付勢手段はこの荷重では付勢方向と逆方向に押し戻されることはなく転動輪を押圧し続けるため転動輪の外周は下部突出口の両側に形成された当接部に当接して転動輪を制動状態とすることが可能である。
この際にブレーキ装置はその転動輪は前輪又は後輪の少なくとも1つの車輪よりも下方位置に進出させておくように配設される必要がある。つまり、使用者の着座によって車椅子が下がることができるように転動輪に上がり代を与えておく必要があるからである。
一方、使用者が着座している場合には車椅子が転動輪の上がり代の分だけ下がることとなる。従って、付勢手段の付勢力(弾性エネルギー)は少なくとも車椅子の荷重(荷重の一部は他の車輪に分配されるので全荷重ではない)を受けてもたわまず、車椅子の荷重に使用者の体重が加わった荷重によってたわむように設定する必要がある。
この際に付勢手段はこの使用者の体重が加わった荷重によって付勢方向と逆方向に押し戻され、転動輪は相対的に上動して転動輪の外周面が当接部から離間した位置に移動する。この状態では転動輪の制動力は消失するため車椅子は走行可能となる。つまり、制動が解除された転動輪は前輪及び後輪と一緒に転動面に接地されて回転可能となる。ここに「相対的に上動」としたことについては上記と同様の理由である。
また、請求項3の発明では請求項2の構成に加えて、前記ブレーキ装置は前記後輪の床面への当接位置付近に配設されることをその要旨とする。
このような構成では使用者の体重が最もかかる位置にブレーキ装置が配設されることとなり、乗車状態では確実にブレーキが解除されるとともに、使用者が車椅子から降りる際には荷重が前方寄りに移動するため、完全に降りきっていない状態でも徐々にブレーキを効かせることが可能となる。
また、請求項4の発明では請求項2又は3に記載の発明の構成に加え、前記下部突出口の両側に形成された当接部は上方ほど拡開されるように対面配置された少なくとも一方が斜状に形成された対向部であることをその要旨とする。
このような構成によって斜状に形成された対向部(斜状対向部)と転動輪の外周との接触面積が増加して制動力が向上するとともに、斜状対向部と転動輪の外周とが徐々に当接するようになって制動に伴う衝撃が緩和される。対向部は両側とも斜状であることが好ましいが片方だけでも構わない。斜状対向部は面で構成されていなくとも複数の点や線であってもよい。つまり、転動輪は必ずしも面接触しなくとも構わない。また、対向部として必ずしも中実体の斜状面同士を対向させなくともこのような構成は実現可能である。
また、請求項5の発明では請求項4の構成に加えて、前記対向部は上下動可能なコマ部材に形成されていることをその要旨とする。
このような構成によって転動輪がコマ部材に当接している状態から転動輪が上動するとその上動運動に伴ってコマ部材には摩擦力が働いて転動輪と一緒に上動することが可能となる。つまり、転動輪への制動が働いた状態で転動輪を上動させることができることとなる。
これによって転動輪が制動された状態にある車椅子(つまり使用者が着座していない状態)に使用者等がわずかに荷重をかけても制動が直ちに解除されてしまうことなくなる。この際にコマ部材の上下ストローク量は転動輪の上がり代よりも短いことが好ましい。
また、請求項6の発明では、使用者が着座するための少なくとも座部と背もたれ部とを備えるとともに、本体フレームに対して前輪及び後輪を装着した車椅子の下部位置に装着されるブレーキ装置において、床面等の転動面に接地される転動輪と、同転動輪を回動可能に支持する支持体と、同支持体を下方に向かって付勢させる付勢手段と、同支持体を同転動輪とともに上下方向に移動可能に支持する支持フレームと、同支持フレームに対して取り付け基部を中心に上下方向に揺動可能に取着され、同支持体と同転動輪の間にストッパ部が形成された先端寄りが挿入されたストッパレバーとを備えるとともに、前記転動輪は前記支持体が前記付勢手段の付勢力によって下動することに連動して前記ストッパレバーが押動されて同ストッパレバーの前記ストッパ部が同転動輪の外周面に当接して同転動輪を制動する第1の位置と、同付勢手段の付勢力に抗して同支持体が相対的に上動して同ストッパ部の制動が解除される第2の位置とを取りうることをその要旨とする。
このような構成のブレーキ装置を車椅子に装着した場合に、まず使用者が座面に着座していない場合には車椅子の荷重のみが転動輪にかかることとなるが、付勢手段はこの荷重では付勢方向と逆方向に押し戻されることはなく支持体を押圧するため転動輪は支持体とともに下動してストッパレバーを押動する(第1の位置)。つまり、ストッパレバーは取り付け基部を中心に下方に揺動されストッパ部が転動輪の外周面に圧接されるため転動輪は制動される。
この際にブレーキ装置はその転動輪は前輪又は後輪の少なくとも1つの車輪よりも下方位置に進出させておくように配設される必要がある。つまり、使用者の着座によって車椅子が下がることができるように転動輪に上がり代(しろ:上方への相対的な移動量)を与えておく必要があるからである。
尚、支持体が付勢手段の付勢力によって下動する際には直接支持体に押動されなくとも間接的にストッパレバーが押動されるような構造も含む。
一方、使用者が着座している場合には車椅子が転動輪の上がり代の分だけ下がることとなる。従って、付勢手段の付勢力(弾性エネルギー)は少なくとも車椅子の荷重(荷重の一部は他の車輪に分配されるので全荷重ではない)を受けてもたわまず、車椅子の荷重に使用者の体重が加わった荷重によってたわむように設定する必要がある。
この際に付勢手段はこの使用者の体重が加わった荷重によって付勢方向と逆方向に押し戻され、支持体が相対的に上動してストッパレバーへの押圧力がなくなりストッパ部による制動が解除される。(第2の位置)。この状態では転動輪の制動力は消失するため車椅子は走行可能となる。つまり、制動が解除された転動輪は前輪及び後輪と一緒に転動面に接地されて回転可能となる。
ここに「相対的に上動」としたことについては上記と同様の理由である。
また、第2の位置ではストッパレバーへの支持体の押圧力が解放されてストッパ部の転動輪の外周面に対する制動が解除されることとなるため、ストッパ部は必ずしも外周面から離間していなくとも構わない。
また、請求項7の発明では、使用者が着座するための少なくとも座部と背もたれ部とを備えるとともに、本体フレームに対して前輪及び後輪を装着した車椅子において、前記本体フレームの下部位置には床面等の転動面に接地される転動輪と、同転動輪を回動可能に支持する支持体と、同支持体を下方に向かって付勢させる付勢手段と、同支持体を同転動輪とともに上下方向に移動可能に支持する支持フレームと、同支持フレームに対して取り付け基部を中心に上下方向に揺動可能に取着され、同支持体と同転動輪の間にストッパ部が形成された先端寄りが挿入されたストッパレバーとを備えたブレーキ装置を配設し、同ブレーキ装置は使用者が前記座部に着座していない際には前記支持体が前記付勢手段の付勢力によって下動することに連動して前記ストッパレバーが押動されて同ストッパレバーの前記ストッパ部が同転動輪の外周面に当接して同転動輪を制動し、使用者が前記座部に着座している際には同付勢手段の付勢力に抗して同支持体が相対的に上動して同ストッパ部の制動が解除されるようにしたことをその要旨とする。
このような構成のブレーキ装置が装着された車椅子では、まず使用者が座面に着座していない場合には車椅子の荷重のみが転動輪にかかることとなるが、付勢手段はこの荷重では付勢方向と逆方向に押し戻されることはなく支持体を押圧するため転動輪は支持体とともに下動してストッパレバーを押動する。つまり、ストッパレバーは取り付け基部を中心に下方に揺動されストッパ部が転動輪の外周面に圧接されるため転動輪は制動される。
この際にブレーキ装置はその転動輪は前輪又は後輪の少なくとも1つの車輪よりも下方位置に進出させておくように配設される必要がある。つまり、使用者の着座によって車椅子が下がることができるように転動輪に上がり代を与えておく必要があるからである。
尚、支持体が付勢手段の付勢力によって下動する際には直接支持体に押動されなくとも間接的にストッパレバーが押動されるような構造も含む。
一方、使用者が着座している場合には車椅子が転動輪の上がり代の分だけ下がることとなる。従って、付勢手段の付勢力(弾性エネルギー)は少なくとも車椅子の荷重(荷重の一部は他の車輪に分配されるので全荷重ではない)を受けてもたわまず、車椅子の荷重に使用者の体重が加わった荷重によってたわむように設定する必要がある。
この際に付勢手段はこの使用者の体重が加わった荷重によって付勢方向と逆方向に押し戻され、支持体が相対的に上動してストッパレバーへの押圧力がなくなりストッパ部による制動が解除される。この状態では転動輪の制動力は消失するため車椅子は走行可能となる。つまり、制動が解除された転動輪は前輪及び後輪と一緒に転動面に接地されて回転可能となる。ここに「相対的に上動」としたことについては上記と同様の理由である。
また、着座の際に支持体が上動ればそれによってストッパ部の転動輪の外周面に対する制動が解除されることとなるため、ストッパ部は必ずしも外周面から離間していなくとも構わない。
また、請求項8の発明では請求項7に記載の発明の構成に加え、前記ストッパレバーは上動方向に付勢されており、前記支持体が相対的に上動した際には同ストッパレバーは上方に向かって揺動することをその要旨とする。
このように構成することによって、使用者が座面に着座した際に支持体が相対的に上動してストッパレバーから離間するとストッパレバーは自らその付勢力で積極的に上方に揺動してストッパ部を転動輪の外周面から離間した位置に待避させるため、確実に制動が解除されることとなる。
また、請求項9の発明では請求項7に記載の発明の構成に加え、前記ストッパレバーは先端寄りで前記支持体に連結されており、前記支持体が相対的に上動した際には同ストッパレバーの前記ストッパ部が同転動輪の外周面から離間することをその要旨とする。
このように構成することによって、使用者が座面に着座した際に支持体が相対的に上動するとその上動に従ってストッパレバーのストッパ部が形成された先端寄りが転動輪の外周面から離間した位置に待避することとなり、確実に制動が解除されることとなる。
また、請求項10の発明では請求項2〜9のいずれかに記載の発明の構成に加え、前記座部及び背もたれ部は折り畳み可能な可撓性材質から構成されるとともに、前記本体フレームは左右に配置される一対の車輪支持フレームと、同両車輪支持フレームを連結する左右方向に伸縮可能な連結部材から構成されており、前記各後輪は同車輪支持フレームの外側方においてそれぞれ支持される一方、前記ブレーキ装置は同車輪支持フレームの同後輪よりも内側位置に配設され、同連結部材の収縮に伴って同ブレーキ装置を上動させて前記転動輪を転動面から離間させるようにしたことをその要旨とする。
このような構成によって車椅子の収納時に車輪支持フレームを接近させて横幅を小さくした際にブレーキ装置は上動して転動輪が転動面から離間するため、制動が解除されて車椅子を搬送することが可能となる。
ここに「左右方向に伸縮可能」な連結部材とは折り畳まれたり、筒状体が入れ子になってスライド移動することで左右方向の全長が変化する場合をいうものとする。
上記各請求項の発明では、ワイヤによる駆動伝達が不要となるためワイヤ調整のためのメンテナンスが不要となるとともに、ブレーキ装置単独で制動が可能なため後付けすることも可能となり、設計上も有利である。
以下、本発明の車椅子用ブレーキ装置及びそのブレーキ装置が取り付けられた車椅子の一実施の形態について図面に基づいて説明する。
(実施の形態1)
実施の形態1についてまず、ブレーキ装置1について説明する。
図3〜図6に示すように、ブレーキ装置1は外形直方体形状のケース2を備えている。ケース2は本体3と蓋4とから構成されている。本体3は背板3a、側面板3b及び底板3cから構成されている。蓋4は前面板4a及び天板4bから構成されている。蓋4は本体3に対してボルト5によって固着されている。背板3a及び前面板4aの中央下部位置には上下方向に延びる同形状の長孔6が対向して形成されている。
ケース2は本体3に形成された隔壁7によって上部ハウジング8aと下部ハウジング8bに分割されている。底板3cには長方形形状の下部突出口9が形成されている。底板3cと側面板3bとのコーナー位置であって下部突出口9を挟む位置には斜状体及び当接体としての合金製の一対の当接ブロック10が配設されている。当接ブロック10は斜状の当接部としての当接面10aを備え、両当接面10aの最下部は下部突出口9の両縁と一致されている。両当接ブロック10の当接面10aは対向配置されており両当接面10aの間隔は上方寄りほど拡開されている。
天板4b及び隔壁7の中央位置には上下に連通する透孔11,12が形成されている。上方側の透孔11に対して下方側の透孔12は大径に形成されている。両透孔11,12にはピン13が挿通されている。ピン13の上端には上部固定ボルト13aが固着されておりピン13の透孔11からの脱落が防止されている。ピン13の下端は下部ハウジング8b内において軸受け金具15に対して下部固定ボルト13bによって連結されている。軸受け金具15はコ字状に形成された板状部材であって、対向配置された一対の軸受けプレート16と両軸受けプレート16を連結する連結プレート17から構成されている。
両軸受けプレート16間には転動輪18の車軸19が軸支されている。転動輪18は軸受け部20と同軸受け部20に嵌着された合成ゴム製のタイヤ本体21から構成されており、軸受け部20は車軸19に対して回動自在に軸支されている。車軸19のヘッド部19aと車軸19先端に締着されたナット22はそれぞれ前記背板3a及び前面板4aに形成された長孔6位置に配置されている。転動輪18の直径は下部突出口9の開口幅よりも若干小さく構成されており、図4に示すように制動状態で転動輪18の約1/3程度が下部突出口9から下面に露出されるようになっっている。
連結プレート17の上面には円筒形状の合金製ブシュ25がピン13に挿嵌された状態で配置されている。ブシュ25は下部ハウジング8b側から透孔12を貫通して上部ハウジング8a側に露出されている。
ピン13の外周位置にはコイルバネ26が配設されている。コイルバネ26は天板4bとブシュ25の間に付勢状態で装着され、天板4bを基準としてブシュ25を常時下方に押圧している。
尚、透孔11,12は転動輪18が上下動する際のピン13及びブシュ25のスライド移動の案内をする。
次に、このような構成のブレーキ装置1が搭載された車椅子31について説明する。
図1及び図2に示すように、車椅子31は本体フレーム32を備えている。本体フレーム32は左右の縦フレーム33とこれを連結する連結部材としての折り畳みフレーム35から構成されている。車輪支持フレームとしての縦フレーム33はアルミ合金製のパイプ材を溶接して構築された平板状の枠体とされている。縦フレーム33は前後に立設された前脚及び後脚フレーム36,37とこれら脚フレーム36,37と交差する座部フレーム38及び下部フレーム39によって骨格が形成されている。前脚フレーム36の下端位置には前輪としてのキャスター40が配設されている。後脚フレーム37の上部にはハンドル部41が形成されている。ハンドル部41には主として介護者が操作するためのブレーキレバー42が併設されている。ブレーキレバー42によって駆動されるブレーキ装置については図示を省略する。両後脚フレーム37の下部寄り外側位置には後輪43が配設されている。後輪43には使用者が自走するためのハンドリム44が併設されている。
前脚フレーム36の上部寄りは徐々に水平となるように屈曲形成されて後脚フレーム37に連結されている。前脚フレーム36の後脚フレーム37に連結された水平部分を肘掛フレーム45とする。肘掛フレーム45と座部フレーム38とによって包囲される面には補強用のアルミ合金製の側面プレート46が配設されている。座部フレーム38及び下部フレーム39の前方位置には下垂される足乗せ用フレーム47が配設されており、同足乗せ用フレーム47の下部位置には跳ね上げ式の足乗せプレート48が配設されている。
両座部フレーム38間には可撓性のある布製の座面49が張設されている。両後脚フレーム37間であって座部フレーム38とハンドル部41の間には可撓性のある布製の背もたれ部50が張設されている。図1において手前側の座部フレーム38の外側方には使用者が操作するためのブレーキレバー51が併設されている。
折り畳みフレーム35は両後脚フレーム37間に配設され互いに交差する主フレーム53と補助フレーム54を備え、主フレーム53を立設方向に折り畳むことで縦フレーム33を相互に接近させる。
このような構成の車椅子31において左右一対の上記ブレーキ装置1が両後脚フレーム37の内側位置に配設されている。図6に示すように、後脚フレーム37には内側に突起するボルト部55が形成されており、ブレーキ装置1は取り付けプレート56を介してワッシャ57及び止めナット58によって同ボルト部55に対して吊り下げ状に固着されている。
次に、このような構成の車椅子31の作用について説明する。
図1及び図2に示すように、車椅子31の使用可能状態(使用者がまだ着座していない状態)においては床面等の水平な転動面Gに対してキャスター40及びブレーキ装置1の転動輪18の両輪は接地状態にあり、後輪43は若干浮いた状態とされている。このように使用者が車椅子31に着座していない場合には転動輪18は図4に示すように下部突出口9から突出した状態でコイルバネ26に付勢されて当接ブロック10の当接面10aに押しつけられることとなるため、転動輪18は当接面10aとの間の摩擦力で制動されることとなる。この際にコイルバネ26の付勢力はコイルバネ26にかかる車椅子31の重量によってコイルバネ26が付勢方向(伸びる方向)とは逆に収縮して転動輪18が上動してしまわない程度の弾性エネルギーを備えていることが必要となる。
一方、使用者が車椅子31に着座した場合には図5に示すようにコイルバネ26は使用者の体重が加わって収縮し、転動輪18はケース2に対して相対的に上動して(実際にはケース2が沈む)当接ブロック10の当接面10aから離間する。この時、図5に示すように浮き上がっていた後輪43は転動面Gに接地される。つまり、転動面Gにはキャスター40、後輪43及び制動が解除された転動輪18が接地することとなりこれらの車輪18,43の回転が許容される。
また、車椅子31は折り畳みフレーム35の主フレーム53を立設方向に折り畳むことで縦フレーム33を相互に接近させて収納用に横幅を縮小することが可能である。縦フレーム33は上部寄りで座面49と背もたれ部50によって連結されており、これら座面49及び背もたれ部50は可撓性があるため縦フレーム33間において畳まれた状態でクッション材として機能する。そのため両縦フレーム33が互いに接近した状態で折り畳みフレーム35はしっかりと畳まれるものの座面49及び背もたれ部50はそのクッション性によって折り畳みフレーム35を外方に押し戻すように作用する。つまり、図7に示すように後輪43を支点として縦フレーム33上方は若干外方に倒れて縦フレーム33を下窄まりの略V字状に保持させるようになる。
つまり、図8に示すように後輪43を支点として縦フレーム33は傾斜するため縦フレーム33の内側位置に配設されているブレーキ装置1は上方に回動させられ転動輪18は転動面Gから浮き上がり量Lだけ離間する。これによって転動輪18の制動が解除されて折り畳んだ状態の車椅子31をキャスター40及び後輪43を転動させて搬送することが可能となる。
上記のように構成することにより本実施の形態1では次のような効果が奏される。
(1)従来のこの種の着座することで自動的にブレーキのかかる車椅子のようにワイヤを必要としないため、ワイヤの調整が不要となる。また、ケース2を所定位置に取り付けるだけであるためこの種のブレーキ装置を有していない車椅子に後付けで追加的に取り付けることが可能である。
(2)転動輪18が上下動するだけの単純な構造であるため故障しにくい。
(3)転動輪18は制動が解除される際に当接ブロック10の当接面10aと徐々に離間するため、急激に制動が解放されることがなく、急に車椅子31が動き出してしまうことがないので乗降に際して便利である。また、転動輪18は当接面10aと面接触するため、制動力が大きい。
(4)転動輪18は車軸19のヘッド部19aと車軸19が背板3a及び前面板4aに形成された長孔6内に配置されているため転動輪18がケース2内で相対的に上下方向に移動する際にがたつかずに案内されることとなる。
(5)ブレーキ装置1は後輪43と重複した位置に配置されている。つまり、最も使用者の体重がかかる位置に配設されることとなるため、着座状態では確実に制動が解除されることとなる。一方、使用者が車椅子31から降りる際には荷重は前寄りに移動することとなって徐々にブレーキ装置1がかかるようになるため降りやすい。
(6)車椅子31のを収納のために縦フレーム33を相互に接近させた際には転動輪18が転動面Gから離間するため、車椅子31のキャスター40及び後輪43を転動させて搬送することが可能となる。
(実施の形態2)
実施の形態2は実施の形態1においてブレーキ装置1内部の当接ブロック10及びその周辺の構造を変更した態様である。特に変更した部分を中心に説明し、他の部分については実施の形態1と同様であるため詳しい説明を省略する。
図9に示すように、ブレーキ装置1のケース2内には転動輪18の外周面と当接する前後一対の合金製の当接ブロック61が底板3cと側面板3bとのコーナー位置であって下部突出口9を挟む位置に配設されている。コマ部材としての当接ブロック61は転動輪18と当接する当接面61aが斜状に構成されており、対向配置された両当接面61aの間隔は上方寄りほど拡開されている。
当接ブロック61の底面には断面円形形状の棒状のスライドピン62が突出形成されている。図9に示すように、スライドピン62は当接ブロック61が底板3c上に載置された状態で同底板3cに形成された透孔(図示せず)に遊嵌されて下方側に延出されている。スライドピン62の下端には抜け止め防止用のボルト63が固着されている。従って、当接ブロック61は底板3c上に載置された状態からスライドピン62のボルト63が底板3cの裏面に当たるまでのストローク間で上下動可能とされている。
このような構成のブレーキ装置1について特に当接ブロック61の作用を中心に説明する。
図9に示すように、使用者が着座していない状態では上記実施の形態1と同様、転動輪18の外周面は当接ブロック61の当接面61aに当接して制動されている。
この状態で図1において右方、つまり前方乗り込み方向から乗り込む場合には一般に矢印のように後方斜め下方に向かって荷重をかけることとなる。つまり前後方向のベクトル分が発生することとなる。この荷重を受けて図10(a)に示すように、ブレーキ装置1のケース2は沈み、相対的に転動輪18は上動することとなる。同時にこの際に転動輪18はハンドル側に押動されることになるので図上左側(つまり後方側)の当接ブロック61Aの当接面61aに当接しながら転動輪18は相対的に上動することになる。すると、転動輪18の上動に伴って当接ブロック61は側面板3bに案内されながら一緒に上方に移動することとなる。従って、荷重がかかっても転動輪18は当接ブロック61Aによって制動され続けることとなる。図上右側(つまり前方側)の当接ブロック61Bは上動せずそのままである。
更に、荷重がかかると転動輪18は徐々に上動していくが、当接ブロック61Aは図10(b)のようにスライドピン62のボルト63によって規制されてそれ以上の上動はできなくなる。そのため、この段階で転動輪18の制動は解除されることとなり転動輪18は更に上動し後輪43が接地される。一方、当接ブロック61Aは自重で落下する(図10(c)の状態)。
このような実施の形態2の構成では、上記実施の形態1の効果に加え荷重に前後方向のベクトルがわずかでも加わっていると当接ブロック61Aと転動輪18との当接状態(制動状態)が継続されることとなるので、車椅子31への乗り込みの際や降りる際のような動作をする際に制動が確実にされることとなって非常に乗り降りがしやすくなるという特有の効果が奏されることとなる。
(実施の形態3)
実施の形態3はブレーキ装置1の転動輪88に対する制動手段を実施の形態1及び2とは異なる態様で実施したものである。特に変更した部分を中心に説明し、車椅子31の構成全体の説明については実施の形態1及び2と同様であるため詳しい説明を省略する。
図11〜14に示すように、ブレーキ装置1は外形略直方体形状のケース72を備えている。ケース72は本体73と蓋74とから構成されている。本体73は背板73a、上部側面板73b及び下部側面板73cから構成されている。蓋74は前面板74a及び天板74bから構成されている。蓋74は本体73に対してボルト75によって固着されている。ケース72は本体73に形成された隔壁77によって上部ハウジング78aと下部ハウジング78bに分割されている。下部ハウジング78bは下方が開放されて下部突出口79を形成している。
天板74b及び隔壁77の中央位置には上下に連通する透孔81,82が形成されている。上方側の透孔81に対して下方側の透孔82は大径に形成されている。両透孔81,82にはピン83が挿通されている。ピン83の下端は下部ハウジング78b内において支持体としての軸受け金具85に対して連結されている。軸受け金具85はコ字状に形成された板状部材であって、対向配置された一対の軸受けプレート86と両軸受けプレート86を連結する連結プレート87から構成されている。
両軸受けプレート86間には転動輪88の車軸89が軸支されている。転動輪88は軸受け部90と同軸受け部90に嵌着された合成ゴム製のタイヤ本体91から構成されており、軸受け部90は車軸89に対して回動自在に軸支されている。転動輪88の直径は下部突出口79の開口幅よりも若干大きく構成されており、図12に示すように使用者が着座した状態で転動輪88の約3/4程度が下部突出口79から下面に露出されるようになっっている。
連結プレート87の上面には合金製の内ブシュ95がピン83に挿嵌された状態で配置されている。内ブシュ95の外周には外ブシュ96が配置されている。内ブシュ95は下部ハウジング78b側から透孔82を貫通して上部ハウジング78a側に露出されている。
ピン83の外周位置にはコイルバネ97が配設されている。コイルバネ97は天板74bと内ブシュ95の間に付勢状態で装着され、天板74bを基準として内ブシュ95を常時下方に押圧している。
尚、透孔81,82は転動輪88が上下動する際のピン83及び内ブシュ95のスライド移動の案内をする。
下部ハウジング78b内において左右の下部側面板73cの内側面には互いに対向する方向に延出される一対のストッパレバー98A,98Bが配設されている。両ストッパレバー98A,98Bの基部は下部側面板73cに対して蝶番100によって連結されており、その結果両ストッパレバー98A,98Bは蝶番100を中心に上下方向に揺動可能とされている。図15に示すように、蝶番100にはコイルバネ101が併設され、両ストッパレバー98A,98Bは同コイルバネ101によって蝶番100を中心に常時上方に回動するように付勢されている。
両ストッパレバー98A,98Bは転動輪88と連結プレート87の間に挿入されている。図13に示すように、図上左方のストッパレバー98Aの先端寄りはフォーク状に分岐した分岐部101とされ、分岐部102の先端から下方に向かって下垂した押圧部99が形成されている。図上右方のストッパレバー98Bの先端寄りは本体部分に対して狭い幅狭部103とされ、幅狭部103先端から下方に向かって同様に押圧部99が形成されている。右方のストッパレバー98Bの幅狭部103は左方のストッパレバー98Aの分岐部102の間に前後方向に重複するように配置されている。
このような構成のブレーキ装置1が搭載される車椅子31の詳しい構成については実施の形態1と同様であるため説明は省略し、ブレーキ装置1の車椅子31への取り付け構造のみを説明する。
左右一対のブレーキ装置1は車椅子31の両後脚フレーム37の内側位置に配設されている。図14に示すように、後脚フレーム37には内側に突起するボルト部55が形成されており、ブレーキ装置1は取り付けプレート56を介してワッシャ57及び止めナット58によって同ボルト部55に対して吊り下げ状に固着されている。更に、取り付けバンド105a,105bによってケース72が後脚フレーム37に対してしっかりと固定されている。
次に、このような構成の車椅子31の作用として特に実施の形態3に特化した転動輪88の制動作用について説明する。
車椅子31の使用可能状態(使用者がまだ着座していない状態)においては床面等の水平な転動面Gに対してキャスター40及びブレーキ装置1の転動輪88の両輪は接地状態にあり、後輪43は若干浮いた状態とされている。
このように使用者が車椅子31に着座していない場合には図11に示すように軸受け金具85はコイルバネ26に付勢されて下動させられている。そして、軸受け金具85の連結プレート87は両ストッパレバー98A,98Bの上面先端寄り位置を押動する。そのため、両ストッパレバー98A,98Bは蝶番100を基部として下方に揺動させられその押圧部99下端が転動輪88のタイヤ本体91外周面に押しつけられることとなる。その結果、転動輪88は押圧部99との間の摩擦力で制動される。この際にコイルバネ87の付勢力はコイルバネ87にかかる車椅子31の重量によってコイルバネ87が付勢方向(伸びる方向)とは逆に収縮して転動輪88が上動してしまわない程度の弾性エネルギーを備えていることが必要となる。
一方、使用者が車椅子31に着座した場合には図12に示すようにコイルバネ97は使用者の体重が加わって収縮し、軸受け金具85は転動輪88とともにケース2に対して相対的に上動する(実際にはケース2が沈む)。すると、今まで連結プレート87に押さえられていた両ストッパレバー98A,98Bへの押圧力が開放される。連結プレート87の上動に伴って両ストッパレバー98A,98Bは自身コイルバネ101の付勢力によって蝶番100を基部として上方に揺動する。これによって両ストッパレバー98A,98Bの押圧部99はタイヤ本体91外周面から完全に離間することとなる。この時、図12に示すように浮き上がっていた後輪43は転動面Gに接地される。つまり、転動面Gにはキャスター40、後輪43及び制動が解除された転動輪88が接地することとなりこれらの車輪88,43の回転が許容される。
上記のように構成することにより本実施の形態3では次のような効果が奏される。
(1)従来のこの種の着座することで自動的にブレーキのかかる車椅子のようにワイヤを必要としないため、ワイヤの調整が不要となる。また、ケース72を所定位置に取り付けるだけであるためこの種のブレーキ装置を有していない車椅子に後付けで追加的に取り付けることが可能である。
(2)転動輪88が上下動するだけの単純な構造であるため故障しにくい。
(3)実施の形態1や2とは異なり転動輪88は上方側で制動されるため、転動輪88の下方側で制動する実施の形態1や2とは異なり下部ハウジング78bの下端位置をかなり上方位置とすることが可能となる。そのため整地されてなかったり凹凸があるような転動面Gであってもケース72が転動面Gに接触せず、転動面Gに接触することが原因でブレーキ装置1に不具合が生じるということがない。
(4)両ストッパレバー98A,98Bは連結プレート87の押さえがなくなると自ら上方に揺動してタイヤ本体91外周面から完全に離間することとなる。もちろん、押圧部99がタイヤ本体91外周面から離間しなくとも制動は解除されるのであるが、このように構成することで更に確実に押圧部99を非制動状態に保持できることとなる。
尚、この発明は、次のように変更して具体化することも可能である。
・ブレーキ装置1の構成や車椅子31の構成は一例であって、他の態様で実施することは自由である。
・当接ブロック10,61の形状は上記に限定されることはない。また、ケース2自体に当接ブロックの当接面10a,61aのような加工を施すことも自由である。
・上記当接ブロック10,61は基本構成としては必ずしも必須ではない。当接ブロック10,61が配設されていない場合には転動輪18は下部突出口9の両縁と線状に接することとなる。
・付勢手段として上記実施の形態では具体的にコイルバネ26を使用したが、他の手段、例えば板バネやダンパー装置等を使用することも自由である。
・転動輪18と当接ブロック10や下部突出口9の両縁との間の制動力を向上させるため、転動輪18の外周面にローレット目や溝等を形成するようにしてもよい。
・上記実施の形態ではブレーキ装置1は後輪43の内側に2台配設するようにしたが、1台でもあるいは3台以上を配設するようにしても構わない。
・上記実施の形態ではブレーキ装置1は後輪43の内側に配設したが、キャスター40に隣接した位置に配設するようにしても構わない。
・ブレーキ装置1の取り付け手段として上記以外で構成してもよい。
・上記ケース2,72の材質は特に問われない。例えばフレームを組み合わせて構成したりやパンチングメタルで構成されていても構わない。
上記実施の形態3においてストッパレバー98A,98Bはコイルバネ101の付勢力によって蝶番100を基部として上方に揺動するようになっていた。これを図18及び図19に示すように連結ピン111を介してストッパレバー98A,98Bの先端寄りを連結プレート87に連結させて、連結プレート87の上動に連動して上方に揺動させるようにしてもよい。
図16に示すように、3本の連結ピン111は脱落防止用のヘッド112と先端に雄ネジ112aが形成された本体113から構成されている。連結プレート87の底面には前後方向に3つのナット112が固着されており、連結ピン111はナット110に対して雄ネジ112aによってヘッド112側が下垂されている。図17に示すように、両ストッパレバー98A,98Bの先端寄りには3箇所に透孔113が形成されている。連結ピン111は各透孔113に挿通されている。
このような構成であれば連結プレート87が下動した際でも連結ピン111はが連結プレート87の両ストッパレバー98A,98Bの押動の邪魔になることはなく、連結プレート87が上動した際には上動に伴ってヘッド112によって両ストッパレバー98A,98Bは上方に揺動させられることとなる。その結果、押圧部99をタイヤ本体91外周面から離間させることが可能となる。
尚、ここに記載したストッパレバー98A,98Bと連結プレート87との連結手段は一例であり、他の態様で実施することは自由である。
・上記時においては左右両側にストッパレバー98A,98Bを配置した。これはストッパレバー98A,98Bを押圧する連結プレート87の左右幅と連結プレート87のストローク量の関係からいずれか一方のストッパレバー98A,98Bだけでは十分な制動力(摩擦力)が得られないことによる。そのため十分な制動力が得られるのであればいずれか一方のストッパレバー98A,98Bだけでも構わない。
・ストッパレバー98A,98Bの形状は上記に限定されるものではない。
・その他、本発明の趣旨を逸脱しない態様で実施することは自由である。
本発明の実施の形態の車椅子の側面図。 同じ車椅子の背面図。 本発明の実施の形態1のブレーキ装置の図4のB−B線での断面図。 同じブレーキ装置の図3のA−A線での断面図(a)はピンの縦断面図、(b)は横断面図。 図4の状態から転動輪が上動した状態の断面図。 同じブレーキ装置の配設状態を説明する分解斜視図。 同じ車椅子の収納可能状態における背面図。 図7の一部拡大説明図。 実施の形態2のブレーキ装置の断面図。 (a)〜(c)は荷重をかけた際の転動輪と当接ブロックの位置関係を説明する説明図。 実施の形態3のブレーキ装置の断面図。 図11の状態から転動輪が上動した状態の断面図。 図12のA−A線での平断面図。 同じブレーキ装置の配設状態を説明する分解斜視図。 ストッパレバーの基部付近を上方視した状態の説明図。 他の実施の形態において連結ピンの連結方法を説明する説明図。 他の実施の形態のストッパレバーの平面図。 他の実施の形態におけるストッパレバーの上方への揺動を説明する説明図。 他の実施の形態におけるストッパレバーの上方への揺動を説明する説明図。
符号の説明
1…ブレーキ装置、9…下部突出口、10a…当接部としての当接面、15…支持体としての軸受け金具、18、88…転動輪、26、97…付勢手段としてのコイルバネ、31…車椅子、32…本体フレーム、40…前輪としてのキャスター、43…後輪、49…座部、50…背もたれ部、85…支持体としての軸受け金具、87…支持体としての連結プレート、98A、98B…ストッパレバー、99…ストッパ部としての押圧部、85…支持体としての軸受け金具、87…支持体としての連結プレート。

Claims (10)

  1. 使用者が着座するための少なくとも座部と背もたれ部とを備えるとともに、本体フレームに対して前輪及び後輪を装着した車椅子の下部位置に装着されるブレーキ装置において、
    床面等の転動面に接地される転動輪と、同転動輪を回動可能に支持する支持体と、同支持体を下方に向かって付勢させる付勢手段と、同支持体の下方に配置され同転動輪の直径よりも狭い開口幅を有して同転動輪下部を突出させる下部突出口とを備えるとともに、
    前記転動輪は前記支持体が前記付勢手段の付勢力に基づいて押圧させられた状態で前記下部突出口の両側に形成された当接部とその外周面が当接する第1の位置と、同付勢手段の付勢力に抗して同支持体が同第1の位置から相対的に上動した際に同転動輪の外周面が同当接部から離間する第2の位置とを取りうることを特徴とする車椅子用ブレーキ装置。
  2. 使用者が着座するための少なくとも座部と背もたれ部とを備えるとともに、本体フレームに対して前輪及び後輪を装着した車椅子において、
    前記本体フレームの下部位置には床面等の転動面に接地される転動輪と、同転動輪を回動可能に支持する支持体と、同支持体を下方に向かって付勢させる付勢手段と、同支持体の下方に配置され同転動輪の直径よりも狭い開口幅を有する下部突出口とを備えたブレーキ装置を配設し、
    同ブレーキ装置の同転動輪は下部突出口から突出して床面と接するとともに、使用者が前記座部に着座していない際には前記支持体が前記付勢手段の付勢力に基づいて下方に押圧させられ前記下部突出口の両側に形成された当接部と同転動輪の外周面が当接し、使用者が前記座部に着座している際には同付勢手段の付勢力に抗して同支持体が相対的に上動して同転動輪の外周面が同当接部から離間するようにしたことを特徴とするブレーキ装置付き車椅子。
  3. 前記ブレーキ装置は前記後輪の床面への当接位置付近に配設されることを特徴とする請求項2に記載のブレーキ装置付き車椅子。
  4. 前記下部突出口の両側に形成された当接部は上方ほど拡開されるように対面配置された少なくとも一方が斜状に形成された対向部であることを特徴とする請求項2又は3に記載のブレーキ装置付き車椅子。
  5. 前記対向部は上下動可能なコマ部材に形成されていることを特徴とする請求項4に記載のブレーキ装置付き車椅子。
  6. 使用者が着座するための少なくとも座部と背もたれ部とを備えるとともに、本体フレームに対して前輪及び後輪を装着した車椅子の下部位置に装着されるブレーキ装置において、
    床面等の転動面に接地される転動輪と、同転動輪を回動可能に支持する支持体と、同支持体を下方に向かって付勢させる付勢手段と、同支持体を同転動輪とともに上下方向に移動可能に支持する支持フレームと、同支持フレームに対して取り付け基部を中心に上下方向に揺動可能に取着され、同支持体と同転動輪の間にストッパ部が形成された先端寄りが挿入されたストッパレバーとを備えるとともに、
    前記転動輪は前記支持体が前記付勢手段の付勢力によって下動することに連動して前記ストッパレバーが押動されて同ストッパレバーの前記ストッパ部が同転動輪の外周面に当接して同転動輪を制動する第1の位置と、同付勢手段の付勢力に抗して同支持体が相対的に上動して同ストッパ部の制動が解除される第2の位置とを取りうることを特徴とする車椅子用ブレーキ装置。
  7. 使用者が着座するための少なくとも座部と背もたれ部とを備えるとともに、本体フレームに対して前輪及び後輪を装着した車椅子において、
    前記本体フレームの下部位置には床面等の転動面に接地される転動輪と、同転動輪を回動可能に支持する支持体と、同支持体を下方に向かって付勢させる付勢手段と、同支持体を同転動輪とともに上下方向に移動可能に支持する支持フレームと、同支持フレームに対して取り付け基部を中心に上下方向に揺動可能に取着され、同支持体と同転動輪の間にストッパ部が形成された先端寄りが挿入されたストッパレバーとを備えたブレーキ装置を配設し、
    同ブレーキ装置は使用者が前記座部に着座していない際には前記支持体が前記付勢手段の付勢力によって下動することに連動して前記ストッパレバーが押動されて同ストッパレバーの前記ストッパ部が同転動輪の外周面に当接して同転動輪を制動し、使用者が前記座部に着座している際には同付勢手段の付勢力に抗して同支持体が相対的に上動して同ストッパ部の制動が解除されるようにしたことを特徴とするブレーキ装置付き車椅子。
  8. 前記ストッパレバーは上動方向に付勢されており、前記支持体が相対的に上動した際には同ストッパレバーは上方に向かって揺動することを特徴とする請求項7に記載のブレーキ装置付き車椅子。
  9. 前記ストッパレバーは先端寄りで前記支持体に連結されており、前記支持体が相対的に上動した際には同ストッパレバーの前記ストッパ部が同転動輪の外周面から離間することを特徴とする請求項7に記載のブレーキ装置付き車椅子。
  10. 前記座部及び背もたれ部は折り畳み可能な可撓性材質から構成されるとともに、前記本体フレームは左右に配置される一対の車輪支持フレームと、同両車輪支持フレームを連結する左右方向に伸縮可能な連結部材から構成されており、
    前記各後輪は同車輪支持フレームの外側方においてそれぞれ支持される一方、前記ブレーキ装置は同車輪支持フレームの同後輪よりも内側位置に配設され、同連結部材の収縮に伴って同ブレーキ装置を上動させて前記転動輪を転動面から離間させるようにしたことを特徴とする請求項2〜9のいずれかに記載のブレーキ装置付き車椅子。
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