JP2007280899A - 有機発光表示装置及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】エッジグロース現象の発生を防止した有機発光表示装置及びその製造方法を提供する。
【解決手段】透光性ガラス基板SUBの主面内に複数の有機発光層OLEを有し、有機発光層OLEの各々は透光性ガラス基板SUBの主面上に形成された陽極ANDと、複数の陽極ANDを覆って形成され、且つ発光能を有する有機発光層OLEと、この有機発光層OLD上に複数の有機発光層OLEに共通に形成され陰極CTDとを含み、複数の有機発光層OLEは相互間がバンクBNKにより区画され、有機発光層OLEからの発光を陽極ANDを介して透光性ガラス基板SUB側に出射する有機発光表示装置において、バンクBNKに囲まれた陽極AND上に光触媒層TOと弗素含有層FOとを有し、バンクBNKに含まれる弗素の濃度のピークが、バンクBNKに含まれる光触媒の濃度のピークよりもバンクBNKの表面に存在している。
【選択図】図7
【解決手段】透光性ガラス基板SUBの主面内に複数の有機発光層OLEを有し、有機発光層OLEの各々は透光性ガラス基板SUBの主面上に形成された陽極ANDと、複数の陽極ANDを覆って形成され、且つ発光能を有する有機発光層OLEと、この有機発光層OLD上に複数の有機発光層OLEに共通に形成され陰極CTDとを含み、複数の有機発光層OLEは相互間がバンクBNKにより区画され、有機発光層OLEからの発光を陽極ANDを介して透光性ガラス基板SUB側に出射する有機発光表示装置において、バンクBNKに囲まれた陽極AND上に光触媒層TOと弗素含有層FOとを有し、バンクBNKに含まれる弗素の濃度のピークが、バンクBNKに含まれる光触媒の濃度のピークよりもバンクBNKの表面に存在している。
【選択図】図7
Description
本発明は、一対の電極間に有機発光層を設け、一対の電極により有機発光層に電界を印加させて発光させる複数の有機発光素子を有する有機発光表示装置に係わり、特に有機発光素子の非発光部としての隔壁(バンクとも称する)構造及びその形成方法に関するものである。
近年、大型のパネルディスプレイ(所謂、平板型表示装置、以下、パネルディスプレイを単にパネルとも称する)への適用が期待される高分子系エレクトロルミネセンスパネル(有機発光(EL)表示装置、以下、単に有機ELパネルまたはOLEDとも称する)または薄膜トランジスタ等の半導体素子を含む各種の電子装置の活性領域等の構成層の形成にインクジェット塗布方式(以下、単にインクジェット法またはIJ法と称する)の応用が考えられている。
IJ法は、微小領域に均一な薄膜を形成するために適した塗布方法である。例えば、フルカラーの有機ELパネルでは、一般に、R,G,B3色の各副画素(サブピクセル)で一つのカラー画素(ピクセル)を構成する。なお、有機ELパネルは、有機EL素子と称する場合もあるが、ここでは有機ELパネルと表記する。
従来、有機ELパネルの製造方法として、(1)真空蒸着法による低分子材料の成膜と、(2)インクジェット(IJ)法やスクリーン印刷法等の湿式法による高分子材料の成膜との2種類が知られている。しかし、真空蒸着法を大型画面サイズの有機ELパネルの製造に適用することは、蒸着マスクの大型化を伴うことから、困難である。また、マスクを用いることから、材料利用効率が低いという問題がある。一方、高分子材料は、精製が困難であり、寿命が短い(特に青色)という問題がある。
IJ法により電極間に薄膜状の有機発光層を形成する塗布型有機EL素子を作製する場合には、画素内にインクを閉じ込めるために画素を取り囲むように隔壁(バンク)を形成することが必要である。また、この際、IJノズルから吐出したインクが狙った画素形成領域から溢れて隣接画素形成領域に飛散して混色することを防ぐためにバンクに撥水化処理を施すことが不可欠である。
従来、高分子塗布型有機ELのバンクの作製方法としては、SiO2などの無機層の上にポリイミドやアクリル樹脂などの有機物をスピン塗布法により成膜し、ホトリソグラフィ法によりパターン化した後、弗素プラズマ処理を施し、撥水性を付与する方法が一般的であった。しかし、塗布法で形成した有機物によるバンクは、塗布用有機溶剤を吸着しているので、バンク内部の残留溶剤が有機EL素子の駆動過程でガスが発生し、画素形成領域内のバンクに接する部分から非発光領域が拡大するエッジグロース現象が発生し易くなり、信頼性に問題がある。
このような問題を解決するために蒸着型有機EL素子の製造工程において、無機物を用いてドライプロセス法によりバンクを作製する技術が下記特許文献1に開示されている。
また、特許文献2には、基材と、この基材上に形成され、少なくとも光触媒、金属微粒子及び特性付与剤を含有し、エネルギー照射により特性が変化する特性変化層とを有し、特性変化層は特性変化層の特性がパターン状に変化した特性変化パターンになっており、その特性変化パターンの上に機能性部として有機EL層を備えている有機EL素子が開示されている。
また、バンクの新規撥水化処理方法については、下記非特許文献1が発表されている。この非特許文献1では、シロキサンの主鎖にフルオロアルキル基を側鎖に持つバインダー中に分散させた酸化チタン(TiO2)を、有機バンクを形成した基板全体に塗布する。画素部を露光すると、酸化チタンの光触媒作用によってフルオロアルキル鎖が主鎖から外れて水酸基が生成し、画素部は親水性となり、未露光のバンク上は撥水性となる。さらに、画素部に形成された酸化チタン薄膜は、従来塗布型有機EL層の正孔注入層として使用されているPEODT/PSSと同等以上の正孔注入能力を持つため、PEODT/PSSの塗布工程を省くことができる。
しかしながら、特許文献1に開示されている蒸着型有機EL素子には、無機バンクに撥水性を付与する具体的方法ついて提案されていないので、高分子塗布型有機EL素子のバンクの形成には適用できなかった。
また、特許文献2に開示されている有機EL素子は、撥水性薄膜形成方法が光触媒のゾル液を用いた塗布法に限定されている。したがって、触媒基板上にバンクを形成した凸凹形状上に光触媒の撥水性薄膜を塗布する場合、膜厚制御が困難である。また、バンク塗布液の残留溶剤の影響でエッジグロース現象の発生や寿命の短縮化をもたらす可能性がある等の課題があった。
また、非特許文献1に開示されている有機EL素子は、光触媒を含む撥水機能を備え、親水処理が可能な層は、ウエットプロセスに分類される塗布法により形成されているので、残留溶剤により、エッジグロース現象を発生させ、短寿命化を招く等の課題があった。
したがって、本発明は、上述した従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的は、光触媒を含有するバンクをドライプロセス法により形成し、撥水化及び親水化処理を施すことにより、エッジグロース現象の発生を防止した有機発光表示装置及びその製造方法を提供することにある。
このような目的を達成するために本発明は、絶縁性基板と対向して周縁部に封止部材を介在させて気密封止された透光性基板の主面内に複数の有機発光素子を有し、この有機発光素子の各々は透光性基板の主面上に形成された複数の第1の電極と、複数の第1の電極を覆って形成され、且つ発光能を有する有機発光層と、この有機発光層上に複数の有機発光素子に共通に形成された第2の電極とを含み、複数の有機発光素子は相互間が隔壁により区画され、有機発光層からの発光を第1の電極を介して透光性基板側に出射する有機発光表示装置であって、隔壁は、透光性基板側から順に第1の層と第2の層とを有し、当該第1の層は、第2の層より光触媒の濃度が高く、且つ弗素の濃度が低いことを特徴としている。
また、本発明による他の発明は、絶縁性基板と対向して周縁部に封止部材を介在させて気密封止された透光性基板の主面内に複数の有機発光素子を有し、有機発光素子の各々は透光性基板の主面上に形成された複数の第1の電極と、複数の第1の電極を覆って形成され、且つ発光能を有する有機発光層と、この有機発光層上に複数の有機発光素子に共通に形成された第2の電極とを含み、複数の有機発光素子は相互間が隔壁により区画され、有機発光層からの発光を第1の電極を介して透光性基板側に出射する有機発光表示装置であって、隔壁に囲まれた第1の電極上に光触媒層と弗素含有層とを有し、隔壁に含まれる弗素の濃度のピークが、隔壁に含まれる光触媒の濃度のピークよりも隔壁の表面に存在することを特徴としている。
また、本発明による有機発光表示装置の製造方法は、絶縁性基板と対向して周縁部に封止部材を介在させて気密封止された透光性基板の主面内に薄膜トランジスタ及び複数の有機発光素子を有し、有機発光素子の各々は透光性基板の主面上に形成された複数の第1の電極と、複数の第1の電極を覆って形成され、且つ発光能を有する有機発光層と、有機発光層上に複数の有機発光素子に共通に形成された第2の電極とを含み、複数の有機発光素子は相互間が隔壁により区画され、有機発光層からの発光を第1の電極を介して透光性基板側に出射する有機発光表示装置の製造において、透光性基板の主面内に薄膜トランジスを形成する第1の工程と、薄膜トランジスタ上に絶縁膜を形成する第2の工程と、絶縁膜上に画素単位に区画された第1電極を形成する第3の工程と、第3の工程の後に光触媒層及び弗素含有層をドライプロセスで形成する工程と、第4の工程の後に有機発光層をインクジェットプロセスで形成する工程とから製造することを特徴としている。
なお、本発明は、上記各構成及び後述する実施の形態に記載される構成に限定されるものではなく、本発明の技術思想を逸脱することなく、種々の変更が可能であることは言うまでもない。
本発明によれば、隔壁として光触媒層と弗素含有層とを存在させたことにより、エッジグロース現象の発生を抑制できるので、信頼性の向上及び製造プロセスを簡略化させた高寿命化の有機発光表示装置が得られるという極めて優れた効果を有する。
また、本発明による有機発光表示装置の製造方法によれば、光触媒層を含有する隔壁をドライプロセスにより形成し、撥水化,親水化処理を施すことにより、エッジグロース現象の発生を防止できるので、高寿命化,製造コストの低下及び生産性の向上等の極めて優れた効果が得られる。
本発明による有機発光表示装置及びその製造方法に適用可能な各種構成部材及び形成方法の一例として、透光性基板、第1の電極(陽極)、有機発光層、第2の電極(陰極)、隔壁、光触媒、弗素、成膜方法等について以下に列挙する。
[透光性基板]
[透光性基板]
無アルカリガラス、ポリイミド、ポリスルフォン、ポリエーテルスルフォン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンカーボネート、ポリカーボネート、ポリエーテル等何れのプラスチックフィルムを用いても良い
[第1の電極(陽極)]
酸化インジウム錫(ITO)、酸化インジウム、金、ポリアニリン等が挙げられる。
酸化インジウム錫(ITO)、酸化インジウム、金、ポリアニリン等が挙げられる。
[第2の電極(陰極)]
アルカリ金属(例えばLi、Na、K、Cs等)、アルカリ土類金属(例えばMg、Ca等)、金、銀、鉛、アルミニウム、ナトリウム−カリウム合金、リチウム−アルミニウム合金、マグネシウム−銀合金、インジウム、イッテルビウム等の希土類金属等などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいが、安定性と電子注入性とを両立させる観点からは、2種以上を好適に併用することができる。
アルカリ金属(例えばLi、Na、K、Cs等)、アルカリ土類金属(例えばMg、Ca等)、金、銀、鉛、アルミニウム、ナトリウム−カリウム合金、リチウム−アルミニウム合金、マグネシウム−銀合金、インジウム、イッテルビウム等の希土類金属等などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいが、安定性と電子注入性とを両立させる観点からは、2種以上を好適に併用することができる。
[無機絶縁膜]
酸化シリコン、窒化シリコン、酸窒化シリコン(光触媒を含まない場合)、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ(光触媒を含む場合)等が挙げられる。
酸化シリコン、窒化シリコン、酸窒化シリコン(光触媒を含まない場合)、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ(光触媒を含む場合)等が挙げられる。
[光触媒層の形成方法]
真空蒸着法、スパッタリング法、CVD法等が挙げられる。
真空蒸着法、スパッタリング法、CVD法等が挙げられる。
[撥水化処理方法]
光触媒上に弗素樹脂を真空蒸着、光触媒上に低分子弗素化合物を真空蒸着、光触媒上に弗素プラズマ処理等が挙げられる。
光触媒上に弗素樹脂を真空蒸着、光触媒上に低分子弗素化合物を真空蒸着、光触媒上に弗素プラズマ処理等が挙げられる。
[光触媒]
酸化チタン(TiO2)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO2)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO3)、酸化タングステン(WO3)、酸化ビスマス(Bi2O3)、酸化鉄(Fe2O3)のような金属酸化物が挙げられる。特にTiO2は、バンドギャップエネルギーが高く、化学的に安定で毒性もなく、入手も容易であることから好適に使用される。なお、酸化チタンとしては、アナターゼ型とルチル型との何れも使用することができるが、アナターゼ型の酸化チタンが好ましい。
酸化チタン(TiO2)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO2)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO3)、酸化タングステン(WO3)、酸化ビスマス(Bi2O3)、酸化鉄(Fe2O3)のような金属酸化物が挙げられる。特にTiO2は、バンドギャップエネルギーが高く、化学的に安定で毒性もなく、入手も容易であることから好適に使用される。なお、酸化チタンとしては、アナターゼ型とルチル型との何れも使用することができるが、アナターゼ型の酸化チタンが好ましい。
[弗素樹脂]
ポリテトラフルオロエチレン等が挙げられる。
ポリテトラフルオロエチレン等が挙げられる。
[低分子弗素化合物]
変性パーフルオロポリオキセタン等が挙げられる。
変性パーフルオロポリオキセタン等が挙げられる。
[CVD原料]
チタニウムイソプロポキシド、テトラプロピルチタネート、四塩化チタン等が挙げられる。
チタニウムイソプロポキシド、テトラプロピルチタネート、四塩化チタン等が挙げられる。
[正孔注入層(なくても良い)]
PEDOT/PSS、ポリアニリン/PSS、ポリアニリン/カンファスルホン酸、ポリピロール/ドデシルベンゼンスルホン酸、ポリフルオレン誘導体等が挙げられる。
PEDOT/PSS、ポリアニリン/PSS、ポリアニリン/カンファスルホン酸、ポリピロール/ドデシルベンゼンスルホン酸、ポリフルオレン誘導体等が挙げられる。
[正孔輸送層(なくても良い)]
ポリフルオレン誘導体、トリフェニルアミン誘導体等が挙げられる。
ポリフルオレン誘導体、トリフェニルアミン誘導体等が挙げられる。
[発光層]
下記(A+E)、(B+E)、(A+D+E)、(B+D+E)、(A+C+E)、(B+C+E)、(A+C+D+E)又は(B+C+D+E)の組み合わせ等が挙げられる。
下記(A+E)、(B+E)、(A+D+E)、(B+D+E)、(A+C+E)、(B+C+E)、(A+C+D+E)又は(B+C+D+E)の組み合わせ等が挙げられる。
A(低分子):4,4’−N,N’−ジカルバゾールビフェニル(CBP)を挙げられる。
B(高分子):ポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリパラフェニレン誘導体、ポリシラン誘導体、ポリアセチレン誘導体、ポリビニルカルバゾール等、ポリフルオレノン誘導体等が挙げられる。
Cドーパント(なくても良い):(青色ドーパント):スチルベン誘導体、アントラセン誘導体、テトラセン誘導体、ペリレン誘導体、ジスチリルアミン誘導体、ジスチリルアリレーン誘導体、ピラゾリン誘導体、ジクロペンタジエン誘導体、イリジウム(III)ビス[(4,6−ジフルオロフェニル)−ピリジネート−N,C2]ピコリネート(Firpic)等が挙げられる。
(緑色ドーパント):キナクリドン誘導体、クマリン誘導体、インドフェノール誘導体、インジゴ誘導体、facトリス(2−フェニルピリジン)イリジウム(Irppy3)等が挙げられる。
(赤色ドーパント):4−(ジシアノ−メチレン)−2−メチル−6−(p−ジメチルアミノスチリル)−4−ピラン(DCM)、4−(ジシアノメチレン)−2−tert−ブチル−6−(1,1,7,7−テトラメチルジュロリジル−9−エニル)−4H−ピラン(DCJTB:ジュロリジル誘導体)、ナイルレッド、4−(ジシアノメチレン)−2−R6−(1,3,3,7,7−ペンタメチルジュロリジル−9−エニル)−4H−ピラン(DCJPR)、Eu錯体、Tb錯体、ローダミン誘導体、ピロロピロール誘導体、スクアリウム誘導体、イリジウム(III)ビス(2−(2’−ベンゾチエニル)ピリジナート−Nアセチルアセトネート(Btp2Iracac)白金−オクタエチルポルフィリン錯体(PtOEP)等が挙げられる。
E高分子バインダー(なくても良い):ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリビニルビフェニル、ポリビニルフェナントレン、ポリビニルアントラセン、ポリビニルペリレン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリスルフォン、ポリフェニレンオキシド、ポリブタジエン、炭化水素樹脂、ケトン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリアミド、エチルセルロース、酢酸ビニル、ABS樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール等が挙げられる。
F溶剤:o−キシレン、シクロヘキシルベンゼン、1,3,5−トリメチルベンゼン、1,2,3−トリメチルベンゼン、1,2,4−トリメチルベンゼン、1,2,3,4−テトラメチルベンゼン、1,2,3,5−テトラメチルベンゼン、シクロヘキシルベンゼン、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン、5−イソプロピル−m−キシレン、5−t−ブチル−m−キシレン、1−メチルナフタレン、n−ブチルフェニルエーテル、ジエチルベンゼン、イソプロピルベンゼン、1,2−ジイソプロピルベンゼン、1,3−ジイソプロピルベンゼン、1,4−ジイソプロピルベンゼン、o−イソプロピルトルエン、p−イソプロピルトルエン、m−イソプロピルトルエン、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸ブチル、安息香酸プロピル、クロロトルエン、1,2−ジクロロベンゼン、1,3−ジクロロベンゼン、2−クロロ−p−キシレン、2,4−ジクロロトルエン、3,4−ジクロロトルエン、1,2,3−トリクロロベンゼン、1,2,4−トリクロロベンゼン、ブロモベンゼン、ジブロモベンゼン、フェニルエーテル、2−メチルアセトフェノン、3−メトキシアセトフェノン、o−トルイル酸エチルエステル、アネトール、アニソール、4−メチルアニソール、2−ブロモアニソール、2−メチルアニソール、2−エチルアニソール、4−エチルアニソール、3,5−ジメチルアニソール、3,4−ジメチルアニソール、2,3−ジメチルアニソール、2,6−ジメチルアニソール、1,2−ジメチルアニソール、1,2−ジメトキシベンゼン、1,3−ジメトキシベンゼン、1,4−ジメトキシベンゼン、1,2,3−トリメトキシベンゼン、2−クロロアニソール、2−ブチルアニソール、1,4−ベンゾジオキサン、1,2メチレンジオキシベンゼン、3,4,5−トリメチルアニソール、2,3,6−トリメチルアニソール、2,3,4−トリメチルアニソール、2,3,5−トリメチルアニソール、2,4,6−トリメチルアニソール。
成膜方法:インクジェット法、スピンコート法、ディップコート法、ロールコート法、スプレーコート法、グラビアコート法、ノズルコート法、オフセット印刷法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法等が挙げられる。
電子輸送層:オキサジアゾール、トリアゾール、イミダゾール、トリアジン、金属錯体化合物等が挙げられる。
乾燥剤:酸化バリウム、酸化ナトリウム、酸化カリウム、酸化カルシウム、硫酸ナトリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、五酸化燐、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化銅、フッ化セシウム、フッ化ニオブ、臭化カルシウム、臭化バナジウム、モレキュラーシーブ、ゼオライト、酸化マグネシウム等が挙げられる。
以下、本発明の具体的な実施の形態について、実施例の図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明による有機発光表示装置の実施例1による構成を模式的に示すアクティブ・マトリクス型の有機発光表示装置及びその製造方法を説明する要部拡大断面図である。なお、図中、背面基板(封止缶)は省略されている。図1に示すように厚さ約1.1mmの透光性の無アルカリガラス基板SUB上に画素毎に低温ポリシリコン薄膜トランジスタTFTを形成した後、スパッタリング法によって例えば酸化インジウム錫など透光性金属材料を約150nmの厚さに成膜し、フォトリソグラフィー法により一部をエッチング処理してパターニングし、図2に示すように画素部(画素電極)となる第1の電極としての陽極ANDを形成した。
なお、薄膜トランジスタTFTは、ポリシリコン半導体層PSIと、ゲート絶縁層IS1と、ゲート線(ゲート電極)GLと、ソース・ドレイン電極SDと、層間絶縁層IS2と、層間絶縁層IS3とから形成されている。
続いて、陽極ANDを形成したガラス基板SUB上に窒化シリコンをCVD法によって約300nmの厚さに成膜し、その上にフォトレジストを約50nm塗布し、陽極ANDの上部を覆っているフォトレジストをフォトリソグラフィー法によって除去した後、反応性ドライエッチングによって窒化シリコン層を加工し、図3に示すように陽極ANDを取り囲むように窒化シリコンからなる隔壁としてのバンクBNKを形成した。
次に、真空蒸着装置内にて酸素分圧1×10-4torr下でガラス基板SUBを約350℃に加熱し、光触媒としての酸化チタンに電子ビームを照射することで蒸着速度約0.3nm/秒で蒸着し、図4に示すようにアナターゼ型の結晶構造を有する酸化チタンからなる光触媒層TOを約100nmの厚さに成膜した。その後、ガラス基板SUBを別の真空蒸着装置内に搬送し、CF4ガスを導入した10-3torr下で約600Wを印加し、ポリテトラフルオロエチレンを約2nmの厚さに蒸着した。
これを、イソプロパノールを用いて超音波で約10分間洗浄した。さらに、フォトマスクを通して画素部(陽極AND)のみに図5に示すように超高圧水銀ランプ(波長約365nm)からの紫外光UVを用いて約600mJ/cm2照射して露光した。その結果、露光した画素部は水との接触角が約3度と親水性となり、未露光のバンク上は水との接触角が約101度と撥水性となる弗素含有層FOが形成される。
次に、ポリフルオレン系緑色高分子発光材料を、キシレン溶媒に固形分濃度が約0.5wt%となるように溶解して約0.2μmのPTFE製フィルターを通して発光材料インクとした。これをピエゾ式インクジェット装置を用いて画素領域内に約60pl吐出した。吐出したインク液滴は画素領域からはみ出して画素領域周辺のバンクBNKを覆うように着弾したが、バンクBNKが撥水性であるので、隣接する画素領域に飛散することはなかった。同様にして赤色,青色のインクも吐出してフルカラー素子を形成した。混色は全く生じなかった。これを約130℃のホットプレートで約15分間ベークして図6に示すように厚さ約50nmの非晶質の有機発光層OLEを得た。
この後、約10-6torrの真空下においてバリウム(Ba)を蒸着速度約0.1nm/秒で約10nm厚さに蒸着して図7に示すようにバリウム電極を成膜した後にアルミニウム(Al)を蒸着速度約1nm/秒で約100nmの厚さに蒸着してアルミニウム電極を成膜して2層構造からなる第2の電極としての陰極CTDを形成した。しかる後、図示しないが、ガラス基板SUB上を内面側に乾燥剤を接着固定した封止缶により気密封止して有機ELパネルが完成される。
以上のようにして得た有機ELパネルを、酸素濃度約1ppm以下のグローブボックス中で陽極ANDと陰極CTDとの間に直流電圧を約10V印加した結果、良好なフルカラー発光を得ることができた。
このような方法によれば、隔壁をドライプロセスにより形成し、それを撥水化することによりインクジェット法による有機発光層の形成に適用でき、これによって有機発光素子に高寿命化が可能となる。また、隔壁の主成分として光触媒酸化チタンを用いて画素部上面にも連続的に光触媒層(酸化チタン層)TOを形成して画素部の光触媒層TOを親水化処理することにより、正孔注入層として機能するので、隔壁BNKと正孔注入層とを同時に形成でき、低コスト化及び生産性向上が可能となる。
また、このような方法によれば、光触媒層を塗布法により形成する場合に比べて膜厚が均一な光触媒層TOを形成できるので、信頼性を向上させることができる。また、正孔注入層(例えばPEDOTインク)の塗布省略による低コスト化が可能となる等の効果が得られる。
図1に示すように厚さ約1.1mmの透光性の無アルカリガラス基板上に画素毎に低温ポリシリコン薄膜トランジスタTFTを形成した後、スパッタリングによって酸化インジウム錫など透光性金属材料を約150nmの厚さに成膜し、フォトリソグラフィー法により一部をエッチング処理してパターニングし、画素部(画素電極)となる第1の電極としての陽極ANDを形成した。
続いてCVD法によって窒化シリコンを約300nmの厚さに成膜し、その上にフォトレジストを約50nmの厚さに塗布し、陽極ANDの上部を覆っているフォトレジストをフォトリソグラフィー法によって除去した後、反応性ドライエッチングによって窒化シリコン層を加工し、図3に示すように陽極ANDを取り囲むように窒化シリコンからなるバンクBNKバンクを形成した。
次に高周波マグネトロンスパッタリング装置により、ターゲットに金属チタンを用い、Arガス及びO2ガス(配合比 2:1)を導入しながら、ガラス基板SUB上に約100nmの厚さの酸化チタン層を成膜した。次に液体である変性パーフルオロポリオキセタン(ダイキン工業(株)製、商品名:オプツールDSX)を蒸着法により約2nmの厚さに成膜して図4に示すように光触媒層TOを形成した。以下、実施例1と同様な方法にて有機EL素子を得た。これによって実施例1と略同等の作用効果を得ることができた。
図1に示すように厚さ約1.1mmの透光性の無アルカリガラス基板SUB上に画素毎に低温ポリシリコン薄膜トランジスタTFTを形成した後、スパッタリングによって酸化インジウム錫など透光性金属材料を約150nmの厚さに成膜し、フォトリソグラフィー法により一部をエッチング処理してパターニングし、図2に示すように画素部となる第1の電極としての陽極ANDを形成した。
続いて、CVD法によって窒化シリコンを約300nmの厚さに成膜し、その上にフォトレジストを約50nmの厚さに塗布し、陽極ANDの上部を覆っているフォトレジストをフォトリソグラフィーによって除去した後、反応性ドライエッチングによって窒化シリコン層を加工し、図3に示すように陽極ANDを取り囲むように窒化シリコンからなるバンクBNKを形成した。
次に、CVD装置内でチタニウムイソプロポキシドを原料とし、飽和水蒸気を導入し、約30分間接触させた後、空気気流下にて約500℃にて焼成して酸化チタンからなる光触媒層TOを成膜した。その後、フッ化プラズマ処理を行った。CF4を導入した雰囲気中で陰極CTDとポリテトラフルオレンを被覆した電極との間にパルス電界を印加してグロー放電を起こすことでプラズマを発生させて光触媒層TOの表面に撥水化処理を施した。以下、実施例1と同様な方法にて有機EL素子を得た。これによって実施例1と略同等の作用効果を得ることができた。
本発明による有機発光表示装置の製造方法は、IJ法で有機薄膜を形成する有機ELフルカラーディスプレイ及びその製造方法の他にIJ法を用いてパターニングする必要のある有機半導体装置等の製造方法にも適用することができる。
また、前述した各実施例においては、ボトムエミッション型の有機発光表示装置について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、トップエミッション型の有機発光表示装置においても、前述した各実施例と同様の作用効果が得られることは勿論である。
また、前述した実施例においては、有機発光素子を搭載する有機発光表示装置について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、有機発光素子を搭載したTV、PCモニタ、ノート型PC、PDA、携帯電話機、デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラまたはカーナビ用モニタ等の全般に適用できることは言うまでもない。
SUB・・・透光性ガラス基板、TFT・・・薄膜トランジスタ、AND・・・陽極(第1の電極)、CTD・・・陰極(第2の電極)、OLE・・・有機発光層、BNK・・・バンク(隔壁)、TO・・・光触媒層、FO・・・弗素含有層、UV・・・紫外光、PSI・・・ポリシリコン半導体層、IS1・・・ゲート絶縁層、IS2・・・層間絶縁層、IS3・・・層間絶縁層、GL・・・ゲート線(ゲート電極)、SD・・・ソース・ドレイン電極。
Claims (10)
- 透光性基板の主面内に複数の有機発光素子を有し、
前記有機発光素子の各々は前記透光性基板の主面上に形成された複数の第1の電極と、
前記複数の第1の電極を覆って形成され、且つ発光能を有する有機発光層と、
前記有機発光層上に前記複数の有機発光素子に共通に形成された第2の電極とを含み、
前記複数の有機発光素子は相互間が絶縁隔壁により区画され、前記有機発光層からの発光を前記第1の電極を介して前記透光性基板側に出射する有機発光表示装置であって、
前記隔壁は、前記透光性基板側から順に第1の層と第2の層とを有し、当該第1の層は、第2の層より光触媒の濃度が高く、且つ弗素の濃度が低いことを特徴とする有機発光表示装置。 - 前記光触媒は、金属酸化物であることを特徴とする請求項1に記載の有機発光表示装置。
- 透光性基板の主面内に複数の有機発光素子を有し、
前記有機発光素子の各々は前記透光性基板の主面上に形成された複数の第1の電極と、
前記複数の第1の電極を覆って形成され、且つ発光能を有する有機発光層と、前記有機発光層上に前記複数の有機発光素子に共通に形成された第2の電極とを含み、
前記複数の有機発光素子は相互間が隔壁により区画され、前記有機発光層からの発光を前記第1の電極を介して前記透光性基板側に出射する有機発光表示装置であって、
前記隔壁に囲まれた前記第1の電極上に光触媒層と弗素含有層とを有し、当該隔壁に含まれる弗素の濃度のピークが、当該隔壁に含まれる光触媒の濃度のピークよりも当該隔壁の表面に存在することを特徴とする有機発光表示装置。 - 前記第1の電極と第2の電極との間で前記有機発光層より下層に光触媒層と弗素含有層とを有することを特徴とする請求項3に記載の有機発光表示装置。
- 前記濃度は、二次イオン質量分析装置によって前記第2の電極の上部より前記透光性基板に向かって測定した値であることを特徴とする請求項3に記載の有機発光表示装置。
- 透光性基板の主面内に薄膜トランジスタ及び複数の有機発光素子を有し、
前記有機発光素子の各々は前記透光性基板の主面上に形成された複数の第1の電極と、
前記複数の第1の電極を覆って形成され、且つ発光能を有する有機発光層と、
前記有機発光層上に前記複数の有機発光素子に共通に形成された第2の電極とを含み、
前記複数の有機発光素子は相互間が隔壁により区画され、
前記有機発光層からの発光を前記第1の電極を介して前記透光性基板側に出射する有機発光表示装置の製造方法であって、
前記透光性基板の主面内に薄膜トランジスを形成する第1の工程と、
前記薄膜トランジスタ上に絶縁膜を形成する第2の工程と、
前記絶縁膜上に画素単位に区画された第1電極を形成する第3の工程と、
前記第3の工程の後に光触媒層及び弗素含有層をドライプロセスで形成する工程と、
前記第4の工程の後に有機発光層を形成する工程とを有することを特徴とする有機発光表示装置の製造方法。 - 前記光触媒として、チタン、亜鉛、スズ、ストロンチウム、タングステン、ビスマス及び鉄の何れかの酸化物を形成することを特徴とする請求項6に記載の有機発光表示装置の製造方法。
- 前記光触媒層の一部を露光によって親水化処理することを特徴とする請求項6に記載の有機発光表示装置の製造方法。
- 前記有機発光層を、有機発光材料を塗布することにより形成することを特徴とする請求項6に記載の有機発光表示装置の製造方法。
- 前記光触媒層を正孔注入層として機能する露光条件で露光することを特徴とする請求項6に記載の有機発光表示装置の製造方法。
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WO2009122874A1 (ja) * | 2008-03-31 | 2009-10-08 | 住友化学株式会社 | 有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法、有機エレクトロルミネッセンス素子および表示装置 |
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-
2006
- 2006-04-12 JP JP2006109360A patent/JP2007280899A/ja active Pending
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