JP2007280814A - シールド導電路 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】シールド導電路1は、金属製のパイプ10と、パイプ10の端部に接続される筒状の可撓性シールド部材60と、パイプ10と可撓性シールド部材60に挿通されることでシールドされる電線30とを備えており、さらに、可撓性シールド部材60をパイプ10の周壁と共に挟持する構成でパイプ10の周囲に環状に固定される環状固定具40が設けられている。環状固定具40は、その一部に塑性加工が施されることによりパイプ10を締め付ける形態で形状保持される構成をなし、かつ内壁面に突起部52が形成されている。
【選択図】図2
Description
金属製のパイプと、
前記パイプの端部に接続される筒状の可撓性シールド部材と、
前記パイプと前記可撓性シールド部材に挿通されることでシールドされる電線と、
前記可撓性シールド部材を前記パイプの周壁と共に挟持する構成で前記パイプの周囲に環状に固定され、かつ内壁面に突起部が形成された環状固定具と、
を備えることを特徴とする。
前記環状固定具は、その一部に塑性加工が施されることにより前記パイプを締め付ける形態で形状保持されることを特徴とする。
前記環状固定具は、前記パイプの周壁に沿う円弧状部と、前記円弧状部の両端からそれぞれ折れ曲がる形態で前記パイプの外方側に屈曲して突出する屈曲突出部とを備えた環状部材を有し、
前記屈曲突出部に対する塑性加工に応じて前記円弧状部が縮径する構成をなすことを特徴とする。
前記環状固定具は、前記パイプの周壁に沿う円弧状に形成されると共に、当該パイプと前記環状部材との間において前記環状部材に締め付けられる形態で円弧状に配される保持部材を有し、
前記保持部材の内壁面に前記突起部が形成されていることを特徴とする。
前記保持部材は、前記屈曲突出部の内側を覆う形態で配されることを特徴とする。
前記保持部材は、所定位置で前記環状部材に支持されるとともに、前記屈曲突出部に対する塑性変形に応じて前記突起部が前記パイプの内壁に沿って変位する構成をなしており、
前記突起部は、前記屈曲突出部に対する塑性変形の際の変位方向側おいて、前記パイプの周壁に対して傾斜する傾斜部を有することを特徴とする。
前記突起部は、前記パイプの周壁に食い込む構成をなすことを特徴とする。
請求項1の発明によれば、環状固定具によって可撓性シールド部材をパイプに対して簡易に接合できる。さらに、その環状固定具の内壁面に突起部が形成されているため、環状固定具とパイプによって保持される可撓性シールド部材が環状固定具及びパイプに対して滑りにくい構成となり、安定的に位置決めされることとなる。
請求項2の発明によれば、複雑な加工を伴うことなく、かつ部品点数をそれほど増加させることなくパイプの周囲に環状固定具を固定できる構成となる。
請求項3の発明によれば、可撓性シールド部材を好適に締め付ける構成を、部品点数を抑えてより簡易に実現できる。
請求項4の発明によれば、円弧状の保持部材を介して可撓性シールド部材を締め付けるようにしているため、可撓性シールド部材の周囲においてより偏りなくかつ満遍なく押圧力が生じるようになる。
請求項5の発明によれば、保持部材が屈曲突出部の内側を覆う形態で配されているため、屈曲突出部側に可撓性シールド部材が入り込むことを抑制ないし防止できる。従って、可撓性シールド部材を位置ずれなく安定的に締め付けることができる。
請求項6の発明によれば、保持部材が所定位置で環状部材に支持されるとともに、屈曲突出部に対する塑性変形に応じて突起部がパイプの内壁に沿って変位する構成をなしているため、屈曲突出部に対して塑性変形を施すことにより、保持部材がパイプに対して好適に締め付けられることとなる。また、突起部は、屈曲突出部の塑性変形の際の変位方向側おいて、パイプの周壁に対して傾斜する傾斜部を有している。従って、突起部が変位しても可撓性シールド部材が傾斜部に案内されて引っ掛かりにくくなるため、締め付けの際に可撓性シールド部材がずれにくくなる。
請求項7の発明によれば、突起部がパイプの周壁に食い込む構成をなしているため、可撓性シールド部材が突起部とパイプの間を滑らなくなり、可撓性シールド部材の位置ずれをより効果的に防止できる。
本発明の実施形態1について図面を参照して説明する。
図1は、実施形態1に係るシールド導電路1を概略的に例示する側断面図である。図2は、図1のA−A断面を示す断面図である。
(1.全体構成)
図1に示す本実施形態に係るシールド導電路1は、例えば、電気自動車の前部のエンジンルーム内に設けられた走行用モータを駆動するための動力回路を構成する機器(本実施形態ではインバータ)と、車体の後部(例えば、トランクルーム)に設けられた動力回路を構成する機器(本実施形態ではバッテリ)とを接続する導電路として構成されるものである。
次に、可撓性シールド部材60をパイプ10の接続するための構成について説明する。
まず、可撓性シールド部材60を固定する環状固定具40について説明する。 図2に示すように、環状固定具40は、その一部に塑性加工が施されることによりパイプ10を締め付ける形態で形状保持されるものであり、パイプ10の周囲に環状に固定される構成をなしている。具体的には、外側に配置される環状部材41と、その環状部材41の内側に取り付けられ、パイプ10の外壁に沿って配置される保持部材50とを備えている。
次に、本実施形態に係るシールド導電路1の製造方法について説明する。
まず、シールド導電路1の製造にあたり、板金加工によって図6、図7、図8に示すような環状部材41及び保持部材50を用意する。保持部材50は、図9ないし図12のような形状をなしており、突起部52は、保持部材50の壁面を外側から内側に向けて押し出す加工によって形成されている。本実施形態では、突起部52に形成される傾斜部52Aが、2つの傾斜面によって構成されており、いずれの傾斜面も、屈曲突出部42の塑性変形の際の突起部52の変位方向側において、パイプ10の壁面に対して傾斜している。
そして、この押圧により、図2のように屈曲突出部42の両側壁42A,42Bが屈曲して押し付けられ、それに伴って円弧状部43の内のパイプ10側の両端部43A,43Bが互いに接近するように変形する。即ち、円弧状部43が縮径し、それに伴って保持部材50も縮径する。本実施形態では、屈曲突出部42に穴部42Cが形成されているため、屈曲突出部42が変形しやすくなっている。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)上記実施形態では、環状部材と保持部材によって環状固定具を構成し、この保持部材に突起部を設けるようにしたが、保持部材を省略し、環状部材のみによって環状固定具を構成してもよい。この場合、環状部材の内壁面に突起部を形成することにより実現できる。
(2)上記実施形態では、突起部の数を3としたが、これ以下(例えば1つ又は2つ)であってもよく、これ以上(4以上)であってもよい。
10…パイプ
30…電線
40…環状固定具
41…環状部材
42…屈曲突出部
43…円弧状部
50…保持部材
52…突起部
52A…傾斜部
60…可撓性シールド部材
Claims (7)
- 金属製のパイプと、
前記パイプの端部に接続される筒状の可撓性シールド部材と、
前記パイプと前記可撓性シールド部材に挿通されることでシールドされる電線と、
前記可撓性シールド部材を前記パイプの周壁と共に挟持する構成で前記パイプの周囲に環状に固定され、かつ内壁面に突起部が形成された環状固定具と、
を備えることを特徴とするシールド導電路。 - 前記環状固定具は、その一部に塑性加工が施されることにより前記パイプを締め付ける形態で形状保持されることを特徴とする請求項1に記載のシールド導電路。
- 前記環状固定具は、前記パイプの周壁に沿う円弧状部と、前記円弧状部の両端からそれぞれ折れ曲がる形態で前記パイプの外方側に屈曲して突出する屈曲突出部とを備えた環状部材を有し、
前記屈曲突出部に対する塑性加工に応じて前記円弧状部が縮径する構成をなすことを特徴とする請求項2に記載のシールド導電路。 - 前記環状固定具は、前記パイプの周壁に沿う円弧状に形成されると共に、当該パイプと前記環状部材との間において前記環状部材に締め付けられる形態で円弧状に配される保持部材を有し、
前記保持部材の内壁面に前記突起部が形成されていることを特徴とする請求項3に記載のシールド導電路。 - 前記保持部材は、前記屈曲突出部の内側を覆う形態で配されることを特徴とする請求項4に記載のシールド導電路。
- 前記保持部材は、所定位置で前記環状部材に支持されるとともに、前記屈曲突出部に対する塑性変形に応じて前記突起部が前記パイプの内壁に沿って変位する構成をなしており、
前記突起部は、前記屈曲突出部に対する塑性変形の際の変位方向側おいて、前記パイプの周壁に対して傾斜する傾斜部を有することを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載のシールド導電路。 - 前記突起部は、前記パイプの周壁に食い込む構成をなすことを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれかに記載のシールド導電路。
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