以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。但し、本発明は多くの異なる態様で実施することが可能であり、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って本実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、以下に説明する本発明の構成において、同じ物を指し示す符号は異なる図面間において共通とする。
(実施の形態1)
本発明の半導体装置の一構成例について、図1、図2に示すブロック図を用いて説明する。なお、本実施の形態では、半導体装置をRFIDタグ(以下、単に「RFID」とも記す)として利用する場合について説明する。
図1に示す半導体装置(以下、「RFID100」と記す)は、第1のアンテナ回路101、第2のアンテナ回路102、信号処理回路103、及びバッテリー104によって構成されている。信号処理回路103は、第1の整流回路105、電源回路106、第2の整流回路107、復調回路108、アンプ109、論理回路110、メモリコントロール回路111、メモリ回路112、論理回路113、アンプ114、変調回路115によって構成されている。
また、図2は、第1のアンテナ回路101がリーダ/ライタ201から発信された電波202aを受信(又はリーダ/ライタ201へ電波を送信)し、第2のアンテナ回路102が外部の電波202bを受信する場合について示している。図2において、第1のアンテナ回路101で受信した電波202aは、第1の整流回路105を介して電源回路106に入力されると同時に、電波202aに含まれるデータが復調回路108等により抽出される。また、第2のアンテナ回路102で受信した電波202bは、第2の整流回路107を介してバッテリー104に入力される。
本実施の形態で示すRFID100は、第2のアンテナ回路102で受信した外部の電波202bがバッテリー104に入力されることによって、バッテリー104の充電が行われる。また、バッテリー104に充電された電力は、電源回路106を介して信号処理回路103に設けられた回路に供給される構成となっている。つまり、バッテリー104を無線で充電する構成となっている。また、第1のアンテナ回路101で受信し第1の整流回路105を介して入力された電波202aが、RFID100を駆動する電力として電源回路106を介して信号処理回路103の回路に供給される。
なお、本実施の形態で示すRFID100は、バッテリー104を充電するために第2のアンテナ回路102で受信する電波として、外部の電波202b(以下、「無線信号」とも記す)を利用することを特徴としている。無線信号は、例えば、携帯電話の中継局の電波(800〜900MHz帯、1.5GHz、1.9〜2.1GHz帯等)、携帯電話から発振される電波、電波時計の電波(40kHz等)、家庭用の交流電源のノイズ(60Hz等)、他のリーダ/ライタ(RFID100と直接やりとりを行わないリーダ/ライタ)から無作為に生じている電波等を利用することができる。また、第2のアンテナ回路102は、それぞれ長さや形状の異なるアンテナを用いた複数のアンテナ回路を設けることによって、バッテリー104の充電として波長が異なる複数の無線信号を利用することができる。
上述した無線信号を受信してバッテリーの充電を無線で行うことによって、バッテリーを充電するための充電器等を別途必要としないため、電池の交換作業が不要となり、より低コストでRFIDを設けることができる。また、第2のアンテナ回路102のアンテナの形状は、これらの無線信号を受信しやすい長さや形状で設ける。また、波長が異なる無線信号を複数受信する場合には、長さや形状の異なるアンテナを含む複数のアンテナ回路を設けることが好ましい。
なお、第1のアンテナ回路101と第2のアンテナ回路102は、例えば、図4(A)に示すようにアンテナ401、共振容量402により構成することができ、アンテナ401及び共振容量402を併せてアンテナ回路403とよぶことがある。また、第1の整流回路105と第2の整流回路107は、第1のアンテナ回路101及び第2のアンテナ回路102が受信する電磁波により誘導される交流信号を直流信号に変換する回路であればよい。例えば、図4(B)に示すように、ダイオード404、ダイオード405、平滑容量406によって整流回路407を構成すればよい。
また、第1のアンテナ回路101のアンテナの形状についても、特に限定されない。つまり、RFID100における第1のアンテナ回路101に適用する信号の伝送方式は、電磁結合方式、電磁誘導方式又はマイクロ波方式等を用いることができる。伝送方式は、実施者が適宜使用用途を考慮して選択すればよく、伝送方式に伴って最適な長さや形状のアンテナを設ければよい。
例えば、伝送方式として、電磁結合方式又は電磁誘導方式(例えば、13.56MHz帯)を適用する場合には、電界密度の変化による電磁誘導を利用するため、アンテナとして機能する導電膜を輪状(例えば、ループアンテナ)、らせん状(例えば、スパイラルアンテナ)に形成する。
また、伝送方式としてマイクロ波方式(例えば、UHF帯(860〜960MHz帯)、2.45GHz帯等)を適用する場合には、信号の伝送に用いる電波の波長を考慮してアンテナとして機能する導電膜の長さや形状を適宜設定すればよく、アンテナとして機能する導電膜を例えば、線状(例えば、ダイポールアンテナ)、平坦な形状(例えば、パッチアンテナ)等に形成することができる。また、アンテナとして機能する導電膜の形状は線状に限られず、電磁波の波長を考慮して曲線状や蛇行形状またはこれらを組み合わせた形状で設けてもよい。
図3にマイクロ波方式を適用する場合の第1のアンテナ回路101又は第2のアンテナ回路102に設けるアンテナの形状の一例を示す。例えば、図3(A)に示すように信号処理回路が設けられたチップ302の周りにアンテナ303を配した構造を取っても良い。また、図3(B)に示すように信号処理回路が設けられたチップ302上に細いアンテナ303を設けた構造をとってもよい。また、図3(C)に示すように信号処理回路が設けられたチップ302に対して、高周波数の電磁波を受信するためのアンテナ303の形状をとってもよい。また、図3(D)に示すように信号処理回路が設けられたチップ302に対して180度無指向性(どの方向からでも同じく受信可能)なアンテナ303での形状をとってもよい。また、図3(E)に示すように、信号処理回路が設けられたチップ302に対して、棒状に長く伸ばしたアンテナ303の形状をとってもよい。第1のアンテナ回路101及び第2のアンテナ回路102にマイクロ波方式を適用する場合はこれらの形状のアンテナを組み合わせて用いることができる。
また、図3において、信号処理回路が設けられたチップ302とアンテナとの接続については特に限定されない。例えば、アンテナ303とチップ302をワイヤボンディング接続やバンプ接続を用いて接続する、あるいはチップの一部を電極にしてアンテナ303に貼り付けるという方法を取ってもよい。この方式ではACF(anisotropic conductive film;異方性導電性フィルム)を用いてチップ302をアンテナ303に貼り付けることができる。また、アンテナに必要な長さは受信に用いる周波数によって適正な長さが異なる。そのため、波長の整数分の1の長さにし、例えば周波数が2.45GHzの場合は約60mm(1/2波長)、約30mm(1/4波長)とすれば良い。
なお、図1、図2における電源回路106は、RFID100を駆動するための電力を各回路に供給する。具体的には、第1のアンテナ回路101で受信し第1の整流回路105で整流化されて得られた電力を一定の値に制御し、信号処理回路103の各回路が動作するために必要な電力の供給を行う。また、バッテリー104に充電された電力を一定の値に制御して、信号処理回路103の各回路が動作するために必要な電力の供給を行う。RFID100の第1のアンテナ回路101を介して十分な電力が得られない場合であっても、バッテリー104に充電された電力により信号処理回路103の各回路が駆動するために必要な電力の供給が行われる。
図1、図2における電源回路の一例について図6を用いて説明する。電源回路は基準電圧回路とバッファアンプで構成される。基準電圧回路は抵抗1001、ダイオード接続のトランジスタ1002、1003によって構成され、トランジスタのVgs2つ分に相当する基準電圧を発生させる。バッファアンプはトランジスタ1005、1006で構成される差動回路、トランジスタ1007、1008によって構成されるカレントミラー回路、電流供給用抵抗1004、トランジスタ1009、抵抗1010によって構成されるソース接地アンプより構成される。
図6に示す電源回路において、出力端子より流れる電流が大きいときはトランジスタ1009に流れる電流が少なくなり、また、出力端子より流れる電流が小さいときはトランジスタ1009に流れる電流が多くなり、抵抗1010に流れる電流はほぼ一定となるように動作する。また出力端子の電位は基準電圧回路とほぼ同じ値となる。ここでは基準電圧回路とバッファアンプを有する電源回路を示したが、本発明に用いる電源回路は図6に限定されず、他の形式の回路であっても良い。
なお、本明細書において、バッテリーとは、充電することで連続使用時間を回復することができる電池のことをいう。すなわち、バッテリーは電力の消費に伴い使用時間が減少するが、消費されて減少した電力を充電することにより使用時間を延ばすことができる電池をいう。なおバッテリーとしては、リチウムイオン電池、リチウム二次電池、ニッケル水素電池、ニカド電池、有機ラジカル電池、鉛蓄電池、空気二次電池、ニッケル亜鉛電池、銀亜鉛電池などの二次電池が適用可能であるが、これには限定されない。また、大容量のコンデンサなどを適用してもよい。特に、リチウムイオン電池やリチウム二次電池は充放電容量が大きいため、本実施の形態に係る半導体装置に備えるバッテリーに適用することで小型化を図ることができる。
次に、図1、図2に示すRFID100に、リーダ/ライタ201よりデータを書き込む際の動作を以下に説明する。第1のアンテナ回路101で受信した信号は、第1の整流回路105により、半波整流され、そして平滑化される。第1の整流回路105により半波整流、平滑化された電圧は電源回路106に入力される。そして電源回路は、安定化された後の電圧をアンプ109、論理回路110、メモリコントロール回路111、メモリ回路112、論理回路113、アンプ114、変調回路115に供給する。
また第1のアンテナ回路101で受信された信号はアンプ109を介して、クロック信号として、論理回路110に入力される。さらに、第1のアンテナ回路101から入力された信号は復調回路108で復調され、データとして論理回路110に入力される。
論理回路110において、入力されたデータはデコードされる。リーダ/ライタ201がデータを変形ミラー符号、NRZ−L符号などでエンコードして送信するため、それを論理回路110はデコードする。デコードされたデータは、メモリコントロール回路111に送られ、それに従いメモリ回路112にデータが書き込まれる。メモリ回路112は電源が切れても保持できる不揮発性メモリ回路である必要があり、マスクROMなどが使用される。
また、図1、図2に示すRFID100におけるメモリ回路112に記憶されたデータをリーダ/ライタ201が読み出す場合は以下のように動作する。第1のアンテナ回路101で受信した信号は、第1の整流回路105により、半波整流され、そして平滑化される。第1の整流回路105により半波整流、平滑化された電圧は電源回路106に入力される。そして電源回路は、安定化された後の電圧をアンプ109、論理回路110、メモリコントロール回路111、メモリ回路112、論理回路113、アンプ114、変調回路115に供給する。
また、第1のアンテナ回路101で受信された交流信号はアンプ109を通して論理回路110に入力され、論理演算が行われる。そして、論理回路110からの信号を用いて、メモリコントロール回路111を制御し、メモリ回路112に記憶されているデータを呼び出す。次にメモリ回路112から呼び出されたデータを論理回路113で加工し、アンプ114で増幅の後、変調回路115を動作させる。データの加工はISO14443、ISO15693、ISO18000などの規格に定められた方式に従い加工されるが、リーダ/ライタとの整合性が確保されれば、上記規格以外であってもかまわない。
変調回路115が動作すると、第1のアンテナ回路101のインピーダンスが変化する。これによって、第1のアンテナ回路101で反射されるリーダ/ライタ201の信号に変化が生じる。この変化をリーダ/ライタが読み取ることによってRFID100のメモリ回路112に記憶されたデータを知ることが可能になる。このような変調方式を負荷変調方式という。
なお、信号処理回路103に設けるトランジスタは、様々な形態のトランジスタを適用させることが出来る。よって、適用可能なトランジスタの種類に限定はない。したがって、非晶質シリコンや多結晶シリコンに代表される非単結晶半導体膜を用いた薄膜トランジスタ(TFT)、半導体基板やSOI基板を用いて形成されるトランジスタ、MOS型トランジスタ、接合型トランジスタ、バイポーラトランジスタ、ZnO、a−InGaZnOなどの化合物半導体を用いたトランジスタ、有機半導体やカーボンナノチューブを用いたトランジスタ、その他のトランジスタを適用することができる。なお、非単結晶半導体膜には水素またはハロゲンが含まれていてもよい。また、信号処理回路1102が形成されている基板の種類は、様々なものを用いることができ、特定のものに限定されることはない。従って例えば、単結晶基板、SOI基板、ガラス基板、石英基板、プラスチック基板、紙基板、セロファン基板、石材基板などに形成することが出来る。また、ある基板に信号処理回路1102を形成し、その後、別の基板に信号処理回路1102を移動させて、別の基板上に配置するようにしてもよい。
次に、図1、図2に示すRFID100に、外部の無線信号より電力を充電する際の動作を以下に説明する。第2のアンテナ回路102で受信した外部の無線信号は、第2の整流回路107により、半波整流され、そして平滑化される。第2の整流回路107により半波整流、平滑化された電圧は、バッテリー104に一旦保持される。バッテリー104に保持された電力は、電源回路106に供給する電力として用いられる。なお、第1のアンテナ回路より供給される信号について、受信することはできるものの、リーダ/ライタに送信するための電力が不足している場合に、バッテリーより電力を供給するか否かを判定する回路を設ける構成であってもよい。
以下に、本実施の形態のRFIDの一構成例について説明する。なお、ここでは、第1のアンテナ回路101に設けるアンテナの形状をコイル状とし、第2のアンテナ回路102として長さや形状の異なるアンテナを含む複数のアンテナ回路を設ける場合について説明する。
本実施の形態のRFID100は、その機能、大きさでわけると、第1のアンテナ回路、第2のアンテナ回路、信号処理回路、バッテリーが、基板上に積層、または並列に配したレイアウトを取り得る。また、信号処理回路においては、第1のアンテナ回路に付随する回路、第2のアンテナ回路に付随する回路で分けて記すことができ、以下の説明では、第1のアンテナ回路に付随する回路については第1の信号処理回路とし、第2のアンテナ回路に付随する回路ついては第2の信号処理回路と記す。なお、第1の信号処理回路は、図1における信号処理回路103のうち少なくとも第1の整流回路105、電源回路106、復調回路108、アンプ109、論理回路110、メモリコントロール回路111、メモリ回路112、論理回路113、アンプ114、変調回路115を含んでいる。一方、第2の信号処理回路は、図1における信号処理回路103のうち少なくとも第2の整流回路107を含んでいる。
図7に示すRFIDは、基板701上に、第1のアンテナ回路704と、複数の第2のアンテナ回路705a、705bと、第1の信号処理回路及び第2の信号処理回路を有するチップ702と、バッテリー703とを有している。なお、第1のアンテナ回路704と第1の信号処理回路は接続されており、第2のアンテナ回路705a、705bと第2の信号処理回路は接続されている。
第1のアンテナ回路704により受信された電波は、チップ702に形成された第1の信号処理回路における第1の整流回路を介して電源回路に入力されて電力に生成されると同時に、電波に含まれる信号が復調回路等により抽出される。また、バッテリー703とチップ702に形成された第2の信号処理回路は接続されており、複数の第2のアンテナ回路705a、705bで受信した電波は、第2の信号処理回路における整流回路を介してバッテリー703に入力される。
ここでは、リーダ/ライタ706から送信された電波を第1のアンテナ回路704で受信し、外部の無線信号707を第2のアンテナ回路705a、705bで受信している例を示している。つまり、RFIDは、第1のアンテナ回路704を介してリーダ/ライタ706とデータの送受信を行い、第2のアンテナ回路705a、705bを介してバッテリー703の充電を行う。
また、バッテリー703はチップ702に設けられた第1の信号処理回路とも電気的に接続しており、バッテリー703から適宜第1の信号処理回路における電源回路に電力が供給される。バッテリー703と第1の信号処理回路又は第2の信号処理回路との接続については特に限定されず、例えば、バッテリー703と第1の信号処理回路又は第2の信号処理回路をワイヤボンディング接続やバンプ接続を用いて接続することができる。また、他にも、第1の信号処理回路又は第2の信号処理回路の一部を電極にしてバッテリー703との接続端子と貼り合わせて設けることもでき、この場合異方性導電フィルム等を用いて貼り合わせることができる。
なお、図7におけるリーダ/ライタ706の一例について、図5を用いて説明する。図5におけるリーダ/ライタ706は、受信部501、送信部502、制御部503、インターフェース部504、アンテナ回路505によって構成されている。制御部503は、インターフェース部504を介した上位装置506の制御により、データ処理命令、データ処理結果について、受信部501、送信部502を制御する。送信部502はRFID100に送信するデータ処理命令を変調し、アンテナ回路505から電磁波として出力する。また受信部501は、アンテナ回路505で受信された信号を復調し、データ処理結果として制御部503に出力する。
本実施の形態において、図5に示すリーダ/ライタ706のアンテナ回路505は、受信部501及び送信部502に接続され、LC並列共振回路を構成するアンテナ507及び共振容量508を有する。アンテナ回路505は、受信時に、RFID100により出力された信号によってアンテナ回路505に誘導される起電力を電気的信号として受信する。また、送信時には、アンテナ回路505に誘導電流を供給し、アンテナ回路505よりRFID100に信号を送信する。
また、バッテリー703の充電に用いられる第2のアンテナ回路705a、705bのアンテナの長さや形状は図7に示した構造に限られない。ここでは、第2のアンテナ回路705a、705bのアンテナとして、長さの異なる線状のアンテナ(ダイポールアンテナ)を設けた例を示したが、例えば、ダイポールアンテナとコイル状のアンテナを組み合わせて用いてもよいし、ダイポールアンテナとパッチアンテナを組み合わせて用いてもよい。このように、バッテリー703の充電に用いられるアンテナとして、長さや形状の異なるものを複数設けることによって、様々な波長の無線信号を受信することができるため、充電効率を向上させることができる。特に、パッチアンテナとダイポールアンテナ等の形状の異なるアンテナを組み合わせて設けることによって(例えば、パッチアンテナの周囲に折り返しダイポールアンテナを設ける)、限られたスペースを有効に活用することが可能となる。もちろん、本実施の形態で示すRFIDは、複数の第2のアンテナ回路705a、705bを設けた例を示したが、これに限られず、1つのアンテナ回路又は3つ以上のアンテナ回路を設けた構成としてもよい。
また、リーダ/ライタ706と信号の送受信を行うために用いられる第1のアンテナ回路704も図7に示した構造に限られず、上述したように適用する伝送方式により様々な長さや形状のアンテナを用いることができる。
例えば、第1のアンテナ回路704とリーダ/ライタ706間で送受信される信号の周波数は、125kHz、13.56MHz、915MHz、2.45GHzなどがあり、それぞれISO規格などが設定される。勿論、第1のアンテナ回路704とリーダ/ライタ706間で送受信される信号の周波数はこれに限定されず、例えばサブミリ波である300GHz〜3THz、ミリ波である30GHz〜300GHz、マイクロ波である3GHz〜30GHz、極超短波である300MHz〜3GHz、超短波である30MHz〜300MHz、短波である3MHz〜30MHz、中波である300KHz〜3MHz、長波である30KHz〜300KHz、及び超長波である3KHz〜30KHzのいずれの周波数も用いることができる。また、第1のアンテナ回路704とリーダ/ライタ706間で送受信される信号は、搬送波を変調した信号である。搬送波の変調方式は、アナログ変調であってもデジタル変調であってよく、振幅変調、位相変調、周波数変調、及びスペクトラム拡散のいずれであってもよい。望ましくは、振幅変調、または、周波数変調にするとよい。
なお、図7では、同一の基板701上に第1のアンテナ回路704、複数の第2のアンテナ回路705a、705b、第1の信号処理回路及び第2の信号処理回路を有するチップ702及びバッテリー703を設けた例を示したが、本実施の形態で示すRFIDは、図7に示した構造に限られない。
例えば、図8に示すように、チップ702a及び第1のアンテナ回路704が設けられた基板701aと、チップ702bと複数の第2のアンテナ回路705a、705b及びバッテリー703が設けられた基板701bとを重畳的に設けた構成としてもよい。チップ702aには第1の信号処理回路が設けられており、チップ702bには第2の信号処理回路が設けられている。
図8においては、第1のアンテナ回路704に受信された電波は、チップ702aに設けられた第1の信号処理回路における第1の整流回路を介して電源回路に入力されて電力に生成されると同時に、電波に含まれる信号が復調回路等により抽出される。また、第2のアンテナ回路705a、705bで受信した電波は、チップ702bに設けられた第2の信号処理回路における第2の整流回路を介してバッテリー703に入力される。
また、第1のアンテナ回路704はチップ702aに設けられた第1の信号処理回路と接続し、第2のアンテナ回路705a、705bはチップ702bに設けられた第2の信号処理回路と接続している。バッテリー703は、チップ702aに設けられた第1の信号処理回路と、チップ702bに設けられた第2の信号処理回路とそれぞれ電気的に接続するように設けられている。
また、バッテリー703と第1の信号処理回路又は第2の信号処理回路との接続については特に限定されず、例えば、バッテリー703と第1の信号処理回路又は第2の信号処理回路をワイヤボンディング接続やバンプ接続を用いて接続することができる。また、他にも、第1の信号処理回路又は第2の信号処理回路の一部を電極にしてバッテリー703との接続端子と貼り合わせて設けることもでき、この場合異方性導電フィルム等を用いて貼り合わせることができる。
このように、リーダ/ライタとの信号の送受信に用いるチップ及びアンテナと、バッテリーの充電に用いるチップ及びアンテナとを別々の基板に形成した後、当該基板を貼り合わせて設けることによって、アンテナやバッテリーの形状を大きく形成することができる。
なお、図7、図8におけるバッテリー703は、第1の信号処理回路又は第2の信号処理回路と同時に設けることができる。例えば、10μm〜100μm程度に薄膜化したリチウムイオン2次電池を第1の信号処理回路又は第2の信号処理回路と同時に形成してもよい。また、第1の信号処理回路又は第2の信号処理回路と同時に薄膜のキャパシターを形成してバッテリー703としてもよい。また、図7、図8ではバッテリー703を第2のアンテナ回路705aと重なるように設けているが、他にも第1のアンテナ回路704と重なるように設けてもよいし(図9(A))、第1のアンテナ回路704、第2のアンテナ回路705a、705bのいずれにも重ならないように設けてもよい。
また、バッテリー703を第1の信号処理回路又は第2の信号処理回路と接続するように貼り合わせて設けてもよい。例えば、図9(B)、(C)に示すように、バッテリー703を第1の信号処理回路及び第2の信号処理回路が形成されたチップ702と貼り合わせて設ける。この場合、基板の表面(チップ702が形成された面)又は裏面に貼り合わせることができる。この場合、チップ702に含まれる第1の信号処理回路、第2の信号処理回路とバッテリー703とがそれぞれ電気的に接続するように貼り合わせる。例えば、チップ702に電気的に接続するバンプ等の接続端子711を設け、バッテリーの接続端子712と電気的に接続されるように設ける。貼り合わせとしては、異方性導電フィルム等を用いることができる。
また、第1のアンテナ回路704、第2のアンテナ回路705a、705b及びバッテリー703が設けられた基板701に第1の信号処理回路又は第2の信号処理回路が形成されたチップ702を貼り合わせて設けてもよい(図10(A))。また、第1のアンテナ回路704、第2のアンテナ回路705a、705bが設けられた基板701上に第1の信号処理回路又は第2の信号処理回路が形成されたチップ702とバッテリー703を貼り合わせて設けてもよい(図10(B))。この場合、チップ702に含まれる第1の信号処理回路、第2の信号処理回路とバッテリー703とがそれぞれ電気的に接続し、第1の信号処理回路と第1のアンテナ回路704、第2の信号処理回路と第2のアンテナ回路705a、705bが電気的に接続するように貼り合わせる。貼り合わせとしては、上述したように、チップ702、バッテリー703又は第1のアンテナ回路704、第2のアンテナ回路705a、705bに電気的に接続するバンプ等の接続端子を設け、当該接続端子を電気的に接続して設ける。
このように設けることによって、チップ、アンテナ又はバッテリーを別々に設けた後、組み合わせて設けることができるため、生産性を向上させることができる。
以上のように、本発明のRFIDを有する半導体装置は、バッテリーを有することを特徴とする。そのため、従来のように、電池の経時的な劣化に伴う個体情報の送受信にするための電力の不足を防止することができる。そして、本発明の半導体装置は、バッテリーに電力を供給するための信号を受信するアンテナを有することを特徴とする。そのため、充電器に直接接続することなく、RFIDを駆動するための電源を外部の無線信号を利用してバッテリーを充電することができる。その結果、アクティブタイプのRFIDのような電池の残存容量の確認や電池の交換をする作業が発生するといったことなく、使用し続けることが可能になる。加えて、RFIDを駆動するための電力を常にバッテリー内に保持することにより、RFIDが動作するための十分な電力が得られ、リーダ/ライタとの通信距離を伸ばすことができる。
なお、本実施の形態は、本明細書中の他の実施の形態の記載と組み合わせて実施することが可能である。
(実施の形態2)
本実施の形態では、上記実施の形態1で示したRFIDを有する半導体装置において、ブースターアンテナ回路(以下、ブースターアンテナという)を設けた構成に関して、図面を参照して説明する。なお、本実施の形態において使用する図面に関し、実施の形態1と同じ部分は同じ符号を用いて示す場合がある。
本実施の形態において述べるブースターアンテナは、半導体装置において、リーダ/ライタからの信号を受信し信号処理回路にデータを出力するアンテナ(以下、第1のチップアンテナまたは第1のアンテナ回路という)や、バッテリーを充電するために無線信号を受信するアンテナ(以下、第2のチップアンテナまたは第2のアンテナ回路という)よりも、サイズの大きいアンテナをいう。ブースターアンテナは、使用する周波数帯域で共振させ、第1のチップアンテナ又は第2のチップアンテナと磁界結合させることで、リーダ/ライタとの信号の送受信又は無線信号の受信を効率よく行うことができるものをいう。さらに、ブースターアンテナは磁界を介して第1のチップアンテナ又は第2のチップアンテナと結合しているため、直接チップアンテナ及び信号処理回路と接続する必要が無いという利点を有している。
本実施の形態におけるRFIDに用いる半導体装置について、図12、図13に示すブロック図を用いて説明する。
図12に示すRFID100は、第1のアンテナ回路101、第2のアンテナ回路102、ブースターアンテナ1201、信号処理回路103及びバッテリー104により構成されている。信号処理回路103は、第1の整流回路105、電源回路106、第2の整流回路107、復調回路108、アンプ109、論理回路110、メモリコントロール回路111、メモリ回路112、論理回路113、アンプ114、変調回路115によって構成される。
図13は、第1のアンテナ回路101がブースターアンテナ1201を介してリーダ/ライタ201と信号の送受信を行い、第2のアンテナ回路102が外部の無線信号を受信する場合について示している。図13において、ブースターアンテナ1201がリーダ/ライタ201からの信号を受信し、第1のアンテナ回路101との磁界結合により、リーダ/ライタ201から送信された信号が第1の整流回路105を介して電源回路106に入力され、かつ復調回路108及びアンプ109に入力される。また図13において、第2のアンテナ回路102で受信する信号は第2の整流回路107を介してバッテリー104に入力され、バッテリー104より適宜電源回路106に電力が供給される。図13に示した構成とすることにより、リーダ/ライタ201とRFID100間の信号の送受信の通信距離を伸ばすことができるため、データの送受信をより確実にすることができる。
また、ブースターアンテナ1201の同調を第1のアンテナ回路101に限らず、ブースターアンテナ1201が同調する周波数の帯域を異ならせることにより他のアンテナと磁界結合させることもできる。
例えば、図14は、第2のアンテナ回路102がブースターアンテナ1201を介して外部の無線信号を受信し、第1のアンテナ回路101がリーダ/ライタ201と情報の送受信を行う場合について示している。図14において、ブースターアンテナ1201が外部の無線信号202を受信し、第2のアンテナ回路102との磁界結合により、無線信号202が第2の整流回路107を介してバッテリー104に電力として充電される。そしてバッテリー104から電源回路106に電力が供給される。また、第1のアンテナ回路101で受信する信号は、第1の整流回路105を介して電源回路106に入力され、かつ復調回路108及びアンプ109に入力される。図14に示した構成とすることにより、RFID100が無線信号202を受信しやすくなり、バッテリー104への充電をより確実にすることができる。
また、ブースターアンテナ1201を複数設けることによって、ブースターアンテナ1201と第1のアンテナ回路101及び第2のアンテナ回路102と磁界結合させることもできる。
例えば、図15には、第1のアンテナ回路101がブースターアンテナ1201aを介してリーダ/ライタ201と信号の送受信を行い、第2のアンテナ回路102がブースターアンテナ1201bを介して外部の無線信号を受信する場合について示している。ブースターアンテナ1201aがリーダ/ライタ201からの信号を受信し、第1のアンテナ回路101との磁界結合により、リーダ/ライタ201から送信された信号が第1の整流回路105を介して電源回路106に入力され、かつ復調回路108及びアンプ109に入力される。また、ブースターアンテナ1201bが外部の無線信号202を受信し、第2のアンテナ回路102との磁界結合により、無線信号202が第2の整流回路107を介してバッテリー104に電力として充電される。
また、図12乃至図15における第1の整流回路105、第2の整流回路107は、実施の形態1で示した構成と同様であり、図4(B)に示すように、ダイオード404、ダイオード405、平滑容量406によって整流回路407を構成すればよい。
なお、第1のアンテナ回路101、第2のアンテナ回路102及びブースターアンテナのアンテナの形状については、特に限定されない。例えば実施の形態1で説明した図3の形状のアンテナを採用することができる。但し、ブースターアンテナはその機能上、磁界結合するアンテナ回路より大きな形状のアンテナを採用することが好ましい。また、第1のアンテナ回路101、第2のアンテナ回路102及びブースターアンテナは、実施の形態1で説明した図4(A)のように、アンテナ401、共振容量402によって構成されるものとして説明し、アンテナ401及び共振容量402を併せてアンテナ回路403とする。
また、第1のアンテナ回路101及び第2のアンテナ回路102は、信号処理回路103と共に同じ基板上に積層して設ける構成としても良いし、外付けのアンテナとして設けられるものであってもよい。
例えば、図16に、図13の構成のRFIDを有する半導体装置における第1のアンテナ回路、第2のアンテナ回路、及びブースターアンテナの位置関係並びにアンテナの形状について示す。図16において、基板701にコイル状の第1のアンテナ回路704と複数の第2のアンテナ回路705a、705bを設け、基板721上にブースターアンテナ722を設け、基板701と基板721とを貼り合わせて設けることができる。
図16において、リーダ/ライタ706とブースターアンテナ722を近づけると、リーダ/ライタ706から発生した交流磁界がコイル状のブースターアンテナ722を貫き、電磁誘導によりコイル状のブースターアンテナ722の端子間(アンテナの一端と他端の間)に起電力が発生する。コイル状のブースターアンテナ722において電磁誘導による起電力が発生すると共にブースターアンテナ722自体から交流磁界が発生する。そして、ブースターアンテナ722から発生する交流磁界がコイル状の第1のアンテナ回路704を貫き、電磁誘導により第1のアンテナ回路704の端子間(アンテナの一端と他端の間)に起電力が発生する。当該起電力によりリーダ/ライタ706と第1のアンテナ回路704とでデータの送受信が行われる。
また、図16とは異なる構成について、図17に示す。
図17は、第1のアンテナ回路704、第1の信号処理回路を含むチップ702a及びブースターアンテナ722が設けられた基板701aと、第2の信号処理回路を含むチップ702b、複数の第2のアンテナ回路705a、705b及びバッテリー703が設けられた基板701bとを重畳的に設けた構成を示している。
図17において、リーダ/ライタ706とブースターアンテナ722を近づけると、リーダ/ライタ706から発生した交流磁界がコイル状のブースターアンテナ722を貫き、電磁誘導によりコイル状のブースターアンテナ722の端子間(アンテナの一端と他端の間)に起電力が発生する。コイル状のブースターアンテナ722において電磁誘導による起電力が発生すると共にブースターアンテナ722自体から交流磁界が発生する。そして、ブースターアンテナ722から発生する交流磁界がコイル状の第1のアンテナ回路704を貫き、電磁誘導により第1のアンテナ回路704の端子間(アンテナの一端と他端の間)に起電力が発生する。当該起電力によりリーダ/ライタ706と第1のアンテナ回路704とでデータの送受信が行われる。
また、本実施の形態に示す半導体装置は、バッテリー703とブースターアンテナ722をそれぞれ貼り合わせて設けてもよい。例えば、図18に示すように、第1のアンテナ回路704、第2のアンテナ回路705a、705b、第1の信号処理回路及び第2の信号処理回路を含むチップ702が設けられた基板701上に、バッテリー703とブースターアンテナ722が設けられた基板721を貼り合わせて設ける。この場合、基板701の表面(チップ702が形成された面)にバッテリー703を貼り合わせ、ブースターアンテナ722が設けられた基板721を基板701の裏面に貼り合わせた例を示している。
このように、リーダ/ライタとの信号の送受信に用いるチップ及びアンテナと、バッテリーの充電に用いるチップ及びアンテナとを別々の基板に形成した後、当該基板を貼り合わせて設けることによって、アンテナやバッテリーの形状を大きく形成することができる。
なお、本実施の形態における第1のアンテナ回路、第2のアンテナ回路、及びブースターアンテナの配置は、アンテナの位置を互いに交流磁界がアンテナコイルを貫くように設計すれば良く、図17に示すように大きく面積を確保したブースターアンテナの内側に第1のアンテナ回路または第2のアンテナ回路を配置することにより、効率的な配置をすることができるため、バッテリー等の面積を大きく取ることやアンテナの巻き数を増やすことができ好適である。
以上のように、本発明のRFIDを有する半導体装置は、バッテリーを有することを特徴とする。そのため、従来のように、電池の経時的な劣化に伴う個体情報の送受信にするための電力の不足を防止することができる。そして、本発明の半導体装置は、バッテリーに電力を供給するための信号を受信するアンテナを有することを特徴とする。そのため、充電器に直接接続することなく、RFIDを駆動するための電源を外部の無線通信を利用してバッテリーを充電することができる。その結果、アクティブタイプのRFIDのような電池の残存容量の確認や電池の交換をする作業が発生するといったことなく、使用し続けることが可能になる。加えて、RFIDを駆動するための電力をバッテリー内に保持することにより、RFIDが通信を行うための十分な電力が得られ、リーダ/ライタとの通信距離を伸ばすことができる。
さらに、本実施の形態の構成においては、実施の形態1の構成に加えて、ブースターアンテナを有することを特徴とする。そのため、RFIDとリーダ/ライタ間のデータの送受信、及びRFIDの、外部の無線信号の受信に対して、より確実に通信を行うことが可能となる。
なお、本実施の形態は、本明細書中の他の実施の形態の記載と組み合わせて実施することが可能である。
(実施の形態3)
本実施の形態では、上記実施の形態で示した半導体装置の作製方法の一例に関して、図面を参照して説明する。
まず、図19(A)に示すように、基板1901の一表面に絶縁膜1902を介して剥離層1903を形成し、続けて下地膜として機能する絶縁膜1904と半導体膜1905(例えば、非晶質珪素を含む膜)を積層して形成する。なお、絶縁膜1902、剥離層1903、絶縁膜1904および半導体膜1905は、連続して形成することができる。
なお、基板1901は、ガラス基板、石英基板、金属基板(例えばセラミック基板またはステンレス基板など)、Si基板等の半導体基板から選択されるものである。他にもプラスチック基板として、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PNT)、ポリエーテルサルフィン(PES)、アクリルなどの基板を選択することもできる。なお、本工程では、剥離層1903は、絶縁膜1902を介して基板1901の全面に設けているが、必要に応じて、基板1901の全面に剥離層を設けた後に、フォトリソグラフィ法により選択的に設けてもよい。
また、絶縁膜1902、絶縁膜1904は、CVD法やスパッタリング法等を用いて、酸化シリコン、窒化シリコン、酸化窒化シリコン(SiOxNy)(x>y>0)、窒化酸化シリコン(SiNxOy)(x>y>0)等の絶縁材料を用いて形成する。例えば、絶縁膜1902、1904を2層構造とする場合、第1層目の絶縁膜として窒化酸化シリコン膜を形成し、第2層目の絶縁膜として酸化窒化シリコン膜を形成するとよい。また、第1層目の絶縁膜として窒化シリコン膜を形成し、第2層目の絶縁膜として酸化シリコン膜を形成してもよい。絶縁膜1902は、基板1901から剥離層1903又はその上に形成される素子に不純物元素が混入するのを防ぐブロッキング層として機能し、絶縁膜1904は基板1901、剥離層1903からその上に形成される素子に不純物元素が混入するのを防ぐブロッキング層として機能する。このように、ブロッキング層として機能する絶縁膜1902、1904を形成することによって、基板1901からNaなどのアルカリ金属やアルカリ土類金属が、剥離層1903から剥離層に含まれる不純物元素がこの上に形成する素子に悪影響を与えることを防ぐことができる。なお、基板1901として石英を用いるような場合には絶縁膜1902、1904を省略してもよい。
また、剥離層1903は、金属膜や金属膜と金属酸化膜の積層構造等を用いることができる。金属膜としては、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、ニオブ(Nb)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、ジルコニウム(Zr)、亜鉛(Zn)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)から選択された元素または当該元素を主成分とする合金材料若しくは化合物材料からなる膜を単層又は積層して形成する。また、これらの材料は、スパッタ法やプラズマCVD法等の各種CVD法等を用いて形成することができる。金属膜と金属酸化膜の積層構造としては、上述した金属膜を形成した後に、酸素雰囲気化またはN2O雰囲気下におけるプラズマ処理、酸素雰囲気化またはN2O雰囲気下における加熱処理を行うことによって、金属膜表面に当該金属膜の酸化物または酸化窒化物を設けることができる。例えば、金属膜としてスパッタ法やCVD法等によりタングステン膜を設けた場合、タングステン膜にプラズマ処理を行うことによって、タングステン膜表面にタングステン酸化物からなる金属酸化膜を形成することができる。また、この場合、タングステンの酸化物は、WOxで表され、Xは2〜3であり、Xが2の場合(WO2)、Xが2.5の場合(W2O5)、Xが2.75の場合(W4O11)、Xが3の場合(WO3)などがある。タングステンの酸化物を形成するにあたり、上記に挙げたXの値に特に制約はなく、エッチングレート等を基に、どの酸化物を形成するかを決めるとよい。他にも、例えば、金属膜(例えば、タングステン)を形成した後に、当該金属膜上にスパッタ法で酸化珪素(SiO2)等の絶縁膜を設けると共に、金属膜上に金属酸化物(例えば、タングステン上にタングステン酸化物)を形成してもよい。また、プラズマ処理として、例えば上述した高密度プラズマ処理を行ってもよい。また、金属酸化膜の他にも、金属窒化物や金属酸化窒化物を用いてもよい。この場合、金属膜に窒素雰囲気下または窒素と酸素雰囲気下でプラズマ処理や加熱処理を行えばよい。
また、半導体膜1905は、スパッタリング法、LPCVD法、プラズマCVD法等により、25〜200nm(好ましくは30〜150nm)の厚さで形成する。
次に、図19(B)に示すように、半導体膜1905にレーザー光を照射して結晶化を行う。なお、レーザー光の照射と、RTA又はファーネスアニール炉を用いる熱結晶化法、結晶化を助長する金属元素を用いる熱結晶化法とを組み合わせた方法等により半導体膜1905の結晶化を行ってもよい。その後、得られた結晶質半導体膜を所望の形状にエッチングして、結晶化した結晶質半導体膜1905a〜1905fを形成し、当該半導体膜1905a〜1905fを覆うようにゲート絶縁膜1906を形成する。
なお、ゲート絶縁膜1906は、CVD法やスパッタリング法等を用いて、酸化シリコン、窒化シリコン、酸化窒化シリコン(SiOxNy)(x>y>0)、窒化酸化シリコン(SiNxOy)(x>y>0)等の絶縁材料を用いて形成する。例えば、ゲート絶縁膜1906を2層構造とする場合、第1層目の絶縁膜として酸化窒化シリコン膜を形成し、第2層目の絶縁膜として窒化酸化シリコン膜を形成するとよい。また、第1層目の絶縁膜として酸化シリコン膜を形成し、第2層目の絶縁膜として窒化シリコン膜を形成してもよい。
結晶質半導体膜1905a〜1905fの作製工程の一例を以下に簡単に説明すると、まず、プラズマCVD法を用いて、膜厚50〜60nmの非晶質半導体膜を形成する。次に、結晶化を助長する金属元素であるニッケルを含む溶液を非晶質半導体膜上に保持させた後、非晶質半導体膜に脱水素化の処理(500℃、1時間)と、熱結晶化の処理(550℃、4時間)を行って結晶質半導体膜を形成する。その後、レーザー光を照射し、フォトリソグラフィ法を用いることよって結晶質半導体膜1905a〜1905fを形成する。なお、結晶化を助長する金属元素を用いる熱結晶化を行わずに、レーザー光の照射だけで非晶質半導体膜の結晶化を行ってもよい。
なお、結晶化に用いるレーザー発振器としては、連続発振型のレーザービーム(CWレーザービーム)やパルス発振型のレーザービーム(パルスレーザービーム)を用いることができる。ここで用いることができるレーザービームは、Arレーザー、Krレーザー、エキシマレーザーなどの気体レーザー、単結晶のYAG、YVO4、フォルステライト(Mg2SiO4)、YAlO3、GdVO4、若しくは多結晶(セラミック)のYAG、Y2O3、YVO4、YAlO3、GdVO4に、ドーパントとしてNd、Yb、Cr、Ti、Ho、Er、Tm、Taのうち1種または複数種添加されているものを媒質とするレーザー、ガラスレーザー、ルビーレーザー、アレキサンドライトレーザー、Ti:サファイアレーザー、銅蒸気レーザーまたは金蒸気レーザーのうち一種または複数種から発振されるものを用いることができる。このようなレーザービームの基本波、及びこれらの基本波の第2高調波から第4高調波のレーザービームを照射することで、大粒径の結晶を得ることができる。例えば、Nd:YVO4レーザー(基本波1064nm)の第2高調波(532nm)や第3高調波(355nm)を用いることができる。このときレーザーのパワー密度は0.01〜100MW/cm2程度(好ましくは0.1〜10MW/cm2)が必要である。そして、走査速度を10〜2000cm/sec程度として照射する。なお、単結晶のYAG、YVO4、フォルステライト(Mg2SiO4)、YAlO3、GdVO4、若しくは多結晶(セラミック)のYAG、Y2O3、YVO4、YAlO3、GdVO4に、ドーパントとしてNd、Yb、Cr、Ti、Ho、Er、Tm、Taのうち1種または複数種添加されているものを媒質とするレーザー、Arイオンレーザー、またはTi:サファイアレーザーは、連続発振をさせることが可能であり、Qスイッチ動作やモード同期などを行うことによって10MHz以上の発振周波数でパルス発振をさせることも可能である。10MHz以上の発振周波数でレーザービームを発振させると、半導体膜がレーザーによって溶融してから固化するまでの間に、次のパルスが半導体膜に照射される。従って、発振周波数が低いパルスレーザーを用いる場合と異なり、半導体膜中において固液界面を連続的に移動させることができるため、走査方向に向かって連続的に成長した結晶粒を得ることができる。
また、ゲート絶縁膜1906は、半導体膜1905a〜1905fに対し前述の高密度プラズマ処理を行い、表面を酸化又は窒化することで形成しても良い。例えば、He、Ar、Kr、Xeなどの希ガスと、酸素、酸化窒素(NO2)、アンモニア、窒素、水素などの混合ガスを導入したプラズマ処理で形成する。この場合のプラズマの励起は、マイクロ波の導入により行うと、低電子温度で高密度のプラズマを生成することができる。この高密度プラズマで生成された酸素ラジカル(OHラジカルを含む場合もある)や窒素ラジカル(NHラジカルを含む場合もある)によって、半導体膜の表面を酸化又は窒化することができる。
このような高密度プラズマを用いた処理により、1〜20nm、代表的には5〜10nmの絶縁膜が半導体膜に形成される。この場合の反応は、固相反応であるため、当該絶縁膜と半導体膜との界面準位密度はきわめて低くすることができる。このような、高密度プラズマ処理は、半導体膜(結晶性シリコン、或いは多結晶シリコン)を直接酸化(若しくは窒化)するため、形成される絶縁膜の厚さは理想的には、ばらつきをきわめて小さくすることができる。加えて、結晶性シリコンの結晶粒界でも酸化が強くされることがないため、非常に好ましい状態となる。すなわち、ここで示す高密度プラズマ処理で半導体膜の表面を固相酸化することにより、結晶粒界において異常に酸化反応をさせることなく、均一性が良く、界面準位密度が低い絶縁膜を形成することができる。
なお、ゲート絶縁膜1906は、高密度プラズマ処理によって形成される絶縁膜のみを用いても良いし、それにプラズマや熱反応を利用したCVD法で酸化シリコン、酸窒化シリコン、窒化シリコンなどの絶縁膜を堆積し、積層させても良い。いずれにしても、高密度プラズマで形成した絶縁膜をゲート絶縁膜の一部又は全部に含んで形成されるトランジスタは、特性のばらつきを小さくすることができる。
また、半導体膜に対し、連続発振レーザー若しくは10MHz以上の周波数で発振するレーザービームを照射しながら一方向に走査して結晶化させて得られた半導体膜1905a〜1905fは、そのビームの走査方向に結晶が成長する特性がある。その走査方向をチャネル長方向(チャネル形成領域が形成されたときにキャリアが流れる方向)に合わせてトランジスタを配置し、上記ゲート絶縁層を組み合わせることで、特性ばらつきが小さく、しかも電界効果移動度が高い薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)を得ることができる。
次に、ゲート絶縁膜1906上に、第1の導電膜と第2の導電膜とを積層して形成する。ここでは、第1の導電膜は、CVD法やスパッタリング法等により、20〜100nmの厚さで形成する。第2の導電膜は、100〜400nmの厚さで形成する。第1の導電膜と第2の導電膜は、タンタル(Ta)、タングステン(W)、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、クロム(Cr)、ニオブ(Nb)等から選択された元素又はこれらの元素を主成分とする合金材料若しくは化合物材料で形成する。または、リン等の不純物元素をドーピングした多結晶珪素に代表される半導体材料により形成する。第1の導電膜と第2の導電膜の組み合わせの例を挙げると、窒化タンタル膜とタングステン膜、窒化タングステン膜とタングステン膜、窒化モリブデン膜とモリブデン膜等が挙げられる。タングステンや窒化タンタルは、耐熱性が高いため、第1の導電膜と第2の導電膜を形成した後に、熱活性化を目的とした加熱処理を行うことができる。また、2層構造ではなく、3層構造の場合は、モリブデン膜とアルミニウム膜とモリブデン膜の積層構造を採用するとよい。
次に、フォトリソグラフィ法を用いてレジストからなるマスクを形成し、ゲート電極とゲート線を形成するためのエッチング処理を行って、半導体膜1905a〜1905fの上方にゲート電極1907を形成する。ここでは、ゲート電極1907として、第1の導電膜1907aと第2の導電膜1907bの積層構造で設けた例を示している。
次に、図19(C)に示すように、ゲート電極1907をマスクとして半導体膜1905a〜1905fに、イオンドープ法またはイオン注入法により、n型を付与する不純物元素を低濃度に添加し、その後、フォトリソグラフィ法によりレジストからなるマスクを選択的に形成して、p型を付与する不純物元素を高濃度に添加する。n型を示す不純物元素としては、リン(P)やヒ素(As)等を用いることができる。p型を示す不純物元素としては、ボロン(B)やアルミニウム(Al)やガリウム(Ga)等を用いることができる。ここでは、n型を付与する不純物元素としてリン(P)を用い、1×1015〜1×1019/cm3の濃度で含まれるように半導体膜1905a〜1905fに選択的に導入し、n型を示す不純物領域1908を形成する。また、p型を付与する不純物元素としてボロン(B)を用い、1×1019〜1×1020/cm3の濃度で含まれるように選択的に半導体膜1905c、1905eに導入し、p型を示す不純物領域1909を形成する。
続いて、ゲート絶縁膜1906とゲート電極1907を覆うように、絶縁膜を形成する。絶縁膜は、プラズマCVD法やスパッタリング法等により、珪素、珪素の酸化物又は珪素の窒化物の無機材料を含む膜や、有機樹脂などの有機材料を含む膜を、単層又は積層して形成する。次に、絶縁膜を、垂直方向を主体とした異方性エッチングにより選択的にエッチングして、ゲート電極1907の側面に接する絶縁膜1910(サイドウォールともよばれる)を形成する。絶縁膜1910は、LDD(Lightly Doped drain)領域を形成する際のドーピング用のマスクとして用いる。
続いて、フォトリソグラフィ法により形成したレジストからなるマスクと、ゲート電極1907および絶縁膜1910をマスクとして用いて、半導体膜1905a、1905b、1905d、1905fにn型を付与する不純物元素を高濃度に添加して、n型を示す不純物領域1911を形成する。ここでは、n型を付与する不純物元素としてリン(P)を用い、1×1019〜1×1020/cm3の濃度で含まれるように半導体膜1905a、1905b、1905d、1905fに選択的に導入し、不純物領域1908より高濃度のn型を示す不純物領域1911を形成する。
以上の工程により、図19(D)に示すように、nチャネル型薄膜トランジスタ1900a、1900b、1900d、1900fとpチャネル型薄膜トランジスタ1900c、1900eが形成される。
なお、nチャネル型薄膜トランジスタ1900aは、ゲート電極1907と重なる半導体膜1905aの領域にチャネル形成領域が形成され、ゲート電極1907及び絶縁膜1910と重ならない領域にソース領域又はドレイン領域を形成する不純物領域1911が形成され、絶縁膜1910と重なる領域であってチャネル形成領域と不純物領域1911の間に低濃度不純物領域(LDD領域)が形成されている。また、nチャネル型薄膜トランジスタ1900b、1900d、1900fも同様にチャネル形成領域、低濃度不純物領域及び不純物領域1911が形成されている。
また、pチャネル型薄膜トランジスタ1900cは、ゲート電極1907と重なる半導体膜1905cの領域にチャネル形成領域が形成され、ゲート電極1907と重ならない領域にソース領域又はドレイン領域を形成する不純物領域1909が形成されている。また、pチャネル型薄膜トランジスタ1900eも同様にチャネル形成領域及び不純物領域1909が形成されている。なお、ここでは、pチャネル型薄膜トランジスタ1900c、1900eには、LDD領域を設けていないが、pチャネル型薄膜トランジスタにLDD領域を設けてもよいし、nチャネル型薄膜トランジスタにLDD領域を設けない構成としてもよい。
次に、図20(A)に示すように、半導体膜1905a〜1905f、ゲート電極1907等を覆うように、絶縁膜を単層または積層して形成し、当該絶縁膜上に薄膜トランジスタ1900a〜薄膜トランジスタ1900fのソース領域又はドレイン領域を形成する不純物領域1909、1911と電気的に接続する導電膜1913を形成する。絶縁膜は、CVD法、スパッタリング法、SOG法、液滴吐出法、スクリーン印刷法等により、珪素の酸化物や珪素の窒化物等の無機材料、ポリイミド、ポリアミド、ベンゾシクロブテン、アクリル、エポキシ等の有機材料やシロキサン材料等により、単層または積層で形成する。ここでは、当該絶縁膜を2層で設け、1層目の絶縁膜1912aとして窒化酸化珪素膜で形成し、2層目の絶縁膜1912bとして酸化窒化珪素膜で形成する。また、導電膜1913は、半導体膜1905a〜1905fのソース電極又はドレイン電極を形成する。
なお、絶縁膜1912a、1912bを形成する前、または絶縁膜1912a、1912bのうちの1つまたは複数の薄膜を形成した後に、半導体膜の結晶性の回復や半導体膜に添加された不純物元素の活性化、半導体膜の水素化を目的とした加熱処理を行うとよい。加熱処理には、熱アニール、レーザーアニール法またはRTA法などを適用するとよい。
また、導電膜1913は、CVD法やスパッタリング法等により、アルミニウム(Al)、タングステン(W)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)、ニッケル(Ni)、白金(Pt)、銅(Cu)、金(Au)、銀(Ag)、マンガン(Mn)、ネオジウム(Nd)、炭素(C)、シリコン(Si)から選択された元素、又はこれらの元素を主成分とする合金材料若しくは化合物材料で、単層又は積層で形成する。アルミニウムを主成分とする合金材料とは、例えば、アルミニウムを主成分としニッケルを含む材料、又は、アルミニウムを主成分とし、ニッケルと、炭素と珪素の一方又は両方とを含む合金材料に相当する。導電膜1913は、例えば、バリア膜とアルミニウムシリコン(Al−Si)膜とバリア膜の積層構造、バリア膜とアルミニウムシリコン(Al−Si)膜と窒化チタン(TiN)膜とバリア膜の積層構造を採用するとよい。なお、バリア膜とは、チタン、チタンの窒化物、モリブデン、又はモリブデンの窒化物からなる薄膜に相当する。アルミニウムやアルミニウムシリコンは抵抗値が低く、安価であるため、導電膜1913を形成する材料として最適である。また、上層と下層のバリア層を設けると、アルミニウムやアルミニウムシリコンのヒロックの発生を防止することができる。また、還元性の高い元素であるチタンからなるバリア膜を形成すると、結晶質半導体膜上に薄い自然酸化膜ができていたとしても、この自然酸化膜を還元し、結晶質半導体膜と良好なコンタクトをとることができる。
次に、導電膜1913を覆うように、絶縁膜1914を形成し、当該絶縁膜1914上に、半導体膜1905a、1905fのソース電極又はドレイン電極を形成する導電膜1913とそれぞれ電気的に接続する導電膜1915a、1915bを形成する。また、半導体膜1905b、1905eのソース電極又はドレイン電極を形成する導電膜1913とそれぞれ電気的に接続する導電膜1916a、1916bを形成する。なお、導電膜1915a、1915bと導電膜1916a、1916bは同一の材料で同時に形成してもよい。導電膜1915a、1915bと導電膜1916a、1916bは、上述した導電膜1913で示したいずれかの材料を用いて形成することができる。
続いて、図20(B)に示すように、導電膜1916a、1916bにアンテナとして機能する導電膜1917a、1917bが電気的に接続されるように形成する。ここでは、アンテナとして機能する導電膜1917aと1917bの一方が上記実施の形態で示した第1のアンテナ回路のアンテナに相当し、他方が第2のアンテナ回路のアンテナに相当する。例えば、導電膜1917aが第1のアンテナ回路のアンテナであり、導電膜1917bが第2のアンテナ回路のアンテナであるとすると、薄膜トランジスタ1900a〜薄膜トランジスタ1900cが上記実施の形態で示した第1の信号処理回路として機能し、薄膜トランジスタ1900d〜薄膜トランジスタ1900fが上記実施の形態で示した第2の信号処理回路として機能する。
なお、絶縁膜1914は、CVD法やスパッタ法等により、酸化珪素(SiOx)、窒化珪素(SiNx)、酸化窒化珪素(SiOxNy)(x>y)、窒化酸化珪素(SiNxOy)(x>y)等の酸素または窒素を有する絶縁膜やDLC(ダイヤモンドライクカーボン)等の炭素を含む膜、エポキシ、ポリイミド、ポリアミド、ポリビニルフェノール、ベンゾシクロブテン、アクリル等の有機材料またはシロキサン樹脂等のシロキサン材料からなる単層または積層構造で設けることができる。なお、シロキサン材料とは、Si−O−Si結合を含む材料に相当する。シロキサンは、シリコン(Si)と酸素(O)との結合で骨格構造が構成される。置換基として、少なくとも水素を含む有機基(例えばアルキル基、芳香族炭化水素)が用いられる。置換基として、フルオロ基を用いることもできる。または置換基として、少なくとも水素を含む有機基と、フルオロ基とを用いてもよい。
また、導電膜1917a、1917bは、CVD法、スパッタリング法、スクリーン印刷やグラビア印刷等の印刷法、液滴吐出法、ディスペンサ法、メッキ法等を用いて、導電性材料により形成する。導電性材料は、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、銀(Ag)、銅(Cu)、金(Au)、白金(Pt)ニッケル(Ni)、パラジウム(Pd)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)から選択された元素、又はこれらの元素を主成分とする合金材料若しくは化合物材料で、単層構造又は積層構造で形成する。
例えば、スクリーン印刷法を用いてアンテナとして機能する導電膜1917a、1917bを形成する場合には、粒径が数nmから数十μmの導電体粒子を有機樹脂に溶解または分散させた導電性のペーストを選択的に印刷することによって設けることができる。導電体粒子としては、銀(Ag)、金(Au)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)およびチタン(Ti)等のいずれか一つ以上の金属粒子やハロゲン化銀の微粒子、または分散性ナノ粒子を用いることができる。また、導電性ペーストに含まれる有機樹脂は、金属粒子のバインダー、溶媒、分散剤および被覆材として機能する有機樹脂から選ばれた一つまたは複数を用いることができる。代表的には、エポキシ樹脂、珪素樹脂等の有機樹脂が挙げられる。また、導電膜の形成にあたり、導電性のペーストを押し出した後に焼成することが好ましい。例えば、導電性のペーストの材料として、銀を主成分とする微粒子(例えば粒径1nm以上100nm以下)を用いる場合、150〜300℃の温度範囲で焼成することにより硬化させて導電膜を得ることができる。また、はんだや鉛フリーのはんだを主成分とする微粒子を用いてもよく、この場合は粒径20μm以下の微粒子を用いることが好ましい。はんだや鉛フリーはんだは、低コストであるといった利点を有している。
また、導電膜1915a、1915bは、後の工程において本実施の形態の半導体装置に含まれるバッテリーと電気的に接続される配線として機能しうる。また、アンテナとして機能する導電膜1917a、1917bを形成する際に、導電膜1915a、1915bに電気的に接続するように別途導電膜を形成し、当該導電膜をバッテリーに接続する配線として利用してもよい。なお図20(B)における導電膜1917a、1917bは、上記実施の形態1で示した第1のアンテナ回路、及び第2のアンテナ回路に対応する。
次に、図20(C)に示すように、導電膜1917a、1917bを覆うように絶縁膜1918を形成した後、薄膜トランジスタ1900a〜薄膜トランジスタ1900f、導電膜1917a、1917b等を含む層(以下、「素子形成層1919」と記す)を基板1901から剥離する。ここでは、レーザー光(例えばUV光)を照射することによって、薄膜トランジスタ1900a〜薄膜トランジスタ1900fを避けた領域に開口部を形成後、物理的な力を用いて基板1901から素子形成層1919を剥離することができる。また、基板1901から素子形成層1919を剥離する前に、形成した開口部にエッチング剤を導入して、剥離層1903を選択的に除去してもよい。エッチング剤は、フッ化ハロゲンまたはハロゲン間化合物を含む気体又は液体を使用する。例えば、フッ化ハロゲンを含む気体として三フッ化塩素(ClF3)を使用する。そうすると、素子形成層1919は、基板1901から剥離された状態となる。なお、剥離層1903は、全て除去せず一部分を残存させてもよい。こうすることによって、エッチング剤の消費量を抑え剥離層の除去に要する処理時間を短縮することが可能となる。また、剥離層1903の除去を行った後にも、基板1901上に素子形成層1919を保持しておくことが可能となる。また、素子形成層1919が剥離された基板1901を再利用することによって、コストの削減をすることができる。
絶縁膜1918は、CVD法やスパッタ法等により、酸化珪素(SiOx)、窒化珪素(SiNx)、酸化窒化珪素(SiOxNy)(x>y)、窒化酸化珪素(SiNxOy)(x>y)等の酸素または窒素を有する絶縁膜やDLC(ダイヤモンドライクカーボン)等の炭素を含む膜、エポキシ、ポリイミド、ポリアミド、ポリビニルフェノール、ベンゾシクロブテン、アクリル等の有機材料またはシロキサン樹脂等のシロキサン材料からなる単層または積層構造で設けることができる。
本実施の形態では、図21(A)に示すように、レーザー光の照射により素子形成層1919に開口部を形成した後に、当該素子形成層1919の一方の面(絶縁膜1918の露出した面)に第1のシート材1920を貼り合わせた後、基板1901から素子形成層1919を剥離する。
次に、図21(B)に示すように、素子形成層1919の他方の面(剥離により露出した面)に、加熱処理と加圧処理の一方又は両方を行って第2のシート材1921を貼り合わせる。第1のシート材1920、第2のシート材1921として、ホットメルトフィルム等を用いることができる。
また、第1のシート材1920、第2のシート材1921として、静電気等を防止する帯電防止対策を施したフィルム(以下、帯電防止フィルムと記す)を用いることもできる。帯電防止フィルムとしては、帯電防止可能な材料を樹脂中に分散させたフィルム、及び帯電防止可能な材料が貼り付けられたフィルム等が挙げられる。帯電防止可能な材料が設けられたフィルムは、片面に帯電防止可能な材料を設けたフィルムであってもよいし、両面に帯電防止可能な材料を設けたフィルムであってもよい。さらに、片面に帯電防止可能な材料が設けられたフィルムは、帯電防止可能な材料が設けられた面をフィルムの内側になるように層に貼り付けてもよいし、フィルムの外側になるように貼り付けてもよい。なお、帯電防止可能な材料はフィルムの全面、あるいは一部に設けてあればよい。ここでの帯電防止可能な材料としては、金属、インジウムと錫の酸化物(ITO)、両性界面活性剤や陽イオン性界面活性剤や非イオン性界面活性剤等の界面活性剤用いることができる。また、他にも帯電防止材料として、側鎖にカルボキシル基および4級アンモニウム塩基をもつ架橋性共重合体高分子を含む樹脂材料等を用いることができる。これらの材料をフィルムに貼り付けたり、練り込んだり、塗布することによって帯電防止フィルムとすることができる。帯電防止フィルムで封止を行うことによって、商品として取り扱う際に、外部からの静電気等によって半導体素子に悪影響が及ぶことを抑制することができる。
なお、バッテリーは、導電膜1915a、1915bに接続して形成されるが、バッテリーとの接続は、基板1901から素子形成層1919を剥離する前(図20(B)又は図20(C)の段階)に行ってもよいし、基板1901から素子形成層1919を剥離した後(図21(A)の段階)に行ってもよいし、素子形成層1919を第1のシート材及び第2のシート材で封止した後(図21(B)の段階)に行ってもよい。以下に、素子形成層1919とバッテリーを接続して形成する一例を図22、図23を用いて説明する。
図20(B)において、アンテナとして機能する導電膜1917a、1917bと同時に導電膜1915a、1915bにそれぞれ電気的に接続する導電膜1931a、1931bを形成する。続けて、導電膜1917a、1917b、導電膜1931a、1931bを覆うように絶縁膜1918を形成した後、導電膜1931a、1931bの表面が露出するように開口部1932a、1932bを形成する。その後、図22(A)に示すように、レーザー光の照射により素子形成層1919に開口部を形成した後に、当該素子形成層1919の一方の面(絶縁膜1918の露出した面)に第1のシート材1920を貼り合わせた後、基板1901から素子形成層1919を剥離する。
次に、図22(B)に示すように、素子形成層1919の他方の面(剥離により露出した面)に、第2のシート材1921を貼り合わせた後、素子形成層1919を第1のシート材1920から剥離する。従って、ここでは第1のシート材1920として粘着力が弱いものを用いる。続けて、開口部1932a、1932bを介して導電膜1931a、1931bとそれぞれ電気的に接続する導電膜1934a、1934bを選択的に形成する。
導電膜1934a、1934bは、CVD法、スパッタリング法、スクリーン印刷やグラビア印刷等の印刷法、液滴吐出法、ディスペンサ法、メッキ法等を用いて、導電性材料により形成する。導電性材料は、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、銀(Ag)、銅(Cu)、金(Au)、白金(Pt)ニッケル(Ni)、パラジウム(Pd)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)から選択された元素、又はこれらの元素を主成分とする合金材料若しくは化合物材料で、単層構造又は積層構造で形成する。
なお、ここでは、基板1901から素子形成層1919を剥離した後に導電膜1934a、1934bを形成する例を示しているが、導電膜1934a、1934bを形成した後に基板1901から素子形成層1919の剥離を行ってもよい。
次に、図23(A)に示すように、基板上に複数の素子を形成している場合には、素子形成層1919を素子ごとに分断する。分断は、レーザー照射装置、ダイシング装置、スクライブ装置等を用いることができる。ここでは、レーザー光を照射することによって1枚の基板に形成された複数の素子を各々分断する。
次に、図23(B)に示すように、分断された素子をバッテリーの接続端子と電気的に接続する。ここでは、素子形成層1919に設けられた導電膜1934a、1934bと基板1935上に設けられたバッテリーの接続端子となる導電膜1936a、1936bとをそれぞれ接続する。ここで、導電膜1934aと導電膜1936aとの接続、又は導電膜1934bと導電膜1936bとの接続は、異方導電性フィルム(ACF(Anisotropic Conductive Film))や異方導電性ペースト(ACP(Anisotropic Conductive Paste))等の接着性を有する材料を介して圧着させることにより電気的に接続する場合を示している。ここでは、接着性を有する樹脂1937に含まれる導電性粒子1938を用いて接続する例を示している。また、他にも、銀ペースト、銅ペーストまたはカーボンペースト等の導電性接着剤や半田接合等を用いて接続を行うことも可能である。
バッテリーが素子より大きい場合には、図22、図23に示したように、一枚の基板上に複数の素子を形成し、当該素子を分断後にバッテリーと接続することによって、一枚の基板に作り込める素子の数を増やすことができるため、半導体装置をより低コストで作製することが可能となる。
その後、上記実施の形態で示したように、ブースターアンテナと接続してもよい。
以上の工程により、半導体装置を作製することができる。なお、本実施の形態では、基板上に薄膜トランジスタ等の素子を形成した後に剥離する工程を示したが、剥離を行わずそのまま製品としてもよい。また、ガラス基板上に薄膜トランジスタ等の素子を設けた後に、当該ガラス基板を素子が設けられた面と反対側から研磨することにより、又はSi等の半導体基板を用いてMOS型のトランジスタを形成した後に当該半導体基板を研磨することによって、半導体装置の薄膜化、小型化を行うことができる。
なお、本実施の形態は、本明細書中の他の実施の形態の記載と組み合わせて実施することが可能である。
(実施の形態4)
本実施の形態では、上記実施の形態と異なる半導体装置及びその作製方法の一例に関して図面を参照して説明する。
まず、図24(A)に示すように、基板2401の一表面に絶縁膜2402を介して剥離層2403を形成し、続けて下地膜として機能する絶縁膜2404と導電膜2405を積層して形成する。なお、絶縁膜2402、剥離層2403、絶縁膜2404および導電膜2405は、連続して形成することができる。
なお、導電膜2405は、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、ニオブ(Nb)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、ジルコニウム(Zr)、亜鉛(Zn)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)から選択された元素または当該元素を主成分とする合金材料若しくは化合物材料からなる膜を単層又は積層して形成する。また、これらの材料は、スパッタ法やプラズマCVD法等の各種CVD法等を用いて形成することができる。
また、基板2401、絶縁膜2402、剥離層2403、絶縁膜2404は、それぞれ上記実施の形態で説明した基板1901、絶縁膜1902、剥離層1903、絶縁膜1904のいずれかの材料を用いて形成することができる。
次に、図24(B)に示すように、導電膜2405を選択的にエッチングして導電膜2405a〜2405eを形成し、当該導電膜2405a〜2405eを覆うように絶縁膜2406、2407を積層して形成する。
なお、絶縁膜2406、絶縁膜2407は、CVD法やスパッタリング法等を用いて、酸化シリコン、窒化シリコン、酸化窒化シリコン(SiOxNy)(x>y>0)、窒化酸化シリコン(SiNxOy)(x>y>0)等の絶縁材料を用いて形成する。例えば、絶縁膜2406として窒化酸化シリコンを用い、絶縁膜2407として酸化窒化シリコンを用いて形成することができる。また、ここでは、絶縁膜を2層積層させて設けた例を示しているが、絶縁膜2406又は絶縁膜2407の一方のみ設けてもよいし、3層以上の絶縁膜を積層させて設けてもよい。
次に、図24(C)に示すように、導電膜2405a〜2405dの上方に選択的に半導体膜2408a〜2408dを形成する。ここでは、絶縁膜2407上にスパッタリング法、LPCVD法、プラズマCVD法等により、非晶質半導体膜(例えば、非晶質珪素膜)を25〜200nm(好ましくは30〜150nm)の厚さで形成し、当該非晶質半導体膜を結晶化した後に選択的にエッチングして半導体膜2408a〜2408dを形成する。半導体膜の材料や結晶化方法等は上記実施の形態で示した方法を用いることができる。また、絶縁膜2406、絶縁膜2407及び非晶質半導体膜は、連続して形成することができる。
なお、導電膜2405a〜2405dにより絶縁膜2407の表面凹凸となっている場合には、絶縁膜2407上に非晶質半導体膜を形成する前に、絶縁膜2407に平坦化処理を行い当該絶縁膜2407の表面を平らにしておくことが好ましい。平坦化処理としては、CMP法等の研磨処理を用いることができる。CMP法等の研磨処理を行うことにより、図24(A)に示すように表面が平坦化された絶縁膜2407上に半導体膜を形成することができるため、半導体膜2408a〜2408dを用いて素子を形成する際に当該素子の特性へ及ぼす影響を低減することができる。
次に、図24(D)に示すように、半導体膜2408a〜2408dを覆うようにゲート絶縁膜2409を形成し、半導体膜2408a〜2408cの上方にゲート電極2410を選択的に形成した後、当該ゲート電極2410をマスクとして、半導体膜2408a〜2408dに不純物元素を添加し不純物領域2411を形成する。不純物元素としては、n型又はp型を付与する不純物元素を添加する。n型を示す不純物元素としては、リン(P)やヒ素(As)等を用いることができる。p型を示す不純物元素としては、ボロン(B)やアルミニウム(Al)やガリウム(Ga)等を用いることができる。ここでは、n型を付与する不純物元素であるリン(P)を1×1019〜1×1020/cm3の濃度で含まれるように半導体膜2408a〜2408dに導入し、n型を示す不純物領域2411を形成する。なお、これに限られず、p型を付与する不純物元素を添加してp型を示す不純物領域を形成してもよいし、n型及びp型を付与する不純物元素を選択的に半導体膜2408a〜2408dに導入してもよい。
以上の工程により、図24(D)に示すように、nチャネル型薄膜トランジスタ2400a〜2400cと容量として機能する素子2400dが形成される。
nチャネル型薄膜トランジスタ2400aは、ゲート電極2410と重なる半導体膜2408aの領域にチャネル形成領域が形成され、ゲート電極2410と重ならない領域に当該チャネル領域と隣接してソース領域又はドレイン領域を形成する不純物領域2411が形成されている。また、nチャネル型薄膜トランジスタ2400b、2400cも同様にチャネル形成領域及びソース領域又はドレイン領域を形成する不純物領域2411が形成されている。
素子2400dは、導電膜2405d、絶縁膜2406、2407及び不純物元素が導入された不純物領域2411との積層構造によって容量が形成されている。
なお、ここでは、nチャネル型薄膜トランジスタ2400a〜2400cを設けた例を示したが、pチャネル薄膜トランジスタを設けてもよいし、上記実施の形態で示したように、ゲート電極2410の側面に接して絶縁膜を設けnチャネル型薄膜トランジスタ2400a〜2400cの半導体膜に低濃度不純物領域(LDD領域)を設けた構成とすることも可能である。
また、ここでは、図27(A)に示すように、半導体膜2408a〜2408cより導電膜2405a〜2405cを大きく形成した(薄膜トランジスタ2400a〜2400cのチャネル形成領域及び不純物領域2411と重なるように導電膜2405a〜2405cを形成した)例を示しているが、これに限られない。例えば、図27(B)に示すように、薄膜トランジスタ2400a〜2400cの不純物領域2411の一部及びチャネル形成領域全面と重なるように導電膜2405a〜2405cを設けてもよいし、不純物領域2411の一部及びチャネル形成領域の一部と重なるように導電膜2405a〜2405cを設けてもよいし、チャネル形成領域の一部とだけ重なるように導電膜2405a〜2405cを設けてもよい。このように設ける場合には、特にCMP等の研磨処理を行い絶縁膜2407の平坦化することが好ましい。
なお、導電膜2405a〜2405cを設けることによって、薄膜トランジスタの破損の防止、ESD(Electrostatic Discharge:静電破壊)の防止、ショートチャネル効果の抑制、しきい値制御等を行うことも可能となる。また、配線2405eを上層に形成する配線として設けることによって、工程の削減などを行うことも可能となる。
つまり、薄膜トランジスタ2400a〜2400cを有する半導体装置は、撓んでも薄膜トランジスタ2400a〜2400cのチャネル形成領域や不純物領域と重なるように設けられた導電膜によりチャネル形成領域や不純物領域での撓みを抑制することができるため薄膜トランジスタ2400a〜2400cも破損の防止を図ることができる。特に、図27(B)に示すように、ゲート電極の半導体膜を挟んだ反対側に位置する導電膜2405a〜2405cを半導体膜のサイズより大きく設ける構成を取りうることによって、トランジスタにおける半導体層の物理的な強度が増すことにより、トランジスタに物理的な力が加わることに伴うトランジスタの破損を防止することができる。
また、半導体装置の製造時において、導電膜2405a〜2405cが電荷の逃げ道若しくは電荷の拡散領域となり、局所的な電荷の蓄積を低減し、電界集中を緩和することができるためESDを防止することができる。
また、導電膜2405a〜2405cによってそれぞれの薄膜トランジスタ2400a〜2400cにおいて、ドレインからソースへの影響を遮断することによって、チャネル長が短くなっても、ショートチャネル効果を抑制することができる。つまり、薄膜トランジスタ2400a〜2400cの微細化に伴って問題となる、チャネル長の減少によって生じるショートチャネル効果(トランジスタのしきい値電圧Vthが急激にシフトし、サブスレッショルド領域のドレイン電流の立ち上がりがなまるなどの現象)を抑制することができる。
また、導電膜2405a〜2405cに入力する電位によって、薄膜トランジスタ2400a〜2400cのしきい値を制御することができる。
図34(B)はN型のMOSトランジスタのドレイン電流とゲート電圧の関連を示したグラフである。理想的にはゲート電圧Vgが正の領域では、ドレイン電流Idが十分大きく、ゲート電圧Vgが0以下では、ドレイン電流Idは0であることが望ましい。ところが実際にはドレイン電流Idはカーブ3404に示すようにゲート電圧Vgが0であっても、ILだけの漏れ電流が流れる。個々のトランジスタの電流は小さいが、半導体装置には多くのトランジスタが設けられており、それらの漏れ電流をあわせると、小さなものにはならない場合がある。このような漏れ電流は待機時の半導体装置の消費電力を増加させるもとになる。つまり、バッテリーに蓄えられた電力の消費を増大させるものとなってしまう。
トランジスタのチャネル領域に不純物を微量添加し、図34(B)に示すカーブを右にずらすことによって、この漏れ電流を減らすことは可能である。しかし、その場合、Vgが正の場合の電流も低下してしまい、回路の周波数特性を低下させるという問題があった。
以上のような問題を解決するため、トランジスタを構成する半導体膜の上下側にそれぞれゲート電極を設ける。つまり、トランジスタを断面からみたとき、半導体膜は第1のゲート電極と第2のゲート電極の間に位置する。そして、第1のゲート電極に論理信号を、第二のゲート電極にしきい値制御信号を加え、半導体装置を構成するトランジスタのしきい値を第2のゲート電極の電位によって可変にする。本実施の形態においては、導電膜2405a〜2405cをそれぞれ薄膜トランジスタ2400a〜2400cの第2のゲート電極に用いることができる。
図34(A)に第1のゲート電極および第2のゲート電極を有するトランジスタのId−Vg特性を示す。図34(A)では3種類のカーブ3401〜カーブ3403を示しているが、カーブ3402は第2のゲート電極に正の電圧を加えたときのカーブである。このような場合にはカーブが左にシフトし、より電流が流れるようになる。またカーブ3401は第2のゲート電極に0の電圧をかける場合である。このような場合は従来例と同じである。カーブ3403は第2のゲート電極に負の電圧を加えたときのカーブである。このような場合にはカーブが右にシフトし、電流は流れにくくなり、漏れ電流も低減する。このように本実施の形態に係る半導体装置にしきい値制御機能を設け、トランジスタのId−Vg特性のカーブをシフトさせることによって、漏れ電流を低減することが可能となる。
なお、本実施の形態における導電膜2405a〜2405cと同時に、導電膜の上層で形成するアンテナ回路を同時に形成してもよい。導電膜2405a〜2405cとアンテナ回路を同時に形成することにより工程を削減することができ、マスク数を削減することができるため、好適である。また、導電膜2405a〜2405cで半導体膜間の配線を兼ねることもできるため好適である。具体的に、ここでは配線2405eをアンテナとして機能する導電膜として形成してもよい。
次に、図25(A)に示すように、薄膜トランジスタ2400a〜2400c、素子2400dを覆うように絶縁膜2412を形成し、当該絶縁膜2412上に薄膜トランジスタ2400a〜2400cのソース領域又はドレイン領域を形成する不純物領域2411と電気的に接続する導電膜2413を形成する。
絶縁膜2412は、CVD法、スパッタ法、SOG法、液滴吐出法、スクリーン印刷法等により、珪素の酸化物や珪素の窒化物等の無機材料、ポリイミド、ポリアミド、ベンゾシクロブテン、アクリル、エポキシ等の有機材料やシロキサン材料等により、単層または積層で形成する。
導電膜2413は、上記実施の形態で説明した導電膜1913のいずれかの材料を用いて形成することができる。
次に、図25(B)に示すように、導電膜2413を覆うように絶縁膜2414を形成し、当該絶縁膜2414上に薄膜トランジスタ2400a〜2400cソース電極又はドレイン電極を形成する導電膜2413とそれぞれ電気的に接続する導電膜2415a、2415bを形成した後、当該導電膜2415a、2415bと電気的に接続するようにアンテナとして機能する導電膜2416a、2416bを形成する。なお図25(B)における導電膜2416a、2416bは、上記実施の形態1で示した第1のアンテナ回路、及び第2のアンテナ回路に対応する。
続いて、導電膜2416a、2416bを覆うように絶縁膜2417を形成した後、薄膜トランジスタ2400a〜2400c、素子2400d、導電膜2416a、2416b等を含む層(以下、「素子形成層720」と記す)を基板2401から剥離する。剥離する方法は上記実施の形態で示したいずれかの方法を用いることができる。
ここでは、図26(A)に示すように、レーザー光の照射により素子形成層720に開口部を形成した後に、当該素子形成層720の一方の面(絶縁膜2417の露出した面)に第1のシート材2418を貼り合わせた後、基板2401から素子形成層720を剥離する。
次に、図26(B)に示すように、素子形成層720の他方の面(剥離により露出した面)に、第2のシート材2419を貼り合わせた後、加熱処理と加圧処理の一方又は両方を行って第2のシート材2419を貼り合わせる。第1のシート材2418、第2のシート材2419として、ホットメルトフィルム等を用いることができる。
以上の工程によって、半導体装置を作製することができる。なお、本実施の形態では、容量を形成する素子2400dをバッテリーとして用いることができる。また、素子2400dとは別にバッテリーを設けてもよい。この場合、上記実施の形態で示した方法を用いてバッテリーを設けることができる。
なお、本実施の形態で示す半導体装置はこれに限られない。例えば、バッテリー又はアンテナとして機能する導電膜を薄膜トランジスタ2400a〜2400cの下方に設けた構造としてもよい。
バッテリーを薄膜トランジスタ2400a〜2400cの下方に設けた例を図28に示す。ここでは、薄膜トランジスタ2400bのソース電極又はドレイン電極として機能する導電膜2413に電気的に接続するように導電膜2431aを設け、当該導電膜2431aとバッテリーの接続配線を形成する導電膜2433aとの接続を素子形成層720の下方(基板2401から素子形成層720を剥離して露出した面)で行っている例を示している。また、ここでは、容量を形成する素子2400dの代わりに薄膜トランジスタを設け、当該薄膜トランジスタのソース電極又はドレイン電極として機能する導電膜2413に電気的に接続するように導電膜2432aを設け、当該導電膜2431bとバッテリーの接続配線を形成する導電膜2433aとの接続を素子形成層720の下方(基板2401から素子形成層720を剥離して露出した面)で行っている例を示している。
このように設ける場合、上記図25(A)において、薄膜トランジスタ2400a〜2400cの不純物領域2411を露出させためにゲート絶縁膜2409及び絶縁膜2412に第1の開口部を形成すると同時に、絶縁膜2406、2407、ゲート絶縁膜2409、絶縁膜2412に第2の開口部を形成し、当該第1の開口部を充填するように導電膜2413を設け、第2の開口部を充填するように導電膜2431a、2431bを形成する。第1の開口部と第2の開口部は同時に形成することができ、第1の開口部を形成する場合には半導体膜2408a〜2408cがストッパとして機能し、第2の開口部を形成する際には剥離層2403がストッパとして機能する。その後、図28(A)の説明で、上述したようにアンテナとして機能する導電膜2416a、2416bを形成した後、基板2401から素子形成層720を剥離する。
その後、図28(B)に示すように基板2401から剥離された素子形成層720の露出した面に形成された導電膜2431a、2431bと基板2432上に設けられたバッテリーの接続配線となる導電膜2433a、2433bとをそれぞれ接続する。ここでは、導電膜2431aと導電膜2433aとの接続、又は導電膜2431bと導電膜2433bとの接続は、異方導電性フィルム(ACF(Anisotropic Conductive Film))や異方導電性ペースト(ACP(Anisotropic Conductive Paste))等の接着性を有する材料を介して圧着させることにより電気的に接続する場合を示している。ここでは、接着性を有する樹脂2434に含まれる導電性粒子2435を用いて接続する例を示している。また、他にも、銀ペースト、銅ペーストまたはカーボンペースト等の導電性接着剤や半田接合等を用いて接続を行うことも可能である。
なお、本実施の形態では、バッテリーのみならずアンテナとして機能する導電膜を薄膜トランジスタ2400a〜2400cの下方に設けた構造としてもよい。バッテリー及びアンテナとして機能する導電膜2416を薄膜トランジスタ2400a〜2400cの下方に設けた例を図29に示す。
ここでは、薄膜トランジスタ2400cのソース電極又はドレイン電極として機能する導電膜2413に電気的に接続するように導電膜2431cを設け、当該導電膜2431cとアンテナとして機能する導電膜2416bとの接続を素子形成層720の下方(基板2401から素子形成層720を剥離して露出した面)で行っている例を示している。また、バッテリーも上記図28と同様に設けた例を示している。
このように設ける場合、上記図25(A)において、薄膜トランジスタ2400a〜2400cの不純物領域2411を露出させためにゲート絶縁膜2409及び絶縁膜2412に第1の開口部を形成すると同時に、図29(A)に示すように、絶縁膜2406、2407、ゲート絶縁膜2409、絶縁膜2412に第2の開口部を形成し、当該第1の開口部を充填するように導電膜2413を設け、第2の開口部を充填するように導電膜2431a、2431b、2431cを形成する。第1の開口部と第2の開口部は同時に形成することができ、第1の開口部を形成する場合には半導体膜2408a〜2408cがストッパとして機能し、第2の開口部を形成する際には剥離層2403がストッパとして機能する。その後、図28(A)で上述したようにアンテナとして機能する導電膜2416aを形成した後、基板2401から素子形成層720を剥離する。
その後、図29(B)に示すように、基板2401から剥離された素子形成層720の露出した面に形成された導電膜2431a、2431bと基板2432上に設けられたバッテリーの接続配線となる導電膜2433a、2433bとをそれぞれ接続する。また、基板2401から剥離された素子形成層720の露出した面に形成された導電膜2431cと基板2436上に設けられたアンテナとして機能する導電膜2416bとを接続する。
このように薄膜トランジスタ2400a〜2400c等が設けられた素子よりバッテリーやアンテナが大きい場合には、図28、図29に示したように、素子形成層とバッテリー又はアンテナを貼り合わせて設けることが好ましい。素子より大きいバッテリーやアンテナ用いる場合には、一枚の基板上に複数の素子を形成し、当該素子を分断した後にバッテリーやアンテナを素子と貼り合わせて設けることによって、半導体装置をより低コストで作製することが可能となる。
なお、本実施の形態は、本明細書中の他の実施の形態の記載と組み合わせて実施することが可能である。
(実施の形態5)
本実施の形態では、上記実施の形態で示した半導体装置における第1のアンテナ、第2のアンテナ、信号処理回路、バッテリー、及びブースターアンテナの接続構成に関して、図面を参照して説明する。
まず、図11(A)に示す図面において、信号処理回路9901、信号処理回路の上部電極9902、信号処理回路の下部電極9903、バッテリー9904、バッテリーの側部電極9905、基板9906、アンテナ回路9907で構成されている。図11(A)における信号処理回路9901は上下に電極を取る構造であり、バッテリーは側部に電極を取る構造であり、アンテナ回路は上部に電極を取る構造である。また、バッテリー9904、信号処理回路9901、アンテナ回路を有する基板9906は順に積層して配置されているものである。
また本実施の形態でいう上部、下部、及び側部は、図面に照らし合わせて説明するための呼称であり、実際の接続においては、その形状と図面を照らし合わせた上で各部の位置を特定し接続すればよい。
なお、本実施の形態でいうアンテナ回路9907は、上記実施の形態で述べた第1のアンテナ回路または第2のアンテナ回路のことをいう。また、アンテナ回路9907と信号処理回路9901の接続は、アンテナ回路における端子部において接続が行われる。
また、本実施の形態において示す各構成間の接続に関しては、説明のため1カ所ずつの接続を図示して説明するが、実際の各構成間の接続数はこれに限定されるものではなく、複数箇所で本実施の形態で示す接続を行うものとして説明する。
なお信号処理回路における上部電極及び下部電極の接続構成に関しては、上記実施の形態で示した図22(B)で示したトランジスタの上部に電気的に接続を取る構成、また上記実施の形態で示した図29(B)で示したトランジスタの下部に電気的に接続を取る構成をとればよい。また側面を介して上部電極と下部電極との接続を取る側部電極ついては、スパッタリング法、めっき等を用いて形成すればよい。
次に図11(A)とは異なる構成について図11(B)に示す。図11(B)に示す図面において、信号処理回路9901、信号処理回路の上部電極9912、信号処理回路の側部電極9913、バッテリー9904、バッテリーの側部電極9905、基板9906、アンテナ回路9907で構成されている。図11(B)における信号処理回路9901はバッテリー側に接続される電極を上部電極と、バッテリー側の電極より信号処理回路の側面に沿って基板側に回り込んだ側部電極の2カ所の電極を取る構造であり、バッテリーは側部に電極を取る構造であり、アンテナ回路は上部に電極を取る構造である。また、バッテリー9904、信号処理回路9901、アンテナ回路を有する基板9906は順に積層して配置されているものである。
次に図11(A)、(B)とは異なる構成について図11(C)に示す。図11(C)に示す図面において、信号処理回路9901、信号処理回路の上部電極9902、バッテリー9904、バッテリーの側部電極9905、基板9906、ブースターアンテナ9909で構成されている。図11(C)における信号処理回路9901はバッテリー側に接続される電極が上部電極を取る構造であり、バッテリーは側部に電極を取る構造であり、ブースターアンテナは上部に電極を取る構造である。また、バッテリー9904、信号処理回路9901、ブースターアンテナを有する基板9906は順に積層して配置されているものである。
なお、図11(C)においては、図11(A)、(B)に示す構成とは異なり、上記実施の形態で説明した第1のアンテナ回路及び第2のアンテナ回路は、信号処理回路と共に設けられているものとする。
次に図11(A)乃至(C)とは異なる構成について図11(D)に示す。図11(D)に示す図面において、信号処理回路9901、信号処理回路の上部電極9902、信号処理回路の下部電極9903、バッテリー9904、バッテリーの下部電極9915、基板9906、アンテナ回路9907で構成されている。図11(D)における信号処理回路9901は上下に電極を取る構造であり、バッテリーは下部に電極を取る構造であり、アンテナ回路は上部に電極を取る構造である。また、バッテリー9904、信号処理回路9901、アンテナ回路を有する基板9906は順に積層して配置されているものである。
次に図11(A)乃至(D)とは異なる構成について図11(E)に示す。図11(E)に示す図面において、信号処理回路9901、信号処理回路の上部電極9912、信号処理回路の側部電極9913、バッテリー9904、バッテリーの下部電極9915、基板9906、アンテナ回路9907で構成されている。図11(E)における信号処理回路9901はバッテリー側に接続される電極を上部電極と、バッテリー側の電極より信号処理回路の側面に沿って基板側に回り込んだ側部電極の2カ所の電極を取る構造であり、バッテリーは下部に電極を取る構造であり、アンテナ回路は上部に電極を取る構造である。また、バッテリー9904、信号処理回路9901、アンテナ回路を有する基板9906は順に積層して配置されているものである。
次に図11(A)乃至(E)とは異なる構成について図11(F)に示す。図11(F)に示す図面において、信号処理回路9901、信号処理回路の上部電極9902、バッテリー9904、バッテリーの下部電極9915、基板9908、ブースターアンテナ9909で構成されている。図11(F)における信号処理回路9901はバッテリー側に接続される電極が上部電極を取る構造であり、バッテリーは下部に電極を取る構造であり、ブースターアンテナは上部に電極を取る構造である。また、バッテリー9904、信号処理回路9901、ブースターアンテナを有する基板9908は順に積層して配置されているものである。
なお、図11(F)においては、図11(A)、(B)、(D)、(E)に示す構成とは異なり、上記実施の形態で説明した第1のアンテナ回路及び第2のアンテナ回路は、信号処理回路と共に設けられているものとする。
以上、説明したように本実施の形態におけるアンテナ回路、信号処理回路、バッテリー、ブースターアンテナに関する接続については、多くの態様を取り得る。図11に示した各構成を取ることにより、アンテナ回路、信号処理回路、バッテリーに関して直接接続を取ることができるため、基板外周部に配線を延伸して接続を行う必要がない。またアンテナ回路、信号処理回路、バッテリーのサイズを適宜調節すれば、RFIDを有する半導体装置の小型化を行うこともでき、好適である。
なお、本実施の形態は、本明細書中の他の実施の形態の記載と組み合わせて実施することが可能である。
(実施の形態6)
本実施の形態においては、本発明の半導体装置の充電方法の一例について説明する。
本実施の形態に係る半導体装置は、図1に示した半導体装置において、充放電制御回路9301を追加した構成である(図41)。充放電制御回路9301は、バッテリー104の充電及び放電のタイミングを制御する。
例えば、充放電制御回路9301によって、バッテリー104の充放電を同時可動にしてもよい。つまり、バッテリー104の電圧を信号処理回路103の電源として使用しているか否かに関わらず、第2の整流回路107から出力される電力をバッテリー104に供給し、充電を行うことを可能とする。
そして、充放電制御回路9301は、バッテリー104へ過充電とならないようにするため、バッテリー104の電圧が規定の電圧に達した場合にバッテリー104への充電を停止する機能を有していてもよい。
この場合のフローチャートの例を図37に示す。以下に、図37のフローチャートについて簡単に説明する。
まず、第2のアンテナ回路102で信号を受信する(STEP9401)。そして、第2のアンテナ回路102で受信した信号を第2の整流回路107で整流し、電力を得る(STEP9402)。第2の整流回路107から出力される電力は充放電制御回路9301に供給される。そして、バッテリー104の電圧が規定した電圧より小さいかを充放電制御回路9301は判別する(STEP9403)。そして、規定した電圧より小さいときには、充放電制御回路9301は第2の整流回路107から出力される電力を一定時間バッテリー104に供給してバッテリーを充電する(STEP9404)。規定した電圧以上のとき(STEP9403及びSTEP9404を繰り返して規定した電圧以上になった場合を含む)には充放電制御回路9301は第2の整流回路107から出力される電力をバッテリー104に供給しない(STEP9405)。第2のアンテナ回路102で信号が受信される度これらの動作が行われる。
また、充放電制御回路9301は、バッテリー104の電圧が規定された電圧未満になったら、充放電制御回路9301によって、バッテリー104への充電を可能とし、バッテリー104の電圧が規定の電圧になったらバッテリー104への充電を停止する機能を有していてもよい。
この場合のフローチャートの例を図38に示す。以下に、図38のフローチャートについて簡単に説明する。
まず、第2のアンテナ回路102で信号を受信する(STEP9501)。そして、第2のアンテナ回路102で受信した信号を第2の整流回路107で整流し、電力を得る(STEP9502)。第2の整流回路107から出力される電力は充放電制御回路9301に供給される。そして、バッテリー104の電圧が規定した電圧V1より小さいかを充放電制御回路9301は判別する(STEP9503)。そして、規定した電圧V1より小さいときには、充放電制御回路9301は第2の整流回路107から出力される電力をバッテリー104に供給してバッテリーの電圧が規定した電圧V2(なおV2>V1とする)になるまで充電する(STEP9504)。規定した電圧V1以上のとき(STEP9504によりバッテリー104の電圧が電圧V1以上になった場合を含む)には充放電制御回路9301は第2の整流回路107から出力される電力をバッテリー104に供給しない(STEP9505)。第2のアンテナ回路102で信号が受信される度これらの動作が行われる。
また、バッテリー104は、充電又は放電のいずれかを行うようにしてもよい。つまり、第1のアンテナ回路101で信号が受信されていないときには、充放電制御回路9301は、バッテリー104への充電を可能にし、第1のアンテナ回路101で信号を受信すると、充放電制御回路9301はバッテリー104への充電を停止し、バッテリー104からの放電を可能とする。
この場合のフローチャートの例を図39に示す。以下に、図39のフローチャートについて簡単に説明する。
まず、第2のアンテナ回路102で信号を受信する(STEP9601)。そして、第2のアンテナ回路102で受信した信号を第2の整流回路107で整流し、電力を得る(STEP9602)。第2の整流回路107から出力される電力は充放電制御回路9301に供給される。そして、第1のアンテナ回路101が信号を受信中のときには例えば論理回路110からその情報を伝達する信号が充放電制御回路9301に入力される(STEP9603)。そして、充放電制御回路9301は第2の整流回路107からバッテリー104への電力の供給を停止する(STEP9604)。第1のアンテナ回路101が信号を受信中でないときには、充放電制御回路9301は第2の整流回路107から出力される電力をバッテリー104に供給してバッテリー104の電圧を規定の電圧まで充電する(STEP9605及びSTEP9606)。規定の電圧になったら充放電制御回路9301は第2の整流回路107から出力される電力をバッテリー104に供給しない(STEP9604)。第2のアンテナ回路102で信号が受信される度これらの動作が行われる。
また、第1のアンテナ回路101で信号を受信し、信号処理回路103で信号処理を行い、第1のアンテナ回路101から信号を送信した後、バッテリー104の消費電力分をバッテリー104へ充電可能とするような機能を充放電制御回路9301が有していてもよい。
この場合のフローチャートの例を図40に示す。以下に、図40のフローチャートについて簡単に説明する。
まず、第1のアンテナ回路101で信号を受信する(STEP9701)。そして、第1のアンテナ回路101で受信した信号を信号処理回路103で信号処理し、第1のアンテナ回路101から信号を送信する(STEP9702)。その後、充放電制御回路9301は、第2のアンテナ回路102で受信した信号から得られる電力をバッテリー104に供給し、バッテリーの電圧を規定の電圧まで充電する(STEP9703)。つまり、第1のアンテナ回路101で信号を送信する度、規定の電圧まで充電することにより、消費した電力分を充電することができる。
また、充放電制御回路9301には、過充電を防止するだけでなく、過放電を防止する機能を設けていても良い。
また、充放電制御回路9301には、急激な充電や急激な放電により、バッテリー104が劣化するのを防止する機能を有していてもよい。
なお、本実施の形態は、本明細書中の他の実施の形態の記載と組み合わせて実施することが可能である。
(実施の形態7)
本実施の形態では、アンテナ回路で受信した信号に同期させてバッテリーから出力される電圧を昇圧し、電源電圧を生成する本実施の形態に係る半導体装置の構成について説明する。
図35は、本実施の形態に係る半導体装置の構成例を示すブロック図である。
図35に示す半導体装置は、受信した信号に同期させてバッテリーから出力される電圧を昇圧する。そして、その昇圧した電圧を、不揮発性メモリへ書き込むデータの振幅を大きくするためのレベルシフタ回路の電源に用いている。
本実施の形態に係る半導体装置9100は、アンテナ回路9101と、信号処理回路9102と、バッテリー9114と、を有する。
アンテナ回路9101のアンテナ形状としては、様々な形態をとることができる。例えば、いわゆる、ダイポールアンテナ、ループアンテナ、八木アンテナ、パッチアンテナ又は微小アンテナなどの形状をとることができる。信号処理回路に含まれるトランジスタを形成する基板上にアンテナも形成する場合には、好ましくは、アンテナ形状を微小ループアンテナや、微小ダイポールアンテナなどの形状のアンテナとするとよい。
また、アンテナ回路9101には、受信した信号の周波数を変更する手段を有していても良い。例えば、アンテナ形状がループアンテナのとき、アンテナを構成するアンテナコイルと、コンデンサとにより共振回路を形成していてもよい。
バッテリー9114には、リチウムイオン電池、リチウム二次電池、ニッケル水素電池、ニカド電池、有機ラジカル電池、鉛蓄電池、空気二次電池、ニッケル亜鉛電池、銀亜鉛電池などの二次電池が適用可能であるが、これには限定されない。また大容量のコンデンサなどを適用してもよい。特に、リチウムイオン電池やリチウム二次電池は充放電容量が大きいため、本実施の形態に係る半導体装置に備えるバッテリーに適用することで小型化を図ることができる。なお、リチウムイオン電池の活物質や電解質をスパッタリング法により形成することにより、バッテリー9114を信号処理回路9102が形成された基板上に形成してもよいし、アンテナ回路9101が形成された基板上に形成されていてもよい。信号処理回路9102やアンテナ回路9101が形成された基板上にバッテリー9114を形成することにより、歩留まりが向上する。金属リチウム電池は、正極活物質にリチウムイオン含有遷移金属酸化物、金属酸化物、金属硫化物、鉄系化合物、導電性ポリマー若しくは有機イオウ系化合物等を用い、負極活物質にリチウム(合金)、電解質に有機系電解液若しくはポリマー電解質などを用いることでより充放電容量の大きなバッテリー9114とすることができる。
信号処理回路9102は、整流回路9103と、電源回路9104と、復調回路9105と、論理回路9106と、メモリコントロール回路9107と、メモリ回路9108と、論理回路9109と、変調回路9110と、レベルシフタ回路9111と、昇圧回路9112と、スイッチ9113と、を有している。メモリ回路9108には、不揮発性メモリを適用することができる。
整流回路9103は、アンテナ回路9101で受信した交流信号を整流し、平滑する。そして、整流回路9103から出力される電圧は、電源回路9104に供給される。電源回路9104では、所望の電圧が生成される。そして、電源回路9104から信号処理回路9102の様々な回路の電源となる電圧を供給する。
本実施の形態に係る半導体装置の信号処理については以下のとおりである。アンテナ回路9101によって受信された通信信号が復調回路9105に入力される。通常、通信信号は13.56MHz、915MHzなどのキャリアをASK変調、PSK変調などの処理をおこなって送られてくる。
図35は13.56MHzの通信信号を用いた場合の例である。ASK変調やPSK変調された通信信号は、アンテナ回路9101で受信され、復調回路9105で復調される。復調後の信号は論理回路9106に送られ解析される。論理回路9106で解析された信号はメモリコントロール回路9107に送られ、メモリコントロール回路9107によりメモリ回路9108が制御される。
メモリコントロール回路9107に送られた信号が、メモリ回路9108からのデータの読み出し命令を含む場合には、メモリコントロール回路9107は、メモリ回路9108に記憶されたデータを取り出し、そしてデータを論理回路9109に送る。論理回路9109に送られたデータは、論理回路9109でエンコード処理されたのち、その信号によって、変調回路9110はキャリアに変調をかける。
次に、メモリコントロール回路9107に送られた信号が、メモリ回路9108へのデータの書き込み命令を含む場合には、メモリコントロール回路9107は、スイッチ9113をオンにする。すると、バッテリー9114から昇圧回路9112に電圧が供給され、供給された電圧は昇圧回路9112によって昇圧される。そして、レベルシフタ回路9111は、メモリコントロール回路9107から入力されるメモリ回路9108に書き込むデータを、昇圧回路9112によって昇圧された電圧を用いてレベルシフトする。レベルシフトされ、振幅の大きくなったデータをメモリ回路9108に書き込む。
このようにして、本実施の形態に係る半導体装置は動作する。
ここでは13.56MHzの通信信号について述べたが本発明は13.56MHzに限定されるものではなく、125KHz、UHF帯周波数、2.45GHzその他の周波数においても実現することが可能である。また、ブロック構成についても図35に示した以外の構成でも実現は可能である。
なお、本実施の形態は、本明細書中の他の実施の形態の記載と組み合わせて実施することが可能である。
(実施の形態8)
本実施の形態では、アンテナ回路で受信した信号に同期させてバッテリーから出力される電圧を用いることで、遠方への送信を可能とする本実施の形態に係る半導体装置の構成について説明する。
図36は、本実施の形態に係る半導体装置の構成例を示すブロック図である。
図36に示す半導体装置は、受信した信号により、送信距離を判別し、送信距離が近い場合には変調回路によって変調された信号をアンテナ回路に供給し、送信距離が遠い場合には変調回路によって変調された信号をアンプにより増幅してアンテナ回路に供給する。そして、アンプの電源にはバッテリーの電圧を用いる。
本発明の実施の形態に係る半導体装置9200は、アンテナ回路9201と、信号処理回路9202と、バッテリー9215とを有する。
アンテナ回路9201のアンテナ形状としては、様々な形態をとることができる。例えば、いわゆる、ダイポールアンテナ、ループアンテナ、八木アンテナ、パッチアンテナ又は微小アンテナなどの形状をとることができる。信号処理回路に含まれるトランジスタを形成する基板上にアンテナも形成する場合には、好ましくは、アンテナ形状を微小ループアンテナや、微小ダイポールアンテナなどの形状のアンテナとするとよい。
また、アンテナ回路9201には、受信した信号の周波数を変更する手段を有していても良い。例えば、アンテナ形状がループアンテナのとき、アンテナを構成するアンテナコイルと、コンデンサとにより共振回路を形成していてもよい。
バッテリー9215には、リチウムイオン電池、リチウム二次電池、ニッケル水素電池、ニカド電池、有機ラジカル電池、鉛蓄電池、空気二次電池、ニッケル亜鉛電池、銀亜鉛電池などの二次電池が適用可能であるが、これには限定されない。また大容量のコンデンサなどを適用してもよい。特に、リチウムイオン電池やリチウム二次電池は充放電容量が大きいため、本発明の第2の実施の形態に係る半導体装置に備えるバッテリーに適用することで小型化を図ることができる。なお、リチウムイオン電池の活物質や電解質をスパッタリング法により形成することにより、バッテリー9215を信号処理回路9202が形成された基板上に形成してもよいし、アンテナ回路9201が形成された基板上に形成されていてもよい。信号処理回路9202やアンテナ回路9201が形成された基板上にバッテリー9215を形成することにより、歩留まりが向上する。金属リチウム電池は、正極活物質にリチウムイオン含有遷移金属酸化物、金属酸化物、金属硫化物、鉄系化合物、導電性ポリマー若しくは有機イオウ系化合物等を用い、負極活物質にリチウム(合金)、電解質に有機系電解液若しくはポリマー電解質などを用いることでより充放電容量の大きなバッテリー9215とすることができる。
信号処理回路9202は、整流回路9203と、電源回路9204と、復調回路9205と、論理回路9206と、メモリコントロール回路9207と、メモリ回路9208と、論理回路9209と、変調回路9210と、アンプ9211と、スイッチ9212と、スイッチ9213と、スイッチ9214と、を有している。メモリ回路9208には、様々なメモリを適用することができる。例えば、マスクROMや不揮発性メモリを適用することができる。
整流回路9203は、アンテナ回路9201で受信した交流信号を整流し、平滑する。そして、整流回路9203から出力される電圧は、電源回路9204に供給される。電源回路9204では、所望の電圧が生成される。そして、電源回路9204から信号処理回路9202の様々な回路の電源となる電圧を供給する。
本発明の第2の実施の形態に係る半導体装置の信号処理については以下のとおりである。アンテナ回路9201によって受信された通信信号が復調回路9205に入力される。通常、通信信号は13.56MHz、915MHzなどのキャリアをASK変調、PSK変調などの処理をおこなって送られてくる。
図36は13.56MHzの通信信号を用いた場合の例である。ASK変調やPSK変調された通信信号は、アンテナ回路9201で受信され、復調回路9205で復調される。復調後の信号は論理回路9206に送られ解析される。論理回路9206で解析された信号はメモリコントロール回路9207に送られ、それに基づき、メモリコントロール回路9207はメモリ回路9208を制御する。そして、メモリコントロール回路9207は、メモリ回路9208に記憶されたデータを読み出し論理回路9209に送る。論理回路9209に送られたデータは、論理回路9209でエンコード処理されたのち、その信号によって、変調回路9210はキャリアに変調をかける。そして、送信距離が近い場合には、変調をかけた信号はアンテナ回路9101に送られ、送信距離が遠い場合には、変調をかけた信号はまずアンプ9211に送られ、信号が増幅されてから、アンテナ回路9101に送られる。
つまり、論理回路9206に送られた信号によって、送信距離が遠いか近いかが判別され、論理回路9206によりスイッチ9212、スイッチ9213及びスイッチ9214が制御される。送信距離が近いと判断された場合には、スイッチ9213は変調回路9210とアンテナ回路9201とを接続し、スイッチ9212及びスイッチ9214はオフにする。送信距離が遠いと判断された場合には、スイッチ9213は変調回路9210とアンプ9211とを接続し、スイッチ9212及びスイッチ9214はオンにする。つまり、送信距離が遠いと判断された場合には、アンプ9211は電源としてバッテリー9215から出力される電圧を用いて、変調回路9210から出力された信号を増幅してアンテナ回路9201に送る。
なお、送信距離の判別方法としては、あらかじめ送信距離を判別するための制御信号を論理回路9206に送ってもよいし、復調回路9205によって復調された信号の大きさで判別してもよい。
なお、本実施の形態は、本明細書中の他の実施の形態の記載と組み合わせて実施することが可能である。