JP2007280365A - 思考支援方法、そのプログラム及び記録媒体 - Google Patents

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Abstract

【課題】コンピュータを用いて使用者の収束的思考を支援する方法に関し、入力された要素間の関係付けデータの入力を容易にし、ツールの使い勝手を向上させると共に、要素が欠落している箇所を指摘するための具体的な手段を提供する。
【解決手段】要素間の関係付けデータが入力されていない要素間に無関係を内容とする関係付けデータを自動入力する手順と、前記複数の要素の階層構造を演算表示する手順と、表示された任意の要素間の1対1の関係付けデータの修正データを受取る手順とを順次行い、処理開始指令を受けるたびに修正された関係付けデータから前記複数の要素の階層構造を演算表示する手順を繰り返す。
【選択図】 図1

Description

この発明は、コンピュータを用いて使用者の収束的思考を支援する技術に関するもので、コンピュータで行われるデータの処理及び表示方法に関するものである。
複雑な系に内在する問題点の発見やその解決策の策定には、問題状況の認識とその解決策について多方面からの総合的評価が必要である。拡散的思考により多面的な問題点の抽出や多様な解決策の収集を図り、収束的思考で収集された問題点や解決案を取捨選択して関係付け、それによって統一された説得力のある問題解決策が得られる。
このような問題解決のための思考を支援する手法として、ブレーンストーミング、KJ法、NM法、ISM法、SSA法、RD法などの種々の発想手法や構造化手法が提案されている。そしてこれらの手法を用いて問題解決を行う際のコンピュータを用いた支援システムについても、種々の提案や実用例がある(非特許文献1参照)。
KJ法は、認識している問題点や想定される解決策をそれぞれ1つの要素とし、それらの要素を平面上に配置し、関係付けを行い、問題点や解決策の新たな発想や取捨を促しつつ全体をまとめて結論を導き出そうとするものである。
また、コンピュータを使用したISM法による問題の階層構造化は、従来は、図8に示すような手順によってなされている。即ち、問題状況より出発して、使用者は、関係すると思われる要素を抽出してコンピュータに入力する。次に、コンピュータは、2つの要素の総ての組合せについて、図9に示すような画面を表示して、画面に表示された左右の要素間の1対1の比較により、両要素の関係をシステムの使用者に評価させる。
図9の上部中央に142/435とあるのは、全体で435ある2要素間の組合せの内の142番目のものという意味で、この例では使用者は435の組合せの総てについて1対1の比較を行って関係付けデータを入力しなければならないことを示している。
また、図9の左右に表示されている要素間の関係は、例えば「左の要素は右の要素を規定する。」、「右の要素は左の要素の構成要素である。」、「右の要素は左の要素に影響を与える。」などの評価を←記号で関係付けるとして、←、→、←→(両要素は同レベルである。)、×(両要素は無関係である。)を2つの要素の組合せの総てについて指定する。この関係の評価に際しては、表示された2要素間の関係が直接的であるか間接的であるかを意識する必要はない。
使用者が総ての要素の組み合わせについて関係を評価したら、コンピュータは、要素間の関係を行列で認識し、要素間の関係に推移律が成立することを前提として、直接的な関係のみを表示した階層構造図を作成して表示する。この直接的な関係のみを提示した階層構造図を見ることによって、使用者は、自己の問題認識を客観的に検討することができる。
KJ法では、人間の曖昧さを反映したメカニズムを採用しており、やり方が受け入れられやすい。また、自己の問題の整理や発想化に有効であり、かつチームワークを通してコミュニケーションにも役立つが、関係付けを行う者の主観でそれぞれの要素が関係付けられており、必ずしも関係付けに論理性があるとは限らない。
一方、ISM法では、要素対のつながりを強く重視したメカニズムを採用したために、問題要素が少ないときには主観の論理性の評価に有効であるが、要素数が多いと要素間の関係付けに多大な時間を必要とし、論理的関係のみに着目する方法であるために一般には受け入れられにくい。またそれぞれの要素間の関係に推移律が成立しないと矛盾が起きるため、階層構造図を作成することができない。このような場合、総ての要素の組み合わせについて関係付けを再考する必要が生じるため、慣れない者には受け入れにくい。また、ISM法における階層構造図はKJ法における展開図に比べてわかりやすいとはいえない。
本願の発明者は、KJ法とISM法を融合することにより、自由な視点から導かれる結論と論理的に導かれる結論とを比較して自己の認識や評価を修正し、主観的にも客観的にも納得のできる解決を得るためのコンピュータを用いる思考支援ツールとして、AT−Methodと名付けられた収束的思考支援ツールを提案している。
竹村哲、「負荷分散型の収束的思考支援ツール AT−Methodの設計と試作」、日本創造学会論文誌、2003年12月29日、第7巻、p.80−92 木俣昇、竹村哲、「代替案評価のための階層構造図作成支援システムに関する基礎的研究」、土木情報システムシンポジウム査読論文集、土木学会、1990年、第15巻、p.143−150 竹村哲著、「問題を科学する−システム分析と発想の視点」、2版、海文堂出版株式会社、2002年4月10日
上記AT−Methodは、KJ法のように要素を自由な空間に配置し、ISM法によって要素の関係を評価し、階層構造図及び展開図を表示できる思考支援ツールである。これにより、論理的で説得力があり、かつ主観的にも納得できる結論や解決策を得ることができるが、ISM法の処理手順を組み込んでいるために、総ての要素間についての一対比較が必要なため、要素数が多くなると、関係付けデータの入力に多大な労力が必要となり、使い勝手が悪いという問題がある。
また、KJ法においては、表札付けや要素の空間配置の過程で欠落している問題点の発見やアイデアの発想を促す手法が採られるが、ISM法では論理の循環や矛盾を検出することができるけれども、欠落している要素を示唆させるような手法は採られていない。この点に関し、前記非特許文献1には、ISM法によって階層構造化した要素の画面表示において、要素が欠落していると推定される箇所に?印の付いたダミー要素を表示することが記載されているが、どのような手順でダミー要素を求めるかについての具体的記載はない。
また、非特許文献3には、論理の循環や矛盾などの理由により関係付けに推移律が成立していない要素群を代理要素(以下「循環要素」という。)で表示することが記載されているが、それらを検出する方法や、表示された循環要素を構成する個々の要素群を表示することや、これらの要素群間の関係付けを検討し直す手順についての具体的記載はない。
この発明は、コンピュータを用いた収束的思考支援ツールにおいて、要素間の関係付けデータの入力作業を簡易に行うことを可能にし、要素間の関係付けなどを容易に変更することができる収束的思考支援ツールを提供することを課題としている。
また、直接的な関係にのみ関係付けが行われている要素群から、ISM法における階層構造図を演算表示することができる収束的思考支援ツールを提供することを課題としている。
さらに、ISM法における階層構造図を演算表示する際に、論理的に要素が欠落していると考えられる箇所や推移律が成立していない部分を検出し、それぞれをダミー要素、循環要素として表示し、これらの要素を編集するための具体的な手段を提供することを課題としている。
本願の発明は、問題の解析や解決を目的とする人間の思考を支援するための、コンピュータ内で実行される思考支援方法であって、当該問題に関係する要素(断片的な概念や事実の記述)の入力を受けたコンピュータが、それらの要素間の1対1の推移関係を示すデータ(推移関係データ)の入力を促して取得し、複数の前記要素間に推移律を適用して階層構造及び矛盾点を演算表示する方法である。この方法を用いることにより、使用者は、問題の把握やその解決策の全体を見通すことができ、論理的な矛盾点を発見することができる。
上記課題を解決した本願の請求項1記載の発明に係る思考支援方法は、入力された複数の要素を画面表示する手順と、表示された任意の2個の要素間の1対1の推移関係データを取得する手順と、処理開始指令を受けて推移関係データが入力されていない要素間に無関係を内容とする関係付けデータ(関係なしデータ)を自動入力する手順と、総ての要素間の関係付けデータ(推移関係データ及び関係なしデータ)を表現する行列を作成して該行列からそれぞれの要素の階層レベルを演算する手順と、演算された階層レベルで要素を階層付けした階層構造をディスプレイに表示する手順と、表示された任意の要素間の1対1の関係付けデータの修正データを取得する手順とを順次行い、処理開始指令を受けるたびに当該時点で取得している複数の要素及び関係付けデータから当該複数の要素の階層構造を演算表示する手順を実行することを特徴とする思考支援方法である。
上記の階層構造を表示する手順中に、要素間の推移関係を示す線分が交差する点が最も少ない表示構造を演算する手順を含ませることにより、階層構造を使用者に見やすく表示することができる。
本願の請求項2の発明に係る思考支援方法は、上記請求項1の思考支援方法において、要素間の関係付けデータを基にそれぞれの要素の階層レベルを演算する手順が、ある1つの要素に対して異なる階層レベルが演算結果となる場合、当該要素及び当該要素に推移関係データで関係付けられている要素を探索し、それらの要素の内で推移関係がループしている要素群を探索して当該要素群を圧縮する手順を含んでおり、前記階層構造を表示す手順が、前記要素群を循環要素に置換して表示する手順と、当該置換された要素群を表示する手段とを含んでおり、前記修正データを取得する手順が、当該要素群及び循環要素の修正データを取得する手段を備えていることを特徴とする思考支援方法である。
本願の請求項3の発明に係る思考支援方法は、上記請求項1又は2記載の思考支援方法において、前記複数の要素の階層構造を表示する手順が、関係付けられた2つの要素の階層レベルが隣接するレベルに無いときに当該2つの要素の間にダミー要素を追加して表示する手順を含んでいることを特徴とする思考支援方法である。
また、本願の請求項4の発明に係るコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、コンピュータに請求項1ないし3の発明に係る方法を行わせるためのプログラムが記録された記録媒体であって、コンピュータに、所定のメモリ領域に記録された複数の要素を読込んでディスプレイ上に展開表示する展開構造表示手段と、前記複数の要素の階層構造を演算する演算手段及び当該演算結果を表示する階層構造表示手段とを構築すると共に、前記複数の要素の展開画面を表示する第1手順と、表示された任意の要素間の1対1の関係付けデータを受取る第2手順と、処理開始指令を受けて関係付けデータが入力されていない要素間に無関係を内容とする関係付けデータを自動入力する第3手順と、前記複数の要素の階層構造を演算表示する第4手順と、表示された任意の要素間の1対1の関係付けデータの修正データを受取る第5手順とを順次コンピュータに実行させ、処理開始指令を受けるたびに前記第3手順から第5手順を繰り返させるためのプログラムを記録した記録媒体である。
また、本願の請求項5の発明に係るプログラムは、コンピュータに請求項1ないし3の方法を行わせるためのプログラムであって、コンピュータに、所定のメモリ領域に記録された複数の要素を読込んでディスプレイ上に展開表示する展開構造表示手段と、前記複数の要素の階層構造を演算する演算手段及び当該演算結果を表示する階層構造表示手段とを構築すると共に、前記複数の要素の展開画面を表示する第1手順と、表示された任意の要素間の1対1の関係付けデータを受取る第2手順と、処理開始指令を受けて関係付けデータが入力されていない要素間に無関係を内容とする関係付けデータを自動入力する第3手順と、前記複数の要素の階層構造を演算表示する第4手順と、表示された任意の要素間の1対1の関係付けデータの修正データを受取る第5手順とを順次コンピュータに実行させ、処理開始指令を受けるたびに前記第3手順から第5手順を繰り返させるためのプログラムである。
複数の要素間の1対1の関係付けデータに推移律を適用して、当該複数の要素の階層構造を演算表示する方法は、ISM法による思考支援方法などの従来の思考支援方法においても採用されている。ISM法を利用した従来の思考支援方法における要素間の関係付けデータの取得は、前述したように、対比する一対の要素を表示して両者間の関係付けデータを、無関係を内容とする関係付けデータ及び推移レベルが等しいという関係付けデータを含めて、すべての要素について逐一入力するという方法が採用されている。この発明では、要素の全部又は使用者によってグループ分けされた要素の全部をコンピュータが画面に展開表示し、使用者はこの画面を見ながら、ポインタのドラッグ操作などによって関係付けデータを入力すればよい。コンピュータは、関係付けデータを取得した2つの要素間にその推移方向を示す矢印を備えた線分を表示する。
使用者は、画面上に展開表示された要素の内で推移関係があると評価した要素間にのみ、上記のような操作で推移関係データの入力を行い、画面表示されたボタンのクリックやキー操作により、コンピュータに処理ないし再処理の開始を指令する。最初に処理が指令されたときに、コンピュータは、関係付けデータが入力されていない要素間に無関係を内容とする関係付けデータを自動入力し、ISM法で採用されている手順で複数の要素の階層構造を演算して画面に表示する。このとき、上記の非特許文献2に提案した手法により、直接的関係にある要素間に引かれた線分の交点が最も少なくなるように、要素の表示位置を決定して、階層構造図を見やすくすることができる。
入力された関係付けデータが不十分であると、コンピュータ画面に表示される階層構造図に階層化されない孤立要素や孤立グループが表示されることとなるので、使用者はこれらの孤立した要素間の関係付けを試み、また不要と思われる孤立要素を消去して再処理を指令する。そこで、コンピュータは、修正された関係付けデータに基づいて複数の要素の階層構造を演算し直して再表示する。
請求項2の発明では、循環した関係付けを検出し、これらの要素群を循環要素に置き換えて表示する。また、これらの循環要素に含まれる要素群を子ウインドウで表示し、使用者が編集、削除することができるようにしている。
請求項3の発明では、関係付けられた2つの要素が隣接する階層レベルにないとき、その間に論理的な飛躍を意味するダミー要素を挿入して、ダミー要素であることの表示(例えば?印)を付して画面に表示する。使用者は、直感的ないし論理的な思考によってダミー要素が表示された位置に対応すると考えられる新たな要素を追加する。あるいは、ダミー要素に連結する要素の階層レベルの十分性と、全体の階層構造を検討して、必要な関係付けデータの修正を行う。
以上の手順を繰り返すことによって、要素全体を階層的に表現した構造図(ネットワーク図)が得られる。AT−Methodでは、使用者は、コンピュータが表示する階層構造図とKJ法の適用によって得られる構造図とを対比して、両者が一致するように、要素と要素間の関係付けデータの再検討を行うことができる。更にテンプレートを使用して、合理的で説得力のある結論を得ることができる。
この発明により、思考のキーとなる要素間の階層構造を論理的に導出して、客観的な結論を得るための使いやすい思考支援ツールを提供できる。即ち、この発明によれば、多数の要素対について、逐次関係付けデータを入力するという煩雑さが解消され、使用者は画面上の要素の全体配置を見ながら、必要と思われる要素間についてのみ、関係付けデータをマウス操作などによって入力することができる。
更に要素が欠落していると考えられる位置にダミー要素を表示することにより、使用者の問題解決のために必要な新たな要素の発見や発想を論理的な観点から促すことができ、これによってより完全な説得力のある結論を導き出すことが可能になるという効果がある。
更に、論理が循環している部分があった場合、これらを循環要素で置き換え、置き換えられた要素群の表示や編集をすることができることから、使用者は論理が循環している箇所のみに注力すればよいため、階層構造図を作成する際の効率が良くなるという効果がある。
以下にこの発明の好ましい実施形態に関して説明する。図1は、コンピュータにおける処理の流れを示したシステムフローチャートである。
ステップ1で、問題解決に関係すると使用者が考えた要素の内容(以下「要素データ」という。)を使用者のキー入力等により取得する。それぞれの要素には要素データの取得時に一意の要素番号が与えられる。
その後、ステップ2、3において、要素データを画面上に展開表示し(図2)、任意の2要素間の関係付けデータを取得する。展開表示された要素データはそれぞれがフローティングした状態で画面に表示されており、使用者はこれらの要素データを画面上の好きな位置に移動することができる。
要素間の関係付けは、使用者がポインティングデバイス等で画面上に表示された任意の2つの要素データを選択することによって行う。コンピュータは、この使用者の操作により関係付けデータを取得した要素データの間に、矢印線を表示する(図3)。矢印の方向は従来例で記載されたような関係となる。コンピュータは、関係付けデータを取得しなかった要素は無関係ないし同レベルの要素として扱う。
このステップ3において、使用者は推移関係があると判断した要素同士を関係付けするだけでよく、同レベルの要素や無関係の要素、要素の循環や孤立について考慮する必要はない。使用者は、ステップ3で要素を追加、削除したり、関係付けの編集、削除も行うことができる。使用者は、一応の関係付けが終了したと判断したとき、関係付けの終了を指示する(ステップ4)。コンピュータは、関係付けの終了(処理開始)が指示されるまで、使用者の入力操作を受け付ける。
関係付けデータの入力の終了が指示されたら、コンピュータは、関係付けられていない2要素間の関係総てを無関係とし(ステップ5)、入力された要素データにISM法に基づく処理を適用する。
具体的には、全ての要素について要素間の関係付けを参照し、それぞれの要素の階層レベルを判別し(ステップ6)、関係が循環している要素群(複数の関係付けがループを形成している要素群)については、それらの要素群をグループ化し(ステップ7)循環要素と置き換える(ステップ8)。さらに、各々の要素についての階層レベルを比較参照し(ステップ9)、ある要素とそれに関係付けが行われている要素との階層レベルが隣接していない場合(下位レベルの要素が上位レベルの要素の直下の階層レベルにない場合)、論理が飛躍している事を指摘するための要素データが空のダミー要素を両要素の間に挿入する(ステップ10)。
全ての要素についての処理が終了したら、コンピュータは、図4に示すような階層構造図を作成して表示する。同レベルの要素は横に並べて表示し、上位のレベルの要素は上に、下位のレベルの要素は下に並べて表示する。同レベルの要素の位置は、関係付けの線の交点が最小になるような位置に設定する(ステップ11)。図の例では、各要素21は丸の中に要素番号を描画した記号、循環要素22は丸を薄赤色で塗りつぶした記号、ダミー要素23は丸の中に「?」マークを描画した記号で表示している。循環要素22によりグループ化された元の要素24は、循環要素近傍のウィンドウ25内に表示する。なお、それぞれの要素の表示方法についてはこれらに制限されるものではない。
また、階層構造図だけでなく、図5のような展開図も表示することができ、使用者は随時どちらの表示をするか選択することができる(ステップ12)。
使用者の関係付けデータの入力が不完全であると、図4及び図5の階層構造図や展開図で、孤立した要素又は要素群や、ダミー要素、循環要素などが表示されるので、使用者は、その周辺の要素の内容や関係付けデータが適切であるかを検討し、不適切と思われる部分をそれぞれ修正する(ステップ14)。
使用者は、孤立した要素や要素群については、新たな関係付けを行う。ダミー要素については、
1)不適切だと思われる関係付けを削除するか、
2)ダミー要素を新しい要素として置き換えるか、
3)ダミー要素を削除し、階層レベルが適切になるような場所に新しい要素を挿入する、
などの処理を行う。循環要素については、
1)循環要素の内容である要素群の関係付けデータを修正するか、
2)循環要素の内容である要素群を削除するか、
3)循環要素に要素データを入力するか、
などの処理を行う。
循環要素は、画面上では1つの要素として表示されているが、ポップアップメニューにより、循環要素の内容である要素群を子ウインドウ内に表示することができ、これらの子ウインドウ内のそれぞれの要素を階層構造図に戻したり削除したりすることができる。なお、これらの要素を階層構造図に戻した場合は戻した要素は関係付けがされていない孤立状態で表示されるので、使用者は階層構造図を見ながら適切な場所に関係を付け直す。また、循環要素には要素データの代用として表札を付けることが可能である。
これらの修正を一通り終え、再び階層構造図を作成する場合はコンピュータに再計算を指示する。また、新たな要素を追加したり削除する場合、コンピュータに再入力を指示する。以上の動作を繰り返して行い、階層構造図が適切なものとなったら処理の終了を指示する(ステップ15)。
次に、ステップ6ないしステップ10におけるダミー要素と循環要素を検出するときのアルゴリズムについて説明する。コンピュータは、処理開始を指示されると、図6(a)に示すような要素数分の配列を用意する。横軸、縦軸の1〜6の数字は要素番号であり、縦軸の要素は関係付け下位の要素で、横軸の要素が関係付け上位の要素である。配列内の1、0が下位要素から上位要素への関係付けの有無である。この図の場合、たとえば要素2は、上位の要素1、要素2(自分自身)、上位の要素3に関係付けがされている。
次に、総ての要素に仮のレベルを付与する。まず要素分の探索フラグを用意し総て0にクリアする。そして、仮レベルを付けていなく、自分自身以外にどこにも関係付けが行われていない要素(すなわち、仮レベルのついていない最も上位レベルの要素)を探索し、その要素に対応する探索フラグを1にし、その要素に最も上位のレベルである1を付与する。そして、この要素を関係付けしている要素を探索し、探索された要素に次順位の仮レベルを与えていく。既に探索が終わった要素の探索フラグは1にし、探索フラグが1である要素には仮レベルは付さず、探索を終了する。
探索フラグが0であり、既に仮レベルが付与されている要素があった場合、与えるべき仮レベルと既に与えられている仮レベルを比較し、仮レベルの小さい側の当該要素及びそれに関係付けられている上位及び下位の要素の仮レベルに、大きい側と小さい側の仮レベルの差を加算する。
一通りの探索が終了したら、探索フラグを0にして、総ての要素に仮レベルが与えられるまで、前記の動作を繰り返す。
総ての要素に仮レベルが与えられたら、仮レベルの値で要素をソートし、それぞれの要素において、自分の持つ仮レベルと同じレベルまたは大きいレベルに関係付けを行っている要素を探索する。もしこのような要素を発見した場合、その部分から探索を行い、ループしている要素群を検出する(図6(a)の点線部分)。
そして、これらの要素群を圧縮(関係付けを合成し、関係付けを合成して生成された要素、又は関係付けを合成された要素の内の1つの要素を除いて総て削除)し、圧縮した要素を循環要素としてマークする(図6(b)、(c))。循環要素を総てマークしたら、圧縮された部分の仮レベルを付け直し、付けなおしたものを正規のレベルとする。
正規のレベルを付けた後に再び行列を探索し、自分自身のレベル±1以外(図7(a)の点線部分)に関係付けされている要素を探索し、関係付けされたレベルが隣接するようにダミー要素を挿入する(図7(b))。
以上のような処理を行いそれぞれの要素にレベル付けを行い、循環要素、ダミー要素を含む階層構造図を作成する。その後、交差数改善などの処理を行い、階層構造図を表示する。循環要素を構成する元の要素群は、ウインドウ内に表示される。
本発明では、使用者の感覚的な判断による要素及び関係付けデータの追加、修正、削除が行われる工程と、コンピュータによって論理的な整合性がチェックされて表示される工程とが含まれ、表示される構造図によって思考の不完全な点や矛盾点が表示されるので、処理のループを繰り返すことにより、使用者は問題の全体像を把握することが容易となり、また、使用者の感情や経験等に照らして納得ができかつ論理的に矛盾のない、より適切な問題の分析や解決が可能になる。
そして、この発明の方法では、使用者に2要素間の一対比較を強制しないので一般に受け入れられやすく、かつ自然な発想による要素間の関係付け作業を行うことができ、使用者の感情や感性に適合した解決策が得やすいという長所がある。また、総ての2要素間について関係付けデータを入力しなければならないという手数が省かれるので、使いやすく、また要素間の関係付けデータの入力に思考が偏って問題の全体像を見失うという危険もない。
このような長所を有することから、この発明の思考支援方法は、従来KJ法やISM法が適用されている社会的問題の分析や解決案の策定などの作業に利用することができるばかりでなく、使用者が認識している性格や過去の経験、周囲の人や物事に対する感情などを要素の内容として入力することにより、自己分析を行うための支援ツールとして利用することができ、臨床心理学やキャリア教育の場における自己スキーマ作成支援システムとしても極めて有用である。
この発明の処理手順を示すフローチャート 取得した要素の展開表示の例を示す図 展開表示された画面上での関係付けデータの入力を示した図 ダミー要素と循環要素を含む階層構造図 要素の内容を併記した展開構造図 循環要素を圧縮する例を示す説明図 ダミー要素を挿入する例を示す説明図 従来のISM法の手順を示すフローチャート 従来のISM法における関係付けデータの入力画面を示す図
符号の説明
21 要素
22 循環要素
23ダミー要素
24 循環要素の内容となる要素
25 ウィンドウ

Claims (5)

  1. コンピュータ内で実行される思考支援方法であって、複数の要素データを取得する手順と、各要素データと関連付けた要素を画面表示する手順と、表示された任意の2個の要素間の1対1の推移関係データを取得する手順と、処理開始指令を受けて推移関係データが入力されていない要素間に無関係を内容とする関係付けデータを自動入力する手順と、総ての要素間の関係付けデータを表現する行列を作成して該行列からそれぞれの要素の階層レベルを演算する手順と、演算された階層レベルで要素を階層付けした階層構造をディスプレイに表示する手順と、表示された任意の要素間の1対1の関係付けデータの修正データを取得する手順とを順次行い、処理開始指令を受けるたびに当該時点で取得している複数の要素及び関係付けデータから当該複数の要素の階層構造を演算表示する手順を実行することを特徴とする、思考支援方法。
  2. 前記要素の階層レベルを演算する手順が、ある1つの要素に対して異なる階層レベルが演算結果となる場合、当該要素及び当該要素に推移関係データで関係付けられている要素を探索し、それらの要素の内で推移関係がループしている要素群を探索して当該要素群を圧縮する手順を含んでおり、前記階層構造を表示す手順が、前記要素群を循環要素に置換して表示する手順と、当該置換された要素群を表示する手段とを含んでおり、前記修正データを取得する手順が、当該要素群及び循環要素の修正データを取得する手段を備えていることを特徴とする、請求項1記載の思考支援方法。
  3. 前記複数の要素の階層構造を表示する手順が、関係付けられた2つの要素の階層レベルが隣接するレベルに無いときに当該2つの要素の間にダミー要素を追加して表示する手順を含んでいることを特徴とする、請求項1又は2記載の思考支援方法。
  4. コンピュータに請求項1、2又は3記載の方法を行わせるためのプログラムが記録された記録媒体であって、コンピュータに、所定のメモリ領域に記録された複数の要素を読込んでディスプレイ上に展開表示する展開構造表示手段と、前記複数の要素の階層構造を演算する演算手段及び当該演算結果を表示する階層構造表示手段とを構築すると共に、
    前記複数の要素の展開画面を表示する第1手順と、表示された任意の要素間の1対1の関係付けデータを受取る第2手順と、処理開始指令を受けて関係付けデータが入力されていない要素間に無関係を内容とする関係付けデータを自動入力する第3手順と、
    前記複数の要素の階層構造を演算表示する第4手順と、表示された任意の要素間の1対1の関係付けデータの修正データを受取る第5手順とを順次コンピュータに実行させ、処理開始指令を受けるたびに前記第3手順から第5手順を繰り返させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  5. コンピュータに請求項1、2又は3記載の方法を行わせるためのプログラムであって、コンピュータに、所定のメモリ領域に記録された複数の要素を読込んでディスプレイ上に展開表示する展開構造表示手段と、前記複数の要素の階層構造を演算する演算手段及び当該演算結果を表示する階層構造表示手段とを構築すると共に、
    前記複数の要素の展開画面を表示する第1手順と、表示された任意の要素間の1対1の関係付けデータを受取る第2手順と、処理開始指令を受けて関係付けデータが入力されていない要素間に無関係を内容とする関係付けデータを自動入力する第3手順と、
    前記複数の要素の階層構造を演算表示する第4手順と、表示された任意の要素間の1対1の関係付けデータの修正データを受取る第5手順とを順次コンピュータに実行させ、
    処理開始指令を受けるたびに前記第3手順から第5手順を繰り返させる
    ためのプログラム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2019013225A1 (ja) * 2017-07-14 2019-01-17 パナソニックIpマネジメント株式会社 表示装置、製造システム及び表示方法

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