JP2007279628A - 光学装置、およびプロジェクタ - Google Patents

光学装置、およびプロジェクタ Download PDF

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Abstract

【課題】液体冷媒による画質低下を最小限に制限しつつ効率的な冷却を実現できる光学装置およびプロジェクタを提供することである。
【解決手段】光学装置1は、入射側・射出側の偏光素子(入射偏光板72、射出偏光板73)と、光変調素子(ライトバルブ71)と、ライトバルブ71の画像形成領域71a外に対応する領域に液体冷媒20が内部に封入される第1中空部111が形成され液体冷媒20に対して熱伝導可能にライトバルブ71を保持する光変調素子冷却枠(ライトバルブ冷却枠110)と、入射偏光板72または射出偏光板73の少なくとも一方の偏光素子に対して、焦点面から所定の位置で、光透過領域72a,73aを覆い液体冷媒20が内部に封入される第2中空部211,311が形成され、液体冷媒20に対して熱伝導可能に偏光素子を保持する偏光素子冷却枠(入射偏光板冷却枠210、射出偏光板冷却枠310)とで構成される。
【選択図】図2

Description

本発明は、光学装置、およびプロジェクタに関するものである。
従来、プロジェクタは、光源装置からの熱エネルギーにより、光変調素子としてのライトバルブや偏光素子としての偏光板が発熱する。その発熱するライトバルブや偏光板に対する冷却方法は、冷却ファンなどを用いて、外気を吹き付ける方法が主流となっている。しかし、近年のプロジェクタは、高輝度化が進み、冷却性能を大きくする必要が出てきている。冷却性能を向上させるためには、冷却ファンの風量・風速を大きくしなくてはならないため、プロジェクタの小型化・静音化などが犠牲となる。また、外気をプロジェクタ内部に多く取込むため、塵埃・油煙なども吸気してしまい、冷却対象となる光学素子(ライトバルブや偏光板を含む)を汚染して光学素子の性能を低下させる原因となる。
上述した問題を解決するために、液体冷媒を用いて、ライトバルブや偏光板などを冷却する構造、いわゆる液冷構造が提案されている。特許文献1では、ライトバルブを枠に固定して、枠の中の液体冷媒を循環させるものが提案されている。また、特許文献2では、ライトバルブの基板に液体冷媒を全面的に接したものが提案されている。
特開2005−275189号公報 特開2005−326660号公報
しかしながら、特許文献1は、発熱源である基板面から直接的に熱を取り去ることができず、基板から枠への熱伝導による間接的な冷却のため、冷却効率が良くないという課題があった。特に射出側偏光板の冷却は、投射映像が全黒表示の際に問題となる。また、特許文献2は、照明系の焦点面となるライトバルブ面に液体冷媒が流れるため、液体冷媒に発生する気泡や温度の不均一によるゆらぎなどによって投射映像の画質劣化が発生し易いという課題があった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、液体冷媒による画質低下を最小限に制限しつつ効率的な冷却を実現できる光学装置およびプロジェクタを提供することを目的とする。
上述した目的を達成するために、本発明の光学装置は、液体冷媒を用いて冷却を行う光学装置であって、一方向の偏光光束を透過させて射出する入射側の偏光素子と、入射側の偏光素子から入射する一方向の偏光光束を画像情報に応じて変調して射出する光変調素子と、光変調素子で変調され射出された光束のうち所定方向の偏光光束を透過させて射出する射出側の偏光素子と、光変調素子の画像形成領域外に対応する領域に液体冷媒が内部に封入される第1中空部が形成され、第1中空部内の液体冷媒に対して熱伝導可能に光変調素子を保持する光変調素子冷却枠と、入射側の偏光素子または射出側の偏光素子の少なくとも一方の偏光素子に対して、焦点面から所定の位置で、偏光素子の光透過領域を覆い液体冷媒が内部に封入される第2中空部が形成され、第2中空部内の液体冷媒に対して熱伝導可能に偏光素子を保持する偏光素子冷却枠とで構成されることを特徴とする。
このような光学装置によれば、入射側の偏光素子は、一方向の偏光光束を透過させて射出する。光変調素子は、入射側の偏光素子から入射する一方向の偏光光束を画像情報に応じて変調して射出する。射出側の偏光素子は、光変調素子で変調され射出された光束のうち所定方向の偏光光束を透過させて射出する。
なお、光変調素子冷却枠は、光変調素子の画像形成領域外に対応する領域に液体冷媒が内部に封入される第1中空部を形成し、第1中空部内の液体冷媒に対して熱伝導可能に光変調素子を保持するため、光変調素子で発熱した熱が、第1中空部内に封入される液体冷媒に伝熱する。伝熱した液体冷媒により、第1中空部の内部で液体冷媒の自然対流が起こり、光変調素子の熱が冷却できる。
また、偏光素子冷却枠は、入射側の偏光素子または射出側の偏光素子の少なくとも一方の偏光素子に対して、焦点面から所定の位置で、偏光素子の光透過領域を覆い液体冷媒が内部に封入される第2中空部が形成され、第2中空部内の液体冷媒に対して熱伝導可能に偏光素子を保持する。この構成により、偏光素子冷却枠は、偏光素子の光透過領域を覆い液体冷媒が内部に封入される第2中空部が形成されているが、焦点面から所定の位置に設置されているため、例えば、第2中空部内の液体冷媒に発生する気泡や温度の不均一によるゆらぎなどが光学像として形成され難くなるため、プロジェクタなどによる投射映像として投射され難くなり、投射映像の画質劣化を最小限に制限することができる。また、偏光素子で発熱した熱が、第2中空部内に封入される液体冷媒に伝熱し、伝熱した液体冷媒により、第2中空部の内部で液体冷媒の自然対流が起こり、入射側の偏光素子または射出側の偏光素子の少なくとも一方の偏光素子の熱が冷却できる。
従って、液体冷媒による画質低下を最小限に制限しつつ効率的な冷却を実現できる光学装置が提供できる。
上記光学装置において、偏光素子冷却枠は、第2中空部を構成する板状平面部を有する透明部材を備え、透明部材の有する板状平面部の一方の面に偏光素子を密着固定し、他方の面は液体冷媒に接触することが好ましい。
このような光学装置によれば、偏光素子で発生する熱に対し、偏光素子を密着固定する透明部材の有する板状平面部の一方の面から熱を伝熱し、他方の面に熱を伝導し、結果的に他方の面に接触する液体冷媒に熱を伝熱する。そして、液体冷媒の自然対流により、偏光素子を冷却することができる。また、偏光素子を密着固定する板状平面部を有する部材は透明部材であるため、偏光素子を偏光透過した偏光光束は板状平面部を透過率を極力低下させずに透過して射出できる。従って、液体冷媒による画質低下を最小限に制限しつつ効率的な冷却を実現できる光学装置が提供できる。
上記光学装置において、偏光素子冷却枠は、第2中空部を構成して内部に液体冷媒を封入する複数の透明管を有し、偏光素子は、複数の透明管に固定されることが好ましい。
このような光学装置によれば、偏光素子を固定する複数の透明管に偏光素子の熱が伝熱し、複数の透明管に伝熱した熱が、その内部に封入している液体冷媒に伝熱することにより、液体冷媒の自然対流が起こり、偏光素子を冷却することができる。また、偏光素子は、複数の透明管に固定されるため、偏光素子を偏光透過した偏光光束は複数の透明管を透過率を極力低下させずに透過して射出できる。従って、液体冷媒による画質低下を最小限に制限しつつ効率的な冷却を実現できる光学装置が提供できる。
上記光学装置において、複数の透明管は、直列または並列に接続され配置されることが好ましい。
このような光学装置によれば、偏光素子を固定し、直列または並列に接続され配置される複数の透明管に、偏光素子の熱が伝熱し、複数の透明管に伝熱した熱が、その内部に封入している液体冷媒に伝熱することにより、液体冷媒の自然対流が起こり、偏光素子を冷却することができる。また、偏光素子は、複数の透明管に固定されるため、偏光素子を偏光透過した偏光光束は複数の透明管を透過率を極力低下させずに透過して射出できる。従って、液体冷媒による画質低下を最小限に制限しつつ効率的な冷却を実現できる光学装置が提供できる。
上記光学装置において、偏光素子冷却枠は、第2中空部を構成して内部に液体冷媒を封入し、屈曲する透明管を有し、偏光素子は、屈曲する透明管に固定されることが好ましい。
このような光学装置によれば、偏光素子冷却枠は、第2中空部を構成して内部に液体冷媒を封入して屈曲する透明管を有して、偏光素子を固定する屈曲した透明管に、偏光素子の熱が伝熱し、屈曲する透明管に伝熱した熱が、その内部に封入している液体冷媒に伝熱することにより、液体冷媒の自然対流が起こり、偏光素子を冷却することができる。また、偏光素子は、屈曲する透明管に固定されるため、偏光素子を偏光透過した偏光光束は屈曲する透明管を透過率を極力低下させずに透過して射出できる。従って、液体冷媒による画質低下を最小限に制限しつつ効率的な冷却を実現できる光学装置が提供できる。
上記光学装置において、光変調素子冷却枠または偏光素子冷却枠は、放熱用のフィンを有することが好ましい。
このような光学装置によれば、光変調素子冷却枠または偏光素子冷却枠は、放熱用のフィンを有するため、光変調素子または偏光素子で発生する熱を更に効率的に冷却する光学装置を提供できる。
上記光学装置において、光変調素子冷却枠の第1中空部または偏光素子冷却枠の第2中空部の少なくとも一方と連結され、液体冷媒を循環させる流路を形成する循環部と、循環部の流路中に設置され、循環部を介して連結される第1中空部または第2中空部の少なくとも一方に液体冷媒を強制的に循環させる循環駆動部とで構成されることが好ましい。
このような光学装置によれば、循環駆動部により、循環部が形成する流路中に液体冷媒を強制的に循環させるため、循環部と連結される第1中空部または第2中空部の少なくとも一方において、中空部の内部で強制的な対流がおこる。それにより、第1中空部が形成される光変調素子冷却枠が保持する光変調素子または第2中空部が形成される偏光素子冷却枠が保持する偏光素子の少なくとも一方の素子の熱は、強制的な循環と対流により更に効率的に冷却される。従って、対応する光変調素子または偏光素子の少なくとも一方が効率的に冷却される。従って、液体冷媒による更に効率的な冷却を実現できる光学装置が提供できる。
上記光学装置において、循環駆動部は、第1中空部を形成する光変調素子冷却枠または第2中空部を形成する偏光素子冷却枠に設置されて構成されることが好ましい。
このような光学装置によれば、循環駆動部が光変調素子冷却枠または偏光素子冷却枠に設置されて構成されることにより、コンパクトな冷却構造を構成することができ、光変調素子または偏光素子の熱を冷却することができる。また、コンパクトな冷却構造を光変調素子や入射側・射出側の偏光素子に構成することができるため、光学装置の製造における組立性や光学装置の信頼性が向上する。
上述した目的を達成するために、本発明のプロジェクタは、上述したいずれかの光学装置と、光束を射出する光源装置と、光学装置により形成された光学像を投射する投射部とを備えることを特徴とする。
このようなプロジェクタによれば、上述したいずれかの光学装置を備え、光源装置から光束が射出され、光学装置で画像情報に応じて変調して光学像を形成し、投射部により形成された光学像を投射する。これにより、上述した光学装置の効果を併せ持ったプロジェクタを提供することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る光学装置をプロジェクタに適用したときの光学系の構成を示す模式図である。図1を用いて、プロジェクタ10の光学系5の構成を説明する。
図1に示すように、プロジェクタ10の光学系5は、光源装置50と照明光学系60と光変調・変換部70と色合成光学系80と投射部90とから構成される。なお、光変調・変換部70は、光学装置1として構成される。また、照明光学系60は、インテグレータ照明光学系61、色分離光学系62およびリレー光学系63から構成される。
なお、光学部品用筐体65により、光源装置50と照明光学系60と光変調・変換部70と色合成光学系80とを構成する各部品が収容され、ユニット化されている。なお、本実施形態での光学系5を構成する照明光学系60は、使用する光学系により、適宜変更や省略など行うことができる。
このような光学系5を備えたプロジェクタ10は、光源装置50から射出された光束を光変調・変換部70で画像情報に応じて変調して光学像を形成し、投射部90を介して、形成した光学像を例えばスクリーン(図示省略)上に投射する。
光学系5の構成と動作を説明する。
なお、ライトバルブ71、入射偏光板72および射出偏光板73での説明中に、図2(光学装置1の構造を示す摸式断面図)で示す符号を用いている。
光源装置50は、本実施形態では、放電式のランプ51を使用している。詳細には、ランプ51として高圧水銀ランプを使用している。ランプ51は、放電により発光して光束を放射状に射出する発光管51aと、発光管51aから射出された放射状の光束を略平行光として照明光学系60の方向に射出するリフレクタ51bとを有して構成されている。
照明光学系60を構成するインテグレータ照明光学系61は、光源装置50から射出された光束の照度を照明光軸L(一点鎖線で図示)に直交する面内において均一にするための光学系である。このインテグレータ照明光学系61は、第1レンズアレイ61a、第2レンズアレイ61b、偏光素子61c、および重畳レンズ61dを備えて構成される。
第1レンズアレイ61aは、照明光軸L方向から見て略矩形形状の輪郭を有する小レンズがマトリクス状に配列された構成を有している。各小レンズは、光源装置50から射出された光束を部分光束に分割し、照明光軸Lに沿った方向に射出する。
第2レンズアレイ61bは、第1レンズアレイ61aと略同様の構成であり、小レンズがマトリクス状に配列された構成を有する。この第2レンズアレイ61bは、重畳レンズ61dとともに、第1レンズアレイ61aの各小レンズの像を後述する光変調素子としてのライトバルブ71上に結像させる機能を有する。
偏光素子61cは、第1レンズアレイ61aおよび第2レンズアレイ61bにより分割された各部分光束の偏光方向を略一方向の偏光光束に変換する(揃える)光学素子である。本実施形態での偏光素子61cは、照明光軸Lに対して傾斜配置される偏光分離膜(図示省略)および反射膜(図示省略)を交互に配列した構成を備えている。偏光分離膜は、各部分光束に含まれるP偏光光束およびS偏光光束のうち、一方の偏光光束を透過し、他方の偏光光束を反射する。反射された他方の偏光光束は、反射膜によって曲折され、一方の偏光光束の射出方向、すなわち照明光軸Lに沿った方向に射出される。射出された偏光光束は、偏光素子61cの光束射出面(図示省略)に配設される位相差板(図示省略)によって偏光され、ほぼ全ての偏光光束の偏光方向が一方向の偏光光束として揃えられる。
偏光光束を変調するタイプのライトバルブ71を用いたプロジェクタ10では、一方向の偏光光束しか利用できないため、ランダムな方向の偏光光束を放射する発光管51aからの光束の略半分が利用されない。このため、偏光素子61cを用いることにより、光源装置50から射出された光束を略一方向の偏光光束に変換することにより、光変調・変換部70における光の利用効率を高めている。
重畳レンズ61dは、偏光素子61cによって略一方向の偏光光束に変換された複数の部分光束を集光して光変調・変換部70の後述する3つのライトバルブ71の画像形成領域71a上に重畳させる光学素子である。この重畳レンズ61dから射出された光束は、色分離光学系62に射出される。
色分離光学系62は、2枚のダイクロイックミラー62a,62bと、反射ミラー62cとを備える。インテグレータ照明光学系61から射出された複数の部分光束は、2枚のダイクロイックミラー62a,62bにより赤(R)、緑(G)、青(B)の3色の色光に分離される。
リレー光学系63は、入射側レンズ63aと、一対のリレーレンズ63cと、反射ミラー63b,63dとを備えている。このリレー光学系63は、本実施形態では、色分離光学系62で分離された色光である青色光を光変調・変換部70の後述する青色光用のライトバルブ71Bまで導く機能を有している。
この際、色分離光学系62のダイクロイックミラー62aでは、インテグレータ照明光学系61から射出された光束のうち、緑色光成分と青色光成分とを透過し、赤色光成分は反射する。ダイクロイックミラー62aによって反射した赤色光は、反射ミラー62cで反射し、フィールドレンズ61eを通って、赤色光用のライトバルブ71Rに到達する。このフィールドレンズ61eは、第2レンズアレイ61bから射出された各部分光束をその中心軸(主光線)に対して平行な光束に変換する。青色光および緑色光用のライトバルブ71B,71Gの光入射側に設けられたフィールドレンズ61eも同様である。
また、ダイクロイックミラー62aを透過した青色光と緑色光のうち、緑色光は、ダイクロイックミラー62bによって反射し、フィールドレンズ61eを通って、緑色光用のライトバルブ71Gに到達する。一方、青色光は、ダイクロイックミラー62bを透過してリレー光学系63を通り、さらにフィールドレンズ61eを通って、青色光用のライトバルブ71Bに到達する。なお、青色光にリレー光学系63が用いられているのは、青色光の光路の長さが他の色光の光路の長さよりも長いため、光の発散等による光の利用効率の低下を防止するためである。すなわち、入射側レンズ63aに入射した部分光束をそのまま、フィールドレンズ61eに伝えるためである。なお、リレー光学系63には、3つの色光のうちの青色光を通す構成としたが、これに限らず、例えば、赤色光を通す構成としても良い。
光変調・変換部70は、入射された光束を画像情報に応じて変調して光学像(カラー画像)を形成する。この光変調・変換部70は、色分離光学系62で分離された各色光が入射される入射側の偏光素子としての3つの入射偏光板72(赤色光用を赤色光入射偏光板72R、緑色光用を緑色光入射偏光板72G、青色光用を青色光入射偏光板72Bとする)を備える。また、各入射偏光板72の後段に設置される光変調素子としての3つのライトバルブ71(赤色光用を赤色光ライトバルブ71R、緑色光用を緑色光ライトバルブ71G、青色光用を青色光ライトバルブ71Bとする)を備える。また、各ライトバルブ71の後段に設置される射出側の偏光素子としての3つの射出偏光板73(赤色光用を赤色光射出偏光板73R、緑色光用を緑色光射出偏光板73G、青色光用を青色光射出偏光板73Bとする)とを備える。
ライトバルブ71(71R,71G,71B)は、透過型の高温ポリシリコンTFT(Thin Film Transistor)をスイッチング素子として用いたものであり、対向配置される一対の透明基板内に液晶を密封封入して構成されている。そして、このライトバルブ71は、入射偏光板72を介して入射する光束を画像情報に応じて変調して光学像を形成して射出する。
また、ライトバルブ71は、光学装置1として構成されており、後述する光変調素子冷却枠としてのライトバルブ冷却枠110に保持される。そして、ライトバルブ71は、ランプ51から射出される光束により発熱し、その、発熱による熱は、ライトバルブ冷却枠110に形成される液体冷媒20が封入される第1中空部111の対流により冷却される。
なお、本実施形態では、ライトバルブ71およびライトバルブ71を保持するライトバルブ冷却枠110を合せて光変調ユニット100と称する。なお、光変調ユニット100は、各色光に対応して、赤色光用光変調ユニット100R、緑色光用光変調ユニット100Gおよび青色光用光変調ユニット100Bで構成される(詳細は後述する)。
入射偏光板72は、色分離光学系62で分離された各色光のうち、一方向の偏光光束を透過させ、その他の光束を吸収するものであり、板状平面部を有する透明部材212に密着固定される。また、射出偏光板73も、入射偏光板72と略同様に構成され、ライトバルブ71から射出された光束のうち、所定方向の偏光光束を透過させ、その他の光束を吸収するものであり、透過させる偏光光束の偏光軸は、入射偏光板72において透過させる偏光光束の偏光軸に対して直交するように設定されている。
また、入射偏光板72および射出偏光板73もライトバルブ71と同様に、光学装置1として構成されており、後述する入射側の偏光素子冷却枠としての入射偏光板冷却枠210および射出側の偏光素子冷却枠としての射出偏光板冷却枠310に保持される。そして、入射偏光板72および射出偏光板73は、ランプ51から射出される光束により発熱し、その発熱による熱は、入射偏光板冷却枠210および射出偏光板冷却枠310に形成される液体冷媒20が封入される第2中空部211,311の対流により冷却される。
なお、本実施形態では、入射偏光板72および入射偏光板72を保持する入射偏光板冷却枠210を合せて入射側偏光ユニット200、射出偏光板73および射出偏光板73を保持する射出偏光板冷却枠310を合せて射出側偏光ユニット300と称する。なお、入射側偏光ユニット200は、各色光に対応して、赤色光用入射側偏光ユニット200R、緑色光用入射側偏光ユニット200Gおよび青色光用入射側偏光ユニット200Bで構成される。射出側偏光ユニット300も同様に、赤色光用射出側偏光ユニット300R、緑色光用射出側偏光ユニット300Gおよび青色光用射出側偏光ユニット300Bで構成される(詳細は後述する)。
色合成光学系80は、1つのクロスダイクロイックプリズム81を備える。クロスダイクロイックプリズム81は、射出偏光板73から射出された色光毎に変調された光学像を合成してカラー画像を形成する光学素子である。このクロスダイクロイックプリズム81は、4つの直角プリズムを貼り合わせた平面視略正方形状をなしている。そして、直角プリズム同士を貼り合わせた略X字状の界面には、界面に沿って誘電体多層膜が形成されている。略X字状の一方の誘電体多層膜は、赤色光を反射するものであり、他方の誘電体多層膜は、青色光を反射するものであり、赤色光及び青色光は対応する誘電体多層膜によって反射され曲折される。また、緑色光は双方の誘電体多層膜を透過する。
これにより、赤色光及び青色光の進行方向を緑色光の進行方向に揃えることができ、3つの色光が合成される。クロスダイクロイックプリズム81によって合成された色光は、投射部90を構成する投射レンズ91の方向に射出される。そして、クロスダイクロイックプリズム81から射出された映像光は、投射レンズ91により、例えばスクリーン(図示省略)上に投射される。
なお、上述した光変調ユニット100(100R,100G,100B)、入射側偏光ユニット200(200R,200G,200B)、射出側偏光ユニット300(300R,300G,300B)は、それぞれの位置関係を保持してクロスダイクロイックプリズム81に固定されユニット化されている。
図2は、第1実施形態に係る光学装置の構造を示す摸式断面図である。図3は、光変調ユニットの模式平面図である。図2、図3を用いて、光学装置1の構造および動作を説明する。なお、図2、図3で示す光学装置1は、光変調・変換部70を構成する緑色光用の光変調素子としてのライトバルブ71(71G)、偏光素子としての入射偏光板72(72G)および射出偏光板73(73G)に対して光学装置1(1G)を構成した場合を例として説明する。なお、以降の説明において、色光を表す「G」などの符号は省略する。
入射偏光板72に光学装置1を構成した場合を説明する。
なお、入射偏光板72および入射偏光板72を保持する入射側の偏光素子冷却枠としての入射偏光板冷却枠210を合せて入射側偏光ユニット200と称する。
入射偏光板冷却枠210は、熱伝導性の高い部材であるアルミニウム合金で形成され、略矩形形状の外形を有している。また、入射偏光板冷却枠210の外周には、放熱用のフィン215が形成されている。また、入射偏光板冷却枠210は略中央に、入射偏光板72の外形形状より大きく、相似形状を有する開口部が形成され、その開口部に入射偏光板72を案内して保持するための透明部材212に対しての透明部材保持部214が形成されている。この透明部材保持部214は、板状平面部を有する2つの透明部材212(212a,212b)が、封止材213を介して隙間を形成するように平行に構成されて保持されている。なお、入射偏光板72は、透明部材212のうち、前段側となる透明部材212aの板状平面部の一方の面に密着固定されている。
2つの透明部材212(212a,212b)として、本実施形態では、熱伝導性が高く透光性も良いサファイアガラスを用いている。
また、入射偏光板冷却枠210の内部には、液体冷媒20を蓄積する冷媒蓄積部211bが形成されている。また、2つの透明部材212a,212b、透明部材保持部214および封止材213により略均一の隙間を有する冷媒熱伝導部211aが形成される。この冷媒熱伝導部211aにより、入射偏光板72の光透過領域72aは覆われる形態となる。そして、冷媒熱伝導部211aと冷媒蓄積部211bとは連結部211cにより、連結される。なお、連結部211cは、冷媒熱伝導部211aの図示Z方向に垂直の断面形状と同様の形状を有して、冷媒熱伝導部211aと冷媒蓄積部211bとを連結している。また、冷媒熱伝導部211aと冷媒蓄積部211bと連結部211cとの内部には、液体冷媒20が封入されている。そして、冷媒熱伝導部211aと冷媒蓄積部211bと連結部211cとを合せて第2中空部211が構成される。冷媒蓄積部211bには、冷却に必要十分な液体冷媒20が封入され蓄積されている。
なお、液体冷媒20は、透明で熱伝達性に優れたものが望ましく、本実施形態では、エチレングリコールを用いている。これ以外にプロピレングリコールなどの不凍水溶液などを用いても良い。
なお、略矩形形状の外形を有する入射偏光板冷却枠210の4つのコーナ部には、色合成光学系80を構成するクロスダイクロイックプリズム81に対して、入射側偏光ユニット200を所定の位置となるように位置調整を行い固定するための位置決めピン31を挿入する孔部216が形成されている。所定の位置とは、図示Y方向に対しては第2中空部211内の液体冷媒20が光学像を形成する焦点面となるライトバルブ71の液晶面から十分に離れた位置であり、図示X・Z平面方向に対しては、画素ずれのない位置である。
なお、位置決めピン31と孔部216との固定は、例えば、紫外線硬化型の接着剤などを用いて固定する。また、位置決めピン31は、クロスダイクロイックプリズム81に設置した固定部材30に固定されており、後述する光変調ユニット100および射出側偏光ユニット300もそれぞれが所定の位置となるように位置調整を行い同様に固定される。
光学装置1を構成する入射側偏光ユニット200における冷却動作を説明する。
入射側偏光ユニット200において、入射偏光板72は、色分離光学系62で分離された各色光のうち、一方向の偏光光束を透過させ、その他の光束は透過させない。そして、入射偏光板72は、透過できない光束を熱として吸収し、吸収により入射偏光板72は発熱する。その発熱した熱は、入射偏光板72が密着固定される透明部材212aの板状平面部の一方の面に伝熱する。伝熱した熱は、透明部材212aの他方の面に伝熱し、他方の面と接触する液体冷媒20に伝熱する。この伝熱経路により、入射偏光板72で発生した熱は、冷媒熱伝導部211aの液体冷媒20に伝熱することになる。ここで入射偏光板72の光透過領域72aを覆う形態で冷媒熱伝導部211aが構成されているため、入射偏光板72で発生した熱は、効率的に冷媒熱伝導部211aに伝熱し、液体冷媒20に熱伝導する。冷媒熱伝導部211aの液体冷媒20に伝熱することにより、冷媒熱伝導部211aと連結する連結部211cおよび冷媒蓄積部211bに封入される液体冷媒20は自然対流を起こす。この自然対流により、冷媒熱伝導部211aの液体冷媒20に伝熱した熱は冷却される。このような流れが繰返されることにより、入射偏光板72で発生した熱が冷却されることになる。また、入射偏光板冷却枠210の外周に形成した放熱用のフィン215からも放熱して、冷却効率を向上している。
ライトバルブ71に光学装置1を構成した場合を説明する。
なお、ライトバルブ71およびライトバルブ71を保持する光変調素子冷却枠としてのライトバルブ冷却枠110を合せて光変調ユニット100と称する。
図2、図3に示すように、ライトバルブ冷却枠110は、熱伝導性の高い部材であるアルミニウム合金で形成され、略矩形形状の外形を有している。また、ライトバルブ71の画像形成領域71a(図3に二点鎖線で示す領域内)の領域外に、画像形成領域71aの外形形状から一定距離を確保した相似形状で開口部が形成され、その開口部にライトバルブ71を案内して保持するためのライトバルブ保持部114が形成されている。また、ライトバルブ71の画像形成領域71aの領域外となるライトバルブ冷却枠110の内部には、第1中空部111が形成されている。第1中空部111は、ライトバルブ冷却枠110の外周に沿って一巡するように形成されている。また、第1中空部111の内部には冷却に必要十分な液体冷媒20が封入されている。また、放熱用のフィン115がライトバルブ冷却枠110の外周に形成されている。
なお、略矩形形状の外形を有するライトバルブ冷却枠110の4つのコーナ部には、クロスダイクロイックプリズム81に対して光変調ユニット100を所定の位置となるように位置調整を行い固定するための位置決めピン31を挿入する孔部116が形成されている。所定の位置とは、図示Y方向に対してはライトバルブ71の液晶面が焦点となる位置であり、図示X・Z平面方向に対しては、画素ずれのない位置である。
光学装置1を構成する光変調ユニット100における冷却動作を説明する。
光変調ユニット100において、ライトバルブ71は、入射偏光板72により一方向の偏光光束を透過させ射出した偏光光束を、画像情報に応じて変調して光学像を形成することにより発熱する。ライトバルブ71で発生した熱は、ライトバルブ保持部114に伝熱する。ライトバルブ保持部114に伝熱した熱は、ライトバルブ冷却枠110を伝熱して、第1中空部111に封入する液体冷媒20に伝熱する。液体冷媒20に伝熱することにより、第1中空部111内部の液体冷媒20は自然対流を起こす。この自然対流により、第1中空部111の液体冷媒20に伝熱した熱は冷却される。このような流れが繰返されることにより、ライトバルブ71で発生した熱が冷却されることになる。また、ライトバルブ冷却枠110の外周に形成した放熱用のフィン115からも放熱して、冷却効率を向上している。
射出偏光板73に光学装置1を構成した場合を説明する。
なお、射出偏光板73および射出偏光板73を保持する射出側の偏光素子冷却枠としての射出偏光板冷却枠310を合せて射出側偏光ユニット300と称する。
なお、射出側偏光ユニット300は、構成は前述した入射側偏光ユニット200と同様となる。ただ、射出偏光板73の偏光軸が、入射偏光板72における偏光軸に対して直交するように設定されているところが主に異なるところである。その他の構造は入射側偏光ユニット200と同様である。
射出偏光板冷却枠310は、熱伝導性の高い部材であるアルミニウム合金で形成され、略矩形形状の外形を有している。また、射出偏光板冷却枠310の外周には、放熱用のフィン315が形成されている。また、射出偏光板冷却枠310は略中央に、射出偏光板73の外形形状より大きく、相似形状を有する開口部が形成され、その開口部に射出偏光板73を案内して保持するための透明部材312に対しての透明部材保持部314が形成されている。この透明部材保持部314は、板状平面部を有する2つの透明部材312(312a,312b)が、封止材313を介して隙間を形成するように平行に構成されて保持されている。なお、射出偏光板73は、透明部材312のうち、前段側となる透明部材312aの板状平面部の一方の面に密着固定されている。
2つの透明部材312(312a,312b)として、本実施形態では、熱伝導性が高く透光性も良いサファイアガラスを用いている。
また、射出偏光板冷却枠310の内部には、液体冷媒20を蓄積する冷媒蓄積部311bが形成されている。また、2つの透明部材312a,312b、透明部材保持部314および封止材313により略均一の隙間を有する冷媒熱伝導部311aが形成される。この冷媒熱伝導部311aにより、射出偏光板73の光透過領域73aは覆われる形態となる。そして、冷媒熱伝導部311aと冷媒蓄積部311bとは連結部311cにより、連結される。なお、連結部311cは、冷媒熱伝導部311aの図示Z方向に垂直の断面形状と同様の形状を有して、冷媒熱伝導部311aと冷媒蓄積部311bとを連結している。また、冷媒熱伝導部311aと冷媒蓄積部311bと連結部311cとの内部には、液体冷媒20が封入されている。そして、冷媒熱伝導部311aと冷媒蓄積部311bと連結部311cとを合せて第2中空部311が構成される。冷媒蓄積部311bには、冷却に必要十分な液体冷媒20が封入され蓄積されている。
なお、略矩形形状の外形を有する射出偏光板冷却枠310の4つのコーナ部には、色合成光学系80を構成するクロスダイクロイックプリズム81に対して、射出側偏光ユニット300を所定の位置となるように位置調整を行い固定するための位置決めピン31を挿入する孔部316が形成されている。所定の位置とは、図示Y方向に対しては第2中空部311内の液体冷媒20が光学像を形成する焦点面となるライトバルブ71の液晶面から十分に離れた位置であり、図示X・Z平面方向に対しては、画素ずれのない位置である。
光学装置1を構成する射出側偏光ユニット300における冷却動作を説明する。
射出側偏光ユニット300において、射出偏光板73は、ライトバルブ71から射出された光束のうち、所定方向の偏光光束を透過させ、その他の光束は透過させない。そして、射出偏光板73は、透過できない光束を熱として吸収し、吸収により射出偏光板73は発熱する。その発熱した熱は、射出偏光板73が密着固定される透明部材312aの板状平面部の一方の面に伝熱する。伝熱した熱は、透明部材312aの他方の面に伝熱し、他方の面と接触する液体冷媒20に伝熱する。この伝熱経路により、射出偏光板73で発生した熱は、冷媒熱伝導部311aの液体冷媒20に伝熱することになる。ここで射出偏光板73の光透過領域73aを覆う形態で冷媒熱伝導部311aが構成されているため、射出偏光板73で発熱した熱は、効率的に冷媒熱伝導部311aに伝熱し、液体冷媒20に伝熱する。冷媒熱伝導部311aの液体冷媒20に伝熱することにより、冷媒熱伝導部311aと連結する連結部311cおよび冷媒蓄積部311bに封入される液体冷媒20は自然対流を起こす。この自然対流により、冷媒熱伝導部311aの液体冷媒20に伝熱した熱は冷却される。このような流れが繰返されることにより、射出偏光板73で発生した熱が冷却されることになる。また、射出偏光板冷却枠310の外周に形成した放熱用のフィン315からも放熱して、冷却効率を向上している。
上述した入射側偏光ユニット200、光変調ユニット100および射出側偏光ユニット300が位置決めピン31に固定され、固定部材30を介してクロスダイクロイックプリズム81に固定される。なお、上述した光学装置1は、光変調・変換部70を構成する緑色光用の入射偏光板72(72G)、ライトバルブ71(71G)および射出偏光板73(73G)に対して構成した場合であり、赤色光用および青色光用に対しても同様に光学装置1を構成できる。また、赤色光用および青色光用の光学装置1もクロスダイクロイックプリズム81の対応する面部に固定され、ユニット化される。
上述した、実施形態によれば以下の効果が得られる。
(1)本実施形態の光学装置1によれば、ライトバルブ冷却枠110は、ライトバルブ71の画像形成領域71a外に対応する領域に液体冷媒20が内部に封入される第1中空部111を形成し、第1中空部111内の液体冷媒20に対して熱伝導可能にライトバルブ71を保持するため、ライトバルブ71で発熱した熱が、第1中空部111内に封入される液体冷媒20に伝熱する。伝熱した液体冷媒20により、第1中空部111の内部で液体冷媒20の自然対流が起こり、ライトバルブ71の熱が冷却できる。
また、ライトバルブ冷却枠110はライトバルブ71の画像形成領域71aの領域外に、画像形成領域71aの外形形状から一定距離を確保した相似形状で開口部が形成され、その開口部にライトバルブ保持部114が形成されて、ライトバルブ71を保持している。これにより、ライトバルブ71の画像形成領域71aには液体冷媒20が存在しないため、液体冷媒20に発生する気泡や温度の不均一によるゆらぎなどが光学像として形成されないため、プロジェクタ10などによる投射映像として投射されず投射映像の画質劣化を起こすことはない。
従って、液体冷媒20による画質低下がなく効率的な冷却を実現できる光学装置1が提供できる。
(2)入射、射出偏光板冷却枠210,310は、入射、射出偏光板72,73の光透過領域72a,73aを覆い液体冷媒20が内部に封入される第2中空部211(透明部材212で形成される冷媒熱伝導部211a),311(透明部材312で形成される冷媒熱伝導部311a)が形成されているが、ライトバルブ71の液晶面となる焦点面から十分に離れた位置に調整して固定される。例えば、入射側偏光ユニット200、光変調ユニット100、射出側偏光ユニット300は、少なくともそれぞれの間に少なくとも空隙を有する。それにより、第2中空部211,311内の液体冷媒20に発生する気泡や温度の不均一によるゆらぎなどが光学像として形成され難くなるため、プロジェクタ10などによる投射映像として投射され難くなり、投射映像の画質劣化を最小限に制限することができる。
また、入射、射出偏光板冷却枠210,310は、入射、射出偏光板72,73の光透過領域72a,73aを覆い液体冷媒20が内部に封入される第2中空部211(冷媒熱伝導部211a、冷媒蓄積部211b、連結部211c),311(冷媒熱伝導部311a、冷媒蓄積部311b、連結部311c)が形成され、第2中空部211,311内の液体冷媒20に対して熱伝導可能に入射、射出偏光板72,73を保持する。この構成により、入射偏光板72および射出偏光板73で発生する熱がそれぞれの第2中空部211,311内の液体冷媒20に伝熱し、液体冷媒20の自然対流が起こり、入射、射出偏光板72,73で発生する熱を冷却することができる。
従って、液体冷媒20による画質低下を最小限に制限しつつ効率的な冷却を実現できる光学装置1が提供できる。
(3)プロジェクタ10は、上述した光学装置1を各色光ごとに構成しているため、ランプ51から射出される光束による光変調・変換部70で発生する熱を冷却することができ、また、液体冷媒20による画質低下を最小限に制限して、映像投射を行うことができる。
(第2実施形態)
図4は、本発明の第2実施形態に係る光学装置の構造を示す摸式断面図である。図5は、図4に示す光学装置のA−A断面図である。図4、図5を用いて、光学装置1の構造および動作を説明する。
本実施形態の光学装置1は、入射偏光板72に光学装置1を構成した別の例である。
第1実施形態での入射偏光板72に光学装置1を構成した入射側偏光ユニット200に対して、本実施形態での入射側偏光ユニット201の異なるところを説明する。
第1実施形態での入射側偏光ユニット200は、透明部材212(212a,212b)が、封止材213を介して平行な隙間を形成して、第2中空部211を構成する冷媒熱伝導部211aを形成し、その透明部材212aの一方の面に入射偏光板72の前面が密着固定されている。また冷媒熱伝導部211aは、入射偏光板72の全面を覆う形態で液体冷媒20が封入されている。これに対して、本実施形態では、第2中空部221として透明な管(透明管)を用いているところが異なる。それ以外は略第1実施形態と同様となる。入射側偏光ユニット201のクロスダイクロイックプリズム81に対する位置決めピン31との固定も同様である。
入射側偏光ユニット201の構成と動作を説明する。
入射側偏光ユニット201において、入射偏光板冷却枠220は、熱伝導性の高い部材であるアルミニウム合金で形成され、2つに分割(分割された一方を第1入射偏光板冷却枠220a、他方を第2入射偏光板冷却枠220b)されて構成されている。なお、入射偏光板冷却枠220は、図示Z方向に分割されている。また、第1入射偏光板冷却枠220aおよび第2入射偏光板冷却枠220bの外周には、放熱用のフィン225が形成されている。そして、第2中空部221は、透明管となる冷媒熱伝導管221aと、冷媒熱伝導管221aを連結する冷媒蓄積管221bとで構成されている。また、第2中空部221は、熱伝導性が高く透光性も良いプラスチック部材で構成されている。
冷媒熱伝導管221aは、図示X方向に並列に複数設置される。また、冷媒熱伝導管221aは、矩形形状の断面を有し、真直ぐ延びた管形状で形成されている。冷媒熱伝導管221aの向きは図示Z方向である。冷媒蓄積管221bは、複数設置される冷媒熱伝導管221aの開口両端部を連結している。
冷媒熱伝導管221aと冷媒蓄積管221bとで第2中空部221が構成され、内部には液体冷媒20が封入される。なお、冷媒蓄積管221bには、入射偏光板72の熱の冷却に必要十分な液体冷媒20が封入される。また、冷媒蓄積管221bは、分割された第1入射偏光板冷却枠220aおよび第2入射偏光板冷却枠220bの双方の内部に固定されることにより、入射偏光板冷却枠220が構成される。
入射偏光板72は、矩形形状の断面を有する複数の冷媒熱伝導管221aの面上に固定される。その際、冷媒熱伝導管221aの長さは固定する入射偏光板72の長さより長く、入射偏光板72を固定した場合には、図示Z方向において、冷媒熱伝導管221aに収まっていなければならない。このように入射側偏光ユニット201は構成される。
光学装置1を構成する入射側偏光ユニット201における冷却動作を説明する。
入射側偏光ユニット201において、入射偏光板72は、色分離光学系62で分離された各色光のうち、一方向の偏光光束を透過させ、その他の光束は透過させない。そして、入射偏光板72は、透過できない光束を熱として吸収し、吸収により入射偏光板72は発熱する。その発熱した熱は、入射偏光板72が密着固定される冷媒熱伝導管221aに伝熱する。伝熱した熱は、冷媒熱伝導管221aに封入される液体冷媒20に伝熱する。冷媒熱伝導管221aの液体冷媒20に伝熱することにより、冷媒熱伝導管221aと連結する冷媒蓄積管221bに封入される液体冷媒20は自然対流を起こす。この自然対流により、冷媒熱伝導管221aの液体冷媒20に伝熱した熱は冷却される。このような流れが繰返されることにより、入射偏光板72で発生した熱が冷却されることになる。また、第1入射偏光板冷却枠220aおよび第2入射偏光板冷却枠220bの外周に形成した放熱用のフィン225からも放熱して、冷却効率を向上している。
上述した、実施形態によれば以下の効果が得られる。
(1)本実施形態の光学装置1によれば、入射偏光板72で発生する熱が、複数の冷媒熱伝導管221aに伝熱し、封入される液体冷媒20に伝熱することにより、第2中空部221内の液体冷媒20に伝熱し、液体冷媒20の自然対流が起こり、入射偏光板72で発生する熱を冷却することができる。
従って、液体冷媒20による効率的な冷却を実現できる光学装置1が提供できる。
(2)入射偏光板72は、複数の冷媒熱伝導管221aに固定されるが、入射偏光板72の光透過領域72a(図5に二点鎖線で示す領域内)全面が固定されるのではなく、冷媒熱伝導管221aと相対する一部が固定されるだけなので、冷媒熱伝導管221aの液体冷媒20による光束の透過率低下を小さくすることが可能となり、投射映像の画質劣化を最小限に制限することができる。
(第3実施形態)
図6は、本発明の第3実施形態に係る光学装置の構造を示す摸式平面図である。図6を用いて、光学装置1の構造および動作を説明する。
本実施形態の光学装置1は、入射偏光板72に光学装置1を構成した別の例である。
第2実施形態での入射偏光板72に光学装置1を構成した入射側偏光ユニット201に対して本実施形態での入射側偏光ユニット202の異なるところを説明する。
第2実施形態での入射側偏光ユニット201は、第2中空部221として矩形形状の断面を有する冷媒熱伝導管221aを複数並列に備え、複数の冷媒熱伝導管221aの開口両端部を冷媒蓄積管221bで連結した構成となっているが。本実施形態での入射側偏光ユニット202は、第2中空部231として丸形状の断面を有し、屈曲する1つの冷媒熱伝導管231aと、冷媒熱伝導管231aの開口両端部を連結する冷媒蓄積管231bを備えることである。それ以外は略第2実施形態と同様となる。
入射側偏光ユニット202の構成と動作を説明する。
入射側偏光ユニット202において、入射偏光板冷却枠230は、熱伝導性の高い部材であるアルミニウム合金で形成され、2つに分割(分割された一方を第1入射偏光板冷却枠230a、他方を第2入射偏光板冷却枠230b)されて構成されている。なお、入射偏光板冷却枠230は、図示Z方向に分割されている。また、第1入射偏光板冷却枠230aおよび第2入射偏光板冷却枠230bの外周には、放熱用のフィン235が形成されている。そして、第2中空部231は、上述したように、丸形状の断面を有し、屈曲する1つの透明管となる冷媒熱伝導管231aと、冷媒熱伝導管231aの開口両端部を連結する冷媒蓄積管231bとで構成されている。また、第2中空部231は、熱伝導性が高く透光性も良いプラスチック部材で構成されている。
冷媒熱伝導管231aと冷媒蓄積管231bとで第2中空部231が構成され、内部には液体冷媒20が封入される。なお、冷媒蓄積管231bには、入射偏光板72の熱の冷却に必要十分な液体冷媒20が封入される。また、冷媒蓄積管231bは、第2入射偏光板冷却枠230bの外面に冷媒熱伝導管231aの一方の屈曲部分と共に固定される。また冷媒熱伝導管231aの他方の屈曲部分は、第1入射偏光板冷却枠230aの外面に固定されることにより、入射偏光板冷却枠230が構成される。
入射偏光板72は、丸形状の断面を有して屈曲する冷媒熱伝導管231aの面上に固定される。その際、入射偏光板72は、図示Z方向において、冷媒熱伝導管231aに収まっていなければならない。このように入射側偏光ユニット202は構成される。
光学装置1を構成する入射側偏光ユニット202における冷却動作を説明する。
入射側偏光ユニット202において、入射偏光板72は、色分離光学系62で分離された各色光のうち、一方向の偏光光束を透過させ、その他の光束は透過させない。そして、入射偏光板72は、透過できない光束を熱として吸収し、吸収により入射偏光板72は発熱する。その発熱した熱は、入射偏光板72が密着固定される冷媒熱伝導管231aに伝熱する。伝熱した熱は、冷媒熱伝導管231aに封入される液体冷媒20に伝熱する。冷媒熱伝導管231aの液体冷媒20に伝熱することにより、冷媒熱伝導管231aと連結する冷媒蓄積管231bに封入される液体冷媒20は自然対流を起こす。この自然対流により、冷媒熱伝導管231aの液体冷媒20に伝熱した熱は冷却される。このような流れが繰返されることにより、入射偏光板72で発生した熱が冷却されることになる。また、第1入射偏光板冷却枠230aおよび第2入射偏光板冷却枠230bの外周に形成した放熱用のフィン235からも放熱して、冷却効率を向上している。
上述した、実施形態によれば以下の効果が得られる。
(1)本実施形態の光学装置1によれば、入射偏光板72で発生する熱が、1つの屈曲する冷媒熱伝導管231aに伝熱し、封入される液体冷媒20に伝熱することにより第2中空部231内の液体冷媒20に伝熱し、液体冷媒20の自然対流が起こり、入射偏光板72で発生する熱を冷却することができる。
従って、液体冷媒20による効率的な冷却を実現できる光学装置1が提供できる。
(2)入射偏光板72は、1つの屈曲する冷媒熱伝導管231aに固定されるが、入射偏光板72の光透過領域72a(図6に二点鎖線で示す領域内)全面が固定されるのではなく、冷媒熱伝導管231aと相対する一部が固定されるだけなので、冷媒熱伝導管231aの液体冷媒20による光束の透過率低下を小さくすることが可能となり、投射映像の画質劣化を最小限に制限することができる。
(第4実施形態)
図7は、本発明の第4実施形態に係る光学装置の構造を示す摸式断面図である。図7を用いて、光学装置1の構造および動作を説明する。
本実施形態の光学装置1は、入射偏光板72に光学装置1を構成した別の例である。そして、図7は、光学装置1を構成する入射側偏光ユニット203に対する図示X・Z平面での摸式断面図である。
第2実施形態での入射偏光板72に光学装置1を構成した入射側偏光ユニット201に対して本実施形態での入射側偏光ユニット203の異なるところを説明する。
第2実施形態での入射側偏光ユニット201は、第2中空部221として矩形形状の断面を有する冷媒熱伝導管221aを複数並列に備え、複数の冷媒熱伝導管221aの開口両端部を冷媒蓄積管221bで連結しているが。本実施形態での入射側偏光ユニット203は、第2中空部241として矩形形状の断面を有する冷媒熱伝導管241aを図示X方向に複数並列に備え、隣接する冷媒熱伝導管241a同士を連結管241cで連結し、両端に位置する冷媒熱伝導管241a同士を連結する冷媒蓄積管241bとで構成される。それ以外は略第2実施形態と同様となる。
入射側偏光ユニット203の構成と動作を説明する。
入射側偏光ユニット203において、入射偏光板冷却枠240は、熱伝導性の高い部材であるアルミニウム合金で形成され、2つに分割(分割された一方を第1入射偏光板冷却枠240a、他方を第2入射偏光板冷却枠240b)されて構成されている。なお、入射偏光板冷却枠240は、図示Z方向に分割されている。また、第1入射偏光板冷却枠240aおよび第2入射偏光板冷却枠240bの外周には、放熱用のフィン245が形成されている。
そして、第2中空部241は、上述したように、矩形形状の断面を有する冷媒熱伝導管241aを複数並列に備え、隣接する冷媒熱伝導管241a同士を連結管241cで連結し、両端に位置する冷媒熱伝導管241a同士を連結する冷媒蓄積管241bとで構成される。この構成により、第2中空部241は、直列に連結される。また、第2中空部241は、熱伝導性が高く透光性も良いプラスチック部材で構成されている。
冷媒熱伝導管241aと冷媒蓄積管241bと連結管241cとで第2中空部241が構成され、内部には液体冷媒20が封入される。なお、冷媒蓄積管241bには、入射偏光板72の熱の冷却に必要十分な液体冷媒20が封入される。また、冷媒蓄積管241bおよび連結管241cの一部は、第2入射偏光板冷却枠240bの内部に固定される。また残る連結管241cは、第1入射偏光板冷却枠240aの内部に固定されることにより、入射偏光板冷却枠240が構成される。
入射偏光板72は、矩形形状の断面を有し、真直ぐに伸びる複数の冷媒熱伝導管241aの面上に固定される。その際、入射偏光板72は、図示Z方向において、冷媒熱伝導管241aに収まっていなければならない。このように入射側偏光ユニット203は構成される。
光学装置1を構成する入射側偏光ユニット203における冷却動作を説明する。
入射側偏光ユニット203において、入射偏光板72は、色分離光学系62で分離された各色光のうち、一方向の偏光光束を透過させ、その他の光束は透過させない。そして、入射偏光板72は、透過できない光束を熱として吸収し、吸収により入射偏光板72は発熱する。その発熱した熱は、入射偏光板72が密着固定される冷媒熱伝導管241aに伝熱する。伝熱した熱は、冷媒熱伝導管241aに封入される液体冷媒20に伝熱する。冷媒熱伝導管241aの液体冷媒20に伝熱することにより、冷媒熱伝導管241aと連結する冷媒蓄積管241bおよび連結管241cに封入される液体冷媒20は自然対流を起こす。この自然対流により、冷媒熱伝導管241aの液体冷媒20に伝熱した熱は冷却される。このような流れが繰返されることにより、入射偏光板72で発生した熱が冷却されることになる。また、第1入射偏光板冷却枠240aおよび第2入射偏光板冷却枠240bの外周に形成した放熱用のフィン245からも放熱して、冷却効率を向上している。
なお、図中に示す矢印は、液体冷媒20の流動方向を模式的に示している。
上述した、実施形態によれば以下の効果が得られる。
(1)本実施形態の光学装置1によれば、入射偏光板72で発生する熱が、複数の冷媒熱伝導管241aに伝熱し、封入される液体冷媒20に伝熱することにより第2中空部241内の液体冷媒20に伝熱し、液体冷媒20の自然対流が起こり、入射偏光板72で発生する熱を冷却することができる。
従って、液体冷媒20による効率的な冷却を実現できる光学装置1が提供できる。
(2)入射偏光板72は、複数の冷媒熱伝導管241aに固定されるが、入射偏光板72の光透過領域72a(図7に二点鎖線で示す領域内)全面が固定されるのではなく、冷媒熱伝導管241aと相対する一部が固定されるだけなので、冷媒熱伝導管241aの液体冷媒20による光束の透過率低下を小さくすることが可能となり、投射映像の画質劣化を最小限に制限することができる。
(3)本実施形態の光学装置1によれば、第2中空部241は、冷媒熱伝導管241a、冷媒蓄積管241b、連結管241cとにより、直列に連結される。これにより、各管241a,241b,241c内部の流動抵抗値は高くなるが、複数の冷媒熱伝導管241内に等速で液体冷媒20を流動させることができるため、入射偏光板72で発生する熱を均一に冷却することができる。
(第5実施形態)
図8は、本発明の第5実施形態に係る光学装置の構造を示すブロック図である。図8を用いて、光学装置1の構造および動作を説明する。
本実施形態の光学装置1は、強制対流により、光学素子(ライトバルブ71、入射偏光板72、射出偏光板73)の発生する熱を冷却させる構成となっている。
図8に示すブロック図を説明する。
本実施形態の光学装置1は、色分離光学系62で分離された各色光(赤色光、緑色光、青色光)に対応して、第1実施形態での光学装置1(光変調ユニット100、入射側偏光ユニット200、射出側偏光ユニット300)が構成されている。図8では、赤色光用の光学装置を1R、緑色光用の光学装置を1G、青色光用の光学装置を1Bとして表している。
本実施形態での光学装置1は、液体冷媒20を蓄積する冷媒蓄積部500として、送出タンク510、戻りタンク520、リザーブタンク530を備える。また、光学装置1は、放熱を集中的に行うラジエータ540、液体冷媒20を強制的に循環させる循環駆動部としてのポンプ550を備える。そして、光学装置1は、各色光用の光学装置1R,1G,1B、冷媒蓄積部500、ラジエータ540、ポンプ550などを連結して液体冷媒20を循環させる流路610を形成する循環部600を備えている。
各構成部と流路610との連結関係を説明する。
ポンプ550と送出タンク510が流路610で連結される。また、送出タンク510と各色光の光学装置となる光学装置1R,1G,1Bとが流路610により連結される。詳細には、例えば、光学装置1Gを例に連結を説明すると、送出タンク510からの流路610の1つは、入射側偏光ユニット200の第2中空部211の冷媒蓄積部211bにカプラ560を介して連結される。また、送出タンク510からの流路610の1つは、光変調ユニット100の第1中空部111にカプラ560を介して連結される。また、送出タンク510からの流路610の1つは、射出側偏光ユニット300の第2中空部311の冷媒蓄積部311bにカプラ560を介して連結される。
そして、入射側偏光ユニット200の第2中空部211の冷媒蓄積部211bにカプラ560を介して別の流路610が連結されて、この流路610は戻りタンク520に連結される。同様に、光変調ユニット100の第1中空部111および射出側偏光ユニット300の第2中空部311の冷媒蓄積部311bからもカプラ560を介して流路610が連結されて、この流路610は戻りタンク520に連結される。
上述した光学装置1Gの流路610の連結は、光学装置1R,1Bにおいても同様に連結される。なお、光学装置1R,1G,1Bは、送出タンク510と戻りタンク520との間で、並列に連結されると共に、各光学装置1R,1G,1Bを構成する各光変調ユニット100(100R,100G,100B)、各入射側偏光ユニット200(200R,200G,200B)、各射出側偏光ユニット300(300R,300G,300B)も並列に連結されている。詳細には、送出タンク510から流路610は、9本分岐され、各光学装置1R,1G,1Bの各ユニットと連結されている。
また、戻りタンク520は、ラジエータ540と流路610で連結され、ラジエータ540は、リザーブタンク530と流路610で連結され、リザーブタンク530は、ポンプ550と流路610で連結される。
上述したように、本実施形態の光学装置1は、循環部600の流路610により、それぞれの構成部が連結される。
なお、図中、流路610は、矢印で示しており、液体冷媒20の流動方向も合せて示している。また、光学装置1G内の各ユニット100G,200G,300G内での矢印は、液体冷媒20の流動方向を模式的に示している。
光学装置1における液体冷媒20の動作を説明する。
ポンプ550が駆動することにより、液体冷媒20が吐出される。吐出された液体冷媒20は送出タンク510内に流入し、送出タンク510内の液体冷媒20を各色光用の光学装置1G,1R,1Bを構成する各ユニットに送出する。
ここで、緑色光用の光学装置1Gを例にして液体冷媒20の動作を説明する。
送出タンク510から流路610により、液体冷媒20は、入射側偏光ユニット200の第2中空部211の冷媒蓄積部211b内に流入する。これにより液体冷媒20は第2中空部211内部を流動して、冷媒蓄積部211bの外に流出する。この際、入射偏光板72で発生する熱が第2中空部211内を流動する液体冷媒20に伝熱して流出することにより、入射偏光板72で発生する熱が冷却される。冷媒蓄積部211bの外に流出した液体冷媒20は流路610により、戻りタンク520内に流入する。
また、液体冷媒20は、送出タンク510から光変調ユニット100の第1中空部111内に流入する。これにより液体冷媒20は第1中空部111内部を流動して、第1中空部111の外に流出する。この際、ライトバルブ71で発生する熱が第1中空部111内を流動する液体冷媒20に伝熱して流出することにより、ライトバルブ71で発生する熱が冷却される。第1中空部111の外に流出した液体冷媒20は流路610により、戻りタンク520内に流入する。
また、液体冷媒20は、送出タンク510から射出側偏光ユニット300の第2中空部311の冷媒蓄積部311b内に流入する。これにより液体冷媒20は第2中空部311内部を流動して、冷媒蓄積部311bの外に流出する。この際、射出偏光板73で発生する熱が第2中空部311内を流動する液体冷媒20に伝熱して流出することにより、射出偏光板73で発生する熱が冷却される。冷媒蓄積部311bの外に流出した液体冷媒20は流路610により、戻りタンク520内に流入する。
光学装置1R,1Bにおいても、上述したと同様な液体冷媒20の動作が行われる。
戻りタンク520内に流入した熱を内在する液体冷媒20は、流路610によりラジエータ540に流入する。ラジエータ540により、熱を内在した液体冷媒20が冷却される。冷却された液体冷媒20がラジエータ540から流出し、流路610によりリザーブタンク530に流入する。リザーブタンク530に流入した液体冷媒20は、流路610を流動しポンプ550に吸入される。
このような液体冷媒20のポンプ550による強制的な流動が繰返されることにより、各色光用の入射偏光板72、ライトバルブ71、射出偏光板73は冷却される。
なお、冷媒蓄積部500を構成する送出タンク510および戻りタンク520は、光学装置1R,1G,1Bをそれぞれの位置に固定する位置決めピン31を介してクロスダイクロイックプリズム81の近辺に設置される。これにより、流路610の引き回しを簡潔にしている。また、リザーブタンク530は、メンテナンスなどの面から、プロジェクタ10の外装を構成する筐体(図示省略)の近辺に設置されている。これにより、リザーブタンク530に液体冷媒20を補給することができる。
上述した、実施形態によれば以下の効果が得られる。
(1)本実施形態の光学装置1によれば、ポンプ550により、循環部600が形成する流路610中に液体冷媒20を強制的に循環させるため、循環部600と連結される第1中空部111や第2中空部211,311において、内部で強制的な対流が起こる。それにより、ライトバルブ71、入射偏光板72、射出偏光板73で発生する熱は、強制的な循環と対流(流動)により更に効率的に冷却される。従って、液体冷媒20による更に効率的な冷却を実現できる光学装置1およびプロジェクタ10が提供できる。
(第6実施形態)
図9は、本発明の第6実施形態に係る光学装置の構造を示す摸式平面図である。図9を用いて、光学装置1の構造および動作を説明する。
本実施形態の光学装置1は、強制対流により、入射偏光板72で発生する熱を冷却させる構成となっている。また、本実施形態は、第3実施形態での入射側偏光ユニット202に対して、循環部601を形成する流路611と、循環駆動部としてのギヤポンプ551とを入射側偏光ユニット202に設置した形態と同様のものである。
図9に示す入射側偏光ユニット204の構成および動作を説明する。
入射側偏光ユニット204において、入射偏光板冷却枠250は、熱伝導性の高い部材であるアルミニウム合金で形成され、2つに分割(分割された一方を第1入射偏光板冷却枠250a、他方を第2入射偏光板冷却枠250b)されて構成されている。なお、入射偏光板冷却枠250は、図示Z方向に分割されている。また、第1入射偏光板冷却枠250aおよび第2入射偏光板冷却枠250bの外周には、放熱用のフィン255が形成されている。
そして、第2中空部251は、丸形状の断面を有し、屈曲する1つの透明管となる冷媒熱伝導管251aで構成されている。第2中空部251は、熱伝導性が高く透光性も良いプラスチック部材で構成されている。そして冷媒熱伝導管251aの一方の開口端部はリザーブタンク531と連結されている。また他方の開口端部は循環駆動部としてのギヤポンプ551の吐出口551aと連結されている。また、リザーブタンク531とギヤポンプ551の吸入口551bとは循環部601の形成する流路611で連結されている。なお、ギヤポンプ551は、小型化が可能で、正方向/逆方向の切替えなども確実に行えることにより用いている。
このように連結して構成された冷媒熱伝導管251a、リザーブタンク531、流路611およびギヤポンプ551の内部には、液体冷媒20が封入される。特にリザーブタンク531には、入射偏光板72の熱の冷却に必要十分な液体冷媒20が封入される。
また、リザーブタンク531、流路611およびギヤポンプ551は、第2入射偏光板冷却枠250bの外面に冷媒熱伝導管251aの一方の屈曲部分と共に設置される。また冷媒熱伝導管251aの他方の屈曲部分は、第1入射偏光板冷却枠250aの外面に設置されることにより、入射偏光板冷却枠250が構成される。
入射偏光板72は、丸形状の断面を有して屈曲する冷媒熱伝導管251aの面上に固定される。その際、入射偏光板72は、図示Z方向において、冷媒熱伝導管251aに収まっていなければならない。このように入射側偏光ユニット204は構成される。
光学装置1を構成する入射側偏光ユニット204における冷却動作を説明する。
ギヤポンプ551が駆動することにより、吐出口551aから液体冷媒20が吐出される。吐出される液体冷媒20により、屈曲する冷媒熱伝導管251aの内部を液体冷媒20が流動する。この際、入射偏光板72で発生した熱が液体冷媒20に伝熱されて流動する。冷媒熱伝導管251aの内部を流動した液体冷媒20は、リザーブタンク531に流入する。リザーブタンク531に流入した液体冷媒20は、流路611を流通してギヤポンプ551の吸入口551bに流入する。この流動により、冷媒熱伝導管251a内部の伝熱した液体冷媒20が流動して、伝熱した液体冷媒20が冷却されることにより、入射偏光板72で発生する熱が冷却される。また、第1入射偏光板冷却枠250aおよび第2入射偏光板冷却枠250bの外周に形成した放熱用のフィン255からも放熱して、冷却効率を向上している。
なお、図中に示す矢印は、液体冷媒20の流動方向を模式的に示している。
上述した、実施形態によれば以下の効果が得られる。
(1)本実施形態の光学装置1によれば、ギヤポンプ551により、冷媒熱伝導管251a内部に液体冷媒20を強制的に循環させるため、第2中空部251において、内部で強制的な対流が起こる。それにより、入射偏光板72で発生する熱は、強制的な循環と対流(流動)により効率的に冷却される。従って、液体冷媒20による更に効率的な冷却を実現できる光学装置1およびプロジェクタ10が提供できる。
(2)入射偏光板72は、1つの屈曲する冷媒熱伝導管251aに固定されるが、入射偏光板72の光透過領域72a(図9に二点鎖線で示す領域内)全面が固定されるのではなく、冷媒熱伝導管251aと相対する一部が固定されるだけなので、冷媒熱伝導管251aの液体冷媒20による光束の透過率低下を小さくすることが可能となり、投射映像の画質劣化を最小限に制限することができる。
(3)本実施形態の光学装置1によれば、入射側偏光ユニット204として、第2中空部251、ギヤポンプ551、リザーブタンク531、流路611を設置できるため、第5実施形態における接続のためのカプラ560などを必要としないなど、構成が簡易となり、コンパクトな冷却構造とすることができる。
また、強制対流を行う構成が入射側偏光ユニット204内に総て備わり完結するため、プロジェクタ10を組立てる際には、液体冷媒20を封入する必要がなく(入射側偏光ユニット204を組立てる場合だけ封入する必要がある)、粉塵の混入や、液体冷媒20の流出による気泡の発生など、投射映像の画質劣化につながるリスクを最小限にすることが可能となる。
また、入射側偏光ユニット204の製造においても、コンパクトな冷却構造となるため、組立性が向上し、それにより入射側偏光ユニット204の信頼性が向上する。
(4)本実施形態の光学装置1によれば、各色光用の入射偏光板72に対して入射側偏光ユニットとして構成することにより、各色光用の入射偏光板72に対して上記効果を同様に奏することができる。
また、本実施形態の光学装置1は、射出偏光板73にも適用でき、各色光用の射出偏光板73に適用した場合にも、上記効果を同様に奏することができる。
(第7実施形態)
図10は、本発明の第7実施形態に係る光学装置の構造を示す摸式平面図である。図10を用いて、光学装置1の構造および動作を説明する。
本実施形態の光学装置1は、強制対流により、ライトバルブ71で発生する熱を冷却させる構成となっている。
図10に示す光変調ユニット101の構成および動作を説明する。
光変調ユニット101において、ライトバルブ冷却枠120は、熱伝導性の高い部材であるアルミニウム合金で形成され、略矩形形状の外形を有している。また、ライトバルブ冷却枠120の外周には、放熱用のフィン125が形成されている。
また、ライトバルブ71の画像形成領域71a(図10に二点鎖線で示す領域内)の領域外に、画像形成領域71aの外形形状から一定距離を確保した相似形状で開口部が形成され、その開口部にライトバルブ71を案内して保持するためのライトバルブ保持部124が形成されている。
また、第1中空部121は、ライトバルブ71の画像形成領域71aの領域外となるライトバルブ冷却枠120の背面側(光束の射出側)に設置されている。第1中空部121は、矩形形状の断面を有する管となる冷媒熱伝導管121aで構成されている。また、冷媒熱伝導管121aは、熱伝導性が高い部材で構成されている。また、冷媒熱伝導管121aは、ライトバルブ冷却枠120の外周に沿って略一巡するように形成され設置されている。
冷媒熱伝導管121aは、開口する両端部を有し、一方の開口端部はリザーブタンク532と連結されている。また他方の開口端部は循環駆動部としてのギヤポンプ552の吐出口552aと連結されている。また、リザーブタンク532とギヤポンプ552の吸入口552bとは循環部602の形成する流路612で連結されている。なお、ギヤポンプ552は、小型化が可能で、正方向/逆方向の切替えなども確実に行えることにより用いている。なお、リザーブタンク532、ギヤポンプ552、流路612は、冷媒熱伝導管121aと同様に、ライトバルブ冷却枠120の背面側に設置されている。このように光変調ユニット101は構成される。
上述したように連結して構成された冷媒熱伝導管121a、リザーブタンク532、流路612およびギヤポンプ552の内部には、液体冷媒20が封入される。特にリザーブタンク532には、ライトバルブ71の熱の冷却に必要十分な液体冷媒20が封入される。
光学装置1を構成する光変調ユニット101における冷却動作を説明する。
ギヤポンプ552が駆動することにより、吐出口552aから液体冷媒20が吐出される。吐出される液体冷媒20により、冷媒熱伝導管121aの内部を液体冷媒20が流動する。この際、ライトバルブ71で発生した熱が液体冷媒20に伝熱されて流動する。冷媒熱伝導管121aの内部を流動した液体冷媒20は、リザーブタンク532に流入する。リザーブタンク532に流入した液体冷媒20は、流路612を流通してギヤポンプ552の吸入口552bに流入する。この流動により、冷媒熱伝導管121a内部の伝熱した液体冷媒20が流動して、伝熱した液体冷媒20が冷却されることにより、ライトバルブ71で発生する熱が冷却される。また、ライトバルブ冷却枠120の外周に形成した放熱用のフィン125からも放熱して、冷却効率を向上している。
なお、図中に示す矢印は、液体冷媒20の流動方向を模式的に示している。
上述した、実施形態によれば以下の効果が得られる。
(1)本実施形態の光学装置1によれば、ギヤポンプ552により、冷媒熱伝導管121a内部に液体冷媒20を強制的に循環させるため、第1中空部121において、内部で強制的な対流が起こる。それにより、ライトバルブ71で発生する熱は、強制的な循環と対流(流動)により効率的に冷却される。従って、液体冷媒20による更に効率的な冷却を実現できる光学装置1およびプロジェクタ10が提供できる。
(2)ライトバルブ冷却枠120は、ライトバルブ71の画像形成領域71aの領域外に、画像形成領域71aの外形形状から一定距離を確保した相似形状で開口部が形成され、その開口部にライトバルブ71を案内して保持するためのライトバルブ保持部114が形成されて、ライトバルブ71を保持している。これにより、ライトバルブ71の画像形成領域71aには液体冷媒20が存在しないため、液体冷媒20に発生する気泡や温度の不均一によるゆらぎなどが光学像として形成されないため、プロジェクタ10などによる投射映像として投射されず投射映像の画質劣化を起こすことはない。
従って、液体冷媒20による画質低下がなく効率的な冷却を実現できる光学装置1が提供できる。
(3)本実施形態の光学装置1によれば、光変調ユニット101として、第1中空部121、ギヤポンプ552、リザーブタンク532、流路612を設置できるため、第5実施形態における接続のためのカプラ560などを必要としないなど、構成が簡易となり、コンパクトな冷却構造とすることができる。
また、強制対流を行う構成が光変調ユニット101内に総て備わり完結するため、プロジェクタ10を組立てる際には、液体冷媒20を封入する必要がなく(光変調ユニット101を組立てる場合だけ封入する必要がある)、粉塵の混入や、液体冷媒20の流出による気泡の発生など、投射映像の画質劣化につながるリスクを最小限にすることが可能となる。
また、光変調ユニット101の製造においても、コンパクトな冷却構造となるため、組立性が向上し、それにより光変調ユニット101の信頼性が向上する。
(4)本実施形態の光学装置1によれば、各色光用のライトバルブ71に対して光変調ユニット101として構成することにより、各色光用のライトバルブ71に対して上記効果を同様に奏することができる。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されず、種々の変更や改良などを加えることが可能である。変形例を以下に述べる。
(変形例1)前記第1実施形態において、光学装置1として、入射偏光板72と射出偏光板73との双方に対して入射偏光板冷却枠210と射出偏光板冷却枠310とで、入射側偏光ユニット200と射出側偏光ユニット300とを構成している。しかし、これに限らず、入射偏光板72または射出偏光板73のどちらか一方に対して光学装置1を構成する偏光ユニットを構成することでも良い。特に、射出偏光板73が発熱し易く、発熱量が大きいため、射出偏光板73に対して、光学装置1を構成する偏光ユニットを構成することが効率的な冷却を行うためには有効である。
(変形例2)前記第2実施形態から前記第4実施形態、および第6実施形態において、光学装置1として、入射偏光板72に対して偏光ユニットを構成しているが、射出偏光板73に対しても同様の構成を適用することができる。
(変形例3)前記第5実施形態において、例えば緑色光用の光学装置1Gにおいて、光学装置1を構成する光変調ユニット100G、入射側偏光ユニット200G、射出側偏光ユニット300Gは、並列に連結される構造となっているが、これに限らず、直列に連結される構造でも良い。各光学素子の発熱量に基づいて、直列に連結する順序を決めることで良い。当然、赤色光用の光学装置1R、青色光用の光学装置1Bにおいても同様である。
(変形例4)前記第5実施形態において、緑色光用の光学装置1G、赤色光用の光学装置1R、青色光用の光学装置1Bは、並列に連結される構造となっているが、これに限らず、直列に連結される構造でも良い。各光学素子の発熱量に基づいて、直列に連結する順序を決めることで良い。
(変形例5)前記第5実施形態において、光学装置1として、ライトバルブ71と入射偏光板72と射出偏光板73とに対して、光変調ユニット100と入射側偏光ユニット200と射出側偏光ユニット300とを構成しているが、ライトバルブ71と、入射偏光板72または射出偏光板73とのどちらか一方に対して光学装置を構成することにより、強制対流による冷却を行っても良い。
(変形例6)前記第5実施形態において、光学装置1として、光変調ユニット100、入射側偏光ユニット200、射出側偏光ユニット300を構成しているが、いずれか1つの光学素子に対して、光学装置1を構成する光変調ユニットまたは偏光ユニットを構成して、強制対流による冷却を行っても良い。その場合、例えば、ライトバルブ71に対して、強制対流を使用する前記第5実施形態の光学装置1を適用した場合、入射偏光板72または射出偏光板73のうち、どちらか一方は、自然対流を使用する前記第1〜第4実施形態の光学装置1を適用することで良い。また、例えば、入射偏光板72または射出偏光板73のうち、どちらか一方に強制対流を使用する前記第5実施形態の光学装置1を適用した場合、ライトバルブ71には、自然対流を使用する前記第1実施形態の光学装置1を適用することで良い。
(変形例7)前記第5実施形態において、各色光に対して光学装置(1R,1G,1B)を構成しているが、これに限られず、発熱量の大きい色光に対して光学装置1を構成させることでも良いし、また、発熱量の大きい色光で、その中でも、発熱量の大きい光学素子に対して光学装置1を構成しても良い。
(変形例8)前記第6実施形態において、入射偏光板冷却枠250や第2中空部251を構成する冷媒熱伝導管251aに替えて、第1実施形態での入射偏光板冷却枠210の構成を適用しても良い。その場合、第2中空部211を構成する冷媒蓄積部211bに2ヶ所の開口部を形成し、形成した開口部と流路611とを連結し、また、その流路611とリザーブタンク531およびギヤポンプ551と連結することが好ましい。
(変形例9)前記第7実施形態において、第1中空部121を構成する冷媒熱伝導管121aに替えて、第1実施形態での第1中空部111の構成を適用しても良い。その場合、第1中空部111に2ヶ所の開口部を形成し、形成した開口部と流路612とを連結し、また、その流路612とリザーブタンク532およびギヤポンプ552と連結することが好ましい。
(変形例10)前記実施形態で示した光学装置1は、ライトバルブ71と入射偏光板72、ライトバルブ71と射出偏光板73、ライトバルブ71と入射偏光板72と射出偏光板73の組み合わせを基準に、前記実施形態で示したいずれかの光学装置1を適宜選択して、組合わせて適用することができる。なお、適用する場合は、本発明の主旨(技術思想)を逸脱しない範囲において、変更や改良などを加えても良い。
(変形例11)前記実施形態において、ライトバルブ冷却枠110,120、入射偏光板冷却枠210,220,230,240,250、射出偏光板冷却枠310は、熱伝導性の高い部材であるアルミニウム合金で形成されている。しかし、これに限らず、マグネシウム合金や、熱伝導性を有する樹脂材料などで形成しても良い。
(変形例12)前記実施形態でのプロジェクタ10は、光学系5を構成する光変調・変換部70としてライトバルブ71を3枚使用する3板方式を用いている。しかし、これに限らず、ライトバルブを1枚使用する単板方式を用いても良い。なお、単板方式を用いた場合には、照明光学系での色分離および色合成光学系などは不要とすることができる。また、使用する光学系によっては、ライトバルブの枚数は、4枚でも、2枚でも良く、ライトバルブの枚数は問わない。
(変形例13)前記実施形態でのプロジェクタ10は、外部に設置されるスクリーンなどに光学像の投射を行うフロントタイプのプロジェクタ10を用いている。しかし、これに限らず、プロジェクタの内部にスクリーンを有して、そのスクリーンに光学像を投射するリアタイプのプロジェクタを用いても良い。
(変形例14)前記実施形態でのプロジェクタ10は、一つの光源装置50から射出された光を色分離光学系62で各色光に分離している。しかし、これに限らず、各色光を射出する複数の光源装置を用いても良い。例えば、固体光源である赤色光を射出する赤色LED(発光ダイオード)、緑色光を射出する緑色LED,青色光を射出する青色LEDを用いても良い。また、LD(レーザーダイオード)を用いることもできる。
(変形例15)前記第1実施形態での、入射側偏光ユニット200(図2参照)において、入射偏光板72は、透明部材212のうち、前段側となる透明部材212aの板状平面部の一方の面に密着固定されている。そして、入射側偏光ユニット200に入射する入射光は、最初に入射偏光板72に入射して、次に第1中空部211(詳細には、冷媒熱伝導部211a)内の液体冷媒20を透過して入射側偏光ユニット200から射出される。しかし、これに限らず、入射偏光板72を、透明部材211のうち、後段側となる透明部材212bの板状平面部の一方の面(外面)に密着固定させることにより、入射側偏光ユニット200に入射する入射光を、最初に第1中空部211(詳細には、冷媒熱伝導部211a)内の液体冷媒20に入射させ、次に入射偏光板72に入射させて入射側偏光ユニット200から射出するようにしても良い。このような構成により、光変調ユニット100の焦点面となるライトバルブ71の液晶面に対して、第2中空部211(詳細には、冷媒熱伝導部211a)との間に入射偏光板72が位置することとなり、第2中空部211内の液体冷媒20を、焦点面から、より離して配置させることができる。それにより、例えば、第2中空部211内の液体冷媒20に発生する気泡や温度の不均一によるゆらぎなどが光学像として、より形成され難くなるため、プロジェクタ10などによる投射映像として投射され難くなり、投射映像の画質劣化を最小限に制限することができる。
また、同様に、第2実施形態での第2中空部221(詳細には、冷媒熱伝導管221a)、第3実施形態での第2中空部231(詳細には、冷媒熱伝導管231a)、第4実施形態での第2中空部241(詳細には、冷媒熱伝導管241a)、第6実施形態での第2中空部251(詳細には、冷媒熱伝導管251a)においても、最初に入射光が各第2中空部221,231,241,251内の液体冷媒20に入射して、次に入射偏光板72に入射するように、入射偏光板72を第2中空部221,231,241,251に固定させることにより、上述した効果を同様に奏することができる。
本発明の第1実施形態に係る光学装置をプロジェクタに適用したときの光学系の構成を示す模式図。 光学装置の構造を示す摸式断面図。 光変調ユニットの模式平面図。 本発明の第2実施形態に係る光学装置の構造を示す摸式断面図。 図4に示す光学装置のA−A断面図。 本発明の第3実施形態に係る光学装置の構造を示す摸式平面図。 本発明の第4実施形態に係る光学装置の構造を示す摸式断面図。 本発明の第5実施形態に係る光学装置の構造を示すブロック図。 本発明の第6実施形態に係る光学装置の構造を示す摸式平面図。 本発明の第7実施形態に係る光学装置の構造を示す摸式平面図。
符号の説明
1…光学装置、5…光学系、10…プロジェクタ、20…液体冷媒、50…光源装置、70…光変調・変換部、71…ライトバルブ、71a…画像形成領域、72…入射偏光板、73…射出偏光板、72a,73a…光透過領域、80…色合成光学系、90…投射部、100,101…光変調ユニット、110,120…ライトバルブ冷却枠、111,121…第1中空部、200〜204…入射側偏光ユニット、210,220,230,240,250…入射偏光板冷却枠、212,312…透明部材、211,221,231,241,251,311…第2中空部、300…射出側偏光ユニット、310…射出偏光板冷却枠、115,125,215,225,235,245,255,315…フィン、500…冷媒蓄積部、550…ポンプ、551,552…ギヤポンプ、530〜532…リザーブタンク、600〜602…循環部、610〜612…流路。

Claims (9)

  1. 液体冷媒を用いて冷却を行う光学装置であって、
    一方向の偏光光束を透過させて射出する入射側の偏光素子と、
    前記入射側の偏光素子から入射する前記一方向の偏光光束を画像情報に応じて変調して射出する光変調素子と、
    前記光変調素子で変調され射出された光束のうち所定方向の偏光光束を透過させて射出する射出側の前記偏光素子と、
    前記光変調素子の画像形成領域外に対応する領域に前記液体冷媒が内部に封入される第1中空部が形成され、当該第1中空部内の液体冷媒に対して熱伝導可能に前記光変調素子を保持する光変調素子冷却枠と、
    前記入射側の偏光素子または前記射出側の偏光素子の少なくとも一方の前記偏光素子に対して、焦点面から所定の位置で、前記偏光素子の光透過領域を覆い前記液体冷媒が内部に封入される第2中空部が形成され、当該第2中空部内の液体冷媒に対して熱伝導可能に前記偏光素子を保持する偏光素子冷却枠とで構成されることを特徴とする光学装置。
  2. 請求項1に記載の光学装置であって、
    前記偏光素子冷却枠は、前記第2中空部を構成する板状平面部を有する透明部材を備え、
    前記透明部材の有する前記板状平面部の一方の面に前記偏光素子を密着固定し、他方の面は前記液体冷媒に接触することを特徴とする光学装置。
  3. 請求項1に記載の光学装置であって、
    前記偏光素子冷却枠は、前記第2中空部を構成して内部に前記液体冷媒を封入する複数の透明管を有し、
    前記偏光素子は、前記複数の透明管に固定されることを特徴とする光学装置。
  4. 請求項3に記載の光学装置であって、
    前記複数の透明管は、直列または並列に接続され配置されることを特徴とする光学装置。
  5. 請求項1に記載の光学装置であって、
    前記偏光素子冷却枠は、前記第2中空部を構成して内部に前記液体冷媒を封入し、屈曲する透明管を有し、
    前記偏光素子は、前記屈曲する透明管に固定されることを特徴とする光学装置。
  6. 請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の光学装置であって、
    前記光変調素子冷却枠または前記偏光素子冷却枠は、放熱用のフィンを有することを特徴とする光学装置。
  7. 請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の光学装置であって、
    前記光変調素子冷却枠の前記第1中空部または前記偏光素子冷却枠の前記第2中空部の少なくとも一方と連結され、前記液体冷媒を循環させる流路を形成する循環部と、
    前記循環部の前記流路中に設置され、前記循環部を介して連結される前記第1中空部または前記第2中空部の少なくとも一方に前記液体冷媒を強制的に循環させる循環駆動部とで構成されることを特徴とする光学装置。
  8. 請求項7に記載の光学装置であって、
    前記循環駆動部は、前記第1中空部を形成する前記光変調素子冷却枠または前記第2中空部を形成する前記偏光素子冷却枠に設置されて構成されることを特徴とする光学装置。
  9. 請求項1〜請求項8のいずれか一項に記載の光学装置と、光束を射出する光源装置と、前記光学装置により形成された光学像を投射する投射部とを備えることを特徴とするプロジェクタ。
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