JP2007279466A - 光反射シート付き液晶画面用フレーム及びその製造方法 - Google Patents

光反射シート付き液晶画面用フレーム及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】光反射シートと液晶画面用フレームを構成する熱可塑性樹脂とが十分な密着性を有している光反射シート付き液晶画面用フレーム及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】液晶画面用フレームと光反射シートとからなる光反射シート付き液晶画面用フレームにおいて、前記光反射シートが光反射性フィルムと接着性フィルムとからなり、前記接着性フィルムが光反射性フィルムと液晶画面用フレームとの間に設けられ、前記接着性フィルムが液晶画面用フレームを形成する熱可塑性樹脂と同系の樹脂からなることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、液晶画像表示用のバックライトを反射する光反射シートがフレーム面に一体化された光反射シート付き液晶画面用フレームに関する。
近年、液晶表示画面を利用した用途の拡大は目覚ましく、従来のノートパソコンの他に、デスクトップパソコン、テレビ、携帯電話等の画像表示用ディスプレイや各種ゲーム機等で広く採用されてきており、このような用途拡大に応じた生産を確保するためには、より簡易的な生産工程が必要とされている。
従来、液晶画像表示用ディスプレイは、照明光としてバックライトと液晶画面用フレームに取り付けられた光反射シートとを備えており、この光反射シートは、例えば特開2004−160900号公報(特許文献1)に記載されているように、予め液晶画面用フレームを成形するという第一の工程の後に、該フレームに接着するという第二の工程を経て取り付けられている。
成形物とシートを一体成形する方法はいくつか知られているが、液晶画面用フレームと反射シートとの密着性を得ることが困難であった。
特開2004−160900号公報
本発明は、上記課題を解決し、光反射シートと液晶画面用フレームを構成する熱可塑性樹脂とが十分な密着性を有している光反射シート付き液晶画面用フレーム及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、すなわち請求項1記載の発明は、液晶画面用フレームと光反射シートとからなる光反射シート付き液晶画面用フレームにおいて、前記光反射シートが光反射性フィルムと接着性フィルムとからなり、前記接着性フィルムが光反射性フィルムと液晶画面用フレームとの間に設けられ、前記接着性フィルムが液晶画面用フレームを形成する熱可塑性樹脂と同系の樹脂からなることを特徴とする光反射シート付き液晶画面用フレームである。
また請求項2記載の発明は、液晶画面用フレームと光反射シートとからなる光反射シート付き液晶画面用フレームの製造方法において、光反射性フィルムと接着性フィルムとを積層して光反射シートとし、液晶画面用フレームを形成する金型内に前記接着性フィルムの面を内側にして光反射シートを設置し、射出成形して一体化することを特徴とする、光反射シート付き液晶画面用フレームの製造方法である。
本発明は、液晶画面用フレームを形成する熱可塑性樹脂と同系の樹脂フィルムを介して液晶画面用フレームと光反射シートとを接合することにより、光反射シートと液晶画面用フレームとの間に十分な密着性を保持させることが可能となった。
また、本発明は、液晶画面用フレームを形成する金型内に前記接着性フィルムの面を内側にして光反射シートを設置し、射出成形して一体化することとしたので、光反射シート付き液晶画面用フレームの製造工程を、従来の二つの工程から一つの工程に短縮することが可能となった。
以下に本発明の光反射シート付き液晶画面用フレームを図面に基づき詳細に説明する。
図1(a)は、本発明の光反射シート付き液晶画面用フレームAの一実施例を説明する正面図、図1(b)は、図1(a)のX−X断面図であり、熱可塑性樹脂製の矩形状の液晶画面用フレーム1は、その外周より内側部分に矩形状の液晶画面用の窓部2を備えている。
図1(a)〜(b)に示すように、該液晶画面用フレーム1はパレット形状(又はトレー形状)のフレームとなっており、矩形状の液晶画面用の窓部2の内面には、光反射シートBがその接着性フィルム6側にて液晶画面用フレーム1と接合(接着)され、一体化されている。
図1(a)〜(b)に示す前記液晶画面用フレーム1は、画面背面用のフレーム(リアフレーム)となっていて、光反射シートBより前面(F)側に、液晶画像表示駆動用パネル3(液晶画像表示画面)を組み込み、さらに例えばプラスチック製のフロントカバー4(前面カバー)が組み付けられて、液晶ディスプレイとなる。
図2(a)〜(b)は、本発明に用いる光反射シートBの各種の積層構成例を説明する側断面図であり、例えば、図2(a)に示すように、光反射率の高い金属フィルム若しくは樹脂フィルムからなる光反射性フィルム5と、その裏面に液晶画面用フレーム1を形成する熱可塑性樹脂と同系の樹脂からなる接着性フィルム6とを貼り合わせたものであってもよいし、あるいは、図2(b)に示すように、光反射率の高い金属フィルム若しくは樹脂フィルムからなる光反射性フィルム5と、その裏面に液晶画面用フレーム1を形成する熱可塑性樹脂と同系の樹脂からなる接着性フィルム6とを貼り合わせ、前記光反射性フィルム5の表面に透明な表面保護層7を積層したものであってもよい。
本発明における光反射シートBに用いる光反射性フィルム5としては、その構成を特に限定するものではないが、プラスチックを主体とするシート、金属製のシート、又はプラスチックと金属の複合シートが適当であり、例えば、光反射面が、高光反射性の金属蒸着面を有するシート、又は高光反射性の金属シート、又は白色シートであって且つオレフィン系樹脂例えばポリプロピレンなどの成形適性(易成形性)のあるフィルムが適当であり下層を隠蔽可能な隠蔽性のあるシートとするのが望ましい。
また、本発明における光反射シートBに用いる接着性フィルム6としては、光反射シートBと液晶画面用フレーム1との密着性を良好に保つため、液晶画面用フレーム1の材質と同系の材質のフィルムを用いる。例えば、液晶画面用フレーム1がアクリロニトリル−スチレン共重合体系樹脂からなる場合は、接着性フィルム6としてアクリロニトリル−スチレン共重合体樹脂、アクリロニトリル―スチレン―アクリルゴム共重合体樹脂(以下、ASAとする。)、アクリロニトリル―ブタジエン―スチレン共重合体樹脂(以下、ABSとする。)などのフィルムを用い、液晶画面用フレーム1がポリオレフィン系樹脂からなる場合は、接着性フィルム6としてポリオレフィン系の樹脂フィルムを用いる。また、液晶画面用フレーム1が溶融金属マグネシウムの射出成形により形成された金属マグネシウム製のフレームである場合には、接着性フィルム6として金属シートを用いることが好ましい。光反射性フィルム5と接着性フィルム6とを積層する方法としては、ドライラミネート、ウェットラミネート、押し出しラミネート、熱融着などの各種ラミネート方法が挙げられるが、本発明においてはその方法を特に限定するものではない。
光反射シートBに適宜設ける表面保護層7としては、ポリカーボネート骨格を有したウレタン樹脂や、アクリルウレタン樹脂などが使用でき、例えば、ウレタン系樹脂による二液硬化型樹脂、あるいは公知のウレタン系樹脂による紫外線硬化型樹脂や電子線硬化型樹脂が使用でき、該表面保護層7の乾燥後の塗布量としては、2〜10g/m程度が好適である。また前記表面保護層7には、公知の紫外線吸収剤(ベンゾトリアゾール系、トリアジン系、ベンゾフェノン系など)や光安定剤(ヒンダードアミン系など)を適宜に添加してもよい。光反射シートBに表面保護層7を設けるコーティング方法としては、公知のグラビアコート、リバースコート、グラビアリバースコート、ダイコート、フローコートにより製造が可能であり、特には、グラビアリバースコートが表面を綺麗にするのに好適である。
上記光反射シートBは、該光反射シートBを液晶画面用フレーム1にインサート成形する前に、金型などを使用して真空成形法あるいは圧空成形法などにより予備成形してもよい。
次に、本発明の光反射シート付き液晶画面用フレームAの製造方法の一実施の形態について以下に説明する。
本発明において、光反射シートBを液晶画面用フレーム1に射出成形と同時に一体化するための雌型や雄型としては、射出成形すべきフレームの形状に合わせた公知の金型を使用することができる。
図3(a)に示すように、まず雄型Cの凸型部に、少なくともその凸型部の先端部を覆うように、光反射シートBをその接着性フィルム6側を外面にして装着する。装着方法としては、例えば、図3(a)に示す雄型Cの凸型部の先端部、又はその凸型部の先端部とその凸型部外周に、エアー吸引用の細孔により構成されるエアー吸着部(図示せず)を設け、該エアー吸着部のエアー吸引により、その凸型部の先端部に光反射シートBを吸着させて装着することができる。
そして、図3(c)に示すように、該雄型Cの凸型部を、装着された光反射シートBとともに図3(b)に示す雌型Dの凹型部9内に装填して、雄型Cと雌型Dとを重ね合わせ封鎖することにより、成形用金型の内部には、光反射シートBを装填した状態の液晶画面用フレーム1の形状に相当する射出成形用キャビティ空間部Eが形成される。
次に、図3(c)に示すように液晶画面用フレーム成形用金型の雄型Cと雌型Dとの組み合わせにより形成された液晶画面用フレーム1の形状に相当する射出成形用キャビティ空間部E内に、溶融した熱可塑性樹脂Rを射出ゲート10から射出して、液晶画面用フレーム1を成形する。
そして、このようにしてプラスチック製の液晶画面用フレーム1を成形すると同時に、該射出成形用キャビティ空間部E内にて、該空間部内の光反射シートBと液晶画面用フレーム1の溶融樹脂とを接合して一体化することにより、パレット形状(又はトレー形状)の本発明の光反射シート付き液晶画面用フレームA(図1(a)〜(b)参照)が形成される。
本発明の光反射シート付き液晶画面用フレームAにおける液晶画面用フレーム1を射出成形するために使用する溶融成形用材としての熱可塑性樹脂Rとしては、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ABS、ASA、公知の共重合ポリエステル樹脂、非晶状態の結晶性ポリエチレンテレフタレート樹脂、結晶性ポリエチレンテレフタレート樹脂、メチルメタアクリレート樹脂、ポリメチルメタアクリレート樹脂等に、公知の熱安定剤や、酸化防止剤、光安定剤、又は必要に応じて着色顔料等を適宜添加したものを使用することができる。
また、本発明の光反射シート付き液晶画面用フレームAにおける液晶画面用フレーム1を射出成形するために使用する溶融成形用材としては、上記のような熱可塑性樹脂Rに替えて金属マグネシウムを使用することも可能である。
以下に、本発明の光反射シート付き液晶画面用フレームAの具体的実施例について説明する。
光反射性フィルム5として厚み200μmの白色ポリプロピレン樹脂反射フィルムを用い、接着性フィルム6として厚み120μmの白色ASAフィルムを用い、これらを2液硬化型ウレタン樹脂接着剤を用いて貼り合わせて光反射シートBを得た。これを加熱圧空成形法により120℃にて予備成形を行った。
前記光反射シートBをその接着性フィルム6側が雌型D側になるように雄型Cに装填した後、雄型Cと雌型Dとを重ね合わせて射出成形用キャビティ空間部Eを形成し、該キャビティ空間部E内にABS樹脂を230℃で射出成形し、液晶画面用フレーム1と光反射シートBとが一体化した本発明の光反射シート付き液晶画面用フレームAを得た。
上記実施例により得られた光反射シート付き液晶画面用フレームAについて、引張試験機(TCM−10kNB、ミネベア(株)製)にて光反射シートBと液晶画面用フレーム1との間のピーリング強度を測定したところ、26〜60N/25mm(1inch(インチ))と十分な密着性を有していた。また、上記光反射シート付き液晶画面用フレームAについて、冷熱衝撃装置(TSA−71L−A、エスペック(株)製)にて寒熱繰り返し試験(60℃30分間と−40℃30分間の繰り返しを100サイクル)を行ったが、光反射シートBの剥離は起こらなかった。
(a)は本発明の光反射シート付き液晶画面用フレームの一実施の形態を説明する正面図、(b)はそのX−X断面図。 (a)〜(b)は本発明の光反射シート付き液晶画面用フレームに使用する各種の光反射シートの積層断面図。 (a)は本発明の光反射シート付き液晶画面用フレームの製造方法の一実施の形態を説明する雄型の側断面図、(b)は雌型の側断面図、(c)は雄型と雌型の組み合わせによる成形用金型の側断面図。
符号の説明
A…光反射シート付き液晶画面用フレーム
1…液晶画面用フレーム
2…窓部
3…液晶画像表示駆動用パネル
4…フロントカバー
B…光反射シート
5…光反射性フィルム
6…接着性フィルム
7…表面保護層
C…雄型
8…凸型部
D…雌型
9…凹型部
10…射出ゲート
E…射出成形用キャビティ空間部
R…熱可塑性樹脂

Claims (2)

  1. 液晶画面用フレームと光反射シートとからなる光反射シート付き液晶画面用フレームにおいて、前記光反射シートが光反射性フィルムと接着性フィルムとからなり、前記接着性フィルムが光反射性フィルムと液晶画面用フレームとの間に設けられ、前記接着性フィルムが液晶画面用フレームを形成する熱可塑性樹脂と同系の樹脂からなることを特徴とする光反射シート付き液晶画面用フレーム。
  2. 液晶画面用フレームと光反射シートとからなる光反射シート付き液晶画面用フレームの製造方法において、光反射性フィルムと接着性フィルムとを積層して光反射シートとし、液晶画面用フレームを形成する金型内に前記接着性フィルムの面を内側にして光反射シートを設置し、射出成形して一体化することを特徴とする、光反射シート付き液晶画面用フレームの製造方法。
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