JP2007279442A - ポリゴンミラー、ポリゴンミラーモータ及びディスク駆動用モータ - Google Patents

ポリゴンミラー、ポリゴンミラーモータ及びディスク駆動用モータ Download PDF

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Abstract

【課題】回転バランスの修正を適切に行うことのできるポリゴンミラーと、これを備えたモータの提供。
【解決手段】正多角形板から成るミラーベース31の端面31Aが反射面とされるポリゴンミラー3であり、ミラーベース31の表面には円形を成す複数の窪み部51が形成され、その各窪み部51がミラーベース31の軸線回りに断続的に配列される。特に、窪み部51はミラーベース31を局部的に加熱溶融して形成され、その周縁は凸状の隆起部52とされる。そして、係るポリゴンミラー3はモータの回転子を構成するロータハブ22に装着されてポリゴンミラーモータを構成し、窪み部51の少なくとも一つには回転バランス修正用接着剤Rが塗布される。
【選択図】図1

Description

本発明は、回転バランスの修正を適切に行うことのできるポリゴンミラーと、これを備えたポリゴンミラーモータ、及びディスク駆動用モータに関する。
一般に、各種装置の駆動源として用いられるモータは、部品の加工精度や組立精度などに起因して発生する回転時の振動や騒音を抑制するために、ロータの所要箇所にバランスウェイトを固定して回転バランスを修正することが行われる。
例えば、レーザビームプリンタ(LBP)やハードディスクドライブ(HDD)などの高速回転する走査用モータ(ポリゴンミラーモータ)、ディスク駆動用モータでは、所要の高速回転性能を得るために、ロータを構成するポリゴンミラー(回転多面鏡)やハブのフランジ部に回転バランス修正用接着剤を塗布することが行われている。
しかし、このような高速回転するモータでは、接着剤が大きな遠心力を受けて塗布部分から剥離し、これにより初期の回転性能が失われて振動や騒音を発生し、同モータを備えたLBPやHDDでは、印字不良やディスクに対する情報の記録/再生の不具合を惹起するという問題があった。
そこで、ポリゴンミラーについては、その表面に軸線回りの環状溝を形成し、その環状溝内に回転バランス修正接着剤をスポット状に塗布することが行われている(例えば、特許文献1)。
又、ハブに相当する回転ヨークのつば部に浅い段部を設け、その段部に菱目状の溝を形成したモータも知られる(例えば、特許文献2)。
特開平5−273488号公報
特開2001−281591号公報
しかしながら、特許文献1のように、接着剤の被塗布部材に軸心回りの環状溝を形成したものでは、接着剤が環状溝の周方向に流動してその周方向位置を安定して高精度に定めることが容易でなく、所期の回転バランスを得難いという問題があった。
特に、最近のモータでは、残留アンバランス量の規格として、[1mg・cm]以下というレベルも要求されるため、0.1mg・cm単位で回転バランスを修正する必要があり、この場合、バランスウェイトとしての接着剤は、重量にして0.08mg、体積にして直径0.6mm、高さ0.2mm程度の微量となるが、特許文献1のような環状溝の幅が接着剤の塗布量に比べて大きい場合には、環状溝の側壁が接着剤を支えるような防波堤の機能を発揮しなくなり、その対策として環状溝の幅を小さくすると、10mg・cm程度の接着剤を塗布する必要が生じた場合、接着剤の多くが環状溝から食み出てしまうため、いずれも場合も接触剤の接着強度が不十分となり、ロータを構成するポリゴンミラーやハブの高速回転に際して接着剤が剥離してしまう虞が高い。
又、接着剤の接着強度を高めるべく環状溝の深さを大きくした場合には、ポリゴンミラーやハブの機械的強度が低下してしまうという問題がある。
一方、特許文献2では回転ヨーク(ハブ)のつば部に接着剤の塗布部を設定しているため、回転ヨークの回転バランスを修正することはできても、この回転ヨークと一体で回転する部材(例えば、ポリゴンミラーやディスククランパ)に偏肉などがあった場合、これを高精度に回転させることはできない。
尚、特許文献2のような菱目状の溝はプレス加工により形成することが通例であるが、プレス加工では大きな加圧を発生するため、その加圧力により回転ヨークに大きな歪を生じてモータの回転性能を著しく損なってしまうという難点がある。従って、菱目状の溝を特にポリゴンミラーに形成することは現実的に難しく、係る菱目状溝の形成をポリゴンミラーに適用した場合、接着剤の塗布だけでは回転バランスを修正することができなくなるような変形をポリゴンミラーに与えてしまうことになる。
又、プレス加工により形成される菱目状溝では、その内表面の粗さが小さくなるので接着剤の接着強度を上げることが難しくなる。
尚、従来のポリゴンミラー、ポリゴンミラーモータ、及びディスク駆動用モータでは、それらに関する情報を記したラベルなどを所定の部位に貼付していたため、これに係る工数が必要で、コスト上昇を招くという問題もあった。
本発明は以上のような事情に鑑みて成されたものであり、その主たる目的は回転バランスの修正を適切に行うことのできるポリゴンミラーと、これを備えたポリゴンミラーモータ、及びディスク駆動用モータを提供することにある。
本発明は上記の目的を達成するため、
正多角形板から成るミラーベース31の端面が反射面とされるポリゴンミラー3において、
ミラーベース31の表面に複数の窪み部51が形成され、その各窪み部51が前記ミラーベース31の軸線回りに断続的に配列されていることを特徴とする。
特に、窪み部51の周縁が凸状の隆起部52となっていること、窪み部51の開口形状が略円形であること、窪み部51の開口径が0.01mm〜0.5mmで、ミラーベース31の表面から隆起部52の頂部までの高さが0.005mm〜0.05mmであることが好ましい。
又、窪み部51は、ミラーベース31を局部的に加熱溶融して形成されること、窪み部51が形成されるミラーベース31の表面粗さが1μm〜5μmであることが好ましい。
尚、窪み部51とは別の位置に、ミラーベース31を局部的に加熱溶融して成る特定の識別情報6が表示される。
一方、本発明に係るポリゴンミラーモータは、以上のようなポリゴンミラー3を回転子2に装着したことを特徴とする。
又、係るポリゴンミラーモータにおいて、ポリゴンミラー3の表面に形成される窪み部51の少なくとも一つに、回転バランス修正用接着剤が固着していることを特徴とする。
加えて、ポリゴンミラー3を除く部材に、その表面を局部的に加熱溶融して成る特定の識別情報7が表示されることを特徴とする。
更に、本発明はディスクを保持して回転する回転質量体(22,23)を有し、その回転質量体の表面に複数の窪み部51が形成され、その各窪み部51が前記回転質量体の軸線回りに断続的に配列されると共に、窪み部51の周縁が凸状の隆起部52となっており、その窪み部51の少なくとも一つに回転バランス修正用接着剤が固着していることを特徴とするディスク駆動用モータを提供する。
本発明に係るポリゴンミラーによれば、ミラーベースの表面に複数の窪み部が形成されると共に、その各窪み部がミラーベースの軸線回りに断続的に配列されていることから、回転バランスの測定結果に基づいて選ばれる窪み部内に必要量の接着剤を塗布することにより、回転バランスを容易に修正することができる。
特に、窪み部の周縁が凸状の隆起部とされていることから、ミラーベースに所要の厚さを確保しながら窪み部の深さを大きくすることができ、このため窪み部内に塗布した接着剤が遠心力の作用で剥離してしまうことがなく、しかも接着剤の塗布量が多く、これが窪み部から食み出る場合でも、隆起部が接着剤の内部に食い込むようになるため、隆起部による楔効果で接着剤の接着強度が上がる。
又、窪み部の開口形状が略円形であることから、粘性の低い接着剤を塗布した場合でも、環状溝のように接着剤が周方向に流動せず、これを窪み部内に留めたまま硬化させることができる。
更に、窪み部の開口径が0.01mm〜0.5mmで、ミラーベースの表面から隆起部の頂部までの高さが0.005mm〜0.05mmであることから、微量の接着剤を窪み部に塗布して回転バランスを微調整することができる。
特に、窪み部がミラーベースを局部的に加熱溶融して形成されることから、ミラーベースに、回転バランスに悪影響を及ぼすような歪を生じさせることなく窪み部を形成することができ、しかもその種の窪み部では、内表面に細かな凹凸ができるために接着剤の接着強度を上げることができる。
又、窪み部が形成されるミラーベースの表面粗さが1μm〜5μmであることから、レーザビーム加工によりミラーベースを局部的に加熱溶融する場合でもレーザビームを反射させずに深さの大きい窪み部を形成でき、しかもミラーベースの端面を鏡面加工する場合には表面粗さ1μm〜5μmの表面を基準面として高精度の反射面を形成することができる。
加えて、窪み部とは別の位置に、ミラーベースを局部的に加熱溶融して成る特定の識別情報が表示されることから、従来のように製造番号を記したラベルを貼付する際などに反射面を傷付けてしまうという問題を解消できる。
一方、本発明のポリゴンミラーモータは、上記のようなポリゴンミラーを回転子に装着して成ることから、ポリコンミラーの回転がアンバランスである場合にも、これを容易かつ適切に修正することができる。
特に、ポリゴンミラーの表面に形成される窪み部の少なくとも一つに、回転バランス修正用接着剤が塗布されていることから、ポリゴンミラーを高精度に回転させることができるほか、その高速回転性能を長期にわたって維持することができる。
又、本発明のポリゴンミラーモータでは、ポリゴンミラーを除く部材に、その表面を局部的に加熱溶融して成る特定の識別情報が表示されることから、モータの製造番号をラベルに記したり、そのラベルを貼付したりする工程を省略して生産効率を上げることができる。
更に、本発明に係るディスク駆動用モータは、ディスクを保持して回転する回転質量体を有し、その回転質量体の表面に複数の窪み部が形成され、その各窪み部が前記回転質量体の軸線回りに断続的に配列されると共に、前記窪み部の周縁が凸状の隆起部となっており、その窪み部の少なくとも一つに回転バランス修正用接着剤が固着していることから、高速回転性能がよく、しかも隆起部の存在により接着剤の接着強度が高まるために該接着剤が遠心力の作用で剥離してしまうことがなく、長期に亘って初期の高速回転性能を維持することができる。
以下、図面に基づいて本発明を詳しく説明する。尚、以下ではポリゴンミラーモータを代表例として説明するが、本発明はポリゴンミラー以外のロータ構成部材にバランスウェイトを設けるモータにも同様に適用可能である。
図1は本発明に係るポリゴンミラーモータ(走査用ブラシレスモータ)の構成例を示す縦断面図である。同モータはレーザビームプリンタ(LBP)などで使用される走査装置を構成するものであり、その形態はステータ1(固定子)の外側にロータ2(回転子)が設けられるアウタロータ型とされる。
本例において、ステータ1は、LBPなどの装置内に固定される板状のモータベース11、このモータベース11に貫通状態で固定される軸受ケーシング12、及び軸受ケーシング12内に嵌め込まれる円筒状の軸受13などから構成される。このうち、軸受ケーシング12の外周部にはステータコア14が嵌着固定され、そのステータコア14には駆動電流(電機子電流)が流されるステータコイル15が巻回される。
又、軸受13は無給油メタルから成る流体軸受(ラジアル軸受)であり、その内部にはロータ軸21が通され、該軸受13の内周面とロータ軸21の外周面との間には動圧を発生する潤滑油が充填される。
そして、ロータ軸21に作用するラジアル荷重を軸受13が受け、スラスト荷重が軸受ケーシング12の底面上に配置される受座16により支持されるようにしてある。尚、軸受13はその他のすべり軸受や転がり軸受に代えることもできる。
一方、ロータ2は、軸受13により回転自在に支持されるロータ軸21、該ロータ軸21の先端部に固着されるロータハブ22、及びロータハブ22に一体的に固定されるロータヨーク23などから構成される。このうち、ロータヨーク23の内周面には、ステータコア14に対向する位置で、回転力を発生するのに必要な磁束(界磁束)を発生する界磁マグネット24が固着される。
特に、回転子を構成するロータハブ22にはポリゴンミラー3(回転多面鏡)が装着され、そのポリゴンミラー3がロータ軸21に取り付けられる板バネ4によりロータハブ22のフランジ部22Aに押し付けられるようになっている。尚、ポリゴンミラー3は、高速回転されつつ図示せぬ半導体レーザなどの光源から照射されるレーザ光を偏向反射させ、これを回転ドラム上の感光体に結像させて静電潜像を形成するためのもので、当該ポリゴンミラー3の端面31Aは、レーザ光を上記回転ドラムに向けて偏向反射させるための反射面とされる。
ここに、ポリゴンミラー3を備えたロータ2は振動のない高精度な回転性能が要求されるところ、ポリゴンミラー3の表面には回転バランス修正用接着剤を塗布してアンバランスな回転を修正するための接着剤塗布領域5が設けられる。
図2は係るポリゴンミラーの平面概略図を示す。図2において、31はポリゴンミラーを構成するミラーベースで、このミラーベース31は6つの平滑な端面31Aをもつ正6角形板から成り、その各端面31Aが鏡面加工による反射面とされている。尚、ミラーベース31は、金属それも耐食性に優れるアルミニウムを材料として製作される。但し、ミラーベース31は、銅、鉄、鋼(ステンレス鋼)などでもよい。
又、図2から明らかなように、接着剤塗布領域5はミラーベース31と同心の所定の幅を有した環状とされる。
図3は、接着剤塗布領域5を部分的に拡大して示した平面図である。この図で明らかなように、接着剤塗布領域5は、概ね円形を成す複数の窪み部51が寄り集まって構成される。特に、本例によれば、ミラーベース31の周方向に沿って同一円周上に配列する窪み部51の一団を一組の窪み群51Aとして、その窪み群51Aがミラーベース31の表面に同心円状に設けられる構成とされる。尚、窪み群51Aを構成する各窪み部51はミラーベース31の軸線回りに断続的に配列され、全体として円環状の形態とされるが、各窪み部51は一定の間隔で配列されることに限らず、その間隔が部分的に広がっていてもよい。つまり、各組の窪み群51Aは円弧状に配列する複数の窪み部51が、同一円周上に設けられる構成でもよい。又、図3では11組の窪み群51Aを同心円状に設けた例を示しているが、係る窪み群51Aは1組だけでもよい。
図4は図3のX−X線における拡大断面図であり、図5には一つの窪み部のみを拡大して示す。これらの図で明らかなように、各窪み部51の周縁には凸状に切り立つ隆起部52が形成される。特に、その隆起部52は窪み部51を囲むように窪み部51の周囲に連続して形成されて略円形の壁体を構成する。
ここに、以上のような窪み部51は、ミラーベース31を局部的に加熱溶融することより形成される。具体的には、レーザビームや電子ビームをミラーベース31に照射することにより、ミラーベース31を局部的に加熱溶融するものであり、これによればミラーベース31が局部的に加熱溶融されて開口形状が略円形の窪み部51が形成されるのと同時に、これによる溶融物が窪み部51の周囲に移動、凝固することにより隆起部52が形成される。但し、照射エネルギーによっては一部が蒸発する場合もある。
この窪み部51および隆起部52の大きさ及び高さは、ミラーベース31の材質、レーザビームや電子ビームの強度ならびに絞り量などにより制御することができる。特に、レーザ加工によれば、数(W)の出力を数(ms)のパルスとしてアルミニウムの表面に照射することで、例えば直径0.05mm、深さ0.01mm程度の窪みを形成することができ、ビームの出力、絞り量、照射時間などの加工条件を変えることにより、本例では窪み部51の開口径dが0.01mm〜0.5mm、ミラーベース31の表面から隆起部52の頂部までの高さhが0.005mm〜0.05mmとされる。又、窪み部51の深さは、窪み部51の内容積が固着される接着剤の体積より小さく(例えば、0.06mm程度)なるようにして接着剤が隆起部52を跨ぐように固着されるとよい。
尚、窪み部51の開口部分は真円に限らず、若干楕円や三角おにぎり型に変形していてもよい。楕円の場合は長径/短径が1〜1.5の範囲で、三角おにぎり型の場合は外接内径/内接内径が1〜1.5の範囲までを許容して略円形と称する。
そして、以上のような窪み部51によれば、回転バランスの測定結果に基づいて選ばれる少なくとも一つの窪み部51に回転バランス修正用接着剤を塗布してポリゴンミラー3の回転バランスを修正することができる。尚、接着剤としては、紫外線硬化型、熱硬化型、あるいは乾燥硬化型などを用いることができるが、これに金属粉などを混合して密度を高める操作を行う場合もある。
下表1、2は、隆起部52の高さhが一定となるように窪み部51の開口径dを変化させた場合における接着剤の接着強度を示す。尚、表1は接着剤の塗布量が8mgの場合、表2は接着剤の塗布量が0.08mgの場合である。又、表1および表2には、ポリゴンミラーの表面上に接着剤を直接塗布したもの(この接着強度を100%とする)、ポリゴンミラーの表面に形成した環状溝(幅1mm、深さ0.3mm)に接着剤を塗布したもの、およびポリゴンミラーの表面に形成した菱目状溝(対角線長さ1mm)に接着剤を塗布したもの、を比較例として併記する。ここで、接着強度は、専用の治具を先端に取り付けたプッシュゲージにより、固着した接着剤を遠心力の方向に相当する径外側方向に押し、剥離するときの強度を接着強度として測定した。又、用いた接着剤は硬化後密度が約1.4のものであり、従って0.08mgの体積は円筒状にして直径0.6mm、高さ0.2mmであって、表1、2のいずれの例も接着剤が隆起部52を乗り越えて該隆起部52を跨ぐように固着されている。
Figure 2007279442
Figure 2007279442
表1から明らかなように、本発明に係るポリゴンミラー(接着剤塗布量8mg)では、窪み部51の開口径が0.01mm〜0.7mmの範囲内において、比較例1よりも接着強度が向上し、窪み部51の開口径が0.2mm〜0.7mmの範囲内では比較例1〜3のいずれよりも接着強度の向上が認められる。
又、表2から明らかなように、本発明に係るポリゴンミラー(接着剤塗布量0.08mg)では、窪み部51の開口径が0.03mm〜0.7mmの範囲内において、比較例1よりも接着強度が向上し、窪み部51の開口径が0.05mm〜0.7mmの範囲内では比較例1〜3のいずれよりも接着強度の向上が認められる。
但し、窪み部51の開口径を0.5mm以上に加工しようとすると、ミラーベース31の加熱溶融により酸化したパーティクルが飛散し、これがミラーベースの端面31A(反射面)に付着するという問題を発生する。従って、窪み部51の開口径は、上記のように0.01mm〜0.5mmとすることが好ましい。
次に、図6には開口径0.2mm、接着剤量0.08mgの条件において、窪み部51の加工条件を変えて段階的に異なる高さにしたときの隆起部52の高さ(盛り上がり量)と接着剤の接着強度との関係を表すグラフを示す。又、図6における縦軸は後加工により意図的に隆起部52を削除した場合の接着強度に対する比率を示す。
ここに、隆起部52の高さが0.005mm以下では接着強度の改善効果はみられず、隆起部52の高さが0.05mmを超えても接着強度に大きな変化は生じない。この特性は開口径0.01〜0.5mmの範囲で、且つ接着剤量を0.08〜0.8mgの範囲で変えても同様に得られる。従って、隆起部52の高さhは、0.005mm〜0.05mmの範囲内で設定することが好ましい。
一方、レーザビーム加工により窪み部51を形成する場合、図7のように加工面の表面粗さが1μm以下ではレーザビームが反射してしまうため窪み部(ディンプル)の深さが不十分となり、表目粗さ1μm以上では40μm(=0.04mm)以上の加工深さが得られ、表目粗さ5μm以上では表面粗さに拘らず一定の加工深さ(約60μm=0.06mm)が得られる。これによれば、被加工部材の表面粗さは1μm以上がよく、加工効率だけを考慮すれば5μm以上が好ましいが、被加工部材がミラーベース31の場合は、ミラーベース31の表面が端面31Aを鏡面加工する際の基準面とされるため、窪み部51の加工効率だけを考慮してミラーベース31の表面粗さを決定すると、反射面とされる端面31Aの加工精度を得難くなるので、総合的判断ではミラーベース31の表面粗さは1μm〜5μmの範囲内に設定することが好ましい。
尚、個々の窪み部51は微小な略円形の窪みであるから、微量の接着剤を一つの窪み部51に充填してポリゴンミラー3の回転バランスを微調整することができる。特に、図8のように一つの窪み部51の容積より多い量の接着剤Rを塗布することにより、接着剤Rの内部に隆起部52が食い込むようになるため、隆起部52による楔効果で接着剤Rが剥離するのを防止できる。又、図9のように、複数の窪み部51に跨って多量の接着剤Rが塗布される場合でも、それら窪み部51の隆起部52が接着剤Rの内部に食い込むために、接着剤Rに大きな遠心力が作用しても、これが剥離するのを防止できる。
ここで、本発明によれば、ミラーベース31には窪み部51が形成されるだけでなく、図2のようにポリゴンミラーに関する特定の識別情報6が表示される。この識別情報6は、ポリゴンミラー3のシリアルナンバー、ロットナンバー、製造工場、製造日、製造機械、種類別判別記号(番号)、製造会社識別記号(番号)、あるいはそれらを表す暗号であり、係る識別情報6は窪み部51とは別の位置(図示例においてミラーベース31の表面内周部であるが、端面31Aを除く部位であれば表裏いずれの箇所でもよい)において、窪み部51の形成と同様にレーザビームや電子ビームによりミラーベース31を局部的に加熱溶融して形成される。
又、図10のように、ポリゴンミラー3とは別の部位(本例においてモータベース11に固定されるヨークカバー17の上面であるが、モータベース11、ロータヨーク23、ロータハブ22などでもよい)にも識別情報7が表示される。尚、この識別情報7は、ポリゴンミラーモータのシリアルナンバー、ロットナンバー、製造工場、製造日、製造機械、種類別判別記号(番号)、製造会社識別記号(番号)、あるいはそれらを表す暗号であり、係る識別情報7も窪み部51の形成と同様にレーザビームや電子ビームにより加工対象となる部材を局部的に加熱溶融して形成される。
尚、識別情報6,7や窪み部51の形成は、ポリゴンミラー単品状態(アセンブリ前)で行っても、モータ組立後(アセンブリ後)に行ってもよい。
以上、本発明について説明したが、窪み部51はレーザビーム加工や電子ビーム加工に限らず、局部加熱が可能な方法を用いることができるほか、周囲にバリ状の隆起部が形成されるようなドリルによる切削加工、又はエッチング加工を用いて形成してもよい。又、窪み部51は略円形のほか、所定の長さを有する円弧状としてもよい。
尚、繰り返しになるが、係る窪み部51はポリゴンミラーを備えない他のモータ(例えばハードディスクを駆動するHDDモータ)に適用することもできる。例えば、固定子(ステータ1)と回転子(ロータ2)とを備え、前記回転子がロータ軸21に固定される回転質量体(ロータハブ22やロータヨーク23など)を有すると共に、その回転質量体がロータ軸21に直交する平面部を有しているモータにおいて、前記回転質量体における前記平面部の表面に回転バランス修正用接着剤Rを塗布するための複数の窪み部が形成され、その各窪み部がロータ2(回転質量体)の軸線回りに配列されているモータを構成することができる。この場合、窪み部は上記例と同様に回転質量体を局部的に加熱溶融して形成される円形の窪みとされ、その周縁には凸状の隆起部が形成されることが好ましい。
本発明に係るポリゴンミラーモータの構成例を示す縦断面図 ポリゴンミラーの平面概略図 ポリゴンミラーの部分拡大平面図 図3のX−X線における拡大断面図 1つの窪み部を示す拡大断面図 隆起部の高さと接着剤の接着強度との関係を表すグラフ 窪み部を形成する部材の表面粗さと窪み部の深さの関係を表すグラフ 窪み部に回転バランス修正用接着剤を塗布した状態を示す説明図 複数の窪み部に跨って回転バランス修正用接着剤を塗布した状態を示す説明図 ポリゴンミラーモータの部分平面図
符号の説明
1 固定子(ステータ)
11 モータベース
12 軸受ケーシング
13 軸受
14 ステータコア
15 ステータコイル
16 受座
17 ヨークカバー
2 回転子(ロータ)
21 ロータ軸
22 ロータハブ
23 ロータヨーク
24 界磁マグネット
3 ポリゴンミラー
4 板バネ
5 接着剤塗布領域
51 窪み部
52 隆起部
6 識別情報
7 識別情報
R 回転バランス修正用接着剤

Claims (11)

  1. 正多角形板から成るミラーベースの端面が反射面とされるポリゴンミラーにおいて、
    前記ミラーベースの表面に複数の窪み部が形成され、その各窪み部が前記ミラーベースの軸線回りに断続的に配列されていることを特徴とするポリゴンミラー。
  2. 前記窪み部の周縁が凸状の隆起部となっていることを特徴とする請求項1記載のポリゴンミラー。
  3. 前記窪み部の開口形状が略円形であることを特徴とする請求項2記載のポリゴンミラー。
  4. 窪み部の開口径が0.01mm〜0.5mmで、ミラーベースの表面から隆起部の頂部までの高さが0.005mm〜0.05mmである請求項3記載のポリゴンミラー。
  5. 前記窪み部は、ミラーベースを局部的に加熱溶融して形成されることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のポリゴンミラー。
  6. 前記窪み部が形成されるミラーベースの表面粗さが1μm〜5μmであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のポリゴンミラー。
  7. 前記窪み部とは別の位置に、前記ミラーベースを局部的に加熱溶融して成る特定の識別情報が表示されることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のポリゴンミラー。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載のポリゴンミラーを回転子に装着したポリゴンミラーモータ。
  9. 前記ポリゴンミラーの表面に形成される窪み部の少なくとも一つに、回転バランス修正用接着剤が固着していることを特徴とする請求項8記載のポリゴンミラーモータ。
  10. 前記ポリゴンミラーを除く部材に、その表面を局部的に加熱溶融して成る特定の識別情報が表示されることを特徴とする請求項8、又は9記載のポリゴンミラーモータ。
  11. ディスクを保持して回転する回転質量体を有し、その回転質量体の表面に複数の窪み部が形成され、その各窪み部が前記回転質量体の軸線回りに断続的に配列されると共に、前記窪み部の周縁が凸状の隆起部となっており、その窪み部の少なくとも一つに回転バランス修正用接着剤が固着していることを特徴とするディスク駆動用モータ。
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