JP2007279371A - 光スイッチング素子及び光書き込み型表示媒体 - Google Patents

光スイッチング素子及び光書き込み型表示媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】CGL塗布溶剤の制約を解消し、デュアルCGL構造を容易に作製することを可能とし、且つデュアルCGL構造における電気応答特性の非対称性を抑制し、表示特性や駆動能力を向上させることが可能な光スイッチング素子及びそれを用いた光書き込み型表示媒体を提供することである。
【解決手段】一対の電荷発生層と、該一対の電荷発生層に挟持された電荷輸送層と、を含んで構成される光スイッチング層を有する光スイッチング素子であって、該電荷輸送層が、特定構造の電荷輸送性高分子を含んでなる光スイッチング素子である。
【選択図】図1

Description

本発明は、有機光導電体を用いた光スイッチング素子及びこれを用いた光書き込み型表示媒体に関するものである。
光書き込み型表示デバイスは、所定の電圧を素子に印加しつつ、受光した光量により光スイッチング素子のインピーダンスを変化させ、表示素子に印加される電圧を制御することにより、表示素子を駆動し、画像を表示するものである。特に、メモリ性のある表示素子と光導電性スイッチング素子を積層し、これに、電圧を印加すると共に、光画像を入射し、書き込みを行う光書き込み型表示媒体は、画像を保持した状態で、書き込み装置から媒体を切り離して持ち歩くことが可能な電子ペーパー媒体として注目されている。
光書き込み型表示媒体の表示素子としては、例えば、メモリ性を付与したネマチック液晶、コレステリック液晶、強誘電液晶のような液晶表示素子、あるいは電気泳動素子、電界回転素子、トナー電界移動型素子、エレクトロクロミック素子、電界析出素子や、これらをカプセル化した素子等が検討されている。
受光した光量により電圧あるいは電流を制御できるような光スイッチング素子としては、例えば、電子写真の分野で用いられるアモルファスシリコン素子、セレン素子、有機電荷発生層(以下、「CGL」という場合がある)と有機電荷輸送層(以下、「CTL」という場合がある)とを積層化した有機感光体(以下、「OPC」という場合がある)素子、さらに、CTLの上下にCGLを形成した構造(以下、デュアルCGL構造と称する)のOPC素子が検討されている(例えば、特許文献1参照)。特に、OPC素子は、高温の熱処理を必要としないため、プラスティックフィルムなどのフレキシブル基板への適用も可能であり、かつ、真空プロセスも不要のために安価に作製できるという利点を有する。
中でも、前記デュアルCGL構造のOPC素子は、交流駆動が可能であり、表示素子に液晶素子を用いた場合においても、直流駆動では問題となる画像の焼付き現象等も生じにくいため、特に有効である。
前記OPC素子は、構成材料を適当な溶剤に溶解あるいは分散させた塗布液を用い、浸漬塗布法、アプリケーター塗布法、バーコート法、インクジェット塗布法、スプレー塗布法等の公知の湿式塗布法により塗布成膜することによって、作製することができる。該湿式塗布法は真空プロセスを必要とせず、製造設備が安価、量産性が高い、等の利点を有する。
CGLとCTLとを順次積層塗布成膜した2層構成のOPCは、電子写真の分野で多用されている。しかしながら、一般に、電子写真OPC用のCTL塗布液とCGL塗布液とを用いて、CGL、CTL、CGLを順次積層塗布してデュアルCGL構造のOPCを作製しようとすると、上層のCGL塗布時に、CTLがCGL塗布溶剤に侵され、塗布欠陥が発生してしまうという致命的な問題があった。この問題は、上層のCGLを蒸着等の真空プロセスを用いて成膜することによって回避可能であるが、その場合、製造設備のコストアップや量産性の悪化を伴う。
湿式塗布法のみを用いてこの問題を解決する方策の検討も行われており、上層のCGL塗布溶剤として、溶解度パラメータが9.0以上のプロトン系溶媒を用いることによって、CTLに損傷を与えず、デュアルCGL構造のOPCが作製できることが開示されている(例えば、特許文献2参照)。しかしながら、一般的なCGL構成材料である有機顔料やバインダー樹脂は、プロトン系溶剤との相性が悪く、プロトン系溶剤を用いて調製したCGL塗布液は、含有する有機顔料の分散性およびその経時安定性が悪い、バインダー樹脂がプロトン系溶剤に可溶のものに制限され、それらは吸湿性が高く、光電特性の湿度依存を引き起こす、等の問題があった。また、CTLへの電荷注入性に関しても、プロトン系溶剤を用いて作製されたCGLは、一般的な非プロトン系溶剤を用いて作製されたCGLに劣るという問題もあった。
一方、本発明におけるCTLに用いる電荷輸送性高分子と類似の構造を有する電荷輸送性高分子を、同じくデュアルCGL構造の光スイッチング素子に適用することによって、光スイッチング素子の交流駆動に対する応答の対称性が向上することが開示されているが(例えば、特許文献3参照)、該特許文献に記載のある電荷輸送性高分子は非常に溶解性が高く、非プロトン系溶剤を用いたCGLの塗布には耐え得ず、その実施例でもCGL塗布溶剤はプロトン系溶剤であるブタノールのみに限定されている。
特開2000−180888号公報 特開2002−196291号公報 特開2005−17726号公報
従って、本発明は、前記従来における諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。
すなわち、本発明の目的は、CGL用溶剤やバインダー樹脂に制約を課すことなく、デュアルCGL構造における光電特性およびその対称性を優れたものとし、表示特性や駆動能力を向上させることが可能な光スイッチング素子及びそれを用いた光書き込み型表示媒体を安価に提供することである。
上記課題は、以下の手段により解決される。すなわち本発明は、
<1> 一対の電荷発生層と、該一対の電荷発生層に挟持された電荷輸送層と、を含んで構成される光スイッチング層を有する光スイッチング素子であって、
該電荷輸送層が、下記一般式(I−1)及び(I−2)で示される電荷輸送性高分子のうちの少なくとも1種を含んでなる光スイッチング素子である。
Figure 2007279371
一般式(I−1)及び(I−2)中、Y及びZはそれぞれ独立に任意の有機基を表し、Aは下記一般式(II−1)で示される有機基を表し、B及びB’はそれぞれ独立に−O−(Y−O)m−Hまたは−O−(Y−O)m−CO−Z−CO−OR’(ここで、R’は水素原子、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアリール基を表し、Y及びZはそれぞれ独立に任意の有機基を表す。)を表し、mは1〜5の整数を表し、pは5〜5000の整数を表す。
Figure 2007279371
一般式(II−1)中、Arは置換もしくは未置換の芳香環数2以上の芳香族基を表し、Xは置換もしくは未置換の芳香族基を表し、Tは−O−または任意の有機基を表し、k、nはそれぞれ独立に0または1の整数を表す。
本発明の光スイッチング素子では、デュアルCGL構造において、電荷輸送層に前記特定の電荷輸送性高分子を用いることで、上部電荷発生層を形成するための溶剤やバインダー樹脂の自由度が向上し、最適な材料を用いることによって、光電特性及びその非対称性を改善し、表示特性や駆動能力を向上させることができる。
<2> 前記一般式(II−1)で示される有機基におけるXが、下記構造式(III−1)、(III−2)及び(III−3)で示される有機基のうちのいずれかである<1>に記載の光スイッチング素子である。
Figure 2007279371
本発明の光スイッチング素子において、前記電荷輸送性高分子が上記ビフェニル構造もしくはターフェニル構造を有する高分子であると、電荷移動度が高く、実用性の高いものであるため、感度や、低抵抗化の観点から有効である。
<3> 前記電荷発生層が、少なくとも電荷発生顔料、バインダー樹脂及び非プロトン系溶剤を含む分散液から作製された<1>または<2>に記載の光スイッチング素子である。
本発明の光スイッチング素子では、前記構造の電荷輸送性高分子を用いることによって、その上層に非プロトン系溶剤を用いて電荷発生層を塗布成膜することが可能となり、光電特性とその対称性に優れたデュアルCGL構造が実現でき、表示特性や駆動能力を向上させることができる。
<4> 少なくとも表示層と光スイッチング素子とを含む光書き込み型表示媒体であって、
前記光スイッチング素子が<1>〜<3>のいずれかに記載の光スイッチング素子であることを特徴とする光書き込み型表示媒体である。
本発明によれば、分散性およびその経時安定性に優れたCGL塗布液を用いて、塗布欠陥のないデュアルCGL構造を容易に作製することができ、且つ、該デュアルCGL構造における光電特性およびその対称性ならびに耐久性も改善され、表示特性や駆動能力を向上させることが可能な光スイッチング素子及びそれを用いた光書き込み型表示媒体を提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。なお、図面を参照した説明においては、実質的に同一の機能を有する部材には、全図面通して同じ符合を付与して説明する。
<光スイッチング素子>
本発明の光スイッチング素子は、一対の電荷発生層と、該一対の電荷発生層に挟持された電荷輸送層と、を含んで構成される光スイッチング層を有する光スイッチング素子であって、該電荷輸送層が、前記一般式(I−1)及び(I−2)で示される電荷輸送性高分子のうちの少なくとも1種を含んでなることを特徴とする。
本発明の光スイッチング素子は前記デュアルCGL構造を有し、これにおける電荷発生層と電荷輸送層とは基本的に塗布法によって形成される。ここで、上部電荷発生層を塗布方式で電荷輸送層上に形成するためには、形成時に電荷発生層塗布液の溶剤が、電荷輸送層に損傷を与えるという問題が発生するため、これを回避すべく、上部電荷発生層を形成するための溶剤として、電荷輸送層を溶解・膨潤させないようなプロトン系溶剤を使用してきた(例えば、特許文献2実施例参照)。
しかし、上記のように塗布液の溶剤が限定されると電荷発生材料やバインダー樹脂等の塗布液構成材料の選択の幅が狭められるだけでなく、電荷発生材料の分散性も悪くなってしまうことがあり良好な光電特性が得られない場合があった。
本発明では、電荷輸送層として前記特定の構造の電荷輸送性高分子を用いることにより、電荷発生層塗布液の溶剤として非プロトン系の溶媒を使用した場合でも、電荷輸送層に損傷を与えることなく均質な電荷発生層を形成できることを見出した。
本発明に用いる電荷輸送性高分子が各種溶剤に対して耐性がある理由としては、明確ではないが、前記一般式(II−1)中のArが芳香環数2以上の芳香族基であることが不可欠であり、該芳香環数2以上の芳香族基同士の強い相互作用により、各種溶媒への溶解性及び/または溶解速度が低減されているためと考えられる。
これにより、電荷発生層の塗布液溶剤の制約がなくなり、電荷発生材料にとって最適なバインダー樹脂や溶剤を選択できるようになり、その結果として電荷発生層塗布液の分散性やその経時安定性が向上するだけでなく、電荷発生層の光電特性が向上し、デュアルCGL構造のOPC素子とした場合に、電荷発生層から電荷輸送層への電荷注入性も良好となり、光感度、対称性、耐久性等に優れた素子とすることができる。
まず、図1を用いて、本発明の光スイッチング素子を説明する。
図1に示す光スイッチング素子30(デュアルCGL構造の光スイッチング素子)は、電極32(導電膜)が形成された基板31上に、光スイッチング層(光導電層)として、下部電荷発生層33(第1電荷発生層)、電荷輸送層34、上部電荷発生層35(第2電荷発生層)を順次積層し、これらの1対の電荷発生層で電荷輸送層を挟持したものである。後述する光書き込み型表示媒体においては、上部電荷発生層35が表示層側に位置することになる。また、図中、矢印は光入射方向を示す(但し、光入射方向はこれに限定されるわけではない)。
基板31としては、Al、Ni、SUS等の金属;ガラス;紙;PET(ポリエチレンテレフタレート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、PC(ポリカーボネート)、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリイミド、PES(ポリエーテルスルホン)等のプラスチック;等の基板、あるいはこれらを張り合わせた基板等が用いられる。また、光導電層(電荷発生層、電荷輸送層)に有機材料を用いる場合には高温で熱処理をする工程がないので、フレキシブル素子が得られること、成形が容易なこと、コストの点などからプラスチック基板を用いることが有利である。
基板31の厚みとしては、50〜500μmの範囲程度が好適である。
また、電極32としては、ITO(インジウム錫酸化物)、IZO(インジウム亜鉛酸化物)、Au、フッ素またはアンチモンをドープしたSnO2 、Al、Cu、Ni、導電性高分子等が用いられる。なお、基板として導電性のものを用いる場合には、別途、電極層を設けても設けなくてもよい。
また、基板31および電極32は、必ずしも光透過性である必要はない。すなわち、特開2001−100664号公報に示すように、光書き込み型表示媒体の表示素子が、メモリ性を有し、かつ、表示に必要な波長を選択的に反射する選択反射性または後方散乱性の表示素子である場合には、表示側から書き込むことが可能であるので、この場合には少なくとも表示素子側の基板および電極が光透過性であればよい。したがって、表示素子側から光書き込みをする場合、光スイッチング素子30の基板31あるいは電極32は光透過性である必要はない。
また、光スイッチング素子において、機能層を設けることも可能である。たとえば、電極と電荷発生層の間に電荷の突入を防ぐ層や接着層を形成することができる。また、反射膜や遮光膜を形成することも可能であるし、これらの複数の機能を兼ねた機能層でも良い。このような機能層は、電気回路的に光スイッチング素子や表示素子と直列に接続されることになるため、それらの素子のインピーダンス特性に悪影響を及ぼさないように注意する必要がある。
下部電荷発生層33に用いられる電荷発生材料としては、金属又は無金属フタロシアニン顔料、スクアリウム顔料、アズレニウム顔料、ペリレン顔料、インジゴ顔料、アゾ顔料、キナクリドン顔料、ピロロピロール顔料、多環キノン顔料、ジブロモアントアントロンなど縮環芳香族系顔料などの有機顔料;酸化亜鉛顔料や酸化チタン顔料に増感色素を吸着させたもの;などが適用可能であるが、金属フタロシアニン顔料である、クロロガリウムフタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタロシアニン、あるいはチタニルフタロシアニンの一種類かあるいは混合物を主成分とする電荷発生材料が好ましい。
ヒドロキシガリウムフタロシアニンとしては、X線回折スペクトルのブラック角(2θ±0.2°)がi)7.5°、9.9°、12.5°、16.3°、18.6°、25.1°及び28.3°、ii)7.7°、16.5°、25.1°及び26.6°、iii)7.9°、16.5°、24.4°及び27.6°、iv)7.0°、7.5°、10.5°、11.7°、12.7°、17.3°、18.1°、24.5°、26.2°及び27.1°、v) 6.8°、12.8°、15.8°及び26.0°、又はvi)7.4°、9.9°、25.0°、26.2°及び28.2°に強い回折ピークを有する結晶構造のものが、電荷発生効率が高く、特に好ましい。
クロロガリウムフタロシアニンとしては、X線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角度(2θ±0.2°)が少なくとも7.4°、16.6°、25.5°及び28.3°、又は6.8°、17.3°、23.6°及び26.9°、又は8.7°〜9.2°、17.6°、24.0°、27.4°及び28.8°に強い回折ピークを有する結晶構造のものが、電荷発生効率が高く、特に好ましい。
また、チタニルフタロシアニンとしては、X線回折スペクトルのブラック角(2θ±0.2°)が、9.5°,9.7°,11.7°,15.0°,23.5°,24.1°,27.3°に回折ピークをもつ結晶構造のものが、電荷発生効率が高く、特に好ましい。
下部電荷発生層33に用い得るバインダー樹脂としては、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、カルボキシル変性塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、ポリアミド樹脂(ナイロン樹脂を含む)、アクリル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリビニルピリジン樹脂、セルロール樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂などが適用可能である。特に、カルボキシル変性塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂は、安価で安定なケトン系溶剤、エステル系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤に可溶であり、かつ、電荷発生材料であるフタロシアニン顔料等を良好に分散させるため、好ましいバインダー樹脂である。
なお、バインダー樹脂は必ずしも使用しなくてもよい。
電荷発生層33は、電荷輸送材料を混合して形成してもよい。該電荷輸送材料としては、具体的には、正孔輸送材料として、ヒドラゾン系化合物、スチルベン系化合物、トリフェニルアミン系化合物、トリフェニルメタン系化合物、ベンジジン系化合物が挙げられる。一方、電子輸送材料としては、トリニトロフルオレン系化合物、キノン系化合物、テトラシアノキノジメタン系化合物、ジフェノキノン系化合物、キサントン系化合物、ベンゾフェノン系化合物などが適用可能である。
下部電荷発生層33における電荷発生材料等の低分子化合物とバインダー樹脂との混合質量比(低分子化合物/バインダー樹脂)は、9/1〜3/7の範囲とすることが好ましい。
下部電荷発生層33の作製方法としては、真空蒸着法やスパッタ法など乾式の膜形成法も適用可能であるが、溶液あるいは分散液を用いるスピンコート法、浸漬塗布法などの湿式塗布法が好ましい。この場合、溶剤としてはメタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸n−ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、クロルベンゼン、トルエン等の通常の有機溶剤を単独あるいは2種以上混合して用いることができるが、非プロトン系溶剤を用いることが好ましい。
下部電荷発生層33の膜厚は、10nm〜1μmの範囲が好ましく、20nm〜500nmの範囲がより好ましい。10nmより薄いと、光感度が不足しかつ均一な膜の作製が難しくなる場合があり、また、1μmより厚くなると、光感度は飽和し、膜内応力によって剥離が生じ易くなる場合がある。
電荷輸送層34は、下記一般式(I−1)及び(I−2)で示される電荷輸送性高分子のうちの少なくとも1種を含んで構成される。
Figure 2007279371
一般式(I−1)及び(I−2)中、Y及びZはそれぞれ独立に任意の有機基を表し、Aは下記一般式(II−1)で示される有機基を表し、B及びB’はそれぞれ独立に−O−(Y−O)m−Hまたは−O−(Y−O)m−CO−Z−CO−OR’(ここで、R’は水素原子、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアリール基を表し、Y及びZはそれぞれ独立に任意の有機基を表す。)を表し、mは1〜5の整数を表し、pは5〜5000の整数を表す。
Figure 2007279371
一般式(II−1)中、Arは置換もしくは未置換の芳香環数2以上の芳香族基を表し、Xは置換もしくは未置換の芳香族基を表し、Tは−O−または任意の有機基を表し、k、nはそれぞれ独立に0または1の整数を表す。
一般式(I−1)、(I−2)、(II−1)におけるX、Y、Z、ArおよびTとしては、具体的には、下記の有機基が好適に挙げられる。
まず、Xとしては、以下の基(IV−1)〜(IV−2)から選択された有機基が好適に挙げられる。
Figure 2007279371
有機基(IV−1)〜(IV−2)中、R10およびR11は、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、置換もしくは未置換のフェニル基、置換もしくは未置換のアラルキル基、またはハロゲン原子を表し、aは0または1を表し、Vは下記の有機基(V−1)〜(V−10)から選択されるいずれかを表す。但し、有機基(V−1)〜(V−10)中、bは、1〜10の整数を、cは1〜3の整数を各々表す。
Figure 2007279371
Y及びZとしては、それぞれ独立に下記の有機基(VI−1)〜(VI−7)から選択された基が好適に挙げられる。
Figure 2007279371
有機基(VI−1)〜(VI−7)中、R12およびR13は、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、置換もしくは未置換のフェニル基、置換もしくは未置換のアラルキル基、またはハロゲン原子を表し、dおよびeはそれぞれ独立に1〜10の整数を、fおよびgは、それぞれ独立に0、1または2の整数を、hおよびiはそれぞれ独立に0または1を各々表す。また、Vは有機基(IV−1)〜(IV−2)中におけるVと同義である。
Arは、置換もしくは未置換の芳香環数2以上の芳香族基を表し、好ましくは置換もしくは未置換の芳香環数2〜10の芳香族基であり、より好ましくは置換もしくは未置換の芳香環数2〜4の芳香族基である。具体的には、例えば、置換もしくは未置換のビフェニル基、置換もしくは未置換のターフェニル基、置換もしくは未置換のナフチル基、置換もしくは未置換のフルオレニル基、置換もしくは未置換のフェナントレニル基、または置換もしくは未置換のピレニル基が好適である。
ここで、前記芳香環の置換基としては、例えばアルキル基、アルコキシ基、アリール基、アラルキル基、置換アミノ基、ハロゲン原子等が挙げられる。
Tは−O−または任意の有機基であるが、好ましくは炭素数1〜6の2価の直鎖状炭化水素基または炭素数2〜10の2価の分枝状炭化水素基である。より好ましくは炭素数が2〜6の2価の直鎖状炭化水素基および3〜7の2価の分枝状炭化水素基より選択される。Tの具体的な構造の例を以下に示す。
Figure 2007279371
本発明における前記電荷輸送性高分子では、一般式(II−1)におけるXが下記一般式(III−1)、(III−2)及び(III−3)で示される有機基のうちのいずれかであることが好ましい。このようなビフェニル構造もしくはターフェニル構造を有する高分子は電荷移動度が高く、かつ化学的安定性にも優れ、実用性の高いものであるからである。これらの中でも、一般式(III−3)で示されるターフェニル構造は、耐溶剤性の点などで、特に好ましい。
Figure 2007279371
本発明における電荷輸送性高分子の重合度(p)は、5〜5000であるが、成膜性、素子の安定性等の理由から、好ましくは10〜1000の範囲である。また、重量平均分子量Mwは、10000〜300000の範囲にあることが好ましい。
本発明における電荷輸送性高分子について、一般式(I−1)または(I−2)で示される構造を有する化合物の具体例を下記に示すが、これらに限定されるものではない。なお、Zの欄が「−」であるものは一般式(I−1)で示される電荷輸送性高分子の具体例を示し、その他は一般式(I−2)で示される電荷輸送性高分子の具体例を示す。以下、各化合物番号を付した具体例、例えば、15の番号を付した具体例は電荷輸送性高分子(15)という。
Figure 2007279371
Figure 2007279371
Figure 2007279371
Figure 2007279371
Figure 2007279371
Figure 2007279371
Figure 2007279371
Figure 2007279371
Figure 2007279371
Figure 2007279371
Figure 2007279371
本発明における電荷輸送性高分子は、電荷発生層形成塗布液の溶剤として好適に用いられるケトン系溶剤やエステル系溶剤等への耐性に優れ、従来のデュアルCGL構造の形成に伴う材料選択上の制約が格段に緩和される。
次に、本発明における電荷輸送性高分子の合成方法について説明するが、これに限定されるわけではない。
まず、本発明における電荷輸送性高分子の合成に使用される電荷輸送活性構造を有するモノマーについて説明する。例えば、下記一般式(VII−1)で示される化合物が、電荷輸送活性モノマーとして、対応するジアリールアミン誘導体とビスハロゲン化ビフェニル誘導体(Xがビフェニル構造の場合)とを反応させるか、対応するハロゲン化ベンゼン誘導体とジアリールベンジジン誘導体(Xがビフェニル構造の場合)とを反応させて、容易に合成することができる。
次に、下記一般式(VII−1)で示される電荷輸送活性モノマーを、例えば第4版実験科学講座28巻などに記載された公知の方法で重合することにより、本発明における電荷輸送性高分子を合成することができる。なお、一般式(VII−1)中、Ar、X、T、k及びnは、前記一般式(II−1)におけるAr、X、T、k及びnと同様である。また、A’は水酸基、ハロゲン原子、または基−O−R14を表す。ここで、R14はアルキル基、置換もしくは未置換のアリール基またはアラルキル基を表す。
Figure 2007279371
即ち、本発明における電荷輸送性高分子は、例えば、次のようにして合成することができる。
(1)A'が水酸基の場合
A'が水酸基の場合には、例えば、HO−(Y−O)m−Hで示される2価アルコール類をほぼ当量混合し、酸触媒を用いて脱水縮合エステル化反応によって重合させる。酸触媒としては硫酸、トルエンスルホン酸、トリフルオロ酢酸等、通常のエステル化反応に用いるものが使用でき、電荷輸送活性モノマー1質量部に対して、1/10000〜1/10質量部、好ましくは1/1000〜1/50質量部の範囲で用いられる。合成中に生成する水を除去するために、水と共沸可能な溶剤を用いることが好ましく、トルエン、クロロベンゼン、ニトロベンゼン、1−クロロナフタレン等が有効であり、電荷輸送活性モノマー1質量部に対して、1〜100質量部、好ましくは2〜50質量部の範囲で用いられる。反応温度は任意に設定できるが、重合中に生成する水を除去するために、溶剤の沸点で反応させることが好ましい。反応終了後、溶剤を用いなかった場合には、溶解可能な溶剤に溶解させ、また、溶剤を用いた場合には、反応溶液をそのまま、メタノール、エタノール等のアルコール類や、アセトン、酢酸エチル等のポリマーが溶解しにくい貧溶剤中に滴下し、電荷輸送性高分子を析出させ、電荷輸送性高分子を分離した後、水や有機溶剤で十分洗浄し、乾燥させる。更に、必要であれば適当な有機溶剤に溶解させ、貧溶剤中に滴下し、電荷輸送性高分子を析出させる再沈殿処理を繰り返してもよい。再沈殿処理の際には、メカニカルスターラー等で、効率よく攪拌しながら行うことが好ましい。再沈殿処理の際に電荷輸送性高分子を溶解させる溶剤は、電荷輸送性高分子1質量部に対して、1〜100質量部、好ましくは2〜50質量部の範囲で用いられる、また、貧溶剤は電荷輸送性高分子1質量部に対して、1〜1000質量部、好ましくは10〜500質量部の範囲で用いられる。
(2)A'がハロゲンの場合
A'がハロゲンの場合には、例えば、HO−(Y−O)m−Hで示される2価アルコール類をほぼ当量混合し、ピリジンやトリエチルアミン等の有機塩基性触媒を用いて重合させる。有機塩基性触媒は、電荷輸送活性モノマー1質量部に対して、1〜10当量、好ましくは2〜5当量の範囲で用いられる。溶剤としては、塩化メチレン、テトラヒドロフラン(THF)、トルエン、クロロベンゼン、1−クロロナフタレン等が有効であり、電荷輸送性モノマー1質量部に対して、1〜100質量部、好ましくは2〜50質量部の範囲で用いられる。反応温度は任意に設定できる。重合後、前述のように再沈殿処理し、精製する。また、前記2価のアルコール類がビスフェノール等の酸性度の高い2価のアルコール類の場合には、界面重合法も用いることができる。すなわち、2価のアルコール類に水を加え、当量の塩基を加えて、溶解させた後、激しく攪拌しながら2価のアルコール類と当量の電荷輸送活性モノマー溶液を加えることによって重合できる。この際、水は2価アルコール類1質量部に対して、1〜1000質量部、好ましくは2〜500質量部の範囲で用いられる。電荷輸送活性モノマーを溶解させる溶剤としては、塩化メチレン、ジクロロエタン、トリクロロエタン、トルエン、クロロベンゼン、1−クロロナフタレン等が有効である。反応温度は任意に設定でき、反応を促進するために、アンモニウム塩、スルホニウム塩等の相間移動触媒を用いることが効果的である。相間移動触媒は、電荷輸送活性モノマー1質量部に対して、0.1〜10質量部、好ましくは0.2〜5質量部の範囲で用いられる。
(3)A'が−O−R14の場合
A'が−O−R14の場合には、まずHO−(Y−O)m−Hで示される2価アルコール類を過剰に加え、硫酸、リン酸等の無機酸、チタンアルコキシド、カルシウムおよびコバルト等の酢酸塩或いは炭酸塩、亜鉛の酸化物等を触媒に用いて加熱し、エステル交換反応によりA'を−(Y−O)m−Hに変換させ、次に脱HO−(Y−O)m−H縮合エステル化反応によって、重合させる。2価アルコール類は電荷輸送活性モノマー1当量に対して、2〜100当量、好ましくは3〜50当量の範囲で用いられる。触媒は、電荷輸送性モノマー1質量部に対して、1/1000〜1質量部、好ましくは1/100〜1/2質量部の範囲で用いられる。反応は、反応温度200〜300℃で行い、−O−R14から−O−(Y−O−)m−Hへのエステル交換終了後はHO−(Y−O−)m−Hの脱離による重合反応を促進するため、減圧下で反応させることが好ましい。また、HO−(Y−O−)m−Hと共沸可能な1−クロロナフタレン等の高沸点溶剤を用いて、減圧下でHO−(Y−O−)m−Hを共沸で除きながら反応させることもできる。
以上のように本発明における電荷輸送性高分子は、容易に合成することができる。
電荷輸送層34は、上記電荷輸送性高分子単独で形成してもよいし、他の電荷輸送材料を混合して形成してもよい。該電荷輸送材料としては、具体的には、正孔輸送材料として、ポリビニルカルバゾール系化合物、ヒドラゾン系化合物、スチルベン系化合物、トリフェニルアミン系化合物、トリフェニルメタン系化合物、ベンジジン系化合物が挙げられる。一方、電子輸送材料としては、トリニトロフルオレノン系化合物、キノン系化合物、テトラシアノキノジメタン系化合物、フルオレノマロノニトリル系化合物、キサントン系化合物、ベンゾフェノン系化合物などが適用可能である。
他の電荷輸送材料を混合して用いる場合は、上層CGL塗布に対する耐性を損なわない程度の添加量に留めることが必要である。他の電荷輸送材料の添加量の好ましい範囲は、用いる電荷輸送材料やCGL塗布溶剤の種類等によって異なるため一概には規定できないが、一般的に、本発明における電荷輸送性高分子に対して30質量%以下で用いることが好ましい。
さらに、電荷輸送層34は必要によりバインダー樹脂を含んでもよい。バインダー樹脂としては、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエステル、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリメタクリル酸エステルなどが挙げられる。
電荷輸送層34の作製方法としては、溶液あるいは分散液を用いるスピンコート法、浸漬塗布法などの湿式塗布法が望ましい。塗布溶剤としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロルベンゼン等の芳香族炭化水素類、シクロヘキサノン、シクロペンタノン等の環状ケトン類、塩化メチレン、クロロホルム、塩化エチレン等のハロンゲン化脂肪族炭化水素類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル類等の有機溶剤を単独あるいは2種以上混合して用いることができる。
電荷輸送層34の膜厚は、0.1〜100μmの範囲とすることが好ましく、1〜10μmの範囲とすることがより好ましい。0.1μmより薄いと、耐電圧が低くなって信頼性確保が困難となる場合があり、また、100μmより厚くなると、機能素子とのインピーダンスマッチングが困難となって設計が難しくなる場合がある。
上部電荷発生層35に含有させる電荷発生材料および必要に応じて併用するバインダー樹脂や電荷輸送材料としては、前記下部電荷発生層33において例示したものと同様のものを用いることができる。
また、バインダー樹脂を用いる場合には、電荷発生材料等の低分子化合物とバインダー樹脂との混合比(低分子化合物/バインダー樹脂)は、9/1〜3/7の範囲とすることが好ましい。低分子化合物が9/1の比を超えて多くなると結着力が小さくなる場合があり、バインダー樹脂が3/7を超えて多くなると電気特性が劣化する場合がある。
上部電荷発生層35の形成は、下部電荷発生層33のように種々の方法により行うことができるが、前述のように、作製の容易性からは塗布法によることが好ましく、この場合に、電荷輸送層34に前記電荷輸送性高分子を用いた効果が最も発揮される。また、この場合、塗布液に用いる溶剤については下部電荷発生層形成塗布液に用いたものと同様の広範な溶剤を用いることができる。
上部電荷発生層35の膜厚は、10nm〜1μmの範囲が好ましく、20nm〜500nmの範囲がより好ましい。10nmより薄いと、光感度が不足しかつ均一な膜の作製が難しくなる場合があり、また、1μmより厚くなると、光感度は飽和し、膜内応力によって剥離が生じ易くなる場合がある。
上部及び下部電荷発生層33、35は、光入射側の電荷発生層を半透明とすることで、他方の電荷発生層にも入射光が届き、両電荷発生層での実効の光吸収量が同等になるように構成している。このように構成することで、実駆動状態での下部電荷発生層35と上部電荷発生層33での光電荷発生量が同等となり、交流駆動下での明状態にて流れる電荷量の印加電圧極性による差が縮められるため、電気応答特性の非対称性を抑制することが可能となる。
また、上部及び下部電荷発生層33、35は、実駆動状態で略同一にすることが電気応答特性の非対称性を抑制させることから望ましく、また、上部及び下部電荷発生層33、35のトータルでの光吸収量が高いほうが光感度、明状態での抵抗値に対して有利である。
このため、理想的には、例えば下部電荷発生層33側から光を入射する場合には、光入射側の下部電荷発生層33の光吸収率を50%、他方の電荷発生層35の光吸収率を100%とすることが好ましい。このような構成にすると、まず、スイッチング素子に光が入射されると、下部電荷発生層33で入射光の50%が吸収され残り入射光の50%が透過されることとなり、そして、透過された残りの入射光が上部電荷発生層35に到達し100%吸収され、下部電荷発生層33及び上部電荷発生層35共に、入射光の50%が吸収され、非対称性が改善されることとなる。但し、実際には、電荷発生層の光吸収率を100%とするのは困難であり、例えば96〜98%程度となるため、適宜調整することがよい。
ここで、光吸収率は光スイッチング素子に入射した光に対して電荷発生層が吸収する光量の比のことである。例えば入射光が単波長であればその波長に対する電荷発生層の吸収率がそのまま該当する。また、多波長若しくは白色光の様にブロードなスペクトルを持った光の場合は、入射光量の各波長に対する積分値と各波長の光量に対して電荷発生層の吸収率を乗じたものを積分した値の比が該当する。電荷発生層のスペクトル、及び入射光量のスペクトルは分光器によって容易に測定できるものであり、その結果から上下の電荷発生層の吸収光量比を適切に設計することが可能である。
また、上部及び下部電荷発生層33、35の光吸収率を調整する方法としては、例えば、電荷発生層は電荷発生材料とバインダーポリマーを混合して形成されているが、その混合比を調整することによって光吸収率を調整することが可能である。又、電荷発生材料とバインダーポリマーの混合比が一定であっても電荷発生層の膜厚を調整することによっても同様の効果が得られる。更に、これらの方法を組み合わせてもよい。
本発明の光スイッチング素子の構造としては、電荷輸送層が一対の電荷発生層に挟持されていれば、該電荷輸送層間に電荷発生層を作製し、電荷発生層(1)/電荷輸送層(1)/電荷発生層(2)/電荷輸送層(2)/電荷発生層(3)等のような構成とすることも可能である。
この場合、電荷発生層(3)を下部電荷発生層としたとき、電荷発生層(1)、(2)を塗布法により形成する場合に、電荷輸送層(1)、(2)を本発明における電荷輸送性高分子を含ませて層形成する。
本発明の光スイッチング素子は、光スイッチング素子に交流電圧を印加した場合にその電圧応答対称性が優れていることに加え、上部電荷発生層を塗布により形成しても電荷輸送層が表面に損傷を受けることなく形成されるので、高品質かつ低コストで作製し得る光スイッチング素子であり、また、電荷輸送層が、上部電荷発生層の形成の際に損傷を受けることがないので、光スイッチング素子としての感度劣化が生じない。
この光スイッチング素子は、以下で説明するような機能素子に電気的に接続して各種デバイスとして用いることができる。光スイッチング素子と機能素子は直列接続であっても並列接続であっても構わないし、これらの組み合わせであっても構わない。更にほかの素子と接続されていてもよい。
前記機能素子としては、画像表示のための液晶素子、エレクトロクロミック素子、電気泳動素子、電界回転素子等の表示素子、画像表示以外の空間変調素子や光演算素子、記憶装置に用いるメモリ素子、サーマルヘッド用画像記録素子等が挙げられる。
特に本発明の光スイッチング素子は、表示素子層と組み合わせた光書き込み型表示媒体として画像表示素子、特に液晶表示素子のスイッチングを行わせるのに効果的である。
<光書き込み型表示媒体>
本発明の光書き込み型表示媒体は、一対の電極の間に、少なくとも表示層と光スイッチング素子とを含む光書き込み型表示媒体であって、前記光スイッチング素子として前記本発明の光スイッチング素子を用いたものである。
前記のように、本発明の光スイッチング素子は、交流駆動時の明状態下における機能素子に掛かる電圧波形の対称性に優れるため、画像表示素子、特に液晶表示素子のスイッチングを行わせるのに効果的である。したがって、上記表示素子と本発明の光スイッチング素子と組みわせれば、光書き込み特性に優れた本発明の光書き込み型表示媒体となる。
図2に、前記のごとき機能層を備えた光スイッチング素子を用いた本発明の光書き込み型表示媒体の一例の概念図を示す。この光書き込み型表示媒体20は、光スイッチング素子30、表示素子40および光スイッチング素子30と表示素子40との間に挟まれた接着層50より構成され、光スイッチング素子30は基板31、電極層32、下部電荷発生層33、電荷輸送層34および上部電荷発生層35より構成され、表示素子40は、基板41、電極層42および表示層(液晶層等)43から構成される。
図から明らかなように、上部電荷発生層35を表示素子側に位置させる。前記光書き込み型表示媒体20において、光書き込みが光スイッチング素子側あるいは表示素子側から行なわれるかにより、光入射側の素子の基板および電極層を光透過性にすることが必要である。また、電極32と42との間には交流電圧が印加される。
光書き込み型表示媒体20は、表示素子40として液晶表示素子を用いた場合は、光書き込み型液晶表示素子として使用することが可能である。特に、液晶表示デバイスは、交流駆動が基本であり直流成分を嫌うため、本発明の光スイッチング素子の適用が効果的である。使用できる液晶は、ネマチック、スメクチック、ディスコチック、コレステリック系などである。
また、表示素子40としては、メモリ性のある表示素子40を用いることが好ましい。メモリ性のある表示素子40としては、例えば、前記液晶表示素子のうちメモリ性のある液晶表示素子を挙げることができる。メモリ性のある液晶とは、液晶を電圧印加により配向制御した後、電圧印加を解除した後も、一定時間、液晶の配向が保たれる特徴を持った液晶である。たとえば、ポリマー分散型液晶(PDLC)や、カイラルスメクチックC相等の強誘電性液晶、あるいはコレステリック液晶等である。また、これらをカプセル化した液晶素子でも適用可能である。メモリ性を有する液晶はそのメモリ性ゆえに、画像表示保持のための電力を必要とせず、表示媒体を光書き込み装置から分離して使用することを可能とすることができる。
なお、メモリ性のある表示素子40としては、上記液晶表示素子の他、エレクトロクロミック素子、電気泳動素子、電界回転素子を挙げることができる。
また、本発明においては、光スイッチング素子30と前記のごとき表示素子40とを接続する場合において、これらを一体化させて光書き込み型表示媒体20とすることが好ましい。一体化させることにより光スイッチング素子30と表示素子40との接続を安定化させることができる。
特に、メモリ性を有する表示素子40と光スイッチング素子30とを一体化することが効果的である。これらを一体化した光書き込み型表示媒体20は、デバイスを駆動する本体(光書き込み装置)から分離させることが可能となる。したがって、本体から分離させた表示媒体を、例えば配布することが可能になる。また、使用者は自由な場所で自由な姿勢で閲覧することができる。
もちろん、液晶部の画像表示のみ分離することにも適用可能である。しかし、表示素子40と光スイッチング素子30とを、再度改めて接続する場合の信頼性の確保が困難な場合があるため、表示素子40と光スイッチング素子30とを一体化したものの方が効果的である。
なお、前記一体化の方法としては、光スイッチング素子30、接着層50、および表示素子40を順次積層し一体化したデバイスとすることが、製造の容易性、表示機能の安定化の点から有利である。
また、光スイッチング素子の構成各層間、表示素子の構成各層間、あるいは光スイッチング素子や表示素子の表面あるいはそれらの間などに、必要に応じ、隔離層、遮光層、反射防止層、アンチカール層、紫外線吸収層等を形成してもよい。
本発明の光書き込み型表示媒体20としては、メモリ性を有する液晶素子と光導電スイッチング素子とを一体化したデバイス(画像表示媒体)が特に効果的である。また、上記メモリ性を有する液晶素子のなかでも、コレステリック液晶は、反射率が高く、表示性能が優れているため、コレステリック液晶表示素子と光スイッチング素子とを一体化したデバイスが特に画像表示媒体として望ましい。
本発明の光書き込み型表示媒体に書き込みを行なう光書き込み装置は、例えば、電源、制御手段、光パターン生成手段(例えば、透過型TFT液晶ディスプレイ)及び光照射手段(たとえばハロゲン光源)よりなる。また、光パターン生成手段と光照射手段を兼ね備えたELディスプレイやCRTディスプレイ、フィールドエミッションディスプレイ(FED)など自発光型ディスプレイも適用可能である。
本発明の光書き込み型表示媒体を駆動する駆動方法としては、特に制限されないが、交流電圧、周波数、照射光量および波長等による制御が適用可能であり、前記制御手段によって制御される。また、印加電圧が交流電圧の場合、波形としてはサイン波、矩形波、三角波などが使用可能である。もちろんこれらを組み合わせたものでも、まったく任意の波形であっても適用可能である。また、表示性能等改善のため、単独では表示の切り替えのできないようなサブパルスを駆動パルスに付加してもよい。
表示素子によっては、若干の直流バイアス成分印加が有効な場合があるが、本発明において、それを採用しても良いことはもちろんである。
本発明のメモリ性を有する光書き込み型表示媒体は、前記光書き込み装置により、画像を書き込むことができ、一度光書き込み型表示媒体に書き込んだ画像は、電源コネクタから外しても保持され、閲覧、回覧、配布等に供することができる。また、再度コネクタに接続し、電圧を印加することで、書き込んだ画像を消去することもでき、再び別の画像を書き込むことも可能であるため、省資源化の要求に応え得るものである。
以下、本発明を、実施例を挙げてさらに具体的に説明する。ただし、これら各実施例は、本発明を制限するものではない。
<実施例1>
(光スイッチング素子の作製)
−下部電荷発生層−
電極層としてITO膜(厚さ800Å)を形成したポリエチレンテレフタレート(PET)基板(3cm角、厚さ125μm)の前記ITO膜上に、下部電荷発生層を形成した。具体的には、まず、ヒドロキシガリウムフタロシアニン(X線回折スペクトルのブラック角(2θ±0.2°)が、7.0°、7.5°、10.5°、11.7°、12.7°、17.3°、18.1°、24.5°、26.2°及び27.1°に強い回折ピークを有するもの)を電荷発生材料とし、バインダー樹脂としてカルボキシル変性塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体VMCH(ユニオンカーバイド社製)を用い、その質量比率を1:1として、酢酸ブチルを用いてダイノーミル(ウィリー・エ・バッコーフェン社製)で分散させ、2質量%の分散液(塗布液A1)を調製した。これをスピンコート法により基板に塗布後、乾燥させ、下部電荷発生層を形成した。この下部電荷発生層の660nmにおける光吸収率は45%であった。
なお、前記塗布液A1のポットライフは6ヶ月以上であった。
次に、前記下部電荷発生層の上に電荷輸送層を形成した。具体的には、まず、前記例示した電荷輸送性高分子(84)をモノクロロベンゼンに溶解させ、18質量%の溶液(塗布液B1)を調製した。これをスピンコート法により塗布、乾燥することによって、前記下部電荷発生層上に7μm厚の電荷輸送層を形成した。
更に、前記塗布液A1において固形分濃度を4質量%にした以外は同様の組成とした塗布液を用いて、スピンコート法により前記電荷輸送層の上に塗布、乾燥させ、上部電荷発生層を形成した。このとき、上部電荷発生層は均質であり電荷輸送層の溶解または膨潤による塗布欠陥は見られなかった。この上部電荷発生層の660nmにおける光吸収率は80%であった。
以上のようにして、光スイッチング層を有する光スイッチング素子を作製した。
(光スイッチング素子の評価)
前記光スイッチング素子の上部電荷発生層の上に、スパッタ法により厚さ50nmの金電極を形成した。この光スイッチング素子に対し、ITOと表面金電極との間に電圧を印加し(10V/μm)、PETフィルム側から660nmの色素レーザー光を照射してスイッチング素子に流れる過渡光電流をTOF法(飛程時間法)によって観測し、得られたTOF波形を積分することによって発生電荷量を求め、ITOと金電極とに印加する電圧の向きを逆転し、双方の電荷発生量の比を取ることによって、光感度の印加電圧極性に対する対称性を評価した。
その結果、本実施例の光スイッチング素子の対称性比(ITO側を正にした場合の発生電荷量/ITO側を負にした場合の発生電荷量)は1.1であり、非常に対称性に優れることが確認された。
(光書き込み型表示媒体の作製)
前記作製した光スイッチング素子を用い、該光スイッチング素子の上部電荷発生層の上に、隔離層として、スピンコート法によりポリビニルアルコール(クラレ社製、ポバール17EE)の3質量%水溶液を塗布し、ポリビニルアルコール膜(膜厚:0.2μm)を形成した。さらに、隔離層の上に、遮光膜、カプセル液晶による表示素子層、透明電極層及び透明基板を以下のようにして形成した。
正の誘電率異方性を有するネマチック液晶E8(メルク社製)74.8質量部に、カイラル剤CB15(BDH社製)21質量部とカイラル剤R1011(メルク社製)4.2質量部とを加熱溶解し、その後、室温に戻して、ブルーグリーンの色光を選択反射するカイラルネマチック液晶を得た。このブルーグリーンカイラルネマチック液晶10質量部に、キシレンジイソシアネートとトリメチロールプロパンとの付加物D−110(武田薬品工業製)3質量部と酢酸エチル100質量部とを加えて均一溶液とし、油相となる液を調製した。一方、ポリビニルアルコール(クラレ社製、ポバール217EE)10質量部を、熱したイオン交換水1000質量部に加えて攪拌後、放置冷却することによって、水相となる液を調製した。
次に、スライダックで30Vの交流を与えた家庭用ミキサーによって、前記油相10質量部を前記水相100質量部中に1分間乳化分散処理して、水相中に油相液滴が分散した水中油エマルジョンを調製した。この水中油エマルジョンを60℃のウォーターバスで加熱しながら2時間攪拌し、界面重合を行わせ、液晶マイクロカプセルを形成した。得られた液晶マイクロカプセルの平均粒径をレーザー粒度分布計によって測定したところ、約12μmと見積もられた。得られた液晶マイクロカプセル分散液を、網目38μmのステンレスメッシュを通して濾過後、一昼夜放置し,乳白色の上澄みを取り除くことにより、液晶マイクロカプセルからなる固形成分約40質量%のスラリーを得た。得られたスラリーに、その固形成分の質量に対して2/3となる量のポリビニルアルコールを含むポリビニルアルコール10質量%の水溶液を加えることにより塗布液Cを調製した。
ITO膜付きのPETフィルムのITO膜面の上に、上記塗布液Cをワイヤーバー法にて塗布することにより、液晶を含む表示層を形成し、表示素子を作製した。
一方、先に光スイッチング層及び隔離層が形成されたPETフィルムの隔離層面上に、ブラックポリイミドBKR−105(日本化薬製)を塗布し、遮光膜(厚さ:1μm)を形成した後、更に、ドライラミネート接着剤であるディックドライWS−321A/LD−55(大日本インキ化学工業)を塗布し、乾燥させて厚さ4μmの接着層を形成した。この接着層の上に、表示層が形成されたPETフィルムを、表示層と接着層とが接するように密着させ、70℃でラミネートを行い、光書き込み型表示媒体を得た。
(光書き込み型表示媒体の評価)
作製した表示媒体を以下のように評価し、光書込み型表示媒体として有効に機能することを検証した。
光照射は660nmにピークを持つLED光源を用いた。明時(Photo)の光量は、400μW/cm2とした。電圧は、10Hz、2パルスで0〜600Vまで変化させた。電圧パルスとして矩形波、第一パルスが負極性パルス、第二パルスが正極性パルスとした。なお、電圧は光照射側基板の透明電極に印加し、対向の電極はアースに接続した。明時と暗時(Dark)の反射率を、反射光学濃度としてX−rite404(X−rite社製)により測定した。
その結果、最大コントラスト(電圧を固定した状態での表示層反射率の明暗比の最大値)が12、駆動マージン(最大明暗比の50%以上のコントラストが得られる電圧幅)が280Vという良好な値が得られた。
<実施例2>
実施例1の光スイッチング素子の作製において、電荷輸送層形成に用いた電荷輸送性高分子(84)の代わりに電荷輸送性高分子(63)を用いた以外は、同様にして光スイッチング素子、光書き込み型表示媒体を作製した。なお、この場合にも上部電荷発生層形成時に塗布欠陥は見られなかった。
この光スイッチング素子と光書き込み型表示媒体を用いて実施例1と同様の評価を行なったところ、対称性比は1.1、最大コントラストは11、駆動マージンは260Vと、実施例1とほぼ同等の良好な結果が得られた。
<実施例3>
実施例1の光スイッチング素子の作製において、電荷発生層塗布液の溶剤を酢酸ブチルからブタノールに、バインダー樹脂をカルボキシ変性塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体(ブタノールには不溶)からポリビニルブチラールBM−S(積水化学社製)に変更した以外は、同様にして光スイッチング素子、光書き込み型表示媒体を作製した。なお、この場合にも上部電荷発生層形成時に塗布欠陥は見られなかったが、電荷発生層塗布液は数週間で凝集が認められ使用が不可能となった。
この光スイッチング素子と光書き込み型表示媒体を用いて実施例1と同様の評価を行なったところ、対称性比は1.2、最大コントラストは9、駆動マージンは200Vと、実施例1及び2と比べると若干劣るものの実用に耐える結果が得られた。
<比較例1>
電荷輸送材料としてN,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)ベンジジンと、バインダー樹脂としてポリカーボネート(ビスフェノール−Z、三菱瓦斯化学社製、重量平均分子量:40000)とを、1:1の質量比で混合した後、これをモノクロロベンゼンに溶解させ20質量%の溶液(塗布液B2)を調製した。
実施例1の光スイッチング素子の作製において、電荷輸送層の形成を上記塗布液B2を用いて行なった以外は、同様にして光スイッチング素子の作製を行った。この場合には、上部電荷発生層形成時に電荷輸送層の溶解または膨潤によると思われる顕著な塗布欠陥が発生し、評価に耐えないものであった。
<比較例2>
電荷輸送材料として、前記一般式(I−1)におけるAが下記一般式(IX−1)に示す有機基である電荷輸送性高分子CP−1(X、Y、R1、R2、k、m、n及びpは表12に示す通り)を用い、これをモノクロロベンゼンに溶解させ18質量%の溶液(塗布液B3)を調製した。
Figure 2007279371
Figure 2007279371
実施例1の光スイッチング素子の作製において、電荷輸送層の形成を上記塗布液B3を用いて行なった以外は、同様にして光スイッチング素子の作製を行った。この場合にも、上部電荷発生層形成時に電荷輸送層の溶解または膨潤によると思われる顕著な塗布欠陥(比較例1よりは軽度)が発生し、評価に耐えないものであった。
以上の結果のように、実施例における光スイッチング素子は、電荷発生量は両方向ともほぼ等しく、良好な対称性を示した。また、それに伴いこれを用いた光書き込み型表示媒体でも、良好な光書き込み特性が得られた。
一方、比較例1では、上部電荷発生層塗布時に塗布欠陥が発生し、塗布法によるデュアルCGL構造の作製が不可能であった。また、本発明とは異なる電荷輸送性高分子を用いた比較例2の場合にも、比較例1よりは軽微であるが、同様の上部電荷発生層における塗布欠陥が発生した。この差異は、比較例2で用いた電荷輸送性高分子CP−1の構造式におけるArが芳香環数が1個の芳香族基であるため、本発明に比べ耐溶剤性に劣るためと推定される。
さらに、実施例3では、実施例1及び2に比べ光スイッチング素子の特性が若干悪かった。これは、プロトン系溶剤であるブタノールで分散した電荷発生層形成塗布液を用いてCGLを形成した場合には、電荷発生材料の分散性が最適な状態にはなく、本来の電荷発生特性を引き出せないためと推定される。
本発明の光スイッチング素子の一形態を示す概略構成図である。 本発明の光書き込み型表示媒体の一形態を示す概略構成図である。
符号の説明
20 光書き込み型表示媒体
30 光スイッチング素子
31、41 基板
32、42 電極
33 下部電荷発生層
34 電荷輸送層
35 上部電荷発生層
40 表示素子
43 表示層
50 接着層

Claims (4)

  1. 一対の電荷発生層と、該一対の電荷発生層に挟持された電荷輸送層と、を含んで構成される光スイッチング層を有する光スイッチング素子であって、
    該電荷輸送層が、下記一般式(I−1)及び(I−2)で示される電荷輸送性高分子のうちの少なくとも1種を含んでなることを特徴とする光スイッチング素子。
    Figure 2007279371
    (一般式(I−1)及び(I−2)中、Y及びZはそれぞれ独立に任意の有機基を表し、Aは下記一般式(II−1)で示される有機基を表し、B及びB’はそれぞれ独立に−O−(Y−O)m−Hまたは−O−(Y−O)m−CO−Z−CO−OR’(ここで、R’は水素原子、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアリール基を表し、Y及びZはそれぞれ独立に任意の有機基を表す。)を表し、mは1〜5の整数を表し、pは5〜5000の整数を表す。)
    Figure 2007279371
    (一般式(II−1)中、Arは置換もしくは未置換の芳香環数2以上の芳香族基を表し、Xは置換もしくは未置換の芳香族基を表し、Tは−O−または任意の有機基を表し、k、nはそれぞれ独立に0または1の整数を表す。)
  2. 前記一般式(II−1)で示される有機基におけるXが、下記構造式(III−1)、(III−2)及び(III−3)で示される有機基のうちのいずれかであることを特徴とする請求項1に記載の光スイッチング素子。
    Figure 2007279371
  3. 前記電荷発生層が、少なくとも電荷発生顔料、バインダー樹脂及び非プロトン系溶剤を含む分散液から作製されたことを特徴とする請求項1または2に記載の光スイッチング素子。
  4. 少なくとも表示層と光スイッチング素子とを含む光書き込み型表示媒体であって、
    前記光スイッチング素子が請求項1〜3のいずれか1項に記載の光スイッチング素子であることを特徴とする光書き込み型表示媒体。
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