JP2007278402A - オイルリング用線材の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明の目的は、小断面の2ピース型オイルリング用線材の製造方法において、ハンドリング時の変形を防ぐとともに、スパッタの付着を低減するのに好適なオイルリング用線材の製造方法を提供することである。
【解決手段】 本発明は、複数の貫通孔を線材の長手方向に具備する断面の外接円径が10mm以下の断面が略H型の2ピース型オイルリング用線材の製造方法であって、塑性加工によって断面が略H型に成形した線材に焼入れ焼戻しの熱処理を行なう工程と、次いで前記貫通孔を形成する面に油を塗布する油塗布工程と、次いでレーザによって所定寸法の前記貫通孔を穿孔する穿孔工程とを有するオイルリング用線材の製造方法である。
【選択図】 図3

Description

本発明は、複数の貫通孔を線材の長手方向に具備するオイルリング用線材の製造方法に関するものである。
2ピース型オイルリングに用いられる所定寸法の複数の貫通孔を線材の長手方向に具備するオイルリング用線材の製造において、貫通孔を形成する方法としてレーザによる穿孔方法が提案されている。
この2ピース型オイルリングは、断面が略H型の2ピース型オイルリング用線材をC字形に曲げ成形されたリングと1本のコイルエキスパンダからなり、リングの内周に配置されるコイルエキスパンダの拡張力により、リングの外周をシリンダ内壁に適当な圧力で押し付ける構成のものである。
たとえば特許文献1には、2ピース型オイルリングの半径方向に連絡する貫通孔をレーザビーム加工により形成することにより、2ピース型オイルリングのクラックやバリ等の形状不良が発生しないという特性を改善した提案がなされている。
特許文献1では、リング成形前の線材状態で孔あけする場合と、リング成形後に孔あけする場合の2つからなる。いずれもパンチ加工を用いないのでリングにクラックやバリが発生しないことが特徴となっている。
特許文献2には、YAGレーザを含む高熱エネルギー密度加熱法を用い加熱し、アシストガスに酸素や空気を用いることが開示されている。
特開平3−260473号公報 特開平9−159025号公報
上述した2ピース型のオイルリング用線材を製造する際に、断面サイズの小さい線材にレーザで複数の貫通孔を穿孔すると線材の強度が低下し、搬送時等のハンドリングでオイルリング用線材に形状変形が生じやすくなるという問題があった。
また、上述した特許文献1あるいは2に開示されるように、レーザ加工は、穿孔のための工数削減の点では有利であるが、断面異形線材の表面にレーザ加工により溶融除去された金属(以下スパッタという)が飛散して付着するという問題があった。
この問題は、穿孔部との境界部に発生するドロスとは異なり、穿孔部よりやや距離を置いて、ランダムな位置に点在する如く発生するため、小断面の断面異形線材については後処理による除去が著しく困難になるという問題があった。スパッタが残留すると、オイルリングの内側に配置されるスプリングの取付け時に邪魔になるほか、局部的なシリンダとの接触(局部磨耗)を生じさせる恐れがある。またエンジン使用中に、スパッタの脱落により、エンジン潤滑油中に金属の塊が混入し、シリンダ壁面に損傷を与える危険性がある。
本発明の目的は、上述した問題に鑑み、小断面の2ピース型オイルリング用線材の製造方法において、ハンドリング時の変形を防ぐとともに、スパッタの付着を低減するのに好適なオイルリング用線材の製造方法を提供することである。
本発明者は、レーザ加工前に断面が略H型の線材に焼入れ焼戻しの熱処理を施し強度を高め、次いで貫通孔を形成する面への油塗布と、レーザによる穿孔とを組合せることで上述の課題を解決した。
すなわち本発明は、複数の貫通孔を線材の長手方向に具備する断面の外接円径が10mm以下の断面が略H型の2ピース型オイルリング用線材の製造方法であって、塑性加工によって断面が略H型に成形した線材に焼入れ焼戻しの熱処理を行なう工程と、次いで前記貫通孔を形成する面に油を塗布する油塗布工程と、次いでレーザによって所定寸法の前記貫通孔を穿孔する穿孔工程とを有するオイルリング用線材の製造方法である。
本発明によれば、ハンドリング時の変形を防ぐとともに、スパッタの付着を著しく低減することができ、2ピース型オイルリングに用いるオイルリング用線材の品質向上、生産性の向上にとって欠くことのできない重要技術となる。
本発明の重要な特徴について具体的に説明する。
先ず、断面が略H型の線材を焼入れ焼戻しの熱処理を行なう工程を設ける。オイルリング用線材に所定寸法の貫通孔を穿孔する穿孔工程の前に焼入れ焼戻しの熱処理を行なうことにより、線材の強度が向上し、貫通孔を形成しても、ハンドリング時に生じる変形や、熱処理による貫通孔の形状変形を防止することが可能となる。
次に、オイルリング用線材の貫通孔を形成する面へ油を塗布する油塗布工程を設ける。油塗布は、線材へのスパッタ付着量を激減させる効果がある。その効果については飛散した金属溶滴が金属面上に着地する時、金属表面と溶滴とが直接接触するのを抑制し、溶着の発生を防ぐことによるものと考えられる。
また、油塗布は連続焼入れ焼戻しの熱処理を行なった後に設ける理由は、焼入れ焼戻し熱処理前にオイルリング用線材に油が付着していると、熱処理の際にオイルリング用線材表面が浸炭されるなど変質し、オイルリング本来の機能を果たさなくなるためである。
次に、オイルリング用線材にレーザによって所定寸法の貫通孔を穿孔する穿孔工程を設ける。予め硬さを調整するための焼入れ焼戻し熱処理を施したオイルリング用線材に、従来用いられていた打抜きによる穿孔は格段に困難となっている。本発明は、レーザによって所定寸法の貫通孔を穿孔することにより、最終製品の硬さに調整された高硬度なオイルリング用線材に対しても穿孔可能となる。
本発明は、穿孔工程より前に焼入れ焼戻しの熱処理を行なうことにより、オイルリング用線材の貫通孔を形成する面へ油を塗布する油塗布工程で塗布した油を除去する必要がなくなる。オイルリング用線材に塗布された油は、防錆剤の役割も果たすため、オイルリング用線材の製造メーカから加工メーカへ搬送する際に錆を防止するには有効である。
本発明において断面の外接円径が10mm以下の断面が略H型の線材に限定したのは、10mm以上もの大きさを有する線材の加工では、一般の機械加工に対し加工生産性に関しての優位性を維持できないためである。
オイルリングは、シリンダ内壁面を往復運動することによって、シリンダ内壁面に適量の潤滑油膜をつくる。即ちピストンが燃焼部に近づく時には、下側のレール部で内壁面の潤滑油を掻き落とし、ウェブ部の貫通孔から排出する。逆にピストンが燃焼部から遠ざかる時には、上側と下側のレール部により余分な潤滑油を掻き落とす。したがって、2箇所のレール部をつなげる部分が必要であり、断面形状は略H型形状を採る。
本発明のオイルリング用線材をオイルリングに適用する場合は、例えば、図1、2に示すような形状とする。このとき、代表的な寸法として、ウェブ部の厚さ1が0.7mm以下、ウェブ部に形成する貫通孔の幅2が0.1〜1.2mm、貫通孔の長さ3が0.1〜5.0mm、貫通孔のピッチ4が1〜10mmと極微小な寸法とする。
2箇所あるレールの内側間の寸法5は、潤滑油の掻き落とし量の安定化のために寸法が2mm以下へと縮小している。貫通孔の幅方向の寸法も1.2mm以下さらには0.4mm以下まで狭まっている。
本発明は、小径の孔を穿孔する予備穿孔工程を設けることが好ましい。穿孔工程は、小径であることから、高エネルギーを導入する必要がなくなり、スパッタの抑制に効果がある。
次に、所定寸法の孔を形成する仕上げ穿孔工程を設けることが好ましい。これにより、予備穿孔工程で形成した孔は拡張されるため、油塗布の効果により貫通孔近傍、即ち実質的な拡張部に限定的に存在していたスパッタの発生部は加工除去される。
被加工物は図1に示す寸法で、材質はJIS G4303で規定されるSUS440B相当の圧延後の材料を使用した。先ず、焼入れ硬さが650−750HV、焼戻し硬さが380−420HVとなるように熱処理を行なった。次いで、加工条件は、使用レーザとして出力6kWのYAGパルスレーザを用いた。オイルリング用線材にレーザによって所定寸法の貫通孔を穿孔した。油の塗布は、オイルリング用線材の穿孔面にはけにより塗布を行なった。油は冷間圧延用圧延油(粘度20cSt/40℃)を用いた。オイルリング用線材に穿孔する孔の大きさは、貫通孔の幅2が0.5mm、貫通孔の長さ3が1.0mm、貫通孔のピッチ4が10mm、ウェブの厚さ1が0.5mm、レール間の内側寸法5を1.7mm、外接円径を3.65mmとした。予備穿孔ビーム径はφ0.3mmとし、仕上げ穿孔ビーム径をφ0.6mmとした。予備穿孔と仕上げ穿孔はパスを分けて実施した。線材の送り速度は12m/分で送った。
焼入れ焼戻し熱処理で硬さを調整したオイルリング用線材を油塗布工程やレーザ穿孔工程でハンドリングする際に、いずれの工程でもオイルリング用線材に形状変形がないことを確認した。
次に、レーザによる穿孔加工におけるスパッタの付着の確認を行なった。スパッタの付着は、40倍の実体顕微鏡で全長且つ全幅観察し、直径が2μm以上の付着物をカウントし、穿孔した孔の1個あたりのスパッタ付着平均個数を求めた。
本発明の実施例では、圧延油を断面異形線材の穿孔面に塗布した状態で予備穿孔加工により下孔を穿孔し、次いで仕上げ穿孔した断面異形線材の全長且つ全幅には、スパッタの付着は確認されなかった。
次に、レーザによる穿孔加工後、オイルリング用線材の表面を実体顕微鏡にて観察した。本発明の実施例の一例を図3に示す。図3より、オイルリング用線材に貫通孔が形成されており、且つスパッタの付着がなく、オイルリング用線材として適していることが確認できた。
本発明の一例を示す構成図である。 図1の貫通孔部を示す平面図である。 本発明の一例を示す外観写真である。
符号の説明
1.ウェブの厚さ、2.貫通孔の幅、3.貫通孔の長さ、4.貫通孔のピッチ、5.レール間の内側寸法、6.レール部、7.貫通孔

Claims (1)

  1. 複数の貫通孔を線材の長手方向に具備する断面の外接円径が10mm以下の断面が略H型の2ピース型オイルリング用線材の製造方法であって、塑性加工によって断面が略H型に成形した線材に焼入れ焼戻しの熱処理を行なう工程と、次いで前記貫通孔を形成する面に油を塗布する油塗布工程と、次いでレーザによって所定寸法の前記貫通孔を穿孔する穿孔工程とを有することを特徴とするオイルリング用線材の製造方法。
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Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09159025A (ja) * 1995-12-08 1997-06-17 Hitachi Metals Ltd 内燃機関のオイルリング用溝付異形線材への貫通孔穿孔方法
JP2004322124A (ja) * 2003-04-23 2004-11-18 Nissan Motor Co Ltd レーザ加工方法

Patent Citations (2)

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